JP4256290B2 - ゴルフスウィング診断システム - Google Patents
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Description
例えば、特許第2794018号で開示された動作診断装置では、ゴルフクラブヘッドおよび被診断者の体に複数の動作ポイントを設け、スウィング動画像中の動作ポイントの座標を取得してスウィング診断を行っている。
これら装置はゴルフショップなどに設置されているのが通常であるため、ユーザはスウィング診断の結果をゆっくりと確認することができず、ユーザにとって利便性が良いとはいえない問題があった。
前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加え、
前記診断コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能とされ、弾道および打出角度を含むスウィング診断結果を有するスウィング情報を前記診断コンピュータより受信するサーバとを備え、
端末情報機器から前記通信ネットワークに接続することで前記サーバにアクセスして、前記スウィング情報を閲覧可能としていることを特徴とするゴルフスウィング診断システムを提供している。
スウィング動作を撮影した動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像を抽出したチェックポイント画像を有している。
前記ゴルフクラブで打撃されたボールの弾道および打出角度の結果を有している。
即ち、前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加えている。
前記診断項目ごとに対応して準備されたスウィング改善のための練習方法であるアドバイスドリルを複数登録したデータベースから、前記スウィング診断結果に対応して選択されるアドバイスドリルを有している。
こうすると、ゴルファーはサンプル動画像に表示された動作を真似るだけでスウィング改善の練習を行うことができ、練習方法をテキスト表示する場合等に比べて、ビジュアル的に表示されてドリルの把握が容易になり、ゴルファーはドリルに従った正しい練習方法でスウィング矯正を行いやすくなる。
打撃前に入力した問診内容を有している。
トップのスウィング姿勢が映されたトップ画像と、該トップ画像から所定時間経過した画像との間で差分処理を行って差分シルエットを取得し、該差分シルエットの面積を用いてトップ状態からの切り返し動作を診断した結果を有している。
飛球線後方から見たダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインと、アドレス画像でのシャフトラインとの角度差により切り返し動作を診断した結果を有していてもよい。
前記切り返し動作と前記リスト角度の診断結果により選定される最適なゴルフクラブのシャフトの情報を有している。
このようなことを考慮して、切り返し動作が下半身重視のボディターンか上半身重視の腕ターンかという項目と、コック動作の有無の項目とを組み合わせた判断基準により分類して最適なシャフト剛性を提示する。
ボール運動計測装置で測定されるボールの打ち出し角度および弾道高さによって選定されるゴルフクラブのヘッドのロフト角の情報を有している。
図1はゴルフスウィング診断システムの概略図を示し、ゴルフショップ等に設置される診断コンピュータ16と、データベースを有するサーバ100と、顧客となるゴルファー11の自宅等に配置されている端末情報機器であるパソコン200や携帯電話300とがインターネットNに接続可能となっている。
なお、本実施形態では、カラーCCDカメラ14、15が接続される診断コンピュータ16と、ボール運動測定装置20が接続される診断コンピュータ16を同じもので兼用しているが、処理負荷を分散するために2台の診断コンピュータ16を用意してそれぞれ別々に処理させてもよい。
まず、ゴルファー11は診断コンピュータ16のモニター17の問診画面に表示された問診内容ついてマウス19あるいはキーボード18を使って(或いはタッチパネル形式で)返答を入力する(S10)。なお、この時カラーCCDカメラ14、15はゴルファー11が存在しない状態の背景30のみを撮影した背景画像を読み込んでおくとよい。
問診内容は、氏名、性別、年齢、身長、体重、ゴルフ歴、持ち球、希望する診断内容、希望するモード、服装の各項目が用意されている。
上記希望する診断内容は、「真っ直ぐ飛ぶようにしたい」、「飛距離アップさせたい」、「特になし」と診断モードの選択項目を設けると共に、「基本からスウィングを学びたい」の分析モードの項目も設けている。なお、デフォルトは「真っ直ぐ飛ぶようにしたい」に設定している。
上記服装の診断内容は、被診断者となるゴルファー11の服装が、半袖、長袖、スウィング計測用服、スウィング撮影計測服(黒)のどれであるかの質問としている。
以上の問診結果は、診断コンピュータ16のハードディスクに初期設定ファイルとして保存しておく。
前記のようにスウィング動画像の多数の静止画像から前記チェックポイント画像を抽出することで、後工程において行われるゴルファー11の色付マークM1〜M7や輪郭処理等を用いてゴルファー11の注目点の位置座標を抽出する計算を前記チェックポイント画像についてのみ行えばよい利点がある。
(アドレス画像)
先ず、アドレス画像の抽出方法について説明する。なお、アドレス画像とは、ゴルファー11がアドレス姿勢をしている状態の静止画像である。
スウィング動画像の撮影をアドレス状態から開始した場合は、初期画像をアドレス画像とする。しかし、インパクト時の打球音やインパクトセンサをトリガ信号として取得し、その前後ある一定時間内の動画像を取得した場合には、例えば、初期画像がワッグル(アドレス前に予備動作としてヘッドを前後に揺らす動作)等を含むことで、初期画像が必ずしもアドレス画像とならない。そこで、この場合には、各フレーム(静止画像)間で差分処理を実施し、差分が最小となるフレームがゴルファー11が静止している状態と考えてアドレス画像とみなす。
二値化処理の方法としては、RGB値やYIQ値を用いてもよいが、本実施形態ではクラブ用色付マークCM1〜CM3の色を最も認識しやすい色相・彩度・明度を利用している。具体的には、フレーム上の各ピクセル毎のRGB値を取得し、
ここで、色相、彩度および明度の条件としては、例えば、黄色のクラブ用色付マークM1、M3であれば色相θ=30〜60°、彩度S≧0.5、明度V≧100という閾値を設定しており、ピンク色の色付マークM2であれば色相θ=320°〜360°または0°〜10°、彩度S=0.3〜0.6、明度V≧80という閾値を設定することにより該条件を満たすピクセルをマークと同色とみなしている。
