JP4253786B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に表示装置に図柄が可変表示される構成の遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
上記遊技機にはパチンコ球が始動口内に入賞することに基づいて大当りおよび外れを判定し、図柄の可変表示を大当りおよび外れの判定結果に応じた態様で停止させることに基づいて大当りおよび外れの判定結果を遊技者に報知する構成のものがある。この構成の場合、大当りの判定時には入賞口を開放し、パチンコ球が入賞口内に入賞することを許容する大当り遊技を行っている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコホールには台島に複数の同一機種が並べられていることが多い。このため、遊技者が遊技中に左右の遊技者の演出画面を見て自己の遊技台の演出画面を予測することができるので、自己の遊技に対する集中度が低くなる傾向にある。また、日頃から大当りが頻繁に発生する台や台島の端に位置する端台等は数多くの遊技者が好んで遊技を行う。これに対して日頃から大当りが発生し難い台等は遊技者に敬遠され易く、台毎の客付きの程度に大きなばらつきがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、第１の目的は自己の遊技に対する集中度を高めることができる遊技機を提供することにある。第２の目的は日頃の客付きが良い場合には客付きを一層良くし、日頃の客付きが悪い場合には客付きの悪さを改善できる遊技機を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
請求項１に係る遊技機は、パチンコ球が発射される遊技盤と、前記遊技盤に設けられパチンコ球が入賞することが可能な始動口と、前記遊技盤に設けられパチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて３列の図柄のそれぞれが可変表示されると共に３列の図柄のそれぞれが予め決められた順序で停止表示される表示装置と、電源が投入されることに基づいてタイマをスタートさせることで電源投入時を基準とする経過時間であるパチンコホールの営業時間を計測する手段と、予め決められた３つのスペックのうちからスペックを選択的に設定するものであって電源投入時にはスペックを予め決められたものに初期設定する確率設定手段と、第１のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第１のランダムカウンタを更新するものであって第１のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、３つのスペックのそれぞれに対して第１のランダムカウンタの初期値および上限値の範囲内の値である複数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録された記録手段と、第２のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第２のランダムカウンタを更新するものであって第２のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて第２のランダムカウンタの更新結果を検出し第２のランダムカウンタの検出結果が予め決められた大当り値と同一である場合に大当りであると判定すると共に予め決められた大当り値と相違している場合に大当りではないと判定する手段と、大当りであると判定された場合に３列の図柄を相互に同一な大当りの組合せに設定する手段と、大当りではないと判定された場合にスペックテーブルからスペックの設定結果に応じた複数の外れリーチ値を検出する手段と、大当りではないと判定された場合に第１のランダムカウンタの更新結果を検出し第１のランダムカウンタの検出結果が複数の外れリーチ値の検出結果のいずれかと同一である場合に外れリーチであると判定すると共に複数の外れリーチ値の検出結果のいずれとも相違している場合に完全外れであると判定する判定手段と、外れリーチであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に同一で３番目の図柄が１番目の図柄および２番目の図柄のそれぞれと相違する外れリーチの組合せに設定する手段と、完全外れであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に異なる完全外れの組合せに設定する手段と、複数の変動パターンのそれぞれに対して３列の図柄を可変状態で表示開始してから停止順序が３番目の図柄を停止表示するまでの所要時間である変動表示時間を設定してなる変動パターンテーブルが予め記録された手段と、第３のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第３のランダムカウンタを更新するものであって第３のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、大当りであると判定された場合と外れリーチであると判定された場合と完全外れであると判定された場合のそれぞれで第３のランダムカウンタの更新結果を検出し変動パターンテーブルから第３のランダムカウンタの検出結果に応じた変動パターンを選択する手段と、変動パターンが選択された場合に変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する手段と、電源が投入されることに基づいてカウンタをリセットするものであって変動パターンテーブルから変動表示時間が選択された場合に変動表示時間の選択結果をカウンタに加算することで電源投入時を基準に変動表示時間を累積的に計測する手段と、変動パターンテーブルから変動パターンが選択された場合に予め決められた複数の表示パターンのうちから変動パターンの選択結果に応じたものを選択する手段と、前記表示装置に表示パターンの選択結果に応じた内容で３列の図柄のそれぞれが可変表示されてから停止順序が３番目の図柄が停止表示されるまでの様子を表示するものであって大当りであると判定された場合には３列の図柄のそれぞれを大当りの組合せの設定結果で停止表示し外れリーチであると判定された場合には外れリーチの組合せの設定結果で停止表示し完全外れであると判定された場合には完全外れの組合せの設定結果で停止表示する手段と、パチンコホールの営業時間の計測結果を予め決められた値と 比較する手段と、パチンコホールの営業時間の計測結果が予め決められた値に到達していると判断された場合に変動表示時間の計測結果を予め決められた基準範囲と比較する手段を備え、前記記録手段は３つのスペックのそれぞれに対して相互に異なる個数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録されたものであり、前記確率設定手段は電源投入時には３つのスペックのうちから中間の個数の外れリーチ値が設定されたものを選択するものであって変動表示時間の計測結果が前記基準範囲内であると判断された場合には中間の個数の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し変動表示時間の計測結果が前記基準範囲を下回ると判断された場合には中間の個数に比べて多数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し変動表示時間の計測結果が前記基準範囲を上回ると判断された場合には中間の個数に比べて少数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択することで前記判定手段の外れリーチの判定確率を累積的な変動表示時間が長いことに応じて低くなるように設定するものであるところに特徴を有する。
【０００５】
＜請求項１に係る遊技機が奏する作用・効果について＞
完全外れの判定時には可変時間が短値に設定され、図柄が可変してから短値で可変停止する。また、外れリーチおよび大当たりの判定時には可変時間が完全外れ時より長い長値に設定され、図柄が可変してから長値で可変停止する。従って、外れリーチの判定確率に応じてリーチの出現回数が大きく変わり、可変時間の累積値が変化する。
【０００６】
日頃から大当りが頻繁に発生する台等は数多くの遊技者が好んで遊技を行うので、可変回数が多い。このため、リーチの出現回数も増えるので、可変時間の累積値が長くなる。この場合には外れリーチの判定確率が小さく設定され、リーチの出現回数が減るので、パチンコ球の始動口に対する単位時間当りの有効な入賞個数（回転率と称する）が増え、客付きが一層良くなる。また、日頃から大当りが発生し難い台等は遊技者に敬遠され易いので、可変回数が少ない。このため、リーチの出現回数も少ないのでので、可変時間の累積値が短くなる。この場合には外れリーチの判定確率が高く設定され、リーチの出現回数が増えるので、大当りが発生し易い印象になり、客付きが良くなる。
【０００７】
台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わる。このため、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなるので、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。しかも、変動表示時間の選択結果を累積しているので、変動表示時間を実測する必要がなくなり、変動表示時間を累積する専用の電気的構成が不要になる。
【０００８】
請求項２に係る遊技機は、電源遮断時に変動表示時間の計測結果がバックアップされる手段を備え、電源投入時に変動表示時間のバックアップ結果が予め決められた基準範囲と比較されることに基づいて前記判定手段の外れリーチの判定確率が変動表示時間のバックアップ結果が長いことに応じて低くなるように設定される点で請求項１に係る遊技機と相違する。
＜請求項２に係る遊技機が奏する作用・効果について＞
パチンコホールの営業時間が終了し、電源が遮断されたときには変動表示時間の累積結果がバックアップされる。このバックアップデータは本日のトータルの変動表示時間であり、翌日の営業開始時に電源が投入されたときには変動表示時間のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率が設定され、次の電源投入時まで同一確率で外れリーチが判定されるので、翌日の営業時間内には前日のトータルの稼働時間に応じた同一確率でリーチが発生するようになる。このため、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
【００１１】
請求項３に係る遊技機は、電源遮断時に第１の時刻から第２の時刻に到る時間帯の変動表示時間の計測結果がバックアップされる手段を備え、電源投入時に変動表示時間のバックアップ結果が予め決められた基準範囲と比較されることに基づいて前記判定手段の外れリーチの判定確率が変動表示時間のバックアップ結果が長いことに応じて低くなるように設定される点で請求項１に係る遊技機と相違する。
請求項４に係る遊技機は、パチンコホール側が裏側から操作するものであって、変動表示時間の累積対象となる時間帯を設定するためのスイッチを備えたところに特徴を有する。
＜請求項３および４に係る遊技機が奏する作用・効果について＞
パチンコホールの営業時間が終了し、電源が遮断されたときには変動表示時間の累積結果がバックアップされる。このバックアップデータは本日の特定の時刻帯の変動表示時間であり、翌日の営業開始時に電源が投入されたときには変動表示時間のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率が設定され、次の電源投入時まで同一確率で外れリーチが判定されるので、翌日の営業時間内には前日の特定の時刻帯の稼働時間に応じた同一確率でリーチが発生するようになる。このため、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第１実施例を図１〜図６２に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図５８に示すように、外枠１が設置されている。この外枠１は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠１の前面には、図５７に示すように、前面扉２が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されている。この前面扉２は外枠１の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉２の前面には横長な長方形状の皿板３が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されている。この皿板３の前面には上皿４が固定されており、上皿４内にはパチンコ球Ｐ（図６２参照）が貯溜されている。
【００２３】
上皿４の左端部には、図５７に示すように、複数のスリット５が形成されている。これら複数のスリット５の後方にはスピーカ６が固定されており、スピーカ６の駆動時にはスピーカ６から複数のスリット５を通して前方の遊技者に効果音等が出力される。
【００２４】
前面扉２の前面には右下部に位置してハンドル台７が固定されており、ハンドル台７には発射ハンドル８が回動可能に装着されている。この発射ハンドル８の後方には、図５８に示すように、発射モータ９が装着されており、発射モータ９の回転軸には、図５９の（ａ）に示すように、打球装置１０を介して打球槌１１が連結されている。この発射モータ９は打球装置１０の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル８が図５８の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ９に電源が与えられ、打球装置１０が打球槌１１を回動操作することに基づいて上皿４内のパチンコ球Ｐを上皿４内から弾き出す。
【００２５】
打球装置１０はカム機構を有している。このカム機構は、図５９の（ｂ）に示すように、発射モータ９の回転軸に連結された偏平な半円形状のカム１２および打球槌１１に連結されたローラ状のカムフォロワ１３を主体に構成されたものであり、発射モータ９の回転位相角が「０°〜１８０°」の範囲内では、破線で示すように、カム１２がカムフォロワ１３を矢印Ａ方向へ押圧することに基づいて打球槌１１を軸１４を中心に矢印Ａ方向の待機位置に回動操作し、発射モータ９の回転位相角が「１８０°〜３６０°」の範囲内ではカム１２がカムフォロワ１３から離間する。この打球槌１１の矢印Ａ方向への回動は巻ばね１５の付勢力に抗して行われるものであり、カム１２がカムフォロワ１３から離間したときには、実線で示すように、打球槌１１が巻ばね１５の復元力で待機位置から反矢印Ａ方向の原点位置に復帰し、原点位置の手間でパチンコ球Ｐを叩く。
【００２６】
打球機構１０は飛距離調節機構を有している。この飛距離調節機構は巻ばね１５の有効巻数を発射ハンドル８の回動位置に応じて変化させるものであり、発射ハンドル８が時計回り方向へ回動操作されたときには巻ばね１５の有効巻数が変化することに基づいてばね力が強くなる。従って、打球槌１１の待機位置から原点位置への復元力が強くなるので、打球槌１１によるパチンコ球Ｐの殴打力が大きくなり、パチンコ球Ｐの飛距離が増す。
【００２７】
前面扉２の前面には、図５７に示すように、矩形状の窓枠１６が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されており、窓枠１６の内周面には透明なガラス窓１７が保持されている。また、前面扉２の後面には額縁状の機構盤（図示せず）が固定されている。この機構盤には、図５６に示すように、略正方形状の遊技盤１８が保持されており、遊技盤１８は窓枠１６のガラス窓１７により前方から覆われている。
【００２８】
前面扉２の前面には、図５７に示すように、右側部に位置して枠鍵１９が装着されており、枠鍵１９は前面扉２を外枠１に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠１６を前面扉２の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤１８の前面には、図５６に示すように、外レール２０および内レール２１が固定されており、打球槌１１が弾いたパチンコ球Ｐは外レール２０および内レール２１間の発射通路２２を通って上昇する。
【００２９】
内レール２１の上端部にはシャッタ２３の下端部が固定されている。このシャッタ２３は発射通路２２の出口２４を閉鎖する板ばねからなるものであり、打球槌１１が弾いたパチンコ球Ｐがシャッタ２３にばね力を上回る勢いで衝突したときにはシャッタ２３が弾性変形することに基づいて出口２４が開放され、パチンコ球Ｐが遊技盤１８内の上部に左側から放出される。また、遊技盤１８の前面には複数の障害釘２５が打込まれており、遊技盤１８内の上部に放出されたパチンコ球Ｐは障害釘２５に当りながら落下する。
【００３０】
遊技盤１８の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナーランプカバー２６が固定されている。これら各コーナーランプカバー２６の後方には複数のコーナーランプ２７（図５５参照）が固定されており、各コーナーランプカバー２６は後方のコーナーランプ２７が点灯することに基づいて発光する。尚、コーナーランプ２７は発光体に相当するものである。
【００３１】
遊技盤１８の前面には、図５６に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー２８が固定されている。これら各サイドランプカバー２８の後方には複数のサイドランプ２９（図５５参照）が固定されており、各サイドランプカバー２８は後方のサイドランプ２９が点灯することに基づいて発光する。尚、サイドランプ２９は発光体に相当するものである。
【００３２】
遊技盤１８の前面には、図５６に示すように、表示台板３０が固定されており、表示台板３０の上端部には保留球表示器３１を構成する４個の保留球ランプ３２が横一列に固定されている。また、表示台板３０にはカラー液晶表示器からなる図柄表示装置３３が固定されている。この図柄表示装置３３は横長な表示領域を有するものであり、表示領域には、二点鎖線で示すように、変動領域ＨＥが横３列に設けられている。これら各変動領域ＨＥは仮想的なものであり、左列の変動領域ＨＥ内，中列の変動領域ＨＥ内，右列の変動領域ＨＥ内には左図柄，中図柄，右図柄として数字図柄が表示される。尚、図柄表示装置３３は表示装置に相当するものである。
【００３３】
遊技盤１８には表示台板３０の下方に位置して特別図柄始動口３６が固定されている。この特別図柄始動口３６は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別図柄始動口３６内には始動口センサ３７（図５１参照）が固定されている。この始動口センサ３７は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口３６内にパチンコ球Ｐが入賞したことを検出して始動信号を出力する。尚、特別図柄始動口３６は始動口に相当するものである。
【００３４】
遊技盤１８の前面には、図５６に示すように、特別図柄始動口３６の下方に位置して入賞口台板３８が固定されており、入賞口台板３８には、図６０に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口３９が形成されている。また、入賞口台板３８には、図５６に示すように、扉４０が下端部の水平な軸４１を中心に回動可能に装着されており、大入賞口３９の前面は扉４０が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図６０に示すように、扉４０が前方に倒れた水平状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口３９は入賞口に相当するものである。
【００３５】
入賞口台板３８の後面には左側部に位置して大入賞口ソレノイド４２が固定されている。この大入賞口ソレノイド４２のプランジャには扉４０が機械的に連結されており、扉４０は大入賞口ソレノイド４２のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。
【００３６】
大入賞口３９内には左側部および右側部に位置してカウント領域４３および特定領域４４が形成されている。これらカウント領域４３および特定領域４４は大入賞口３９の奥壁に形成された孔からなるものであり、カウント領域４３内および特定領域４４内にはカウントセンサ４５（図５１参照）およびＶセンサ４６ （図５１参照）が固定されている。これらカウントセンサ４５およびＶセンサ４６は近接スイッチからなるものであり、カウント領域４３内および特定領域４４内にパチンコ球Ｐが入賞したことを検出してカウント信号および特定入賞信号を出力する。
【００３７】
大入賞口３９内には、図６０に示すように、横長な矩形棒状の可動片４７が装着されている。この可動片４７は右方の特定領域４４から左方のカウント領域４３に向って下降するカウント状態（図６０参照）および左方のカウント領域４３から右方の特定領域４４に向って下降する特定入賞状態（図６１参照）間で回動可能にされたものであり、可動片４７がカウント状態にあるときには大入賞口３９内に入賞したパチンコ球Ｐが可動片４７の上面の傾斜に沿ってカウント領域４３内に高確率で入賞し、可動片４７が特定入賞状態にあるときには可動片４７の上面の傾斜に沿って特定入賞領域４４内に高確率で入賞する。
【００３８】
入賞口台板３８の後面には右側部に位置して可動片ソレノイド４８が固定されている。この可動片ソレノイド４８のプランジャには可動片４７が機械的に連結されており、可動片ソレノイド４８の断電時には可動片ソレノイド４８のプランジャが可動片４７を特定入賞状態に保持し、可動片ソレノイド４８の通電時には可動片ソレノイド４８のプランジャが可動片４７をカウント状態に保持する。
【００３９】
遊技盤１８の後面には、図５８に示すように、正方形状のセンタカバー４９が固定されており、センタカバー４９の外周部には矩形枠状のメインセット５０が配設されている。このメインセット５０は前面扉２の後面に固定されたものであり、メインセット５０には集合樋（図示せず）が設けられている。この集合樋は特別図柄始動口３６，大入賞口３９のカウント領域４３，大入賞口３９の特定領域４４に接続されており、特別図柄始動口３６内に入賞したパチンコ球Ｐ，カウント領域４３内に入賞したパチンコ球Ｐ，特定領域４４内に入賞したパチンコ球Ｐは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋を通して機外に排出される。
【００４０】
メインセット５０の後面には上端部に位置して球タンク５１が固定されている。この球タンク５１は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク５１内にはパチンコ球Ｐが貯溜されている。また、メインセット５０の後面にはタンクレール５２が固定されている。このタンクレール５２は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール５２の右端部は球タンク５１内に接続されている。
