JP4269247B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ球を遊技盤内に発射して遊技を行う構成の遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
上記遊技機には、パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に表示装置に識別図柄を可変表示する構成のものがある。この構成の場合、パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に大当りおよび外れの判定を行い、識別図柄を大当りおよび外れの判定結果に応じたもので可変停止させている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記遊技機の場合、大当りおよび外れの判定処理がパチンコ球の始動口に対する時間的な入賞タイミングに基づいて無作為に行われる。このため、パチンコ球の発射位置を調整して多数のパチンコ球を始動口内に入賞させる点にしか遊技性が存在しないので、遊技が単調になる傾向にある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技の単調さを解消できる遊技機を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
請求項１に係る発明は、パチンコ球が発射される遊技盤と、前記遊技盤に設けられパチンコ球が入賞可能な入賞口と、前記遊技盤に設けられパチンコ球が入賞可能な開放状態およびパチンコ球が入賞不能な閉鎖状態相互間で切換えられる大入賞口と、ランダムカウンタを予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で更新する手段と、ランダムカウンタの更新結果が記録されるカウンタデータエリアを有するＲＡＭと、パチンコ球が前記入賞口に入賞した場合にランダムカウンタの更新結果を検出し前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに予め決められた複数個のランダムカウンタが記録されていない場合に当該ランダムカウンタの検出結果を前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録する手段と、前記ＲＡＭのカウンタデータエリアにランダムカウンタが記録されている場合に前記ＲＡＭのカウンタデータエリアのランダムカウンタのうち記録順序が最も古いものに基づいて大当りであるか否かを判定するものであって非確率変動状態では大当りであると予め決められた一定の低確率で判定すると共に確率変動状態では大当りであると非確率変動状態に比べて高い一定の高確率で判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段が前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録されているランダムカウンタに基づいて大当りであるか否かを判定した場合に前記ＲＡＭのカウンタデータエリアから当該ランダムカウンタを消去する手段と、前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録することが可能なランダムカウンタの個数と同数個の保留球ランプを一列に配置してなる保留球表示器と、前記ＲＡＭのカウンタデータエリアにランダムカウンタが記録されている場合には前記保留球表示器の保留球ランプのうち前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録されているランダムカウンタの個数と同数個のものを点灯する手段と、前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示され前記大当り判定手段が大当りではないと判定した場合には３列の識別図柄が相互に同一ではない組合せで表示される表示装置と、前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には前記表示装置に３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された後に前記大入賞口を開放状態としパチンコ球が前記大入賞口内に入賞することを許容するメインゲームを行うメインゲーム制御手段と、遊技者が前方から操作することが可能な操作ボタンを有するものであって当該操作ボタンが操作されることに応じて電気的な状態が変化する操作スイッチと、前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には前記表示装置に３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された後に下記１）〜５）の処理を行うことでサブゲームを実行するサブゲーム制御手段を備え、前記表示装置は３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された場合には前記保留球表示器の全ての保留球ランプが消灯するタイミングで前記操作スイッチを操作することを遊技者に報知するための映像が表示されるものであって前記操作スイッチが操作された場合には確率変動状態および非確率変動状態のいずれが設定されたかを遊技者に報知するための映像が表示されるものであるところに特徴を有する。
１）前記保留球表示器の全ての保留球ランプを点灯する処理
２）前記保留球表示器の全ての保留球ランプを点灯した後に全ての保留球ランプのうち最も端に位置する第１の保留球ランプを消灯し、タイマをスタートさせる処理
３）前記保留球表示器の全ての保留球ランプのうち前記第１の保留球ランプに隣接する第２の保留球ランプをタイマの計測結果が予め決められた設定値に到達した時点で消灯し、前記操作スイッチの操作を待つ処理
４）前記操作スイッチの操作を待つ状態で前記操作スイッチが操作されたと判断した場合にタイマをストップさせ、タイマの計測結果を前記保留球表示器の全ての保留球ランプが消灯するタイミングで前記操作スイッチが操作されたか否かを判断するために予め決められた比較範囲と比較する処理
５）タイマの計測結果が比較範囲内にあると判断した場合には確率変動状態を設定し、タイマの計測結果が比較範囲内にないと判断した場合には非確率変動状態を設定する処理
上記発明によれば、メインゲーム用の大入賞口を用いてメインゲームを行う遊技性が有る。しかも、パチンコ球を入賞口内に入賞させることに基づいて大当りを獲得し、操作ボ タンを操作することに基づいてメインゲームとは異なるサブゲームを行う遊技性があるので、遊技の単調さが解消される。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第１実施例を図１〜図４３に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図３に示すように、外枠１が設置されている。この外枠１は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠１の前面には、図１に示すように、前面扉２が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されている。この前面扉２は外枠１の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉２の前面には横長な長方形状の皿板３が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されている。この皿板３の前面には上皿４が固定されており、上皿４内にはパチンコ球Ｐ（図６参照）が貯溜されている。
【０００９】
上皿４の左端部には、図１に示すように、複数のスリット５が形成されている。これら複数のスリット５の後方にはスピーカ６が固定されており、スピーカ６の駆動時にはスピーカ６から複数のスリット５を通して前方の遊技者に効果音等が出力される。
【００１０】
前面扉２の前面には右下部に位置してハンドル台７が固定されており、ハンドル台７には発射ハンドル８が回動可能に装着されている。この発射ハンドル８の後方には、図３に示すように、発射モータ９が装着されており、発射モータ９の回転軸には、図１に示すように、打球装置（図示せず）を介して打球槌１０が連結されている。この発射モータ９は打球装置の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル８が図１の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ９に電源が与えられ、打球装置が打球槌１０を回動操作することに基づいて上皿４内のパチンコ球Ｐを上皿４内から弾き出す。
【００１１】
前面扉２の前面には、図１に示すように、矩形状の窓枠１１が左側辺部の垂直な軸（図示せず）を中心に回動可能に装着されており、窓枠１１の内周面には透明なガラス窓１２が保持されている。また、前面扉２の後面には額縁状の機構盤（図示せず）が固定されている。この機構盤には、図２に示すように、略正方形状の遊技盤１３が保持されており、遊技盤１３は窓枠１１のガラス窓１２により前方から覆われている。
【００１２】
