JP4256290B2 - ゴルフスウィング診断システム - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフスウィング診断システムに関し、詳しくは、ゴルフスウィングの診断結果等を顧客に通信ネットワークを介して提供するものに関する。
従来、ゴルファーの打撃時のスウィングを撮影し、打球の飛距離や軌道等の各種情報を診断コンピュータで自動的に算出してゴルファーに表示可能とする装置が各種提供されている。
例えば、特許第2794018号で開示された動作診断装置では、ゴルフクラブヘッドおよび被診断者の体に複数の動作ポイントを設け、スウィング動画像中の動作ポイントの座標を取得してスウィング診断を行っている。
これら装置はゴルフショップなどに設置されているのが通常であるため、ユーザはスウィング診断の結果をゆっくりと確認することができず、ユーザにとって利便性が良いとはいえない問題があった。
特許第2794018号
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、スウィング診断の利便性を向上させることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ゴルフクラブを把持してスウィングするゴルファーを撮影した画像を取り込んでスウィング姿勢あるいはシャフト角度を含む診断項目を設定し、前記診断項目に関して、前記画像上でのスウィング中に動作する注目点の位置座標より数値化されたデータと、前記診断コンピュータに予め入力されている理想値である判定値とを比較してスウィング診断を行う診断コンピュータと、
前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加え、
前記診断コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能とされ、弾道および打出角度を含むスウィング診断結果を有するスウィング情報を前記診断コンピュータより受信するサーバとを備え、
端末情報機器から前記通信ネットワークに接続することで前記サーバにアクセスして、前記スウィング情報を閲覧可能としていることを特徴とするゴルフスウィング診断システムを提供している。
前記構成とすると、前記診断コンピュータでゴルフスウィングの診断を受けた顧客(ゴルファー)は、自宅等から端末情報機器(パーソナルコンピュータや携帯電話等)を使って通信ネットワークに接続してサーバにアクセスすることで、診断結果を含むスウィング情報を閲覧してじっくりと自己分析することが可能となる。
前記データベースには過去のスウィング情報が前記ゴルファーに関連付けて時系列的に蓄積保存される構成としている。
前記構成とすると、同一のゴルファーが受けたスウィング診断結果をゴルファーで関連付けしてアルバム的に累積保存しているので、今回の診断結果と今までに診断を受けた結果とを対比して、スウィングが改善されているかを容易に自己分析することができ、スウィング向上の効率を上げることができる。
前記スウィング情報は、
スウィング動作を撮影した動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像を抽出したチェックポイント画像を有している。
前記構成とすると、ゴルフスウィング診断に有用な静止画像(チェックポイント画像)を端末情報機器の画面で確認することができるので、自己のスウィングフォームの欠点を視覚的に捉えるのに役立つ。
前記スウィング情報は、
前記ゴルフクラブで打撃されたボールの弾道および打出角度の結果を有している。
即ち、前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加えている。
前記構成とすると、ゴルファーは端末情報機器の画面上で、ボールの弾道結果とスウィングフォームの診断結果とをリンクして自己分析することができるので、例えば、スライス軌道のときのスウィングフォーム、あるいは、フック軌道のときのスウィングフォームというように弾道修正に効果的な分析を行うことが可能となる。
前記スウィング情報は、
前記診断項目ごとに対応して準備されたスウィング改善のための練習方法であるアドバイスドリルを複数登録したデータベースから、前記スウィング診断結果に対応して選択されるアドバイスドリルを有している。
前記構成とすると、スウィングの良し悪しを診断するだけでなく、スウィング改善のための練習方法となるアドバイスドリルを診断結果に応じてスウィング情報として、端末情報機器の画面に表示されるので、ゴルファーは自宅等で画面上のアドバイスドリルに従って練習をするだけでよく、スウィング改善の利便性が向上する。
前記アドバイスドリルは、練習方法を説明するサンプル動画像を備えていると好ましい。
こうすると、ゴルファーはサンプル動画像に表示された動作を真似るだけでスウィング改善の練習を行うことができ、練習方法をテキスト表示する場合等に比べて、ビジュアル的に表示されてドリルの把握が容易になり、ゴルファーはドリルに従った正しい練習方法でスウィング矯正を行いやすくなる。
前記スウィング情報は、
打撃前に入力した問診内容を有している。
前記構成とすると、ゴルファーが診断を受けた際に診断コンピュータに入力した氏名、性別、年齢、身長、体重、ゴルフ歴、持ち球(弾道パターンの癖)、希望する診断内容、服装などの問診内容を、ゴルファーは自宅等において改めて端末情報機器で確認しながら診断結果を自己分析することができる。
前記スウィング診断結果は、
トップのスウィング姿勢が映されたトップ画像と、該トップ画像から所定時間経過した画像との間で差分処理を行って差分シルエットを取得し、該差分シルエットの面積を用いてトップ状態からの切り返し動作を診断した結果を有している。
前記構成とすると、差分シルエットの面積をトップからの切り返し動作におけるゴルファーの体の動作量と考えることができるので、ゴルファーの切り返し動作が上半身の動作量が多いとか、あるいは下半身の動作量が多い等といった診断を行うことができる。また、前記差分シルエットをスウィング情報に含めて端末情報機器の画面に表示させるようにすれば、自己の切り返し動作をビジュアル的に認識できる。
また、前記スウィング診断結果は、
飛球線後方から見たダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインと、アドレス画像でのシャフトラインとの角度差により切り返し動作を診断した結果を有していてもよい。
前記スウィング診断結果はリスト角度を含み、前記スウィング情報は、
前記切り返し動作と前記リスト角度の診断結果により選定される最適なゴルフクラブのシャフトの情報を有している。
ヘッドスピードは、シャフトの撓み速度と手元の速度の2つが大きな要因となる。シャフトの撓み速度が最大になるのは、ヘッドの重心が最下点になるときであるが、スイングによってシャフト変形方向が異なるので、ヘッド重心がインパクトで最下点になるのもシャフトにより異なることとなるため、スイングパターンによって最適なシャフトが異なることとなる。また、手元速度は、ゴルファーのスイングパターンに依存し、インパクト前に手元速度が急激に低下する場合や、逆に急激に上昇する場合がある。手元速度が低下する場合、ヘッドスピードのピークで打つためには柔らかいシャフトが最適シャフトとなる。一方、手元速度が上昇する場合、ヘッドスピードのピークで打つためには硬いシャフトが最適シャフトとなる。
このようなことを考慮して、切り返し動作が下半身重視のボディターンか上半身重視の腕ターンかという項目と、コック動作の有無の項目とを組み合わせた判断基準により分類して最適なシャフト剛性を提示する。
前記スウィング情報は、
ボール運動計測装置で測定されるボールの打ち出し角度および弾道高さによって選定されるゴルフクラブのヘッドのロフト角の情報を有している。
つまり、実際に計測された打ち出し角度および弾道高さが標準より低いと判断された場合には大きいロフト角を推奨し、逆に、打ち出し角度および弾道高さが標準より高いと判断された場合には小さいロフト角を推奨するとよい。
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、前記診断コンピュータでゴルフスウィングの診断を受けたゴルファーは、自宅等から端末情報機器を使って通信ネットワークに接続してサーバにアクセスすることで、診断結果を含むスウィング情報を閲覧してじっくりと自己分析することが可能となる。その際、同一のゴルファーが受けたスウィング診断結果をゴルファーに関連付けして累積保存することで、今回の診断結果と今までに診断を受けた結果とを対比してスウィングが改善を図ることが可能となる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1はゴルフスウィング診断システムの概略図を示し、ゴルフショップ等に設置される診断コンピュータ16と、データベースを有するサーバ100と、顧客となるゴルファー11の自宅等に配置されている端末情報機器であるパソコン200や携帯電話300とがインターネットNに接続可能となっている。
ゴルフショップ等においては、図2に示すように、診断コンピュータ16と、該診断コンピュータ16に接続された表示手段であるモニター17と、診断コンピュータ16に接続された入力手段であるキーボード18およびマウス19と、診断コンピュータ16に接続されゴルファー11の正面位置および飛球線後方(側面)位置に設置されたカラーCCDカメラ14、15と、ボール運動測定装置20とが備えられており、また、ゴルファー11およびボールBを包囲する位置に四角枠状のフレーム39を地面に設置している。
なお、本実施形態では、カラーCCDカメラ14、15が接続される診断コンピュータ16と、ボール運動測定装置20が接続される診断コンピュータ16を同じもので兼用しているが、処理負荷を分散するために2台の診断コンピュータ16を用意してそれぞれ別々に処理させてもよい。
ボール運動測定装置20は、特開2001−264016号公報に開示されたもので、連続開閉可能な多重シャッター22を含む1台のCCDカメラ21に4つのストロボ23を設け、打撃速度測定用センサー24と共に診断コンピュータ16に接続している。打撃速度測定用センサー24は、一対の投光器25および受光器26とから構成され、投光器25は赤外線を放射する2箇所の投光部25a、25bを設ける一方、受光器26は赤外線を検知する2箇所の受光部26a、26bを設けている。
被診断者となるゴルファー11(右利きとする)は、注目点に色付マークM1〜M7が付された上着である計測用服12を私服の上から着用している。計測用服12は白地からなり、左肘には黄色の色付マークM1、左肩には赤色の色付マークM2および青色の色付マークM3、左肩には青色の色付マークM4および赤色の色付マークM5、右肘には青色の色付マークM6、腰にはの赤色の色付マークM7を備えている。なお、左肘の色付マークM1は腕章状とし、腰の色付マークM7はベルト状とし、その他の色付マークM2〜M6はボタン状(球状)としている。ここで、注目点とは、ゴルファー11の頭、首、肩、肘、腰、膝、足首、手首あるいは/および足先等の関節を含むものであるが、注目点はゴルファーの体の部分に限定されず、ゴルフクラブシャフトに取り付けたクラブ用色付マークやボール等のようにスウィング診断に有用と思われる箇所全般を含む。
ゴルファー11の把持するゴルフクラブ13のシャフト13aには間隔をあけて3つのクラブ用色付マークCM1、CM2、CM3が取り付けられている。クラブ用色付マークCM1〜CM3は、グリップ側からヘッド側にかけて等間隔に取り付けており、グリップに最も近いクラブ用色付マークCM1は黄色とし、真ん中に配置されたクラブ用色付マークCM2はピンク色とし、ヘッド13b側に配置されたクラブ用色付マークM3は黄色として隣り合うマークが異なる色となるようにしている。本実施形態では、各クラブ用色付マークCM1〜CM3の間の距離は250mmとすると共に、グリップ端とクラブ用色付マークCM1との距離は250mmとする。
2つのカラーCCDカメラ14、15は診断コンピュータ16で撮影タイミングを同期させており、高速度デジタルCCDカメラを用いる場合には、1秒間あたりのコマ数が30コマ以上で、好ましくは60コマ以上、シャッタースピードは1/500s、好ましくは1/1000s以下とする。
スウィングを撮影する空間(縦3×横3×高さ2m)の明るさはできるだけ明るい空間であることが好ましいが、極端に明るい箇所が生じるとハレーションが生じる可能性があるので、3000ルクスを超えない範囲内で均一の明るさをスウィング環境として設定することが好ましい。また、スウィングを撮影する空間の背景20は、ゴルファー11や色付マークM1〜M7やクラブ用色付マークCM1〜CM3を抽出しやすいように、極力、異なる色とすることが好ましい。