以上のような処理を行うことで、ゴルフクラブ13のシャフト13aに付されたクラブ用色付マークCM1〜CM3を精度良く自動抽出することができる。
図5に示すように、クラブ用色付マークCM1〜CM3には、クラブ用色付マークCM1〜CM3を中心として四角形の探索範囲S1〜S3を設定する。ここで、探索範囲S1〜S3とは、クラブ用色付マークCM1〜CM3の検出処理を行う計算対象となる画像上の範囲のことを言う。探索範囲S1〜S3の概念を導入すれば、画像上の探索範囲S1〜S3外にクラブ用色付マークCM1〜CM3と色が近似している箇所があっても、クラブ用色付マークCM1〜CM3の検出処理を探索範囲S1〜S3内しか行わないため誤認識が防止できると共に、フレーム内の全ピクセルを処理対象とする場合に比べ計算時間も大幅に短縮することが可能となる。本実施形態では、探索範囲S1〜S3はクラブ用色付マークCM1〜CM3を中心としてデフォルトで縦横(yx)範囲を10×10ピクセルとしている。なお、画像上では横方向をx軸、縦方向をy軸としていると共に、画像上の右向きがx座標の正方向、下向きがy座標の正方向としている。また、前記自動追尾中の探索範囲S1〜S3の配置決定は、アドレス画像取得後の2、3枚目の画像においてはシャフト13aは殆ど動かないので、1つ前の時刻の画像で自動認識したクラブ用色付マークCM1〜CM3を中心位置として設定している。
色範囲とは、クラブ用色付マークCM1〜CM3を認識する際に、画像上の対象ピクセルの色情報がクラブ用色付マークCM1〜CM3の色(基準色情報)と同一であるとみなす誤差の許容範囲をいい、本実施形態では、上述のアドレス画像で取得されたマーク色情報のR(赤)G(緑)B(青)のそれぞれについて平均値を中心として最大最小幅の半分の数値範囲を色範囲として設定している。
まず、探索範囲S1内の差分ピクセルのRGBそれぞれについて前記色範囲内であるか否かを判定し、色範囲内であるピクセルを色付マークM1を表示するピクセルとみなし、その色抽出されたピクセル群の重心位置を取得する。もし、この色範囲を用いた方法により追尾できない場合には、色情報(色相、彩度、明度)を利用して色抽出を行い追尾してもよい。これらの処理を各色付マークM1〜M3の探索範囲S1〜S3について行う。
もし、探索範囲内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲S1内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
このように、オフセット移動と回転移動とを組み合せて探索範囲S2、S3の中心位置を決定することで、ダウンスウィングのようなシャフト13aの移動が速い場合でも、シャフト位置をかなり正確に予測することができ、探索範囲S2、S3の面積を追尾中に増加させる必要がなくなる。なお、図6に示すように、探索範囲S2、S3の面積は、20×20ピクセルとしている。
もし、探索範囲内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲S1内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
以上のようにして、アドレスからフィニッシュまでのスウィング動作におけるクラブ用色付マークCM1〜CM3の位置座標データが取得される。
(テイクバックシャフト9時画像)
テイクバックシャフト9時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近い画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。なお、ここでいう角度はシャフト13aが6時の状態を0°として時計回りを正とする。
トップ画像は、各クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も大きくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分およびy方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。
ダウンスウイングシャフト9時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近く、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出してもよい。
インパクト画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が0°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのy方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。また、インパクト画像は外部トリガー信号を用いて画像抽出を行ったり、インパクト時のヘッドとボールの打球音を利用してインパクト画像を抽出してもよい。
インパクト前画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を巻き戻して得られる画像を選択することで抽出する。
インパクト後画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を進めて得られる画像を選択することで抽出する。
フォローシャフト3時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が−90°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分が極小になり、かつ、時刻がインパクト画像より後の画像を選択することで抽出してもよい。
フィニッシュ画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も小さくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分およびy方向成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後の画像を選択することで抽出してもよい。
ここで、テイクバック左腕水平画像とは、テイクバック時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。ダウンスウィング左腕水平画像とは、ダウンスウィング時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。