前面扉２の前面には、図１に示すように、右側部に位置して枠鍵１４が装着されており、枠鍵１４は前面扉２を外枠１に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠１１を前面扉２の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤１３の前面には、図２に示すように、外レール１５および内レール１６が固定されており、打球槌１０が弾いたパチンコ球Ｐは外レール１５および内レール１６間の発射通路１７を通って上昇し、パチンコ球Ｐが発射通路１７の出口１８から遊技盤１３内の上部に左側から放出される。この遊技盤１３の前面には複数の障害釘１９が打込まれており、遊技盤１３内の上部に放出されたパチンコ球Ｐは障害釘１９に当りながら落下する。
【００１３】
遊技盤１３の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナーランプカバー２０が固定されている。これら各コーナーランプカバー２０の後方には複数のコーナーランプ２１（図１１参照）が固定されており、各コーナーランプカバー２０は後方のコーナーランプ２１が点灯することに基づいて発光する。尚、コーナーランプ２１は発光体に相当するものである。
【００１４】
遊技盤１３の前面には、図２に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー２２が固定されている。これら各サイドランプカバー２２の後方には複数のサイドランプ２３（図１１参照）が固定されており、各サイドランプカバー２２は後方のサイドランプ２３が点灯することに基づいて発光する。尚、サイドランプ２３は発光体に相当するものである。
【００１５】
遊技盤１３の前面には、図２に示すように、表示台板２４が固定されており、表示台板２４の上端部には４個の保留球ランプ２５が固定されている。これら４個の保留球ランプ２５は保留球表示器２６を構成するものであり、横一列に配置されている。また、表示台板２４には４個の権利ランプ２７が固定されている。これら４個の権利ランプ２７は権利表示器２８（図７参照）を構成するものであり、図２に示すように、表示台板２４の左側部および右側部に分けて２個ずつ配置されている。尚、権利表示器２８は表示器に相当するものである。
【００１６】
表示台板２４には表示装置に相当する図柄表示装置２９が固定されている。この図柄表示装置２９はカラー液晶表示器からなるものであり、横長な表示領域を有している。この表示領域には、二点鎖線で示すように、仮想的な変動領域ＨＥが横３列に設けられており、各列の変動領域ＨＥ内には識別図柄に相当する図柄として数字図柄が表示される。
【００１７】
遊技盤１３には特別図柄始動口３０が固定されている。この特別図柄始動口３０は表示台板２４の下方に配置されたものであり、次のように構成されている。
＜特別図柄始動口３０について＞
遊技盤１３には、図４の（ａ）に示すように、入賞口に相当する始動口台板３１が固定されている。この始動口台板３１は上面が開口するポケット状をなすものであり、始動口台板３１にはサブゲーム用の役物に相当する２枚の羽根板３２が装着されている。これら両羽根板３２は両軸３３を中心に回動可能にされたものであり、両羽根板３２の閉鎖時には、図４の（ａ）に示すように、始動口台板３１の上面開口部がパチンコ球Ｐの直径寸法程度に幅狭化される。また、両羽根板３２の開放時には、図４の（ｂ）に示すように、始動口台板３１の左右両側部のパチンコ球Ｐが羽根板３２により捕捉され、羽根板３２の傾斜に沿って始動口台板３１内に転がり込む。即ち、両羽根板３２は始動口台板３１の上面開口部を実質的に拡縮し、特別図柄始動口３０を遊技者に有利な拡大状態および遊技者に不利な縮小状態に変化させるものである。
【００１８】
始動口台板３１の後面には始動口ソレノイド３４が固定されている。この始動口ソレノイド３４のプランジャには開閉機構（図示せず）を介して両羽根板３２が機械的に連結されており、両羽根板３２は始動口ソレノイド３４の通断電に基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、始動口台板３１内には始動口センサ３５（図７参照）が固定されている。この始動口センサ３５は近接スイッチからなるものであり、始動口台板３１内にパチンコ球Ｐが入賞したことを検出して始動信号を出力する。特別図柄始動口３０は以上のように構成されている。
【００１９】
遊技盤１３の前面には、図２に示すように、特別図柄始動口３０の下方に位置して入賞口台板３６が固定されており、入賞口台板３６には、図５に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口３７が形成されている。また、入賞口台板３６には、図２に示すように、扉３８が下端部の水平な軸３９を中心に回動可能に装着されており、大入賞口３７の前面は扉３８が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図５に示すように、扉３８が前方に倒れた水平状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口３７はメインゲーム用の電動式の役物に相当するものである。
【００２０】
入賞口台板３６の後面には左側部に位置して大入賞口ソレノイド４０が固定されている。この大入賞口ソレノイド４０のプランジャには扉３８が機械的に連結されており、扉３８は大入賞口ソレノイド４０のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口３７内には入賞口センサ４１（図７参照）が固定されている。この入賞口センサ４１は近接スイッチからなるものであり、大入賞口３７内にパチンコ球Ｐが入賞したことを検出して入賞信号を出力する。
【００２１】
遊技盤１３の後面には、図３に示すように、正方形状のセンタカバー４２が固定されており、センタカバー４２の外周部には矩形枠状のメインセット４３が配設されている。このメインセット４３は前面扉２の後面に固定されたものであり、メインセット４３には集合樋（図示せず）が設けられている。この集合樋は特別図柄始動口３０および大入賞口３７に接続されており、特別図柄始動口３０内に入賞したパチンコ球Ｐおよび大入賞口３７内に入賞したパチンコ球Ｐは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋を通して機外に排出される。
【００２２】
メインセット４３の後面には上端部に位置して球タンク４４が固定されている。この球タンク４４は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク４４内にはパチンコ球Ｐが貯溜されている。また、メインセット４３の後面にはタンクレール４５が固定されている。このタンクレール４５は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール４５の右端部は球タンク４４内に接続されている。
【００２３】
メインセット４３の左側部には賞球払出装置４６が装着されている。この賞球払出装置４６はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内および大入賞口３７内に入賞することに基づいて上皿４内にパチンコ球Ｐを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
＜賞球払出装置４６について＞
メインセット４３には、図６に示すように、払出ケース４７が固定されており、払出ケース４７内には球通路４８が形成されている。この球通路４８の上端部はタンクレール４５の出口に接続されており、球通路４８内には球タンク４４内からタンクレール４５内を通してパチンコ球Ｐが一列に充填されている。この球通路４８の上下方向中間部にはスプロケット４９が軸５０を中心に回動可能に装着されており、スプロケット４９の外周部には凹状をなす複数の球受け部５１が形成されている。
【００２４】
払出ケース４７内にはステッピングモータからなる払出モータ５２（図９参照）が固定されている。この払出モータ５２の回転軸にはスプロケット４９の軸５０が連結されており、払出モータ５２の回転停止時にはスプロケット４９の回動が払出モータ５２の電磁力で拘束され、図６に実線で示すように、パチンコ球Ｐがスプロケット４９の１個の球受け部５１内に保持されている。この状態で払出モータ５２の回転軸が単位量だけ回転すると、図６に二点鎖線で示すように、スプロケット４９が矢印Ａ方向へ回動することに基づいて１個の球受け部５１内から１個のパチンコ球Ｐが排出され、球通路４８の下端部を通して払出ケース４７の下方へ放出される。賞球払出装置４６は以上のように構成されている。
【００２５】
メインセット４３には下皿通路（図示せず）が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置４６の球通路４８に接続されており、球通路４８内から放出されるパチンコ球Ｐは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路（図示せず）が設けられている。この上皿通路は上皿４に接続されており、賞球払出装置４６から放出されるパチンコ球Ｐは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿４内に払出される。