診断コンピュータ16は、カラーCCDカメラ14、15とLANケーブルやIEEE1394やCameraLink規格等を用いてオンライン接続されており、カラーCCDカメラ14、15で撮影されたスウィング動画像(複数の静止画像)を診断コンピュータ16のハードディスクや診断コンピュータ16上のメモリやボード上のメモリに保存している。また、診断コンピュータ16には、後述するように、静止画像の各ピクセルについて色情報に関する特定の閾値で二値化処理を行って閾値を満たすピクセルをクラブ用色付マークCM1〜CM3の位置として座標データを取得する手段と、クラブ用色付マークCM1〜CM3の座標データを基にしてシャフト13aの動きを認識する手段と、ゴルファーの腕の動きを認識する手段と、シャフト13aの動作データに基づいてスウィング計測に必要な静止画像を選択的に抽出する手段と、ボール運動測定装置20から取得された情報よりボール挙動を算出する手段とを備えたプログラムを内蔵している。
次に、図3のフローチャートに従ってゴルファー11のスウィング診断を行う。
まず、ゴルファー11は診断コンピュータ16のモニター17の問診画面に表示された問診内容ついてマウス19あるいはキーボード18を使って(或いはタッチパネル形式で)返答を入力する(S10)。なお、この時カラーCCDカメラ14、15はゴルファー11が存在しない状態の背景30のみを撮影した背景画像を読み込んでおくとよい。
問診内容は、氏名、性別、年齢、身長、体重、ゴルフ歴、持ち球、希望する診断内容、希望するモード、服装の各項目が用意されている。
上記持ち球の問診は、図29に示すように、スライス系、フック系、ストレート系、特になし等の自己の弾道パターン(A〜I)の癖に対する質問としている。なお、デフォルトは「特になし」としている。
上記希望する診断内容は、「真っ直ぐ飛ぶようにしたい」、「飛距離アップさせたい」、「特になし」と診断モードの選択項目を設けると共に、「基本からスウィングを学びたい」の分析モードの項目も設けている。なお、デフォルトは「真っ直ぐ飛ぶようにしたい」に設定している。
上記服装の診断内容は、被診断者となるゴルファー11の服装が、半袖、長袖、スウィング計測用服、スウィング撮影計測服(黒)のどれであるかの質問としている。
以上の問診結果は、診断コンピュータ16のハードディスクに初期設定ファイルとして保存しておく。
次いで、ゴルファー11は試打を行い、カラーCCDカメラ14、15からスウィング動画像の各コマ毎の静止画像を診断コンピュータ16に取り込んでハードディスクあるいは診断コンピュータ16内のメモリあるいはボード上のメモリに保存すると共に(S12)、ボール運動測定装置20により打撃されたボールBの運動を計測する(S15)。この際、例えば5球試打後にボール運動測定装置20により取得された実際のボール挙動から得られた弾道パターンが問診で入力された弾道パターンと合致もしくは類似したときは以下に説明する診断を実行する。あるいは、合致・類似に関係なく、診断したい画像を選択しても良い。
次に、スウィング動画像を構成する多数の静止画像からスウィング診断に有用となるスウィング姿勢であるアドレス画像、テイクバックシャフト8時画像、テイクバックシャフト9時画像、テイクバック左腕水平画像、トップ画像、切り返し画像、ダウンスウィング左腕水平画像、ダウンスウィングシャフト9時画像、インパクト前画像、インパクト画像、インパクト後画像、フォローシャフト3時画像、フィニッシュ画像の各チェックポイント画像を自動抽出する(S13)。
前記のようにスウィング動画像の多数の静止画像から前記チェックポイント画像を抽出することで、後工程において行われるゴルファー11の色付マークM1〜M7や輪郭処理等を用いてゴルファー11の注目点の位置座標を抽出する計算を前記チェックポイント画像についてのみ行えばよい利点がある。
以下、各チェックポイント画像の自動抽出方法について分説する。
(アドレス画像)
先ず、アドレス画像の抽出方法について説明する。なお、アドレス画像とは、ゴルファー11がアドレス姿勢をしている状態の静止画像である。
スウィング動画像の撮影をアドレス状態から開始した場合は、初期画像をアドレス画像とする。しかし、インパクト時の打球音やインパクトセンサをトリガ信号として取得し、その前後ある一定時間内の動画像を取得した場合には、例えば、初期画像がワッグル(アドレス前に予備動作としてヘッドを前後に揺らす動作)等を含むことで、初期画像が必ずしもアドレス画像とならない。そこで、この場合には、各フレーム(静止画像)間で差分処理を実施し、差分が最小となるフレームがゴルファー11が静止している状態と考えてアドレス画像とみなす。
次に、テイクバックシャフト9時画像、トップ画像、ダウンスウィングシャフト9時画像、インパクト前画像、インパクト画像、インパクト後画像、フォローシャフト3時画像、フィニッシュ画像の抽出方法について説明する。
ここで、テイクバックシャフト9時画像とは、テイクバック時にシャフトを時計の針に見立てた場合に9時位置にある状態の静止画像である。トップ画像とは、テイクバックからダウンスウィングに移行するトップポジションの状態の静止画像である。ダウンスウィングシャフト9時画像とは、ダウンスウィング時にシャフトを時計の針に見立てた場合に9時位置にある状態の静止画像である。インパクト前画像とは、インパクト直前の状態の静止画像である。インパクト画像とは、ゴルフクラブのヘッドがボールと衝突した瞬間の静止画像である。インパクト後画像とは、インパクト直後の状態の静止画像である。フォローシャフト3時画像とは、フォロースルー時にシャフトを時計の針に見立てた場合に3時位置にある状態の静止画像である。フィニッシュ画像とは、スウィングが終了しゴルフクラブの動きが停止した状態の静止画像である。
これらチェックポイント画像は、基本的には各フレームにおけるクラブ用色付マークCM1〜CM3の座標を追跡することで判定されるので、先ず、クラブ用色付マークCM1〜CM3の自動追尾方法について説明する。
アドレス画像においてクラブ用色付マークCM1〜CM3を自動認識するための二値化処理を行う。なお、二値化処理の対象は本実施形態ではフレーム全体としているが、ゴルファー11が画像中心付近に撮影されるように限定しておいた場合には、図4に示すように、ゴルフシャフト13aが存在すると考えられる領域Sのみで二値化処理してもよい。なお、領域Sの設定は具体的には、画像の幅をW、高さをHとすると、1/3W〜2/3Wの範囲を領域Sの幅とすると共に、1/2H〜4/5Hの範囲を領域Sの高さとしている。
二値化処理の方法としては、RGB値やYIQ値を用いてもよいが、本実施形態ではクラブ用色付マークCM1〜CM3の色を最も認識しやすい色相・彩度・明度を利用している。具体的には、フレーム上の各ピクセル毎のRGB値を取得し、
前記の数式1により求められる刺激和Tを用いて以下の数式2の正規化を行う。
なお、RGB値は色が24ビットで表現される場合は各色は0〜255までの値となるものである。
色相θは、以下の数式3および数式4で算出される。
但し、0≦θ1≦πを用いて、
とする。
彩度Sは、以下の数式5で算出される。
明度Vは、以下の数式6で算出される。
前記数式3〜6で算出されたピクセルの色相、彩度および明度の値(ピクセル色情報)が所定の条件(基準色情報)を満たさないピクセルは0とし、該条件を満たすピクセルは色付マークM1〜M3と同一の色であるとみなして1とする二値化処理を行い、1のピクセルを順にラベリング処理する。
ここで、色相、彩度および明度の条件としては、例えば、黄色のクラブ用色付マークM1、M3であれば色相θ=30〜60°、彩度S≧0.5、明度V≧100という閾値を設定しており、ピンク色の色付マークM2であれば色相θ=320°〜360°または0°〜10°、彩度S=0.3〜0.6、明度V≧80という閾値を設定することにより該条件を満たすピクセルをマークと同色とみなしている。
ここで、例えばピンク色のクラブ用色付マークCM2は現実には1つしかないが、画像中に関係のないピンク色が存在した場合には2つ以上の領域が抽出される恐れがある。そのような場合を考慮して、予めマークの面積範囲を設定しておき、その設定範囲外の面積を有する領域はクラブ用色付マークCM2ではないと判断し、設定範囲内の面積を有する領域をクラブ用色付マークCM2であると認識する。本実施形態ではクラブ用色付マークCM1〜CM3として認識する面積範囲は5〜60若しくは5〜200ピクセルとしている。
前記のようにしてクラブ用色付マークCM1〜CM3と認識したピクセルを各マークCM1〜CM3のラベリングにより1、2、3とした場合、各数字のピクセルからマーク色情報と重心座標を得る。ここで、マーク色情報とは、領域内の各ピクセルの平均色と、各ピクセルのRGBの最大値・最小値と、その変動幅を含む情報のことである。
以上のような処理を行うことで、ゴルフクラブ13のシャフト13aに付されたクラブ用色付マークCM1〜CM3を精度良く自動抽出することができる。
次に、アドレス画像で自動抽出されたクラブ用色付マークCM1〜CM3をアドレス画像取得後の2、3枚目の画像について自動追尾する処理を行う。
図5に示すように、クラブ用色付マークCM1〜CM3には、クラブ用色付マークCM1〜CM3を中心として四角形の探索範囲S1〜S3を設定する。ここで、探索範囲S1〜S3とは、クラブ用色付マークCM1〜CM3の検出処理を行う計算対象となる画像上の範囲のことを言う。探索範囲S1〜S3の概念を導入すれば、画像上の探索範囲S1〜S3外にクラブ用色付マークCM1〜CM3と色が近似している箇所があっても、クラブ用色付マークCM1〜CM3の検出処理を探索範囲S1〜S3内しか行わないため誤認識が防止できると共に、フレーム内の全ピクセルを処理対象とする場合に比べ計算時間も大幅に短縮することが可能となる。本実施形態では、探索範囲S1〜S3はクラブ用色付マークCM1〜CM3を中心としてデフォルトで縦横(yx)範囲を10×10ピクセルとしている。なお、画像上では横方向をx軸、縦方向をy軸としていると共に、画像上の右向きがx座標の正方向、下向きがy座標の正方向としている。また、前記自動追尾中の探索範囲S1〜S3の配置決定は、アドレス画像取得後の2、3枚目の画像においてはシャフト13aは殆ど動かないので、1つ前の時刻の画像で自動認識したクラブ用色付マークCM1〜CM3を中心位置として設定している。
次いで、色範囲を設定する。
色範囲とは、クラブ用色付マークCM1〜CM3を認識する際に、画像上の対象ピクセルの色情報がクラブ用色付マークCM1〜CM3の色(基準色情報)と同一であるとみなす誤差の許容範囲をいい、本実施形態では、上述のアドレス画像で取得されたマーク色情報のR(赤)G(緑)B(青)のそれぞれについて平均値を中心として最大最小幅の半分の数値範囲を色範囲として設定している。
以下の自動追尾処理は、スウィング中の移動速度の遅いグリップ近くに配されたクラブ用色付マークCM1から順にCM2、CM3と追尾していくこととする。
まず、探索範囲S1内の差分ピクセルのRGBそれぞれについて前記色範囲内であるか否かを判定し、色範囲内であるピクセルを色付マークM1を表示するピクセルとみなし、その色抽出されたピクセル群の重心位置を取得する。もし、この色範囲を用いた方法により追尾できない場合には、色情報(色相、彩度、明度)を利用して色抽出を行い追尾してもよい。これらの処理を各色付マークM1〜M3の探索範囲S1〜S3について行う。
もし、探索範囲内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲S1内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
次に、アドレス画像から4枚目以降のフレームにおける色付マークCM1〜CM3の探索範囲S1〜S3の中心位置の設定方法について説明する。先ず、最もグリップに近いクラブ用色付マークCM1の場合については、例えば、4枚目のフレームに関しては、1枚目(アドレス)−2枚目間の移動ベクトル量V1と、2枚目−3枚目間の移動ベクトル量V2とを求めて、その増加量(V2−V1)を考慮して3枚目−4枚目間の移動ベクトル量{V2+(V2−V1)}を予測する。1つ前の時刻の探索範囲S1中心位置からその移動ベクトル量{V2+(V2−V1)}だけオフセット移動させた位置を現画像(4枚目)の探索範囲S2の中心として設定している。(5枚目以降のフレームについても同様の手順)