【００４１】
メインセット５０の左側部には賞球払出装置５３が装着されている。この賞球払出装置５３はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内および大入賞口３９内に入賞することに基づいて上皿４内にパチンコ球Ｐを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
【００４２】
＜賞球払出装置５３について＞
メインセット５０には、図６２に示すように、払出ケース５４が固定されており、払出ケース５４内には球通路５５が形成されている。この球通路５５の上端部はタンクレール５２の出口に接続されており、球通路５５内には球タンク５１内からタンクレール５２内を通してパチンコ球Ｐが一列に充填されている。この球通路５５の上下方向中間部にはスプロケット５６が軸５７を中心に回動可能に装着されており、スプロケット５６の外周部には凹状をなす複数の球受け部５８が形成されている。
【００４３】
払出ケース５４内にはステッピングモータからなる払出モータ５９（図５３参照）が固定されている。この払出モータ５９の回転軸にはスプロケット５６の軸５７が連結されており、払出モータ５９の回転停止時にはスプロケット５６の回動が払出モータ５９の電磁力で拘束され、図６２に実線で示すように、パチンコ球Ｐがスプロケット５６の１個の球受け部５８内に保持されている。この状態で払出モータ５９の回転軸が単位量だけ回転すると、図６２に二点鎖線で示すように、スプロケット５６が矢印Ａ方向へ回動することに基づいて１個の球受け部５８内から１個のパチンコ球Ｐが排出され、球通路５５の下端部を通して払出ケース５４の下方へ放出される。
【００４４】
払出しケース５４内にはスプロケット５６の下方に位置して払出センサ６０が固定されている。この払出しセンサ６０は近接スイッチからなるものであり、スプロケット５６からパチンコ球Ｐが払出されたことを検出して払出信号を出力する。賞球払出装置５３は以上のように構成されている。
【００４５】
メインセット５０には下皿通路（図示せず）が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置５３の球通路５５に接続されており、球通路５５内から放出されるパチンコ球Ｐは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路（図示せず）が設けられている。この上皿通路は上皿４に接続されており、賞球払出装置５３から放出されるパチンコ球Ｐは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿４内に払出される。
【００４６】
前面扉２の前面には、図５７に示すように、上皿４の下方に位置して下皿６１が固定されている。この下皿６１は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Ｐが上皿４内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿６１内に払出される。
【００４７】
メインセット５０の後面には、図５８に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス６２が固定されている。このメイン基板ボックス６２内にはメイン基板６３（図５１参照）が収納されており、メイン基板６３には、図５１に示すように、ワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置６４が搭載されている。このメイン制御装置６４はＣＰＵ６５，ＲＯＭ６６，ＲＡＭ６７，Ｉ／Ｏ６８を有するものであり、ＲＯＭ６６には制御プログラムおよび制御データが記録されている。尚、メイン制御装置６４は判定手段，図柄設定手段，変動パターン設定手段，大当り遊技手段，累積手段，確率設定手段，計測手段，メイン制御手段，特典判定手段，確率変更手段に相当するものである。また、メイン制御装置６４のＲＡＭ６７は記録手段に相当するものである。
【００４８】
始動口センサ３７，カウントセンサ４５，Ｖセンサ４６，払出センサ６０はセンサ出力回路６９およびＩ／Ｏ６８を介してＣＰＵ６５に電気的に接続されている。このセンサ出力回路６９はメイン基板６３に搭載されたものであり、ＣＰＵ６５は始動口センサ３７からの始動信号，カウントセンサ４５からのカウント信号，Ｖセンサ４６からのＶ信号，払出センサ６０からの払出信号をセンサ出力回路６９を介して検出する。
【００４９】
大入賞口ソレノイド４２および可動片ソレノイド４８はソレノイド駆動回路７０およびＩ／Ｏ６８を介してＣＰＵ６５に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路７０はメイン基板６３に搭載されたものであり、ＣＰＵ６５は大入賞口ソレノイド４２および可動片ソレノイド４８をソレノイド駆動回路７０を介して通断電制御し、大入賞口３９の扉４０および可動片４７を回動操作する。また、４個の保留球ランプ３２はランプ駆動回路７１およびＩ／Ｏ６８を介してＣＰＵ６５に電気的に接続されている。このランプ駆動回路７１はメイン基板６３に搭載されたものであり、ＣＰＵ６５は４個の保留球ランプ３２をランプ駆動回路７１を介して通断電制御し、保留球表示器３１の点灯状態を制御する。
【００５０】
表示台板３０の後面には図柄基板７２（図５２参照）が固定されている。この図柄基板７２はセンタカバー４９により後方から覆われたものであり、図柄基板７２には、図５２に示すように、図柄制御装置７３が搭載されている。この図柄制御装置７３はＣＰＵ７４，ＲＯＭ７５，ＲＡＭ７６，ＶＤＰ７７，ＶＲＯＭ７８，ＶＲＡＭ７９，Ｉ／Ｏ８０を有するものであり、図柄制御装置７３のＲＯＭ７５には表示制御プログラムおよび表示制御データが記録され、図柄制御装置７３のＶＲＯＭ７８には表示プログラムおよび表示データが記録されている。尚、図柄制御装置７３は表示パターン設定手段，表示制御手段，抽選パターン設定手段に相当するものである。
【００５１】
図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にはＩ／Ｏ８０を介してメイン制御装置６４のＩ／Ｏ６８が電気的に接続されている。この図柄制御装置７３はメイン制御装置６４から表示制御コマンドおよび表示制御データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はメイン制御装置６４からの表示制御コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、ＶＤＰ７７に出力する。すると、ＶＤＰ７７は駆動コマンドに応じた表示データをＶＲＯＭ７８から検出し、ＬＣＤ駆動回路８１を介して図柄表示装置３３に駆動コマンドに応じた画面を表示する。このＬＣＤ駆動回路８１は図柄基板７２に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、ＶＤＰ７７が複数の図形と表示位置とを指定すれば、ＬＣＤ駆動回路８１が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置３３に表示する。
【００５２】
図柄制御装置７３のＶＲＯＭ７８には表示データとして背景データＡ〜Ｄ（図４２参照），図柄データ１〜12（図１９参照），キャラクタデータＭおよびＷ （図４８参照）等が記録されており、ＶＤＰ７７は背景データ，図柄データ，キャラクターデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じて指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
【００５３】
メインセット５０の後面には、図５８に示すように、メイン基板ボックス６２の前方に位置して払出基板ボックス８２が固定されている。この払出基板ボックス８２内には、図５３に示すように、払出基板８３が収納されており、払出基板８３にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置８４が搭載されている。この払出制御装置８４はＣＰＵ８５，ＲＯＭ８６，ＲＡＭ８７，Ｉ／Ｏ８８を有するものであり、ＲＯＭ８６には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置８４のＣＰＵ８５にはＩ／Ｏ８８を介してメイン制御装置６４のＩ／Ｏ６８が電気的に接続されており、払出制御装置８４にはメイン制御装置６４から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
【００５４】
払出制御装置８４のＣＰＵ８５にはＩ／Ｏ８８およびモータ駆動回路８９を介して払出モータ５９が電気的に接続されている。このモータ駆動回路８９は払出基板８３に搭載されたものであり、払出制御装置８４のＣＰＵ８５はモータ駆動回路８９を通して払出モータ５９の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置８４のＣＰＵ８５がメイン制御装置６４からの賞球データに基づいて調節するものであり、ＣＰＵ８５は払出モータ５９の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置５３から上皿４内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Ｐを賞品球として払出す。
【００５５】
払出制御装置８４のＣＰＵ８５にはＩ／Ｏ８８およびセンサ出力回路９０を介して払出センサ６０が電気的に接続されている。このセンサ出力回路９０は払出基板８３に搭載されたものであり、ＣＰＵ８５は払出センサ６０からの払出信号をセンサ出力回路９０を介して検出する。そして、払出モータ５９を駆動したにも拘らず払出信号が検出されないときには払出モータ５９を再駆動（リトライ）し、賞品球Ｐの未払いを防止する。
【００５６】
メインセット５０の後面には音ランプ基板ボックス（図示せず）が固定されている。この音ランプ基板ボックス内には、図５４に示すように、音ランプ基板９１が収納されており、音ランプ基板９１にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置９２が搭載されている。このスピーカ制御装置９２はＣＰＵ９３，ＲＯＭ９４，ＲＡＭ９５，Ｉ／Ｏ９６を有するものであり、ＲＯＭ９４にはスピーカ制御プログラムおよびスピーカ制御データが記録されている。このスピーカ制御装置９２にはＩ／Ｏ９６を介してメイン制御装置６４が電気的に接続されており、スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３にはメイン制御装置６４からスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データが単方向で送信される。
【００５７】
スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３にはＩ／Ｏ９６およびスピーカ駆動回路９７を介してスピーカ６が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路９７は音ランプ基板９１に搭載されたものであり、スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３はスピーカ駆動回路９７を通してスピーカ６から音声および効果音等を出力する。この効果音等の出力はスピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３がメイン制御装置６４からのスピーカ制御コマンドに基づいて行うものであり、スピーカ６の駆動時にはスピーカ６からスピーカ制御データに応じた効果音等が出力される。尚、スピーカ制御装置９２は鳴動パターン選択手段および音制御手段に相当するものである。
【００５８】
音ランプ基板９１には、図５５に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置９８が搭載されている。このランプ制御装置９８はＣＰＵ９９，ＲＯＭ１００，ＲＡＭ１０１，Ｉ／Ｏ１０２を有するものであり、ＲＯＭ１００にはランプ制御プログラムおよびランプ制御データが記録されている。このランプ制御装置９８にはＩ／Ｏ１０２を介してメイン制御装置６４が電気的に接続されており、ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９にはメイン制御装置６４からランプ制御コマンドおよびランプ制御データが単方向で送信される。
【００５９】
ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９にはＩ／Ｏ１０２およびランプ駆動回路１０３を介して複数のコーナーランプ２７および複数のサイドランプ２９が電気的に接続されている。このランプ駆動回路１０３は音ランプ基板９１に搭載されたものであり、ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９はランプ駆動回路１０３を通して複数のコーナーランプ２７および複数のサイドランプ２９を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置９８のＣＰＵ９９がメイン制御装置６４からのランプ制御コマンドに基づいて行うものであり、コーナーランプ２７およびサイドランプ２９の駆動時にはコーナーランプ２７およびサイドランプ２９がランプ制御データに応じて発光する。尚、ランプ制御装置９８は電飾パターン選択手段および光制御手段に相当するものである。
【００６０】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技者が上皿４内にパチンコ球Ｐを投入して発射ハンドル８を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤１８内にパチンコ球Ｐが発射され、障害釘２５に当りながら落下する。このパチンコ球Ｐの発射個数は最大で「９９個／分」に設定されるものであり、遊技盤１８内に発射されたパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞すると、賞球払出装置５３から設定個数（例えば５個）のパチンコ球Ｐが上皿４内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置３３にゲーム画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【００６１】
図柄表装置３３には左，中，右の各列の図柄として「１，２，３，４，５，６，７，８，９，10，11，12」のいずれかの数字が静止状態で表示されており、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞すると、各列の図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の図柄の移動方向は上から下であり、各列の図柄の変化順序は「１」→「２」→「３」……「11」→「12」→「１」…のループ状である。
【００６２】
左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左図柄および右図柄が当該順序で仮停止し、左図柄および右図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左図柄および右図柄が変動領域ＨＥ内で上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
【００６３】
左図柄，中図柄，右図柄は図柄制御装置７３がメイン制御装置６４からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出することに基づいて可変停止状態で表示するものであり、当該可変停止を確定停止と称する。上述の仮停止は図柄制御装置７３が自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左図柄，中図柄，右図柄を停止させることを称するものであり、メイン制御装置６４からの表示制御コマンドおよび表示制御データとは無関係に行われる。
【００６４】
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する２個の図柄（左図柄および右図柄）の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には、下記に示すように、１２種類が設定されており、「↓」は中図柄が変動中であることを示している。
【００６５】
＜リーチ図柄＞
「１ ↓ １」，「２ ↓ ２」，「３ ↓ ３」，「４ ↓ ４」，「５ ↓ ５」，「６ ↓ ６」，「７ ↓ ７」，「８ ↓ ８」，「９ ↓ ９」，「10 ↓ 10」，「11 ↓ 11」，「12 ↓ 12」
リーチの発生状態では図柄表示装置３３に複数種のリーチアクションが選択的に表示される。このリーチアクションは最終の中図柄が何で仮停止するかを演出する動画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクションが出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
【００６６】
左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左図柄および右図柄に続けて中図柄が仮停止する。そして、最終の中図柄が仮停止すると、左図柄，中図柄，右図柄が１本の水平な有効ラインＹＬ（図４８参照）に沿って変動領域ＨＥ内で静止した確定表示状態になる。これら３列の図柄の変動開始から確定に至る所要時間は変動表示時間（可変時間）と称されるものであり、３列の図柄の確定表示状態での組合せによって大当りおよび外れが報知される。
【００６７】
大当り図柄とは大当りを報知する３列の組合せ図柄を称するものであり、下記に示すように、大当り図柄には１２通りが設定されている。
＜大当り図柄＞
「１ １ １」，「２ ２ ２」，「３ ３ ３」，「４ ４ ４」，「５ ５ ５」，「６ ６ ６」，「７ ７ ７」，「８ ８ ８」，「９ ９ ９」，「10 10 10」，「11 11 11」，「12 12 12」
図柄表示装置３３に大当り図柄以外の完全外れ図柄および外れリーチ図柄が確定表示されたときには確定表示が一定時間だけ継続される。前者の完全外れ図柄はリーチすら発生しない３列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左図柄および右図柄が相違するものである。後者の外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない３列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左図柄および右図柄が同一で中図柄が相違するものである。
【００６８】
大当りの発生時には特典に相当する確率変動の獲得の有無が抽選される。この確率変動は大当りを通常より高確率で判定する高確率モードを称するものであり、大当りが奇数図柄「１ １ １」，「３ ３ ３」，「５ ５ ５」，「７ ７ ７」，「９ ９ ９」，「11 11 11」のいずれかで発生したときには確率変動の獲得と判定され、大当りが普通図柄「２ ２ ２」，「４ ４ ４」，「６ ６ ６」，「８ ８ ８」，「10 10 10」，「12 12 12」のいずれかで発生したときには確率変動の非獲得と判定される。即ち、確率変動の獲得の有無は大当りの発生を条件に「１／２」の確率で振分けられる。
【００６９】
確率変動は大当り遊技終了後の１回目の図柄変動から適用されるものであり、次の大当り時に確率変動の非獲得が判定されるか、または、変動回数がリミット値（１００００回）に達しても大当りが発生しないか、または、確率変動の連続獲得回数がリミット値（２０回）に達することに基づいて終了する。
【００７０】
図柄表示装置３３に大当り図柄が確定表示されたときには確定表示が一定時間だけ継続された後、大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口３９の扉４０を開放し、大入賞口３９内にパチンコ球Ｐが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口３９は上限個（例えば１５個）のパチンコ球Ｐが入賞する個数条件または開放時間が上限値（例えば２７秒）に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
【００７１】
大入賞口３９の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件および時間条件が満足される間に大入賞口３９の特定領域４４内にパチンコ球Ｐが入賞したときには大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドには上限値（例えば１５回）が設定されており、大当りラウンドが上限値に達したときには大当り遊技が終了する。また、個数条件または時間条件が満足される間に特定領域４４内にパチンコ球Ｐが入賞しなかったときには大当りラウンドが上限値に達してなくても大当り遊技が終了する。
【００７２】
大当り遊技時には図柄表示装置３３に大当り表示が行われる。この大当り表示は現在の大当りラウンドの回数および大入賞口３９に対するパチンコ球Ｐの入賞個数を大当り表示用の動画面を背景として表示するものであり、大当り遊技の終了時には大当り表示の中で「大当り終了」等の終了メッセージが表示され、大当り表示の終了後には直前の大当り図柄が一定時間だけ確定表示される。
【００７３】
図柄変動を即座に開始できない変動表示時，確定表示時（大当り表示後の確定表示も含む），大当り表示時等にパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したときには図柄変動および図柄変動に続く一連の特別図柄遊技が４回を上限に保留される。保留球表示器３１は当該保留回数を保留球ランプ３２の点灯個数によって表示するものであり、図柄変動が開始されたときには保留球ランプ３２が消灯することによって保留回数の減少が報知される。
【００７４】
保留回数が「０」の状態では図柄表示装置３３にデモンストレーション表示（デモ表示と称する）が行われる。このデモ表示は遊技者に客待ち状態にあることを報知するものであり、確定表示（大当り表示後の確定表示を含む）の終了からパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に一定のコマンド待ち時間（例えば４０ｓｅｃ）だけ入賞しないことを条件に実行される。
【００７５】