【００２６】
前面扉２の前面には、図１に示すように、上皿４の下方に位置して下皿５３が固定されている。この下皿５３は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Ｐが上皿４内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿５３内に払出される。
【００２７】
メインセット４３の後面には、図３に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス５４が固定されている。このメイン基板ボックス５４内にはメイン基板５５（図７参照）が収納されており、メイン基板５５には、図７に示すように、ワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置５６が搭載されている。このメイン制御装置５６はＣＰＵ５７，ＲＯＭ５８，ＲＡＭ５９，Ｉ／Ｏ６０を有するものであり、ＲＯＭ５８には制御プログラムおよび制御データが記録されている。
【００２８】
尚、メイン制御装置５６はパチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に大当りおよび外れを判定する大当り判定手段，大当りおよび外れの判定結果に応じた図柄を設定する図柄設定手段，パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に変動パターンを設定する変動パターン設定手段，パチンコ球が始動口内に入賞したことを条件に権利獲得の有無を判定する権利判定手段，変動パターンを設定する変動パターン設定手段メインゲーム用の役物を駆動制御することに基づいてメインゲームを行うメインゲーム制御手段，サブゲームを実行するサブゲーム制御手段，サブゲームの権利回数を計測する計測手段に相当する。
【００２９】
始動口センサ３５および入賞口センサ４１はセンサ出力回路６１およびＩ／Ｏ６０を介してＣＰＵ５７に電気的に接続されている。このセンサ出力回路６１はメイン基板５５に搭載されたものであり、ＣＰＵ５７は始動口センサ３５からの始動信号および入賞口センサ４１からの入賞信号をセンサ出力回路６１を介して検出する。
【００３０】
始動口ソレノイド３４および大入賞口ソレノイド４０はソレノイド駆動回路６２およびＩ／Ｏ６０を介してＣＰＵ５７に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路６２はメイン基板５５に搭載されたものであり、ＣＰＵ５７は始動口ソレノイド３４および大入賞口ソレノイド４０をソレノイド駆動回路６２を介して通断電制御し、特別図柄始動口３０の両羽根板３２および大入賞口３７の扉３８を回動操作する。
【００３１】
４個の保留球ランプ２５および４個の権利ランプ２７はランプ駆動回路６３およびＩ／Ｏ６０を介してＣＰＵ５７に電気的に接続されている。このランプ駆動回路６３はメイン基板５５に搭載されたものであり、ＣＰＵ５７は４個の保留球ランプ２５および４個の権利ランプ２７をランプ駆動回路６３を介して通断電制御し、保留球表示器２６および権利表示器２８の点灯状態を制御する。
【００３２】
メイン制御装置５６のＣＰＵ５７にはＩ／Ｏ６０を介して操作スイッチ６４が電気的に接続されている。この操作スイッチ６４は操作力が除去されることに基づいてオン状態からオフ状態に自己復帰するプッシュスイッチからなるものであり、操作スイッチ６４の操作ボタン６５は、図１に示すように、上皿板３の前面に左右方向中央部に位置して装着されている。
【００３３】
尚、操作スイッチ６４は操作手段に相当するものである。また、図１および図３の符号６６は外枠１，前面扉２，上皿板３，上皿４，ハンドル台７，発射ハンドル８，窓枠１１，ガラス窓１２，遊技盤１３，センタカバー４２，メインセット４３を有する遊技機本体を示すものであり、操作ボタン６５は遊技機本体６６の前面側に前方から操作可能に配置されている。
【００３４】
表示台板２４の後面には図柄基板６７（図８参照）が固定されている。この図柄基板６７はセンタカバー４２により後方から覆われたものであり、図柄基板６７には、図８に示すように、サブ制御装置に相当する図柄制御装置６８が搭載されている。この図柄制御装置６８はＣＰＵ６９，ＲＯＭ７０，ＲＡＭ７１，ＶＤＰ７２，ＶＲＯＭ７３，ＶＲＡＭ７４，Ｉ／Ｏ７５を有するものであり、図柄制御装置６８のＲＯＭ７０には表示制御プログラムおよび表示制御データが記録され、図柄制御装置６８のＶＲＯＭ７３には表示プログラムおよび表示データが記録されている。
【００３５】
尚、図柄制御装置６８は変動パターンに基づいて表示パターンを設定する表示パターン設定手段，メイン制御装置５６の設定結果に応じた図柄を図柄表示装置２９に可変停止状態で表示することに基づいて大当りおよび外れの判定結果を報知する表示制御手段，表示パターンの設定結果に応じた演出内容で図柄が可変してから可変停止するまでの様子を表示する表示制御手段に相当する。
【００３６】
図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にはＩ／Ｏ７５を介してメイン制御装置５６が電気的に接続されている。この図柄制御装置６８はメイン制御装置５６から表示制御コマンドおよび表示制御データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９はメイン制御装置５６からの表示制御コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、ＶＤＰ７２に出力する。すると、ＶＤＰ７２は駆動コマンドに応じた表示データをＶＲＯＭ７３から検出し、ＬＣＤ駆動回路７６を介して図柄表示装置２９に駆動コマンドに応じた画面を表示する。このＬＣＤ駆動回路７６は図柄基板６７に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、ＶＤＰ７２が複数の図形と表示位置とを指定すれば、ＬＣＤ駆動回路７６が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置２９に表示する。
【００３７】
図柄制御装置６８のＶＲＯＭ７３には表示データとして複数の背景データ、複数の図柄データ、複数のキャラクタデータが記録されており、ＶＤＰ７２は背景データ，図柄データ，キャラクタデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じてＬＣＤ駆動回路７６に指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
【００３８】
メインセット４３の後面には、図３に示すように、メイン基板ボックス５４の前方に位置して払出基板ボックス７７が固定されている。この払出基板ボックス７７内には、図９に示すように、払出基板７８が収納されており、払出基板７８にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置７９が搭載されている。この払出制御装置７９はＣＰＵ８０，ＲＯＭ８１，ＲＡＭ８２，Ｉ／Ｏ８３を有するものであり、ＲＯＭ８１には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置７９のＣＰＵ８０にはＩ／Ｏ８３を介してメイン制御装置５６が電気的に接続されており、払出制御装置７９にはメイン制御装置５６から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
【００３９】
払出制御装置７９のＣＰＵ８０にはＩ／Ｏ８３およびモータ駆動回路８４を介して払出モータ５２が電気的に接続されている。このモータ駆動回路８４は払出基板７８に搭載されたものであり、払出制御装置７９のＣＰＵ８０はモータ駆動回路８４を通して払出モータ５２の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置７９のＣＰＵ８０がメイン制御装置５６からの賞球データに基づいて調節するものであり、ＣＰＵ８０は払出モータ５２の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置４６から上皿４内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Ｐを賞品球として払出す。
【００４０】
メインセット４３の後面には音ランプ基板ボックス（図示せず）が固定されている。この音ランプ基板ボックス内には、図１０に示すように、音ランプ基板８５が収納されており、音ランプ基板８５にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置８６が搭載されている。このスピーカ制御装置８６はＣＰＵ８７，ＲＯＭ８８，ＲＡＭ８９，Ｉ／Ｏ９０を有するものであり、ＲＯＭ８８にはスピーカ制御プログラムおよびスピーカ制御データが記録されている。このスピーカ制御装置８６にはＩ／Ｏ９０を介してメイン制御装置５６が電気的に接続されており、スピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７にはメイン制御装置５６からスピーカ制御コマンド等が単方向で送信される。
