JP4628614B2 - 2剤型漂白剤 - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
本発明は2剤型液体漂白剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
過酸化水素を主基剤とする液体漂白剤は色・柄物に使用でき、汚れに直接塗布できるなどの利点から好まれて使用されている。現在市販されている液体酸素系漂白剤は、所定量をキャップに取り分け衣類に塗布するか、もしくは洗濯機に投入する方法が一般的に行われている。しかしながら、その漂白効果は十分なものとは言えない。
【0003】
また、漂白効果を向上し、貯蔵安定性も十分なものを得ることを目的に2剤型液体漂白剤の研究が行われている。特開平3−140400号公報、特開平6−166892号公報、特開平9−157693号公報、特開平9−48997号公報には過酸化水素水素を含有するA剤と漂白活性化剤を含有するB剤からなる漂白剤組成物が公開されている。これらの技術は過酸化水素を主基剤とする液体酸素系漂白剤を単独で用いた場合より漂白効果に優れるものであるが、これら提案されている2剤を2室容器に収納した場合使用時のコンタミネーション(以後、コンタミと呼ぶ)が考慮されていないため、一方がわずか他方にコンタミした場合にも容器の膨れが問題となり、漂白剤製品として供することができない。
【0004】
従って、本発明の課題は、使い始めから使い終わりまで、コンタミした場合にも品質上の問題を起こさない2剤型漂白剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、過酸化水素0.05〜10質量%及び水を含有し、20℃におけるpHが1.0〜7.0である組成物からなるA剤と、還元剤及び水を含有し、20℃におけるpHが9.0〜13.5である組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型漂白剤を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
<A剤>
本発明のA剤は、過酸化水素0.05%〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、特に好ましくは0.5〜6質量%を含有する。過酸化水素がこの範囲にあれば、満足できる漂白効果が得られる。
【0007】
また、過酸化水素の安定のために、A剤の20℃におけるpHは1.0〜7.0、好ましくは1.5〜5.0、更に好ましくは2.0〜5.0である。このようなpHに調整するために、酸剤を用いることが好ましい。本発明において酸剤とは、添加することによって水溶液のpHを酸性にする化合物を指すが、pHを調整するための酸剤としては硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、ホスホン酸、ホスホノカルボン酸、カルボン酸、ポリカルボン酸及びアミノカルボン酸が好ましい。これらの中でも具体的に好ましい化合物としては、硫酸、オルトリン酸、メタリン酸、ホウ酸から選ばれる無機酸、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタンー1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)、ポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)から選ばれるホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸から選ばれるホスホノカルボン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸から選ばれるアミノポリ酢酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸から選ばれるポリカルボン酸であり、特に好ましい化合物としては硫酸、ホウ酸及びエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸から選ばれる1種以上である。なおこれらの中には、後述する金属イオン封鎖剤として使用されるものがあってもよい。A剤中の酸剤の配合量は、pH条件を満たす範囲で添加されるが、貯蔵安定性の点で、好ましくは10質量%以下、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で添加されることが好ましい。またA剤中の塩素イオンは過酸化水素の安定性を低下させるので、塩酸や塩素塩に起因する塩素イオン含有は抑制され、塩素イオンはA剤中に0.2質量%以下、更には0.02質量%以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。なお、後述のようにA剤には漂白活性化剤を配合することもできるが、漂白活性化剤は酸剤としては算入しない。
【0008】
本発明のA剤には前記pH条件を満たす限りアルカリ剤を添加してもよい。本発明においてアルカリ剤とはイオン交換水に添加することでアルカリ性を示す化合物を指す。本発明ではpH調整に用いられることが好ましく、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
【0009】
ところで、本発明の2剤型漂白剤はA剤とB剤を混合して使用するが、混合の際に、少量のB剤がA剤に混ざり、pHが上昇することでガスを発生させることが懸念される。従って本発明のA剤には、アルカリに対するpH変動抑制能を有すること好ましい。そのためには、前記した酸剤のうち緩衝能を示す酸剤やその塩を配合することが好ましく、具体的には、A剤中のリン酸、ホウ酸、ホスホン酸、ホスホノカルボン酸、カルボン酸及びポリカルボン酸、それらのイオン化物、並びにそれらの塩の1種以上のA剤中に含有される濃度を規定するものとし、酸形態としてカウントした場合の濃度が0.001〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、最も好ましくは0.1〜0.5質量%であることが好ましい。