デモ表示は遊技者に機種名や製造社名等を報知する前半部およびキャラクタが所定の動作を行う後半部からなるものであり、デモ表示の途中でパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したときにはデモ表示がパチンコ球Ｐの入賞時点で終了し、変動表示が開始される。また、デモ表示が終了してもパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞しないときにはデモ表示が先頭から再開される。特別図柄遊技時の表示画面は原則的に図柄制御装置７３がメイン制御装置６４からの表示制御コマンドを受信することに基づいて表示するものであるが、デモ表示だけは図柄制御装置７３がメイン制御装置６４からの表示制御コマンド無しで表示する例外的なものである。
【００７６】
大当り，外れリーチ，完全外れはパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したことを条件に判定されるものであり、完全外れの判定時には変動表示時間が短値Ｔｓに設定され、左図柄，右図柄，中図柄が変動表示時間Ｔｓの範囲内で確定停止する。また、外れリーチおよび大当たりの判定時には変動表示時間が完全外れ時より長い長値Ｔｌに設定され、左図柄，右図柄，中図柄が各種のリーチアクションを経て変動表示時間Ｔｌの範囲内で確定停止する。従って、外れリーチの判定確率に応じてリーチの出現回数が変わり、変動表示時間の累積値が変化する。
【００７７】
日頃から大当りが頻繁に発生する台は数多くの遊技者が好んで遊技を行うので、変動回数が多い。このため、リーチの出現回数も増えるので、変動表示時間の累積値が長くなる。この客付きが良い台の場合には回転率を上げることがパチンコホールおよび遊技者の双方にとって好ましく、回転率を上げるには外れリーチの判定確率が低くてリーチが発生し難い方が好ましい。一般的にはパチンコ球Ｐの特別図柄始動口３６に対する入賞の難易度を回転率と称し、難易度が低い場合に回転率が高いと称するが、ここではパチンコ球Ｐの特別図柄始動口３６に対する単位時間当たりの有効な入賞個数を回転率と称し、単位時間当りの有効な入賞個数が多い場合を回転率が高いと称する。この有効な入賞とは保留回数を加算することが可能な入賞のことである。
【００７８】
日頃から大当りが発生し難い台は遊技者に敬遠され易いので、変動回数が少ない。このため、リーチの出現回数も減るので、変動表示時間の累積値が短くなる。この客付きが悪い台の場合には外れリーチの判定確率を下げて回転率を上げても意味がないばかりか、逆にリーチの発生が少ないことから敬遠される理由が増えてしまう。
【００７９】
メイン制御装置６４は変動表示時間を累積する累積機能および変動表示時間の累積値に応じて以後の外れリーチ判定確率を調整する確率調整機能を有しており、具体的には変動表示時間の累積値が大きくなるに従って外れリーチの判定確率を低くする。このため、客付きが良好な台の場合には回転率が一層上り、客付きが悪い台の場合にはリーチが発生し易くなるので、いすれの場合にも客付きが高まる。
【００８０】
次にメイン制御装置６４，図柄制御装置７３，スピーカ制御装置９２，ランプ制御装置９８の内部処理を図１〜図５０に基づいて説明する。
＜メイン制御装置６４の内部処理について＞
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は電源が投入されると、図２のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップＳ１〜Ｓ４の実行後にステップＳ５のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すものであり、ＣＰＵ６５はステップＳ１へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
【００８１】
ＣＰＵ６５は割込み禁止を設定すると、ステップＳ２へ移行し、ランダムカウンタの計測値，ノーマルカウンタの計測値，タイマの計測値，遊技制御フラグの設定結果，大当りの判定結果，図柄の設定結果，変動パターンの設定結果，確率変動の獲得結果等のＲＡＭ６７の全データおよびＩ／Ｏ６８を初期設定する。そして、ステップＳ３へ移行し、タイマＴ１をスタートさせる。このタイマＴ１は電源投入時を基準とする経過時間（パチンコホールの営業時間）を計測するものであり、ＣＰＵ６５はタイマＴ１をスタートさせると、ステップＳ４で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップＳ５のカウンタ更新処理をループ状に繰返すことに基づいてランダムカウンタＲ４，Ｒ６，Ｒ７，Ｒ８を更新する。
【００８２】
ランダムカウンタＲ４は、図２４の（ａ）に示すように、大当り判定用のランダムカウンタＲ３の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタＲ４はメインプログラムの１ループ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「９５２」に加算された後に「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ６は左図柄を「１〜12」の左図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ６はメインプログラムの１ループ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００８３】
ランダムカウンタＲ７は中図柄を「１〜12」の中図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ７は左図柄用のランダムカウンタＲ７が「０」にリセットされる桁上げ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ８は右図柄を「１〜12」の右図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ８は中図柄用のランダムカウンタＲ７が「０」にリセットされる桁上げ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に 「０」に戻って加算される。
【００８４】
図３のタイマ割込みプログラムは４ｍｓｅｃが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップＳ１１の出力監視処理〜ステップＳ２６の大当り遊技終了処理を有するものであり、ステップＳ１１の出力監視処理〜ステップＳ１６のリーチ確率調整処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップＳ１７の制御データ設定処理〜ステップＳ２６の大当り遊技終了処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
【００８５】
（１）出力監視処理
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は始動口センサ３７からの始動信号の有無，カウントセンサ４５からのカウント信号の有無，Ｖセンサ４６からのＶ信号の有無，払出センサ６０からの払出信号の有無をセンサ出力回路６９を介して検出し、検出結果をＲＡＭ６７の出力監視エリアに格納する。この出力監視エリアには、図２５に示すように、始動信号記録部，カウント信号記録部，Ｖ信号記録部，払出信号記録部が形成されており、始動信号の有無，カウント信号の有無，Ｖ信号の有無，払出信号の有無は出力監視エリアの始動信号記録部，カウント信号記録部，Ｖ信号記録部，払出信号記録部に記録される。この出力監視処理はタイマ割込が発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは４ｍｓｅｃ毎に更新される。
【００８６】
（２）カウンタ更新処理
図３のステップＳ１２のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はステップＳ１２のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ５を更新する。
【００８７】
ランダムカウンタＲ１は、図２４の（ａ）に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から仮停止に至る間は図柄表示装置３３に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタＲ１はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値「１９１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ２は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタＲ２はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値「２２２」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００８８】
ランダムカウンタＲ３は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタＲ３はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタＲ３が上限値に達したときにはランダムカウンタＲ４の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタＲ３がランダムカウンタＲ４の取得値から上限値「９５２」に加算される。即ち、ランダムカウンタＲ３は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値Ｒ４から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値Ｒ４に戻って加算される。
【００８９】
ランダムカウンタＲ４は、上述したように、ランダムカウンタＲ３の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する４ｍｓｅｃ毎に加算され且つメインプログラムの１ループ毎に加算される。
ランダムカウンタＲ５は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「１〜12」の中から選択するものである。このランダムカウンタＲ５はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値 「１１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００９０】
（３）賞球信号処理
図３のステップＳ１３の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は賞球信号処理の中で払出制御装置８４のＣＰＵ８５に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球Ｐの払出しを行う。
【００９１】
ＣＰＵ６５は図４のステップＳ３１で始動口センサ３７からの始動信号の有無，カウントセンサ４５からのカウント信号の有無，Ｖセンサ４６からのＶ信号の有無を判断する。これら始動信号の有無〜Ｖ信号の有無はＲＡＭ６７の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、ＣＰＵ６５は出力監視エリアに始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップＳ３２でカウンタＮ１に「５」を加算し、カウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウンタＮ１に「１５」を加算し、Ｖ信号有りが記録されていることを検出したときにはカウンタＮ１に「１５」を加算する。
【００９２】
ＣＰＵ６５はステップＳ３３へ移行すると、カウンタＮ１を設定値「０」と比較し、「Ｎ１＞０」を検出したときにはステップＳ３４で払出制御装置８４のＣＰＵ８５に賞球コマンドおよび賞球データ（＝カウンタＮ１）を出力する。この賞球コマンドは払出制御装置８４のＣＰＵ８５に賞品球の払出しを指令するものであり、払出制御装置８４のＣＰＵ８５は賞球コマンドおよび賞球データを検出することに基づいて賞球払出装置５３を駆動し、賞球払出装置５３から上皿４内に賞球データＮ１に等しい個数のパチンコ球Ｐを賞品球として払出す。
【００９３】
ＣＰＵ６５はステップＳ３５へ移行すると、払出センサ６０からの払出信号の有無を検出する。この払出信号の有無はＲＡＭ６７の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、ＣＰＵ６５は出力監視エリアに払出信号有りが記録されていることを検出したときにはステップＳ３６へ移行する。ここでカウンタＮ１から「１」を減算し、カウンタＮ１が「０」になるまで賞球コマンドおよび賞球データの出力を行う。
【００９４】
（４）データ取得処理
図３のステップＳ１４のデータ取得処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はデータ取得処理でパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したことを条件にランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の現在の計測値を取得し、ＲＡＭ６７のカウンタデータエリア（図２５参照）に格納する。
【００９５】
ＣＰＵ６５は図５のステップＳ４１へ移行すると、始動口センサ３７からの始動信号の有無を検出する。この始動信号の有無はＲＡＭ６７の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、ＣＰＵ６５は出力監視エリアに始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップＳ４２へ移行し、カウンタＮ２を上限値「４」と比較する。このカウンタＮ２はパチンコ球Ｐの特別図柄始動口３６に対する入賞個数を計測するものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ２＜４」を検出したときにはステップＳ４３でランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の現在の計測値を検出し、ステップＳ４４でカウンタＮ２に「１」を加算する。
【００９６】
カウンタＮ２には、図２３に示すように、計測値「１」〜「４」に対応してカウンタデータエリアの保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ４が割付けられており、ＣＰＵ６５は図５のステップＳ４５へ移行すると、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の取得結果をカウンタＮ２の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタＮ２の計測値が「１」であるときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の取得結果が計測値「１」に対応する保留データ記録部Ｅ１に格納され、計測値が「３」であるときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の取得結果が計測値「３」に対応する保留データ記録部Ｅ３に格納される。
【００９７】
（５）保留球処理
図３のステップＳ１５の保留球処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は保留球処理でカウンタＮ２の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ３２を点灯・消灯することに基づいて遊技者に保留回数を報知する。
【００９８】
保留球ランプ３２には図５６の左から順にランプナンバー「ＲＰ１」，「ＲＰ２」，「ＲＰ３」，「ＲＰ４」が割付けられている。カウンタＮ２の計測値「１」〜「４」には、図２３に示すように、ランプナンバー「ＲＰ１」〜「ＲＰ４」が割付けられており、ＣＰＵ６５は保留球処理へ移行すると、カウンタＮ２の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ３２を点灯する。
【００９９】
例えばカウンタＮ２の計測値が「３」の状態では「Ｎ２＝３」に対応する３個の保留球ランプ３２が点灯している。この状態で特別図柄始動口３６内に１個のパチンコ球Ｐが入賞したときにはカウンタＮ２が「３」から「４」に加算され、「Ｎ２＝４」に対応する４個の保留球ランプ３２が点灯する。従って、１個の保留球ランプ３２が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「３」から 「４」に増えたことが報知される。この状態で図柄変動が開始されたときには、後述するように、カウンタＮ２が「４」から「３」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「Ｎ２＝３」に対応する３個の保留球ランプ３２が点灯する。従って、１個の保留球ランプ３２が消灯することになり、遊技者に保留回数が「４」から「３」に減ったことが報知される。
【０１００】
（６）リーチ確率調整処理
図３のステップＳ１６のリーチ確率調整処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はリーチ確率調整処理で変動表示時間の累積値を基準値と比較し、比較結果に基づいて外れリーチの判定確率を調整する。
【０１０１】
ＣＰＵ６５は図６のステップＳ５１へ移行すると、タイマＴ１の計測値を設定値（例えば５時間）と比較する。このタイマＴ１は、上述したように、電源投入時を基準とする経過時間（パチンコホールの営業時間）を計測するものであり、ＣＰＵ６５は「Ｔ１≧５時間」を検出したときにはステップＳ５２でタイマＴ１を停止し、ステップＳ５３でカウンタＮ２の計測値を「０」と比較する。このカウンタＮ２は、上述したように、変動表示の保留回数を示すものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ２＝０」を検出したときにはステップＳ５４へ移行する。
【０１０２】
ＣＰＵ６５はステップＳ５４へ移行すると、カウンタＮ７の計測値を基準範囲と比較する。このカウンタＮ７は、後述するように、図柄が変動開始してから確定するまでの変動表示時間を累積するものである。図柄の変動表示は遊技者が遊技を行っている遊技中に行われるものであり、変動表示時間の累積値Ｎ７は遊技者の遊技時間およびパチンコ機の稼働時間に相当する。
【０１０３】
ＣＰＵ６５はステップＳ５４で「０≦Ｎ７≦３０分」を検出したときにはステップＳ５５でスペックＡを設定し、「３０分＜Ｎ７≦２時間３０分」を検出したときにはステップＳ５６でスペックＢを設定し、「２時間３０分＜Ｎ７」を検出したときにはスペックＣを設定する。これらスペックＡ〜Ｃは外れリーチ判定用の外れリーチ値を取得するパラメータとして機能するものであり、ＣＰＵ６５はスペックを設定すると、スペックの設定結果をＲＡＭ６７のスペックエリア（図２５参照）に格納する。尚、スペックは電源投入時にスペックＢに初期設定されるものである。
【０１０４】
ＣＰＵ６５はスペックの設定結果をＲＡＭ６７に格納すると、図６のステップＳ５８でカウンタＮ７を「０」にリセットする。そして、ステップＳ５９で営業時間計測用のタイマＴ１を「０」にリセットし、ステップＳ６０でタイマＴ１をスタートさせる。即ち、スペックは電源投入から５時間が経過する毎に保留回数「０」のタイミングで設定される。
【０１０５】
（７）制御データ設定処理
図３のステップＳ１７の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には確率変動の獲得の有無を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の１回目のタイマ割込みでは制御データ設定処理が実行される。
【０１０６】
ＣＰＵ６５は図７のステップＳ６１でカウンタＮ２を「０」と比較する。このカウンタＮ２は、上述したように、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ８の格納状態を示すものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ２＝０」を検出したときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ８がＲＡＭ６７のカウンタデータエリアに格納されていないと判断する。また、ステップＳ６１で「Ｎ２＞０」を検出したときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ８がＲＡＭ６７のカウンタデータエリアに格納されていると判断し、ステップＳ６２でＲＡＭ６７の確変エリア（図２５参照）を参照する。ここで確変エリアに確率変動フラグが確変状態で記録されていることを検出したときには確率変動中であると判断し、確率変動フラグが非確変状態で記録されていることを検出したときには確率変動中でないと判断する。
【０１０７】
ＣＰＵ６５は確率変動中でないと判断すると、図７のステップＳ６３へ移行する。ここでＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ３を検出し、３個の大当り値「１７，４０１，７２７」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ３が大当り値「１７〜７２７」のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をＲＡＭ６７の大当りエリア（図２５参照）に格納する。即ち、確率変動の非設定状態では大当りが「３／９５３」の低確率で判定される。
【０１０８】
ＣＰＵ６５は図７のステップＳ６２で確率変動中であると判断すると、ステップＳ６４へ移行する。ここでＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ３を検出し、１５個の大当り値「１７，６１，１０３，１９７，２７７，３６７，４０１，４３１，５２３，６１９，６６１，７２７，７９７，８８７，９４１」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ３が大当り値「１７〜９４１」のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をＲＡＭ６７の大当りエリアに格納する。即ち、確率変動の設定状態では大当りが「１５／９５３」の高確率で判定される。
【０１０９】
ＣＰＵ６５は大当りおよび外れの判定結果をＲＡＭ６７の大当りエリアに格納すると、図７のステップＳ６５へ移行する。ここで、大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを判断し、大当りが格納されていることを検出したときにはステップＳ６６へ移行する。尚、ＲＡＭ６７の大当りエリアは大当りおよび外れの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【０１１０】
