JP4257919B2 - プレストレスト建物のpc鋼材の緊張、定着工法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート建物をプレストレスト建物に構築する際のPC鋼材の緊張、定着を合理的に実施するものであって、プレキャストコンクリート建物にも現場打設コンクリート建物にも適用可能なプレストレストPC鋼材の緊張、定着に関するものであり、コンクリート建物構築の技術分野に属するものである。
橋梁等の大型コンクリート構築物へのプレストレスト技術の採用は普及し、各種のPC鋼材の緊張、定着工法が開発実施されている。
図10は、非特許文献に開示されたこれらPC鋼材の緊張、定着に関する代表的技術であり、図10(A)は、フレシネー工法であり、図10(B)はCCL工法であり、図10(C)はVSL工法である。
図10(A)のフレシネー工法は、フランスのコージン・フレシネーによって開発されたものであり、プレストレストコンクリート(PC)技術を世界で初めて工業的に確立したものであり、現在、全世界のPC構造物の60%以上に実施されており、図10(A)(イ)に示す鋳鉄製グリップ式と図10(A)(ロ)に示す高強度モルタル式とがあり、くさび定着である。
即ち、PC鋼より線(PC鋼材)の定着は、PC鋼より線を、シース受、支圧板及び雌コーンを貫通する形態で挿通し、雌コーン中央の孔部周囲の凹部に複数のPC鋼より線を配置し、雄コーン外周の凹部にPC鋼より線が嵌合する形態で雄コーンを雌コーンに挿入し、雌コーンと雄コーンとでPC鋼より線を定着し、雄コーン中央の孔よりグラウトを注入するものである。
図10(B)のCCL工法は、英国のCCL Systems社によって開発され、PC鋼より線でケーブルを構成し、グリップで定着するものである。
即ち、PC鋼より線の定着は、キャスティング(定着具)内に複数のPC鋼より線を挿通し、支圧板に穿設する複数の挿入用孔を介して、支圧板より突出するPC鋼より線がグリップを貫通する形態でグリップを配置し、グリップ中央に穿設する挿入用孔とPC鋼より線との隙間にウエッジ(くさび)を挿入して、PC鋼より線を定着する。
尚、図10(B)(イ)は、複数のPC鋼より線定着タイプで、図10(B)(ロ)は、1本のPC鋼より線定着タイプである。
図10(C)のVSL工法は、スイスのロジンガー社が開発したもので、マルチストランドタイプのくさび定着方式の先進的なタイプであり、緊張作業が確実な工法として世界的に広く採用されている。
VSL工法にあっては、PC鋼より線は、径12.4mm、径12.7mm、径15.2mmの3種類であり、1ケーブル当りのPC鋼より線の本数は、1本から55本まで使用可能であり、定着方法はくさび方式で、アンカーヘッドのテーパーの付いた孔にPC鋼より線を1本ずつウエッジにより定着する。
1992年2月10日、株式会社建築技術発行、社団法人日本建築構造技術者協会関西支部編、「はじめてのPC、PRC構造しくみから設計、施工の実務まで」のP28〜29,3.PC、PRC構造設計上の留意点の項
図10(A)のフレシネー工法にあっては、例えば、径12.7mmのPC鋼より線の6本〜12本を締着する場合にあっては、支圧板が250mm×250mm×40mm厚、定着具の長さ98mmで躯体コンクリートの欠込みが大きくなり、また、定着具の配置間隔も270mm以上必要で、小規模建築物への適用は困難である。
また、図10(B)のCCL工法にあっては、例えば、径15.2mmのPC鋼より線を4本用いる場合、全長が312mmと大きく、支圧板は155mm×155mm×25mm厚、躯体コンクリートの欠損が大であり、また、定着具の配置間隔は280mm以上で、小規模建築物への適用は困難である。
また、図10(C)のVSL工法にあっては、支圧板は、例えば、12.7mm径のPC鋼より線を3本用いる場合、125mm×125mm×19mm厚で、定着具の全長が310mm、配置間隔が155mmであり、躯体コンクリートの欠損が大きい。
また、全長が大なので、特に建築物に於いては、柱筋及び梁筋、並びに壁筋及び床スラブ筋のアンカー部が錯綜して作業性も悪い。
また、図10(D)は、これら従来定着具のコンクリート破壊作用説明図であって、PC鋼材の緊張応力Fに対し、保持応力f2と引張り応力f1とのコーン状破壊面が緊張応力Fに対して支圧板前面側の135°(引張り側から45°)となり、支圧板の応力作用による破壊面から外方の保持域ZAでのコンクリート割裂を防止するために、十分なコンクリート被りとする必要もある。
本発明は、これら従来のPC鋼より線定着手法の問題点を画期的に解決、又は改善して小規模コンクリート建築物への構築に好都合適用出来る、PC鋼材定着技術を提供するものである。
本願第1の方法発明は、前面の垂直形態で、ポケットフォーマ55を係止する係合突起G51を前面F51に突出した支圧主板51Aと、支圧主板51Aから後方に、水平に引続く円筒部51Bとを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔H51を備えた支圧板51をコンクリート型枠内に配置し、円筒部51Bにスパイラルシース3Bを接続すると共に、支圧主板前面F51中央部には、抜去用スピンドル56を係止して前方に突出させ、且つ、後端に嵌合溝G55を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ55を、回動による嵌合溝G55の係合突起G51への係止で配置してコンクリート打設し、打設コンクリートC0の硬化後に抜去用スピンドル56を介したポケットフォーマ55の回動によってポケットフォーマ55を抜去して、コンクリートC0内に埋設した支圧板51の支圧主板51A前面にコンクリート欠込み53を形成し、次いで、支圧板51の挿入用孔H51を介してスパイラルシース3B内にPC鋼材7B群を挿通し、支圧板51から突出したPC鋼材7B群を、1本のくさび52の外周の条溝G52群に分配嵌合してくさび52を支圧板51の挿入用孔H51に挿入し、PC鋼材7B群を緊張、定着する、プレストレスト建物のPC鋼材の緊張、定着工法に関するものである。
この場合、PC鋼材の材質、形態は問わないが、本願各発明にあっては、PC鋼材は、典型的にはPC鋼より線である。
また、円筒部51Bは、くさび52を嵌着するための裁頭円錐形態の挿入用孔H51が準備出来、且つ慣用のスパイラルシース3Bが外側に嵌合装着出来れば良い。
ポケットフォーマは、典型的にはプラスチック成形品であって、打設コンクリート内に埋設する支圧板51の支圧主板51A前面にポケット(欠込み)53を形成する型枠であるため、打設コンクリートC0の圧力に抗し、且つ、コンクリート硬化後に抜去する必要がある
そして、剛構造の支圧主板51A前面には形成容易な突起G51を形成し、プラスチック成形品として製作出来るポケットフォーマ後端には比較的に複雑な嵌合溝G55を形成するため、支圧板51とポケットフォーマ55との製作が容易である
そして、支圧主板51Aは、表面平滑で、中央に円錐筒形の挿入用孔H51が開口しているのであるから、挿入用孔H51の外周近傍に係合突起G51を配設すれば、嵌合溝G55を後端に備えたポケットフォーマ55の装着、離脱が簡便に実施出来、従来、プレストレスト工法にあっては、アンボンド工法のみに採用されていたポケットフォーマ55のグラウトボンド工法への適用が簡便に実施出来、支圧主板51A前面へのコンクリート欠込み53の簡便な形成により、小規模コンクリート建築物のグラウトボンド工法でのプレストレスト施工が容易となる
また、くさび52の条溝G52には、1本のPC鋼より線7Bを保持し、くさび52の挿入用孔H51内への嵌着時には、条溝G52と挿入用孔H51の内周面とでPC鋼より線7Bに圧着保持出来れば良い。
本発明は、支圧板51を垂直形態の支圧主板51A及び後方延出の円筒部51Bとし、1本のくさび52の支圧主板51A中央部への嵌入によって複数本のPC鋼材の定着を達成するように構成したため、支圧主板51Aの前面F51はアンカーヘッド等の存在しない平坦形態となり、従来、アンボンド工法にしか採用出来なかった、ポケットフォーマによるポケット(欠込み)形成手法が、本発明のグラウトボンド工法に適用可能となる。