【００４１】
スピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７にはＩ／Ｏ９０およびスピーカ駆動回路９１を介してスピーカ６が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路９１は音ランプ基板８５に搭載されたものであり、スピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７はスピーカ駆動回路９１を通してスピーカ６から音声および効果音等を出力する。この効果音等の出力はスピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７がメイン制御装置５６からのスピーカ制御コマンドに基づいて行うものであり、スピーカ６の駆動時にはスピーカ６からスピーカ制御コマンドに応じた効果音等が出力される。
【００４２】
音ランプ基板８５には、図１１に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置９２が搭載されている。このランプ制御装置９２はＣＰＵ９３，ＲＯＭ９４，ＲＡＭ９５，Ｉ／Ｏ９６を有するものであり、ＲＯＭ９４にはランプ制御プログラムおよびランプ制御データが記録されている。このランプ制御装置９２にはＩ／Ｏ９６を介してメイン制御装置５６が電気的に接続されており、ランプ制御装置９２のＣＰＵ９３にはメイン制御装置５６からランプ制御コマンド等が単方向で送信される。
【００４３】
ランプ制御装置９２のＣＰＵ９３にはＩ／Ｏ９６およびランプ駆動回路９７を介して複数のコーナーランプ２１および複数のサイドランプ２３が電気的に接続されている。このランプ駆動回路９７は音ランプ基板８５に搭載されたものであり、ランプ制御装置９２のＣＰＵ９３はランプ駆動回路９７を通して複数のコーナーランプ２１および複数のサイドランプ２３を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置９２のＣＰＵ９３がメイン制御装置５６からのランプ制御コマンドに基づいて行うものであり、コーナーランプ２１およびサイドランプ２３の駆動時にはコーナーランプカバー２０およびサイドランプカバー２２がランプ制御コマンドに応じて発光する。
【００４４】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技者が上皿４内にパチンコ球Ｐを投入して発射ハンドル８を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤１３内にパチンコ球Ｐが発射され、障害釘１９に当りながら落下する。このパチンコ球Ｐの発射個数は最大で「９９個／分」に設定されるものであり、遊技盤１３内に発射されたパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞すると、賞球払出装置４６から設定個数（例えば５個）のパチンコ球Ｐが上皿４内に賞品球として払出され、しかも、メインゲームに相当する特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置２９に各種のアニメーション画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【００４５】
図柄表装置２９の表示領域内には左，中，右の各列の図柄として「１，２，３，４，５，６，７，８，９，10，11，12」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞すると、各列の数字図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の数字図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の数字図柄の移動方向は上から下であり、各列の数字図柄の変化順序は「１」→「２」……「11」→「12」→「１」→…のループ状である。
【００４６】
左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左図柄および右図柄が当該順序で仮停止し、左図柄および右図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左図柄および右図柄が変動領域ＨＥ内で上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
【００４７】
左図柄，中図柄，右図柄は図柄制御装置６８がメイン制御装置５６からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出することに基づいて可変停止状態で表示するものであり、当該可変停止を確定停止と称する。仮停止は図柄制御装置６８が自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左図柄，中図柄，右図柄を停止させることを称するものであり、メイン制御装置５６からの表示制御コマンドおよび表示制御データとは無関係に行われる。
【００４８】
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する２個の図柄（左図柄および右図柄）の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には、下記に示すように、１２種類が設定されており、「↓」は中図柄が変動中であることを示している。
【００４９】
＜リーチ図柄＞
「１ ↓ １」，「２ ↓ ２」，「３ ↓ ３」，「４ ↓ ４」，「５ ↓５」，「６ ↓ ６」，「７ ↓ ７」，「８ ↓ ８」，「９ ↓ ９」，「10 ↓ 10」，「11 ↓ 11」，「12 ↓ 12」
リーチの発生状態では図柄表示装置２９に複数種のリーチアクションが選択的に表示される。このリーチアクションは最終の中図柄が何で仮停止するかを演出するアニメーション画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクションが出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
【００５０】
左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左図柄および右図柄に続けて中図柄が仮停止する。そして、最終の中図柄が仮停止すると、左図柄，中図柄，右図柄が１本の水平な有効ラインに沿って変動領域ＨＥ内で静止した確定表示状態になる。これら３列の図柄の変動開始から確定表示に至る経過時間は変動表示時間（可変時間）と称されるものであり、３列の数字図柄の確定表示状態での組合せによって大当りおよび外れが遊技者に報知される。
【００５１】
大当り図柄とは大当りを報知する３列の組合せ図柄を称するものであり、下記に示すように、大当り図柄には１２通りが設定されている。また、完全外れ図柄はリーチすら発生しない３列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左図柄および右図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない３列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左図柄および右図柄が同一で中図柄が相違するものである。
【００５２】
＜大当り図柄＞
「１ １ １」，「２ ２ ２」，「３ ３ ３」，「４ ４ ４」，「５ ５５」，「６ ６ ６」，「７ ７ ７」，「８ ８ ８」，「９ ９ ９」，「10 10 10」，「11 11 11」，「12 12 12」
大当りの発生時には特典に相当する確率変動の獲得の有無が抽選される。この確率変動は大当りを通常より高確率で判定する高確率モードを称するものであり、大当りが「１ １ １」，「３ ３ ３」，「５ ５ ５」，「７ ７ ７」，「９ ９ ９」，「11 11 11」のいずれかの奇数図柄（確率変動図柄と称する）で発生したときには確率変動の獲得と判定され、大当りが「２ ２ ２」，「４ ４ ４」，「６ ６ ６」，「８ ８ ８」，「10 10 10」，「12 12 12」のいずれかの偶数図柄（普通図柄と称する）で発生したときには確率変動の非獲得と判定される。この確率変動は大当り遊技終了後の１回目の図柄変動から適用されるものであり、次の大当り発生時に確率変動の非獲得が判定されることに基づいて終了する。
【００５３】
図柄表示装置２９に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口３７の扉３８を開放し、大入賞口３７内にパチンコ球Ｐが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口３７は上限個（例えば１５個）のパチンコ球Ｐが入賞する個数条件または開放時間が上限値（例えば２７秒）に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。この大入賞口３７の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、設定回数（例えば１５回）だけ繰返される。