メイン制御装置６４のＲＯＭ６６には、図１９に示すように、大当り図柄テーブルが記録されている。この大当り図柄テーブルはランダムカウンタＲ５と大当り図柄との対応関係を示すものであり、ＣＰＵ６５は図７のステップＳ６６へ移行すると、ＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ５を検出する。そして、大当り図柄テーブルからランダムカウンタＲ５に応じた図柄を検出し、左図柄と中図柄と右図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタＲ５が「６」であるときには図柄「７」が検出され、左図柄と中図柄と右図柄とが同一の検出図柄「７」に設定される。
【０１１１】
ＣＰＵ６５は図７のステップＳ６７へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出し、大当り図柄の設定結果に基づいて確率変動の獲得の有無を判定する。この確率変動の獲得の有無は大当り図柄が奇数であるか偶数であるかに基づいて判定されるものであり、ＣＰＵ６５は大当り図柄が奇数であることを検出したときには確率変動の獲得と判定し、ＲＡＭ６７の確変エリアに確変フラグを確率変動状態で格納する。また、大当り図柄が偶数であることを検出したときには確率変動の非獲得と判定し、確変エリアに確変フラグを非確率変動状態で格納する。尚、確変エリアは原則的に次回の大当り発生に付随する確率変動の判定時に更新されるものであり、変動回数のリミッタ機能が作動したときには大当りが発生しなくても例外的に更新される。
【０１１２】
ＣＰＵ６５は確率変動の獲得の有無を判定すると、ステップＳ６８で確変エリアの確変フラグの設定状態に基づいて確率変動の獲得結果を検出する。ここで確率変動の獲得を検出したときにはステップＳ６９でカウンタＮ３に「１」を加算する。このカウンタＮ３は確率変動の連続獲得回数を計測するものであり、ＣＰＵ６５はステップＳ６８で確率変動の非獲得を検出したときにはステップＳ７３でカウンタＮ３を「０」にリセットする。
【０１１３】
ＣＰＵ６５はステップＳ６９でカウンタＮ３を加算すると、ステップＳ７０で上限値「２０」と比較する。このカウンタＮ３は、上述したように、確率変動の連続獲得回数を計測するものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ３＝２０」を検出したときにはステップＳ７１でＲＡＭ６７の確変エリアの記録内容を書換える。この書換えは確率変動フラグを非確率変動状態で格納するものであり、確率変動の連続獲得回数が「２０回」に達したときにはランダムカウンタＲ３に基づく抽選結果が確率変動の獲得であっても確率変動の非獲得が強制的に設定される。
【０１１４】
ＣＰＵ６５は確率変動の判定結果を非獲得に更新すると、ステップＳ７２で大当り図柄の設定結果を変更し、ステップＳ７３で確変回数用のカウンタＮ３を 「０」にリセットする。この大当り図柄の再設定は大当り図柄の設定結果を「＋１」図柄に変更するものであり、例えば大当り図柄の設定結果が「７ ７ ７」であるときには左図柄「７」，中図柄「７」，右図柄「７」が「＋１」図柄である「８」に変更され、大当り図柄「８ ８ ８」が再設定される。
【０１１５】
ＣＰＵ６５はステップＳ６５でＲＡＭ６７の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップＳ７４へ移行する。ここでＲＡＭ６７のスペックエリアからスペックを検出し、図２６のスペックテーブルからスペックの検出結果に応じた外れリーチ値を取得する。このスペックテーブルはメイン制御装置６４のＲＯＭ６６に記録されたものであり、例えばスペックＡの設定時には１９個の外れリーチ値が取得され、スペックＢの設定時には１４個の外れリーチ値が取得され、スペックＣの設定時には１０個の外れリーチ値が取得される。
【０１１６】
ＣＰＵ６５はスペックに応じた外れリーチ値を取得すると、保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ２を検出し、外れリーチ値の取得結果と比較する。そして、ランダムカウンタＲ２が複数の外れリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、複数の外れリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、判定結果をＲＡＭ６７の外れリーチエリア（図２５参照）に格納する。
【０１１７】
即ち、スペックＡの設定時には外れリーチが「１９×１００／２２３＝８．５％」の高確率で判定され、スペックＢの設定時には外れリーチが「１４×１００／２２３＝６．３％」の中確率で判定され、スペックＣの設定時には外れリーチが「１０×１００／２２３＝４．５％」の低確率で判定される。尚、ＲＡＭ６７の外れリーチエリアは完全外れおよび外れリーチの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【０１１８】
ＣＰＵ６５は外れリーチおよび完全外れの判定結果をＲＡＭ６７の外れリーチエリアに格納すると、図７のステップＳ７５へ移行し、外れリーチエリアから外れリーチおよび完全外れの判定結果を検出する。そして、外れリーチの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップＳ７６で外れリーチ図柄を設定し、完全外れの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップＳ７７で完全外れ図柄を設定する。
【０１１９】
外れリーチ図柄および完全外れ図柄は原則的にランダムカウンタＲ６〜Ｒ８に基づいて設定されるものであり、ランダムカウンタＲ６〜Ｒ８が外れリーチ図柄および完全外れ図柄を構成しない組合せであるときには図柄の組合せを変更することに基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄が設定される。以下、外れリーチ図柄および完全外れ図柄の設定方法について説明する。
【０１２０】
（６−１）外れリーチ図柄の設定
メイン制御装置６４のＲＯＭ６６には、図２０の（ａ）〜（ｃ）に示すように、左図柄テーブル〜右図柄テーブルが記録されており、左図柄テーブルには左図柄とランダムカウンタＲ６との対応関係が記録され、中図柄テーブルには中図柄とランダムカウンタＲ７との対応関係が記録され、右図柄テーブルには右図柄とランダムカウンタＲ８との対応関係が記録されている。
【０１２１】
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図１７のステップＳ２１１へ移行すると、ＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を検出する。そして、左図柄テーブルからランダムカウンタＲ６に応じた左図柄を選択し、中図柄テーブルからランダムカウンタＲ７に応じた中図柄を選択し、右図柄テーブルからランダムカウンタＲ８に応じた右図柄を選択する。
【０１２２】
ＣＰＵ６５は左図柄〜右図柄を選択すると、ステップＳ２１２で左図柄と右図柄とを比較する。ここで左図柄と右図柄とが同一であることを検出したときにはステップＳ２１３へ移行し、左図柄と中図柄と右図柄とを比較する。ここで３者が同一であることを検出したときにはステップＳ２１４へ移行し、中図柄を「＋１」図柄に変更する。
【０１２３】
例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ １」であるときにはステップＳ２０２で「左図柄＝右図柄」が検出され、ステップＳ２１３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」でないことが検出され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ １」であるときにはステップＳ２１２で「左図柄＝右図柄」が検出され、ステップＳ２１３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」が検出される。そして、ステップＳ２１４で中図柄が「＋１」図柄である「２」に変更され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。尚、「１２」の「＋１」図柄は「１」である。
【０１２４】
ＣＰＵ６５はステップＳ２１２で左図柄の選択結果と右図柄の選択結果とが相違していることを検出すると、ステップＳ２１５へ移行し、左図柄を右図柄にコピーする。次に、ステップＳ２１３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」を検出したときにはステップＳ２１４へ移行し、中図柄を「＋１」図柄に変更する。
【０１２５】
例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ ４」であるときにはステップＳ２１２で「左図柄＝右図柄」でないことが判断される。そして、ステップＳ２１５で左図柄「１」が右図柄にコピーされ、左図柄〜右図柄が「１ ２ １」に変更される。この場合にはステップＳ２１３で「ＮＯ」と判断され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ ２」であるときにはステップＳ２１２で「左図柄＝右図柄」でないことが検出される。そして、ステップＳ２１５で左図柄「１」が右図柄にコピーされ、左図柄〜右図柄が「１ １ １」に変更される。この場合にはステップＳ２１４で中図柄が「１」から「２」に変更され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。
【０１２６】
（６−２）完全外れ図柄の設定
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図１８のステップＳ２２１でＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を検出する。そして、左図柄テーブルからランダムカウンタＲ６に応じた左図柄を選択し、中図柄テーブルからランダムカウンタＲ７に応じた中図柄を選択し、右図柄テーブルからランダムカウンタＲ８に応じた右図柄を選択する。
【０１２７】
ＣＰＵ６５は左図柄〜右図柄を選択すると、ステップＳ２２２で左図柄と右図柄とを比較する。ここで左図柄と右図柄とが同一であることを検出したときにはステップＳ２２３へ移行し、中図柄を右図柄にコピーする。そして、ステップＳ２２４で左図柄と中図柄と右図柄とを比較し、３者が同一であることを検出したときにはステップＳ２２５で右図柄を「＋１」図柄に変更する。例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ ２」であるときにはステップＳ２２２で「左図柄＝右図柄」でないことが検出され、完全外れ図柄「１ ２ ２」が確定する。
【０１２８】
左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ １」であるときにはステップＳ２２２で「左図柄＝右図柄」であることが検出される。そして、ステップＳ２２３で中図柄「２」が右図柄にコピーされ、左図柄〜右図柄の組合わせが「１ ２ ２」に変更される。この場合にはステップＳ２２４で「ＮＯ」と判断され、完全外れ図柄「１ ２ ２」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ １」であるときにはステップＳ２２３で中図柄「１」が右図柄にコピーされても左図柄〜右図柄の組合わせが「１ １ １」から変らない。この場合にはステップＳ２２５で右図柄が「＋１」図柄である「２」に変更され、完全外れ図柄「１
１ ２」が確定する。
【０１２９】
ＣＰＵ６５は図７のステップＳ７８へ移行すると、ＲＡＭ６７の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ１を検出し、ランダムカウンタＲ１に基づいて変動パターンを設定する。この変動パターンは左図柄〜右図柄の組合せが決まる様子をどのような演出内容の表示パターンで表示するかを設定するためのパラメータとして機能するものであり、下記に示すように、大当り，外れリーチ，完全外れの判定結果に応じた異なる態様で設定される。
【０１３０】
（６−３）大当り判定時の変動パターン設定
メイン制御装置６４のＲＯＭ６６には、図２１に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタＲ１と変動パターンとの対応関係を示すものであり、ＣＰＵ６５は図７のステップＳ７８へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタＲ１に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタＲ１が「１０」であるときには変動パターン「３４」が検出され、変動パターンが「３４」に設定される。
【０１３１】
（６−４）外れリーチ判定時の変動パターン設定
メイン制御装置６４のＲＯＭ６６には、図２２に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔＳとランダムカウンタＲ１と変動パターンとの対応関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔＳとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中図柄−左図柄」を称する。
【０１３２】
ＣＰＵ６５は図７のステップＳ７８へ移行すると、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタＲ１および差分ΔＳに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタＲ１が「１０」で、外れリーチ図柄の設定結果が「１０ ２ １０」であるときには変動パターン「３」が設定される。
【０１３３】
（６−５）完全外れ判定時の変動パターン設定
ＣＰＵ６５は完全外れの判定時には図７のステップＳ７８で変動パターンを 「１」に設定する。この完全外れの判定時にはランダムカウンタＲ１に基づく変動パターンの振分けがなく、変動パターンが「１」に一義的に設定される。
【０１３４】
変動パターンには、図２１および図２２に示すように、変動表示時間が個別に設定されており、ＣＰＵ６５は図７のステップＳ７９へ移行すると、変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。これら各変動表示時間は左図柄〜右図柄の変動開始から確定に至る所要時間を称するものであり、変動パターン「１」には変動表示時間「Ｔ１」が設定され、変動パターン「１」の設定時には変動表示時間が「Ｔ１」に設定される。この変動表示時間「Ｔ１」は完全外れの判定時に一義的に選択されるものであり、残りの全ての外れリーチ用の変動表示時間「Ｔ２〜Ｔ２５」および大当り用の変動表示時間「Ｔ２６〜Ｔ５８」に比べて短く設定されている。
【０１３５】
ＣＵ６５は図７のステップＳ８０へ移行すると、営業時間計測用のタイマＴ１を「５時間」と比較する。ここで「Ｔ１＜５時間」を経過したときにはステップＳ８１へ移行し、カウンタＮ７に変動表示時間の選択結果を加算することに基づいて変動表示時間を累積する。そして、ステップＳ８２へ移行し、遊技制御フラグに変動表示処理をセットする。即ち、タイマＴ１の計測値が「５時間」に達するまでは変動表示の開始直前にカウンタＮ７が加算され、変動表示時間が累積される。
【０１３６】
（７）変動表示処理
図３のステップＳ１８の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は変動表示処理で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて変動表示を開始する。
【０１３７】
ＣＰＵ６５は図８のステップＳ９１でタイマＴ２を「０」にリセットし、ステップＳ９２で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ９３で表示制御コマンドとして図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンと、直前の制御データ設定処理で設定した左図柄〜右図柄とを出力する。
【０１３８】
ＣＰＵ６５はステップＳ９３で図柄制御コマンド等を出力すると、ステップＳ９４でタイマＴ２をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置７３のＣＰＵ７４が図柄表示装置３３に変動表示を行っており、タイマＴ２は変動表示の開始時を起点とする継続時間を計測することになる。
【０１３９】
ＣＰＵ６５はタイマＴ２をスタートさせると、ステップＳ９５でカウンタＮ４に「１」を加算することに基づいて変動回数を計測し、ステップＳ９６でＲＡＭ６７のカウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ３に保留データ記録部Ｅ２〜Ｅ４の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部Ｅ１だけにランダムカウンタＲ１〜Ｒ８が格納されているときには保留データ記録部Ｅ１に保留データ記録部Ｅ２のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部Ｅ１のランダムカウンタＲ１〜Ｒ８が消去される。
【０１４０】
保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ４にランダムカウンタＲ１〜Ｒ８が格納されているときには保留データ記録部Ｅ２〜Ｅ４のランダムカウンタＲ１〜Ｒ８が前段の保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ３に移動され、保留データ記録部Ｅ４にデフォルトデータが記録される。従って、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部Ｅ２に格納されていたランダムカウンタＲ１〜Ｒ８に基づいて大当りの判定，図柄の設定，変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部Ｅ３に格納されていたランダムカウンタＲ１〜Ｒ８に基づいて大当りの判定，図柄の設定，変動パターンの設定等が行われる。
【０１４１】
ＣＰＵ６５はＲＡＭ６７のカウンタデータエリアを整理すると、図８のステップＳ９７でカウンタＮ２から「１」を減算し、ステップＳ９８で遊技制御フラグにスピーカ制御処理をセットする。カウンタＮ２は、上述したように、特別図柄始動口３６に対するパチンコ球Ｐの入賞個数を「４」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンドが出力された変動表示の開始直後にはカウンタＮ２が減算され、カウンタＮ２が上限値まで加算されていたときでもカウンタＮ２に加算の余地が生成される。このカウンタＮ２の減算状態ではＲＡＭ６７のカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で始動信号有りが記録されたときにはデータ取得処理でカウンタＮ２が加算され、カウンタデータエリアにランダムカウンタＲ１〜Ｒ８が新たに格納されることになる。
【０１４２】
（８）スピーカ制御処理
図３のステップＳ１９のスピーカ制御処理は遊技制御フラグがスピーカ制御処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図９のステップＳ１０１でスピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１０２でスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データを出力し、ステップＳ１０３で遊技制御フラグにランプ制御処理をセットする。
【０１４３】
ＩＮＴ信号はスピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３にＩＲＱ割込みプログラムの起動を指令するものであり、スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＮＴ信号に続けて出力されるスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データをＩＲＱ割込みプログラムの中で受信する。このスピーカ制御データはメイン制御装置６４が直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンを称するものであり、スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３は複数の鳴動パターンの中から変動パターンに応じたものを選択的に設定する。そして、スピーカ６を鳴動パターンの選択結果に基づいて駆動制御し、スピーカ６から変動パターンに応じた音を出力する。
【０１４４】
（９）ランプ制御処理
図３のステップＳ２０のランプ制御処理は遊技制御フラグがランプ制御処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図１０のステップＳ１１１でランプ制御装置９８のＣＰＵ９９にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１１２でランプ制御コマンドおよびランプ制御データを出力し、ステップＳ１１３で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。
【０１４５】
ＩＮＴ信号はランプ制御装置９８のＣＰＵ９９にＩＲＱ割込みプログラムの起動を指令するものであり、ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＮＴ信号に続けて出力されるランプ制御コマンドおよびランプ制御データをＩＲＱ割込みプログラムの中で受信する。このランプ制御データはメイン制御装置６４が直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンを称するものであり、ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９は複数の電飾パターンの中から変動パターンに応じたものを選択的に設定する。そして、コーナーランプ２７およびサイドランプ２９を電飾パターンの選択結果に基づいて駆動制御し、コーナーランプカバー２６およびサイドランプカバー２８を変動パターンに応じた態様で電飾する。
【０１４６】
（１０）全図柄停止処理
図３のステップＳ２１の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は全図柄停止処理で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に表示制御コマンドを出力し、変動表示を終了させる（図柄確定）。
【０１４７】