【0010】
本発明のA剤には、更に漂白力を向上させるため、漂白活性化剤を含有することが好ましい。例えばエステル基、イミド基、又はニトリル基を有する漂白活性化剤等を0.05〜10質量%含有することで更に漂白効果を向上させることもできる。エステル基を有する好ましい活性化剤としては、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はその塩が挙げられ、イミド基を有するものとしてはテトラアセチルエチレンジアミンなどが挙げられる、また、ニトリル基を有する活性化剤としては、例えば特開平1−068347号公報記載の化合物が挙げられる。その中で、最も好ましい活性化剤としては、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸型漂白活性化剤、あるいはアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸型漂白活性化剤が好ましく、特に炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸もしくは炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はそれらの塩が好ましい。具体的に好ましい例としてはオクタノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、オクタノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ノナノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、デカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、及びそれらの塩が挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましく、特にナトリウム塩が溶解性の点から好ましい。
【0011】
これらの中でも特にノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸及びこれらの塩が、親油性汚れ漂白効果の点から好ましい。本発明のA剤中の漂白活性化剤の含有量は、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
【0012】
本発明のA剤に使用する水は蒸留水又はイオン交換水が好ましい。また、貯蔵安定性の点で、水はA剤中に50〜99質量%、好ましくは60〜95質量%が好適である。
【0013】
<B剤>
本発明のB剤は、20℃におけるpHが8.5以上、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは9.5〜11.5、最も好ましくは10.0〜11.0のものである。このようなpHを達成するために、B剤にはアルカリ剤を配合する。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム等の炭酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホウ酸塩、珪酸塩、有機カルボン酸塩、フェノール性水酸基もしくはエノール性水酸基を有する化合物の共役塩基、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン誘導体などが挙げられる。その中で好ましいものとしては、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが挙げられる。アルカリ剤は、pH条件を満たす濃度で配合されるが、貯蔵安定性の点より、好ましくは20質量%以下、より好ましくは1〜15質量%の範囲で配合される。
【0014】
本発明のB剤には前記pH条件を満たす限り酸剤を添加してもよい。本発明において酸剤とは、添加することによって水溶液のpHを酸性にする化合物を指し、例えば強酸弱塩基等の塩であってもよい。
【0015】
ところで、本発明では最も優れた漂白力を得る上でA剤及びB剤を質量比1/1で混合した時の20℃におけるpHが9.5〜11.0、特には9.8〜11.0であることが好ましい。そのためには、B剤に起因するアルカリ域におけるpH変動抑制能が優れることが好ましい。この点で、本発明のB剤においては、炭酸、リン酸、有機カルボン酸、有機ホスホン酸及び有機ホスホノカルボン酸、それらのイオン化物、並びにそれらの塩の1種以上の濃度が、酸形態としてカウントした時に、0.5〜10質量%であることが好ましく、更には1.0〜8.0質量%、特には2〜5質量%であることが好ましい。但し、これには後述する還元性を示す化合物は含まないものとする。
【0016】
本発明では特に、B剤にアルカリ剤としてアルカリ金属炭酸塩を配合することが好ましく、特に炭酸カリウムを配合することが好ましい。アルカリ金属炭酸塩は系中の炭酸濃度が1.5〜5.0質量%になるように配合されることが好ましい。
【0017】
B剤に含有する還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸、ピロ亜硫酸、亜スズ酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、あるいは葡萄糖などの還元糖類などが挙げられる。B剤中の還元剤の含有量は、0.0001質量%乃至5質量%、好ましくは0.001質量%乃至1質量%、より好ましくは0.0.01質量%乃至0.5質量%である。
還元剤の量がこの範囲であれば良好な安定性と漂白効果が得られる。
【0018】
本発明のB剤に使用する水は蒸留水又はイオン交換水が好ましい。また、貯蔵安定性の点で、水はA剤中に50〜99質量%、好ましくは60〜95質量%が好適である。
【0019】
<A剤とB剤の相互関係>
本発明の2剤型漂白剤は、前記のようにA剤とB剤から構成される。A剤とB剤とを等量混合した混合物の20℃におけるpHが9.5〜11.0、更に9.8〜11.0となるものが好ましい。このようなpHとなるように、A剤、B剤の其々の組成を調整することが好ましい。具体的にはA剤よりもB剤の緩衝能を高めることで達成することができる。