また、コンクリート躯体へのプレストレスト工法適用に必要なコンクリート欠込み(ポケット)、即ち、コンクリート欠損は、強度設計面からも、修復面からも小さい程好ましい。
また、本発明にあっては、ポケットフォーマのサイズは、支圧主板51Aの前面F51のくさび挿入用孔H51に干渉しない程度に小さくすることが出来る。
そして、図1に示す如く、支圧主板51Aの前面のコンクリート欠込み53を、くさび挿入用孔H51に干渉しない程度に小さく形成するため、支圧主板51Aは、前面の外周の大半が打設コンクリートC0で埋設された形態となり、支圧主板51Aは、前面コンクリート域Zfと後面コンクリート域Zbとで確保され、強固に保持される。
従って、支圧主板51Aと床スラブ表面Sfとの寸法SY、即ち床スラブコンクリートC0の被り厚SYも小さく構成出来、支圧主板51Aの前面のコンクリートC0の被り厚SX、即ち、コンクリート欠込み53の深さSXも小さく出来ることとなり、打設コンクリートC0のプレストレスト工法適用に必要なコンクリート欠込み(コンクリートポケット)53は、深さSXが浅くて、支圧主板51A上のポケット径XDの小さなサイズで、且つ、床スラブ表面Sfからの支圧主板51A上端までの寸法SYも小さく出来る。
そして、支圧板51は、円筒部51B及びくさび52を長くすることで、従来のコーン、グリップ、アンカーヘッドを無くし、小寸の支圧主板51Aと円筒部51Bとの単純な構造でありながら、PC鋼材7Bの確実、強固な固着を可能とする。
従って、本発明は、プレストレストコンクリート建築での、床スラブへのPC鋼材適用にも、外壁へのPC鋼材適用にも広く適用出来、コンクリート欠込み53をコンクリート外壁に形成する場合は、欠込み53が小さくて修復が容易であり、コンクリート外壁にタイル等の外装材を張設する内断熱建物も、コンクリート外壁に外断熱パネルを張設する外断熱建物も構築出来る。
そして、本発明は、適用する支圧板51が単純な外形で、従来の定着具より遥かに小型化、軽量化出来、且つ1本のくさび52と円筒部51BとによるPC鋼より線7Bの分散定着を達成するため、慣用のスパイラルシース3Bの定着具への直接接続も可能となって、従来工法でのトランペットシースを不要とし、プレキャストコンクリートでの躯体形成にも、現場打設の鉄筋コンクリート構築にも採用可能となり、また従来の内断熱工法にも、外断熱工法にも採用可能となり、小規模コンクリート建築物へのプレストレスト工法の合理的導入を可能とする。
また、本願の第2の発明は、前面の垂直形態の支圧主板51Aと、支圧主板51Aから後方に、水平に引続く円筒部51Bとを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔H51を備えた支圧板51を、外壁側型枠と床スラブ側型枠との断面L字状形枠を山形状に配置した上面開放形態のプレキャストコンクリート型枠の床スラブ側型枠内に配置し、円筒部51Bにスパイラルシース3Bを接続すると共に、支圧主板前面F51中央部には、抜去用のスピンドル56を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ55を係止配置してコンクリート打設し、打設コンクリートC0がフレッシュコンクリートの状態で、成形セメント板2Aと断熱層2Bとから成り、ポケットフォーマ55抜去用の円孔H2を備えた断熱パネル2を、断熱層2Bを外壁側型枠のフレッシュコンクリートに当接一体化し、打設コンクリートC0の硬化後にポケットフォーマ55を抜去して、コンクリートC0内に埋設した支圧板51の支圧主板51A前面に、コンクリート欠込み53を形成してプレキャストコンクリート体を形成し、次いで、プレキャストコンクリート体を構築現場で立設後、支圧板51の挿入用孔H51を介してスパイラルシース3B内にPC鋼材7B群を挿通し、支圧板51から突出したPC鋼材7B群を、1本のくさび52の外周の条溝G52群に分配嵌合してくさび52を支圧板51の挿入用孔H51に挿入し、PC鋼材7B群を緊張、定着し、次いで、断熱パネル2の円孔H2を断熱パネル片2´で修復する、外断熱プレストレスト建物のPC鋼材の緊張、定着工法に関するものである。
この場合、断熱パネル2としては、図1に示す如く、内面に通気用条溝AGを並列縦設した成形セメント板2Aと成形断熱板から成る断熱層2Bとを、積層一体化した通気性断熱パネルを採用すれば良い。
また、断熱パネル2の円孔H2は、ポケットフォーマ55が抜去出来る寸法であれば良い。
また、断熱パネル2の円孔H2の修復は、外壁面としての外見上の修復のみならず、通気性、断熱性の機能面からも修復出来れば良く、断熱パネル2で修復用の断熱パネル片2´を準備するのが好都合である。
この場合、断熱パネル2への円孔H2の形成時に、円孔H2を適切に切開し、切取り断熱パネル片を、修復用パネル片2´とするのが特に好ましい。
また、本発明は、工場で予めプレキャストコンクリート型枠を用いてコンクリート躯体をプレキャスト形成し、現場でプレストレスト建物とするものであって、プレキャストコンクリート型は、プレキャストコンクリート躯体を、外壁と床スラブとの断面L型状に成形するため、外壁側型枠も床スラブ側型枠も上面開放型として山形状に配置し、床スラブ型枠内には、スパイラルシース3Bを配置して、スパイラルシース3Bの先端に支圧板51を配置し、外壁型枠側では、型内にKPコン(断熱材用コーン)等の慣用のパネル保持材を配置すれば良い。
そして、断熱パネル2の打設フレッシュコンクリートへの当接一体化は、慣用の外壁パネルの型枠兼用パネルとしての使用同様、予め型内に、断熱パネル2の適所の締着用孔に対応して配置した慣用のKPコン(断熱材用コーン)手段で型枠に締着保持すれば良く、パネル円孔H2部にあっては、図2に示す如く、当て板58を円孔H2外面に当接し、支圧板51に係止したポケットフォーマ55に装着したスピンドルへのハンドノブ57で締着保持すれば、打設フレッシュコンクリート圧に対抗する断熱パネル2及びポケットフォーマの支持が可能となる。
従って、本願第2の方法発明にあっては、定着具50が垂直形態の支圧主板51Aと水平形態の円筒部との一体物である単純な形状の支圧板51と、嵌入用くさび52とから成っており、しかも、ポケットフォーマ55によって、支圧主板51Aを打設コンクリート内に埋設しながら支圧主板51A前面に欠込み53が形成出来るため、欠込み53も小さく、且つ浅く形成出来、且つ、支圧主板51Aの保持も、前面のコンクリート域Zfと後面コンクリート域Zbとでの挟持形態で確実となる。
そして、コンクリート欠込み53のサイズも、合理的な最小限のポケット(欠込み)と出来、その結果、断熱パネル2の、ポケットフォーマ55抜去用の円孔H2も小さく形成出来、外断熱プレキャスト建物へのプレストレスト工法の合理的な導入が可能となる。
また、PC鋼材7B群も、くさび52の外周に分散配置し、挿入用孔H51の円錐筒状の縮径によって、内方へと収束形態に配置出来るため、支圧板51の円筒部51B端部へのスパイラルシース3Bの直接的接続が可能となり、従来の慣用のスパイラルシース3Bの定着具への接続に必要であったトランペットシースも不要となる。
従って、簡単な形状で軽量化、小型化された定着具50は、スペースの限られるプレキャストコンクリート型枠内への配置が可能となり、外断熱プレキャストコンクリート建築物へのプレストレスト工法の導入が可能となる。
そして、断熱パネル2も、断熱パネル片2´で修復するため、得られる外断熱コンクリート建物は、プレストレスト工法を適用した外壁でありながら、外壁の断熱パネル全面が、均斉な通気性と断熱性を備えたものとなる。
しかも、得られる外断熱コンクリート建物は、外壁の断熱パネル2が、打設壁コンクリートC0のフレッシュ状態でコンクリートに当接一体化するため、断熱パネル2は、手作業での叩き作業での当接によって、各断熱パネルの成形セメント板2A面に不陸が生じない形態で、きれいにコンクリート壁と一体化出来、断熱層2Bと壁コンクリートC0との当接界面に、断熱機能を阻害する空隙(エアーボイド)が生じないようにコンクリート壁と一体化出来、全面に均斉な断熱機能を備え、且つ、不陸の存在しない、外断熱のコンクリート外壁を備えた高品質のプレストレスト建物が得られる。
