JP4260433B2 - 液体漂白剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体漂白剤組成物、特に繊維製品用として好適な液体漂白剤組成物に関する
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
過酸化水素を主基剤とする液体漂白剤は色・柄物に使用でき、汚れに直接塗布できるなどの利点から好まれて使用されている。液体漂白剤は、弱アルカリ洗剤と共に洗濯機に入れて洗浄する方法、あるいは汚れに直接塗布した後、弱アルカリ洗剤と共に洗濯機で洗浄する方法で使用されるのが一般的であるが、未だその漂白効果は満足できるものではなく、例えば皮脂と食べこぼしのシミが複合したような頑固な汚れには、直接塗布する洗浄方法においても、汚れを完全に落とすことは非常に困難である。
【0003】
このような背景から、漂白効果を改善したアルカリ性の液体漂白剤組成物が提案されている。特開平7−144905号公報、特開平4−349109号公報には特定の安定化剤を用いた組成物が優れた漂白効果と安定性を示すことが開示されている。また、WO9112309号公報、WO9112307号公報には粉末状の無機過酸化物を分散させたアルカリ性液体漂白剤が開示されている。
【0004】
一方、過酸化水素と特定の有機溶剤を含有する液体漂白剤も知られている。特開平9−183998号公報には、過酸化水素及び界面活性剤を含み、更に溶解度パラメーターが7〜18の有機溶剤(具体的にはグリコール系溶剤や、酢酸エステル等)を含有する液体漂白剤が開示されており、特表2000−504371号公報には、過酸化水素と共に有機クリーニング溶剤を含有するスポットクリーニング組成物が開示されており、溶剤としてブトキシプロポキシプロパノールが挙げられている。また特表2000−507643号公報には、過酸漂白剤に、低級アルコールと、ポリオール系の水溶性溶剤又はエーテル系溶剤の2種の溶剤を含有するカーペットクリーナーが開示されている。
【0005】
また、本発明者らは、過酸化水素、アルカリ剤、及び非イオン界面活性剤を含有する漂白剤を汚れに直接塗布することで非常に高い漂白洗浄効果が得られることを見出し、更に、配合する非イオン界面活性剤のHLBが低い化合物ほど、漂白洗浄効果を高めることができることを見出した。しかしながらアルカリ剤を特定量含有する水溶液にHLBの低い非イオン界面活性剤を配合すると、非イオン界面活性剤が溶解せずに分離あるいは白濁し、非イオン界面活性剤の効果を減じるため、期待される漂白洗浄効果が得られないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、過酸化水素とアルカリ剤を含む液体漂白剤において、従来以上に優れた漂白効果、特に繊維製品に対するシミ汚れに直接塗布して作用させる場合に効果的な液体漂白剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)過酸化水素〔以下、(a)成分という〕0.5〜10質量%、(b)アルカリ剤〔以下、(b)成分という〕0.5〜20質量%、及び(c)一般式(1)で表される化合物〔以下、(c)成分という〕0.5〜10質量%を含有する液体漂白剤組成物に関する。
【0008】
【化2】
【0009】
〔式中、R1は分岐を有する炭素数5〜10の炭化水素基を示し、X及びYはヒドロキシ基、又は−OR1、又は−O−CH2CH(OH)CH2−OZ、又は−O−CH(CH2OH)(CH2OW)で表される基であり、X及びYの少なくとも一方はヒドロキシ基であり、かつZ及びWはどちらも水素原子又はどちらか一方が水素原子で他方がR1である。〕
【0010】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は過酸化水素であり、組成物中に0.5〜10質量%、好ましくは1〜6質量%、特に好ましくは1〜5質量%含有される。この範囲において、優れた漂白洗浄効果を得ることができる。
【0011】
<(b)成分>
本発明の(b)成分はアルカリ剤であり、組成物中に1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜7質量%含有される。好ましい(b)成分としては、無機アルカリ剤であり、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸3カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸2水素カリウムから選ばれる1種以上が挙げられる。本発明では特に炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムが好ましく、炭酸カリウムが最も好ましい。炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムが好ましい理由としては、塗布時に漂白対象に起因するpHの低下による漂白力低下を抑制することができるためであり、更に、後述するような2剤型として貯蔵し、使用直前に本組成に調整するような方法において、混合した後の組成物のpHを効果的なpHに保つことができるためである。
【0012】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は下記一般式(1)の化合物である。
【0013】
【化3】
【0014】
〔式中、R1は分岐を有する炭素数5〜10、好ましくは5〜8の炭化水素基を示し、X及びYはヒドロキシ基、又は−OR1、又は−O−CH2CH(OH)CH2−OZ、又は−O−CH(CH2OH)(CH2OW)で表される基であり、X及びYの少なくとも一方はヒドロキシ基であり、かつZ及びWはどちらも水素原子又はどちらか一方が水素原子で他方がR1である。〕。
【0015】