クラブ用色付マークCM2、CM3の探索範囲S2、S3の中心位置については、例えば4枚目のフレームに関しては、前記で位置が決定したクラブ用色付マークCM1を利用して求めた移動ベクトル量{V2+(V2−V1)}だけ1つ前の時刻の探索範囲S2、S3中心位置からオフセットさせると共に、1枚目−2枚目間のシャフト角度D1と、2枚目−3枚目間のシャフト角度D2とを求めて、その増加量(D2−D1)を考慮して3枚目−4枚目間のシャフト角度{D2+(D2−D1)}を予測し、4枚目のフレームの色付マークM1を回転支点として角度{D2+(D2−D1)}だけ回転させる。(5枚目以降のフレームについても同様の手順)
このように、オフセット移動と回転移動とを組み合せて探索範囲S2、S3の中心位置を決定することで、ダウンスウィングのようなシャフト13aの移動が速い場合でも、シャフト位置をかなり正確に予測することができ、探索範囲S2、S3の面積を追尾中に増加させる必要がなくなる。なお、図6に示すように、探索範囲S2、S3の面積は、20×20ピクセルとしている。
もし、探索範囲内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲S1内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
前記方法によってもクラブ用色付マークCM1〜CM3を追尾できなかった場合は、アドレス画像でクラブ用色付マークCM1〜CM3を自動抽出した方法と同様にして再二値化処理を実施する。即ち、アドレス画像で決定した色範囲でクラブ用色付マークCM1〜CM3が発見できない主な理由は、アドレス画像に比べて暗い領域に存在するクラブ用色付マークCM1〜CM3を追尾しようとすることが考えられるため、クラブ用色付マークCM1〜CM3の彩度と明度の閾値を小さくする変更をして二値化処理を再実施することとする。
これでも追尾できなかった場合には、3つのクラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つのマークが認識できている場合は該2つのマークに対する位置関係から残りの1つのマークを位置を算出することとする。あるいは、前記方法によってオフセットした探索範囲の中心を現在の時刻のマーク位置と仮にみなしてもよい。
以上のようにして、アドレスからフィニッシュまでのスウィング動作におけるクラブ用色付マークCM1〜CM3の位置座標データが取得される。
次に、前記取得されたスウィング中のクラブ用色付マークCM1〜CM3の座標データに基づいて各チェックポイント画像を抽出する。
(テイクバックシャフト9時画像)
テイクバックシャフト9時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近い画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。なお、ここでいう角度はシャフト13aが6時の状態を0°として時計回りを正とする。
(トップ画像)
トップ画像は、各クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も大きくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分およびy方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。
(ダウンスウィングシャフト9時画像)
ダウンスウイングシャフト9時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近く、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出してもよい。
(インパクト画像)
インパクト画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が0°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのy方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。また、インパクト画像は外部トリガー信号を用いて画像抽出を行ったり、インパクト時のヘッドとボールの打球音を利用してインパクト画像を抽出してもよい。
(インパクト前画像)
インパクト前画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を巻き戻して得られる画像を選択することで抽出する。
(インパクト後画像)
インパクト後画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を進めて得られる画像を選択することで抽出する。
(フォローシャフト3時画像)
フォローシャフト3時画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が−90°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分が極小になり、かつ、時刻がインパクト画像より後の画像を選択することで抽出してもよい。
(フィニッシュ画像)
フィニッシュ画像は、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も小さくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、クラブ用色付マークCM1〜CM3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのx方向成分およびy方向成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後の画像を選択することで抽出してもよい。
次に、テイクバック左腕水平画像、ダウンスウィング左腕水平画像の抽出方法について説明する。
ここで、テイクバック左腕水平画像とは、テイクバック時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。ダウンスウィング左腕水平画像とは、ダウンスウィング時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。
左腕が水平である画像を認識するためには、左腕を含む画像領域であるテンプレートを作成し、テンプレートマッチング処理によりマッチしたテンプレート角度が水平となる画像を左腕水平とする。
以下、静止画像中の左腕を含むテンプレートを作成するためにゴルファー11の輪郭抽出を行う。
先ず、クラブ用色付マークCM1〜CM3の座標から取得されるシャフト角度によりシャフト13aが6時状態となる画像を抽出する。グリップに最も近いクラブ用色付マークCM1と次に近いクラブ用色付マークCM2とからマーク間ベクトルを求めてグリップ位置を決定する。具体的には、
(グリップ位置)=(クラブ用色付マークCM1の位置)−α×(マーク間ベクトル)
によりグリップ位置を算出する。
ここで、αは、クラブ用色付マークCM1とクラブ用色付マークCM2との距離に対するクラブ用色付マークCM1とグリップとの実際の距離の割合を意味しており、本実施形態ではα=0.5としている。
次に、シャフト6時画像を背景画像(ゴルファー11が写っていない画像)で背景差分処理を行ってゴルファー11のシルエットを抽出する。詳しくは、背景画像でのRGB値をそれぞれr’、g’、b’とし、シャフト6時画像上のピクセルのRGB値をそれぞれr、g、bとすると、数式7に示すノルム(対象ピクセルでのr、g、bとr’、g’、b’との差の絶対値の2乗和の平方根)が予め設定した閾値未満であればゴルファー11のシルエットでないとみなして当該ピクセルを0とし、該閾値以上であればゴルファー11のシルエットであるとみなして1とする二値化処理を行い、1のピクセルについて順にラベリング処理を行う。なお、本実施形態でのノルムの閾値は40としている。また、色相、彩度、明度を用いて背景差分処理を行ってもよく、その場合、シルエットであるとみなしたラベリング領域のうち、5000以上もしくは10000以上の1つ或いは2つの領域をシルエットとする。
図7(A)に示すように、この二値化画像について走査処理を行って、1あるいは2のピクセルに当たったところから輪郭抽出を行う。この輪郭抽出の方法は、上記ラベリングした画像についてフレームの左上のピクセルを始点として右方向へと上から下へ走査処理を行い、1あるいは2のピクセルを探して輪郭抽出を行う。詳しくは、走査処理により初めに(4,7)のピクセルが見つかり、図6(B)に示すように、このピクセルの直前のピクセルを除いた回りの7つのピクセルを左上のピクセルから時計回りに調べ、最初に(4,7)で見つけたピクセル(1あるいは2)と同じラベルのピクセルを次の境界点とする。この処理を順々に行い、境界点が(4,7)に戻ってきた時点で輪郭抽出を終了する。この抽出された輪郭のままではノイズが残っているので、移動平均処理を輪郭全体に循環して行うことによってスムージングをかけておく。
なお、移動平均処理は以下の数式8で行われる。
ここで、bnd_pt(n)はn番目の輪郭の座標で、kは計算に利用する前後のピクセル数で、bnd_pt_ido(n)は移動平均後の輪郭の座標である。
ただし、ゴルファー11の輪郭が1番目からbnd_num番目(輪郭番号の最後)まで存在する場合において、移動平均を行うピクセルをn番目とすると、n<kである場合は、輪郭番号の最後の方であるbnd_num−(k−n)番目〜bnd_num番目のピクセルを利用して移動平均を行う。また、bnd_num−n<kである場合は、輪郭番号の最初の方である1番目〜k−(bnd_num−n)番目のピクセルを利用して移動平均を行っている。
次いで、スムージング後の輪郭データから曲率を計算してゴルファー11の左肩位置を取得する。つまり、図8に示すような輪郭データを含む画像の上から走査して初めに現れる輪郭21の大きな曲率部分を頭とし、次に現れる小さな曲率部分を首とし、その次に現れる大きな曲率部分を肩と認識する。ここで、服のしわ等を考慮して、前後±5のピクセルでそれぞれ曲率を計算してその平均値をそれらの中心のピクセルの曲率とするとよい。
以下、輪郭の曲率の計算方法について説明する。
対象となる輪郭の円弧の長さをS、角度をθとすると、曲率Cは以下の数式9で表される。
この数式9は、曲率を求めたいピクセルと該ピクセルの隣接点だけで計算すると、値の変動が大きく正しい値が得られないので、曲率を求めたいピクセルの両側k個の点列を含めて以下の数式10により計算する方法が用いられる。
なお、数式10は、数式9におけるSを省略して簡素化している。本実施形態では、さらに簡単のため、図10に示すように、点列の両端を用いて以下の数式11で曲率Cを算出している。
(テイクバック左腕水平画像)
図9(A)に示すように、前記のようにして抽出された左肩22とグリップ23との間の領域において長方形のテンプレートTを設定し、該テンプレートTの長辺の長さL1は肩とグリップの間の距離の半分とし、短辺の長さL2は腕がテンプレートTの中に入る程度の長さ(本実施形態では20ピクセル)としている。
次の時刻の画像を読み込んでグリップ位置を取得し、グリップ位置の移動ベクトルと同じように前フレームのテンプレートTを平行移動させる。次いで、図9(B)に示すように、テンプレートTをグリップ位置を支点として時計回りに10°まで1°刻みで回転させて最もマッチングしたテンプレートの角度を計算し、テンプレート角度が90°(水平)に最も近い画像をテイクバック左腕水平画像であるとみなして抽出する。さらに、テンプレートの回転に並進を加えてマッチング処理を行ってもよい。
なお、前記テンプレートマッチング処理は、テンプレートT内のピクセルの色情報であるRGB値を以下の数式12により輝度Yに変換して評価する。(なお、輝度Yで評価してもよいが、RGBのノルム(数式7を参照)を用いても構わない。)
前記評価は、以下の数式13で表される画素値の差の絶対値の和(Sum of Absolute Difference:SAD)が用いられる。
ここで、tは現在のフレーム、t−1は1コマ前のフレーム、(p,q)は平行移動を行う範囲、(i0,j0)はグリップ位置、mはテンプレートTの長辺のピクセル数、nはテンプレートTの短辺のピクセル数、θはテンプレートTの回転角度、αは1コマ前に求めたテンプレート角度、gt(x,y,θ)は座標(x,y)でテンプレート角度がθにおけるピクセルの輝度Y(あるいはRGBのノムル)を表す関数である。
テンプレートTの位置・角度(p,q,θ)を前記条件のもと変化させてS(p,q,θ)を計算し、この値が最小となる位置・角度で最もマッチングしたとみなすこととしている。このマッチングした際の(p,q,θ)のθ値が90°に最も近くなる画像をテイクバック左腕水平画像として抽出する。