以下、静止画像中の左腕を含むテンプレートを作成するためにゴルファー11の輪郭抽出を行う。
(グリップ位置)=(クラブ用色付マークCM1の位置)−α×(マーク間ベクトル)
によりグリップ位置を算出する。
ここで、αは、クラブ用色付マークCM1とクラブ用色付マークCM2との距離に対するクラブ用色付マークCM1とグリップとの実際の距離の割合を意味しており、本実施形態ではα=0.5としている。
ただし、ゴルファー11の輪郭が1番目からbnd_num番目(輪郭番号の最後)まで存在する場合において、移動平均を行うピクセルをn番目とすると、n<kである場合は、輪郭番号の最後の方であるbnd_num−(k−n)番目〜bnd_num番目のピクセルを利用して移動平均を行う。また、bnd_num−n<kである場合は、輪郭番号の最初の方である1番目〜k−(bnd_num−n)番目のピクセルを利用して移動平均を行っている。
対象となる輪郭の円弧の長さをS、角度をθとすると、曲率Cは以下の数式9で表される。
図9(A)に示すように、前記のようにして抽出された左肩22とグリップ23との間の領域において長方形のテンプレートTを設定し、該テンプレートTの長辺の長さL1は肩とグリップの間の距離の半分とし、短辺の長さL2は腕がテンプレートTの中に入る程度の長さ(本実施形態では20ピクセル)としている。
ダウンスウィング9時画像は、前記取得されたテイクバック左腕水平画像での左腕を含むテンプレートを利用して、そのテンプレートと最もマッチングするトップ画像以降の画像をダウンスウィング左腕水平画像として抽出する。
ここで、スウィング画像の順番を考慮すればトップ画像の後にダウンスウィング左腕水平画像が抽出されること分かっているので、トップ画像からテンプレートマッチング処理を開始してもよいが、それでは時間がかかったり、あるいは、トップで腕が全部見えるとは限らないので誤認識する可能性もある。
そこで、本実施形態では、先にダウンスウィングシャフト9時画像を抽出しておいて、その後、時刻を戻しながらテンプレートマッチングを行うことによりダウンスウィング左腕水平画像を抽出することとして計算時間の短縮化と誤認識の防止を図っている。
次に、テイクバックシャフト8時画像の抽出方法について説明する。なお、テイクバックシャフト8時画像とは、テイクバック時にシャフトを時計の針に見立てた場合に8時位置にある状態の静止画像である。
上述したシャフト6時画像でのゴルファー11のシルエットを抽出することで、体の幅(スタンス幅)を取得しておき、右足側端を通過する垂線とクラブ用色付マークM1が交差する時刻の画像をテイクバックシャフト8時画像として選択して抽出する。
以下、チェックポイント画像の夫々について、ゴルファー11のスウィング診断に必要な注目点の位置座標の取得を行う。
例えば、アドレス画像(正面)の右肩の抽出方法は、輪郭Rの曲率を上端(頭部)から反時計回りに調べ、曲率が極値となるピクセルを右首と認識し、図15に示すように、この右首を探索範囲Sの端部起点としてy方向に−40ピクセル、x方向に+40ピクセルの範囲を探索範囲Sを決定している。
この探索範囲S内において背景画像との差分処理を行い、探索範囲S内の差分ピクセルのRGBそれぞれについて、右肩の色付マークM4(青)あるいはM5(赤)の色範囲内であるか否かを判定し、色範囲内であるピクセルを色付マークM4あるいはM5を表示するピクセルとみなして色抽出し、その重心位置座標を取得する。
右足首26の抽出方法は、右足先25から輪郭の反時計回りに調べて、x座標が極小となるピクセルP1を抽出し、該ピクセルP1とy座標が同一である輪郭R上の別のピクセルP2を求め、ピクセルP1の座標とピクセルP2の座標との平均を右足首26の座標とする。
左足先27の抽出方法は、ピクセルP1から輪郭R上を反時計回りに調べて、x座標が極大となるピクセルを左足先27とする。
一方、初期点Iのx座標が後首Aのx座標より大きい場合には、図20に示すように、後述する肌色抽出を行ってゴルファー11の顔H1を取得後、手の肌色抽出を実施し、手の肌色領域H2の中心を手首とする。
以下、具体的にトップ画像(側面)における右膝の位置座標の抽出の手順を説明する。エッジ抽出の基本的な流れは、エッジ強度画像の作成→方向ラベリング画像の作成→非極大値抑制ラベリング画像の作成を行う。
トップ画像(側面)からSobelオペレータを利用してエッジ強度を抽出する。
ここで、Sobelオペレータとは、画像上で明るさが急激に変化しているところ(=エッジ)を取得するために、中心点の回りの明るさに重み付けをして、明るさの変化を近似的に求める手法のことであり、以下に、カラー画像のRGBそれぞれの値を利用した計算を示す。
また、ソーベル強度の方向は、Rx+Gx+Bx>0のときsign=1とし、Rx+Gx+Bx<0のときsign=−1とする。
x方向のソーベル強度Dxは
y方向のソーベル強度Dyは
よって、カラー画像のソーベル強度(エッジ強度)DDは
方向は以下の4方向に分類する。
tangent=dy/dxとした場合に(dxはx方向のソーベル強度、dyはy方向のソーベル強度である)、
tangent<−tan(3/8π)のとき「3」とラベリングして緑色で表示し、
−tan(3/8π)≦tangent<−tan(1/8π)のとき「4」とラベリングして赤色で表示し、
−tan(1/8π)≦tangent<tan(1/8π)のとき「1」とラベリングして白色で表示し、
tangent<tan(3/8π)のとき「2」とラベリングして青色で表示し、
上記以外の場合は「3」とラベリングして緑色で表示し、図22に示す方向ラベリング画像が得られる。
非極大抑制画像とは、上記取得したエッジ強度と明るさの変化方向を利用し、強度が極大になっている箇所をエッジとして抽出した画像のことである。
非極大画像を4つの方向に分類するために、
(1)横方向(x方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(白色)。
(2)斜め方向(左上・右下方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(赤色)。
(3)縦方向(y方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(緑色)
(4)斜め方向(左下・右上方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(青色)。
以上のようにして図23に示すエッジ抽出された非極大値抑制ラベリング画像を取得している。
最終的に右膝の位置座標の取得は、上述したように輪郭Rの直線ST1、ST2により取得された左膝の高さを通る水平線と、非極大値抑制ラベリング画像のラベルが「1」の部分(白色)との交点を右膝としている。