本発明では漂白効果の点から、R1が、分岐を有する炭化水素基であることを要件とする。本発明では特にR1が、炭素数3又は4の側鎖を1つ以上、好ましくは1〜5つ有する分岐型アルキル基であることが好ましい。このような分岐型アルキル基としては、具体的には2−エチルヘキシル基、イソノニル基、イソデシル基、イソトリデシル基等が挙げられ、2−エチルヘキシル基が最も好ましい。
【0016】
一般式(1)で表される化合物は、R1OHとエピハロヒドリンやグリシドール等のエポキシ化合物をBF3等の酸触媒を用いて反応させて製造する方法が一般的である。
【0017】
又、本発明では、国際出願95/50389号公報及び特開2001−49291号公報に記載されているように、アルコール化合物にエピハロヒドリン及び/又はグリシドールを付加させる方法が特に好ましい。
【0018】
本発明の組成物は、(c)成分を0.5〜10質量%、更に0.5〜5質量%含有することが好ましい。
【0019】
なお、(c)成分に関連して、アルキルグリセリルエーテルを洗浄剤に応用することは既に知られており、多数の発明が公開されている。例えば液体洗浄剤に関する発明としては、特開昭57−133200号公報に、α−モノ(メチル分岐アルキル)モノグリセリルエーテルを配合する発明が、また特開平7−3289号公報には、アルキル基の炭素数が1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルフリル基のグリセリルエーテルを配合する発明が記載されており、その他、液体洗浄剤としては、特開平11−189796号公報、特開平11−256198号公報、特開平11−256200号公報、、特開2001−19993号公報、及び特表平5−502687号公報を挙げることができる。これら先行技術は、硬質表面に頑固に付着した変質油汚れや、食器の洗浄、及び浴室の汚れの洗浄に関する発明であり、基材損傷性が無い点を特徴とするものであって、漂白剤についての記載はない。
【0020】
一方、グリセリルエーテルと漂白剤とを併用する洗浄剤としては次の発明が公開されている。特開昭52−101211号公報には、炭素数が8〜16の線状アルキル又はアルケニル基を有するモノグリセリルエーテルと非イオン界面活性剤を配合する編織物(ファブリック)に付着した油汚れに効果的な洗浄剤に、任意成分として漂白剤を配合してもよいことが記載されている。特開2001−72995号公報には、炭素数1〜16の炭化水素基を有するモノアルキルグリセリルエーテルと界面活性剤を含有する洗浄剤組成物に関し、任意成分として漂白剤を配合してもよいことが記載されている。特開平4−292697号公報には、アルキルグルコシドと炭素原子7〜20個のモノグリセリルエーテルを併用する洗浄剤組成物に、任意成分として漂白剤を配合してもよいことが記載されている。これらにおいては、いずれも漂白剤は任意成分であり、また具体的に示唆がある物質は有機過酸化合物か、過ホウ酸塩、過炭酸塩などの無機固体性の漂白剤である。しかも、これら従来技術は、粉末の組成物において漂白剤の配合を示唆するものである。また、本発明の(c)成分のような炭素数が10以下の分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテルは液体であり、粉末系に配合する場合は粉末成分に担持することが想定されるが、このような用法から示唆されるアルキルグリセリルエーテルの配合量はごく少量に限られる。このように、従来技術は、基本的に粉末系において、固体漂白剤と少量のアルキルグリセリルエーテルを併用できることを示唆するに過ぎない。本発明の液体漂白洗浄剤は、希釈することなく直接塗布することで最も優れた漂白効果を得ることができるものであるが、上記従来技術で得られる粉末組成物を水に溶解させて得られる液体組成物は希釈倍率が高く、本発明の目的には合致しない。
【0021】
本発明の漂白効果を発揮できる(a)成分と(c)成分の化合物の比率は、好ましくは1/10〜15(質量比)であり、より好ましくは3/10〜5である。
【0022】
<その他>
本発明では任意ではあるが漂白洗浄効果を高める目的から漂白活性化剤又は有機過酸〔以下、(d)成分という〕を含有することが好ましい。漂白活性化剤としては漂白効果及び貯蔵安定性の点からアルカノイルオキシベンゼン型漂白活性化剤が好ましく、特に炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸もしくは炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はこれらの塩が好ましい。具体的な好ましい例としてはオクタノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、オクタノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ノナノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、デカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、及びこれらの塩が挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましく、特にナトリウム塩が溶解性の点から好ましい。
【0023】
これらの中でも特にノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸及びこれらの塩が親油性汚れ漂白効果の点から好ましい。
【0024】