また、フレッシュコンクリートC0に当接した断熱パネル2は、円孔H2部では、円孔H2外面の当て板58を介して、ポケットフォーマ55抜去用スピンドル56へのハンドノブ57の締着で保持して、打設コンクリートC0の硬化を行うのが好ましい。
この場合、当て板58は、図3(E)に示す如く、中央にスピンドル挿入用の孔H58を備えた型板合板を用いれば良い。
また、ポケットフォーマ55の前端55Lの外周と円孔H2の後端内周との境界部は、必要に応じて、テープ等で封止すれば、打設コンクリートの円孔H2内への浸入が完全に防止出来る。
従って、成形セメント板2Aに当接した当て板58と、ポケットフォーマ55との強固な締着により、断熱パネル2の断熱層2Bと、フレッシュコンクリートとが、界面に空隙及び不陸を生ずることなく、強固に一体化出来、ポケットフォーマ55の配置及び取出しの作業も容易となる。
また、本願第3の方法発明は、例えば、図7に示す如く、成形セメント板2Aと断熱層2Bとから成り、ポケットフォーマ55抜去用の円孔H2を備えた断熱パネル2を外壁の外側型枠とし、前面の垂直形態の支圧主板51Aと、支圧主板51Aから後方に、水平に引続く円筒部51Bとを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔H51を備えた支圧板51を、床スラブコンクリート型枠内に配置し、円筒部51Bにスパイラルシース3Bを接続すると共に、断熱パネル円孔H2の後面位置の支圧主板前面F51中央部には、抜去用スピンドル56を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ55を係止配置してコンクリート打設し、打設コンクリートC0の硬化後にポケットフォーマ55を抜去して、コンクリートC0内に埋設した支圧板51の支圧主板51A前面にコンクリート欠込み53を形成し、次いで、支圧板51の挿入用孔H51を介してスパイラルシース3B内にPC鋼材7B群を挿通し、支圧板51から突出したPC鋼材7B群を、1本のくさび52の外周の条溝G52群に分配嵌合してくさび52を支圧板51の挿入用孔H51に挿入し、PC鋼材7B群を緊張、定着し、次いで、断熱パネル2の円孔H2を断熱パネル片2´で修復するものである。
この場合、断熱パネル2自体は、外側型枠として組立てられており、支圧板51も型枠内の配筋に針金等で固定されているので、スピンドル56の先端を断熱パネル2より外方に突出させておけば、ポケットフォーマ55の保持及び取外しが可能であるが、断熱パネル2の円孔H2の外面に当て板等の手段でスピンドル56先端を締着保持すれば、ポケットフォーマの定位置保持が確実となる。
また、ポケットフォーマ55の前端外周と円孔H2の後端内周との隙間は、必要に応じてテープで閉止し、打設コンクリートの円孔H2内への浸入を阻止するのが好ましい。
従って、本発明によれば、支圧板51、くさび52によるPC鋼材7Bの定着手段の小型化、軽量化により、コンクリートの現場打ちでの外断熱コンクリート建物構築に於いて、プレストレスト工法が容易に導入実施出来る。
また、コンクリートの現場打ち工法での外断熱プレストレスト建物の構築方法にあっては、断熱パネル2は、円孔H2部では、円孔H2内に、前端円板59L及び後端円板59Rを備えた飼物59を配置し、ポケットフォーマ55の前端55Lに飼物後端円板59Rを当接し、飼物前端円板59Lから突出させたスピンドル前端56Lへのハンドノブ57の締着で保持してコンクリート打設するのが好ましい。
この場合、飼物59は、図7(B)に示す如く、後端円板59Rが実質上円孔H2と同一径であり、前端円板59Lは、周辺部が円孔H2の外面上に載置出来る寸法である。
そして、飼物59の後端円板59Rは円孔H2の内端面を実質上閉止するため、打設コンクリートの円孔H2内への浸入が阻止出来、例え、後端円板59Rから円孔H2内への少量のコンクリート浸入があっても、打設コンクリートの硬化後は、飼物59も、ポケットフォーマ55も円孔H2から外方へ取出すため、断熱パネル2の断熱パネル片2´による修復に支障を生ずるような事態には到らない。
従って、飼物59の介在によって、ポケットフォーマ55の打設コンクリート圧に対抗する定位置確保が達成出来、且つ、打設コンクリートのポケットフォーマ55からの断熱パネル円孔H2内への流入も阻止出来、ポケットフォーマ前端55Lの外周縁部へのテープによる隙間閉止作業も不要となり、作業性が向上する。
また、断熱パネル2として、成形セメント板2Aが断熱層2Bとの当接面に通気用条溝AG群を備えた通気性断熱パネル2を用い、断熱パネル2の円孔H2形成時の切取り断熱パネル片2´で断熱パネル円孔H2を修復するのが好ましい。
断熱パネル片2´は、円孔H2の形成時に、円盤形態で取出すことにより用意すれば良く、円孔H2の修復は、断熱パネル片2´の成形セメント板2A´部での通気用条溝AGの断熱パネル2側の通気用条溝AGとの整合で位置決めし、断熱パネル片2´の断熱層2B´と断熱パネル2の断熱層2B相互の接着固定で実施すれば、外形上のみならず、通気性、断熱性面でも原状に修復出来る。
この場合、隙間追従シート6Cを介して断熱層2B,2B´相互を接着すれば、円孔H2と断熱パネル片2´との隙間も完全に密封出来る。
従って、断熱パネル2の円孔H2をきれいに切取って、適正な円孔H2、及び適正な断熱パネル片2´を形成することにより、省資源でコスト低減の下に、合理的な修復が可能となる。
また、支圧板51の垂直形態の支圧主板51Aが、図4に示す如く、前面への湾曲凸面板であるのが好ましい。
この場合、典型的には、支圧主板51Aは、19mm厚の鋼板の曲率半径350mmの湾曲面板であって、一辺の長さLA(図4)が110mmの正方形態板である。
そして、支圧主板51Aを湾曲円弧凸面板としたことにより、図9(B)の作用線図に示す如く、PC鋼より線7Bの引張り応力線Fは、支圧主板51Aから350mm後方の支点に向かう傾斜方向となり、支圧主板51Aに対するコンクリートC0の保持応力f2と引張り応力f1との作用する破壊面、即ち、引張り応力線Fに対し45°(反対側の反力線から135°)の傾斜面が、引張り応力線Fの後方への収束傾斜に伴って後方に傾斜するため、破壊面の床スラブ表面までの長さが長くなり、打設コンクリートC0の支圧主板51Aに対する保持応力が増大するため、コンクリート被り厚SYはより小さく出来る。
従って、前面への湾曲凸面板の支圧主板51Aは、従来の平板の垂直配置よりも、コンクリートC0の保持力が向上し、コンクリートC0の上面の被り厚SYも従来の支圧板より小さく出来、小規模コンクリート建物へのプレストレスト工法の導入が合理化出来る。
また、本願各発明にあっては、支圧板51の円筒部51Bにスパイラルシース3Bを嵌着接続し、PC鋼材7Bの緊張、定着後に、スパイラルシース3B内にグラウトを、コンクリート欠込み53内に無収縮モルタルを充填するのが好ましい。
この場合、スパイラルシース3Bの円筒部51Bへの嵌着接続は、図1に示す如く、慣用のスパイラルシース3Bの前端を支圧板円筒部51Bの後部に被覆形態で嵌合し、ビニールテープ等の接着テープで接着固定すれば良い。
従って、各PC鋼材7Bは、スパイラルシース3B内でグラウトボンドとなり、十分なプレストレスト機能を発揮すると共に、コンクリート欠込み53も無収縮モルタルの充填により、コンクリート壁面が断熱パネル2やタイル13の張設に支障無く修復出来る。
また、支圧板51の円筒部51Bは、図4(C)に示す如く、基端側の大径部51Bと後端側の小径部51Bとを備え、スパイラルシース3Bを小径部51Bに嵌合被覆して接続するのが好ましい。
この場合、大径部51Bの標準外径R1は50mmであり、小径部51Bの外径R2は40mmである。
また、大径部51Bの長さLBは標準35mmで、小径部51Bの長さLBは標準35mmである。
従って、支圧板51は、くさび52と共に、定着に必要な十分な長さL51(標準:100mm)を備え、複数のPC鋼より線7Bを、前方へ拡散(後方へ収束)する形態で定着するため、支圧板51と慣用のスパイラルシース3Bとの直接的な嵌合接続が可能となり、従来の、定着具とスパイラルシース3Bとの接続に介在させるトランペットシースが不要となる。
しかも、水平に延びる円筒部51Bの外周が、支圧板51の打設コンクリートC0との強固な一体化固着を保証する。
