JP4256242B2 - 4サイクルエンジンの吸気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、4サイクルエンジンにおける吸・排気弁のバルブ・オーバーラップ時に排気ポートや燃焼室から吸気ポートに戻る排ガスの量、いわゆる内部EGR量を制御する4サイクルエンジンの吸気装置に関するものである。
従来、4サイクルエンジンにおいて、部分負荷運転時の排ガスに含まれるNOX を低減するためにEGR(排気再循環装置)が用いられている。このEGRには、排ガスの一部を排気通路から専用の配管を介して吸気通路に導く、いわゆる外部EGRと、排ガスの一部をバルブ・オーバーラップ時に排気通路から燃焼室を介して吸気通路へ戻す内部EGRとがある。
一方、従来の自動二輪車用エンジンは、例えば特許文献1に開示されているように、気筒毎に吸気通路とスロットル弁が設けられた各気筒独立吸気系を有する多気筒エンジンが利用されており、一つのスロットル弁から複数の気筒に吸気が分配される自動車用エンジンの吸気装置に較べてスロットル弁と吸気弁との間の距離が相対的に短くなるように形成されている。このようにスロットル弁の下流側の吸気通路の容積が相対的に少なくなるのは、単気筒エンジンにおいても同様である。
一般に、エンジンの吸気装置において、部分負荷運転時にはスロットル弁が部分開度のためスロットル弁の下流側の吸気通路内の負圧は、吸入行程から圧縮行程へ移行して吸気弁が閉じた後も残留し、次第に低下していく(圧力が高くなる)。自動車用エンジンの吸気装置は、スロットル弁の下流側の吸気通路内の容積が充分に大きいために、スロットル弁の開度が部分開度でも前記吸気通路内の負圧は長時間持続するが、上記のような自動二輪車用エンジンや単気筒エンジンなどのようにスロットル弁の下流側の吸気通路の容積が小さい場合には、スロットル弁が部分開度程度に開いていると前記負圧は吸気弁が閉じている間にほとんど消失する。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特開2001−263186号公報(図2)
発明者らは、前記特許文献1に記載されているような各気筒独立吸気系を有する多気筒の自動二輪車用エンジンや単気筒エンジンの排ガス中のNOX を内部EGRによって低減することを考えている。外部EGRを用いずに内部EGRを用いる理由は、外部EGRは、EGRガス用配管や開閉弁などの外付け部品を多く必要とするために、これを自動二輪車や小型のエンジン駆動装置に装備すると車体や装置が大型化してしまうし、前記開閉弁を正しく開閉させるためにセンサや制御装置が必要になるためコストが高くなってしまうからである。これに対して、内部EGRを用いる場合は、少なくとも排ガスを吸気系に導くための専用の配管が不要になるから、外部EGRを用いる場合よりエンジンをコンパクトに形成することができる。
しかしながら、内部EGRを上記のような自動二輪車用エンジンや単気筒エンジンに装備するに当たっては、この種のエンジンの吸気装置は、自動車用エンジンの吸気装置に較べてスロットル弁の下流側の吸気通路の容積が小さくなるために下記のような問題が生じた。すなわち、内部EGRにより吸気系に戻される排ガスの量(以下、単にEGRガス量という)を多く必要とする部分負荷運転状態で吸気弁が閉じてから次に開くまでの間にスロットル弁の下流側の吸気通路内の負圧が低下してしまい、肝心のオーバーラップ時には負圧が気筒内圧近くまで低下してしまい、さらにスロットル弁下流側の吸気通路の容積が小さいことも重なってEGRガス量が不足してしまうのである。
上述したように負圧が低下するのは、EGRガス量を多く必要とする部分負荷運転時にはスロットル弁が部分開度に開いており、このような状態では、吸気弁が閉じている間にスロットル弁を通って新気がスロットル弁下流側の吸気通路内に吸込まれ、小容積の吸気通路内の負圧は早期に低下し易いからである。このように前記吸気通路内の吸気負圧が低下することによって、バルブ・オーバーラップ時に吸気通路内と燃焼室内との圧力差が小さくなり、排気通路内から燃焼室や吸気通路内へ吸引することができる排ガスの量が少なくなってしまう。