ＣＰＵ６５は図１１のステップＳ１２１で変動表示時間計測用のタイマＴ２の計測値を変動表示時間の選択結果と比較する。ここでタイマＴ２の計測値が変動表示時間の選択結果に達していることを検出したときにはステップＳ１２２でタイマＴ２を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
【０１４８】
ＣＰＵ６５は変動表示時間の計測を終えると、ステップＳ１２３で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１２４で表示制御コマンドとして全図柄停止コマンド（図柄確定コマンド）を出力し、ステップＳ１２５で遊技制御フラグに確定表示処理をセットする。この変動表示時間の経過時点では左図柄，中図柄，右図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はＩＮＴ信号を受信することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左図柄，中図柄，右図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
【０１４９】
（１１）確定表示処理
図３のステップＳ２２の確定表示処理は遊技制御フラグが確定表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図１２のステップＳ１３１でタイマＴ３を「０」にリセットする。このタイマＴ３は確定表示の開始時を起点とする経過時間を計測するものであり、ＣＰＵ６５はタイマＴ３をリセットすると、ステップＳ１３２でタイマＴ３をスタートさせることに基づいて確定表示時間の計測を開始し、ステップＳ１３３で遊技制御フラグに確定表示終了処理をセットする。
【０１５０】
（１２）確定表示終了処理
図３のステップＳ２３の確定表示終了処理は遊技制御フラグが確定表示終了処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は確定表示終了処理の中でリミッタ機能の確認等の残り処理を行う。
【０１５１】
ＣＰＵ６５は図１３のステップＳ１４１で確定表示時間計測用のタイマＴ３の計測値が確定表示時間に達したことを検出すると、ステップＳ１４２でタイマＴ３を停止させる。この確定表示時間は変動表示時間とは異なり、固定的な一定値（１ｓｅｃ程度）に設定されたものであり、ＣＰＵ６５はステップＳ１４２でタイマＴ３を停止させると、ステップＳ１４３で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ１４４で表示制御コマンドとして確定表示終了コマンドを出力する。すると、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムで確定表示コマンドを検出することに基づいてコマンド待ち時間の計測動作を開始する。
【０１５２】
ＣＰＵ６５はステップＳ１４４で確定表示終了コマンドを出力すると、ステップＳ１４５でＲＡＭ６７の大当りエリアから大当りの判定結果を検出する。ここで大当りを検出したときにはステップＳ１４６で遊技制御フラグに大当り遊技開始処理をセットし、ステップＳ１４７で変動回数用のカウンタＮ４を「０」にリセットする。即ち、カウンタＮ４は変動回数を大当りの発生を基準に計測するものである。
【０１５３】
ＣＰＵ６５はステップＳ１４５でＲＡＭ６７の大当りエリアに外れが格納されていることを検出すると、ステップＳ１４８で遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットし、ステップＳ１４９で確変エリアの確率変動フラグの設定状態に基づいて確率変動中であるか否かを判断する。ここで確率変動中であることを検出したときにはステップＳ１５０へ移行し、変動回数用のカウンタＮ４を上限値「１００００」と比較する。
【０１５４】
ＣＰＵ６５はステップＳ１５０で「Ｎ４≧１００００」を検出したときにはステップＳ１５１へ移行し、確変継続回数用のカウンタＮ３を「０」にリセットする。そして、ステップＳ１５２へ移行し、確変エリアの確率変動フラグを非確率変動状態に書換える。従って、確率変動の設定状態で変動回数Ｎ４が１００００回に達しても大当りが発生しないときには確率変動が強制的に解除され、１０００１回目の変動からは大当りが低確率で判定される。この機能を変動回数用のリミッタ機能と称する。
【０１５５】
（１３）大当り遊技開始処理
図３のステップＳ２４の大当り遊技開始処理は遊技制御フラグが大当り遊技開始処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図１４のステップＳ１６１でＶフラグを特定入賞状態にセットする。このＶフラグは原則的にパチンコ球Ｐが大入賞口３９の特定領域４４内に入賞することに基づいて特定入賞状態にセットされるものであり、ＣＰＵ６５はＶフラグを特定入賞状態にセットすると、ステップＳ１６２で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１６３で表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、ステップＳ１６４で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。
【０１５６】
大当り表示コマンドは図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に大当り表示の実行を指令するものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムで大当り表示コマンドを受信することに基づいて図柄表示装置３３に大当り表示を行う。この大当り表示は進行中の大当りラウンド数およびパチンコ球Ｐの大入賞口３９に対する入賞個数等を表示するものであり、大当りラウンド数の表示および入賞個数の表示は大当り表示用のアニメーション画面を背景として行われる。
【０１５７】
（１４）大当り遊技処理
図３のステップＳ２５の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は大当り遊技処理の中で大当りラウンド動作を実行する。
【０１５８】
ＣＰＵ６５は図１５のステップＳ１７１へ移行すると、大入賞口３９の開放状態を判断する。この大入賞口３９の開放状態は開放フラグの設定状態に基づいて判断されるものであり、ＣＰＵ６５は開放フラグが開放状態にセットされていることを検出したときには大入賞口３９が開放されていると判断してステップＳ１８３へ移行し、開放フラグが閉鎖状態にセットされていることを検出したときには大入賞口３９が閉鎖されていると判断してステップＳ１７２へ移行する。
【０１５９】
ＣＰＵ６５はステップＳ１７２へ移行すると、Ｖフラグの設定状態を判断する。このＶフラグは大当り遊技開始処理の中で特定入賞状態にセットされたり、大当り遊技処理中に大入賞口３９の特定領域４４内にパチンコ球Ｐが入賞することに基づいて特定入賞状態にセットされるものであり、ＣＰＵ６５はＶフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出したときにはステップＳ１７３へ移行する。
【０１６０】
ＣＰＵ６５はステップＳ１７３へ移行すると、大当りラウンド用のカウンタＮ６を上限値「１４」と比較する。このカウンタＮ６は大入賞口３９の開放回数を計測するものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ６≦１４」を検出したときにはステップＳ１７４でカウンタＮ６に「１」を加算する。
ＣＰＵ６５はカウンタＮ６を加算すると、ステップＳ１７５でタイマＴ４を 「０」にリセットする。このタイマＴ４は大入賞口３９の開放時間を計測するものであり、ＣＰＵ６５はタイマＴ４をリセットすると、ステップＳ１７６で大入賞口ソレノイド４２に駆動電源を印加し、大入賞口３９を開放する。これにより、パチンコ球Ｐが大入賞口３９内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
【０１６１】
ＣＰＵ６５は大入賞口３９を開放すると、ステップＳ１７７で可動片ソレノイド４８の駆動電源を遮断し、可動片４７を特定入賞状態に回動操作する。この特定入賞状態では可動片４７が大入賞口３９のカウント領域４３から特定領域４４に向って下降傾斜し、大入賞口３９内に入賞したパチンコ球Ｐが可動片４７の傾斜に沿って特定領域４４内に案内される。
【０１６２】
ＣＰＵ６５は可動片４７を特定入賞状態に回動操作すると、ステップＳ１７８で開放フラグを開放状態にセットすることに基づいて大入賞口３９の開放を記録する。そして、ステップＳ１７９でタイマＴ４をスタートさせ、大入賞口３９の開放時間を計測開始する。次に、ステップＳ１８０でＶフラグをカウント状態にリセットし、大入賞口３９の特定領域４４内にパチンコ球Ｐが入賞したか否かを判定可能な状態にする。
【０１６３】
大当りの判定直後にはＶフラグが特定入賞状態にセットされ、開放フラグが閉鎖状態にセットされ、カウンタＮ６が「０」にリセットされている。従って、ＣＰＵ６５はステップＳ１７１からＳ１７２，Ｓ１７３へ経てＳ１７４へ移行し、カウンタＮ６を「０」から「１」に加算する。そして、ステップＳ１７５でタイマＴ４をリセットし、ステップＳ１７６で大入賞口３９を開放し、ステップＳ１７７で可動片４７を特定入賞状態に回動操作する。尚、開放フラグおよびカウンタＮ６は電源投入時に閉鎖状態および「０」に初期設定されるものである。
【０１６４】
ＣＰＵ６５は大入賞口３９の開放状態でタイマ割込みが発生すると、ステップＳ１７１で開放フラグが開放状態にセットされていることを検出し、ステップＳ１８３でＶ信号の有無を判断する。このＶ信号はパチンコ球Ｐが大入賞口３９の特定領域４４内に入賞することに基づいてＶセンサ４６から出力されるものであり、ＣＰＵ６５はＲＡＭ６７の出力監視エリアにＶ信号有りが記録されていることを検出したときにはＶ信号有りと判断し、Ｖ信号無しが記録されていることを検出したときにはＶ信号無しと判断する。
【０１６５】
ＣＰＵ６５はステップＳ１８３でＶ信号有りを検出すると、ステップＳ１８４でＶフラグを特定入賞状態にセットすることに基づいてパチンコ球Ｐが特定領域４４内に入賞したことを記録する。そして、ステップＳ１８５で可動片ソレノイド４８に駆動電源を印加し、可動片４７をカウント状態に回動操作する。このカウント状態では可動片４７が大入賞口３９の特定領域４４からカウント領域４３に向って下降傾斜し、大入賞口３９内に入賞したパチンコ球Ｐが可動片４７の傾斜に沿ってカウント領域４３内に案内される。
【０１６６】
ＣＰＵ６５はステップＳ１８６へ移行すると、入賞個数用のカウンタＮ５に 「１」を加算する。このカウンタＮ５は大入賞口３９の１回の開放時に何個のパチンコ球Ｐが入賞したかを計測するものであり、パチンコ球Ｐがカウント領域４３内および特定領域４４内に入賞した場合の双方で加算される。
ＣＰＵ６５はステップＳ１８７へ移行すると、カウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球Ｐが大入賞口３９のカウント領域４３内に入賞することに基づいてカウントセンサ４５から出力されるものであり、ＣＰＵ６５はＲＡＭ６７の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されているときにはカウント信号有りと判断し、カウント信号無しが記録されているときにはカウント信号無しと判断する。
【０１６７】
ＣＰＵ６５はステップＳ１８７でカウント信号有りを検出すると、ステップＳ１８８で入賞個数用のカウンタＮ５に「１」を加算し、ステップＳ１８９でカウンタＮ５を上限値「１０個」と比較し、ステップＳ１９０でタイマＴ４の計測値を上限値「２７秒」と比較する。ここで「Ｎ５≧１０個」および「Ｔ≧２７秒」のいずれかを検出したときにはステップＳ１９１で大入賞口ソレノイド４２を断電することに基づいて大入賞口３９を閉鎖する。即ち、大入賞口３９は規定個数のパチンコ球Ｐが入賞するか、開放時間が上限値に達することに基づいて開放状態から閉鎖されるものであり、大入賞口３９の入賞個数および開放時間を条件とする開閉動作を大当りラウンド動作と称する。
【０１６８】
ＣＰＵ６５はステップＳ１９１で大入賞口３９を閉鎖すると、ステップＳ１９２でタイマＴ４を停止させることに基づいて開放時間の計測を終える。そして、ステップＳ１９３で入賞個数用のカウンタＮ５を「０」にリセットし、ステップＳ１９４で開放フラグを閉鎖状態にセットすることに基づいて大入賞口３９の閉鎖を記録する。尚、カウンタＮ５は電源投入時に「０」に初期設定されるものである。
【０１６９】
ＣＰＵ６５は大入賞口３９の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、ステップＳ１７１からＳ１７２へ移行し、Ｖフラグの設定状態を判断する。ここでＶフラグが特定入賞状態にセットされていないことを検出したときにはステップＳ１８１で大当りラウンド用のカウンタＮ６を「０」にリセットし、ステップＳ１８２で遊技制御フラグを大当り遊技終了処理にセットすることに基づいて大当り遊技処理を終える。
【０１７０】
ＣＰＵ６５はステップＳ１７２でＶフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出すると、ステップＳ１７３で大当りラウンド用のカウンタＮ６を上限値「１４」と比較する。ここで「Ｎ６≦１４」を検出したときにはステップＳ１７３からＳ１７４〜Ｓ１７６へ移行し、大入賞口３９を開放する。即ち、大当りラウンド動作は大入賞口３９の開放時にパチンコ球Ｐが特定領域４４内に入賞することを条件に再開される。
【０１７１】
ＣＰＵ６５はステップＳ１７３で「Ｎ６＞１４」を検出したときにはステップＳ１８１でカウンタＮ６をリセットし、ステップＳ１８２で遊技制御フラグを大当り遊技終了処理にセットする。即ち、大当りラウンド動作の繰返し数には上限値「１５回」が設定されており、パチンコ球Ｐが特定領域４４内に入賞した場合でも大当りラウンドが１５回に達しているときには大当りラウンドが再開されず、大当り遊技処理が終了する。
【０１７２】
（１５）大当り遊技終了処理
図３のステップＳ２６の大当り遊技終了処理は遊技制御フラグが大当り遊技終了処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は大当り遊技終了処理の中で図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に表示制御コマンドを送信し、大当り表示の終了を指令する。
【０１７３】
ＣＰＵ６５は図１６のステップＳ２０１へ移行すると、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ２０２で表示制御コマンドとして表示終了コマンドを出力する。この表示終了コマンドは図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に大当り表示終了を指令するものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムの中で表示終了コマンドを受信することに基づいて大当り表示を終え、大当り図柄の確定表示を開始する。
【０１７４】
ＣＰＵ６５はステップＳ２０２で表示終了コマンドを出力すると、ステップＳ２０３でＲＡＭ６７の大当りエリアの格納データを「大当り」から「外れ」に書換え、ステップＳ２０４で遊技制御フラグに確定表示処理をセットする。従って、大当り表示の終了後には図１２の確定表示処理で大当り図柄の確定表示時間が計測開始され、確定表示時間が経過したときには図１３の確定表示終了処理で外れが強制的に判定される。これと共に、ＣＰＵ６５から図柄制御装置７３のＣＰＵ７４に確定表示終了コマンドが出力され、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４がコマンド待ち時間の計測動作を開始する。
【０１７５】
図２７は図柄制御装置７３がメイン制御装置６４からの表示制御コマンドに基づいて実行する表示動作等を示すタイムチャートであり、外れが判定された場合を示している。ここで入賞球▲１▼が発生したときには変動表示が開始される。この変動表示▲１▼中に入賞球▲２▼が発生したときには保留回数が加算され、入賞球▲１▼に基づく確定表示▲１▼が設定時間だけ行われた後、入賞球▲２▼に基づく変動表示▲２▼が実行される。この場合には確定表示▲１▼の終了時にコマンド待ち時間の計測が開始されるが、入賞球▲２▼が存在するので、コマンド待ち時間の計測が即座に終了する。
【０１７６】
確定表示▲２▼の終了時にはコマンド待ち時間の計測が開始される。このコマンド待ち時間の計測時にはメイン制御装置６４から図柄制御装置７３に図柄制御コマンドが出力されておらず、図柄制御装置７３が図柄の確定表示を継続した状態にある。この確定継続表示▲２▼´はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞するか、コマンド待ち時間が経過するまで続くものであり、例えばコマンド待ち時間の経過前に入賞球▲３▼が発生したときには確定継続表示▲２▼´が終了し、変動表示▲３▼および確定表示▲３▼が行われる。
【０１７７】
確定表示▲３▼の終了時に入賞球が発生していないときには確定継続表示▲３▼´が行われ、コマンド待ち時間の計測が開始される。このコマンド待ち時間が経過しても入賞球が発生しないときには確定継続表示▲３▼´が終了し、デモ表示が開始される。このデモ表示中に入賞球▲４▼が発生したときにはデモ表示が終了し、変動表示▲４▼が開始される。
【０１７８】
図２８は図柄制御装置７３がメイン制御装置６４からの表示制御コマンドに基づいて実行する表示動作等を示すタイムチャートであり、大当りが判定された場合を示している。ここで入賞球▲１▼に基づいて大当りが判定されたときには確定表示▲１▼に続けて大当り表示▲１▼が行われ、大当り表示▲１▼の終了後に確定表示▲１▼´が再開される。この確定表示▲１▼´の終了時点で入賞球が存在するときにはコマンド待ち時間の計測が即座に終了し、変動表示が開始される。
【０１７９】
確定表示▲１▼´の終了時点で入賞球が存在しないときには確定表示▲１▼´が継続され、コマンド待ち時間が計測開始される。このコマンド待ち時間の経過前に入賞球が発生したときには確定表示▲１▼´の継続が終了し、変動表示が開始される。また、コマンド待ち時間が経過しても入賞球が発生しないときには確定表示▲１▼´の継続が終了し、デモ表示が開始される。
【０１８０】
＜図柄制御装置７３の内部処理について＞
図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は電源が投入されると、図２９のステップＳ３０１で割込み禁止を設定する。そして、ステップＳ３０２でＲＡＭ７６の全データおよびＩ／Ｏ８０を初期設定し、ステップＳ３０３で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
【０１８１】
ＣＰＵ７４はステップＳ３０３で割込みを許可すると、ステップＳ３０４でＶＤＰ７７にデモ表示コマンドを出力する。すると、ＶＤＰ７７はＶＲＯＭ７８から必要な表示データを読出し、デモ画面の表示を開始する。このデモ画面は客待ち状態にあることを遊技者に報知するためのものであり、背景上で機種名「○ ○ ○ ○」が表示される前半部と、背景上で子供のキャラクタが追い掛けっこを行う後半部とから構成され、後半部が終了したときには前半部の先頭に戻って表示が再開される。この電源投入直後のデモ表示中にパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したときにはデモ表示が終了し、左図柄，中図柄，右図柄が 「１」，「２」，「３」を初期図柄として変動開始する。
【０１８２】
ＣＰＵ７４はステップＳ３０５のカウンタ更新処理へ移行すると、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は表示パターンを選択するためのランダムカウンタＲ１０を「１」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタＲ１０は上限値「１９１」に加算されたときには「０」に戻って再び加算される。
【０１８３】
図柄制御装置７３のＣＰＵ７４はメイン制御装置６４からのＩＮＴ信号を検出すると、図３０のＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ステップＳ３１１でメイン制御装置６４からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出し、ＲＡＭ７６の特定エリアに格納する。
【０１８４】
図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は４ｍｓｅｃが経過する毎に図３１のタイマ割込みプログラムを起動し、図柄表示装置３３の表示内容をタイマ割込みプログラムで制御する。このタイマ割込みプログラムはステップＳ３２１のコマンド待ち処理〜ステップＳ３２９の大当り表示終了処理を有するものであり、ステップＳ３２１のコマンド待ち処理〜ステップＳ３２９の大当り表示終了処理は表示制御フラグの設定内容に応じて選択的に実行される。
【０１８５】
（１）コマンド待ち処理
図３１のステップＳ３２１のコマンド待ち処理は表示制御フラグがコマンド待ち処理にセットされている場合に実行されるものである。この表示制御フラグは電源投入時にコマンド待ち処理に初期設定されるものであり、電源投入時にはコマンド待ち処理が実行される。
【０１８６】
図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は図３２のステップＳ３３１へ移行すると、ＲＡＭ７６の特定エリアに確定表示終了コマンドが格納されているか否かを判断する。ここで「ＮＯ」と判断したときにはステップＳ３３５へ移行し、ＲＡＭ７６の特定エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。ここで 「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ３３６へ移行し、表示制御フラグに表示パターン設定処理をセットする。
【０１８７】
ＣＰＵ７４はステップＳ３３１で確定表示コマンドの格納を検出すると、ステップＳ３３２でタイマＴ５を「０」にリセットする。このタイマＴ５はコマンド待ち時間を計測するものであり、ＣＰＵ７４はタイマＴ５をリセットすると、ステップＳ３３３でタイマＴ５をスタートさせることに基づいてコマンド待ち時間の計測を開始し、ステップＳ３３４で表示制御フラグをデモ表示開始処理にセットする。
【０１８８】
（２）デモ表示開始処理
図３１のステップＳ３２２のデモ表示開始処理は表示制御フラグがデモ表示開始処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＵ７４はデモ表示開始処理の中でＶＤＰ７７にデモ表示コマンドを出力し、デモ表示を開始する。
【０１８９】