【００５４】
大当り遊技時には図柄表示装置２９に大当り表示が行われる。この大当り表示は現在の大当りラウンドの回数および大入賞口３７に対するパチンコ球Ｐの入賞個数を大当り表示用の動画面を背景として表示するものであり、大当り遊技の終了時には大当り表示の中で「大当り終了」等の終了メッセージが表示される。
【００５５】
図柄変動を即座に開始できない変動表示時および大当り表示時等にパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したときには図柄変動および図柄変動に続く一連の遊技が４回を上限に保留される。保留球表示器２６は当該保留回数を保留球ランプ２５の点灯個数によって表示するものであり、図柄変動が開始されたときには保留球ランプ２５が消灯することによって保留回数の減少が報知される。
【００５６】
パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞すると、権利発生の有無が抽選される。この権利はサブゲームに相当するスイッチゲームを行うためのものであり、スイッチゲームの権利発生時には左列，中列，右列の図柄が確定停止した時点で「スイッチゲーム獲得！」のメッセージが表示され、権利ランプ２７が点灯することに基づいて遊技者に権利発生が報知される。
【００５７】
スイッチゲームは操作ボタン６５を操作することに基づいて特別図柄始動口３０の両羽根板３２を遊技者に有利な傾斜状態に回動させ、遊技者に自らの技量で多数のパチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に入賞させるチャンスを与えるものであり、スイッチゲームの権利が行使されたときには権利ランプ２７が消灯することに基づいて遊技者に権利回数の減少が報知される。また、スイッチゲームの権利が存在する状態で再び権利が発生したときには権利回数が加算され、新たな１個の権利ランプ２７が点灯することに基づいて遊技者に権利回数の増加が報知される。
【００５８】
次にメイン制御装置５６および図柄制御装置６８の内部処理を図１２〜図４３に基づいて説明する。
＜メイン制御装置５６の内部処理について＞
メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は電源が投入されると、図１２のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップＳ１〜Ｓ３の実行後にステップＳ４のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すものであり、ＣＰＵ５７はステップＳ１へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
【００５９】
ＣＰＵ５７は割込み禁止を設定すると、ステップＳ２へ移行し、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の計測値，ノーマルカウンタＮ１〜Ｎ３の計測値，タイマＴ１〜Ｔ２の計測値，遊技制御フラグの設定結果，大当りの判定結果，図柄の設定結果，変動パターンの設定結果，確率変動の獲得結果，当りの判定結果，権利発生の判定結果等のＲＡＭ５９の全データおよびＩ／Ｏ６０を初期設定する。そして、ステップＳ３で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップＳ４のカウンタ更新処理をループ状に繰返すことに基づいてランダムカウンタＲ４，Ｒ６，Ｒ７，Ｒ８を更新する。
【００６０】
ランダムカウンタＲ４は、図１３の（ａ）に示すように、大当り判定用のランダムカウンタＲ３の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタＲ４はメインプログラムの１ループ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「９５２」に加算された後に「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ６は左図柄を「１〜12」の左図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ６はメインプログラムの１ループ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００６１】
ランダムカウンタＲ７は中図柄を「１〜12」の中図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ７は左図柄用のランダムカウンタＲ６が「０」にリセットされる桁上げ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に 「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ８は右図柄を「１〜12」の右図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタＲ８は中図柄用のランダムカウンタＲ７が「０」にリセットされる桁上げ毎に「１」ずつ加算され、初期値「０」から上限値「１１」に加算された後に 「０」に戻って加算される。
【００６２】
図１４のタイマ割込みプログラムは４ｍｓｅｃが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップＳ１１の出力監視処理〜ステップＳ２３の大当り遊技処理を有するものであり、ステップＳ１１の出力監視処理〜ステップＳ１６のスイッチゲーム処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップＳ１７の制御データ設定処理〜ステップＳ２３の大当り遊技処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
【００６３】
（１）出力監視処理
メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は始動口センサ３５からの始動信号の有無および入賞口センサ４１からの入賞信号の有無をセンサ出力回路６１を通して検出し、検出結果をＲＡＭ５９の出力監視エリアに格納する。この出力監視エリアには、図１５に示すように、始動信号記録部および入賞信号記録部が形成されており、始動信号の有無および入賞信号の有無は出力監視エリアの始動信号記録部および入賞信号記録部に記録される。この出力監視処理はタイマ割込が発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは４ｍｓｅｃ毎に更新される。
【００６４】
（２）カウンタ更新処理
図１４のステップＳ１２のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７はステップＳ１２のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ５，Ｒ９を更新する。
【００６５】
ランダムカウンタＲ１は、図１３の（ａ）に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左図柄，中図柄，右図柄の変動開始から確定に至る間は図柄表示装置２９に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタＲ１はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値「１００」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００６６】
ランダムカウンタＲ２は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタＲ２はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値「２２２」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００６７】
ランダムカウンタＲ３は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタＲ３はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタＲ３が上限値に達したときにはランダムカウンタＲ４の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタＲ３がランダムカウンタＲ４の取得値から上限値「９５２」に加算される。即ち、ランダムカウンタＲ３は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値Ｒ４から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値Ｒ４に戻って加算されるものである。
【００６８】
ランダムカウンタＲ４は、上述したように、ランダムカウンタＲ３の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する４ｍｓｅｃ毎に加算され且つメインプログラムの１ループ毎に加算される。