【0020】
使用に際してはA剤とB剤の混合比率は特に規定するものではないが、混合液の20℃におけるpHが9.0〜13.0、好ましくは9.5〜11.5、特に好ましくは9.8〜11.0になることが漂白洗浄効果を高めるために望ましい。このようなpHとなるような容器と組成の設計を行うことが好ましい
<その他の成分>
本発明では、漂白洗浄効果を高める目的から、A剤及び/又はB剤に界面活性剤も配合することが好ましい。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
【0021】
非イオン界面活性剤としては、一般式(1)の化合物が好ましい。
R1−T−[(R2O)A−H]B (1)
〔式中、R1は、炭素数6〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。Aは2〜200、好ましくは4〜50、特に好ましくは5〜20の数を示す。Tは−O−、−CON−又は−N−であり、Tが−O−の場合はBは1であり、Tが−CON−又は−N−の場合はBは2である。〕。
【0022】
一般式(1)の化合物の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
R1−O−(C2H4O)r−H (1−A)
〔式中、R1は前記の意味を示す。rは2〜200、好ましくは3〜100、最も好ましくは4〜20の数である。〕
R1−O−(C2H4O)s−(C3H6O)t−H (1−B)
〔式中、R1は前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2〜15、好ましくは2〜10の数であり、エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0023】
【化1】
【0024】
本発明ではこれらの中でも特に(1−A)又は(1−B)から選ばれる非イオン界面活性剤が好ましい。
【0025】
陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(2)のモノ長鎖アルキル(もしくはアルケニル)トリ短鎖アルキル型陽イオン界面活性剤が好ましい。
【0026】
【化2】
【0027】
〔式中、R3は炭素数8〜18、好ましくは10〜18、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R4、R5、R6は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。X-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3の置換基を1〜3個有していてもよいアリールスルホン酸イオンである。〕。
【0028】
陰イオン界面活性剤としては、分子中に炭素数10〜18、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜15のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的には上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0029】
両性界面活性剤としては下記一般式(3)の化合物又は一般式(4)の化合物から選ばれるアミンオキシド型界面活性剤が好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】
〔式中、R7は炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14の直鎖アルキル基又はアルケニル基であり、R8、R9は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。R10は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、cは0又は1、好ましくは1の数である。〕
【0032】
【化4】
【0033】
〔式中、R11は炭素数9〜23、好ましくは9〜17、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R12は炭素数1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは2又は3のアルキレン基である。Bは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、dは0又は1の数、好ましくは0である。R13、R14は、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、R15はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。Dは、−SO3 -、−OSO3 -、から選ばれる基であり、特に−SO3 -が漂白洗浄効果の点から良好である。〕。
【0034】
なお、A剤が漂白活性化剤を含有する場合は、一般式(3)又は(4)のアミンオキシド型界面活性剤は、B剤に配合することが安定性の上で好ましい。
【0035】
本発明のA剤は、漂白洗浄効果の点から、非イオン界面活性剤を0〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、陽イオン界面活性剤を0〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%含有することが好適である。また、両性界面活性剤はA剤中に0〜10質量%配合することができる。
【0036】
また、本発明のB剤は、洗浄効果の点から、非イオン界面活性剤を0〜50質量%、好ましくは0.05〜40質量%、陰イオン界面活性剤を0〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%含有することが好適である。また、両性界面活性剤はB剤中に0〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%が好適である。