(ダウンスウィング左腕水平画像)
ダウンスウィング9時画像は、前記取得されたテイクバック左腕水平画像での左腕を含むテンプレートを利用して、そのテンプレートと最もマッチングするトップ画像以降の画像をダウンスウィング左腕水平画像として抽出する。
ここで、スウィング画像の順番を考慮すればトップ画像の後にダウンスウィング左腕水平画像が抽出されること分かっているので、トップ画像からテンプレートマッチング処理を開始してもよいが、それでは時間がかかったり、あるいは、トップで腕が全部見えるとは限らないので誤認識する可能性もある。
そこで、本実施形態では、先にダウンスウィングシャフト9時画像を抽出しておいて、その後、時刻を戻しながらテンプレートマッチングを行うことによりダウンスウィング左腕水平画像を抽出することとして計算時間の短縮化と誤認識の防止を図っている。
(テイクバックシャフト8時画像)
次に、テイクバックシャフト8時画像の抽出方法について説明する。なお、テイクバックシャフト8時画像とは、テイクバック時にシャフトを時計の針に見立てた場合に8時位置にある状態の静止画像である。
上述したシャフト6時画像でのゴルファー11のシルエットを抽出することで、体の幅(スタンス幅)を取得しておき、右足側端を通過する垂線とクラブ用色付マークM1が交差する時刻の画像をテイクバックシャフト8時画像として選択して抽出する。
以上のようにして図11に示すような正面のチェックポイント画像(アドレス画像、テイクバックシャフト8時画像、テイクバックシャフト9時画像、テイクバック左腕水平画像、トップ画像、ダウンスウィング左腕水平画像、ダウンスウィングシャフト9時画像、インパクト前画像、インパクト画像、インパクト後画像、フォローシャフト3時画像、フィニッシュ画像)を抽出することができ、かつ、カラーCCDカメラ14、15は互いに撮影タイミングを同期させているので、正面のチェックポイント画像と同時刻のものを選らぶことで、図12に示すような飛球線後方(側面)のチェックポイント画像を抽出することができる。
以下、チェックポイント画像の夫々について、ゴルファー11のスウィング診断に必要な注目点の位置座標の取得を行う。
各チェックポイント画像についてシルエット抽出を行い、図13に示すようにゴルファー11の輪郭Rを抽出する。この輪郭Rについて曲率を取得すると共に、図14に示すように輪郭Rにおける直線部STの取得を行う。なお、シルエット・輪郭・曲率の取得方法は上述した通りである。また、直線部STの抽出は、取得された輪郭Rのうち曲率が−10°〜10°の範囲内のピクセルが5ピクセル以上連続している箇所を直線部STとしている。
次に、探索範囲Sを用いてゴルファー11が着用している計測用服12の色付マークM1〜M7の座標位置を認識することにより、ゴルファー11の注目点の位置座標を取得する。
例えば、アドレス画像(正面)の右肩の抽出方法は、輪郭Rの曲率を上端(頭部)から反時計回りに調べ、曲率が極値となるピクセルを右首と認識し、図15に示すように、この右首を探索範囲Sの端部起点としてy方向に−40ピクセル、x方向に+40ピクセルの範囲を探索範囲Sを決定している。
この探索範囲S内において背景画像との差分処理を行い、探索範囲S内の差分ピクセルのRGBそれぞれについて、右肩の色付マークM4(青)あるいはM5(赤)の色範囲内であるか否かを判定し、色範囲内であるピクセルを色付マークM4あるいはM5を表示するピクセルとみなして色抽出し、その重心位置座標を取得する。
この際、各色付マークM1〜M7の色範囲は表1のような条件としており、該条件を満たすピクセルを色付マークM1〜M7と同色とみなしている。
なお、予めマークの面積範囲を設定しておき、その設定範囲外の面積を有する領域は色付マークM1〜M7ではないと判断し、設定範囲内の面積を有する領域を色付マークM1〜M7であると認識するようにして認識精度を向上させている。本実施形態では色付マークM1〜M7として認識する面積範囲は5〜60ピクセルとしている。
次に、色付マークM1〜M7が隠れたり、影になったりすることで前記探索範囲Sを用いた色付マークM1〜M7の認識が失敗した場合、あるいは、色付マークM1〜M7の存在しない注目点を認識したい場合等には、ゴルファー11の輪郭情報(輪郭Rの座標等)又は輪郭Rの曲率を用いて、注目点の位置座標を抽出する。
例えば、図16に示すように、アドレス画像およびインパクト画像(側面)での頭24の抽出方法は、輪郭Rの輪郭抽出の起点、つまり、輪郭Rを構成するピクセルのうちy座標が最小のピクセルを頭24として抽出する。また首Kの抽出方法は、頭24から輪郭Rに沿ってピクセルの曲率を調べていき、曲率が極大値となる点B1、B2の中点を首Kとして抽出する。
また、図17に示すようにアドレス画像およびインパクト画像(側面)での右足先25の抽出方法は、ゴルファー11の輪郭Rの最下点(y座標最大値)から反時計回りに調べて、x座標が極大になるピクセルを抽出して右足先25とする。
右足首26の抽出方法は、右足先25から輪郭の反時計回りに調べて、x座標が極小となるピクセルP1を抽出し、該ピクセルP1とy座標が同一である輪郭R上の別のピクセルP2を求め、ピクセルP1の座標とピクセルP2の座標との平均を右足首26の座標とする。
左足先27の抽出方法は、ピクセルP1から輪郭R上を反時計回りに調べて、x座標が極大となるピクセルを左足先27とする。
次に、色付マークM1〜M7や輪郭情報又は曲率による注目点の認識が失敗した場合、あるいは、色付マークM1〜M7の存在しない注目点を認識したい場合、若しくは、輪郭Rの曲率による認識が難しい場合等には、ゴルファー11の輪郭R上で抽出された直線部STを用いて、注目点の位置座標を抽出する。
例えば、図18に示すように、アドレス画像およびインパクト画像(側面)での右膝28の抽出方法は、輪郭Rの右膝28が存在すると考えられる領域の上下の直線部ST1、ST2の夫々の延長線が交差する位置のピクセルを右膝28の位置座標として特定している。詳しくは、輪郭Rの高さの下から30%〜40%に仮膝領域を想定し、仮膝領域内に直線部ST1の下端および直線部ST2の上端が存在するかを調べる。この際、複数の直線部が見つかった場合には仮膝領域に近い直線部を選択する。このようにして得られた2つの直線部ST1、ST2の延長線の交点もしくはy座標と輪郭Rが一致する点のうちx座標が最大の値を右膝28とする。なお、膝が曲がっていない等の理由により直線部ST1、ST2が見つからない場合には、前記仮膝領域内の輪郭Rのx座標が最大のピクセルを右膝とする。
また、図19に示すように、トップ画像(側面)での手首29の抽出方法は、まずゴルファー11のシルエットSの初期点I(画像左上のピクセルから順に左→右、上→下に走査した場合に見つかる最初のピクセル)を取得し、この初期点Iのx座標がテイクバック左腕水平画像での後述する方法で取得された後首Aのx座標よりも小さいかどうかを判定する。小さい場合には、初期点Iを仮手首として初期点Iを中心として、傾きが90°〜180°となる直線部ST3と、傾きが−90°〜−180°となる直線部ST4を抽出し、直線部ST3と直線部ST4との交点を手首29とする。これで直線部が抽出できなかった場合には初期点Iを手首とする。なお、画像上では横方向をx軸、縦方向をy軸としていると共に、画像上の右向きがx座標の正方向、下向きがy座標の正方向としている。
一方、初期点Iのx座標が後首Aのx座標より大きい場合には、図20に示すように、後述する肌色抽出を行ってゴルファー11の顔H1を取得後、手の肌色抽出を実施し、手の肌色領域H2の中心を手首とする。
次に、トップ画像(側面)における右膝のように、色付マークが存在せず、かつ、輪郭Rよりも内側に存在するため輪郭Rを用いた特定が困難である場合には、特別に、画像上でのピクセルの明るさの変化を基にエッジの抽出を行い、ゴルファー11の体のライン(輪郭内側を含む)を取得して注目点位置を認識することとする。
以下、具体的にトップ画像(側面)における右膝の位置座標の抽出の手順を説明する。エッジ抽出の基本的な流れは、エッジ強度画像の作成→方向ラベリング画像の作成→非極大値抑制ラベリング画像の作成を行う。
先ず、図21に示すようなエッジ強度画像の作成を行う。
トップ画像(側面)からSobelオペレータを利用してエッジ強度を抽出する。
ここで、Sobelオペレータとは、画像上で明るさが急激に変化しているところ(=エッジ)を取得するために、中心点の回りの明るさに重み付けをして、明るさの変化を近似的に求める手法のことであり、以下に、カラー画像のRGBそれぞれの値を利用した計算を示す。
(1)カラー画像のx方向のソーベル強度
ここで、図24に示すように、現在の注目ピクセルがEとしてその周囲の8つのピクセルをA〜D、F〜Iとした場合において、ArはAのピクセルのR(赤)値、AgはAのピクセルのG(緑)値、AbはAのピクセルのB(青)値を意味している。なお、Br、Bg、Bb、〜Ir、Ig、Ibについても同様である。また、各変数の係数は夫々の重みづけを意味している。
また、ソーベル強度の方向は、Rx+Gx+Bx>0のときsign=1とし、Rx+Gx+Bx<0のときsign=−1とする。
x方向のソーベル強度Dxは
(2)カラー画像のy方向のソーベル強度
(ソーベル強度の方向は、Ry+Gy+By>0のときsign =1とし、Ry+Gy+By<0のときsign=−1とする。)
y方向のソーベル強度Dyは
(3)カラー画像のソーベル強度
よって、カラー画像のソーベル強度(エッジ強度)DDは
で求められる。このDDが閾値(本実施形態では10)より大きいピクセルをソーベル強度(エッジ強度)すると共に閾値以下を0とし、図21に示すように0〜255の256諧調のソーベル強度でエッジ表示したエッジ強度画像が得られる。
次に、各方向のエッジ強度を用いて図22に示すような方向ラベリング画像の作成を行う。
方向は以下の4方向に分類する。
tangent=dy/dxとした場合に(dxはx方向のソーベル強度、dyはy方向のソーベル強度である)、
tangent<−tan(3/8π)のとき「3」とラベリングして緑色で表示し、
−tan(3/8π)≦tangent<−tan(1/8π)のとき「4」とラベリングして赤色で表示し、
−tan(1/8π)≦tangent<tan(1/8π)のとき「1」とラベリングして白色で表示し、
tangent<tan(3/8π)のとき「2」とラベリングして青色で表示し、
上記以外の場合は「3」とラベリングして緑色で表示し、図22に示す方向ラベリング画像が得られる。
次に、上記したエッジ強度画像と方向ラベリング画像とを利用して図23に示すような非極大値抑制ラベリング画像の作成を行う。
非極大抑制画像とは、上記取得したエッジ強度と明るさの変化方向を利用し、強度が極大になっている箇所をエッジとして抽出した画像のことである。
非極大画像を4つの方向に分類するために、
(1)横方向(x方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(白色)。
(2)斜め方向(左上・右下方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(赤色)。
(3)縦方向(y方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(緑色)
(4)斜め方向(左下・右上方向)について中心ピクセルの前後と中心ピクセルのソーベル強度のうち、中心ピクセルの強度が最も大きい場合は、極大位置とみなす(青色)。
以上のようにして図23に示すエッジ抽出された非極大値抑制ラベリング画像を取得している。
最終的に右膝の位置座標の取得は、上述したように輪郭Rの直線ST1、ST2により取得された左膝の高さを通る水平線と、非極大値抑制ラベリング画像のラベルが「1」の部分(白色)との交点を右膝としている。
次に、色付マークM1〜M7や輪郭情報や曲率やエッジ抽出による注目点の認識が困難である場合、あるいは、色付マークM1〜M7の存在しない注目点を認識したい場合等には、ゴルファー11のシルエット情報を用いて、注目点の位置座標を抽出する。
一例として、図25に示すように、アドレス画像(側面)における体とグリップとの距離であるグリップ幅Wを求める方法は、上述したようにシャフト13aに付された2つのクラブ用色付マークCM1、CM2の位置を通過するマーク間ベクトルからグリップ位置30を求めると共に、グリップ位置30とy座標が同一である輪郭R上のピクセルP3を求める。但し、ピクセルP3のx座標は、右足先のx座標よりも小さいことを条件とする。このグリップ位置30とピクセルP3との距離をグリップ幅Wとする。