この問題を解消するためには、部分負荷運転時にEGRガス量を増大させるよう吸気装置を工夫する必要があるが、同時にそれ以外の運転域、例えば始動時や、アイドリング運転時、および高負荷運転時などでエンジン毎の異なる要求にも応えられるようにしなければならない。すなわち、始動性を低下させたり、アイドリング運転を不安定にしたり、高出力性能を低下させたりしないよう配慮する必要がある。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、スロットル弁下流側の吸気通路の容積が小さい4サイクルエンジンであっても部分負荷時にEGRガス量を増大させることができるとともに、他の運転域で悪影響の出ることのないようにすることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置は、吸・排気弁のオーバーラップがある単気筒または気筒毎に吸気通路とスロットル弁が設けられた各気筒独立吸気系を有する多気筒エンジンに吸気を供給する4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気弁とスロットル弁との間の吸気通路に制御弁を介して吸気チャンバーを接続し、前記制御弁を、始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時との少なくともいずれかで閉じ、部分負荷運転状態では開く構成としたものである。
請求項2に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置は、請求項1に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置において、制御弁を、始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時とで閉じ、部分負荷運転状態では開く構成としたものである。
請求項3に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置は、請求項1または請求項2に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置において、制御弁をエンジンブレーキ時に開く構成としたものである。
請求項4に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気通路に接続通路を介して吸気チャンバを接続し、この接続通路の途中に制御弁を配設したものである。
請求項5に記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載した発明に係る4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気通路と吸気チャンバーとを接続する接続通路が吸気通路に開口する位置は、燃料供給装置の下流側であって吸気弁の直前とし、前記開口の開口方向は、吸気弁を指向する方向とされているものである。
本発明によれば、始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時の少なくともいずれかでは制御弁が閉じるために、スロットル弁の下流側の吸気通路の容積は略設計上の容積になる。また、部分負荷運転時は、制御弁が開くことによりスロットル弁の下流側の吸気通路が吸気チャンバーに連通され、前記吸気通路の実質的な容積は前記設計上の容積に較べて増大する。
このため、制御弁が開いたときは吸気行程で負圧になる部分の容積が大きくなるから、部分負荷運転時に部分開度となるように開いているスロットル弁を通って新気がスロットル弁の下流側に流入したとしても、前記吸気通路内の圧力の変化は相対的に少なくなり、吸気弁が閉じてから次に開くまでの間、スロットル弁下流側の吸気通路中を負圧が相対的に高い状態に保つことができる。
したがって、アイドリング運転時にEGRが過大となって燃焼が不安定になることがないようにバルブ・オーバーラップ期間を設定しても、部分負荷運転時には吸気チャンバーを用いてEGRガス量を増大させ、NOX の生成量を低く抑えることができる。
また、前記部分負荷運転時は、吸入行程の初期(バルブ・オーバーラップ時)に内部EGRによって吸気通路内の負圧が低下した状態になり、しかも吸気は新気にEGRガスが加えられて十分な量が供給されるのでポンピングロスを低減することができるという効果も奏する。
さらに、前記吸気チャンバーは、エンジンに応じて始動時に制御弁が閉じるようにすれば吸気系から切り離されるから、吸気チャンバーがダンパーとして作用することはなく、低速の始動回転速度でも新気の流速は始動に適するよう高速になる。よって燃料供給装置からの燃料の新気との混合が確実となり、高い始動性が得られる。