【0037】
本発明のA剤及び/又はB剤には洗浄効果を高める目的で溶剤を配合することが好ましい。溶剤としては(1)炭素数1〜5の1価アルコール、(2)炭素数2〜12の多価アルコール、(3)下記の一般式(5)で表される化合物、(4)下記の一般式(6)で表される化合物、(5)下記の一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
【0038】
【化5】
【0039】
〔式中、R16及びR17は、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R16及びR17の双方が水素原子となる場合を除く。gは0〜10の数を、hは0〜10の数を示すが、g及びhの双方が0である場合を除く。R18及びR19は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R20は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕。
【0040】
(1)の炭素数1〜5の1価アルコールとしては、一般的にエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。これらの低級アルコールを配合することにより低温における系の安定性を更に向上させることができる。
【0041】
(2)の炭素数2〜12の多価アルコールとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0042】
(3)の化合物は、一般式(5)において、R16、R17がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、一般式(5)中、EO及びプロピレンオキシドの平均付加モル数のg及びhは、それぞれ0〜10の数である(g及びhの双方が0である場合を除く)が、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。(3)の化合物の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=2〜3)ポリオキシプロピレン(p=2〜3)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
【0043】
また、(4)の化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示され、(5)の化合物としてはアルキルグリセリルエーテル化合物が挙げられ、好ましくはR20が炭素数3〜8のアルキル基の化合物である。
【0044】
これらのなかでも本発明の性質を満たすために(1)、(2)、(3)、(5)の水溶性溶剤が好ましく、特にエタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。
【0045】
本発明のA剤及び又はB剤には、このような溶剤をA剤及びB剤の合計で0〜10質量%、好ましくは0.1〜7質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%含有することが良好である。
【0046】
本発明のA剤及び/又はB剤には、カルボン酸基を有する単量体を重合して得られるカルボン酸系ポリマーを含有してもよい。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸を重合して得られるホモポリマー又はコポリマー、これら単量体と共重合可能な不飽和化合物とのコポリマー、これらホモポリマー又はコポリマーのアルカリ金属塩を挙げることができる。具体的にはゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として用いた重量平均分子量が3,000〜30,000のポリアクリル酸ナトリウム(もしくはカリウム)、又はポリメタクリル酸ナトリウム(もしくはカリウム)、もしくは重量平均分子量が20,000〜100,000、好ましくは50,000〜80,000のアクリル酸−マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(もしくはカリウム塩)が良好である。アクリル酸−マレイン酸コポリマーの場合は、アクリル酸/マレイン酸が質量比で5/5〜9/1、好ましくは6/4〜8/2が洗浄効果の点から好ましい。A剤が漂白活性化剤を含有する場合、カルボン酸系ポリマーは漂白活性化剤の安定性を阻害するため、B剤中に含有することが好ましい。
【0047】
本発明ではこのようなカルボン酸系ポリマーをA剤及びB剤の合計量として、0〜10質量%、好ましくは1〜8質量%含有することが漂白効果の点から好ましい。
【0048】
更に、本発明のA剤及び/又はB剤には、金属イオン封鎖剤を配合することが好ましい。本発明に用いられる金属イオン封鎖剤としては、下記(C1)〜(C9)のものが挙げられ、なかでも(C3)、(C6)、(C7)及び(C8)からなる選ばれる少なくとも1種が好ましく、(C3)から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
(C1)トリポリリン酸、オルトリン酸、ヘキサリン酸などのリン酸塩又はアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C2)フィチン酸等のリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C3)、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸ホスホン酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、
