JP2005171790A - 多気筒4サイクル内燃機関 - Google Patents

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信一 竹村
Takanobu Sugiyama
孝伸 杉山
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Abstract

【課題】吸気コレクタ61とブランチ部62〜67とを含む吸気系を小型化する。
【解決手段】バンク角が60°のV型6気筒機関に用いられる吸気系として、吸気コレクタ61から各気筒の吸気ポートへ至るブランチ部62〜67を備えているが、♯1気筒のブランチ部62と♯2気筒のブランチ部63とは、上流側部分が一体化されており、その通路断面積が2気筒分よりも小さくなっている。「♯3、♯4気筒」、「♯5、♯6気筒」のブランチ部も同様に一体化される。6気筒の吸気順が、例えば、「♯1→♯4→♯5→♯2→♯3→♯6」に設定され、隣接する2気筒の吸気行程は360°CA異なる。さらに、リフト・作動角を可変制御する可変動弁機構と組み合わせることで、隣接する気筒による吸気圧力脈動の影響による吸気量のばらつきが小さくなっている。
【選択図】図2

Description

この発明は、4サイクル(4ストローク−サイクル)の多気筒内燃機関に関し、特に、その吸気系の改良に関する。
4サイクル内燃機関は、周知のように、クランクシャフトの2回転(720°CA)の間に、吸気−圧縮−膨張−排気の4行程がなされるので、例えば6気筒機関であれば、120°CA間隔毎に各気筒の爆発が順次行われることになる。そして、近時の多気筒内燃機関においては、各気筒の吸気の干渉を回避するために、十分な容積を有する吸気コレクタを用い、かつ各気筒の吸気ポートと吸気コレクタとを、各気筒毎に分離独立したブランチ部によって連通した構成が一般的である。
例えば、特許文献1には、V型6気筒内燃機関において、吸気コレクタと一体に6本のブランチ部を形成し、各ブランチ部の先端を各気筒の吸気ポートにそれぞれ接続した吸気系の構成が開示されている。
また特許文献2は、本出願人が先に提案した可変動弁機構を用いた内燃機関の吸気制御装置を開示している。
特開平7−19132号公報 特開2002−256905号公報
多気筒内燃機関において、上記のように各気筒毎に分離独立したブランチ部を設けると、吸気コレクタを中心とした吸気系全体が大型化し、内燃機関の小型化の障害となる。例えば、上記特許文献1の吸気装置では、一対のブランチ部を、中央の隔壁を共用する形で一体に鋳造することで、小型化を図っているが、このように一体に鋳造しても、ブランチ部の通路断面積に特に変わりはなく、十分な小型化は困難である。
そこで、この発明は、各気筒の吸気ポートがブランチ部によって吸気コレクタに接続された多気筒4サイクル内燃機関において、内燃機関の前後方向に隣接しかつ吸気行程が重ならない2つの気筒を1つの気筒群とし、その2つの気筒のブランチ部を、上流側部分で一体に合流させ、1本の通路として吸気コレクタの1つの開口部に接続したものである。望ましくは、1つの気筒群となる隣接する2つの気筒の吸気行程が、360°CA異なっている。
なお、本発明において、「内燃機関の前後方向に隣接する気筒」とは、クランクシャフトを基準として見たときに前後に隣接している気筒を意味し、例えば、V型内燃機関の♯1気筒と♯2気筒は、それぞれ左右の異なるバンクに配置されるが、「内燃機関の前後方向に隣接する気筒」に該当する。
このように吸気行程が重ならない隣接する2つの気筒のブランチ部を1本に合流させることで、吸気系が小型化される。特に、2つの気筒で共用されるブランチ部の上流側部分は、2つの気筒の吸気が同時に通過することがないので、その通路断面積を、2気筒分の通路断面積よりも小さく設定することが可能であり、吸気系全体の小型化の上で有利となる。
本発明は、V型6気筒内燃機関、特にバンク角が60°のV型6気筒内燃機関に好適である。V型6気筒内燃機関は、通常、吸気順(つまり爆発の順序)が♯1→♯2→♯3→♯4→♯5→♯6の順であり、隣接する気筒の吸気行程が連続するので、ブランチ部を共通化することはできないが、吸気順の工夫により、隣接する2つの気筒の吸気行程が360°CA異なるようにすることができる。
例えば、吸気順を♯1→♯3→♯6→♯2→♯4→♯5とすれば、互いに隣接する♯1気筒と♯2気筒の吸気行程が360°CA異なる。同様に、♯3気筒と♯4気筒、♯5気筒と♯6気筒、の吸気行程も360°CA異なる。従って、これらの3つの気筒群で、それぞれのブランチ部の一体化が可能となる。
あるいは、吸気順を♯1→♯4→♯5→♯2→♯3→♯6としてもよい。
あるいは、吸気順を♯1→♯3→♯5→♯2→♯4→♯6としてもよい。
また、本発明は、吸気弁のバルブリフト特性を可変制御可能な可変動弁機構を備えた内燃機関、特に、基本的にスロットル弁に依存せずに、吸気弁のバルブリフト特性によって吸気量を制御するようにした内燃機関に好適である。可変動弁機構としては、種々の形式が可能であるが、例えば、前述した特許文献2に記載のような可変動弁機構と組み合わせることができる。