有機過酸としては上述の漂白活性化剤と過酸化水素が反応して生成する化合物が好ましく、具体的には過オクタン酸、過ノナン酸、過デカン酸、過ウンデカン酸、過ドデカン酸、過3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好適である。また、これら有機過酸と上記漂白活性化剤が反応することで生成する過酸化ジアルカノイルも本発明では好適な漂白活性化剤として作用する。具体的には過酸化ジオクタノイル、過酸化ジノナノイル、過酸化ジデカノイル、過酸化ジウンデカノイル、過酸化ジドデカノイルであり、異なるアルキル鎖長のアルカノイル基を有する過酸化ジアルカノイルを用いることも可能である。
【0025】
本発明の組成物は、(d)成分を0.01〜5質量%、更に0.01〜3質量%、特に0.01〜1.5質量%含有することが漂白効果の点から好ましい。
【0026】
本発明では、漂白洗浄効果を高める目的から、本発明の漂白組成物に分散剤〔以下、(e)成分という〕を含有することが好ましい。特に、重量平均分子量5千〜4万、好ましくは5千〜1万のポリアクリル酸(塩)もしくはポリメタクリル酸(塩)及び重量平均分子量1万〜10万、好ましくは3万〜7万のアクリル酸とマレイン酸のコポリマー(塩)から選ばれるカルボン酸系ポリマー、並びに重量平均分子量4千〜2万、好ましくは5千〜1万のポリエチレングリコールから選ばれる非イオン性ポリマーが好ましい。本発明の組成物は、(e)成分を0.05〜14質量%、更に0.1〜8質量%含有することが好適である。
【0027】
本発明では漂白洗浄効果を高める目的から(c)成分以外の界面活性剤〔以下、(f)成分という〕を含有することが好ましい。本発明に用いることが出来る(f)成分としては、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び(c)成分以外の非イオン界面活性剤である。
【0028】
陰イオン界面活性剤(f1)としては、分子中に炭素数10〜18、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜15のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的には上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、アルキレンオキシド平均付加モル数1〜6のポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸、およびこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が貯蔵安定性の点から良好である。
両性界面活性剤(f2)としては下記一般式(2)の化合物又は一般式(3)の化合物から選ばれる化合物が好ましい。
【0029】
【化4】
【0030】
〔式中、R2は炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基であり、R4、R5は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。R3は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。Uは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、hは0又は1、好ましくは1の数である。〕
【0031】
【化5】
【0032】
〔式中、R6は炭素数9〜23、好ましくは9〜17、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R7は炭素数1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは2又は3のアルキレン基である。Vは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、iは0又は1の数、好ましくは0である。R8、R9は、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、R10はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。Dは、−SO3 -、−OSO3 -から選ばれる基であり、特に−SO3 -が漂白洗浄効果の点から良好である。〕。
【0033】
陽イオン界面活性剤(f3)としては、下記一般式(4)の陽イオン界面活性剤が好ましい。
【0034】
【化6】
【0035】
〔式中、R11は炭素数8〜18、好ましくは10〜18、特に好ましくは10〜16のアルキル基またはアルケニル基であり、R12、R13、R14は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。X-は陰イオン、好ましくは炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3の置換基を1〜3個有していてもよいアリールスルホン酸イオンである。〕。
【0036】
(c)成分以外の非イオン界面活性剤(f4)としては、一般式(5)の化合物が好ましい。
R15−T−[(R16O)a−H]b (5)
〔式中、R15は、炭素数6〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R16は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。aは4〜200の数を示す。
【0037】
【化7】
【0038】
一般式(5)の化合物において、R15の炭素数は10〜16、特に10〜14が好適である。また、aが小さいと非イオン界面活性剤が組成物に溶解せず、白濁/分離を引き起こし、漂白洗浄効果が低下するという問題が生じるため、好ましくは6〜50、特に好ましくは7〜15である。
【0039】
一般式(5)の化合物の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
R15−O−(C2H4O)c−H (5−1)