さらにまた、前記吸気チャンバーは、エンジンに応じて高負荷運転時には制御弁が閉じることにより吸気系から切り離され、吸気通路は十分な出力特性が得られるよう設計された本来の仕様となるので、吸気慣性を用いて吸気の充填効率を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、アイドリング運転時にEGRが過大となって燃焼が不安定になることがないようにバルブ・オーバーラップ期間を設定しても、部分負荷運転時には吸気チャンバーを用いてEGRガス量を増大させ、NOX の生成量を低く抑えることができる。また、始動時に吸気チャンバーがダンパーとして作用することはないから、低速の始動回転速度でも新気の流速は始動に適するよう高速になる。よって燃料供給装置からの燃料の新気との混合が確実となり、高い始動性が得られる。さらに、高負荷運転時に吸気通路は十分な出力特性が得られるよう設計された本来の仕様となるので、吸気慣性を用いて吸気の充填効率を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、エンジンブレーキ時に制御弁を開くことによりスロットル弁の下流側の吸気通路の実質的な容積が吸気チャンバーによって増大し、負圧になる部分の容積が大きくなるから、吸気弁が閉じている間も新気が吸気チャンバー内に導入され続け、続くバルブ・オーバーラップ時に吸気通路および吸気チャンバーにEGRガスが導入されてこれらの負圧が低下する。すなわち、吸入行程の初期に燃焼室内の圧力が高くなる。しかも、引き続くピストンの下降に伴い吸気チャンバーからも新気とEGRガスが供給される。したがって、スロットル弁が全閉かつエンジン回転速度が高速のエンジンブレーキ時であってもピストンが下降することにより燃焼室内が過度に負圧になることはないから、シリンダーとピストン(ピストンリング)との間の隙間を通って潤滑油がクランク室側から燃焼室内へ吸い出され難くなる。この結果、この吸気装置を装備することによって、潤滑油の消費量を少なく抑えることができ、触媒コンバータが排気装置に装着されている場合は、潤滑油の付着により触媒が劣化することを防ぐことができる。
請求項4記載の発明によれば、吸気通路と制御弁との間と、制御弁と吸気チャンバーとの間にそれぞれ接続通路が設けられるから、制御弁と吸気チャンバーを配設する位置の自由度が高くなる。
請求項5記載の発明によれば、EGRガスは、燃料供給装置より下流側で吸気チャンバーに対して出入りするから、燃料供給装置の燃料出口にEGRガスが接触することがなく、前記燃料出口がカーボンの付着により汚損されることを防ぐことができる。
以下、本発明に係るエンジンの吸気装置の一実施の形態を図1によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る吸気装置を装備したエンジンの要部を示す断面図である。
図1において、符号1で示すものは、この実施の形態による吸気装置を装備した4サイクルエンジンである。このエンジン1は、自動二輪車用水冷式DOHC単気筒型のもので、シリンダ2の軸線Cが車体の斜め上前方を指向するように車体フレーム(図示せず)に搭載される。図1において、3はシリンダボディを示し、4はシリンダヘッド、5はヘッドカバー、6はピストン、7はコンロッド、8は燃焼室、9は点火プラグをそれぞれ示す。
前記シリンダヘッド4は、このエンジン1を車体フレームに搭載した状態で上側となる部位に吸気ポート11が位置付けられるとともに、下側に排気ポート12が位置付けられており、従来からよく知られている構造の動弁装置13が設けられている。前記吸気ポート11と排気ポート12は、燃焼室8側の端部がそれぞれ車幅方向に分岐する二股状を呈するように形成されている。このため、動弁装置13の吸気弁14と排気弁15は、それぞれ車幅方向に並ぶように2本ずつ設けられている4バルブタイプである。前記動弁装置13は、前記吸気弁14と排気弁15とをバルブリフター16および吸・排気カム軸17,18によってそれぞれ駆動する直動式のものである。この実施の形態による吸気カム軸17と排気カム軸18は、吸・排気弁14,15のバルブ・オーバーラップ期間がクランク軸(図示せず)の回転角度で約10°となるように設定されている。なお、このバルブ・オーバーラップ期間は、アイドリング運転時を含む低速運転時に燃焼が不安定になることがない角度であれば、上記10°に限定されることはなく、10°以上に設定することもできる。