次に、1つのチェックポイント画像において注目点を複数のアルゴリズムを組み合せて抽出する一例として、テイクバック左腕水平画像(側面)における各注目点の位置座標を抽出する場合について代表して説明する。
(クラブ)
上述したように探索範囲Sを用いてクラブ用色付マークCM1〜CM3を色抽出して位置座標を取得する。抽出できなかった場合(S104)は失敗とし、抽出できた場合にはクラブ用色付マークCM1〜CM3の位置座標を記憶する(S105)。
前記S104でクラブ用色付マークCM1〜CM3が抽出できていなければ(S106)失敗とし、抽出できていた場合には、グリップに最も近いクラブ用色付マークCM1と次に近いクラブ用色付マークCM2とからマーク間ベクトルを求めてグリップ端およびグリップ中央を決定する(S106−2)。具体的には、
(グリップ端)=(クラブ用色付マークCM1の位置)−A×(マーク間ベクトル)
(グリップ中央)={(クラブ用色付マークCM1の位置)+(グリップ端)}/2
により算出する。
ここで、Aは、クラブ用色付マークCM1とクラブ用色付マークCM2との距離に対するクラブ用色付マークCM1とグリップ端との実際の距離の割合である。
上述した輪郭Rの最下点のピクセルの位置座標を地面とみなしている(S107)。
(後首)
ゴルファー11のシルエット領域から頭部が存在する領域を絞っておき、その領域において背景差分した後、色相θ=0〜30、R=20〜240、G=20〜180、B=180以下を満たすピクセルの集合領域を肌とみなす(S108)。なお、該領域を肌とみなす場合の面積の閾値は30〜1400ピクセルとしている。図28(A)(B)に示すように、この抽出された肌色領域Hのx座標が最小の顔領域の輪郭点をOとし、点Oとx座標が同一でy座標が最小の輪郭点をAとし、点Oとy座標が同一でx座標が最小の輪郭点をBとすると、直線ABの傾きと垂直で点Oを通る直線を引き、この直線と輪郭との交点を後首31と特定する(S110)。
アドレス画像(側面)で後首が取得できてない場合(S111)、或いは、曲率による抽出ができなかった場合(S113)は、ゴルファー11のシルエットの下から90%位置のy座標をもつ輪郭R上のピクセルのうちx座標が最小のピクセルを後首として抽出する(S114、S110)。
先ず、探索範囲Sを、地面とゴルファーシルエット頂点の高さの平均値(y)とシルエット重心(x)を起点としてx方向が−40〜40ピクセル、y方向が−60〜20ピクセルの範囲となるように決定し、ベルト状の色付マークM7を色抽出して(S114−2)右腰のy座標を取得する(S115、S116)。
色抽出に失敗した時は、ゴルファー11のシルエットの下から60%の高さ位置を右腰のy座標とみなす(S117)。
(左肩)
アドレス画像(側面)の右肩を取得済みの場合は(S118)、図29(A)に示すように、その右肩を起点としてx方向に+40ピクセル、y方向に±40ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、左肩の色付マークM3の色抽出を行う(S119)。色付マークM2の抽出に成功した場合には、その座標を左肩として記憶する(S120、S121)。
具体的には、首下32から時計回りに輪郭Rを調べて最初に山(極大点)が見つかれば、首下32から時計回りに30ピクセルまでの山→この山から時計回りに30ピクセルまでの谷(極小点)→この谷から時計回りに20ピクセルまでの山を左肩35としている。
一方、首下32から時計回りに輪郭Rを調べて最初に谷(極小点)が見つかった場合には、首下32から時計回りに30ピクセルまでの谷→この谷から時計回りに20ピクセルまでの山を左肩35としている。(S124、S121)
右腰が見つからなかった場合には(S125)若しくは80%〜90%で左肩が見つからない場合には、図29(D)に示すように、シルエットの下から85%の位置(L2/L1=0.85)の輪郭Rで、xが最大のピクセルを左肩37とする(S128、S121)。
後首31が抽出できている場合は(S129)、後首31を起点としてx方向に−50ピクセル、y方向に±20ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、右肩の色付マークM4の色抽出を行う(S130)。色付マークM4の抽出に成功した場合には、その座標を右肩として記憶する(S131、S132−2)。
グリップ端と左肩が抽出できていなけば(S139)失敗とし、抽出できていれば、x方向はグリップ端から左肩までの範囲で、y方向は[左肩]から[グリップ端+40ピクセル]の範囲で探索範囲Sを設定し、左肘の色付マークM1の色抽出を行う(S140)。色付マークM1の抽出に成功した場合には、その座標を左肘として記憶する(S141、S142)。色付マークM1の抽出に失敗した場合には、左肩とグリップ端の中点を左肘とみなして抽出する(S143、S142)。
グリップ中央とアドレス画像(側面)での右腰が抽出できている場合には(S144)、グリップ中央を起点としてx方向に±50ピクセル、y方向に±50ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、かつ、上述で抽出された肌色部分、シャフト付近、アドレス画像(側面)での右腰より下の領域は探索対象から除外した上で、右肘の色付マークM6の色抽出を行う(S145)。色付マークM6の抽出に成功した場合には、その座標を右肘として記憶する(S146、S147)。
左肘の抽出ができなかった場合は(S148)、シルエットの地面から−y方向の65%でx座標が最小の輪郭点を右肘とする(S151、S147)。色抽出ができなかった場合(S150)は、2回目の色抽出で用いた探索範囲の起点を右肘とする(S147)。
図26のフローチャートに戻り、右腰、後首が抽出でき、かつ、右肩を色抽出により抽出できた場合には(S152)、右肩と右腰の間で輪郭Rに直線部STが存在すれば(S153)、その直線部を角度を保ったまま後首31を通過するようにオフセット移動すれば、スパイン軸(両腰の中心と首を結ぶ線)を取得することができる(S154、S155)。
また、S152の抽出ができなかった場合には、右腰および後首が取得できていない場合(S156)は失敗とする一方、取得できている場合は、右腰y座標との交点のうちx座標が最小の輪郭点と後首の間の輪郭Rを用いて直線部を最小二乗しスパイン軸とする(S157、S158、S155)。
右腰y座標とスパイン軸が抽出できていない場合(S159)には失敗であるが、抽出できている場合は、スパイン軸上で右腰y座標と同じy座標をもつピクセルを特定することで右腰x座標を取得することができる(S160、S161)。