そして、円筒部51Bの後半を小径部51Bとすることにより、支圧板51内の円錐筒状の挿入用孔H51の形成に必要な構造の下に、円筒部51Bの軽量化が達成出来、しかも、大径部51Bと小径部51Bとの境界段差がスパイラルシース3Bの嵌合時のストッパー機能を奏し、スパイラルシース3Bの円筒部51Bへの嵌合、及びテープ接着固定の作業も容易となる。
また、ポケットフォーマ55の嵌合溝G55を、図5(C)に示す如く、後端55Rの内側の同一円周上に、円弧形態で配置した複数個の嵌合溝G55群で構成し、支圧主板前面F51の係合突起G51を、同一円周上に、円弧形態で配置した複数の突起G51群で構成するのが好ましい。
この場合、ポケットフォーマ55は、抜去用のスピンドル56を挿通した形態で支圧主板51A前面に係止配置し、打設コンクリートC0の硬化後にスピンドル56の引抜きにより取出すものであるから、図2の如く、スピンドル56の回動によりポケットフォーマ55が回動可能に、スピンドル56をポケットフォーマ55に嵌着しておく。
そして、ポケットフォーマ55の支圧主板51Aの前面F51への係止は、ポケットフォーマ55の嵌合溝G55の支圧主板51A前面の突起G51への回動嵌合となり、ポケットフォーマ55の取外しは、図2の如く、外方に突出したスピンドル56の回動により、ポケットフォーマの嵌合溝G55と支圧主板の前面F51の突起G51との係合が外れる。
従って、ポケットフォーマ55の取出しは、スピンドル56を回動して引抜くことにより、スピンドル56と共に簡便に打設コンクリートC0から取出せる。
そして、嵌合溝G55も突起G51も複数個であるため、ポケットフォーマ55は、型枠として均斉に機能を発揮し、且つ、取外しもスムーズとなる。
また、図5(A)に示す如く、ポケットフォーマ55は、後端内面55E及び嵌合溝内面55E´に、板状ゴム材55Fを配置して支圧主板前面F51に係止配置するのが好ましい。
ポケットフォーマ55は、打設コンクリートC0にポケット(欠込み)53を形成する型枠であり、ポケットフォーマ55の後端は支圧主板51Aの前面F51に当接形態で型枠機能を発揮するが、後端内面及び嵌合溝内面にゴム板55Fが存在するため、板状ゴム材55Fの弾性シール機能により、打設コンクリートのポケットフォーマ後端と支圧主板前面F51との当接界面からの内部への流入が阻止出来、且つ、嵌合溝G55と突起G51との嵌合保持も、板状ゴム材55Fの弾性によってスムーズに達成出来る。
従って、ポケットフォーマ55の支圧主板前面F51への嵌合作業も、打設コンクリート硬化後のポケットフォーマ55の取出し作業も容易となる。
本願の各構築方法の発明に使用する定着具は、例えば図4に示す如く、支圧板51と、くさび52とから成り、支圧板51は、垂直形態で前面への湾曲円弧凸面方形板体の支圧主板51Aと、支圧主板51Aの中央部から後方に延出した円筒部51Bとを含み、支圧主板51Aから円筒部51Bに亘って、裁頭円錐形で縮径して貫通する挿入用孔H51を備え、且つ、支圧主板51Aが、前面F51の挿入用孔H51の外側の同一円周上に、ポケットフォーマ55係脱用の係合突起G51群を備えており、くさび52は、挿入用孔H51と整合する裁頭円錐形態であって、外周面にはPC鋼材嵌入用の条溝G52群を長手方向に備えているものである。
この場合、定着具のサイズ、即ち、支圧主板51Aの寸法、円筒部51Bの寸法、くさび52の寸法、PC鋼材嵌入用の条溝G52の配置数及び寸法等は、実施する構築物の構造計算の下で適宜決定すれば良く、例えば、図1に示す如く、12.7mmのPC鋼より線7Bの3本を緊張、定着する定着具にあっては、支圧主板51Aは、曲率半径350mmの球面の湾曲円弧板であって、一辺110mmの正方形で、肉厚19mmの鋼板とすれば良く、くさび52の条溝G52は等間隔に配置し、条溝G52の断面形状は、径13mmの丸棒が嵌入してくさび外周面上から丸棒が1.5mm突出する形態に配置すれば良い。
本発明定着具は、支圧主板51Aが前面への湾曲円弧面の板体であるため、図9(B)の作用説明図に示す如く、破壊面が従来の垂直支圧板よりも後方に傾斜し、破壊面が従来より長くなるため、床スラブコンクリートの被り厚SYが、従来より小さく出来、また、支圧主板51Aの前面は、従来定着具で必須の、コーン、グリップ、アンカーヘッドの、何れも不要な平滑面と出来るため、定着具の前面のコンクリート欠込み53は、従来の定着手段より遥かに小さく出来る。
しかも、1本のくさび52で複数本のPC鋼材の定着を可能としたため、PC鋼材7B群の均質な緊張、定着が簡便に実施出来、支圧板51の水平形態の円筒部51Bでの、1本のくさび52を介してのPC鋼材7Bの前端拡開形態から後端の収束形態へと定着出来、また、円筒部51B後端には、従来慣用のトランペットシースを省略して、スパイラルシース3Bを直接的に接続出来、定着具50の小スペースでの配置が可能となり、定着具50の配置作業も容易となる。
しかも、定着具50にあっては、図4(B)に示す如く、支圧主板51Aは、前面F51の挿入用孔H15の外側の同一円周上に、ポケットフォーマ55係脱用の係合突起G51群を備えており、係合突起G51群が同一円周上に存在するため、ポケットフォーマ55の後端55Rを支圧主板前面F51に当接して回動することにより、ポケットフォーマ55の係合離脱が可能となり、複数の係合突起G51による係脱作用と相俟って、ポケットフォーマ55は支圧主板51Aの前面F51に、均斉に装着離脱出来る
従って、本発明の定着具50は、外断熱プレキャストコンクリートでのプレストレスト建物構築も、外断熱現場施工コンクリートでのプレストレスト建物構築も、従来の内断熱現場施工コンクリートでのプレストレスト建物構築への適用も可能なものであり、比較的小規模なコンクリート構築物としてのコンクリート建築物へのプレストレスト工法の導入に極めて有効な定着具である。
また、定着具50にあっては、図4(B)に示す如く、支圧主板51Aは、各係合突起G51を、同一円周上に、円弧形態で分割配置し、突起G51群配置円周の外側円周上の、且つ、各係合突起G51間位置に、円弧形態のガイド片51D群を突出配置するのが好ましい。
この場合、ポケットフォーマ55のスピンドル56を介した回動による支圧主板前面F51への係脱作用は、ガイド片51Dで案内されてスムーズとなる。
そして、ガイド片51D群は、各係合突起G51間に位置しているため、支圧主板51Aの前面F51への、各係合突起G51及び各ガイド片51Dの型鋳造付与も容易となる。
また、定着具50にあっては、図4(C)に示す如く、支圧板51の円筒部51Bが、基端側の大径円筒部51Bと、後端側の小径円筒部51Bから成るのが好ましい。
この場合、PC鋼材7B群は小径円筒部51Bで収束されるため、小径円筒部51Bの外径は、慣用のスパイラルシース3B(標準:内径40mm)を直接外周に嵌められる径(標準:外径40mm)に設定すれば、トランペットシースが省略可能となる。
また、円筒部51Bを大径円筒部51Bと小径円筒部51Bとで構成すれば、くさび52定着用の円錐形態の挿入用孔H51の適正配置の下に軽量化出来、スパイラルシース3Bの直接的接続も可能となる。
本願各発明の実施に直接使用するポケットフォーマ装置は、ポケットフォーマ55と、スピンドル56と、ハンドノブ57とから成り、ポケットフォーマ55は、図5(A)に示す如く、裁頭円錐形態の外筒55Sと、外筒55Sより短い中央の円筒55Tとを前端55Lで揃え、円筒55Tの全長に亘る長手方向の仕切板55P群で一体化し、各仕切板後端縁PBの中間部には突起片55Aを形成し、外筒55Sの後端55R内面には、複数の嵌合溝G55を、立上り片55Cとガイド片55Dとで、且つ入口側から停止辺55C´までの溝幅を漸減する形態に配置し、外筒55Sの後端内面55E、及び嵌合溝G55内面55E´に、板状ゴム材55Fを貼着したものであり、スピンドル56は、外周にねじ56Sを備え、基端に方形の底板56Aを備えたものであり、ハンドノブ57は、外周に滑り止め用の溝G57を、内周にスピンドル56への着脱用のねじ孔H57を備えたものであり、スピンドル56をポケットフォーマ55に装着してスピンドル56を回動することにより、スピンドル底板56Aのコーナー部CAが、突起55Aに衝突してポケットフォーマ55に回動を伝達するものである。