ＣＰＵ７４は図３３のステップＳ３４１へ移行すると、コマンド待ち時間計測用のタイマＴ５の計測値を設定値（例えば４０ｓｅｃ）と比較する。ここで「Ｔ５＜４０ｓｅｃ」を検出したときにはステップＳ３４５でＲＡＭ７６の特定エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。ここで「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ３４６へ移行し、表示制御フラグに表示パターン設定処理をセットする。
【０１９０】
ＣＰＵ７４はステップＳ３４１で「Ｔ５≧４０ｓｅｃ」を検出したときにはコマンド待ち時間が経過したと判断し、ステップＳ３４２でタイマＴ５を停止させることに基づいてコマンド待ち時間の計測を終える。そして、ステップＳ３４３でＶＤＰ７７にデモ表示コマンドを出力し、ステップＳ３４４で表示制御フラグにデモ表示処理をセットする。すると、ＶＤＰ７７はデモ表示コマンドを検出することに基づいてＶＲＯＭ７８から必要な表示データを読出し、図柄表示装置３３にデモ表示を開始する。
【０１９１】
（３）デモ表示処理
図３１のステップＳ３２３のデモ表示処理は表示制御フラグがデモ表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は図３４のステップＳ３５１へ移行すると、デモ表示パターンからキャラクタの動作タイミング，背景の切換えタイミング等のイベントの発生タイミングを検出する。このデモ表示パターンは図柄制御装置７３のＲＯＭ７５に記録されたものであり、ＣＰＵ７４はイベントの発生タイミングに達したことを検出したときにはＶＤＰ７７に必要なコマンドを出力し、デモ表示パターンに応じたアニメーション画面を表示する。
【０１９２】
ＣＰＵ７４はステップＳ３５２へ移行すると、ＲＡＭ７６の特定エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。ここで「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ３５３へ移行し、表示制御フラグに表示パターン設定処理をセットする。
【０１９３】
（４）表示パターン設定処理
図３１のステップＳ３２４の表示パターン設定処理は表示制御フラグが表示パターン設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、表示制御フラグは、上述したように、デモ表示の停止中は勿論のこと、デモ表示中に図柄制御コマンドが検出された場合にも表示パターン設定処理にセットされる。この表示パターン設定処理は複数の表示パターンの中から変動パターンに応じたものを選択的に設定するものであり、各表示パターンは各列の図柄の変動速度，各列の図柄の仮停止タイミング，背景の種類，背景の切換タイミング，キャラクタの表示タイミング，キャラクタの種類，吹出しの表示タイミング，吹出しの種類，表示パターンの終了タイミング（変動表示時間）等を示している。
【０１９４】
図柄制御装置７３のＲＯＭ７５には、図４１に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタＲ１０から表示パターンおよび変動表示時間の双方を選択するためのものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は図３５のステップＳ３６１へ移行すると、ランダムカウンタＲ１０の現在の計測値を取得する。そして、ステップＳ３６２で表示パターンテーブルから変動パターンに応じた表示パターンおよび変動表示時間を選択し、ステップＳ３６３で表示制御フラグを変動開始処理に設定する。
【０１９５】
例えば変動パターンが「１」のときにはランダムカウンタＲ１０に拘らず表示パターン「１」および変動表示時間「Ｔ１」が選択され、変動パターンが「４」のときにはランダムカウンタＲ１０に応じて表示パターン「４−１」〜「４−３」および共通の変動表示時間「Ｔ４」が選択される。
【０１９６】
図４３は表示パターン「１」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「１」は完全外れの判定時に一義的に選択されるものであり、表示パターン「１」の選択時には背景として背景データＡのオフィスが表示され、キャラクタの表示は行われず、左図柄，右図柄，中図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左図柄，右図柄，中図柄の仮停止はＲＡＭ７６の特定エリアに格納されているメイン制御装置６４からの表示制御データ （図柄の設定結果）で行われるものであり、３列の仮停止状態では３列の図柄が外れの組合せになる。
【０１９７】
図４４は表示パターン「４−１」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「４−１」は外れリーチの判定時に選択されるものであり、表示パターン「４−１」の選択時には背景として背景データＡのオフィスが表示され、キャラクタの表示は行われない。また、左図柄および右図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止し、中図柄は通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左図柄，右図柄，中図柄の仮停止はＲＡＭ７６の特定エリアに格納されているメイン制御装置６４からの表示制御データ （図柄の設定結果）で行われるものであり、左図柄および右図柄の仮停止時にはリーチが発生し、３列の仮停止状態では３列の図柄が外れの組合せになる。
【０１９８】
図４５は表示パターン「４−２」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「４−２」は表示パターン「４−１」のバリエーションに相当するものであり、中図柄が低速変動状態に切換わると同時に背景が背景データＡのオフィスから背景データＤの建物に切換わる点で表示パターン 「４−１」と相違する。
図４６は表示パターン「４−３」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「４−３」も表示パターン「４−１」のバリエーションに相当するものであり、中図柄が低速変動状態に切換わると同時に背景が背景データＡのオフィスから背景データＤの建物に切換わる点および左図柄の通常変動中にキャラクタＭ（図４８参照）の表示がリーチ予告として瞬間的に行われる点で表示パターン「４−１」と相違する。
【０１９９】
図４７は表示パターン「５８」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「５８」は大当りの判定時に選択されるものであり、表示パターン「５８」の選択時には背景として背景データＡのオフィス→背景データＣの廊下→背景データＡのオフィスが切換え表示される。また、左図柄および右図柄は通常変動状態から仮停止した後に消滅し、中図柄は通常変動状態から消滅する。この中図柄の消滅は背景がオフィスから廊下に切換わると同時に行われるものであり、背景の切換え状態ではキャラクタＭおよびキャラクタＷが表示され、所定の動作を行う。この動画面はリーチアクションと称されるものであり、キャラクタＭおよびキャラクタＷの動作内容に応じて大当りの発生の有無をイメージさせる。
【０２００】
図４８は表示パターン「５８」の選択時に出現するリーチアクションを説明するものであり、表示パターン「５８」の選択時にはキャラクタＭがキャラクタＷに自分を放り投げることを哀願し、図４８の（ａ）および（ｂ）に示すように、キャラクタＷがキャラクタＭの哀願を承諾してキャラクタＭを放り投げる演出のリーチアクションが表示される。このリーチアクションの終了時には、図４８の（ｃ）に示すように、背景が廊下からオフィスに切換わり、背景の切換えと同時に３列の図柄が大当りとなる組合せで有効ラインＹＬ上に仮表示される。
【０２０１】
完全外れ用の表示パターン「１」の設定時には変動表示時間「Ｔ１」が設定され、変動表示時間「Ｔ１」で変動表示が行われる。また、外れリーチ用の表示パターン「２〜２５」の設定時には変動表示時間「Ｔ２〜Ｔ２５」が設定され、変動表示時間「Ｔ２〜Ｔ２５」で変動表示が行われる。また、大当り用の表示パターン「２６〜５８」の設定時には変動表示時間「Ｔ２６〜Ｔ５８」が設定され、変動表示時間「Ｔ２６〜Ｔ５８」で変動表示が行われる。これら外れリーチ用の変動表示時間「Ｔ２〜Ｔ２５」および大当り用の変動表示時間「Ｔ２６〜Ｔ５８」はいずれもが完全外れ用の変動表示時間「Ｔ１」に比べて長く、外れリーチおよび大当りの判定時には完全外れの判定時に比べて図柄の変動開始から確定に至る所要時間が長くかかるように設定されている。
【０２０２】
（５）変動開始処理
図３１のステップＳ３２５の変動開始処理は表示制御フラグが変動開始処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は変動開始処理の中で変動表示を開始する。
ＣＰＵ７４は図３６のステップＳ３７１でタイマＴ６を「０」にリセットし、ステップＳ３７２でタイマＴ６をスタートさせる。このタイマＴ６は変動表示の経過時間を計測するものであり、ＣＰＵ７４はタイマＴ６をスタートさせると、ステップＳ３７３でＶＤＰ７７に変動開始コマンドを出力し、ステップＳ３７４で表示制御フラグに変動表示処理をセットする。
【０２０３】
ＶＤＰ７７は変動開始コマンドを検出すると、図柄表示装置３３の左図柄，中図柄，右図柄を通常変動させる。この通常変動は左列の変動領域ＨＥ内，中列の変動領域ＨＥ内，右列の変動領域ＨＥ内に図柄「１，２，３，４，５，６，７，８，９，10，11，12」を通常速度で切換え表示するものであり、通常変動時の各列の図柄の切換え順序は「１」→「２」→「３」……「11」→「12」→「１」…のループ状に設定されている。
【０２０４】
（６）変動表示処理
図３１のステップＳ３２６の変動表示処理は表示制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は変動表示処理の中で表示パターンの設定結果に応じたアニメーション画面を表示する。
【０２０５】
ＣＰＵ７４は図３７のステップＳ３８１へ移行すると、表示パターンから各列の図柄の仮停止タイミング，背景の切換タイミング，キャラクタの表示タイミング，吹出しの表示タイミング等のイベントの発生タイミングを検出する。そして、変動表示用のタイマＴ６の計測値がイベントの発生タイミングに達したことを検出したときにはＶＤＰ７７に必要なコマンドを出力し、表示パターンに応じたアニメーション画面を表示する。
【０２０６】
ＣＰＵ７４はステップＳ３８２へ移行すると、表示パターンの終了を判断する。この表示パターンの終了は表示パターンの中で設定されている終了タイミング（変動表示時間）を変動表示時間計測用のタイマＴ６の計測値と比較することに基づいて判断されるものであり、ＣＰＵ７４は表示パターンの表示終了を検出すると、ステップＳ３８３でタイマＴ６を停止させることに基づいて変動表示時間の計測を終え、ステップＳ３８４で表示制御フラグに全図柄停止処理をセットする。
【０２０７】
（７）全図柄停止処理
図３１のステップＳ３２７の全図柄停止処理は表示制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は全図柄停止処理の中で左図柄，中図柄，右図柄を確定表示する。
【０２０８】
ＣＰＵ７４は図３８のステップＳ３９１へ移行すると、全図柄停止コマンドの有無を判断する。この全図柄停止コマンドはＣＰＵ７４がＩＲＱ割込み処理でメイン制御装置６４からの全図柄停止コマンドを検出することに基づいてＲＡＭ７６の特定エリアに格納するものであり、ＣＰＵ７４は全図柄停止コマンドの格納を検出すると、ステップＳ３９２でＶＤＰ７７に図柄確定コマンドを出力し、ステップＳ３９３で表示制御フラグを大当り表示処理にセットする。
【０２０９】
全図柄停止コマンドはメイン制御装置６４が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置７３が変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングで終了するように設定されている。即ち、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４からＶＤＰ７７への図柄確定コマンドは左図柄，中図柄，右図柄が仮停止状態にある表示パターンの終了タイミングで出力されるものである。ＶＤＰ７７は仮停止状態で左図柄，中図柄，右図柄を左列の変動領域ＨＥ内，中列の変動領域ＨＥ内，右列の変動領域ＨＥ内で上下に揺らしており、図柄確定コマンドを検出すると、左図柄，中図柄，右図柄を水平な１本の有効ラインＹＬ上に静止した確定表示状態に切換える。
【０２１０】
（８）大当り表示処理
図３１のステップＳ３２８の大当り表示処理は表示制御フラグが大当り表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は大当り表示処理の中で図柄表示装置３３に大当り表示を行う。
【０２１１】
ＣＰＵ７４は図３９のステップＳ４０１へ移行すると、ＲＡＭ７６の特定エリアに大当り表示コマンドが記録されているか否かを検出する。この大当り表示コマンドはメイン制御装置６４が大当り遊技開始時に出力するものであり、ＣＰＵ７４はステップＳ４０１で「ＮＯ」と判断したときにはステップＳ４０２で遊技制御フラグをコマンド待ち処理にセットし、「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ４０３へ移行する。
【０２１２】
ＣＰＵ７４はステップＳ４０３へ移行すると、ＶＤＰ７７に大当り表示コマンドを出力し、ステップＳ４０４で表示制御フラグに大当り表示終了処理をセットする。すると、ＶＤＰ７７はＶＲＯＭ７８から必要な表示データを読出し、図柄表示装置３３に大当り表示を行う。
【０２１３】
（９）大当り表示終了処理
図３１のステップＳ３２９の大当り表示終了処理は表示制御フラグが大当り表示終了処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置７３のＣＰＵ７４は大当り表示終了処理の中で大当り表示を終える。
【０２１４】
ＣＰＵ７４は図４０のステップＳ４１１へ移行すると、ＲＡＭ７６の特定エリアに表示終了コマンドが記録されているか否かを検出する。この表示終了コマンドはメイン制御装置６４が大当り遊技終了時に出力するものであり、ＣＰＵ７４はステップＳ４１１で「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ４１２でＶＤＰ７７に表示終了コマンドを出力し、ステップＳ４１３で表示制御フラグにコマンド待ち処理をセットする。
【０２１５】
ＶＤＰ７７は表示終了コマンドを検出すると、ＶＲＯＭ７８から必要な表示データを読出し、図柄表示装置３３に「大当り終了」等の終了メッセージを表示することに基づいて大当り表示を終えた後、直前の大当り図柄を水平な有効ラインＹＬに沿って静止した確定状態で表示する。
【０２１６】
＜スピーカ制御装置９２の内部処理について＞
スピーカ制御装置９２のＣＰＵ９３はメイン制御装置６４からのＩＮＴ信号を検出すると、ＩＲＱ割込みプログラムを起動する。そして、ＩＮＴ信号に続くスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データをＩＲＱ割込みプログラムで受信し、ＲＡＭ９５に格納する。このスピーカ制御データは変動パターンを有するものであり、ＣＰＵ９３はタイマ割込みプログラムでスピーカ制御コマンド有りを検出すると、図４９の鳴動パターンテーブルの複数の鳴動パターンの中から変動パターンに応じたものを選択し、スピーカ６を鳴動パターンの選択結果に基づいて駆動する。
【０２１７】
例えば変動パターン５８を検出したときには変動パターン５８に基づいて鳴動パターン５８を設定し、スピーカ６を鳴動パターン５８に応じて駆動することに基づいて「大当り、おめでとう」の効果音を図柄の確定表示タイミングで出力する。尚、鳴動パターンには音声だけではなく、音楽や爆発音等の効果音も含まれている。また、鳴動パターンテーブルはスピーカ制御装置９２のＲＯＭ９４に記録されたものである。
【０２１８】
＜ランプ制御装置９８の内部処理について＞
ランプ制御装置９８のＣＰＵ９９はメイン制御装置６４からのＩＮＴ信号を検出すると、ＩＲＱ割込みプログラムを起動する。そして、ＩＮＴ信号に続くランプ制御コマンドおよびランプ制御データをＩＲＱ割込みプログラムで受信し、ＲＡＭ１０１に格納する。このランプ制御データは変動パターンを有するものであり、ＣＰＵ９９はタイマ割込みプログラムでランプ制御コマンド有りを検出すると、図５０の電飾パターンテーブルの複数の電飾パターンの中から変動パターンに応じたものを選択し、コーナーランプ２７およびサイドランプ２９を電飾パターンの選択結果に基づいて駆動する。
【０２１９】
例えば変動パターン１を検出したときには変動パターン１に基づいて電飾パターン１を設定する。そして、コーナーランプ２７およびサイドランプ２９を電飾パターン１に応じて駆動し、コーナーランプカバー２６およびサイドランプカバー２８を電飾する。尚、電飾パターンテーブルはランプ制御装置９８のＲＯＭ１００に記録されたものである。
【０２２０】
上記第１実施例によれば、図柄が変動開始してから確定するまでの変動表示時間を累積し、変動表示時間の累積結果に基づいて外れリーチの判定確率を設定した。このため、遊技者が好んで遊技を行った変動回数が多い台の場合には外れリーチの判定確率が小さく設定されるので、判定確率の調整前に比べてリーチの出現回数が減る。従って、回転率が増えるので、客付きが一層良くなる。また、遊技者に敬遠された変動回数が少ない台の場合には外れリーチの判定確率が高く設定されるので、判定確率の調整前に比べてリーチの出現回数が増える。従って、大当りが発生し易い印象になるので、客付きが良くなる。
【０２２１】
また、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況（＝変動表示時間の累積結果）に応じてリーチの発生確率が変わる。このため、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の台が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなるので、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
【０２２２】
また、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したことを条件に変動パターンおよび変動表示時間を設定した。そして、変動パターンおよび変動表示時間の設定結果に応じた表示パターンを表示すると共に変動表示時間の設定結果を累積したので、変動表示時間を実測する必要がなくなり、変動表示時間を実測する専用の電気的構成が不要になる。
【０２２３】
また、電源投入から設定時間が経過する毎に変動表示時間の累積結果に基づいて外れリーチの判定確率を設定した。このため、リーチの発生確率が設定時間の経過毎に調整されるので、パチンコホールの一日の営業時間内でリーチの発生確率を変えることができる。
また、保留回数が「０」であることを条件に外れリーチの判定確率を設定したので、保留回数Ｎ１（Ｎ１は１以上の整数）の始動入賞球および保留回数Ｎ２ （Ｎ２はＮ１より大きな２以上の整数）の始動入賞球間で外れリーチの判定確率が変わることがなくなる。
【０２２４】
尚、上記第１実施例においては、メイン制御装置６４が電源投入時を起点に５時間毎にリーチ確率を調整する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば電源投入時を起点とする４時間毎または６時間毎に調整しても良く、要は１日の営業時間内で少なくとも１回調整すれば良い（１回の電源投入で少なくとも１回調整すれば良い）。
【０２２５】
また、上記第１実施例においては、メイン制御装置６４が１日の営業時間内でリーチ確率を調整する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば前日の変動表示時間の累積値に基づいて今日のリーチ確率を調整するように構成しても良い。以下、前日の変動表示時間の累積値に基づいて今日のリーチ確率を調整する本発明の第２実施例について説明する。
【０２２６】
メイン基板６３にはバックアップ電源が搭載されている。このバックアップ電源はリチウム電池を主体に構成されたものであり、主電源に相当する島電源の遮断時にはバックアップ電源からメイン制御装置６４のＲＡＭ６７にデータバックアップ用の直流電源が印加される。
【０２２７】
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５は図６３のステップＳ７９で変動表示時間を設定すると、ステップＳ８１でカウンタＮ７に変動表示時間の設定結果を加算し、電源投入から遮断に至る全ての変動表示時間を累積する。そして、パチンコホールの１日の営業が終了し、島電源が遮断されたときにはＲＡＭ６７にバックアップ電源が印加され、ＲＡＭ６７の全てのデータが少なくとも明日の営業開始時まで保管される。
【０２２８】
ＣＰＵ６５は電源が投入されると、図６４のステップＳ１でタイマ割込みプログラムの起動禁止を設定し、ステップＳ６でカウンタＮ７の計測値を検出する。このカウンタＮ７はＲＡＭ６７にバックアップされている前日の全営業時の変動表示時間の累積値であり、ＣＰＵ６５はカウンタＮ７の計測値を検出すると、カウンタＮ７の計測値に基づいてスペックを設定する。例えば「０≦Ｎ７≦１時間３０分」を検出したときには低確率用のスペックＡを設定し、「１時間３０分＜Ｎ７≦６時間」を検出したときには中確率用のスペックＢを設定し、「６時間＜Ｎ７」を検出したときには高確率用のスペックＣを設定し、スペックの設定結果をＲＡＭ６７のスペックエリアに格納する。
【０２２９】
ＣＰＵ６５はスペックを設定すると、ステップＳ２でスペックを除くＲＡＭ６７の全データを初期設定し、ステップＳ４でタイマ割込みプログラムの起動を許容する。この後、図６３のステップＳ７４へ移行すると、ＲＡＭ６７のスペックエリアからスペックを検出し、スペックの検出結果に応じた個数の外れリーチ値を図２６のスペックテーブルから検出する。そして、保留データ記録部Ｅ１のランダムカウンタＲ２をスペックの設定結果に応じた個数の外れリーチ値と比較し、本日の営業時間内には前日の変動表示時間の累積値に応じた一定の確率で外れリーチを判定する。
【０２３０】
上記第２実施例によれば、電源投入から遮断に至るまでの変動表示時間の累積結果をメイン制御装置６４のＲＡＭ６７にバックアップし、電源投入時の１回だけＲＡＭ６７のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率を設定したので、本日の営業時間内は前日のトータルの稼働時間に応じた同一確率でリーチを発生させることができる。
【０２３１】
尚、上記第２実施例においては、前日の１日の変動表示時間の累積値に基づいて今日のリーチ確率を調整したが、これに限定されるものではなく、例えば前日の特定の時間帯の変動表示時間の累積値に基づいて今日のリーチ確率を調整しても良い。この構成の場合、特定の時間帯は遊技者が最も多い時間帯である午後６時〜午後９時に固定したり、あるいは、遊技者が最も少ない時間帯である午前９時〜午前１２時に固定しても良い。あるいは、パチンコ機の裏側にスイッチを設け、パチンコホール側がスイッチ操作に基づいて変動表示時間の累積対象となる時間帯を任意に設定する構成としても良い。