〔式中、R15は前記の意味を示す。aは4〜200、好ましくは6〜50、より好ましくは7〜15の数である。〕
R15−O−(C2H4O)d−(C3H6O)e−H (5−2)
〔式中、R15は前記の意味を示す。d及びeはそれぞれ独立に2〜15、好ましくは2〜10の数であり、d及びeの合計は、好ましくは6〜50、より好ましくは7〜15の数である。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0040】
【化8】
【0041】
〔式中、R15は前記の意味を示す。f及びgの合計は好ましくは6〜50、より好ましくは7〜15の数である。〕。
【0042】
本発明ではこれらの中でも特に一般式(5−1)及び(5−2)から選ばれる非イオン界面活性剤が好ましい。
【0043】
本発明では特に(f2)成分である両性界面活性剤、及び(f4)成分である非イオン界面活性剤を併用することが漂白洗浄効果を高める目的から好ましい。また、これら界面活性剤を併用する場合には漂白洗浄効果を向上させる目的から、(c)成分/(f2)成分の質量比は、好ましくは1/30〜30/1、より好ましくは1/10〜10/1、特に好ましくは1/5〜5/1であり、(c)成分/(f4)成分の質量比は、好ましくは1/100〜20/1、より好ましくは1/100〜10/1、特に好ましくは1/50〜5/1である。さらに、本発明の組成物は、(f)成分を合計で好ましくは0〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%含有する。
【0044】
さらに本発明の組成物は金属イオン封鎖剤〔以下、(g)という〕を含有することが好ましい。本発明に用いられる(g)成分としては、(1)フィチン酸等のリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(7)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩、(8)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0045】
これらの中で上記(2)、(5)、(6)および(7)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、上記(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
【0046】
本発明の組成物中の(g)成分の含有量は、好ましくは0.005〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
【0047】
本発明の組成物は、上記成分を水に溶解させた水溶液(分散状態も含む)の形態であり、用いる水は微量に存在する金属を取り除いたイオン交換水又は蒸留水を用いることが好ましい。また、組成物の20℃におけるpHは好ましくは9〜13、より好ましくは9.5〜12である。
【0048】
本発明の組成物は、使用する直前に調製して漂白することが高い漂白効果を得る上で好適である。調整する方法としては(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び所望によりその他成分の所定量をそれぞれ個別に水に溶解する方法を用いることができるが、簡便性の点から(a)成分及び(c)成分を含有するA剤と、(b)成分を含有するB剤とを別々に用意し、両者を使用直前に混合し漂白操作に供することが好ましい。
【0049】
すなわち、本発明は、(a)過酸化水素、(c)一般式(1)で表される化合物及び水を含有する組成物からなるA剤と、(b)アルカリ剤及び水を含有する組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型漂白剤も提供する。
【0050】
A剤の好ましい組成としては(a)成分を0.6〜10質量%、更に1.5〜6質量%、(c)成分を0.6〜15質量%、更に0.6〜10質量%含有することであり、特に一般式(c−1)の化合物及び/又は一般式(c−2)の化合物が好適である。また、(d)成分を0.02〜10質量%、更に0.02〜5質量%、特に0.02〜3質量%、(f)成分を0.02〜20質量%、更に0.05〜15質量%含有することが好適である。
【0051】
B剤の好ましい組成としては(b)成分を1〜25質量%、更に1〜20質量%、より更に2〜15質量%、特に3〜10質量%含有することであり、また、(e)成分を0.1〜20質量%、更に0.1〜14質量%、特に0.1〜8質量%、(d)成分を0.02〜10質量%、更に0.02〜5質量%、特に0.02〜3質量%、(f)成分を0.02〜20質量%、更に0.05〜15質量%含有することが好適である。また、(g)成分を本発明の効果に影響ない程度にB剤が含有することも可能であり、特にB剤中に(g)成分を0.005〜1質量%、更に0.05〜0.5質量%含有することができる。
【0052】
本発明のA剤、B剤の20℃における粘度は、いずれも3〜300mPa・s、更に4〜200mPa・sであることが、使い勝手の点から好適である。このような粘度に調整するために、A剤及び/又はB剤には粘度調整剤を配合することができる。粘度調整剤としては炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシ基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸、重量平均分子量3,000〜100,000のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを用いることができる。このような粘度調整剤は、A剤及び/又はB剤に0〜10質量%、更に0.01〜5質量%含有されることが好適である。
【0053】
本発明ではA剤及びB剤を質量比でA剤/B剤=1/5〜5/1、好ましくは1/3〜3/1の比率で混合することが使い勝手、及び漂白効果の点から好ましい。