(C4)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C5)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C6)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C7)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などのカルボン酸、ポリカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(C8)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(C9)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0049】
このような金属イオン封鎖剤は、A剤及び/又はB剤中に、合計で0〜5質量%、更に0.01〜1質量%含有されることが好ましい。
【0050】
更に本発明のA剤及び/又はB剤には、上記成分の他に通常添加される公知の成分を添加することができる。例えば、過酸化水素の安定化剤として公知の硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム塩及び珪酸ソーダのような珪酸塩類を用いることが好ましい。これらの化合物はアルカリ剤として配合することもできる。更に、必要に応じてカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールのような再汚染防止剤などを添加することが好ましい。
【0051】
また、本発明のA剤及び/又はB剤は、更に種々の化合物を含有することができる。例えば、過酸化水素の安定化剤として知られているバルビツール酸、尿酸、アセトアニリド、オキシキノリンやフェナセチンなどに代表されるアミノポリカルボン酸類、及び、DL−α−トコフェロール、没食子酸誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などを添加することが好ましい。これらの安定化剤は、A剤及び/又はB剤中に、合計で0〜5質量%、更に0.01〜3質量%含有させるのが良い。
【0052】
更に、本発明のA剤及び/又はB剤は、変退色防止剤として公知の物質を含むことが好ましい。このような物質としてはフェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、チロシン、メチオニン等のアミノ酸もしくはその塩、ヒドロキシイミノジ酢酸等のアミノ又はイミド化合物、アクリロニトリルと第四級アンモニウム基を有するアクリロニトリルと共重合可能なモノマーの一種以上とのコポリマー等である。なお、アミノ酸には光学異性体が存在するが、本発明の効果においては光学異性体は関与しない。従って、化学的に合成したアミノ酸を使用することも可能である。
【0053】
更に、また、本発明のA剤及び/又はB剤には、漂白繊維に対する漂白効果を増すために蛍光増白剤として、チノパールCBS(チバ・ガイギー社製)、チノパールSWN(チバ・ガイギー社製)や、カラー・インデックス蛍光増白剤28、40、61、71などのような蛍光増白剤や、漂白性能を向上させるために従来公知の酵素(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ)を必要に応じて配合することが好ましい。
【0054】
更に、本発明のA剤及び/又はB剤には、染料や顔料のような着色剤、香料、シリコーン類、殺菌剤、紫外線吸収剤などの種々の微量添加物を適量配合することが好ましい。
【0055】
また、本発明のA剤及び/又はB剤には、低温での液の安定性及び凍結復元性を改善したり、高温での液分離を防止する目的でハイドロトロープ剤を配合しても差し支えない。このようなハイドロトロープ剤としては、一般的には、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩などに代表される短鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなどに代表されるアルコール及び多価アルコール等が好ましい。ハイドロトロープ剤は、A剤及び/又はB剤中に、合計で0〜30質量%配合することが好ましい。
【0056】
更に、本発明のA剤及び/又はB剤は、組成物の粘度を高め使い勝手を向上させる目的で、増粘剤を0〜20質量%含有することが可能である。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースといった合成高分子、キサンタンガム、グアーガム、ケルザンといった天然高分子、モンモリロナイト、ビーガムといった水膨潤性粘土鉱物などが好ましい。
【0057】
本発明の2剤型漂白剤は、衣料用洗剤、衣料用漂白助剤、衣料用塗布洗浄剤、まな板、湯飲み茶碗、シンク等の台所用漂白剤、食器用洗剤、風呂用、壁用、絨毯用の漂白剤から選択される用途に使用されることが好ましい。また、衣料の漂白洗浄に使用されることが更に好ましい。
【0058】
本発明の2剤型漂白剤は、水道水に予めA剤、B剤を溶解させた水溶液に衣料を浸漬させて漂白する方法に用いることができる。また、本発明の2剤型漂白剤は、従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。
【0059】
更に、通常の洗濯機での洗濯において、本発明の2剤型漂白剤を従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。
【0060】
また、本発明の2剤型漂白剤は、衣料に直接塗布して放置後、水洗する漂白する方法に用いることができる。また、衣料に直接塗布して放置後、通常の洗濯機での洗濯で従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。塗布した後の放置時間は、0〜180分が好ましく、更に1〜60分が更に好ましい。
【0061】
また、本発明の2剤型漂白剤を衣料用洗剤として使用する場合には、本発明の2剤型漂白剤を用いて通常の洗濯機での洗濯を行うこともでき、あるいは衣料に直接塗布して放置後に通常の洗濯機での洗濯を行うこともできる。
【0062】