つまり、ゴルファー11のスウィングしたゴルフクラブ13が投光器25と受光器26との間を通過したことを検知してトリガー信号を出力し、該トリガー信号を受信したCCDカメラ21が多重シャッター22を連続開閉すると共にこの開閉と同期して各ストロボ23が順次発光し、飛行するボールBを1映像フレーム内に複数撮影する。このフレーム画像から特開2001−264016号公報と同様の方法を用いて、ボールBの振れ角(ボールの予定進行方向(ストレート)を基準としたボール弾道の左右の角度)を算出すると共にボールのサイドスピン量(回転量)を算出する。
なお、ボール落下地点(キャリー)のストレート方向からの左右ズレ距離が5yard以内である場合は特別に弾道パターンを「ストレート(ドロー)」とすることにしている。ここで「左右ズレ距離」とは、サイドスピン量と振れ角とから弾道計算を利用して計算したキャリーのの左右方向にズレた距離のことである。例えば、振れ角が右4deg、サイドスピン量が左500rpmだった場合、表2に示す分類ではプッシュフックになるところを弾道計算によりほぼ真ん中に飛んでいるのであればストレート(ドロー)と分類するようにしている。
なお、画像上では横方向をx軸、縦方向をy軸としていると共に、画像上の右向きがx座標の正方向、下向きがy座標の正方向としている。
まず、正面画像でのチェックポイント画像毎の診断項目について説明する。
表3に示すように、アドレス状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.1)ボール位置、(No.2)スタンスの広さ、(No.3)上半身のバランス(肩)、(No.4)下半身のバランス(腰)、の各診断項目を設けている。
(No.1)〜(No.4)の判定値について、(No.1)は[ボールB位置のx座標]−[左足踵のx座標]=−5〜5cm、(No.2)は[両足の幅]/[両肩の幅]=1.05〜1.80、(No.3)は[両肩の中点]−[両足踵の中点]=−6〜3cm、(No.4)は[両腰の中点(臍)]−[両足踵の中点]=−3〜3cmとしている。
テイクバックシャフト8時状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.5)グリップエンドの向き、(No.6)理想のシャフトラインとの角度、(No.7)アドレスからの右肩移動量、の各診断項目を設けている。
(No.5)〜(No.7)の判定値について、(No.5)は[シャフトラインと腰の高さラインを結ぶ直線との交点のx座標]−[アドレス時の腰の中点(臍)x座標]=−10〜10cm、(No.6)は[シャフトラインとy軸との角度]−60deg=−20〜20deg、(No.7)は[右肩のy座標]−[アドレス時の右肩のy座標]=10cm以下としている。
テイクバック左腕水平状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.8)リスト角度、の診断項目を設けている。
(No.8)の判定値は、[シャフトライン]と[左腕水平を抽出したテンプレートTの中心ライン]との間の角度=140deg以下としている。
トップ状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.9)オーバースウィング、(No.10)切り返し、(No.11)左右移動量、(No.12)右膝の位置、(No.13)上半身の反り、の診断項目を設けている。
(No.9)〜(No.11)の判定値は、(No.9)は[シャフトライン]と[y軸との間の角度]≦300deg、(No.10)は後述、(No.11)は[{臍ラインの右側輪郭点のx座標}−{右足のx座標}]が−[{アドレス時の臍ラインの右側輪郭点のx座標}−{右足側端のx座標}]よりも大きいなら「体重移動なし」とすると共に0以下なら「スウェーしすぎ」とし、(No.12)は[右膝の高さの輪郭点のx座標]−[右足側端のx座標]>0、(No.13)は臍高さの右側輪郭点から輪郭に沿って−50ピクセルの間に存在する直線部を抽出し、その傾きの平均値を90°未満としている。なお、該直線部の抽出は、上述した直線部STの抽出方法と同様であるが、直線部が抽出できなかった場合には臍高さの右側輪郭点から−50ピクセルの間の輪郭を直線補間することとする。
ダウンスウィングシャフト9時状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.14)ダウンスウィング左腕水平状態からダウンスウィングシャフト9時状態までの間でのリスト角度変化、の診断項目を設けている。
(No.14)の判定値は、左腕水平状態での[シャフトライン]と[左腕水平を抽出したテンプレートTの中心ライン]との間の角度と、シャフト9時状態での[シャフトライン]と[手首と左肩とを結ぶ直線]との間の角度との差<60degとしている。
即ち、ダウンスウィング非利き腕水平画像でのリスト角度と、ダウンスウィングシャフト9時画像でのリスト角度との差が60deg以上である場合には、コック動作有りと診断している。なお、別の方法として、ダウンスウィング左腕水平またはダウンスウィングシャフト9時でのりスト角度が所定値以上である場合にコック動作有りと診断しても良い。
インパクト状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.15)左右移動量、(No.16)上下移動量、(No.17)頭とボールの距離、(No.18)肩の回転量、(No.19)スパイン軸の傾き、(No.20)左肘の角度、の各診断項目を設けている。
(No.15)〜(No.20)の判定値について、(No.15)は[{インパクト状態の臍高さにおける左側輪郭点のx座標}−{インパクト状態の左足側端のx座標}]が0未満であればOKとすると共に[{アドレス時の左側輪郭点のx座標}−{アドレス時の臍のx座標}]よりも小さい場合には体重移動していないとする。(No.16)は[アドレス時の臍のy座標]−[インパクト時の臍のy座標]=−10〜10cm、(No.17)は[ボールのx座標]−[頭のx座標]>0、(No.18)は[アドレス状態の両肩間のx方向距離]/[トップ状態の両肩間のx方向距離]=1.1〜1.6、(No.19)は[頭と臍を結ぶ線]と[臍高さの右側輪郭点と臍を結ぶ直線]との角度>70deg、(No.20)は[左肩と左肘を結ぶ線]と[左肘とグリップ端を結ぶ直線]との角度>170degとしている。
図31(A)は、トップ画像と該トップ画像から所定時間(本実施形態では80msec)経過した画像との間でフレーム間差分処理を行って差分シルエットを取得したものである。また、図31(B)はトップ画像におけるゴルファー11のシルエットを示す。