ランダムカウンタＲ５は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「１〜12」の中から選択するものである。このランダムカウンタＲ５はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値 「１１」に加算された後に「０」に戻って加算される。
ランダムカウンタＲ９はスイッチゲームの権利発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタＲ９はタイマ割込みプログラムの起動毎に「１」ずつ加算されるものであり、初期値「０」から上限値「３２」に加算された後に「０」に戻って加算される。
【００６９】
（３）賞球信号処理
図１４のステップＳ１３の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は出力監視エリアの格納データに基づいて始動口センサ３５からの始動信号の有無および入賞口センサ４１からの入賞信号の有無を判断する。ここで始動信号または入賞信号を検出したときには払出制御装置７９のＣＰＵ８０に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
【００７０】
（４）データ取得処理
図１４のステップＳ１４のデータ取得処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７はデータ取得処理でパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを条件にランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の現在の計測値を取得し、ＲＡＭ５９のカウンタデータエリア（図１５参照）に格納する。
【００７１】
ＣＰＵ５７は図１６のステップＳ３１へ移行すると、始動口センサ３５からの始動信号の有無を検出する。この始動信号の有無はＲＡＭ５９の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、ＣＰＵ５７は出力監視エリアに始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップＳ３２へ移行し、カウンタＮ１を上限値「４」と比較する。このカウンタＮ１はパチンコ球Ｐの特別図柄始動口３０に対する入賞個数を計測するものであり、ＣＰＵ５７は「Ｎ１＜４」を検出したときにはステップＳ３３でランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の現在の計測値を検出し、ステップＳ３４でカウンタＮ１に「１」を加算する。
【００７２】
カウンタＮ１には、図１７の（ａ）に示すように、計測値「１」〜「４」に対応してカウンタデータエリアの保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ４が割付けられており、ＣＰＵ５７は図１６のステップＳ３５へ移行すると、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の取得結果をカウンタＮ１の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタＮ１の計測値が「１」であるときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の取得結果が計測値「１」に対応する保留データ記録部Ｅ１に格納され、計測値が「３」であるときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の取得結果が計測値「３」に対応する保留データ記録部Ｅ３に格納される。
【００７３】
（５）保留球処理
図１４のステップＳ１５の保留球処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は保留球処理でカウンタＮ１の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ２５を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
【００７４】
保留球ランプ２５には図２の左から順にランプナンバー「ＲＰ１」，「ＲＰ２」，「ＲＰ３」，「ＲＰ４」が割付けられている。カウンタＮ１の計測値「１」〜「４」には、図１７の（ａ）に示すように、ランプナンバー「ＲＰ１」〜「ＲＰ４」が割付けられており、ＣＰＵ５７は保留球処理へ移行すると、カウンタＮ１の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ２５を点灯する。
【００７５】
例えばカウンタＮ１の計測値が「３」の状態では「Ｎ１＝３」に対応する３個の保留球ランプ２５が点灯している。この状態で特別図柄始動口３０内に１個のパチンコ球Ｐが入賞したときにはカウンタＮ１が「３」から「４」に加算され、「Ｎ１＝４」に対応する４個の保留球ランプ２５が点灯する。従って、１個の保留球ランプ２５が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「３」から 「４」に増えたことが報知される。この状態で特別図柄の変動が開始されたときには、後述するように、カウンタＮ１が「４」から「３」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「Ｎ１＝３」に対応する３個の保留球ランプ２５が点灯する。従って、１個の保留球ランプ２５が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「４」から「３」に減ったことが報知される。
【００７６】
（６）スイッチゲーム処理
図１４のステップＳ１６のスイッチゲーム処理はタイマ割込みが発生する４ｍｓｅｃ毎に行われるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７はスイッチゲーム処理で操作スイッチ６４の操作を検出し、特別図柄始動口３０の両羽根板３２を開閉制御する。
【００７７】
ＣＰＵ５７は図１８のステップＳ４１で羽根板フラグの設定状態を判断する。この羽根板フラグは特別図柄始動口３０の両羽根板３２が開放状態にある場合に開放中にセットされ、閉鎖状態にある場合に閉鎖中にセットされるものであり、ＣＰＵ５７は羽根板フラグが開放中であることを検出したときにはステップＳ５１へ移行し、羽根板フラグが閉鎖中であることを検出したときにはステップＳ４２へ移行する。
【００７８】
ＣＰＵ５７はステップＳ４２へ移行すると、操作スイッチ６４の操作の有無を判断し、操作スイッチ６４からのオン信号を検出したときにはステップＳ４３でカウンタＮ２の計測値を検出する。このカウンタＮ２はスイッチゲームの権利回数を計測するものであり、ＣＰＵ５７は「Ｎ２＞０」を検出したときにはスイッチゲームの権利があると判断し、ステップＳ４４へ移行する。
【００７９】
ＣＰＵ５７はステップＳ４４へ移行すると、ＲＡＭ５４の確率変動エリアから確率変動の獲得状態を検出する。そして、確率変動の非獲得時には両羽根板３２の開放時間を短値「Ｔｓ（０．８ｓｅｃ）」に設定し、確率変動の獲得時には両羽根板３２の開放時間を長値「Ｔｌ（３．２ｓｅｃ）」に設定する。
ＣＰＵ５７は両羽根板３２の開放時間を設定すると、ステップＳ４５でタイマＴ１を「０」にリセットする。このタイマＴ１は両羽根板３２の開放時間を計測するものであり、ＣＰＵ５７はタイマＴ１をリセットすると、ステップＳ４６で始動口ソレノイド３４に駆動電源を印加することに基づいて両羽根板３２を開放し、特別図柄始動口３０を拡大する。そして、ステップＳ４７でタイマＴ１をスタートさせることに基づいて両羽根板３２の開放時間を計測開始し、ステップＳ４８でカウンタＮ２から「１」を減算することに基づいてスイッチゲームの権利回数を減らす。
【００８０】
権利ランプ２７には図２の左上，左下，右上，右下の順にランプナンバー「ＲＰ１１」，「ＲＰ１２」，「ＲＰ１３」，「ＲＰ１４」が割付けられている。カウンタＮ２の計測値「１」〜「４」には、図１７の（ｂ）に示すように、ランプナンバー「ＲＰ１１」〜「ＲＰ１４」が割付けられており、ＣＰＵ５７はカウンタＮ２を減算すると、ステップＳ４９でカウンタＮ２の減算結果を検出し、検出結果に対応するランプナンバーの権利ランプ２７を点灯する。そして、ステップＳ５０へ移行し、羽根板フラグに開放中をセットすることに基づいて両羽根板３２の開放を記録する。
【００８１】
例えば４個の権利ランプ２７が点灯した状態で操作スイッチ６４が操作されたときには両羽根板３２が開放され、特別図柄始動口３０が拡大される。この場合にはカウンタＮ２が「４」から「３」に減算されるので、「Ｎ２＝３」に対応する３個の権利ランプ２７が点灯する。従って、１個の権利ランプ２７が消灯することになり、遊技者にスイッチゲームの権利回数が「４」から「３」に減ったことが報知される。
【００８２】