いずれの態様においても、A剤とB剤を混合して漂白洗浄を行うが、A剤とB剤の混合比率は質量比でA剤/B剤=1/10〜10/1、更に1/5〜5/1、特に1/3〜3/1が漂白洗浄効果の点から好ましい。この混合比率は、混合後のpHが前記した範囲となるように調整することが好ましい。
【0063】
20℃における粘度はA剤及びB剤いずれも3〜300mPa・s、好ましくは3〜200mPa・sの範囲に調整することが使い勝手の点から好適である。このような粘度に調整するために本発明ではA剤及び/又はB剤に粘度調整剤を配合することができる。粘度調整剤としては炭素数1〜3のアルキル基、もしくはヒドロキシ基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸、分子量3000〜100000のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを用いることができる。このような粘度調整剤は、A剤及び/又はB剤に0〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有されることが好適である。
【0064】
本発明ではこのような混合比率を容易に達成する目的で、A剤及びB剤を同時に吐出可能な吐出部を具備した容器を用いることが好ましい。また、容器は、A剤とB剤をそれぞれ異なる格納部に収納可能な一体型容器、A剤を収納可能な容器とB剤を収納可能な容器を適当な部材により接合した連結型容器が挙げられる。また、該容器はA剤とB剤の吐出量の比が質量比でA剤/B剤=1/10〜10/1、好ましくは1/5〜5/1になるように各吐出部の形状を調整することが好適である。吐出量の調整は、A剤とB剤の粘度及び吐出部の開口面積や形状を調整することにより公知の方法で達成することができる。
【0065】
本発明に用いられる用行きの吐出部の開口面積は、A剤吐出部とB剤吐出部が面積比で1/10〜10/1、更に1/5〜5/1が吐出量を調整する上で好ましい。2回あるいはそれ以上の回数で計量するものでも良いが、使い勝手の点から1回の計量操作で、2剤が設計された特定の比率で混合されるものが良い。
【0066】
具体的な容器の例を模式図で示すと図1又は図2のものが挙げられる。図1中(11)、(12)はA剤又はB剤の収容部であり、何れか一方にA剤が、他方にB剤が収容される。各収容部は(13)の隔壁により隔離されている。(14)はA剤及びB剤が同時に吐出することができる吐出部である。この容器のキャップ(1−1)は吐出部(14)と螺合するよう設計され、且つ内容物の計量機能も具備する。
【0067】
図2中(21)、(22)はA剤又はB剤の収容部であり、何れか一方にA剤が、他方にB剤が収容され、これらは(23)の接合部で接合されている。(24)はA剤及びB剤が同時に吐出することができる吐出部である。この容器にも図1同様のキャップ(2−1)が用いられる。
【0068】
また、他にもボトル形状については多数考えられるが、図3や図4に示したようなものでも良い。図3の容器は、図1の容器に把持部(取手)(32)を設けたものであり、内部は隔壁(31)によって2室に分けられていて、一方にA剤、他方にB剤が収容され、それぞれの液は混合されない状態になっている。取手(32)を持って注ぐことによって、A剤、B剤が設計された特定の比率で使用開始時から終了時まで混合されて計量容器に注がれる。この容器にも図1同様のキャップ(3−1)が用いられる。
【0069】
図4に示したような容器も使用できる。該容器は、隔壁(41)によって内部が2室に分けられていて、図3と同様に、一方にA剤、他方にB剤が収容され、それぞれの液は混合されない状態になっていている。取手(42)を持って注ぐことによってA剤、B剤が設計された特定の比率で使用開始時から終了時まで混合されて計量容器に注がれる。この容器にも図1同様のキャップ(4−1)が用いられる。
【0070】
図1〜4の容器において、A剤、B剤の吐出部の断面積は粘度にもよるが、それぞれ5平方ミリメートル乃至300平方ミリメートルが液のコンタミと使い勝手を考えた場合に好ましい。
【0071】
吐出部の工夫によってA剤へのコンタミを少なくしても良いが、コンタミしやすい側にB剤を充填した方が良い。例えば、図4に示す容器であれば、B剤の吐出部を、液を注ぐ時に下方になる側、すなわち取手(42)の反対側に位置するように設計した方が良い。
【0072】
更に、図5に示したように、計量と混合をかねるようなキャップ(5−1)を有する容器を用いることも好ましい。また、特に、比較的高粘度(300mPA・s以上)の混合液の場合は、図6のような蓋の付いたものが適している。しかし、使い勝手と収納の利便性を考慮した場合は、図5のキャップを図7、8のように用いるのが良い。蓋のない場合は比較的低粘度(200mPA・s)のA、B剤を使用した方が混合されやすいので良い。
【0073】
本発明で用いる容器の材質は、特定されるものではないが、例えばプラスチック製容器が用いられる。
【0074】
プラスチック製容器の製造に用いるプラスチックとしては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン等)、ポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系ポリマー(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)等から選ばれる1種又は2種以上のものを挙げることができる。これらの中でもポリオレフィンが好ましい。
【0075】