【０２３２】
また、上記第２実施例においては、変動表示時間の累積結果をメイン制御装置６４のＲＡＭ６７にバックアップしたが、これに限定されるものではなく、例えばメイン基板６３にフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを搭載し、不揮発性メモリにバックアップしても良い。
【０２３３】
また、上記第１〜第２実施例においては、変動表示時間の累積結果に基づいて外れリーチの判定確率を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば設定時間が経過することに基づいて外れリーチの判定確率を設定しても良い。この構成の場合、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
【０２３４】
図６５は設定時間が経過する毎に外れリーチ判定確率を設定する本発明の第３実施例を示している。以下、本発明の第３実施例を図６５に基づいて説明する。メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はステップＳ５１でタイマＴ１の計測値が設定値（例えば３時間）に達したことを検出すると、ステップＳ５２でタイマＴ１を停止する。このタイマＴ１は電源投入時を基準とする経過時間を計測するものであり、ＣＰＵ６４はタイマＴ１を停止させると、ステップＳ５３でカウンタＮ２を「０」と比較する。このカウンタＮ２は保留回数を計測するものであり、ＣＰＵ６５は「Ｎ２＝０」を検出したときには保留回数が「０」であると判断し、ステップＳ５４Ａへ移行する。
【０２３５】
ＣＰＵ６５はステップＳ５４Ａへ移行すると、ランダムカウンタＲ１０の現在の計測値を取得する。このランダムカウンタＲ１０はメイン制御装置６４がタイマ割込みプログラムを起動する毎に「０」から「１」ずつ加算するものであり、上限値「３０」まで加算されたときには「０」に戻って加算される。
ＣＰＵ６５はランダムカウンタＲ１０の計測値を取得すると、設定範囲と比較する。ここで「０≦Ｒ１０≦１０」を検出したときにはステップＳ５５でスペックＡを選択し、外れリーチの判定確率を高値に設定する。また、「１１≦Ｒ１０≦２０」を検出したときにはステップＳ５６でスペックＢを選択し、外れリーチの判定確率を中値に設定する。また、「２１≦Ｒ１０≦３０」を検出したときにはステップＳ５７でスペックＣを選択し、外れリーチの判定確率を低値に設定する。即ち、外れリーチの判定確率は保留回数が「０」であることを条件に設定されるものであり、判定確率の設定結果はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞した場合に即座に適用される。
【０２３６】
ＣＰＵ６５は外れリーチの判定確率を設定すると、ステップＳ５９でタイマＴ１を「０」にリセットし、ステップＳ６０でタイマＴ１をスタートさせる。即ち、タイマＴ１が設定値（３時間）に達する毎にランダムカウンタＲ１０の計測値が取得され、ランダムカウンタＲ１０に基づいて外れリーチの判定確率が設定される。
【０２３７】
尚、上記第３実施例においては、タイマＴ１の計測値が３時間に達する毎に外れリーチの判定確率を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば１時間毎，２時間毎，５時間毎等、パチンコホールの１日の営業時間の範囲内に設定し、外れリーチ判定確率の設定処理を１日の営業時間内で少なくとも１回行うことが好ましい。
【０２３８】
また、上記第１および第３実施例においては、保留球が存在しない保留回数 「０」の場合にリーチ確率を調整したが、これに限定されるものではなく、例えば保留回数の存在の有無に拘らず営業時間計測用のタイマＴ１が設定値に達したときにはスペックを設定し、外れリーチの判定確率を調整しても良い。
【０２３９】
また、上記第３実施例においては、電源投入から設定時間が経過する毎に外れリーチ判定確率の設定処理を行ったが、これに限定されるものではなく、例えば変動表示時間の累積結果が設定値に達することに基づいて外れリーチ判定確率の設定処理を行っても良い。この構成の場合、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
【０２４０】
図６６は変動表示時間の累積結果が設定値に達する毎に外れリーチの判定確率を設定する本発明の第４実施例を示している。以下、本発明の第４実施例を図６６に基づいて説明する。
メイン制御装置６４のＣＰＵ６５はステップＳ５１ＡでカウンタＮ７の計測値が設定値（例えば１時間）に達したことを検出すると、ステップＳ５３でカウンタＮ２を「０」と比較する。ここで「Ｎ２＝０」を検出したときには保留回数が「０」であると判断し、ステップＳ５４Ａへ移行する。
【０２４１】
ＣＰＵ６５はステップＳ５４Ａへ移行すると、ランダムカウンタＲ１０の現在の計測値を取得する。そして、「０≦Ｒ１０≦１０」を検出したときにはステップＳ５５でスペックＡを選択し、外れリーチの判定確率を高値に設定する。また、「１１≦Ｒ１０≦２０」を検出したときにはステップＳ５６でスペックＢを選択し、外れリーチの判定確率を中値に設定する。また、「２１≦Ｒ１０≦３０」を検出したときにはステップＳ５７でスペックＣを選択し、外れリーチの判定確率を低値に設定する。即ち、外れリーチの判定確率は保留回数が「０」であることを条件に設定されるものであり、判定確率の設定結果はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞した場合に即座に適用される。
【０２４２】
ＣＰＵ６５は外れリーチの判定確率を設定すると、ステップＳ５８でカウンタＮ７を「０」にリセットし、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３６内に入賞したときには変動表示時間の累積を「０」からスタートする。即ち、カウンタＮ７が設定値（１時間）に達する毎にランダムカウンタＲ１０の計測値が取得され、ランダムカウンタＲ１０に基づいて外れリーチの判定確率が設定される。
【０２４３】
尚、上記第４実施例においては、カウンタＮ７の計測値が１時間に達する毎に外れリーチの判定確率を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば３０分毎，２時間毎，３時間毎等、パチンコホールの１日の営業時間内で到達可能な範囲内に設定し、外れリーチ判定確率の設定処理を１日の営業時間内で少なくとも１回行うことが好ましい。
また、上記第４実施例においては、保留球が存在しない保留回数「０」の場合にリーチ確率を調整したが、これに限定されるものではなく、例えば保留回数の存在の有無に拘らずカウンタＮ７が設定値に達したときにはスペックを設定し、外れリーチの判定確率を調整しても良い。
【０２４４】
また、上記第１〜第４実施例においては、図柄制御装置７３がスペックの設定結果を図柄表示装置３３に表示するように構成しても良い。
また、上記第１〜第４実施例においては、図柄変動の保留回数の上限値を「４回」に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば「１回」〜「３回」のいずれかに設定したり、「５回」以上に設定しても良い。
また、上記第１〜第４実施例においては、保留回数に上限値を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば上限値を設定しないようにしても良い。
【０２４５】
また、上記第１〜第４実施例においては、大当りの判定を条件に確率変動の獲得の有無が判定される構成のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば時間短縮の獲得の有無が判定される構成のパチンコ機に適用しても良い。この時間短縮とは変動表示時間の短縮を称するものであり、時間短縮の獲得時には変動回数が予め設定された値（例えば１００回）に達するまで変動表示時間が短縮される。
【０２４６】
また、上記第１〜第４実施例においては、大当りの判定を条件に特典の獲得の有無が判定される構成のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば特典の獲得の有無が判定されない構成のパチンコ機（特典機能を持たないパチンコ機）に適用しても良い。
また、上記第１〜第４実施例においては、左図柄，中図柄，右図柄として数字図柄を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば漢字図柄やアルファベット図柄等を用いても良く、要は大当りおよび外れを識別できる符号（識別情報）であれば良い。
【０２４７】
また、上記第１〜第４実施例においては、左，中，右の３列に図柄を表示したが、これに限定されるものではなく、例えば上，中，下の３段に表示したり、３列×３段に表示しても良い。また、上記第１〜第４実施例においては、大当りの発生に連動して大当り動作が行われる１種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば３種のパチンコ機に適用しても良い。この３種のパチンコ機は大当りの発生に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。上記実施例には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の［発明１］〜［発明８］のそれぞれが記載されている。
［発明１］
パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に図柄が可変表示される表示装置と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に大当り，外れリーチ，完全外れを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を報知するための図柄を設定する図柄設定手段と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に変動パターンを設定する変動パターン設定手段と、前記変動パターン設定手段の設定結果に基づいて表示パターンを設定する表示パターン設定手段と、前記図柄設定手段の設定結果に応じた図柄を前記表示装置に可変停止状態で表示することに基づいて前記判定手段の判定結果を報知すると共に前記表示パターン設定手段の設定結果に応じた表示パターンで図柄が可変してから可変停止するまでの様子を表示する表示制御手段と、前記判定手段が大当りを判定したことを条件に入賞口を遊技者に有利な状態にする大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、図柄が可変してから可変停止するまでの可変時間を累積する累積手段と、前記累積手段の累積結果に基づいて前記判定手段の外れリーチの判定確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
完全外れの判定時には可変時間が短値に設定され、図柄が可変してから短値で可変停止する。また、外れリーチおよび大当たりの判定時には可変時間が完全外れ時より長い長値に設定され、図柄が可変してから長値で可変停止する。従って、外れリーチの判定確率に応じてリーチの出現回数が大きく変わり、可変時間の累積値が変化する。日頃から大当りが頻繁に発生する台等は数多くの遊技者が好んで遊技を行うので、可変回数が多い。このため、リーチの出現回数も増えるので、可変時間の累積値が長くなる。この場合には外れリーチの判定確率が小さく設定され、リーチの出現回数が減るので、パチンコ球の始動口に対する単位時間当りの有効な入賞個数（回転率と称する）が増え、客付きが一層良くなる。また、日頃から大当りが発生し難い台等は遊技者に敬遠され易いので、可変回数が少ない。このため、リーチの出現回数も少ないのでので、可変時間の累積値が短くなる。この場合には外れリーチの判定確率が高く設定され、リーチの出現回数が増えるので、大当りが発生し易い印象になり、客付きが良くなる。台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わる。このため、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなるので、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
［発明２］
パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に図柄が可変表示される表示装置と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に大当り，外れリーチ，完全外れを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を報知するための図柄を設定する図柄設定手段と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に変動パターンを設定する変動パターン設定手段と、前記変動パターン設定手段の設定結果に基づいて表示パターンを設定する表示パターン設定手段と、前記図柄設定手段の設定結果に応じた図柄を前記表示装置に可変停止状態で表示することに基づいて前記判定手段の判定結果を報知すると共に前記表示パターン設定手段の設定結果に応じた表示パターンで図柄が可変してから可変停止するまでの様子を表示する表示制御手段と、前記判定手段が大当りを判定したことを条件に入賞口を遊技者に有利な状態にする大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、図柄が可変してか ら可変停止するまでの可変時間を累積する累積手段と、前記累積手段の累積結果が設定値に達したことを検出することに基づいて前記判定手段の外れリーチの判定確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。外れリーチ判定確率の設定基準となる可変時間の累積値はパチンコホールの１日の営業時間内で到達可能な値の範囲内（具体的には３０分から６時間の範囲内）に設定すると良く、この場合には１日の営業時間内にリーチの発生確率が変わることがある。また、外れリーチの判定確率はランダムカウンタの計測値に基づいて複数の中から無作為に抽選すると良い。
可変時間の累積結果が設定値に達することに基づいて外れリーチの判定確率が設定される。このため、台島に並べられた複数の同一機種でも、それまでの稼働状況に応じてリーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
［発明３］
パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に図柄が可変表示される表示装置と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に大当り，外れリーチ，完全外れを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を報知するための図柄を設定する図柄設定手段と、パチンコ球が前記始動口内に入賞したことを条件に変動パターンを設定する変動パターン設定手段と、前記変動パターン設定手段の設定結果に基づいて表示パターンを設定する表示パターン設定手段と、前記図柄設定手段の設定結果に応じた図柄を前記表示装置に可変停止状態で表示することに基づいて前記判定手段の判定結果を報知すると共に前記表示パターン設定手段の設定結果に応じた表示パターンで図柄が可変してから可変停止するまでの様子を表示する表示制御手段と、前記判定手段が大当りを判定したことを条件に入賞口を遊技者に有利な状態にする大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、設定時間の経過を検出することに基づいて前記判定手段の外れリーチの判定確率を設定する確率設定手段と を備えたことを特徴とする遊技機。外れリーチ判定確率の設定基準となる経過時間はパチンコホールの営業開始時、即ち、遊技機に対する主電源の投入時を基準に計測開始すると良い。この経過時間はパチンコホールの１日の営業時間の範囲内で設定すると良く（具体的には１時間から１２時間の範囲内）、この場合には１日の営業時間内にリーチの発生確率が変わることがある。また、外れリーチの判定確率はランダムカウンタの計測値に基づいて複数の中から無作為に抽選すると良い。
設定時間が経過することに基づいて外れリーチの判定確率が設定される。このため、台島に並べられた複数の同一機種でも、リーチの発生確率が変わるので、遊技者としてはどの台を選択しても同じという分けではなく、自分の左右の他の遊技者の演出画面を見ても自分の遊技機が必ず左右と同じになる予測がが立たなくなる。従って、自己の遊技の予測を立てるために遊技に一層集中することができる。
［発明４］
変動パターン設定手段はパチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に変動パターンおよび可変時間を設定し、表示パターン設定手段は変動パターン設定手段が設定する可変時間で演出が終了するように表示パターンを設定し、累積手段は変動パターン設定手段が設定する可変時間を累積することを特徴とする発明１〜２のいずれかに記載の遊技機。
パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に変動パターンおよび可変時間が設定され、変動パターンおよび可変時間の設定結果に応じた表示パターンが出現する。この場合、可変時間の設定結果を累積しているので、可変時間を実測する必要がなくなり、可変時間を累積する専用の電気的構成が不要になる。
［発明５］
確率設定手段は設定時間が経過する毎に累積手段の累積結果に基づいて外れリーチの判定確率を設定することを特徴とする発明１，４のいずれかに記載の遊技機。
リーチの発生確率が設定時間の経過毎に調整されるので、パチンコホールの一日の営業時間内でリーチの発生確率を変えることができる。
［発明６］
累積手段の累積結果が電源遮断時にバックアップされる記録手段を備え、累積手段は電源が投入されてから遮断されるまでの可変時間を累積し、確率設定手段は電源投入時の１回だけ記録手段のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率を設定することを特徴とする発明１，４のいずれかに記載の遊技機。バックアップ用の記録手段としては、バックアップ電源が供給されることに基づいてデータをバックアップするＲＡＭ等の揮発性記録手段、バックアップ電源無しでデータをバックアップするフラッシュメモリ等の不揮発性記録手段のいずれを用いても良い。
パチンコホールの営業時間が終了し、電源が遮断されたときには可変時間の累積結果がバックアップされる。このバックアップデータは本日のトータルの可変時間であり、翌日の営業開始時に電源が投入されたときには可変時間のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率が設定され、次の電源投入時まで同一確率で外れリーチが判定されるので、翌日の営業時間内には前日のトータルの稼働時間に応じた同一確率でリーチが発生するようになる。
［発明７］
累積手段の累積結果が電源遮断時にバックアップされる記録手段を備え、累積手段は予め設定された時刻帯の可変時間を累積し、確率設定手段は電源投入時の１回だけ記録手段のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率を設定することを特徴とする発明１，４のいずれかに記載の遊技機。この時刻帯は一定範囲に固定する構成としても良く、あるいは、パチンコホール側がスイッチ操作に基づいて任意に設定する構成としても良い。
パチンコホールの営業時間が終了し、電源が遮断されたときには可変時間の累積結果がバックアップされる。このバックアップデータは本日の特定の時刻帯の可変時間であり、翌日の営業開始時に電源が投入されたときには可変時間のバックアップデータに基づいて外れリーチの判定確率が設定され、次の電源投入時まで同一確率で外れリーチが判定されるので、翌日の営業時間内には前日の特定の時刻帯の稼働時間に応じた同一確率でリーチが発生するようになる。
［発明８］
パチンコ球が可変表示不能なタイミングで始動口内に入賞することに基づいて可変表示の保留回数を計測する計測手段を備え、確率設定手段は保留回数が「０」であることを条件に外れリーチの判定確率を設定することを特徴とする発明１〜７のいずれかに記載の遊技機。この保留回数の計測処理には上限値を設定し、保留回数が上限値に加算されているときにはパチンコ球が可変表示不能なタイミングで始動口内に入賞しても保留回数を加算しないようにしても良い。また、保留回数の計測処理には上限値を設定せず、パチンコ球が可変表示不能なタイミングで始動口内に入賞したときには保留回数を常に加算しても良い。
外れリーチの判定確率が保留回数「０」のタイミングで設定されるので、保留回数Ｎ１（Ｎ１は１以上の整数）の始動入賞球および保留回数Ｎ２（Ｎ２はＮ１より大きな２以上の整数）の始動入賞球間で外れリーチの判定確率が変わることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を示す図（ａはリーチ確率の調整タイミングを示す図、ｂは稼働時間の変化をリーチ確率毎に示す図）
【図２】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図３】メイン制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図４】メイン制御装置の賞球信号処理を示すフローチャート
【図５】メイン制御装置のデータ取得処理を示すフローチャート
【図６】メイン制御装置のリーチ確率調整処理を示すフローチャート
【図７】メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート
【図８】メイン制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図９】メイン制御装置のスピーカ制御処理を示すフローチャート
【図１０】メイン制御装置のランプ制御処理を示すフローチャート
【図１１】メイン制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図１２】メイン制御装置の確定表示処理を示すフローチャート
【図１３】メイン制御装置の確定表示終了処理を示すフローチャート
【図１４】メイン制御装置の大当り遊技開始処理を示すフローチャート
【図１５】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図１６】メイン制御装置の大当り遊技終了処理を示すフローチャート
【図１７】メイン制御装置の外れリーチ図柄設定処理を示すフローチャート
【図１８】メイン制御装置の完全外れ図柄設定処理を示すフローチャート
【図１９】ランダムカウンタと大当り図柄との関係を説明するための図