ＣＰＵ５７は図１８のステップＳ４１で羽根板フラグに開放中がセットされていることを検出すると、ステップＳ５１でタイマＴ１の計測値を開放時間の設定結果と比較する。ここでタイマＴ１の計測値が開放時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップＳ５２でタイマＴ１を停止させ、開放時間の計測を終える。そして、ステップＳ５３で始動口ソレノイド３４を断電することに基づいて両羽根板３２を閉鎖し、特別図柄始動口３０を縮小する。次に、ステップＳ５４へ移行し、羽根板フラグに閉鎖中をセットすることに基づいて両羽根板３２の閉鎖を記録する。
【００８３】
即ち、操作スイッチ６４が操作されたときには両羽根板３２が開放され、特別図柄始動口３０が拡大される。この操作スイッチ６４の操作は権利ランプ２７が点灯している権利の発生状態では両羽根板３２の開放時を除いて常に有効化されるものであり、操作スイッチ６４の操作に基づいて両羽根板３２が開放されたときには権利ランプ２７が消灯し、権利の行使および権利の残り回数が遊技者に報知される。従って、遊技者にとってはパチンコ球Ｐの流れを予測して操作スイッチ６４を操作し、自らの技量で特別図柄始動口３０内に多量のパチンコ球Ｐを入賞させる技術介入性ができる。
【００８４】
（７）制御データ設定処理
図１４のステップＳ１７の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は制御データ設定処理でスイッチゲームの権利発生の有無を判定し、大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には確率変動の獲得の有無を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の１回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
【００８５】
ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ６１でカウンタＮ１を「０」と比較する。このカウンタＮ１は、上述したように、ランダムカウンタＲ１〜Ｒ９の格納状態を示すものであり、ＣＰＵ５７は「Ｎ１＞０」を検出したときにはランダムカウンタＲ１〜Ｒ９がＲＡＭ５９に格納されていると判断し、ステップＳ６２へ移行する。
【００８６】
ＣＰＵ５７はステップＳ６２へ移行すると、ＲＡＭ５９の確率変動エリア（図１５参照）を参照する。ここで確率変動エリアに確率変動フラグが確率変動状態で格納されていることを検出したときには確率変動中であると判断し、確率変動フラグが非確率変動状態で格納されていることを検出したときには確率変動中でないと判断する。
【００８７】
ＣＰＵ５７は確率変動中でないと判断すると、図１９のステップＳ６３へ移行する。ここでＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ３を検出し、３個の大当り値「１７，４０１，７２７」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ３が３個の大当り値「１７〜７２７」のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、３個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をＲＡＭ５９の大当りエリア（図１５参照）に格納する。即ち、確率変動の非設定状態では大当りが固定的な低確率「３／９５３」で判定される。
【００８８】
ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ６２で確率変動中であると判断すると、ステップＳ６４へ移行する。ここでＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ３を検出し、１５個の大当り値「１７，６１，１０３，１９７，２７７，３６７，４０１，４３１，５２３，６１９，６６１，７２７，７９７，８８７，９４１」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ３が１５個の大当り値 「１７〜９４１」のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、１５個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をＲＡＭ５９の大当りエリアに格納する。即ち、確率変動の設定状態では大当りが固定的な高確率「１５／９５３」で判定されることになる。
【００８９】
ＣＰＵ５７は大当りおよび外れの判定結果をＲＡＭ５９の大当りエリアに格納すると、図１９のステップＳ６５へ移行する。ここで、大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを判断し、大当りが格納されていることを検出したときにはステップＳ６６へ移行する。尚、ＲＡＭ５９の大当りエリアは大当りおよび外れの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【００９０】
メイン制御装置５６のＲＯＭ５８には大当り図柄テーブルが記録されている。この大当り図柄テーブルは、図２０に示すように、ランダムカウンタＲ５と大当り図柄との対応関係を示すものであり、ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ６６へ移行すると、ＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ５を検出する。そして、大当り図柄テーブルからランダムカウンタＲ５に応じた図柄を検出し、左図柄と中図柄と右図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタＲ５が「６」であるときには数字図柄「７」が検出され、左図柄と中図柄と右図柄とが同一の検出図柄「７」に設定される。
【００９１】
ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ６７へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出し、大当り図柄の設定結果に基づいて確率変動の獲得の有無を判定する。この確率変動の獲得の有無は大当り図柄が奇数図柄であるか偶数図柄であるかに基づいて判定されるものであり、ＣＰＵ５７は大当り図柄が奇数図柄であることを検出したときには確率変動の獲得と判定し、ＲＡＭ５９の確率変動エリアに確率変動フラグを確率変動状態で格納する。また、大当り図柄が偶数図柄であることを検出したときには確率変動の非獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグを非確率変動状態で格納する。尚、確率変動エリアは次回の確率変動の判定時に更新されるものであり、次回の大当りが発生するまで更新されない。
【００９２】
ＣＰＵ５７はステップＳ６５でＲＡＭ５９の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップＳ６８へ移行する。ここでＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ２を検出し、リーチ値「５，１１，２３，３１，４３，５３，６１，７９，８９，９７，１１３，１２７，１３９，１４９，１５７，１６３，１７３，１８１，１９３」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ２がリーチ値「５〜１９３」のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、リーチ値「５〜１９３」のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、判定結果をＲＡＭ５９の外れリーチエリア（図１５参照）に格納する。尚、外れリーチエリアは完全外れおよび外れリーチの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【００９３】
ＣＰＵ５７は外れリーチおよび完全外れの判定結果を外れリーチエリアに格納すると、図１９のステップＳ６９へ移行し、外れリーチエリアから外れリーチおよび完全外れの判定結果を検出する。ここで外れリーチの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップＳ７０で外れリーチ図柄を設定し、完全外れの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップＳ７１で完全外れ図柄を設定する。
【００９４】
外れリーチ図柄および完全外れ図柄は原則的にランダムカウンタＲ６〜Ｒ８に基づいて設定されるものであり、ランダムカウンタＲ６〜Ｒ８が外れリーチ図柄および完全外れ図柄を構成しない組合せであるときには図柄の組合せを変更することに基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄が設定される。以下、外れリーチ図柄および完全外れ図柄の設定方法について説明する。
【００９５】
（７−１）外れリーチ図柄の設定
メイン制御装置５６のＲＯＭ５８には左図柄テーブル，中図柄テーブル，右図柄テーブルが記録されており、左図柄テーブルには、図２０に示すように、左図柄とランダムカウンタＲ６との対応関係が記録され、中図柄テーブルには中図柄とランダムカウンタＲ７との対応関係が記録され、右図柄テーブルには右図柄とランダムカウンタＲ８との対応関係が記録されている。