また、内容物の安定性のために、遮光性を付与するために、プラスチックに顔料を添加することもできる。用いる顔料としては、有機顔料として、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジエン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインジリノン系顔料等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができ;無機顔料として、ベンガラ、チタンホワイト(TiO2の他、TiO、Ti2O3を含んでいてもよい)、チタンイエロー、焼成顔料グリーン、酸化クロム、コバルトブルー、シリカ、アルミナ等の金属酸化物類、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の硫化物類、群青等のケイ酸塩類、黄鉛、クロムバーミリオン等のクロム酸塩類、カーボンブラック等のカーボン類、タルク、カオリン、クレー等の粘土類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機塩類等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。これらの中でもフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、金属酸化物類顔料、群青等が、耐光性、遮光性、耐熱性、発色性、耐薬品性が優れているために好ましい。
【0076】
プラスチックには、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤(アミン化合物、高級アルコール、モノグリセリド等)、滑剤等を含有させることができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、使い始めから使い終わりまで品質が一定し、膨れの問題がなく、高漂白力を発揮できる2剤型漂白剤が得られる。本発明の2剤型漂白剤は、衣料用、あるいは台所用、あるいは住居用漂白洗浄剤として、混合液を塗布、あるいは漂白浴中に投入して使うことができ、今までにない優れた漂白効果が得られる。
【0078】
【実施例】
表1に示すA剤及び表2に示すB剤を、表3に示す組み合わせで図1〜4の容器(1リットル)に充填して2剤型液体漂白剤を調製し、漂白効果と保存安定性を以下の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、表1、2中のpHは20℃にて測定した値であり、10質量%硫酸水溶液又は30質量%NaOH水溶液を用いて調整した。
【0079】
(1)漂白効果
A剤、B剤合計20mL(比率は表3)になるようにキャップに量り取り、キャップ内で10秒間攪拌混合後、40℃/2000mlの水道水に溶解させ、下記の通り調製した紅茶汚染布を5枚ずつを30分間浸漬させた。その後水道水ですすぎ、乾燥させて、次式により漂白率を算出した。
【0080】
【数1】
【0081】
反射率は日本電色工業(株)製ND−300Aで460nmフィルターを使用して測定した。
*紅茶汚染布の調製
日東紅茶(黄色パッケ−ジ)80gを3Lのイオン交換水にて約15分間煮沸後、糊抜きしたさらし木綿でこし、この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、約2時間程度放置後、布を取りだし自然乾燥させ、洗液に色がつかなくなるまで水洗し、脱水、プレス後、10cm×10cmの試験片として実験に供した。460nmにて反射率を測定し、上記に示した洗浄方法にて洗浄した。洗浄後、反射率を測定し洗浄率を求めた。
【0082】
(2)保存安定性
A剤と、A剤をB剤に対して1.0質量%添加したB剤とを、表3に示した容器に充填しキャップをしたもの5本を用意し、40℃で30日保存した。保存後、膨れを観察し、容器の変形を下記の基準で評価し、各評価に属する本数を表3に示した。この評価は、A剤のコンタミによるB剤の安定性を評価したものである。
○:ほとんど膨れていない
○〜△:少し膨れているが、製品として問題ない。
△:少し膨れていて製品として問題がある。
×:かなり膨れていて、製品として問題がある。液漏れしているものも含む。
【0083】
【表1】
【0084】
1)1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=10.8、EO平均付加モル数5.0)
3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=11.7、EO平均付加モル数6.0)
4)直鎖アルキル(炭素数11〜15)ベンゼンスルホン酸ソーダ
5)N−テトラデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド
6)ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量10,000)
7)デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
8)ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
9)デカノイルオキシベンゼンカルボン酸
【0085】
【表2】
【0086】
10)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数2)
【0087】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】A剤、B剤を収容する2剤型容器の一例を示す模式図
【図2】A剤、B剤を収容する2剤型容器の他の例を示す模式図
【図3】A剤、B剤を収容する2剤型容器の他の例を示す模式図
【図4】A剤、B剤を収容する2剤型容器の他の例を示す模式図
【図5】A剤、B剤の計量器の一例を示す模式図
【図6】A剤、B剤の計量器の他の例を示す模式図
【図7】図5の計量器を具備した2剤型容器の一例を示す模式図
【図8】図5の計量器を具備した2剤型容器の他の例を示す模式図
【符号の説明】
(11):A剤の収容部
(12):B剤の収容部
(13):隔壁
(14):吐出部
(1−1):キャップ
Claims (1)
- 過酸化水素0.05〜10質量%及び水を含有し、20℃におけるpHが1.0〜7.0である組成物からなるA剤と、還元剤及び水を含有し、20℃におけるpHが9.0〜13.5である組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型漂白剤。
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