JP4259849B2 - イミノメチル置換フタロシアニン化合物、及びこれを用いるメタロセン置換フタロシアニン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なイミノメチル置換フタロシアニン化合物を中間体として用いるメタロセン置換フタロシアニン化合物の製造方法に関し、また新規なこのイミノメチル置換フタロシアニン化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明の製造方法により製造されるメタロセン置換フタロシアニン化合物は、レーザー光を利用した情報記録材料(例えば、光カード、有機光導電体、レーザー熱転写記録、レーザー感熱記録、レーザーダイレクト製版、CD−R媒体等)や近赤外線吸収能を要求される機材(例えば、近赤外線吸収フィルター、熱線遮蔽フィルム、保護眼鏡、シークレットインク、農業用フィルム等)等に用いられる近赤外線吸収剤として有用である。
【0003】
【従来の技術】
下記一般式(4)のメタロセニルカルボニルイミノメチル基を有するフタロシアニン化合物の製造方法は公知ではないが、このようなメタロセニル基を有するフタロシアニン化合物の製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているような下記一般式(5)で表されるフタロシアニン化合物とメタロセンアミドを酸触媒の存在下、反応させるのが一般的である。
【0004】
【化4】
【0005】
[式(4)中、R1〜R4は各々独立にアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表し、Xはメタロセン化合物を表し、nは1又は2を示す。]
【0006】
【化5】
【0007】
〔式(5)中、R1〜R4は各々独立にアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表し、nは1又は2を示す。〕
【0008】
しかしながら、この方法では多量の副生物が生成し、純度、収率及び反応速度の点で不十分であり、改良が望まれていた。
【0009】
【特許文献1】
特表2001−522381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、近赤外線吸収能力に優れる前記一般式(4)で表されるメタロセン置換フタロシアニン化合物の製造にあたって、副生物の生成を抑制し、純度、収率および反応速度に優れる新規な製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、この製造方法に使用される新規なフタロシアニン中間体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために種々検討した結果、本発明者らは、新規化合物であるイミノメチル置換フタロシアニン化合物を中間体とし、これとメタロセンアミドを反応させることにより目的とするメタロセン置換フタロシアニン化合物を短時間で収率良く、高品質で製造できることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明は、まず、下記式(1)で表される新規なフタロシアニン化合物
【0013】
【化6】
【0014】
〔式(1)中、R1〜R2は各々独立にアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表し、nは1又は2を示す。〕
と下記一般式(3)で表されるメタロセンアミドを反応させることを特徴とする、下記一般式(4)で表されるフタロシアニン化合物の製造方法に関する。
【0015】
X−CONH2 (3)
〔式(3)中、Xは置換基を有していてもよいメタロセニル基を表す。〕
【0016】
【化7】
[式(4)中、R1〜R4は各々独立にアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表し、Xは式(3)中のXと同一の意味を表し、nは1又は2を示す]
【0017】
また本発明は、上記の一般式(1)で表される新規フタロシアニン化合物に関し、更に、下記一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物にジメチルホルムアミド又はN−メチルホルムアニリドとオキシ塩化リンから調製されるフィルスマイヤー(Vilsmeier)試薬を反応させ、次いでアンモニアガスを反応させることを特徴とする前記一般式(1)のフタロシアニン化合物の製造方法に関する。
【0018】
【化8】
【0019】
〔式(2)中、R1〜R4は各々独立にアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表す。〕
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の前記一般式(1)で表される新規なフタロシアニン化合物について説明する。
【0021】
一般式(1)のフタロシアニン化合物中間体において、R1〜R4は、炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基が特に好ましい。例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−iso−プロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、3−メチル−1−iso−プロピルブチル基、2−メチル−1−iso−プロピルブチル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、2、4−ジメチル−3−プロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