上記取得されたチェックポイント画像におけるゴルファー11の注目点の位置座標は、診断コンピュータ16のメモリに記憶保持される。以上のようにして、スウィング診断に必要な全ての注目点を抽出するまで同様な計算を行う。つまり、チェックポイント画像においてもゴルファーの全ての注目点の位置座標を抽出するのではなく、各チェックポイント画像でスウィング診断に必要とされる注目点の抽出のみを行えばよく、更なる計算時間の短縮が図られる。
また、1つの画像処理アルゴリズムに依存することなく、複数のアルゴリズムを組み合せて注目点の抽出を行う仕組みとしているので、ゴルファー11の体型やスウィング動作が著しく異なる場合でも、あらゆる注目点抽出方法を駆使してゴルファー11の注目点の位置座標の認識率を大幅に向上させることができる。さらに、ゴルファー11の下半身については色付マークを用いた色抽出により膝等の注目点を認識するのではなく、上述した輪郭情報やエッジ抽出等を利用して注目点の位置座標を抽出しているので、ゴルファー11に計測用服を下半身には着用してもらわなくても済むというメリットもある。
(テイクバック左腕水平画像(側面)での注目点抽出)
次に、1つのチェックポイント画像において注目点を複数のアルゴリズムを組み合せて抽出する一例として、テイクバック左腕水平画像(側面)における各注目点の位置座標を抽出する場合について代表して説明する。
図26に示すように、まず上述した輪郭抽出の処理を行い(S100)、輪郭Rが取れなかった場合(S101)には、このチェックポイント画像に関する画像処理を終了するが(S102)、輪郭Rが取れた場合について詳説する。
(クラブ)
上述したように探索範囲Sを用いてクラブ用色付マークCM1〜CM3を色抽出して位置座標を取得する。抽出できなかった場合(S104)は失敗とし、抽出できた場合にはクラブ用色付マークCM1〜CM3の位置座標を記憶する(S105)。
(グリップ端およびグリップ中央)
前記S104でクラブ用色付マークCM1〜CM3が抽出できていなければ(S106)失敗とし、抽出できていた場合には、グリップに最も近いクラブ用色付マークCM1と次に近いクラブ用色付マークCM2とからマーク間ベクトルを求めてグリップ端およびグリップ中央を決定する(S106−2)。具体的には、
(グリップ端)=(クラブ用色付マークCM1の位置)−A×(マーク間ベクトル)
(グリップ中央)={(クラブ用色付マークCM1の位置)+(グリップ端)}/2
により算出する。
ここで、Aは、クラブ用色付マークCM1とクラブ用色付マークCM2との距離に対するクラブ用色付マークCM1とグリップ端との実際の距離の割合である。
(地面)
上述した輪郭Rの最下点のピクセルの位置座標を地面とみなしている(S107)。
(後首)
ゴルファー11のシルエット領域から頭部が存在する領域を絞っておき、その領域において背景差分した後、色相θ=0〜30、R=20〜240、G=20〜180、B=180以下を満たすピクセルの集合領域を肌とみなす(S108)。なお、該領域を肌とみなす場合の面積の閾値は30〜1400ピクセルとしている。図28(A)(B)に示すように、この抽出された肌色領域Hのx座標が最小の顔領域の輪郭点をOとし、点Oとx座標が同一でy座標が最小の輪郭点をAとし、点Oとy座標が同一でx座標が最小の輪郭点をBとすると、直線ABの傾きと垂直で点Oを通る直線を引き、この直線と輪郭との交点を後首31と特定する(S110)。
肌色抽出ができなかった場合であって(S109)、アドレス画像(側面)において後首の位置座標が取得できている場合には(S111)、アドレス画像(側面)での後首位置のx座標とテイクバック左腕水平画像での輪郭Rとの交点を求め、これら交点からy座標が最も小さい輪郭R上のピクセルの前後10ピクセルの曲率を抽出し(S112)、曲率が0以下で且つ最小となるピクセルを後首と特定する(S113、S110)。
アドレス画像(側面)で後首が取得できてない場合(S111)、或いは、曲率による抽出ができなかった場合(S113)は、ゴルファー11のシルエットの下から90%位置のy座標をもつ輪郭R上のピクセルのうちx座標が最小のピクセルを後首として抽出する(S114、S110)。
(右腰y座標)
先ず、探索範囲Sを、地面とゴルファーシルエット頂点の高さの平均値(y)とシルエット重心(x)を起点としてx方向が−40〜40ピクセル、y方向が−60〜20ピクセルの範囲となるように決定し、ベルト状の色付マークM7を色抽出して(S114−2)右腰のy座標を取得する(S115、S116)。
色抽出に失敗した時は、ゴルファー11のシルエットの下から60%の高さ位置を右腰のy座標とみなす(S117)。
次に、両肩と両肘の抽出は図26から図27のサブルーチンを呼び出す。
(左肩)
アドレス画像(側面)の右肩を取得済みの場合は(S118)、図29(A)に示すように、その右肩を起点としてx方向に+40ピクセル、y方向に±40ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、左肩の色付マークM3の色抽出を行う(S119)。色付マークM2の抽出に成功した場合には、その座標を左肩として記憶する(S120、S121)。
アドレス画像(側面)で右肩が抽出できていない場合(S118)および色抽出できなかった場合(S120)には、図29(B)に示すように、後首31のy座標と一致する輪郭R上のピクセルを首下32として抽出し、(S122)。首下32から輪郭Rの起伏の情報を用いて左肩を決定する(S123)。
具体的には、首下32から時計回りに輪郭Rを調べて最初に山(極大点)が見つかれば、首下32から時計回りに30ピクセルまでの山→この山から時計回りに30ピクセルまでの谷(極小点)→この谷から時計回りに20ピクセルまでの山を左肩35としている。
一方、首下32から時計回りに輪郭Rを調べて最初に谷(極小点)が見つかった場合には、首下32から時計回りに30ピクセルまでの谷→この谷から時計回りに20ピクセルまでの山を左肩35としている。(S124、S121)
首下32が抽出できなかった場合(S122)、輪郭Rの起伏を用いた抽出ができなかった場合(S124)は、図29(C)に示すように、右腰(S125)からy方向に対して[右腰y座標]〜[右腰y座標−30ピクセル]の間の領域で輪郭Rの直線部STを抽出し(S126)、直線部STと輪郭Rとの交点を左肩36とみなす(S127、S121)。但し、交点はゴルファー11のシルエットの下から80%〜90%の領域で、その中のy座標が最小のピクセルとする。もし、直線部を抽出できなければ、[右腰y座標]〜[右腰y座標−30ピクセル]の間の輪郭を用いて最小二乗により直線を抽出する。
右腰が見つからなかった場合には(S125)若しくは80%〜90%で左肩が見つからない場合には、図29(D)に示すように、シルエットの下から85%の位置(L2/L1=0.85)の輪郭Rで、xが最大のピクセルを左肩37とする(S128、S121)。
(右肩)
後首31が抽出できている場合は(S129)、後首31を起点としてx方向に−50ピクセル、y方向に±20ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、右肩の色付マークM4の色抽出を行う(S130)。色付マークM4の抽出に成功した場合には、その座標を右肩として記憶する(S131、S132−2)。
色抽出に失敗した場合(S131)は、クラブ用色付マークCM1〜CM3の抽出ができていれば(S132)、シャフト13aが輪郭Rと交差しているシャフト13aを輪郭Rから取り除く再輪郭抽出を行う必要があるどうかの判定を行い(S133)、シャフト13aの輪郭が体の輪郭と交差している場合には(S134)、シャフト13aの輪郭を輪郭情報から取り除く再輪郭抽出を行う(S135)。輪郭にシャフトが現れていない場合には再輪郭抽出せずに直線抽出処理(S136)に移る。
テイクバック左腕水平画像(側面)での後首のy座標から±10以内の位置にテイクバック左腕水平画像での輪郭Rに傾きが−90°〜180°°の直線部STが存在するかを判定し、かつ、後首と右腰y座標の間での下方向に傾きが90°〜180°の直線部が存在するかを判定し、2本の直線部が見つかったらその交点を右肩とする(S137、S132−2)。
後首が見つからない場合(S129)、クラブ用色付マークCM1〜CM3が抽出できない場合(S132)、2本の直線部が抽出されなかった場合(S137)は、シルエットの下から80%の位置の輪郭Rで、xが最小のピクセルを右肩とする(S138、S132)。
(左肘)
グリップ端と左肩が抽出できていなけば(S139)失敗とし、抽出できていれば、x方向はグリップ端から左肩までの範囲で、y方向は[左肩]から[グリップ端+40ピクセル]の範囲で探索範囲Sを設定し、左肘の色付マークM1の色抽出を行う(S140)。色付マークM1の抽出に成功した場合には、その座標を左肘として記憶する(S141、S142)。色付マークM1の抽出に失敗した場合には、左肩とグリップ端の中点を左肘とみなして抽出する(S143、S142)。
(右肘)
グリップ中央とアドレス画像(側面)での右腰が抽出できている場合には(S144)、グリップ中央を起点としてx方向に±50ピクセル、y方向に±50ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、かつ、上述で抽出された肌色部分、シャフト付近、アドレス画像(側面)での右腰より下の領域は探索対象から除外した上で、右肘の色付マークM6の色抽出を行う(S145)。色付マークM6の抽出に成功した場合には、その座標を右肘として記憶する(S146、S147)。
グリップ中央とアドレス画像(側面)での右腰が抽出されなかった場合(S144)、色抽出できなかった場合(S146)は、左肘のy座標が同一でx座標が最小の輪郭点を起点としてx方向に±25ピクセル、y方向に±25ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、右肘の色付マークM6の色抽出を行い(S149)、抽出できた場合には右肘の位置座標として取得する(S150)。
左肘の抽出ができなかった場合は(S148)、シルエットの地面から−y方向の65%でx座標が最小の輪郭点を右肘とする(S151、S147)。色抽出ができなかった場合(S150)は、2回目の色抽出で用いた探索範囲の起点を右肘とする(S147)。
(スパイン軸)
図26のフローチャートに戻り、右腰、後首が抽出でき、かつ、右肩を色抽出により抽出できた場合には(S152)、右肩と右腰の間で輪郭Rに直線部STが存在すれば(S153)、その直線部を角度を保ったまま後首31を通過するようにオフセット移動すれば、スパイン軸(両腰の中心と首を結ぶ線)を取得することができる(S154、S155)。
また、S152の抽出ができなかった場合には、右腰および後首が取得できていない場合(S156)は失敗とする一方、取得できている場合は、右腰y座標との交点のうちx座標が最小の輪郭点と後首の間の輪郭Rを用いて直線部を最小二乗しスパイン軸とする(S157、S158、S155)。
(右腰x座標)
右腰y座標とスパイン軸が抽出できていない場合(S159)には失敗であるが、抽出できている場合は、スパイン軸上で右腰y座標と同じy座標をもつピクセルを特定することで右腰x座標を取得することができる(S160、S161)。
以上のように、図26および図27の流れでテイクバック左腕水平画像(側面)について、複数の画像処理アルゴリズムを駆使して注目点の位置座標を取得することができる。
一方、図3に示すように、ボール運動測定装置20により取得された情報を基に診断コンピュータ16でボール挙動の算出を行う(S16)。
つまり、ゴルファー11のスウィングしたゴルフクラブ13が投光器25と受光器26との間を通過したことを検知してトリガー信号を出力し、該トリガー信号を受信したCCDカメラ21が多重シャッター22を連続開閉すると共にこの開閉と同期して各ストロボ23が順次発光し、飛行するボールBを1映像フレーム内に複数撮影する。このフレーム画像から特開2001−264016号公報と同様の方法を用いて、ボールBの振れ角(ボールの予定進行方向(ストレート)を基準としたボール弾道の左右の角度)を算出すると共にボールのサイドスピン量(回転量)を算出する。
上記のようにして得られたサイドスピン量および振れ角をもとにして、表2に示す分類方法により弾道パターンを算出する(S17)。例えば、サイドスピン量が左回転で200rpm以上で、かつ、振れ角が左方向に2degの場合は弾道パターンを「プル・フック」であると判断する。