ここで、図31(A)の左肩付近での差分シルエットの面積をAとし、左腰付近での差分シルエットの面積をBとし、下方の腕領域である差分シルエットの面積をCとし、図31(B)に示すトップ画像でのゴルファー全体のシルエット面積をDとする。
判定値(1)=B/A
判定値(2)={(A+B+C)/D}・100
判定値(3)=A+B
つまり、差分シルエットの面積をトップからの切り返し動作におけるゴルファーの体の動作量と考えて所定の判定値を設定することで、ゴルファーの切り返し動作について診断することができる。
次に、側面画像での診断項目についてチェックポイント画像毎に説明する。
表4に示すように、アドレス状態においては、側面(飛球線後方)から見た診断項目として、(No.1)母指球上に右肩が存在するか、(No.2)母指球上に右膝が存在するか、(No.3)グリップ位置、(No.4)スパインニーアングル、の各診断項目を設けている。
(No.1)〜(No.4)の判定値は、(No.1)は[右肩のx座標]−[右足母指球のx座標]=−10〜10cm、(No.2)は[右膝頭のx座標]−[右足母指球のx座標]=−3〜3cm、(No.3)は[グリップ端のx座標]−[グリップ端を通る水平線とシルエットとの交点のx座標]=10〜30cm、(No.4)は[後首と右腰を結ぶ線(スパイン軸)]と[右膝と右腰を結ぶ線]との角度=100〜130degとしている。
テイクバックシャフト8時状態においては、側面から見た診断項目として、(No.5)オリジナルシャフトライン(アドレス時のシャフトライン)との角度差、(No.6)オリジナルシャフトラインとの距離、の各診断項目を設けている。
(No.5)(No.6)の判定値は、(No.5)は[アドレス状態でのx軸に対するシャフト角度]−[シャフト8時状態でのx軸に対するシャフト角度]=−10〜10deg、(No.6)は[グリップ端からアドレス状態のシャフトラインへの距離]=−10〜10mmとしている。
テイクバック左腕水平状態においては、側面から見た診断項目として、(No.7)シャフトとボールラインとの交点、(No.8)両肘の高さの差、(No.9)シャフト位置、(No.10)肩の位置、の各診断項目を設けている。
(No.7)〜(No.10)の判定値は、(No.7)は[{シャフトラインとボールライン(ボールと左足先を結ぶ線)との交点のx座標}−(左足先のx座標)]/[{ボールのx座標}−{左足先のx座標}]=0.66〜1、(No.8)は[右肘のy座標]−[左肘のy座標]=−10〜10cmとし、(No.9)については、[手元側のクラブ用色付マークCM1のx座標]>[右足先のx座標]=「前に上げている」と判定すると共に、[クラブ用色付マークCM1のx座標]<[右足踵のx座標]=「後に引いている」と判定し、(No.10)は[右肩と左肩とを結ぶ直線]と[スパイン軸]との間の角度=80〜100degとしている。
トップ状態においては、側面から見た診断項目として、(No.11)右膝の移動距離、(No.12)左膝の移動距離、(No.13)前腕とスパイン線との平行度、(No.14)手首の位置、(No.15)シャフトラインのターゲット方向との平行度、(No.16)両肘の高さの差、(No.17)グリップの高さ、(No.18)肩と手首の距離、の各診断項目を設けている。
(No.11)〜(No.18)の判定値は、(No.11)は[アドレス状態の右膝のx座標]−[トップ状態の右膝のx座標]>−3cm、(No.12)は[アドレス状態の左膝のx座標]−[トップ状態の左膝のx座標]<20cm、(No.13)は[手首と右肘を結ぶ直線とy軸との間の角度]−[右腰と後首を結ぶ直線とy軸との間の角度]<30deg、(No.14)は[手首のx座標]−[右肩のx座標]=−15〜15cm、(No.15)は[クラブ用色付マークCM1のx座標]−[手首のx座標]=−20〜20cm、(No.16)は[左肘のy座標]−[右肘のy座標]=−10〜10cm、(No.17)は[手首と左肘を結ぶ線のx軸に対する角度]と[手首と左肩を結ぶ線のx軸に対する角度]の平均値=45〜60deg、(No.18)は[左肩のy座標]−[手首のy座標]>15cmとしている。
ダウンスウィング左腕水平状態においては、側面から見た診断項目として、(No.19)シャフトラインとオリジナルシャフトライン(アドレス時のシャフトライン)との角度差、(No.20)オリジナルシャフトラインとグリップ端との距離、の各診断項目を設けている。
(No.19)(No.20)の判定値は、(No.19)は[アドレス状態でのシャフトライン]と[ダウンスウィング左腕水平状態でのシャフトライン]との間の角度=−15〜15deg、(No.20)は[グリップ端]と[アドレス状態でのシャフトライン]との距離=0〜30cmとしている。
ダウンスウィングシャフト9時状態においては、側面から見た診断項目として、(No.21)シャフトライン上にヘッドが存在するか、の診断項目を設けている。
(No.21)の判定値は、(No.21)は[アドレス状態でのシャフトライン]と[シャフト9時状態でのヘッド]との最短距離=−10〜10cmとしている。
インパクト状態においては、側面から見た診断項目として、(No.22)オリジナルシャフトラインとの角度差、(No.23)スパインアングルの変化量、(No.24)ニーアングルの変化量、(No.25)腰の回転量、(No.26)グリップと体との距離、(No.27)背骨の前後移動、(No.28)インパクト前後のスウィング軌道、の各診断項目を設けている。
(No.22)〜(No.27)の判定値は、(No.22)は[アドレス状態でのx軸に対するシャフト角度]−[インパクト状態でのx軸に対するシャフト角度]=−5〜5deg、(No.23)は[インパクト状態におけるスパイン軸と、右腰と右膝を結ぶ直線との間の角度]−[アドレス状態におけるスパイン軸と、右腰と右膝を結ぶ直線との間の角度]=−10〜10deg、(No.24)は[インパクト状態における右膝と右腰を結ぶ直線と、右膝と右足首を結ぶ直線との間の角度]−[アドレス状態における右膝と右腰を結ぶ直線と、右膝と右足首を結ぶ直線との間の角度]=−25〜10deg、(No.25)は[インパクト状態の臍高さにおける左右輪郭点距離]/[アドレス状態の臍高さにおける左右輪郭点距離]=1.1〜1.5、(No.26)は[グリップ端のx座標]−[グリップ端を通る水平線とシルエットとの交点のx座標]=5〜15cm、(No.27)は[アドレス時のスパイン軸に対するインパクト時のスパイン軸中心との最短距離]と[インパクト時のスパイン軸に対するアドレス時のスパイン軸中心との最短距離]との平均値=−5〜5cmとしている。