この場合、突起55Aの位置は、スピンドル底板56Aがポケットフォーマ55の各仕切板後端縁PBに当接着座した際に、各コーナーCAが各突起55A間に着座出来るように構成する。
そして、該ポケットフォーマ55は、複数の嵌合溝G55が、しかも、図5(C)の如く、入口側から奥へと溝幅が漸減する形態に存在するため、回動による支圧主板51Aへの係合、離脱がスムーズに達成出来る。
そして、ポケットフォーマ後端内部の板状ゴム材55Fは、ポケットフォーマ55の支圧主板前面F51への、ガタの無いシール機能を伴う装着を可能とし、打設セメントC0の支圧主板前面F51からポケットフォーマ55内部への侵入も阻止する。
従って、本発明のポケットフォーマ装置は、スピンドル56を介したポケットフォーマ55の支圧主板51Aの前面F51へのスムーズな係合離脱を可能とし、本願各発明の実施に際し、コンクリート欠込み53の形成を容易にし、定着具50と共に用いて、プレストレストコンクリート建物の構築施工の実施に有効な装置である。
本発明のプレストレストコンクリート建物構築工法にあっては、ポケットフォーマ手法をグラウトボンド工法に採用可能としたため、前面にアンカーヘッド等の存在しない平滑面の支圧主板51A前面に、コンクリート欠込み53が簡単、且つ小サイズで形成出来、小規模建築物でのプレストレスト構築が容易となる。
また、支圧主板51A前面には、従来の定着具での、グリップやアンカーヘッドが存在しないため、コンクリートC0の欠込み53の底部径、深さ寸法も、ポケットフォーマ55によって小さく形成出来、躯体コンクリートの欠損(断面欠損)も小さく出来、グラウトボンド工法によるプレストレスト構築工法の小規模なコンクリート建築物への適用が可能となる。
しかも、コンクリートの欠込み53の径が小さく出来ることにより、開口によるひび割れ防止の補強筋も不要となり、柱等に本発明を採用しても、配筋作業への支障も最小限に強制出来る。
そして、支圧板51は、支圧主板51Aが、前面コンクリート域Zfと後面コンクリート域Zbとで強固に保持され、長尺の円筒部51Bでのコンクリート接着と相俟って、打設コンクリートC0との強固な一体化が達成出来、支圧板51全体の接地面積の増加によって、支圧主板51Aの小寸化が可能となり、コンクリート欠込みも小さく出来る。
また、支圧板51は、円筒部51B及びくさび52を長くすることで、従来のコーン、グリップ、アンカーヘッドを無くし、小寸の支圧主板51Aと円筒部51Bとの単純な構造でありながら、PC鋼材7Bの確実、強固な固着を可能とする。
従って、本発明は、プレストレストコンクリート建築での、床スラブへのPC鋼材適用にも、コンクリート外壁へのPC鋼材適用にも広く適用出来、コンクリート欠込み53をコンクリート外壁に形成する場合は、コンクリート外壁にタイル等の外装材を張設する内断熱建物も、コンクリート外壁に外断熱パネルを張設する外断熱建物も構築出来る。
以下、本発明を径12.7mmのPC鋼より線7B3本を内径40mmのスパイラルシース3Bに挿通して実施する例に基づいて詳述する。
〔支圧板(図3(A)、図4)〕
支圧板51は、図1に示す如く、くさび52と共に用いてPC鋼材7Bの定着具を構成する部材であり、図3(A)は支圧板51の後方からの斜視図、図4(A)は、支圧板51の前方からの斜視図、図4(B)は、支圧板51の前面図、図4(C)は、支圧板51の縦断面図、図4(D)は、図4(A)のD部拡大図、図4(E)は、図4(C)のE部拡大図である。
支圧板51の全体形状は、図4(C)に示す如く、前面の垂直形態の支圧主板51Aと、支圧主板51Aの中央部から後方に延出した円筒部51Bとから成り、支圧主板51Aの中央部から円筒部51B後端まで、縮径形態で貫通する円錐筒形の挿入用孔H51を開口している。
支圧板51は、鋼製であって、支圧主板51Aは、肉厚T51が19mmで、図4(B)に示す如く、一辺の長さLAが110mmの平方形状であり、図4(C)の如く、曲率半径350mmの球面を切出した湾曲面であって、前方に湾曲する円弧凸面板である。
そして、図4(C)に示す如く、支圧主板51Aの後面からは、外径R1が50mmで、長さLBが35mmの大径部B1と、引続く外径R2が40mmで、長さLBが35mmの小径部B2とから成り、中間に10mmの段差(d51)を備えた円筒部51Bが突出し、支圧板51の中心部には、前端径Rfが50mm、後端径Rbが30mmで、縮径する円錐形態の挿入用孔H51が貫通している。
また、支圧主板51Aの前面F51上には、図4(B)に示す如く、挿入用孔H51の外側の直径C1が61mmの同心円周上には、ポケットフォーマ55係止用の係合突起G51を4個付設し、係合突起G51の外側には、直径65mmの同心円周上で、且つ各係合突起G51間位置に、ポケットフォーマ係止案内用の4個のガイド片51Dを付設している。
そして、突起G51は、図4(D)、(E)に示す如く、一方の幅da´が2mm、他方の幅daが2.5mmで、長さdcが20mm、高さdbが3mmの円弧状突出片であり、ガイド片51Dは、一辺が3mmの正方形断面で、長さ10mmの円弧状突出片である。
〔くさび(図3(G))〕
くさび52は鋼製であって、支圧板51の挿入用孔H51内に挿入して、PC鋼より線7Bを定着するものであり、図3(G)に示す如く、長さL52が100mm、前端52Lの径R52が50mm、後端52Rの径R52´が30mmの外周面52Sが裁頭円錐体であり、外周には等間隔で3本の条溝G52を長手方向に配置している。
条溝G52の断面形状は、径13mmの円棒を嵌入して、円棒がくさび52外周より1.5mm突出する形態とし、条溝G52内には、1mm前後の間隔で、深さ0.5mm前後の直交溝G52´を条溝G52に直交配置してPC鋼より線7Bの拘束力を高めている。
〔ポケットフォーマ(図3(B)、図5)
図3(B)は、ポケットフォーマ55の前方からの斜視図であり、図5(A)は、ポケットフォーマ55の支圧板51への嵌合寸前の縦断面図であり、図5(B)は、ポケットフォーマの前面図、図5(C)は、ポケットフォーマの後面図である。
ポケットフォーマ55は、支圧板51の前面に配置して、支圧主板51Aの前面の打設コンクリートにコンクリート欠込み(ポケット)を形成する型枠部材であって、抜去用のスピンドル56及び締着用ハンドノブ57と共に用いて型枠を形成するものであり、基本的には、プレストレスト工法に於けるアンボンド工法に採用するポケットフォーマに相当するものである。
ポケットフォーマ55の全体形状は、図3(B)に示す如く、裁頭円錐形状の外筒55Sと中央の円筒55Tとを仕切板55Pで一体化し、前端55Lの外周部には、補強兼コンクリート侵入防止用の周縁ウエブ55Bを備えたものである。
ポケットフォーマ55は、一般厚2mmのプラスチック成形体であり、図5(A)に示す如く、外筒55Sは、前端径h55が90mm、後端径h55´が65mmで、長さL55が45mmであり、中央には径30mmのスピンドル挿入用孔H55を構成する円筒55Tが前端55Lから長さ(L55´)35mm延出し、図3(B)から明らかな如く、外筒55Sと中央部の円筒55T間には、等分割形態で仕切板55Pが一体化されて、外筒前端には補強兼コンクリート流入阻止用の周縁ウエブ55Bを備え、各仕切板55Pの後端PBの高さ中央部には、スピンドル56の回動時に底板56AのコーナーCAが当接するための突起片55Aを突出させている。
そして、仕切板後端縁PBから外筒後端55Rまでのスペース、即ち10mm長(L55−L55´)は、スピンドル56の底板56A着座スペースとしている。
また、図5(A)及び図5(C)に示す如く、外筒55Sの後端部内面の等間隔の4個所には、立上り片55Cを介してガイド片55Dを外筒55Sと平行に突出し、ガイド片55Dと外筒55S内面との間に嵌合溝G55を形成して、嵌合溝G55を、ガイド片55Dの肉厚変化により、入口側(寸法de´)から立上り片55Cで構成する停止辺55C´(寸法de)まで、幅を漸減させている。
即ち、嵌合溝G55は、長さddが20mm、深さdfが4mm、入口側幅de´が3.5mm、停止辺55C´での幅deが3mmである。
そして、図5(A)、図5(C)に示す如く、外筒55Sの後端内面55E及び嵌合溝G55の外筒後端内面には、1mm厚の板状ゴム材55Fを張着したものである。