【図２０】（ａ）はランダムカウンタと左図柄との関係を説明するための図、（ｂ）はランダムカウンタと中図柄との関係を説明するための図、（ｃ）はランダムカウンタと右図柄との関係を説明するための図
【図２１】大当り用の変動パターンテーブルを示す図
【図２２】外れリーチ用の変動パターンテーブルを示す図
【図２３】カウンタデータエリアとカウンタとランプナンバーとの関係を示す図
【図２４】（ａ）はランダムカウンタの一覧を示す図、（ｂ）はノーマルカウンタの一覧を示す図
【図２５】メイン制御装置のＲＡＭのデータ格納エリアを示す図
【図２６】スペックテーブルを示す図（スペックと外れリーチ値との関係を示す図）
【図２７】図柄表示装置の表示内容の変化等を示すタイミングチャート（外れ判定時）
【図２８】図柄表示装置の表示内容の変化等を示すタイミングチャート（大当り判定時）
【図２９】図柄制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図３０】図柄制御装置のＩＲＱ割込みプログラムを示すフローチャート
【図３１】図柄制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図３２】図柄制御装置のコマンド待ち処理を示すフローチャート
【図３３】図柄制御装置のデモ表示開始処理を示すフローチャート
【図３４】図柄制御装置のデモ表示処理を示すフローチャート
【図３５】図柄制御装置の表示パターン設定処理を示すフローチャート
【図３６】図柄制御装置の変動開始処理を示すフローチャート
【図３７】図柄制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図３８】図柄制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図３９】図柄制御装置の大当り表示処理を示すフローチャート
【図４０】図柄制御装置の大当り表示終了処理を示すフローチャート
【図４１】表示パターンテーブルを示す図（変動パターンとランダムカウンタと表示パターンと変動表示時間との関係を示す図）
【図４２】図柄制御装置のＶＲＯＭに記録された背景データを示す図
【図４３】表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図４４】別の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図４５】別の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図４６】別の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図４７】別の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図４８】表示パターンの表示画面を示す図（リーチアクションの表示画面を示す図）
【図４９】鳴動パターンテーブルを示す図（変動パターンと鳴動パターンと鳴動内容との関係を示す図）
【図５０】電飾パターンテーブルを示す図（変動パターンと電飾パターンと電飾内容との関係を示す図）
【図５１】メイン制御装置の電気的構成を示す図
【図５２】図柄制御装置の電気的構成を示す図
【図５３】払出制御装置の電気的構成を示す図
【図５４】スピーカ制御装置の電気的構成を示す図
【図５５】ランプ制御装置の電気的構成を示す図
【図５６】遊技盤を示す前面図
【図５７】パチンコ機の全体構成を示す前面図
【図５８】パチンコ機の全体構成を示す後面図
【図５９】打球装置および打球槌を示す図（ａは上面図、ｂは前面図）
【図６０】入賞口台板を示す斜視図（可動片がカウント状態に回動した様子を示す図）
【図６１】入賞口台板を示す斜視図（可動片が特定入賞状態に回動した様子を示す図）
【図６２】賞球払出装置の内部構成を示す後面図
【図６３】本発明の第２実施例を示す図（メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート）
【図６４】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図６５】本発明の第３実施例を示す図（メイン制御装置のリーチ確率調整処理を示すフローチャート）
【図６６】本発明の第４実施例を示す図（メイン制御装置のリーチ確率調整処理を示すフローチャート）
【符号の説明】
Ｐはパチンコ球、３３は図柄表示装置（表示装置）、３６は特別図柄始動口（始動口）、３９は大入賞口（入賞口）、６４はメイン制御装置（判定手段，図柄設定手段，変動パターン設定手段，累積手段，大当り遊技手段，確率設定手段，計測手段，メイン制御手段）、６７はＲＡＭ（記録手段）、７３は図柄制御装置（表示パターン設定手段，表示制御手段）を示す。

Claims (4)

1. パチンコ球が発射される遊技盤と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞することが可能な始動口と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて３列の図柄のそれぞれが可変表示されると共に３列の図柄のそれぞれが予め決められた順序で停止表示される表示装置と、
   電源が投入されることに基づいてタイマをスタートさせることで電源投入時を基準とする経過時間であるパチンコホールの営業時間を計測する手段と、
   予め決められた３つのスペックのうちからスペックを選択的に設定するものであって、電源投入時にはスペックを予め決められたものに初期設定する確率設定手段と、
   第１のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第１のランダムカウンタを更新するものであって、第１のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   ３つのスペックのそれぞれに対して第１のランダムカウンタの初期値および上限値の範囲内の値である複数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録された記録手段と、
   第２のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第２のランダムカウンタを更新するものであって、第２のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて第２のランダムカウンタの更新結果を検出し、第２のランダムカウンタの検出結果が予め決められた大当り値と同一である場合に大当りであると判定すると共に予め決められた大当り値と相違している場合に大当りではないと判定する手段と、
   大当りであると判定された場合に３列の図柄を相互に同一な大当りの組合せに設定する手段と、
   大当りではないと判定された場合にスペックテーブルからスペックの設定結果に応じた複数の外れリーチ値を検出する手段と、
   大当りではないと判定された場合に第１のランダムカウンタの更新結果を検出し、第１のランダムカウンタの検出結果が複数の外れリーチ値の検出結果のいずれかと同一である場合に外れリーチであると判定すると共に複数の外れリーチ値の検出結果のいずれとも相違している場合に完全外れであると判定する判定手段と、
   外れリーチであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に同一で３番目の図柄が１番目の図柄および２番目の図柄のそれぞれと相違する外れリーチの組合せに設定する手段と、
   完全外れであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に異なる完全外れの組合せに設定する手段と、
   複数の変動パターンのそれぞれに対して３列の図柄を可変状態で表示開始してから停止順序が３番目の図柄を停止表示するまでの所要時間である変動表示時間を設定してなる変動パターンテーブルが予め記録された手段と、
   第３のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第３のランダムカウンタを更新するものであって、第３のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   大当りであると判定された場合と外れリーチであると判定された場合と完全外れであると判定された場合のそれぞれで第３のランダムカウンタの更新結果を検出し、変動パターンテーブルから第３のランダムカウンタの検出結果に応じた変動パターンを選択する手段と、
   変動パターンが選択された場合に変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する手段と、
   電源が投入されることに基づいてカウンタをリセットするものであって、変動パターン テーブルから変動表示時間が選択された場合に変動表示時間の選択結果をカウンタに加算することで電源投入時を基準に変動表示時間を累積的に計測する手段と、
   変動パターンテーブルから変動パターンが選択された場合に予め決められた複数の表示パターンのうちから変動パターンの選択結果に応じたものを選択する手段と、
   前記表示装置に表示パターンの選択結果に応じた内容で３列の図柄のそれぞれが可変表示されてから停止順序が３番目の図柄が停止表示されるまでの様子を表示するものであって、大当りであると判定された場合には３列の図柄のそれぞれを大当りの組合せの設定結果で停止表示し、外れリーチであると判定された場合には外れリーチの組合せの設定結果で停止表示し、完全外れであると判定された場合には完全外れの組合せの設定結果で停止表示する手段と、
   パチンコホールの営業時間の計測結果を予め決められた値と比較する手段と、
   パチンコホールの営業時間の計測結果が予め決められた値に到達していると判断された場合に変動表示時間の計測結果を予め決められた基準範囲と比較する手段を備え、
   前記記録手段は、３つのスペックのそれぞれに対して相互に異なる個数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録されたものであり、
   前記確率設定手段は、電源投入時には３つのスペックのうちから中間の個数の外れリーチ値が設定されたものを選択するものであって、
   変動表示時間の計測結果が前記基準範囲内であると判断された場合には中間の個数の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間の計測結果が前記基準範囲を下回ると判断された場合には中間の個数に比べて多数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間の計測結果が前記基準範囲を上回ると判断された場合には中間の個数に比べて少数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択することで前記判定手段の外れリーチの判定確率を累積的な変動表示時間が長いことに応じて低くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機。
2. パチンコ球が発射される遊技盤と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞することが可能な始動口と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて３列の図柄のそれぞれが可変表示されると共に３列の図柄のそれぞれが予め決められた順序で停止表示される表示装置と、
   電源が投入されることに基づいて予め決められた３つのスペックのうちからスペックを選択的に設定する確率設定手段と、
   第１のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第１のランダムカウンタを更新するものであって、第１のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   ３つのスペックのそれぞれに対して第１のランダムカウンタの初期値および上限値の範囲内の値である複数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録された記録手段と、
   第２のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第２のランダムカウンタを更新するものであって、第２のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて第２のランダムカウンタの更新結果を検出し、第２のランダムカウンタの検出結果が予め決められた大当り値と同一である場合に大当りであると判定すると共に予め決められた大当り値と相違している場合に大当りではないと判定する手段と、
   大当りであると判定された場合に３列の図柄を相互に同一な大当りの組合せに設定する手段と、
   大当りではないと判定された場合にスペックテーブルからスペックの設定結果に応じた複数の外れリーチ値を検出する手段と、
   大当りではないと判定された場合に第１のランダムカウンタの更新結果を検出し、第１ のランダムカウンタの検出結果が複数の外れリーチ値の検出結果のいずれかと同一である場合に外れリーチであると判定すると共に複数の外れリーチ値の検出結果のいずれとも相違している場合に完全外れであると判定する判定手段と、
   外れリーチであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に同一で３番目の図柄が１番目の図柄および２番目の図柄のそれぞれと相違する外れリーチの組合せに設定する手段と、
   完全外れであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に異なる完全外れの組合せに設定する手段と、
   複数の変動パターンのそれぞれに対して３列の図柄を可変状態で表示開始してから停止順序が３番目の図柄を停止表示するまでの所要時間である変動表示時間を設定してなる変動パターンテーブルが予め記録された手段と、
   第３のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第３のランダムカウンタを更新するものであって、第３のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   大当りであると判定された場合と外れリーチであると判定された場合と完全外れであると判定された場合のそれぞれで第３のランダムカウンタの更新結果を検出し、変動パターンテーブルから第３のランダムカウンタの検出結果に応じた変動パターンを選択する手段と、
   変動パターンが選択された場合に変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する手段と、
   電源が投入されることに基づいてカウンタをリセットするものであって、変動パターンテーブルから変動表示時間が選択された場合に変動表示時間の選択結果をカウンタに加算することで電源投入時を基準に変動表示時間を累積的に計測する手段と、
   変動パターンテーブルから変動パターンが選択された場合に予め決められた複数の表示パターンのうちから変動パターンの選択結果に応じたものを選択する手段と、
   前記表示装置に表示パターンの選択結果に応じた内容で３列の図柄のそれぞれが可変表示されてから停止順序が３番目の図柄が停止表示されるまでの様子を表示するものであって、大当りであると判定された場合には３列の図柄のそれぞれを大当りの組合せの設定結果で停止表示し、外れリーチであると判定された場合には外れリーチの組合せの設定結果で停止表示し、完全外れであると判定された場合には完全外れの組合せの設定結果で停止表示する手段と、
   電源遮断時に変動表示時間の計測結果がバックアップされる手段を備え、
   前記記録手段は、３つのスペックのそれぞれに対して相互に異なる個数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録されたものであり、
   前記確率設定手段は、電源投入時に変動表示時間のバックアップ結果を予め決められた基準範囲と比較するものであって、
   変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲内であると判断した場合には中間の個数の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲を下回ると判断した場合には中間の個数に比べて多数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲を上回ると判断した場合には中間の個数に比べて少数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択することで前記判定手段の外れリーチの判定確率を変動表示時間のバックアップ結果が長いことに応じて低くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機。
3. パチンコ球が発射される遊技盤と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞することが可能な始動口と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて３列の図柄のそれぞれが可変表示されると共に３列の図柄のそれぞれが予め決められた順序で停止表示される表示装置と、
   電源が投入されることに基づいて予め決められた３つのスペックのうちからスペックを 選択的に設定する確率設定手段と、
   第１のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第１のランダムカウンタを更新するものであって、第１のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   ３つのスペックのそれぞれに対して第１のランダムカウンタの初期値および上限値の範囲内の値である複数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録された記録手段と、
   第２のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第２のランダムカウンタを更新するものであって、第２のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいて第２のランダムカウンタの更新結果を検出し、第２のランダムカウンタの検出結果が予め決められた大当り値と同一である場合に大当りであると判定すると共に予め決められた大当り値と相違している場合に大当りではないと判定する手段と、
   大当りであると判定された場合に３列の図柄を相互に同一な大当りの組合せに設定する手段と、
   大当りではないと判定された場合にスペックテーブルからスペックの設定結果に応じた複数の外れリーチ値を検出する手段と、
   大当りではないと判定された場合に第１のランダムカウンタの更新結果を検出し、第１のランダムカウンタの検出結果が複数の外れリーチ値の検出結果のいずれかと同一である場合に外れリーチであると判定すると共に複数の外れリーチ値の検出結果のいずれとも相違している場合に完全外れであると判定する判定手段と、
   外れリーチであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に同一で３番目の図柄が１番目の図柄および２番目の図柄のそれぞれと相違する外れリーチの組合せに設定する手段と、
   完全外れであると判定された場合に３列の図柄を停止順序が１番目の図柄および２番目の図柄が相互に異なる完全外れの組合せに設定する手段と、
   複数の変動パターンのそれぞれに対して３列の図柄を可変状態で表示開始してから停止順序が３番目の図柄を停止表示するまでの所要時間である変動表示時間を設定してなる変動パターンテーブルが予め記録された手段と、
   第３のランダムカウンタに予め決められた一定の値を加算することで第３のランダムカウンタを更新するものであって、第３のランダムカウンタの更新処理を予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で行う手段と、
   大当りであると判定された場合と外れリーチであると判定された場合と完全外れであると判定された場合のそれぞれで第３のランダムカウンタの更新結果を検出し、変動パターンテーブルから第３のランダムカウンタの検出結果に応じた変動パターンを選択する手段と、
   変動パターンが選択された場合に変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する手段と、
   変動パターンテーブルから変動表示時間が選択された場合に変動表示時間の選択結果をカウンタに加算することで第１の時刻から第１の時刻とは異なる第２の時刻に到る時間帯の累積的な変動表示時間を計測する手段と、
   変動パターンテーブルから変動パターンが選択された場合に予め決められた複数の表示パターンのうちから変動パターンの選択結果に応じたものを選択する手段と、
   前記表示装置に表示パターンの選択結果に応じた内容で３列の図柄のそれぞれが可変表示されてから停止順序が３番目の図柄が停止表示されるまでの様子を表示するものであって、大当りであると判定された場合には３列の図柄のそれぞれを大当りの組合せの設定結果で停止表示し、外れリーチであると判定された場合には外れリーチの組合せの設定結果で停止表示し、完全外れであると判定された場合には完全外れの組合せの設定結果で停止表示する手段と、
   電源遮断時に変動表示時間の計測結果がバックアップされる手段を備え、
   前記記録手段は、３つのスペックのそれぞれに対して相互に異なる個数の外れリーチ値を設定してなるスペックテーブルが予め記録されたものであり、
   前記確率設定手段は、電源投入時に変動表示時間のバックアップ結果を予め決められた基準範囲と比較するものであって、
   変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲内であると判断した場合には中間の個数の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲を下回ると判断した場合には中間の個数に比べて多数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択し、変動表示時間のバックアップ結果が前記基準範囲を上回ると判断した場合には中間の個数に比べて少数個の外れリーチ値が設定されたスペックを選択することで前記判定手段の外れリーチの判定確率を変動表示時間のバックアップ結果が長いことに応じて低くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機。
4. パチンコホール側が裏側から操作するものであって、変動表示時間の累積対象となる時間帯を設定するためのスイッチを備えたことを特徴とする請求項３に記載の遊技機。

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