【0054】
本発明ではこのような混合比率を容易に達成する目的でA剤及びB剤が同時に吐出可能な吐出部を具備した容器を使用することが好ましく、且つ保存安定性を考慮すれば、A剤とB剤をそれぞれ異なる格納部に収納可能な一体型容器、もしくはA剤を収納可能な容器とB剤を収納可能な容器をこれらを接合しうる部材により接合した連結型容器にA剤及びB剤を収納した物品が好ましい。また、該容器はA剤とB剤の吐出量の比が質量比でA剤/B剤=1/5〜5/1、好ましくは1/3〜3/1になるように各吐出部の形状を調整することが好適である。吐出量の調整は、A剤とB剤の粘度及び吐出部の開口面積や形状を調整することにより公知の方法で達成することができる。
【0055】
具体的な容器の例を図1、2に示す。図1中(11)はA剤の収容部、(12)はB剤の収容部であり、各収容部は隔壁(13)により隔離されている。(14)はA剤及びB剤が同時に吐出することができる吐出部である。(15)はキャップである。図2中(21)はA剤の収容部であり、(22)はB剤の収容部であり、これらは(23)の接合部で接合されている。(24)はA剤及びB剤が同時に吐出することができる吐出部である。(25)はキャップである。
【0056】
【実施例】
表1に示すA剤、B剤を、図1又は図2の容器に充填した2剤型液体漂白剤を作製した。これらを用いて下記に示す漂白効果を検討した。結果を表1に示す。A剤、B剤のpHは、10%硫酸水溶液又は30%NaOH水溶液を用いて調整した。
【0057】
<漂白効果>
下記の通り調製したミートソース汚染布(親油性汚れ)に、容器から吐出させた漂白剤を1mL/枚の割合で塗布し、30分放置した。その後、このような処理をした汚染布4枚を、0.0667質量%市販洗剤溶液を使ってターゴトメーターにて普通洗浄した(80rpm×10分)後、乾燥させて、次式により漂白率を算出した。漂白率は4枚の平均値とした。
【0058】
【数1】
【0059】
反射率は日本電色工業(株)製NDR-10DPで460nmフィルターを使用して測定した。
【0060】
(ミートソース汚染布の調製法)
カゴメ(株)製ミートソース(完熟トマトのミートソース/内容量259gの缶詰)の固形分をメッシュ(目開き;500μm)で除去した後、得られた液を煮沸するまで加熱した。この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火からおろし約2時間程度放置し室温まで冷却した後、布を取りだし、余分に付着している液をへらで除去し、自然乾燥させた。その後プレスし、10cm×10cmの試験布として実験に供した。
【0061】
【表1】
【0062】
表中の記号は以下の通りである。
a−1:過酸化水素
b−1:炭酸カリウム
【0063】
【化9】
【0064】
*c−1〜c−3の製造法
2−エチルヘキサノール(c−1)又は直鎖オクタノ−ル(c−2)、さらにイソデシルアルコール(c−3)に対して、エピクロルヒドリンを1.1モル当量、下記に示すアルミニウム触媒を0.03モル当量用い、90℃で4時間反応させた。c−1及びc−2は水で開環させた後蒸留を行い、c−3はグリセリンで開環させたものをそのまま使用した。
【0065】
【化10】
【0066】
d−1:ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
d−2:ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
e−1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量10000)
f−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数2)
f−2:N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン
f−3:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数8)
f−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数5)
g−1:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
h−1:C4H9−(OC2H4)3−OH
【図面の簡単な説明】
【図1】A剤、B剤を収容する2剤型容器の一例を示す模式図
【図2】A剤、B剤を収容する2剤型容器の他の例を示す模式図
【符号の説明】
(11)、(21):A剤の収容部
(12)、(22):B剤の収容部
(13):隔壁
(14)、(24):吐出部
(23):接合部
Claims (5)
- アルカリ剤が炭酸カリウムである請求項1記載の液体漂白剤組成物。
- 更に、(f)(c)成分以外の界面活性剤を含有する請求項1又は2記載の液体漂白剤組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の液体漂白剤組成物を、繊維製品のシミ汚れに直接塗布して作用させる、繊維製品の漂白方法。
- (a)過酸化水素0.6〜10質量%、(c)一般式(1)で表される化合物0.6〜15質量%及び水を含有する組成物からなるA剤と、(b)アルカリ剤3〜25質量%及び水を含有する組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型漂白剤であって、A剤とB剤とを混合して、(a)過酸化水素0.5〜10質量%、(b)アルカリ剤0.5〜20質量%、及び(c)一般式(1)で表される化合物0.5〜10質量%を含有する液体漂白剤組成物を調製するための2剤型漂白剤。
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