前記吸気ポート11は、シリンダヘッド4の上端部に開口しており、上流側端部の軸線方向中央に燃料噴射用凹陥部21が形成されるとともに、二股状の下流側端部のそれぞれに連通孔22が形成され、吸気装置23が接続されている。前記燃料噴射用凹陥部21は、吸気ポート11の内壁における吸気カム軸17側となる一部を吸気カム軸17側へ凹ませるようにして形成され、インジェクタ24が装着されている。
前記連通孔22は、吸気ポート11の内壁におけるシリンダボディ3側となる部位に一端が開口するとともにシリンダヘッド4の上面に他端が開口する状態でシリンダヘッド4に穿設されている。この連通孔22の前記一端は、吸気ポート11における吸気弁14毎の分枝部分にそれぞれ開口している。この連通孔22が吸気ポート11に開口する位置は、前記インジェクタ24の下流側であって吸気弁14の直前に位置付けられている。また、連通孔22の開口方向は、吸気弁14を指向する方向に設定されている。
前記吸気装置23は、吸気ポート11の上流側の開口部に接続されたスロットル弁25と、このスロットル弁25の上流側端部に吸気管26を介して接続されたエアクリーナ27と、前記二つの連通孔22に接続管28を介して接続された制御弁29と、この制御弁29の他端部に接続管30を介して接続された吸気チャンバー31などによって構成されている。前記二つの連通孔22に1本の接続管28を接続するに当たっては分岐ジョイント28aが用いられている。この分岐ジョイントは、内部に通路がY字状を呈するように形成され、二つに分岐された一端部が連通孔22,22に接続され、他端部が接続管28に接続されている。
前記スロットル弁25は、バタフライ型の弁体25aが車幅方向の軸線回りに回動する構造のものが用いられている。前記弁体25aは、図1に示す全閉位置から時計方向に回動して開くように形成されている。前記エアクリーナ27は、図1中には描かれていないが、空気導入口から外気を吸い込み、この外気がエアクリーナエレメントを通過した後に吸気管26に吸い込まれるように構成されている。
前記制御弁29は、バルブボディ32と、円錐台状を呈するように形成された弁体33と、この弁体33を駆動するためのアクチュエータ34とから構成され、図示していないブラケットを介して車体フレームまたはエンジンに支持されている。前記バルブボディ32は、内部に通路35がバルブボディ32内を貫通するように形成されている。このバルブボディ32における前記通路35の一端部に、前記接続管28が接続され、他端部に、吸気チャンバー31から延びる接続管30が接続されている。
前記弁体33は、厚み方向に移動することによって前記通路35をON,OFF式に開閉するもので、弁軸36を介してアクチュエータ34に支持されている。
前記アクチュエータ34は、前記弁軸36の他端部が取付けられたダイヤフラム34aと、このダイヤフラム34aとアクチュエータ上壁との間に弾装された圧縮コイルばね34bとを備えている。前記ダイヤフラム34aは、アクチュエータ34内を上側気室37と下側気室38とに画成し、前記圧縮コイルばね34bは、ダイヤフラム34aを下側気室38の容積が減少する方向へ付勢している。
前記下側気室38は大気に開放され、前記上側気室37は、負圧導入用パイプ41とスロットル弁25の導圧用透孔42などを介して吸気通路に接続されている。
前記導圧用透孔42は、スロットル弁25内の吸気通路に一端が開口している。この開口の位置は、図1に示す全閉位置に位置するスロットル弁25の弁体25aにおける開くときに吸気流の上流側へ移動する半部の端縁(図1においては左側半部の左端)の近傍であって、この弁体25aより吸気流の上流側に設定されている。
このように前記上側気室37を吸気通路に接続することにより、前記吸気通路内の負圧が相対的に小さいときは圧縮コイルばね34bの弾発力によってダイヤフラム34aが下側気室38側へ押され、制御弁29が閉状態となる。制御弁29が閉じるのは、エンジン停止時は当然として本実施例では始動時、アイドリング運転時およびスロットル弁25が略全開となるような高負荷運転時である。一方、この制御弁29は、スロットル弁25が部分開度となるように開き、吸気負圧が前記透孔42から負圧導入用パイプ41を介して前記上側気室37に作用することによって開く。