〔スピンドル(図3(C))〕
図3(C)は、スピンドル56の全体斜視図であり、スピンドル56は、ポケットフォーマ55の締着及び抜去作業を行うものである。
スピンドル56は、図3(C)に示す如く、径25mmで2mm厚のプラスチック製パイプであって、外周にねじ56Sを備え、基端にはポケットフォーマ55への装着時に、各突起片55A間に介入する正方形の底板56Aを備え、底板56Aとポケットフォーマ55の突起片55Aとの寸法関係は、スピンドル56を回動すれば、底板56AのコーナーCAがポケットフォーマの突起片55Aと衝突してポケットフォーマ55を回動させる関係寸法である。
〔ハンドノブ(図3(F))
図3(F)は、ハンドノブの全体斜視図であり、ハンドノブ57は、例えば図2の如く、スピンドル56の先端に用いてポケットフォーマ55を型枠材として定位置に保持するものであり、基本的には、アンボンド工法でのポケットフォーマに適用するハンドノブである。
即ち、図3(F)に示す如く、中央に径25mmのねじ孔H57を穿設し、外周に、締着時の滑り止め用の幅20mm、長さ25mm、深さ5mmの溝G57を4個所備えたプラスチック製品であり、後端径R57が75mm、前端径R57´が45mm、長さL57が35mm、パイプ状の基部57Dの幅L57´が15mmで、基部57Dから前方へ円錐形テーパー部57Uを備えたものである。
〔飼物(図3(D))〕
飼物59は、図7(B)に示す如く、断熱パネル2を外壁型枠に併用して外断熱建物を構築する際の、支圧板51及びポケットフォーマ55の姿勢の保持、並びにコンクリート打設時のコンクリート圧による断熱パネル2の浮きを抑制するものであって、断熱パネル2のポケットフォーマ抜去用の円孔H2に嵌合し、スピンドル56の前端56Lへのハンドノブ57の締着により、断熱パネル2をポケットフォーマ前端55Lに当接保持するものである。
飼物59は、プラスチック製であって、図3(D)に示す如く、肉厚12mm厚の、径R59が150mmの前端円板59Lと、径R59´が100mmの後端円板59Rを、外径17mmの接続パイプ59A群(標準:4本)で融着接合し、前端円板59L及び後端円板59Rには、中央部にスピンドル56挿通用の、径30mmの挿入用孔H59を配置した全長L59が112mmのものである。
〔当て板(図3(E))〕
当て板58は、図3(E)に示す如く、中央に径30mmのスピンドル挿通用の孔H58を備えた、一辺が150mmの正方形で、12mm厚の型枠合板である。
そして、当て板58は、図2に示す如く、プレキャストコンクリートでの断熱パネル2を打設フレッシュコンクリートC0に載置一体化する際に、断熱パネル円孔H2前面に当接し、ポケットフォーマ55に装着したスピンドル56の前端56Lをハンドノブ57によって当て板58に締着するものであり、断熱パネル2をポケットフォーマ前端55Lに当接保持する補助具である。
また、スパイラルシース3Bは鋼製で、内径40mm、肉厚0.25mm、外周に1.5mm高さの突起を28mm間隔に備えた慣用品を採用する。
例1.〔プレキャスト外断熱コンクリート体による構築(図2、図6)〕
(1).図6(A)に示す如く、ポケットフォーマ55の挿入用孔H55に、スピンドル56を挿通し、スピンドル底板56Aを、ポケットフォーマ55後端の仕切板後端PBに当接し、且つ底板56AのコーナーCAが各突起片55A間になるように、着座する。
(2).次いで、図6(B)に示す如く、支圧板51に対し、支圧主板51Aのガイド片51D群の内側に、ポケットフォーマ55の外筒55S後端55Rを嵌合当接し、ポケットフォーマ55を回動し、支圧主板51Aの突起G51群を、ポケットフォーマの嵌合溝G55の停止辺55C´に当接状態として、ポケットフォーマの嵌合溝G55群を嵌着し、スピンドル56を装着したポケットフォーマ55を、支圧板51の前面F51に係止配置する。
(3).次いで、外壁と床スラブとを断面L型状に形成するために、外壁側型枠と床スラブ側枠とを断面L字状として、外壁側型枠も床スラブ側型枠も上面開放型となるように、床面に対して山形状に配置し、上面開放形態のプレキャストコンクリート型枠の床スラブ型枠内の所定位置に、図6(C)に示す如く、ポケットフォーマ55を装着した支圧板51を配置し、予め型枠内に配筋した壁筋、リブ筋、床スラブ筋、ジョイスト梁筋などを介して、取付用の鉄筋54´を配し、針金等で固定する。
そして、配筋工事終了後に、支圧板51の円筒部51B後端の小径部51B外周にスパイラルシース3B前端を嵌合被覆接続し、コンクリートの浸入を阻止するため、接続部にビニールテープ54を被着固定する。
そして、プレキャストコンクリート型枠内にコンクリート打設する。
(4).次いで、打設コンクリートの凝固前のフレッシュコンクリートに、図2に示す如く、ポケットフォーマ55が抜去出来る円孔H2を穿設した断熱パネル2を、断熱層2BをフレッシュコンクリートC0に当接し、断熱パネル2の円孔H2の外面の成形セメント板2A上に当て板58を当接し、ポケットフォーマ55の後端に底板56Aを当接したスピンドル56の先端にハンドノブ57を締着して保持し、打設コンクリートC0を硬化する。
尚、断熱パネル2をフレッシュコンクリートC0に当接した段階では、慣用の断熱パネルと打設コンクリートとの熱橋防止一体化手段と同様、断熱パネル2は、適所を、予め型枠内に配置した、図示しない、慣用のKPコン(断熱材用コーン)等の止着手段で、図示しない内側型枠と止着して、断熱パネル2と打設コンクリートC0層とを硬化一体化する。
また、断熱パネル2は、厚さT1(標準:25mm)の成形セメント板2Aと、厚さT2(標準:75mm)の断熱層とを層着したものであり、ハンドノブ57の締着前に、フレッシュコンクリート上に載置した状態で、成形セメント板2A面上からの、手作業による叩き作業で、断熱パネル2表面(成形セメント面)に不陸が生じないように、且つ、断熱層2Bと打設コンクリートC0面との界面に空隙(エアーボイド)が生じないように、打設セメントC0表面と一体化する。
(5).次いで、打設コンクリートC0の硬化後、ハンドノブ57及び当て板58を取外し、スピンドル56を、ポケットフォーマ55の支圧主板51Aへの係止時と反対方向に回動し、スピンドル底板56Aのコーナー部CAのポケットフォーマ突起片55Aへの衝突による回転力伝達により、ポケットフォーマ55の支圧主板51Aとの係合を解除し、スピンドル56の引抜きによりポケットフォーマ55も一緒に円孔H2から引抜く。
この場合、ポケットフォーマ55の外周面は、平滑なプラスチック外筒55Sであり、且つ、前端55Lから後端55Rへと縮径する裁頭円錐体であるため、ポケットフォーマ55は平滑に抜去出来、ポケットフォーマ55の抜去跡には、ポケットフォーマ55の外形と同形状のポケット(欠込み)53が形成出来る。
(6).次いで、成形品としてのプレキャストコンクリート体を構築現場で立設後、支圧板51の挿入用孔H51を介してスパイラルシース3Bに径12.7mmのPC鋼より線7Bを3本収束して挿通し、支圧板51より外側に突出する3本のPC鋼より線7Bを図6(A)の如く、くさび52の各条溝G52に各PC鋼より線7Bを1本ずつ嵌合し、図6(B)の如く、くさび52を支圧板51の挿入用孔H51に挿入する。
次いで、図6(C)の如く、慣用の油圧ポンプ、油圧ジャッキを用いてPC鋼より線7Bを緊張し、くさび52を更に挿入する形態でPC鋼より線7Bを定着し、PC鋼より線7Bのくさび52前面からの突出端を切断する。
そして、PC鋼より線7Bの定着後、ホース5Dからグラウト注入管5Aを介してグラウト3Fをスパイラルシース3B内に注入充填し、PC鋼より線7Bをグラウトボンドする。
(7).次いで、コンクリート欠込み53には無収縮モルタル6Eを充填して平坦に修復し、断熱パネル2の円孔H2の断熱層2B部に隙間追従シート6C(商品名:ソフトロン、積水化学工業(株)製)を、図1の如く、前側と後側との2列で張着し、断熱パネル2への円孔H2形成時に切取った円盤状の断熱パネル片2´の断熱層2B´面にエポキシ樹脂系接着剤(商品名:MP200、セメダイン(株)製)を塗布し、且つ、断熱パネル2と断熱パネル片2´との成形セメント板2A,2A´の条溝AGを整合して無収縮モルタル6E面に当接して接着し、断熱パネル片2´で断熱パネル2の円孔H2を修復する。