なお、ボール落下地点(キャリー)のストレート方向からの左右ズレ距離が5yard以内である場合は特別に弾道パターンを「ストレート(ドロー)」とすることにしている。ここで「左右ズレ距離」とは、サイドスピン量と振れ角とから弾道計算を利用して計算したキャリーのの左右方向にズレた距離のことである。例えば、振れ角が右4deg、サイドスピン量が左500rpmだった場合、表2に示す分類ではプッシュフックになるところを弾道計算によりほぼ真ん中に飛んでいるのであればストレート(ドロー)と分類するようにしている。
以上のようにして取得された弾道パターン(S17)と、チェックポイント画像における注目点の座標データ(S14)とをもとにしてスウィングの診断を行う(S18)。つまり、以降の診断の診断項目は弾道パターンに応じて用意されている。
以下に、各チェックポイント画像毎において用意された診断項目の理想値の設定について表3及び表4を参照して分説する。
なお、画像上では横方向をx軸、縦方向をy軸としていると共に、画像上の右向きがx座標の正方向、下向きがy座標の正方向としている。
「正面画像での診断」
まず、正面画像でのチェックポイント画像毎の診断項目について説明する。
(アドレス状態)
表3に示すように、アドレス状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.1)ボール位置、(No.2)スタンスの広さ、(No.3)上半身のバランス(肩)、(No.4)下半身のバランス(腰)、の各診断項目を設けている。
(No.1)〜(No.4)の判定値について、(No.1)は[ボールB位置のx座標]−[左足踵のx座標]=−5〜5cm、(No.2)は[両足の幅]/[両肩の幅]=1.05〜1.80、(No.3)は[両肩の中点]−[両足踵の中点]=−6〜3cm、(No.4)は[両腰の中点(臍)]−[両足踵の中点]=−3〜3cmとしている。
(テイクバックシャフト8時状態)
テイクバックシャフト8時状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.5)グリップエンドの向き、(No.6)理想のシャフトラインとの角度、(No.7)アドレスからの右肩移動量、の各診断項目を設けている。
(No.5)〜(No.7)の判定値について、(No.5)は[シャフトラインと腰の高さラインを結ぶ直線との交点のx座標]−[アドレス時の腰の中点(臍)x座標]=−10〜10cm、(No.6)は[シャフトラインとy軸との角度]−60deg=−20〜20deg、(No.7)は[右肩のy座標]−[アドレス時の右肩のy座標]=10cm以下としている。
(テイクバック左腕水平状態)
テイクバック左腕水平状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.8)リスト角度、の診断項目を設けている。
(No.8)の判定値は、[シャフトライン]と[左腕水平を抽出したテンプレートTの中心ライン]との間の角度=140deg以下としている。
(トップ状態)
トップ状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.9)オーバースウィング、(No.10)切り返し、(No.11)左右移動量、(No.12)右膝の位置、(No.13)上半身の反り、の診断項目を設けている。
(No.9)〜(No.11)の判定値は、(No.9)は[シャフトライン]と[y軸との間の角度]≦300deg、(No.10)は後述、(No.11)は[{臍ラインの右側輪郭点のx座標}−{右足のx座標}]が−[{アドレス時の臍ラインの右側輪郭点のx座標}−{右足側端のx座標}]よりも大きいなら「体重移動なし」とすると共に0以下なら「スウェーしすぎ」とし、(No.12)は[右膝の高さの輪郭点のx座標]−[右足側端のx座標]>0、(No.13)は臍高さの右側輪郭点から輪郭に沿って−50ピクセルの間に存在する直線部を抽出し、その傾きの平均値を90°未満としている。なお、該直線部の抽出は、上述した直線部STの抽出方法と同様であるが、直線部が抽出できなかった場合には臍高さの右側輪郭点から−50ピクセルの間の輪郭を直線補間することとする。
(ダウンスウィングシャフト9時状態)
ダウンスウィングシャフト9時状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.14)ダウンスウィング左腕水平状態からダウンスウィングシャフト9時状態までの間でのリスト角度変化、の診断項目を設けている。
(No.14)の判定値は、左腕水平状態での[シャフトライン]と[左腕水平を抽出したテンプレートTの中心ライン]との間の角度と、シャフト9時状態での[シャフトライン]と[手首と左肩とを結ぶ直線]との間の角度との差<60degとしている。
即ち、ダウンスウィング非利き腕水平画像でのリスト角度と、ダウンスウィングシャフト9時画像でのリスト角度との差が60deg以上である場合には、コック動作有りと診断している。なお、別の方法として、ダウンスウィング左腕水平またはダウンスウィングシャフト9時でのりスト角度が所定値以上である場合にコック動作有りと診断しても良い。
(インパクト状態)
インパクト状態においては、正面方向から見た診断項目として、(No.15)左右移動量、(No.16)上下移動量、(No.17)頭とボールの距離、(No.18)肩の回転量、(No.19)スパイン軸の傾き、(No.20)左肘の角度、の各診断項目を設けている。
(No.15)〜(No.20)の判定値について、(No.15)は[{インパクト状態の臍高さにおける左側輪郭点のx座標}−{インパクト状態の左足側端のx座標}]が0未満であればOKとすると共に[{アドレス時の左側輪郭点のx座標}−{アドレス時の臍のx座標}]よりも小さい場合には体重移動していないとする。(No.16)は[アドレス時の臍のy座標]−[インパクト時の臍のy座標]=−10〜10cm、(No.17)は[ボールのx座標]−[頭のx座標]>0、(No.18)は[アドレス状態の両肩間のx方向距離]/[トップ状態の両肩間のx方向距離]=1.1〜1.6、(No.19)は[頭と臍を結ぶ線]と[臍高さの右側輪郭点と臍を結ぶ直線]との角度>70deg、(No.20)は[左肩と左肘を結ぶ線]と[左肘とグリップ端を結ぶ直線]との角度>170degとしている。
次に、トップ画像における(No.10)の切り返し判定の診断項目について説明する。
図31(A)は、トップ画像と該トップ画像から所定時間(本実施形態では80msec)経過した画像との間でフレーム間差分処理を行って差分シルエットを取得したものである。また、図31(B)はトップ画像におけるゴルファー11のシルエットを示す。
ここで、図31(A)の左肩付近での差分シルエットの面積をAとし、左腰付近での差分シルエットの面積をBとし、下方の腕領域である差分シルエットの面積をCとし、図31(B)に示すトップ画像でのゴルファー全体のシルエット面積をDとする。
図32のフローチャートに従ってトップ状態からの切り返し動作の診断を行う。判定値の定義は以下の通りとする(S30)。
判定値(1)=B/A
判定値(2)={(A+B+C)/D}・100
判定値(3)=A+B
まず、判定値(3)<Cの場合は(S31)、腕の動きが大で上半身からの始動が大きすぎる(腕ターン)と診断される。次に、S31の条件を満たさず、かつ、2<判定値(1)<5の場合は(S32)、下半身重視でボディターンがされていると診断する。次に、S32の条件を満たさず、かつ、判定値(1)>5の場合は(S33)、下半身からの始動が大きすぎる(ボディターン)と診断される。次に、S34の条件を満たさず、かつ、判定値(2)>8の場合は(S34)、上半身からの始動が大きすぎる(腕ターン)と診断される。次に、S34の条件も満たさなかった場合は、上半身と下半身がほぼ同時に始動されていると診断される。
つまり、差分シルエットの面積をトップからの切り返し動作におけるゴルファーの体の動作量と考えて所定の判定値を設定することで、ゴルファーの切り返し動作について診断することができる。
「側面(飛球線後方)画像での診断」
次に、側面画像での診断項目についてチェックポイント画像毎に説明する。
(アドレス状態)
表4に示すように、アドレス状態においては、側面(飛球線後方)から見た診断項目として、(No.1)母指球上に右肩が存在するか、(No.2)母指球上に右膝が存在するか、(No.3)グリップ位置、(No.4)スパインニーアングル、の各診断項目を設けている。
(No.1)〜(No.4)の判定値は、(No.1)は[右肩のx座標]−[右足母指球のx座標]=−10〜10cm、(No.2)は[右膝頭のx座標]−[右足母指球のx座標]=−3〜3cm、(No.3)は[グリップ端のx座標]−[グリップ端を通る水平線とシルエットとの交点のx座標]=10〜30cm、(No.4)は[後首と右腰を結ぶ線(スパイン軸)]と[右膝と右腰を結ぶ線]との角度=100〜130degとしている。
(テイクバックシャフト8時状態)
テイクバックシャフト8時状態においては、側面から見た診断項目として、(No.5)オリジナルシャフトライン(アドレス時のシャフトライン)との角度差、(No.6)オリジナルシャフトラインとの距離、の各診断項目を設けている。
(No.5)(No.6)の判定値は、(No.5)は[アドレス状態でのx軸に対するシャフト角度]−[シャフト8時状態でのx軸に対するシャフト角度]=−10〜10deg、(No.6)は[グリップ端からアドレス状態のシャフトラインへの距離]=−10〜10mmとしている。
(テイクバック左腕水平状態)
テイクバック左腕水平状態においては、側面から見た診断項目として、(No.7)シャフトとボールラインとの交点、(No.8)両肘の高さの差、(No.9)シャフト位置、(No.10)肩の位置、の各診断項目を設けている。
(No.7)〜(No.10)の判定値は、(No.7)は[{シャフトラインとボールライン(ボールと左足先を結ぶ線)との交点のx座標}−(左足先のx座標)]/[{ボールのx座標}−{左足先のx座標}]=0.66〜1、(No.8)は[右肘のy座標]−[左肘のy座標]=−10〜10cmとし、(No.9)については、[手元側のクラブ用色付マークCM1のx座標]>[右足先のx座標]=「前に上げている」と判定すると共に、[クラブ用色付マークCM1のx座標]<[右足踵のx座標]=「後に引いている」と判定し、(No.10)は[右肩と左肩とを結ぶ直線]と[スパイン軸]との間の角度=80〜100degとしている。
(トップ状態)
トップ状態においては、側面から見た診断項目として、(No.11)右膝の移動距離、(No.12)左膝の移動距離、(No.13)前腕とスパイン線との平行度、(No.14)手首の位置、(No.15)シャフトラインのターゲット方向との平行度、(No.16)両肘の高さの差、(No.17)グリップの高さ、(No.18)肩と手首の距離、の各診断項目を設けている。
(No.11)〜(No.18)の判定値は、(No.11)は[アドレス状態の右膝のx座標]−[トップ状態の右膝のx座標]>−3cm、(No.12)は[アドレス状態の左膝のx座標]−[トップ状態の左膝のx座標]<20cm、(No.13)は[手首と右肘を結ぶ直線とy軸との間の角度]−[右腰と後首を結ぶ直線とy軸との間の角度]<30deg、(No.14)は[手首のx座標]−[右肩のx座標]=−15〜15cm、(No.15)は[クラブ用色付マークCM1のx座標]−[手首のx座標]=−20〜20cm、(No.16)は[左肘のy座標]−[右肘のy座標]=−10〜10cm、(No.17)は[手首と左肘を結ぶ線のx軸に対する角度]と[手首と左肩を結ぶ線のx軸に対する角度]の平均値=45〜60deg、(No.18)は[左肩のy座標]−[手首のy座標]>15cmとしている。
(ダウンスウィング左腕水平状態)
ダウンスウィング左腕水平状態においては、側面から見た診断項目として、(No.19)シャフトラインとオリジナルシャフトライン(アドレス時のシャフトライン)との角度差、(No.20)オリジナルシャフトラインとグリップ端との距離、の各診断項目を設けている。
(No.19)(No.20)の判定値は、(No.19)は[アドレス状態でのシャフトライン]と[ダウンスウィング左腕水平状態でのシャフトライン]との間の角度=−15〜15deg、(No.20)は[グリップ端]と[アドレス状態でのシャフトライン]との距離=0〜30cmとしている。
(ダウンスウィングシャフト9時状態)
ダウンスウィングシャフト9時状態においては、側面から見た診断項目として、(No.21)シャフトライン上にヘッドが存在するか、の診断項目を設けている。
(No.21)の判定値は、(No.21)は[アドレス状態でのシャフトライン]と[シャフト9時状態でのヘッド]との最短距離=−10〜10cmとしている。