制御弁29が開くことにより、後述する吸気チャンバー31が接続管30と、制御弁29と、接続管28と、連通孔22とを介して吸気ポート11内に連通されるから、スロットル弁25と吸気弁14との間の吸気通路43の実質的な容積が増大する。なお、制御弁29が閉じている場合は、スロットル弁25の下流側の吸気通路43の容積は設計上の値になる。なお、接続管28は、可能な限り短い方が好ましい。
前記吸気チャンバー31は、内部が閉空間となるように形成され、この実施の形態では、両端が閉塞された円筒状を呈するように形成されている。この吸気チャンバー31の容積は、前記スロットル弁25の下流側の吸気通路43の容積に対応させて所定の容積に設定されている。
上述したように構成されたエンジンの吸気装置23においては、エンジン始動時にはスロットル弁は全閉位置にあって上側気室37に負圧が作用せず制御弁29が閉じているためにスロットル弁25の下流側の吸気通路43の容積が設計上の値となり、スロットル弁25を通過する新気の流速は始動に適するように高速になる。このため、インジェクタ24から噴射された燃料が新気に確実に混合し、高い始動性が得られる。この実施の形態ではインジェクタ24を用いて燃料を供給しているが、制御弁29を閉じておくことによって、気化器(図示せず)を使用する場合でも燃料を充分に吸い出し霧化することができる。
アイドリング運転時は、始動時と同様にスロットル弁は全閉位置にあって制御弁29が閉じているために、スロットル弁25の下流側の吸気通路43の容積が設計上の値になり、しかも、部分負荷運転時のEGRガス量増大を吸気チャンバーで達成するのでこのエンジン1のバルブ・オーバーラップ期間はアイドリング運転時のEGR効果を抑えた燃焼安定性重視の角度に設定されており、このバルブ・オーバーラップ時にEGRガスが吸気通路43に導入されることがあったとしても少量であり、燃焼安定性は損なわれることはない。
スロットル弁25の開度が増大して部分開度程度になると、言い換えれば部分負荷運転時には、吸気通路内の負圧が制御弁29のアクチュエータ34に導かれて制御弁29が開く。このように制御弁29が開くことにより、スロットル弁25の下流側の吸気通路43が吸気チャンバー31に連通され、前記吸気通路43の実質的な容積は前記設計上の容積に較べて増大する。この状態では、前記吸気チャンバー31内は吸入行程で負圧になり、吸気弁14が閉じた後も負圧状態に維持される。吸気弁14が閉じた後に、部分開度となるように開いているスロットル弁25を通って新気が上流よりスロットル弁25の下流側の吸気通路43、さらには吸気チャンバー31に流入するが、上述したようにこの吸気通路43の実質的な容積が増大されているために、吸気通路43内の圧力の変化は相対的に少なくなるから、吸気弁14が閉じてから次に開くまでの間に前記吸気通路43中を負圧が高い状態に保つことができる。
このような負圧が高い状態で次に(バルブ・オーバーラップ時に)吸気弁14が開くことにより、EGRガスの一部が排気ポート12内から燃焼室8内を通って吸気ポート11内に吸引され、スロットル弁25の下流側の吸気通路43と、吸気チャンバー31内および吸気チャンバー31と吸気ポート11との間の接続管28,30内にEGRガスが導入される。その後、排気弁15が閉じ、ピストン6が下降することにより、前記EGRガスと、新気と、燃料とが混合されて燃焼室8内に吸い込まれる。
したがって、アイドリング運転時に燃焼が不安定になることがないようにバルブ・オーバーラップ期間を設定しながら、部分負荷運転時には吸気チャンバー31を用いてEGRガス量を増大させ、NOX の生成量を低く抑えることができる。
また、この部分負荷運転時は、吸入行程の初期(バルブ・オーバーラップ時)に上述した内部EGRによって吸気通路43内の負圧が低下した状態になり、しかも吸気は新気にEGRガスが加えられて十分な量が供給されるので、ポンピングロスを低減することができる。
スロットル弁25が略全開となるような高負荷運転時は、上側気室37に作用する吸気負圧は小さく、前記制御弁29が圧縮コイルばね34bの弾発力で閉じることにより吸気チャンバー31が吸気系から切り離され吸気通路は十分な出力性能が得られるよう設計された本来の仕様となるので、吸気慣性を用いて吸気の充填効率を向上させることができる。