可変動弁機構として、内燃機関の低負荷側の領域で、リフト量を変化させることで吸気量の制御を行う構成の場合には、吸気弁の弁隙間を通過する吸気流の流速が非常に高くなり、流れがチョークした状態となるので、ある気筒の吸気行程において、隣接する気筒の吸気圧力脈動が残存していても、吸気量への影響は小さい。
また可変動弁機構として、吸気弁の作動角を可変制御可能な構成であれば、例えば低中負荷域で作動角が小さな状態で運転されるので、隣接する2つの気筒の間で、一方の気筒の吸気行程が終了してから隣接する気筒の吸気行程が開始するまでの期間が、より長く与えられる。これにより、隣接する気筒による吸気圧力脈動の影響が抑制される。
この発明によれば、吸気コレクタおよびブランチ部を含む吸気系の小型化が図れ、内燃機関全体の小型化が可能となる。
以下、V型6気筒ガソリン機関に適用した本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、V型6気筒機関の気筒配置を示した平面図であって、図の左方が内燃機関の前方となる。図示するように、前方から、♯1、♯2、♯3、♯4、♯5、♯6の6つの気筒が並んでおり、奇数気筒つまり♯1、♯3、♯5気筒は、右バンク51に配置され、偶数気筒つまり♯2、♯4、♯6気筒は、左バンク52に配置されている。左右バンクのシリンダヘッドには、それぞれ、バンク間となる機関中央部に向かって吸気ポートが形成され、バンクの外側つまり機関両側へ向かって排気ポートが形成されている(いずれも図示せず)。
図2は、この実施例のV型6気筒ガソリン機関に用いられる吸気系の構成を示しており、内燃機関の前後方向に沿って細長く延びた吸気コレクタ61を有し、かつこの吸気コレクタ61の一方の側面から、各気筒の吸気ポートへ向かってブランチ部62〜67が形成されている。ここで、第1のブランチ部62は、その先端が♯1気筒の吸気ポートに接続され、第2のブランチ部63は、その先端が♯2気筒の吸気ポートに接続されるが、これらの2つの気筒に向かうブランチ部62,63は、上流側部分が1本の通路をなすように一体に合流しており、吸気コレクタ61の1つの開口部に接続されている。換言すれば、吸気コレクタ61に1本の管として接続され、かつその先端側部分が二股状に分岐して、♯1気筒の吸気ポートと♯2気筒の吸気ポートとにそれぞれ接続されている。そして、吸気コレクタ61との接続部となる上流端の通路断面積つまり吸気コレクタ61における2気筒に共通の1つの開口部の開口面積は、2本に分岐した下流側のブランチ部62,63の通路断面積の和よりも小さく設定されている。つまり、後述するように、♯1気筒用のブランチ部62と♯2気筒用のブランチ部63とに同時に吸気が流れることはないので、両者が合流している上流側部分の通路断面積としては、2気筒分は必要なく、少なくとも1気筒分だけあれば足りる。
同様に、♯3気筒に接続される第3のブランチ部64と♯4気筒に接続される第4のブランチ部65は、上流側部分が1本の通路をなすように一体に合流しており、吸気コレクタ61の1つの開口部に接続されている。さらに、♯5気筒に接続される第5のブランチ部66と♯6気筒に接続される第6のブランチ部67も、上流側部分が1本の通路をなすように一体に合流しており、吸気コレクタ61の1つの開口部に接続されている。
つまり、この実施例では、♯1気筒と♯2気筒、♯3気筒と♯4気筒、♯5気筒と♯6気筒、の3つの気筒群に分けられており、それぞれの気筒群で、1本の管をなすように一対のブランチ部が一体化されている。この結果、吸気コレクタ61の前後長の短縮化ならびにブランチ部62〜67の上流側部分の小型化が図れる。なお、上記吸気コレクタ61とブランチ部62〜67とは、例えば一体に鋳造もしくは成形されている。
上記吸気コレクタ61の長手方向の一端部には、図示せぬ吸気ダクトが接続される吸気入口68が設けられており、ここに、電子制御スロットル弁69が配置されている。この電子制御スロットル弁69は、後述するように、吸気コレクタ61内に所定の負圧を生成するためのものであり、吸気量の制御は、後述する可変動弁機構を用いた吸気弁のバルブリフト特性の可変制御によって実現される。
次に、図3は、上記のガソリン機関において、吸気弁11を駆動する可変動弁機構の構成を示す構成説明図であり、以下、これを説明する。この可変動弁機構は、吸気弁のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬクランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構21と、が組み合わされて構成されている。なお、この可変動弁機構そのものは、前述した特許文献2に開示されているものと同様のものであり、左右バンク51,52のそれぞれに設けられている。