そして、断熱パネル2と断熱パネル片2´との成形セメント板2A,2A´相互間の隙間は、慣用のシーリング処理を施す。
例2〔現場施工外断熱プレストレスト建築の構築(図6、図7、図8)〕
(1).ポケットフォーマ抜去用の円孔H2を備えた断熱パネル2を外壁の外側型枠併用とし、慣用の手段で打設コンクリート型枠を形成する。
(2).次に、例1の場合同様に、ポケットフォーマ55にスピンドル56を装着し、ポケットフォーマ55を支圧主板51Aの前面F51に係止配置する。
(3).次いで、図7(A)に示す如く、断熱パネルの円孔H2に整合して支圧板51及びポケットフォーマ55の一体化物をコンクリート型枠内に配置してスピンドル56を断熱パネル円孔H2から前方に突出させ、予め型枠内に配筋されている壁筋、柱筋、梁筋、床スラブ筋などに、取付用の鉄筋54´を接続配置し、針金等を用いて固定する。
そして、支圧板の円筒部51Bの後部の小径部51Bに、慣用のスパイラルシース3Bを嵌合被着して接続し、接続部にビニールテープを被覆して、コンクリートの接続部からの内部への侵入を防止する。
(4).次いで、図7(B)に示す如く、飼物59をスピンドル前端56Lから嵌合して後端円板59Rをポケットフォーマ55前端55Lに当接し、前端円板59Lを成形セメント板2A前面に当接し、ハンドノブ57の締着により、ポケットフォーマ55と飼物後端円板59Rとを当接保持する。
次いで、型枠内にコンクリート打設する。
この場合、ポケットフォーマ55は、支圧主板51Aと飼物59とにより保形されているため、打設コンクリート圧による変形は阻止出来る。
また、ポケットフォーマ55後端と支圧主板51Aの前面F51と当接部は、ポケットフォーマ後端内面の板状ゴム材55Fによって、コンクリート浸入が阻止出来る。
(5).次いで、打設コンクリートの硬化後、ハンドノブ57を取外して飼物59を抜去し、引続いてスピンドル56を回動してポケットフォーマ55を回動し、ポケットフォーマ55の嵌合溝G55と支圧主板51Aの係合突起G51との係合を外した後、スピンドル56を引抜くことによりスピンドル56と共にポケットフォーマ55も、断熱パネル円孔H2から外方に取外す。
以降、例1同様に、PC鋼より線7Bのスパイラルシース3B内への挿入、PC鋼より線7Bの油圧ポンプ、油圧ジャッキによる緊張、くさび52による定着、PC鋼より線7Bのグラウトボンド、及びコンクリート欠込み(ポケット)53の修復、及び断熱パネル2の円孔H2の修復を行う。
例3〔現場施工内断熱プレストレスト建築の構築(図9)〕
内断熱コンクリート建築物は、コンクリート外壁の外面には断熱層の存在しないものであるため、例2に於いて、外壁外側型枠として用いる断熱パネルに代えて、慣用の型板合板を用い、コンクリート欠込み53形成位置では、型枠合板に小円孔を設けて、コンクリート型内に配置した支圧板と係合したポケットフォーマ55のスピンドル56の先端を型枠合板の外でハンドノブ締着し、打設コンクリートC0の硬化後に外側壁型枠を取外し、ポケットフォーマ55をスピンドル56で引抜けばコンクリート欠込み53が形成出来る。
即ち、内断熱建物にあっては、例2の外断熱建物での断熱パネル2を通常の型枠として用いるだけで良く、PC鋼より線7Bの緊張、定着後にコンクリート欠込み53に無収縮モルタル6Eを充填補修した後に、慣用のタイル13等の外装材を張設すれば良い。
但し、タイル13等の張設に際しても、コンクリート欠込み53が小さい程、、タイルの貼付けが均斉、確実に実施出来る。
本発明の例1で構築した建物の縦断面図である。 本発明の例1の断熱パネル締着状態の縦断面図である。 本発明に使用する各部材の斜視図あって、(A)は、支圧板を、(B)は、ポケットフォーマを、(C)は、スピンドルを、(D)は飼物を、(E)は、当て板を、(F)は、ハンドノブを、(G)は、くさびを示す図である。 本発明に用いる支圧板の説明図であって、(A)は、前方からの斜視図、(B)は、正面図、(C)は、縦断面図、(D)は(A)のD部正面拡大図、(E)は(C)のE部拡大図である。 本発明に用いるポケットフォーマの説明図であって、(A)は、ポケットフォーマと支圧主板前面との関係構造を示す縦断面図であり、(B)は、前面図であり、(C)は、後面図である。 本発明の工程説明図であって、(A)は、スピンドルをポケットフォーマに嵌合した状態を示し、(B)は、ポケットフォーマの支圧板への係止配置状態を示し、(C)は、支圧板を型枠内に配置した状態を示し、(D)は、断熱パネルを当接保持した状態を示す図である。 本発明の例2の説明断面図であって、(A)は、外側型枠の断熱パネルと支圧板との配置関係を示し、(B)は、飼物を用いて断熱パネルを保持した状態を示す図である。 PC鋼材の定着作業説明図であって、(A)は、PC鋼材端部のくさびへの嵌合状態を、(B)は、くさびの支圧板中への挿入途中を、(C)は、くさびを支圧板内に挿入した状態を示す図である。 本発明の説明図であって、(A)は、例3の説明縦断面図、(B)は、本発明の定着具の作用説明図である。 従来例図であって、(A)は、フレシネー工法定着具であって、(イ)は鋳鉄製グリップ式を、(ロ)は高強度モルタル式を示す図であり、(B)は、CCL工法定着具であって、(イ)は複数PC鋼材定着タイプを、(ロ)は1本の鋼材定着タイプであり、(C)は、VSL工法での定着具であり、(D)は、従来定着具の作用説明図である。
符号の説明
2 断熱パネル
2´ 断熱パネル片
2A,2A´ 成形セメント板
2B,2B´ 断熱層
H2 円孔
3B スパイラルシース
3F グラウト
5D ホース
6C 隙間追従シート
6E 無収縮モルタル(モルタル)
7B PC鋼より線(PC鋼材)
50 定着具
51 支圧板
51A 支圧主板
51B 円筒部
51B 大径部(円筒部)
51B 小径部(円筒部)
51D ガイド片
F51 前面
G51 係合突起
H51 挿入用孔
52 くさび
52L 前端
52R 後端
52S 外周面
G52 条溝
G52´ 直交溝(溝)
53 欠込み(コンクリート欠込み、ポケット)
54 テープ(ビニールテープ)
54´ 鉄筋
55 ポケットフォーマ
55A 突起片(突起)
55B 周縁ウエブ
55C 立上り片
55C´ 停止辺
55D ガイド片
55E 後端内面
55E´ 嵌合溝内面
55F 板状ゴム材
55L 前端
55R 後端
55S 円錐外筒(外筒)
55P 仕切板
55T 円筒
G55 嵌合溝
56 スピンドル
56A 底板(アンカー板)
56L 前端
56R 基端(後端)
56S ねじ
57 ハンドノブ
57D 基部
57U テーパー部
G57 溝
H57 ねじ孔
58 当て板
H58 孔(スピンドル挿入孔)
59 飼物
59A 接続パイプ
59L 前端円板
59R 後端円板
H59 挿入用孔
AG 条溝(通気用条溝)
C0 コンクリート(打設コンクリート、フレッシュコンクリート)
CA コーナー部(コーナー)
PB 仕切板後端縁(後端)

Claims (14)

  1. 前面の垂直形態で、ポケットフォーマ(55)を係止する係合突起(G51)を前面(F51)に突出した支圧主板(51A)と、支圧主板(51A)から後方に、水平に引続く円筒部(51B)とを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔(H51)を備えた支圧板(51)をコンクリート型枠内に配置し、円筒部(51B)にスパイラルシース(3B)を接続すると共に、支圧主板前面(F51)中央部には、抜去用スピンドル(56)を係止して前方に突出させ、且つ、後端に嵌合溝(G55)を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ(55)を、回動による嵌合溝(G55)の係合突起(G51)への係止で配置してコンクリート打設し、打設コンクリート(C0)の硬化後に抜去用スピンドル(56)を介したポケットフォーマ(55)の回動によってポケットフォーマ(55)を抜去して、コンクリート(C0)内に埋設した支圧板(51)の支圧主板(51A)前面にコンクリート欠込み(53)を形成し、次いで、支圧板(51)の挿入用孔(H51)を介してスパイラルシース(3B)内にPC鋼材(7B)群を挿通し、支圧板(51)から突出したPC鋼材(7B)群を、1本のくさび(52)の外周の条溝(G52)群に分配嵌合してくさび(52)を支圧板(51)の挿入用孔(H51)に挿入し、PC鋼材(7B)群を緊張、定着する、プレストレストコンクリート建物の構築方法。