【0022】
一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物としては下記一般式(6)で表されるフタロシアニン化合物又はその異性体混合物が特に好ましい。
【0023】
【化9】
【0024】
[式(6)中、Rはアルキル基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表し、nは1又は2を示す。]
【0025】
MとしてはCu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Mn、Mg、Be、Ca、Ba、Cd、Hg、Pb、Al−Cl、In−Cl、FeCl、SnCl2、TiCl2、Si(OH)2、Mn(OH)、VO、TiOが好ましく、Cu、Zn、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl2、VO又はTiOが特に好ましい。
【0026】
Mが2価金属である場合の例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)などなどが挙げられる。1置換3価金属の例としては、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、Al−C6H5、Al−C6H4(CH3)、In−C6H5、In−C6H4(CH3)、In−C10H7、Mn(OH)、Mn(OC6H5)、Mn[OSi(CH3)3]、RuClなどが挙げられる。
【0027】
2置換の4価金属である場合の例としては、CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、GeF2、SnBr2、SnI2、SnF2、SnCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR'2、CrR'2、SiR'2、SnR'2、GeR'2[R'はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表わす]、Si(OR”)2,Sn(OR”)2、Ge(OR”)2、Ti(OR”)2、Cr(OR”)2[R”はアルキル基、アルキルカルボニル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表わす]などが挙げられる。
【0028】
オキシ金属である場合の例としては、VO、MnO、TiOなどが挙げられる。
【0029】
一般式(1)で表される本発明のフタロシアニン化合物の具体例を以下に示す。
【0030】
【化10】
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
本発明の一般式(1)のフタロシアニン化合物は、次の方法により容易に製造することができる。すなわち、適当な溶媒中にて一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物にジメチルホルムアミド又はN−メチルホルムアニリドとオキシ塩化リンから調製されるフィルスマイヤー(Vilsmeier)試薬を反応させ、次いでアンモニアガスを反応させることを特徴とする製造方法である。
【0034】
【化11】
〔式(2)中、R1〜R4、Mは前記式(1)のR1〜R4、Mと同じものを示す。〕
【0035】
ここで、原料に使用する式(2)のフタロシアニン化合物は、公知の方法、例えば、特開平5-247363号記載の方法により容易に製造することができる。
【0036】
フィルスマイヤー試薬はジメチルホルムアミド或いはN−メチルホルムアニリドに0.1〜1当量のオキシ塩化リンを加えて調製する。調製温度は0℃〜50℃であり、好ましくは0℃〜30℃である。調製時間は5分〜10時間が好ましく、さらに好ましくは30分〜5時間である。
【0037】
溶媒としては、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン等の極性溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン或いはニトロベンゼンが特に好ましい。
【0038】
一般式(2)で表わされるフタロシアニン化合物にフィルスマイヤー試薬を反応させる工程の反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは20℃〜80℃である。反応時間は30分〜72時間が好ましく、さらに好ましくは2〜24時間である。
【0039】
フィルスマイヤー試薬の使用量は、1〜30倍当量、好ましくは1〜15倍当量である。
【0040】
次いでフィルスマイヤー試薬と一般式(2)のフタロシアニン化合物の反応が終わった反応液にアンモニアを反応させてイミノ化を行う。イミノ化工程の反応温度は0℃〜50℃、好ましくは20℃〜30℃である。反応時間は30分〜72時間が好ましく、さらに好ましくは1〜12時間である。
【0041】
アンモニアとしては通常、アンモニアガスを使用し、反応液に導入して反応させる。アンモニアガスの使用量はフィルスマイヤー試薬の3〜20倍当量、好ましくは5〜10倍当量である。
使用する溶媒の量は、一般式(2)のフタロシアニン化合物に対して1〜100倍質量、好ましくは5〜20倍質量である。
後処理としては反応液より生成した塩化アンモニウム等の無機物を除去した後、反応溶媒を留去した残さにリグロイン等の貧溶媒を添加、析出物を濾取することにより得られる。
【0042】
そして、前記一般式(1)のフタロシアニン化合物と下記一般式(3)のメタロセンアミドを反応させることで下記一般式(4)のフタロシアニン化合物を製造することができる。
【0043】
本発明の一般式(4)のフタロシアニン化合物の製造方法を下記に説明する。本発明の製造方法において適当な溶媒中、一般式(1)のフタロシアニン化合物と一般式(3)のメタロセンアミドを好ましくは酸触媒の存在下に反応させる。