リフト・作動角可変機構1は、シリンダヘッド(図示せず)に摺動自在に設けられた吸気弁11と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)に回転自在に支持された駆動軸2と、この駆動軸2に、圧入等により固定された偏心カム3と、上記駆動軸2の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸2と平行に配置された制御軸12と、この制御軸12の偏心カム部18に揺動自在に支持されたロッカアーム6と、各吸気弁11の上端部に配置されたタペット10に当接する揺動カム9と、を備えている。上記偏心カム3とロッカアーム6とはリンクアーム4によって連係されており、ロッカアーム6と揺動カム9とは、リンク部材8によって連係されている。
上記駆動軸2は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
上記偏心カム3は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸2の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム4の環状部が回転可能に嵌合している。
上記ロッカアーム6は、略中央部が上記偏心カム部18によって揺動可能に支持されており、その一端部に、連結ピン5を介して上記リンクアーム4のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン7を介して上記リンク部材8の上端部が連係している。上記偏心カム部18は、制御軸12の軸心から偏心しており、従って、制御軸12の角度位置に応じてロッカアーム6の揺動中心は変化する。
上記揺動カム9は、駆動軸2の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、連結ピン17を介して上記リンク部材8の下端部が連係している。この揺動カム9の下面には、駆動軸2と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム9の揺動位置に応じてタペット10の上面に当接するようになっている。
すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム9が揺動してカム面がタペット10に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
上記制御軸12は、図3に示すように、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ13によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ13は、例えばウォームギア15を介して制御軸12を駆動するサーボモータ等からなり、エンジンコントロールユニット19からの制御信号によって制御されている。なお、制御軸12の回転角度は、制御軸センサ14によって検出される。
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明すると、駆動軸2が回転すると、偏心カム3のカム作用によってリンクアーム4が上下動し、これに伴ってロッカアーム6が揺動する。このロッカアーム6の揺動は、リンク部材8を介して揺動カム9へ伝達され、該揺動カム9が揺動する。この揺動カム9のカム作用によって、タペット10が押圧され、吸気弁11がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用アクチュエータ13を介して制御軸12の角度が変化すると、ロッカアーム6の初期位置が変化し、ひいては揺動カム9の初期揺動位置が変化する。
例えば偏心カム部18が図の上方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として上方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10から離れる方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、基円面が長くタペット10に接触し続け、カム面がタペット10に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部18が図の下方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として下方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10に近付く方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、タペット10と接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