(1)正面画像および側面画像上のヘッド位置の推定
まず、正面・側面画像についてクラブ用色付マークCM1〜CM3からヘッド部13bの位置座標を推定する。(なお以降は、実空間での三次元座標を大文字x、y、Zで表す一方、画像上での平面的な位置座標を小文字x、yで表すこととする。)即ち、
(ヘッド部13bのx座標)
=(マークCM2のx)+n・{(マークCM3のx)−(マークCM2のx)}
=(1−n)・(マークCM2のx)+n ・(マークCM3のx)
と、
(ヘッド部13bのy座標)
=(マークCM2のy)+ n・{(マークCM3のy)−(マークCM3のy)}
=(1−n)・(マークCM2のy)+n・(マークCM3のy)
とにより、正面画像および側面画像のそれぞれについてヘッド部13bのx−y座標を算出する。但し、nは定数で正面画像の場合に2.1、側面画像の場合に1.8を用いている。
これらヘッド位置40〜42を通過する垂直のライン43〜45を正面画像上に表示することで、インパクト前・インパクト・インパクト後の夫々におけるヘッド部13bの地面への投影点が存在する地面上のライン43〜45を認識することができたことになる。
ヘッド部13bの三次元座標を推定するにあたり、以下の項目を仮定している。
仮定1:カメラは撮影した画像の座標系のx軸(横軸)が地面に対してほぼ平行であること。
仮定2:カメラの光軸は地面に対してほぼ平行であること
仮定3:2つのカメラは光軸方向をなす角度が45°以上好ましくはほぼ90°であること。
仮定4:三次元空間上のヘッド部13bを地面に投影した位置は、2次元画像のヘッド部13b位置を含む垂直なライン上に必ず存在すること。
仮定5:上記ラインは三次元空間におけるy軸方向とz軸方向のラインが重なっている。
仮定6:奥行き方向に対して垂直な平面上の変換率は同一である。
3.1 コントロールポイントの取得
フレーム39の頂点A〜Dの4箇所をコントロールポイントA〜Dとして正面・側面画像で対応するようにxy座標データを取得する。尚、この画像を取得するのは背景画像(人が入っていない画像)であることが好ましいが、スウィング中の画像から4点A〜Dを取得しても構わない。
コントロールポイントA〜Dを利用して、正面画像の地面上に存在する直線を側面画像へ変換する行列(射影変換行列)を算出する。この際、コントロールポイント4点が同一の平面上に存在するので、仮定1〜3に示すようにカメラ設定を行うことによって連立方程式のパラメータ数は通常の11個から8個となり、対応点x、yが4組以上あれば射影変換行列を導出することができるが、本実施形態ではA〜Dの各点について正面と側面の4組存在するので行列を導出できる。詳しくは、射影変換行列をPとし、正面画像での対応点座標をx(x1,x2)、側面画像での対応点座標をy(y1,y2)、スケールファクタをsとすると数式19の行列式の関係が成り立つ。
次いで、図33で求め仮定5からなる正面画像のライン43〜45上の全ての点を射影変換行列Pを用いて数式22により変換することで、図34に示す側面画像上においてライン43’〜45’ とライン43”〜45”に分けることができる。
仮定2より、側面画像上おけるインパクト前・インパクト・インパクト後での夫々のヘッド位置46〜48を通る垂線43”〜45”と、正面画像から変換したライン43’〜45’との交点50〜52が、側面画像においてヘッド部13bを地面に投影したヘッド地面位置50〜52になる。
次に、側面画像において、画面上のフレーム39の4点A〜Dの位置座標と実空間での4点A〜Dの位置座標とを利用して上記(3)と同様の原理で射影変換行列を求める。この行列を利用して、先に取得した画面上のヘッド地面位置50〜52を実空間のヘッド地面位置に変換する。
具体的には、θ1−θ2の値が、−5deg以下ならアウトサイドイン、−5deg〜10degならストレート、10deg以上ならインサイドアウトであると診断する。
詳しくは、アドレス画像でのシャフトラインSL1(オリジナルシャフトライン)と、ダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインSL2との角度差θを算出し、図36(A)のようにθが上方向に角度を有する場合に「上半身からの始動が大きい(腕ターン)」と診断され、図36(B)のようにθが下方向に角度を有する場合には「下半身からの始動が大きすぎる(ボディターン)」と診断する。なお、理想的には2本のシャフトラインSL1、SL2が平行であると上半身と下半身の始動のバランスが良いとされる。
以上のようにして合計得点を100点としている(正面40点、側面60点)。
例えば、配点が5点の診断項目については、、最低判定値−最高判定値の差の値SAを用いて、[最低判定値−0.5×SA]、[最高判定値+0.5×SA]を中間の閾値として追加設定し、表3、4の判定値を満たさなくてもこの中間閾値を満たす場合には、配点として3点を与えるようにしてもよい。
配点の段階的な設定例としては、配点が5点の診断項目は5点or3点or0点とし、配点が3点の項目は3点or2点or0点とし、配点が2点の項目は2点or1点or0点とし、配点が1点の項目は1点or0.5点or0点と設定するとよい。
さらには、総得点の満点が100点とした場合に、例えば90点以上であればプロ級、80〜90点なら上級者、60〜80点であればアベレージゴルファー、60点未満なら初級者、というように総得点によってゴルファーのレベルも出力表示するとよい。
スウィング軌道がアウトサイドインであると診断された場合には、それに応じてスウィング軌道に関するスウィングチェックを行う(S31)。例えば、側面のインパクト画像におけるNo.23の診断を行いスパイン軸が立ち過ぎている場合や、No.24の診断を行い膝が伸びている場合には、表5に示すドリル一覧のドリル番号31の「壁におでこをあてる」ドリルについて基本効能と簡易説明などを出力して、ゴルファーに練習方法となるアドバイスドリルを提示する。
スウィング軌道がストレートである場合には、弾道に対するフェースの向きがクローズになっていると診断され(S33)、例えば、ドリル番号4の「レフトハンド」ドリルについて簡易説明などを出力して、ゴルファーに練習方法となるアドバイスドリルを提示する。
例えば、ボール運動測定装置20からボール弾道の高さを取得し、該高さが10〜30yard以内かどうかを判定する(S40)。30yard以上の場合は高弾道の所謂テンプラであると診断されるので、テンプラに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S41)。