【0044】
X−CONH2 (3)
〔式(3)中、Xは置換基を有していてもよいメタロセニル基、特に下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物から誘導される基を示す。〕
M’(Cp)n' (7)
〔M’は金属を表し、Cpは置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基を表し、n’は2又は3を表す。〕
【0045】
ここで、M'としてはFe、Co、Ni、Ru、Os、Mn、Cr、W、V、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Er、Tm、Ybが好ましく、Fe、Co、Ni、Ru、Os、Mn、Cr、W、Vが特に好ましい。又、メタロセニル基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0046】
【化12】
〔式(4)中、R1〜R4、M、X、nは前記と同じものを示す。〕
【0047】
一般式(1)で表わされるフタロシアニン化合物に対する一般式(3)で表されるメタロセンアミドの使用量は、1〜20倍当量、好ましくは1〜10倍当量である。
【0048】
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒が使用できる。使用する溶媒の量は、一般式(1)のフタロシアニン化合物に対して1〜100倍質量、好ましくは5〜20倍質量である。
【0049】
また、酸触媒としてベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸や硫酸、燐酸等の無機酸類が使用できる。
【0050】
反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは20℃〜溶媒の還流温度である。
【0051】
反応時間は30分〜72時間が好ましく、さらに好ましくは2〜24時間である。
【0052】
後処理としては、反応後に溶媒を留去するか、又は反応液をフタロシアニン化合物に対する貧溶媒に排出して析出物を濾取することにより目的物が得られる。また、この生成物を更に再結晶あるいはカラムクロマトグラフィーにより精製することで、より高純度の目的物を得ることができる。
【0053】
また一般式(4)のフタロシアニン化合物は、一般式(2)のフタロシアニン化合物にジメチルホルムアミド又はN−メチルホルムアニリドとオキシ塩化リンから調製したフィルスマイヤー試薬を反応させ、次いでアンモニアガスを反応させ、反応液より生成した無機物を除去した後、生成した一般式(1)のフタロシアニンを単離することなく、更に一般式(3)のメタロセンアミドを添加、反応して製造することも出来る。
【0054】
本発明で製造される一般式(4)のフタロシアニン化合物の具体例を表−2に示す。
【0055】
【化13】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
本発明の製造方法により得られた一般式(4)のフタロシアニン化合物は、レーザー光を利用した情報記録材料(例えば、光カード、有機光導電体、レーザー熱転写記録、レーザー感熱記録、レーザーダイレクト製版、CD−R媒体等)や近赤外線吸収能を要求される機材(例えば、近赤外線吸収フィルター、熱線遮蔽フィルム、保護眼鏡、シークレットインク、農業用フィルム等)等の用途に対し十分な純度を有し、収率も高いため、本発明の製造方法は極めて有用な製造法である。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0060】
[実施例1] 一般式(1)のフタロシアニン化合物(前記具体例1−15)の合成
【0061】
特開平5-247363号記載の方法に従って製造したテトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)銅フタロシアニン10.32g(10mmol)をトルエン50mLに溶解し、N-メチルホルムアニリド8.1g(60mmol)を添加した後、室温にて20分間かけてオキシ塩化リン9.2g(60mmol)を滴下した。更に40〜50℃にて20時間攪拌した。冷却後、反応液に5℃以下でアンモニアガスを流速200ml/minにて1時間導入した。析出した無機物を濾過して除去した後、トルエンを留去して残さにリグロイン30mLを加え、冷却した。析出した結晶を濾取、乾燥して、具体例化合物(1-15)9.3g(収率87.9%)を暗緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0062】
【表5】
【0063】
[実施例2] 一般式(1)のフタロシアニン化合物(前記具体例1-20)の合成実施例1において、テトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)銅フタロシアニン10.32gの代わりに特開平5-247363号記載の方法に従って製造したテトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)バナジルフタロシアニン10.36g(10mmol)を使用した以外は実施例1と同様な操作を行って、具体例化合物(1-20)9.0g(収率84.6%)を緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0064】
【表6】
【0065】