この実施の形態ではスロットル弁の位置によって変化する吸気負圧を動力源として動作する制御弁29を使用しているが、本発明を実施するに当たり使用する制御弁は、このような限定にとらわれることなく、適宜変更することができる。例えば、スロットル開度とエンジン回転速度または吸気負圧をセンサによって検出し、これらのセンサの出力に対応して駆動する電動式アクチュエータによって開閉する構成のものを使用することができる。このように電動式のアクチュエータを用いる場合には、エンジンに応じて始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時の任意の条件でも制御弁を閉じることができ、また、スロットル弁25の下流側の吸気負圧が高くかつエンジン回転数が高いとき、例えばスロットル弁25を全閉として下り坂を走行するようなエンジンブレーキ時にも制御弁を開くことができるようになる。
この構成を採ることにより、エンジンブレーキ時にスロットル弁25の下流側の吸気通路43の実質的な容積が吸気チャンバー31によって増大し、負圧になる部分の容積が大きくなるから、吸気弁14が閉じている間も新気が吸気チャンバー31内に導入され続け、続くバルブ・オーバーラップ時に吸気通路43および吸気チャンバー31にEGRガスが導入されてこれらの負圧が低下する。すなわち、吸入行程の初期に燃焼室内の圧力が高くなる。しかも、引き続くピストン6の下降に伴い吸気チャンバー31からも新気とEGRガスが供給される。したがって、スロットル弁25が全閉かつエンジン回転速度が高速のエンジンブレーキ時であってもピストン6が下降することにより燃焼室8内が過度に負圧になることはないから、シリンダ2とピストン6(ピストンリング)との間の隙間を通って潤滑油がクランク室側から燃焼室8内へ吸い出され難くなる。この結果、この吸気装置23を装備することによって、潤滑油の消費量を少なく抑えることができ、触媒コンバータが排気装置に装着されている場合は、潤滑油の付着により触媒が劣化することを防ぐことができる。
この実施の形態による吸気装置23は、吸気通路43と制御弁29との間に接続管28が設けられ、制御弁29と吸気チャンバー31との間に接続管30が設けられているから、制御弁29と吸気チャンバー31を配設する位置の自由度を向上させることができる。
この実施の形態による吸気装置23は、EGRガスは、インジェクタ24より下流側で吸気チャンバー31に対して出入りするから、インジェクタ24の燃料出口にEGRガスが接触することがなく、前記燃料出口がカーボンの付着により汚損されることを防ぐことができる。
本発明に係る吸気装置を装備したエンジンの要部を示す断面図である。
符号の説明
1…エンジン、14…吸気弁、15…排気弁、23…吸気装置、25…スロットル弁、29…制御弁、31…吸気チャンバー、43…スロットル弁の下流側の吸気通路。

Claims (5)

  1. 吸・排気弁のオーバーラップがある単気筒または気筒毎に吸気通路とスロットル弁が設けられた各気筒独立吸気系を有する多気筒エンジンに吸気を供給する4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気弁とスロットル弁との間の吸気通路に制御弁を介して吸気チャンバーを接続し、前記制御弁を、始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時との少なくともいずれかで閉じ、部分負荷運転状態では開く構成とした4サイクルエンジンの吸気装置。
  2. 請求項1記載の4サイクルエンジンの吸気装置において、制御弁を、始動時と、アイドリング運転時と、高負荷運転時とで閉じ、部分負荷運転状態では開く構成としてなる4サイクルエンジンの吸気装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の4サイクルエンジンの吸気装置において、制御弁をエンジンブレーキ時に開く構成としてなる4サイクルエンジンの吸気装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気通路に接続通路を介して吸気チャンバーを接続し、この接続通路の途中に制御弁を配設してなる4サイクルエンジンの吸気装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の4サイクルエンジンの吸気装置において、吸気通路と吸気チャンバーとを接続する接続通路が吸気通路に開口する位置は、燃料供給装置の下流側であって吸気弁の直前とし、前記開口の開口方向は、吸気弁を指向する方向とされている4サイクルエンジンの吸気装置。
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