  2. 前面の垂直形態の支圧主板(51A)と、支圧主板(51A)から後方に、水平に引続く円筒部(51B)とを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔(H51)を備えた支圧板(51)を、外壁側型枠と床スラブ側型枠との断面L字状形枠を山形状に配置した上面開放形態のプレキャストコンクリート型枠の床スラブ側型枠内に配置し、円筒部(51B)にスパイラルシース(3B)を接続すると共に、支圧主板前面(F51)中央部には、抜去用のスピンドル(56)を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ(55)を係止配置してコンクリート打設し、打設コンクリート(C0)がフレッシュコンクリートの状態で、成形セメント板(2A)と断熱層(2B)とから成り、ポケットフォーマ(55)抜去用の円孔(H2)を備えた断熱パネル(2)を、断熱層(2B)を外壁側型枠のフレッシュコンクリートに当接一体化し、打設コンクリート(C0)の硬化後にポケットフォーマ(55)を抜去して、コンクリート(C0)内に埋設した支圧板(51)の支圧主板(51A)前面に、コンクリート欠込み(53)を形成してプレキャストコンクリート体を形成し、次いで、プレキャストコンクリート体を構築現場で立設後、支圧板(51)の挿入用孔(H51)を介してスパイラルシース(3B)内にPC鋼材(7B)群を挿通し、支圧板(51)から突出したPC鋼材(7B)群を、1本のくさび(52)の外周の条溝(G52)群に分配嵌合してくさび(52)を支圧板(51)の挿入用孔(H51)に挿入し、PC鋼材(7B)群を緊張、定着し、次いで、断熱パネル(2)の円孔(H2)を断熱パネル片(2´)で修復する、外断熱プレストレストコンクリート建物の構築方法。
  3. フレッシュコンクリート(C0)に当接した断熱パネル(2)は、円孔(H2)部では、円孔(H2)外面の当て板(58)を介して、ポケットフォーマ(55)抜去用スピンドル(56)へのハンドノブ(57)の締着で保持して、打設コンクリート(C0)の硬化を行う、請求項2の構築方法。
  4. 成形セメント板(2A)と断熱層(2B)とから成り、ポケットフォーマ(55)抜去用の円孔(H2)を備えた断熱パネル(2)を外壁の外側型枠とし、前面の垂直形態の支圧主板(51A)と、支圧主板(51A)から後方に、水平に引続く円筒部(51B)とを備え、前端から後端へと縮径貫通する挿入用孔(H51)を備えた支圧板(51)を、床スラブコンクリート型枠内に配置し、円筒部(51B)にスパイラルシース(3B)を接続すると共に、断熱パネル円孔(H2)の後面位置の支圧主板前面(F51)中央部には、抜去用スピンドル(56)を備えた裁頭円錐形態のポケットフォーマ(55)を係止配置してコンクリート打設し、打設コンクリート(C0)の硬化後にポケットフォーマ(55)を抜去して、コンクリート(C0)内に埋設した支圧板(51)の支圧主板(51A)前面にコンクリート欠込み(53)を形成し、次いで、支圧板(51)の挿入用孔(H51)を介してスパイラルシース(3B)内にPC鋼材(7B)群を挿通し、支圧板(51)から突出したPC鋼材(7B)群を、1本のくさび(52)の外周の条溝(G52)群に分配嵌合してくさび(52)を支圧板(51)の挿入用孔(H51)に挿入し、PC鋼材(7B)群を緊張、定着し、次いで、断熱パネル(2)の円孔(H2)を断熱パネル片(2´)で修復する、外断熱のプレストレストコンクリート建物の構築方法。
  5. 断熱パネル(2)は、円孔(H2)部では、円孔(H2)内に、前端円板(59L)及び後端円板(59R)を備えた飼物(59)を配置し、ポケットフォーマ(55)の前端(55L)に飼物後端円板(59R)を当接し、飼物前端円板(59L)から突出させたスピンドル前端(56L)へのハンドノブ(57)の締着で保持してコンクリート打設する、請求項4の構築方法。
  6. 断熱パネル(2)として、成形セメント板(2A)が断熱層(2B)との当接面に通気用条溝(AG)群を備えた通気性断熱パネル(2)を用い、断熱パネル(2)の円孔(H2)形成時の切取り断熱パネル片(2´)で断熱パネル円孔(H2)を修復する、請求項2乃至5のいずれか1項の構築方法。
  7. 支圧板(51)の垂直形態の支圧主板(51A)が、前面への湾曲凸面板である、請求項1乃至6のいずれか1項の構築方法。
  8. 支圧板(51)の円筒部(51B)は、基端側の大径部(51B)と後端側の小径部(51B)とを備え、スパイラルシース(3B)を小径部(51B)に嵌合被覆して接続する、請求項1乃至のいずれか1項の構築方法。
  9. ポケットフォーマ(55)の嵌合溝(G55)を、後端(55R)の内側の同一円周上に、円弧形態で配置した複数個の嵌合溝(G55)群で構成し、支圧主板前面(F51)の係合突起(G51)を、同一円周上に、円弧形態で配置した複数の係合突起(G51)群で構成した、請求項1乃至8のいずれか1項の構築方法。
  10. ポケットフォーマ(55)は、後端内面(55E)及び嵌合溝内面(55E´)に、板状ゴム材(55F)を配置して支圧主板前面(F51)に係止配置する、請求項9の構築方法。
  11. プレストレストコンクリート建物の構築方法に用いる定着具であって、支圧板(51)と、くさび(52)とから成り、支圧板(51)は、垂直形態で前面への湾曲円弧凸面方形板体の支圧主板(51A)と、支圧主板(51A)の中央部から後方に延出した円筒部(51B)とを含み、支圧主板(51A)から円筒部(51B)に亘って、裁頭円錐形で縮径して貫通する挿入用孔(H51)を備え、且つ、支圧主板(51A)が、前面(F51)の挿入用孔(H51)の外側の同一円周上に、ポケットフォーマ(55)係脱用の係合突起(G51)群を備えており、くさび(52)は、挿入用孔(H51)と整合する裁頭円錐形態であって、外周面にはPC鋼材嵌入用の条溝(G52)群を長手方向に備えている、定着具。
  12. 支圧主板(51A)は、各係合突起(G51)を、同一円周上に、円弧形態で分割配置し、突起(G51)群配置円周の外側円周上の、且つ、各係合突起(G51)間位置に、円弧形態のガイド片(51D)群を突出配置した、請求項11の定着具。
  13. 支圧板(51)の円筒部(51B)が、基端側の大径円筒部(51B)と、後端側の小径円筒部(51B)から成る、請求項11又は12の定着具。
  14. プレストレストコンクリート建物の構築方法に用いるポケットフォーマ装置であって、ポケットフォーマ(55)と、スピンドル(56)と、ハンドノブ(57)とから成り、ポケットフォーマ(55)は、裁頭円錐形態の外筒(55S)と、外筒(55S)より短い中央の円筒(55T)とを前端(55L)で揃え、円筒(55T)の全長に亘る長手方向の仕切板(55P)群で一体化し、各仕切板後端縁(PB)の中間部には突起片(55A)を形成し、外筒(55S)の後端(55R)内面には、複数の嵌合溝(G55)を、立上り片(55C)とガイド片(55D)とで、且つ入口側から停止辺(55C´)までの溝幅を漸減する形態に配置し、外筒(55S)の後端内面(55E)、及び嵌合溝(G55)内面(55E´)に、板状ゴム材(55F)を貼着したものであり、スピンドル(56)は、外周にねじ(56S)を備え、基端に方形の底板(56A)を備えたものであり、ハンドノブ(57)は、外周に滑り止め用の溝(G57)を、内周にスピンドル(56)への着脱用のねじ孔(H57)を備えたものであり、スピンドル(56)をポケットフォーマ(55)に装着してスピンドル(56)を回動することにより、スピンドル底板(56A)のコーナー部(CA)が、突起(55A)に衝突してポケットフォーマ(55)に回動を伝達する、ポケットフォーマ装置。
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