(インパクト状態)
インパクト状態においては、側面から見た診断項目として、(No.22)オリジナルシャフトラインとの角度差、(No.23)スパインアングルの変化量、(No.24)ニーアングルの変化量、(No.25)腰の回転量、(No.26)グリップと体との距離、(No.27)背骨の前後移動、(No.28)インパクト前後のスウィング軌道、の各診断項目を設けている。
(No.22)〜(No.27)の判定値は、(No.22)は[アドレス状態でのx軸に対するシャフト角度]−[インパクト状態でのx軸に対するシャフト角度]=−5〜5deg、(No.23)は[インパクト状態におけるスパイン軸と、右腰と右膝を結ぶ直線との間の角度]−[アドレス状態におけるスパイン軸と、右腰と右膝を結ぶ直線との間の角度]=−10〜10deg、(No.24)は[インパクト状態における右膝と右腰を結ぶ直線と、右膝と右足首を結ぶ直線との間の角度]−[アドレス状態における右膝と右腰を結ぶ直線と、右膝と右足首を結ぶ直線との間の角度]=−25〜10deg、(No.25)は[インパクト状態の臍高さにおける左右輪郭点距離]/[アドレス状態の臍高さにおける左右輪郭点距離]=1.1〜1.5、(No.26)は[グリップ端のx座標]−[グリップ端を通る水平線とシルエットとの交点のx座標]=5〜15cm、(No.27)は[アドレス時のスパイン軸に対するインパクト時のスパイン軸中心との最短距離]と[インパクト時のスパイン軸に対するアドレス時のスパイン軸中心との最短距離]との平均値=−5〜5cmとしている。
(No.28)について以下に詳述すると、正面画像および側面画像を利用してゴルフクラブ13のヘッド部13bの実空間での位置座標を把握することによりインパクト前後のスウィング軌道を調べている。
(1)正面画像および側面画像上のヘッド位置の推定
まず、正面・側面画像についてクラブ用色付マークCM1〜CM3からヘッド部13bの位置座標を推定する。(なお以降は、実空間での三次元座標を大文字x、y、Zで表す一方、画像上での平面的な位置座標を小文字x、yで表すこととする。)即ち、
(ヘッド部13bのx座標)
=(マークCM2のx)+n・{(マークCM3のx)−(マークCM2のx)}
=(1−n)・(マークCM2のx)+n ・(マークCM3のx)
と、
(ヘッド部13bのy座標)
=(マークCM2のy)+ n・{(マークCM3のy)−(マークCM3のy)}
=(1−n)・(マークCM2のy)+n・(マークCM3のy)
とにより、正面画像および側面画像のそれぞれについてヘッド部13bのx−y座標を算出する。但し、nは定数で正面画像の場合に2.1、側面画像の場合に1.8を用いている。
上記算出されたヘッド部13の正面画像での位置座標を用いて、図33に示す正面画像において、インパクト前のヘッド部13bの位置40と、インパクト時のヘッド部13bの位置41と、インパクト後のヘッド部13bの位置42とを特定することができる。
これらヘッド位置40〜42を通過する垂直のライン43〜45を正面画像上に表示することで、インパクト前・インパクト・インパクト後の夫々におけるヘッド部13bの地面への投影点が存在する地面上のライン43〜45を認識することができたことになる。
(2)仮定
ヘッド部13bの三次元座標を推定するにあたり、以下の項目を仮定している。
仮定1:カメラは撮影した画像の座標系のx軸(横軸)が地面に対してほぼ平行であること。
仮定2:カメラの光軸は地面に対してほぼ平行であること
仮定3:2つのカメラは光軸方向をなす角度が45°以上好ましくはほぼ90°であること。
仮定4:三次元空間上のヘッド部13bを地面に投影した位置は、2次元画像のヘッド部13b位置を含む垂直なライン上に必ず存在すること。
仮定5:上記ラインは三次元空間におけるy軸方向とz軸方向のラインが重なっている。
仮定6:奥行き方向に対して垂直な平面上の変換率は同一である。
(3)射影変換行列の同定
3.1 コントロールポイントの取得
フレーム39の頂点A〜Dの4箇所をコントロールポイントA〜Dとして正面・側面画像で対応するようにxy座標データを取得する。尚、この画像を取得するのは背景画像(人が入っていない画像)であることが好ましいが、スウィング中の画像から4点A〜Dを取得しても構わない。
3.2 射影変換行列の算出
コントロールポイントA〜Dを利用して、正面画像の地面上に存在する直線を側面画像へ変換する行列(射影変換行列)を算出する。この際、コントロールポイント4点が同一の平面上に存在するので、仮定1〜3に示すようにカメラ設定を行うことによって連立方程式のパラメータ数は通常の11個から8個となり、対応点x、yが4組以上あれば射影変換行列を導出することができるが、本実施形態ではA〜Dの各点について正面と側面の4組存在するので行列を導出できる。詳しくは、射影変換行列をPとし、正面画像での対応点座標をx(x1,x2)、側面画像での対応点座標をy(y1,y2)、スケールファクタをsとすると数式19の行列式の関係が成り立つ。
ここで、対応点x、yについてコントロールポイントA〜Dの4組が与えられているので、前記数式19は、以下の数式20と表すことができる。
なお、xij、yijについては、xは側面画像、yは正面画像を意味し、i=1〜4は4つのコントロールポイントA〜Dに対応し、j=1は画像上のx座標、J=2は画像上のy座標を意味する。即ち、たとえばx11であれば、側面画像上でのコントロールポイントAのx座標を示すことになる。
よって、4組の対応点の場合、前記数式20より以下の数式21のように、射影変換行列Pの線形式に直すことができる。
この関係式について、最小二乗法を利用し射影変換行列Pを算出する。
次いで、図33で求め仮定5からなる正面画像のライン43〜45上の全ての点を射影変換行列Pを用いて数式22により変換することで、図34に示す側面画像上においてライン43’〜45’ とライン43”〜45”に分けることができる。
(4)側面画像におけるヘッド部13bの地面位置(スウィング軌道)の推定
仮定2より、側面画像上おけるインパクト前・インパクト・インパクト後での夫々のヘッド位置46〜48を通る垂線43”〜45”と、正面画像から変換したライン43’〜45’との交点50〜52が、側面画像においてヘッド部13bを地面に投影したヘッド地面位置50〜52になる。
次に、側面画像において、画面上のフレーム39の4点A〜Dの位置座標と実空間での4点A〜Dの位置座標とを利用して上記(3)と同様の原理で射影変換行列を求める。この行列を利用して、先に取得した画面上のヘッド地面位置50〜52を実空間のヘッド地面位置に変換する。
この変換後のヘッド地面位置を利用して、スウィング(ヘッド)の軌道を求めることができる。例えば、図35に示すように、変換後のインパクト前のヘッド地面位置70と、インパクト時のヘッド地面位置71とを結ぶ第1軌道線KL1の飛球線HLに対する角度θ1、および、インパクト後のヘッド地面位置72と、インパクト時のヘッド地面位置71とを結ぶ第2軌道線KL2の飛球線HLに対する角度θ2、を調べることで、スウィング軌道がアウトサイドイン、ストレート、インサイドアウトのいずれになっているかを診断することができる。
具体的には、θ1−θ2の値が、−5deg以下ならアウトサイドイン、−5deg〜10degならストレート、10deg以上ならインサイドアウトであると診断する。
次に、図31に示すように正面画像でシルエットが抽出できずに切り返し動作の診断が十分に行えなかった場合には、別の方法として、図36(A)(B)に示すように、飛球線後方(側方)の画像でのゴルフクラブ13のシャフト13aのラインを用いて切り返し動作の診断を行うとよい。
詳しくは、アドレス画像でのシャフトラインSL1(オリジナルシャフトライン)と、ダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインSL2との角度差θを算出し、図36(A)のようにθが上方向に角度を有する場合に「上半身からの始動が大きい(腕ターン)」と診断され、図36(B)のようにθが下方向に角度を有する場合には「下半身からの始動が大きすぎる(ボディターン)」と診断する。なお、理想的には2本のシャフトラインSL1、SL2が平行であると上半身と下半身の始動のバランスが良いとされる。
以上のように、特定のチェックポイント画像で上記診断項目における実際のゴルファーのスウィングにおける数値化データと上記判定値(理想値)とをそれぞれ比較して、各項目ごとに判定値に適合しているか否かの診断を行い、判定値以上あるいは以下であった場合に表3及び表4に示すような診断結果および得点を出力する。
具体的には、図37はある弾道パターンにおける診断の概略的な流れを示し、上述した各診断項目のうちスウィングチェックに必要な診断項目を適宜チョイスしてスウィング診断し、各診断の結果、理想値(判定値)を満たしていない場合には、診断結果のコメントを出力する一方、理想値(判定値)を満たしている場合に各診断項目に予め設定された配点を加算していき総得点を出力する。この際、ゴルファーは前回の診断結果の得点と、今回の診断結果の得点とを比較できるようにしておくことが好ましい。
各診断項目ごとの配点は表3、表4に示すようにしており、スウィングへの重要度を勘案して重み付けを変えている。詳しくは、アドレス姿勢は、スウィングの全ての項目(インパクト時のスウィング軌道、フェース軌道、ヒッティングポイント等)に影響を与えるので3点としている。また、側面から見たインパクト時の軌道およびダウンスウィング時のオリジナルシャフトラインは、インパクト時のスウィング軌道に影響を与えるので3〜5点としている。また、側面の切り返しとインパクト時の左肘は、インパクト時のヒッティングポイントに影響を与えるので3点としている。また、インパクト時のスパインアングルとグリップと体の距離は、インパクト時のヒッティングポイントに影響を与えるので3点としている。また、テイクバックよりダウンスウィングの診断項目の方がインパクト時のスウィング軌道、フェース角度、ヒッティングポイントに影響を与えるので概ね2点としている。
以上のようにして合計得点を100点としている(正面40点、側面60点)。
判定方法は、表3、4に記載の配点を与えるか否かの二者択一にしてもよいが、段階的に判定値を設定して配点も段階的に付与するようにしてもよい。
例えば、配点が5点の診断項目については、、最低判定値−最高判定値の差の値SAを用いて、[最低判定値−0.5×SA]、[最高判定値+0.5×SA]を中間の閾値として追加設定し、表3、4の判定値を満たさなくてもこの中間閾値を満たす場合には、配点として3点を与えるようにしてもよい。
配点の段階的な設定例としては、配点が5点の診断項目は5点or3点or0点とし、配点が3点の項目は3点or2点or0点とし、配点が2点の項目は2点or1点or0点とし、配点が1点の項目は1点or0.5点or0点と設定するとよい。
さらには、総得点の満点が100点とした場合に、例えば90点以上であればプロ級、80〜90点なら上級者、60〜80点であればアベレージゴルファー、60点未満なら初級者、というように総得点によってゴルファーのレベルも出力表示するとよい。
次に、上記診断結果に応じて欠点克服のための練習方法であるアドバイスドリルを出力する。なお、診断コンピュータ16にはスウィング改善のための練習方法である表5のアドバイスドリル一覧を登録したデータベースを保存している。
例えば、弾道パターンがプル・フックであった場合において、先ず、側面画像のインパクトとその前後の画像において、No.28の診断項目であるヘッドのスウィング軌道を診断する(S30)。
スウィング軌道がアウトサイドインであると診断された場合には、それに応じてスウィング軌道に関するスウィングチェックを行う(S31)。例えば、側面のインパクト画像におけるNo.23の診断を行いスパイン軸が立ち過ぎている場合や、No.24の診断を行い膝が伸びている場合には、表5に示すドリル一覧のドリル番号31の「壁におでこをあてる」ドリルについて基本効能と簡易説明などを出力して、ゴルファーに練習方法となるアドバイスドリルを提示する。
スウィング軌道がインサイドアウトであると診断された場合には(S32)、例えば、ドリル番号4の「レフトハンド」ドリルについて簡易説明などを出力して、ゴルファーに練習方法となるアドバイスドリルを提示する。
スウィング軌道がストレートである場合には、弾道に対するフェースの向きがクローズになっていると診断され(S33)、例えば、ドリル番号4の「レフトハンド」ドリルについて簡易説明などを出力して、ゴルファーに練習方法となるアドバイスドリルを提示する。