上記の偏心カム部18の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。各部のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構21は、図3に示すように、上記駆動軸2の前端部に設けられたスプロケット22と、このスプロケット22と上記駆動軸2とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ23と、から構成されている。上記スプロケット22は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相制御用アクチュエータ23は、例えば油圧式、電磁式などの回転型アクチュエータからなり、エンジンコントロールユニット19からの制御信号によって制御されている。この位相制御用アクチュエータ23の作用によって、スプロケット22と駆動軸2とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この位相可変機構21の制御状態は、駆動軸2の回転位置に応答する駆動軸センサ16によって検出される。
なお、リフト・作動角可変機構1ならびに位相可変機構21の制御としては、各センサ14,16の検出に基づくクローズドループ制御に限らず、運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
このような可変動弁機構を吸気弁側に備えた本発明の内燃機関は、基本的に前述のスロットル弁69に依存せず、吸気弁11の可変制御によって吸気量が制御される。なお、実用機関では、ブローバイガスの還流等のために吸気系に若干の負圧が存在していることが好ましいので、前述のようにスロットル弁69が負圧生成のために設けられており、吸気コレクタ61内の圧力が所定の負圧(例えば−50mmHg)となるように、その開度が制御される。
次に、図4および図5に基づいて、バルブリフト特性の具体的な制御について説明する。まず、図5は、運転領域の中で、主にリフト量に着目して吸気量の制御が行われるバルブリフト制御域と、主にバルブタイミングに着目して吸気量の制御が行われるバルブタイミング制御域と、を示している。上流バルブリフト制御域は、アイドルを含む極低負荷域に相当する。
図5は、代表的な運転条件における吸気弁のバルブリフト特性を示したもので、図示するように、アイドル等の極低負荷域においては、リフト量が極小リフトとなる。これは特に、リフト中心角の位相が吸気量に影響しない程度にまで小さなリフト量となる。そして、位相可変機構21によるリフト中心角の位相は、最も遅角した位置となり、これによって、閉時期は、下死点直前位置となる。
このように極小リフトとすることによって、吸気流が吸気弁11の間隙においてチョークした状態となり、極低負荷域で必要な微小流量が安定的に得られる。そして、閉時期が下死点近傍となることから、有効圧縮比は十分に高くなり、極小リフトによるガス流動の向上と相俟って、比較的良好な燃焼を確保できる。
一方、アイドル等の極低負荷域よりも負荷の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル状態を含む)においては、リフト・作動角が大きくなり、かつリフト中心角は進角した位置となる。このときには、上述したように、バルブタイミングをも考慮して吸気量制御が行われることになり、吸気弁閉時期を早めることで、吸気量が比較的少量に制御される。この結果、リフト・作動角はある程度大きなものとなり、吸気弁11によるポンピングロスが低減する。
なお、アイドル等の極低負荷域における極小リフトでは、前述したように、位相を変更しても吸気量は殆ど変化しないので、極低負荷域から低負荷域へと移行する場合には、位相変更よりも優先して、リフト・作動角を拡大する必要がある。空調用コンプレッサ等の補機の負荷が加わった場合も同様である。
一方、さらに負荷が増加し、燃焼が安定してくる中負荷域では、図5に示すように、リフト・作動角をさらに拡大しつつ、リフト中心角の位相を進角させる。リフト中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。これにより、内部EGRが利用され、一層のポンピングロス低減が図れる。
また、最大負荷時には、さらにリフト・作動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように位相可変機構21を制御する。なお、図示するように、機関回転数によっても最適なバルブリフト特性は異なるものとなる。
上記のようにアイドル等の極低負荷域では、バルブリフト制御域として主にリフト量による微小流量の制御が行われるのであるが、バルブタイミング制御域となる低負荷域との境界つまり制御の切換点は、実際の燃焼安定状態に応じて補正することが好ましい。あるいは、制御の簡略化のために、機関温度を検出し、これに応じて補正することも可能である。このように補正することで、燃焼の悪化を来さない範囲でバルブタイミング制御域を拡大することができ、ポンピングロス低減の上で有利となる。