一方、10yard以下である場合には、低弾道の所謂トップと判断されるので、トップに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S42)。
上記比が1.35以上でなくサイドスピンがスライスであると判定された場合には、ヒール打ちになっていると診断されるので、ヒッティングポイントに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S44)。
上記比が1.35以上でなくサイドスピンがフックであると判定された場合には、トウ打ちになっていると診断されるので、ヒッティングポイントに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S45)。
上記比が1.35以上であると判定された場合には、正しく打撃されていると診断されるので、更なる飛距離アップのためのスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S46)。
次に、上述したゴルフスウィング診断システムをテスター10名により実施した結果を表6に示す。
それぞれのテスターについて、打撃したボールBの振れ角、サイドスピン、ボール落下地点(キャリー)のストレート方向からの左右ズレ距離、弾道高さ、ボール速度/ヘッド速度に関するボール挙動データが取得され、そのうちサイドスピン量と振れ角とから弾道パターンを決定し、その弾道パターンについて用意された診断項目に関する診断結果と欠点克服のためのアドバイスドリルを提示していることが分かる。
この際、データベースには過去に診断コンピュータ16を使って診断したスウィング情報もゴルファー11に関連付けて時系列的に蓄積保存されている。したがって、複数のスウィング診断を異なるゴルフショップ等に設置された別々の診断コンピュータ16で行っても、一台のパソコン200あるいは携帯電話300でインターネットNを介してサーバ100にアクセスすることで一元的に閲覧できるメリットがある。
また、上記アドバイスドリルのサンプル動画像とは、トレーナが実際にドリルの内容を実行している動画像をいい、ゴルファー11はパソコン200や携帯電話300の画面に表示されたサンプル動画像の動きを視覚的に見て真似するだけで、スウィング改善の練習を行うことができる。
上記(1)の場合は、剛性の低いシャフトを提示する。
上記(2)の場合は、手元側の剛性が低いシャフトを提示する。
上記(3)の場合は、手元側の剛性が高いシャフトを提示する。
上記(4)の場合は、手元側の剛性が高く、かつ、ヘッド側から手元側に向けて徐々に剛性が高くなるようなシャフトを提示する。
なお、この際シャフトの曲げ剛性に関するEI分布をパソコン200や携帯電話300の画面上にビジュアル的に表示させると良い。
例えば、ロフト角10degのゴルフクラブを使用してボールBを打撃した際に計測されたボール速度/ヘッド速度の比が1.4以上である場合で、打ち出し角度が8deg、弾道高さが10yard、バックスピン量が1200rpmであると計測された場合は、「ロフト角はもう少し高い方がよい」という最適ロフト角情報を提示することとしている。
12 計測用服
13 ゴルフクラブ
13a シャフト
14、15 カラーCCDカメラ
16 診断コンピュータ
20 ボール運動測定装置
CM1〜CM3 クラブ用色付マーク
M1〜M7 色付マーク
S、S1〜S3 探索範囲
ST、ST1〜ST4 直線部
R 輪郭
T テンプレート
Claims (6)
- ゴルフクラブを把持してスウィングするゴルファーを撮影した画像を取り込んでスウィング姿勢あるいはシャフト角度を含む診断項目を設定し、前記診断項目に関して、前記画像上でのスウィング中に動作する注目点の位置座標より数値化されたデータと、前記診断コンピュータに予め入力されている理想値である判定値とを比較してスウィング診断を行う診断コンピュータと、
前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加え、
前記診断コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能とされ、弾道および打出角度を含むスウィング診断結果を有するスウィング情報を前記診断コンピュータより受信するサーバとを備え、
端末情報機器から前記通信ネットワークに接続することで前記サーバにアクセスして、前記スウィング情報を閲覧可能としていることを特徴とするゴルフスウィング診断システム。 - 前記サーバのデータベースには過去のスウィング情報が前記ゴルファーに関連付けて時系列的に蓄積保存される構成としている請求項1に記載のゴルフスウィング診断システム。
- 前記スウィング情報は、
スウィング動作を撮影した動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像を抽出したチェックポイント画像を有している請求項1または請求項2に記載のゴルフスウィング診断システム。 - 前記スウィング情報は、
打撃前にゴルファーが入力する問診内容を備え、かつ、
前記診断項目ごとに対応して準備されたスウィング改善のための練習方法であるアドバイスドリルを複数登録したデータベースから、前記スウィング診断結果に対応して選択されるアドバイスドリルを有し、該アドバイスドリルは、練習方法を説明するサンプル動画像を有している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴルフスウィング診断システム。 - 前記スウィング診断結果は、
トップのスウィング姿勢が映されたトップ画像と、該トップ画像から所定時間経過した画像との間で差分処理を行って差分シルエットを取得し、該差分シルエットの面積を用いてトップ状態からの切り返し動作を診断した結果、
飛球線後方から見たダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインと、アドレス画像でのシャフトラインとの角度差により切り返し動作を診断した結果、
前記切り返し動作とリスト角度の診断結果、
の少なくともいずれか一つの診断結果を有している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴルフスウィング診断システム。 - 前記スウィング診断結果は、リスト角度、あるいは前記ボール運動計測装置で測定されるボールの打出角度および弾道高さによって選定されるゴルフクラブのヘッドのロフト角に応じて、選定される最適なゴルフクラブのシャフトの情報を有している請求項5に記載のゴルフスウィング診断システム。
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