次に、フェースの向きに関するスウィングチェックを行う(S34)。例えば、正面のインパクト画像におけるNo.15の診断を行い体重移動していないと診断された場合には、ドリル番号25の「お尻を壁に当てて振る」ドリルについて簡易説明などを出力する。
次に、アドレスポジションに関するスウィングチェックを行う(S35)。例えば、正面のアドレス画像におけるNo.1の診断を行い、ボールが外側にあるためインパクトでフェースがオープンになっていると診断された場合には、ドリル番号1の「ポスチャー」ドリルについて簡易説明などを出力する。
次に、ヒッティングポイントに関するスウィングチェックを行う(S36)。例えば、側面のインパクト画像におけるNo.27の診断を行い、踵体重でインパクトで上半身が後に引けていると診断された場合には、ドリル番号26の「インパクトの形を作る」ドリルについて簡易説明などを出力する。
以上の判定でアドバイスドリルを出力する診断項目が存在した場合にはそのまま終了する一方、上記判定でアドバイスドリルの出力がなかった場合には、グリップに関するスウィングチェックを行い(S38)、例えば、予め用意された「スクウェアグリップになっているかを確認下さい」等のメッセージを出力する。
また、図38に示すように、ボール運動測定装置20により取得されるボール挙動に関する諸量から診断を行ってもよい。
例えば、ボール運動測定装置20からボール弾道の高さを取得し、該高さが10〜30yard以内かどうかを判定する(S40)。30yard以上の場合は高弾道の所謂テンプラであると診断されるので、テンプラに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S41)。
一方、10yard以下である場合には、低弾道の所謂トップと判断されるので、トップに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S42)。
次に、弾道高さが10〜30yard以内である場合は、ボール速度/ヘッド速度の比が1.35以上かどうかを判定する(S43)。
上記比が1.35以上でなくサイドスピンがスライスであると判定された場合には、ヒール打ちになっていると診断されるので、ヒッティングポイントに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S44)。
上記比が1.35以上でなくサイドスピンがフックであると判定された場合には、トウ打ちになっていると診断されるので、ヒッティングポイントに関するスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S45)。
上記比が1.35以上であると判定された場合には、正しく打撃されていると診断されるので、更なる飛距離アップのためのスウィングチェックを行いそれに応じたアドバイスドリルを提示する(S46)。
(実施例)
次に、上述したゴルフスウィング診断システムをテスター10名により実施した結果を表6に示す。
それぞれのテスターについて、打撃したボールBの振れ角、サイドスピン、ボール落下地点(キャリー)のストレート方向からの左右ズレ距離、弾道高さ、ボール速度/ヘッド速度に関するボール挙動データが取得され、そのうちサイドスピン量と振れ角とから弾道パターンを決定し、その弾道パターンについて用意された診断項目に関する診断結果と欠点克服のためのアドバイスドリルを提示していることが分かる。
以上のスウィング診断結果や提示したアドバイスドリル等を診断コンピュータ16からサーバ100に送信してゴルファー11に関するスウィング情報としてデータベースに保存する。
この際、データベースには過去に診断コンピュータ16を使って診断したスウィング情報もゴルファー11に関連付けて時系列的に蓄積保存されている。したがって、複数のスウィング診断を異なるゴルフショップ等に設置された別々の診断コンピュータ16で行っても、一台のパソコン200あるいは携帯電話300でインターネットNを介してサーバ100にアクセスすることで一元的に閲覧できるメリットがある。
また、診断コンピュータ16からサーバ100に送信してデータベースに保存するスウィング情報としては、上述したチェックポイント画像(図11、12)、打撃前に入力した問診内容、ボールの弾道結果、スウィング診断結果、提示したアドバイスドリル、アドバイスドリルのサンプル動画像、最適シャフト情報、最適ロフト角情報などが挙げられる。
スウィング診断結果のうち図32に示す切り返し動作の診断結果については、図31に示す差分シルエット画像もデータベースに保存しておき閲覧可能としておくとよい。
また、上記アドバイスドリルのサンプル動画像とは、トレーナが実際にドリルの内容を実行している動画像をいい、ゴルファー11はパソコン200や携帯電話300の画面に表示されたサンプル動画像の動きを視覚的に見て真似するだけで、スウィング改善の練習を行うことができる。
最適シャフト情報については、正面画像の診断No.10または側面画像の診断No.19の切り返し動作診断結果と、正面画像の診断No.14のリスト角度診断結果とから最適な曲げ剛性のゴルフクラブシャフトを推奨するものである。詳しくは、(1)腕ターン・コック有り、(2)腕ターン・コックなし、(3)ボディターン・コック有り、(4)ボディターン・コックなしの4つに分類して、最適なシャフトを提示するものである。例えば、
上記(1)の場合は、剛性の低いシャフトを提示する。
上記(2)の場合は、手元側の剛性が低いシャフトを提示する。
上記(3)の場合は、手元側の剛性が高いシャフトを提示する。
上記(4)の場合は、手元側の剛性が高く、かつ、ヘッド側から手元側に向けて徐々に剛性が高くなるようなシャフトを提示する。
なお、この際シャフトの曲げ剛性に関するEI分布をパソコン200や携帯電話300の画面上にビジュアル的に表示させると良い。
また、最適ロフト角情報については、ボール運動計測装置20で測定されたボールの打ち出し角度および弾道高さからゴルフクラブヘッドの最適なロフト角の情報を提示しているものである。詳しくは、実際に計測された打ち出し角度および弾道高さが所定値より低いと判断された場合には大きいロフト角を推奨し、逆に、打ち出し角度および弾道高さが所定値より高いと判断された場合には小さいロフト角を推奨するとよい。
例えば、ロフト角10degのゴルフクラブを使用してボールBを打撃した際に計測されたボール速度/ヘッド速度の比が1.4以上である場合で、打ち出し角度が8deg、弾道高さが10yard、バックスピン量が1200rpmであると計測された場合は、「ロフト角はもう少し高い方がよい」という最適ロフト角情報を提示することとしている。
本発明の実施形態のゴルフスウィング診断システムの構成図である。 スウィング診断を示す図面である。 実施形態のゴルフスウィング計測システムのフローチャートである。 アドレス画像におけるマーク抽出を説明する図面である。 アドレス以降の2、3枚目におけるマーク抽出を説明する図面である。 マークの自動追尾を説明する図面である。 (A)(B)はゴルファーの輪郭抽出を説明する図面である。 ゴルファーの輪郭抽出された画像を示す図面である。 (A)(B)テンプレートマッチングを説明する図面である。 曲率計算の説明図である。 正面のチェックポイント画像である。 飛球線後方(側面)のチェックポイント画像である。 静止画像上のゴルファーの輪郭を示す図面である。 静止画像上の輪郭から抽出された直線部を示す図面である。 注目点の色抽出を説明する図面である。 注目点の輪郭を用いた抽出を説明する図面である。 注目点の輪郭の曲率を用いた抽出を説明する図面である。 注目点の直線部を用いた抽出を説明する図面である。 注目点の直線部を用いた抽出を説明する図面である。 肌抽出を用いた注目点の抽出を説明する図面である。 エッジ強度画像を示す図面である。 方向ラベリング画像を示す図面である。 非極大値抑制ラベリング画像を示す図面である。 隣接するピクセルの位置関係の定義を説明する図面である。 シルエット情報による注目点の推定を説明する図面である。 テイクバック左腕水平画像(側面)において注目点を抽出する手順を示すフローチャートである。 図26の一部のサブルーチンを示すフローチャートである。 (A)(B)は肌抽出を説明する図面である。 左肩の抽出を示し、(A)は色抽出による場合の図面、(B)は輪郭抽出による場合の図面、(C)は直線部を用いた場合の図面、(D)はシルエット情報を用いた場合の図面である。 問診画面を示す図面である。 (A)は差分シルエットを示す図面、(B)はトップ状態でのゴルファーシルエットを示す図面である。 トップ状態からの切り返し動作の診断フローチャートである。 スウィング軌道を求めるための正面画像である。 スウィング軌道を求めるための側面画像である。 スウィング軌道の診断の説明図である。 (A)(B)は切り返し動作の側面画像での診断を説明する図面である。 弾道パターン分類後の診断フローチャートである。 ボール挙動に基づいた診断フローチャートである。
符号の説明
11 ゴルファー
12 計測用服
13 ゴルフクラブ
13a シャフト
14、15 カラーCCDカメラ
16 診断コンピュータ
20 ボール運動測定装置
CM1〜CM3 クラブ用色付マーク
M1〜M7 色付マーク
S、S1〜S3 探索範囲
ST、ST1〜ST4 直線部
R 輪郭
T テンプレート

Claims (6)

  1. ゴルフクラブを把持してスウィングするゴルファーを撮影した画像を取り込んでスウィング姿勢あるいはシャフト角度を含む診断項目を設定し、前記診断項目に関して、前記画像上でのスウィング中に動作する注目点の位置座標より数値化されたデータと、前記診断コンピュータに予め入力されている理想値である判定値とを比較してスウィング診断を行う診断コンピュータと、
    前記ゴルファーが打撃したゴルフボールの弾道および打出角度を計測するボール運動測定装置を備え、該ボール運動測定装置で測定された弾道および打出角度を前記診断コンピュータに取り込み、該弾道および打出角度を前記診断項目に加え、
    前記診断コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能とされ、弾道および打出角度を含むスウィング診断結果を有するスウィング情報を前記診断コンピュータより受信するサーバとを備え、
    端末情報機器から前記通信ネットワークに接続することで前記サーバにアクセスして、前記スウィング情報を閲覧可能としていることを特徴とするゴルフスウィング診断システム。
  2. 前記サーバのデータベースには過去のスウィング情報が前記ゴルファーに関連付けて時系列的に蓄積保存される構成としている請求項1に記載のゴルフスウィング診断システム。
  3. 前記スウィング情報は、
    スウィング動作を撮影した動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像を抽出したチェックポイント画像を有している請求項1または請求項2に記載のゴルフスウィング診断システム。
  4. 前記スウィング情報は、
    打撃前にゴルファーが入力する問診内容を備え、かつ、
    前記診断項目ごとに対応して準備されたスウィング改善のための練習方法であるアドバイスドリルを複数登録したデータベースから、前記スウィング診断結果に対応して選択されるアドバイスドリルを有し、該アドバイスドリルは、練習方法を説明するサンプル動画像を有している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴルフスウィング診断システム。
  5. 前記スウィング診断結果は、
    トップのスウィング姿勢が映されたトップ画像と、該トップ画像から所定時間経過した画像との間で差分処理を行って差分シルエットを取得し、該差分シルエットの面積を用いてトップ状態からの切り返し動作を診断した結果、
    飛球線後方から見たダウンスウィング非利き腕水平画像でのシャフトラインと、アドレス画像でのシャフトラインとの角度差により切り返し動作を診断した結果、
    前記切り返し動作とリスト角度の診断結果、
    の少なくともいずれか一つの診断結果を有している請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のゴルフスウィング診断システム。
  6. 前記スウィング診断結果は、リスト角度、あるいは前記ボール運動計測装置で測定されるボールの打出角度および弾道高さによって選定されるゴルフクラブのヘッドのロフト角に応じて、選定される最適なゴルフクラブのシャフトの情報を有している請求項5に記載のゴルフスウィング診断システム。
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