次に、本実施例のV型6気筒ガソリン機関における6気筒の吸気順(換言すれば点火順序)、ならびに、クランクシャフトにおけるクランクピンの位置(位相)について説明する。なお、この実施例は、バンク角が60°のV型機関である。
図6は、第1実施例のクランクピン位置を示している。この例では、機関前方から見て時計回り方向にクランクシャフトが回転するものとして、各気筒のクランクピンは、図示するように、♯1気筒から時計回り方向に60°ずつずれた形で、♯2、♯5、♯6、♯3、♯4、の順に配置されている。この結果、吸気順は、「♯1→♯4→♯5→♯2→♯3→♯6」の順となる。
図7は、このような吸気順による各気筒の吸気行程の期間を示したものである。この図は、特に、前述した可変動弁機構によって作動角が最大に制御されたときの状態を示している。この図に明らかなように、各気筒の作動角は180°CA以上の大きさとなるが、気筒群として組み合わせた「♯1気筒と♯2気筒」、「♯3気筒と♯4気筒」、「♯5気筒と♯6気筒」の2つの気筒の吸気行程に着目すると、互いに360°CA異なる位置となり、両者の吸気行程が重なることはない。
従って、前述したように、2つの気筒のブランチ部62〜67を一体化しても、それぞれの気筒で吸気量の低下を招くことがない。
なお、従来のように各気筒毎にブランチ部が完全に分離独立している場合には、吸気弁開時期から次の吸気弁開時期までの期間が720°CAであるのに対し、本実施例では、例えば♯1気筒の吸気弁開時期から♯2気筒の吸気弁開時期までの期間が360°CAと半減するため、先の吸気行程で生じた吸気圧力脈動が十分に減衰しない間に次の吸気行程が開始され、吸気量のばらつきに影響する虞がある。この気筒間の吸気量のばらつきは、特に、アイドルのような吸気量が少ない条件のときに問題となる。しかしながら、上記の可変動弁機構と組み合わせた本実施例では、アイドルのような低負荷時に、図5で説明したように、バルブリフト制御域として、リフト量でもって吸気弁11を通過する吸気流量が制御される。この条件下では、前述したように、吸気弁11の弁隙間での流速が音速近くになって吸気流がチョークした状態となるので、吸気圧力脈動による吸気量のばらつきが非常に小さく抑制される。そして、中高負荷域のような吸気量が大となる運転条件下では、残存する吸気圧力脈動による吸気量のばらつきは、実質的に問題とならない。
さらに、上記のように可変動弁機構と組み合わせた構成では、低負荷時には、吸気弁11の作動角が小さく制御されるので、例えば、図8に示すように、2つの気筒の吸気行程がそれぞれ短くなり、一方の気筒の吸気行程が終了してから他方の気筒の吸気行程が開始されるまでの期間が、より長くなる。従って、吸気圧力脈動が減衰する時間が長く確保され、この点からも吸気量のばらつきが生じにくくなる。
次に、図9は、第2実施例のクランクピン位置を示している。この例では、機関前方から見て時計回り方向にクランクシャフトが回転するものとして、各気筒のクランクピンは、図示するように、♯1気筒から時計回り方向に60°ずつずれた形で、♯6、♯5、♯4、♯3、♯2、の順に配置されている。この結果、吸気順は、「♯1→♯3→♯5→♯2→♯4→♯6」の順となる。
図10は、この第2実施例の吸気順による各気筒の吸気行程の期間を示している。この図に明らかなように、第2実施例の吸気順によっても、第1実施例と全く同様に、2つの気筒の吸気行程の干渉を回避することができる。なお、可変動弁機構により吸気量のばらつきが抑制されるのは、上述した第1実施例と全く同様である。
さらに、図11は、第3実施例のクランクピン位置を示している。この例では、機関前方から見て時計回り方向にクランクシャフトが回転するものとして、各気筒のクランクピンは、図示するように、♯1気筒から時計回り方向に60°ずつずれた形で、♯2、♯5、♯6、♯3、♯4、の順に配置されている。この結果、吸気順は、「♯1→♯3→♯6→♯2→♯4→♯5」の順となる。
図12は、この第3実施例の吸気順による各気筒の吸気行程の期間を示している。この図に明らかなように、第3実施例の吸気順によっても、第1、第2実施例と全く同様に、2つの気筒の吸気行程の干渉を回避することができる。なお、可変動弁機構により吸気量のばらつきが抑制されるのは、上述した第1、第2実施例と全く同様である。
図13は、参考例として、一般的なバンク角60°のV型6気筒機関におけるクランクピン位置を示している。機関前方から見て時計回り方向にクランクシャフトが回転するものとして、各気筒のクランクピンは、図示するように、♯1気筒から時計回り方向に60°ずつずれた形で、♯4、♯3、♯6、♯5、♯2、の順に配置されている。そして、吸気順は、「♯1→♯2→♯3→♯4→♯5→♯6」の順となる。図14は、この場合の各気筒の吸気行程の期間を示している。この図に明らかなように、従来の一般的な吸気順では、隣接する2つの気筒の吸気行程が重なってしまい、それぞれの吸気通路を一体化することはできない。