[実施例3] 一般式(4)のフタロシアニン化合物(前記具体例2-15)の合成実施例1で製造した前記具体例1-15のフタロシアニン化合物10.6g(10mmol)をトルエン50mLに溶解し、メタンスルホン酸0.1g、フェロセンアミド3.44g(15mmol)を添加して5時間還流した。冷却後、未反応フェロセンアミドを濾過して除去した後、活性炭6gを添加、1時間還流した。次いで活性炭を濾過して除去後、トルエンを留去した。残さにメタノール200mlを添加、1時間還流した後、室温まで冷却して結晶を濾取、乾燥して具体例化合物(2-15) 11.3g(88.8%)を緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0066】
【表7】
【0067】
[実施例4] 一般式(4)のフタロシアニン化合物(前記具体例2-20)の合成実施例3において実施例1で製造した前記具体例1-15のフタロシアニン化合物10.6g(10mmol)の代わりに実施例2で製造した前記具体例1-20のフタロシアニン化合物10.63g(10mmol)使用した以外は実施例1と同様な操作を行って、具体例化合物(2-20) 11.0g(86.3%)を緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0068】
【表8】
【0069】
[実施例5] 一般式(4)のフタロシアニン化合物(2-15)の合成
特開平5-247363号記載の方法に従って製造したテトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)銅フタロシアニン10.32g(10mmol)をトルエン50mLに溶解し、N-メチルホルムアニリド8.1g(60mmol)を添加した後、室温にて20分間かけてオキシ塩化リン9.2g(60mmol)を滴下した。更に40〜50℃にて20時間攪拌した。冷却後、反応液に5℃以下でアンモニアガスを流速200ml/minにて1時間導入した。析出した無機物を濾過して除去した後、フェロセンアミド6.87g(30mmol)を加え還流下5時間攪拌した。冷却後、未反応のフェロセンアミドを濾過して除去した後、濾液を水洗して活性炭6gを添加、1時間還流した。次いで活性炭を濾過して除去後、トルエンを留去した。残さにメタノール200mlを添加、1時間還流した後、室温まで冷却して結晶を濾取、乾燥して具体例化合物(2-15) 10.9g(85.8%)を緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0070】
【表9】
【0071】
[実施例6] 一般式(4)のフタロシアニン化合物(2-20)の合成
実施例5において、テトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)銅フタロシアニン10.32gの代わりに特開平5-247363号記載の方法に従って製造したテトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)バナジルフタロシアニン10.36g(10mmol)を使用した以外は実施例5と同様な操作を行って、具体例化合物(2-20) 10.1g(79.2%)を緑色粉末として得た。
この化合物の元素分析値、トルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は以下の通りであった。
【0072】
【表10】
【0073】
[比較例1] 一般式(4)のフタロシアニン化合物(2-15)の合成
特表2001-522381号記載の方法で製造したモノホルミル-テトラ-(α-2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ)銅フタロシアニン10.6g(10mmol)をトルエン30mLに溶解し、トルエンスルホン酸0.3g及びフェロセンアミド6.87g(30mmol)を加え還流下20時間攪拌した。未反応のフェロセンアミドを濾過して除去した後、濾液を水洗して活性炭6gを添加、1時間還流した。次いで活性炭を濾過して除去後トルエンを留去した。残さにメタノール200mlを添加、1時間還流した後、室温まで冷却して結晶を濾取、乾燥して具体例化合物(2-15) 5.3g(41.7%)を緑色粉末として得た。
【0074】
この反応生成物のトルエン溶液中の吸収極大波長(λmax)及びグラム吸光係数(εg)は下記の通りであった。
λmax:717.0nm
εg:1.08×105mL/g.cm
【0075】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(1)のフタロシアニン化合物とメタロセンアミドを反応させることにより近赤外線吸収材料用途に好適に用いられる前記一般式(4)のフタロシアニン化合物を高品質で収率良く製造することができる。
Claims (8)
- R1〜R4が炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基である請求項1記載のフタロシアニン化合物。
- MがCu、Zn、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl2、VO又はTiOである請求項1又は2記載のフタロシアニン化合物。
- 反応溶媒に芳香族炭化水素溶媒としてベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン或いはニトロベンゼンを用いることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 反応溶媒に芳香族炭化水素溶媒としてベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン或いはニトロベンゼンを用いることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
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