なお、第1実施例のクランクピンの配置(図6)は、図13に示した従来のクランクピンの配置と対称となっているため、クランクシャフトの製造に際しては、従来のクランクシャフト製造型を大きく変更することなく、製造が可能である。これは、第3実施例のクランクピンの配置(図11)についても同様である。
以上、この発明を、可変動弁機構と組み合わせたV型6気筒ガソリン機関を例に詳細に説明したが、この発明は、この実施例に限定されるものではなく、可変動弁機構を具備しない固定バルブリフト特性の吸気弁であっても同様に適用が可能であり、またガソリン機関に限らず、ディーゼル機関にも適用が可能である。さらに、V型6気筒機関のほかにも、種々の形式の機関に適用が可能である。
この発明の一実施例のV型6気筒機関の気筒配置を示す平面図。 この実施例の吸気系の構成を示す平面図。 この実施例に用いられる可変動弁機構の構成を示す斜視図。 バルブリフト制御域とバルブタイミング制御域とを示す特性図 代表的な運転条件でのバルブリフト特性を示す特性図。 第1実施例のクランクピンの配置を示す説明図。 第1実施例の各気筒の吸気行程を示すタイミングチャート。 作動角を小さく制御した状態を示す図7と同様のタイミングチャート。 第2実施例のクランクピンの配置を示す説明図。 第2実施例の各気筒の吸気行程を示すタイミングチャート。 第3実施例のクランクピンの配置を示す説明図。 第3実施例の各気筒の吸気行程を示すタイミングチャート。 従来のクランクピンの配置を示す説明図。 従来の各気筒の吸気行程を示すタイミングチャート。
符号の説明
61…吸気コレクタ
62〜67…ブランチ部

Claims (10)

  1. 各気筒の吸気ポートがブランチ部によって吸気コレクタに接続された多気筒4サイクル内燃機関において、内燃機関の前後方向に隣接しかつ吸気行程が重ならない2つの気筒のブランチ部を、上流側部分で一体に合流させ、吸気コレクタの1つの開口部に接続したことを特徴とする多気筒4サイクル内燃機関。
  2. 各気筒の吸気ポートがブランチ部によって吸気コレクタに接続された多気筒4サイクル内燃機関において、内燃機関の前後方向に隣接しかつ吸気行程が360°CA異なる2つの気筒のブランチ部を、上流側部分で一体に合流させ、吸気コレクタの1つの開口部に接続したことを特徴とする多気筒4サイクル内燃機関。
  3. 吸気順を♯1→♯3→♯6→♯2→♯4→♯5としたV型6気筒内燃機関として構成され、♯1気筒と♯2気筒、♯3気筒と♯4気筒、♯5気筒と♯6気筒、の3つの気筒群で、それぞれのブランチ部が一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  4. 吸気順を♯1→♯4→♯5→♯2→♯3→♯6としたV型6気筒内燃機関として構成され、♯1気筒と♯2気筒、♯3気筒と♯4気筒、♯5気筒と♯6気筒、の3つの気筒群で、それぞれのブランチ部が一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  5. 吸気順を♯1→♯3→♯5→♯2→♯4→♯6としたV型6気筒内燃機関として構成され、♯1気筒と♯2気筒、♯3気筒と♯4気筒、♯5気筒と♯6気筒、の3つの気筒群で、それぞれのブランチ部が一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  6. バンク角が60°であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  7. 上記ブランチ部の上記吸気コレクタとの接続部における1つの開口部の通路面積が、吸気ポートにそれぞれ接続された2つの下流端部の通路断面積の和よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  8. 吸気弁のバルブリフト特性を可変制御可能な可変動弁機構を備え、バルブリフト特性によって吸気量を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  9. 内燃機関の低負荷側の領域では、リフト量を変化させることで吸気量の制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の多気筒4サイクル内燃機関。
  10. 上記可変動弁機構は、吸気弁の作動角を可変制御可能な構成であることを特徴とする請求項8または9に記載の多気筒4サイクル内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007255203A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Nissan Motor Co Ltd エンジンの制御装置

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