【００９６】
メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図２１のステップＳ２０１へ移行すると、ＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を検出する。そして、左図柄テーブルからランダムカウンタＲ６に応じた左図柄を選択し、中図柄テーブルからランダムカウンタＲ７に応じた中図柄を選択し、右図柄テーブルからランダムカウンタＲ８に応じた右図柄を選択する。
【００９７】
ＣＰＵ５７は左図柄〜右図柄を選択すると、ステップＳ２０２で左図柄と右図柄とを比較する。ここで左図柄と右図柄とが同一であることを検出したときにはステップＳ２０３へ移行し、左図柄と中図柄と右図柄とを比較する。ここで３者が同一であることを検出したときにはステップＳ２０４へ移行し、中図柄を「＋１」図柄に変更する。
【００９８】
例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ １」であるときにはステップＳ２０２で「左図柄＝右図柄」が検出され、ステップＳ２０３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」でないことが検出され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ １」であるときにはステップＳ２０２で「左図柄＝右図柄」が検出され、ステップＳ２０３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」が検出される。そして、ステップＳ２０４で中図柄が「＋１」図柄である「２」に変更され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。尚、「12」の「＋１」図柄は「１」である。
【００９９】
ＣＰＵ５７はステップＳ２０２で左図柄の選択結果と右図柄の選択結果とが相違していることを検出すると、ステップＳ２０５へ移行し、左図柄を右列にコピーする。次に、ステップＳ２０３で「左図柄＝中図柄＝右図柄」を検出したときにはステップＳ２０４へ移行し、中図柄を「＋１」図柄に変更する。
【０１００】
例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ ４」であるときにはステップＳ２０２で「左図柄＝右図柄」でないことが判断される。そして、ステップＳ２０５で左図柄「１」が右列にコピーされ、左図柄〜右図柄が「１ ２ １」に変更される。この場合にはステップＳ２０３で「ＮＯ」と判断され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ ２」であるときにはステップＳ２０２で「左図柄＝右図柄」でないことが検出される。そして、ステップＳ２０５で左図柄「１」が右列にコピーされ、左図柄〜右図柄が「１ １ １」に変更される。この場合にはステップＳ２０４で中図柄が 「１」から「２」に変更され、外れリーチ図柄「１ ２ １」が確定する。
【０１０１】
（７−２）完全外れ図柄の設定
メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図２２のステップＳ２１１でＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を検出する。そして、左図柄テーブルからランダムカウンタＲ６に応じた左図柄を選択し、中図柄テーブルからランダムカウンタＲ７に応じた中図柄を選択し、右図柄テーブルからランダムカウンタＲ８に応じた右図柄を選択する。
【０１０２】
ＣＰＵ５７は左図柄〜右図柄を選択すると、ステップＳ２１２で左図柄と右図柄とを比較する。ここで左図柄と右図柄とが同一であることを検出したときにはステップＳ２１３へ移行し、中図柄を右列にコピーする。そして、ステップＳ２１４で左図柄と中図柄と右図柄とを比較し、３者が同一であることを検出したときにはステップＳ２１５で右図柄を「＋１」図柄に変更する。例えば左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ ２」であるときにはステップＳ２１２で「左図柄＝右図柄」でないことが検出され、完全外れ図柄「１ ２ ２」が確定する。
【０１０３】
左図柄〜右図柄の選択結果が「１ ２ １」であるときにはステップＳ２１２で「左図柄＝右図柄」であることが検出される。そして、ステップＳ２１３で中図柄「２」が右図柄にコピーされ、左図柄〜右図柄の組合わせが「１ ２ ２」に変更される。この場合にはステップＳ２１４で「ＮＯ」と判断され、完全外れ図柄「１ ２ ２」が確定する。また、左図柄〜右図柄の選択結果が「１ １ １」であるときにはステップＳ２１３で中図柄「１」が右列にコピーされても左図柄〜右図柄の組合わせが「１ １ １」から変らない。この場合にはステップＳ２１５で右図柄が「＋１」図柄である「２」に変更され、完全外れ図柄「１ １ ２」が確定する。
【０１０４】
ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ７２へ移行すると、ＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ１を検出し、ランダムカウンタＲ１に基づいて変動パターンを設定する。この変動パターンは左図柄〜右図柄の組合せが決まる様子をどのような演出内容で表示するかを設定するパラメータとして機能するものであり、下記に示すように、大当り，外れリーチ，完全外れの判定結果に応じた異なる態様で設定される。
【０１０５】
（７−３）大当り判定時の変動パターン設定
メイン制御装置５６のＲＯＭ５８には、図２３に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタＲ１と変動パターンとの対応関係を示すものであり、ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ７２へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタＲ１に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタＲ１が 「１０」であるときには変動パターン「３４」が検出され、変動パターンが「３４」に設定される。
【０１０６】
（７−４）外れリーチ判定時の変動パターン設定
メイン制御装置５６のＲＯＭ５８には、図２４に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔＳとランダムカウンタＲ１と変動パターンとの対応関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔＳとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中図柄−左図柄」を称する。
【０１０７】
ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ７２へ移行すると、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタＲ１および差分ΔＳに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタＲ１が「１０」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 ２ 10」であるときには変動パターン「３」が設定される。
【０１０８】
（７−５）完全外れ判定時の変動パターン設定
ＣＰＵ５７は完全外れの判定時には図１９のステップＳ７２で変動パターンを「１」に設定する。この完全外れの判定時にはランダムカウンタＲ１に基づく変動パターンの振分けがなく、変動パターンが「１」に一義的に設定される。
【０１０９】
変動パターンには、図２３および図２４に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左図柄〜右図柄の変動開始から確定に至る所要時間を称するものであり、ＣＰＵ５７は図１９のステップＳ７３へ移行すると、変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。尚、完全外れ用の変動パターン「１」には変動表示時間「Ｔ１」が割付けられており、変動パターン「１」の設定時には変動表示時間が「Ｔ１」に設定される。
【０１１０】
ＣＰＵ５７はステップＳ７４へ移行すると、ＲＡＭ５９の保留データ記録部Ｅ１からランダムカウンタＲ９を検出し、１５個の権利値「０〜１４」と比較する。そして、ランダムカウンタＲ９が１５個の権利値「０〜１４」のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、１５個の権利値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をＲＡＭ５９の当りエリア（図１５参照）に格納する。即ち、当りは確率変動の設定状態に拘らず固定的な一定確率「１５／３３」で判定される。
【０１１１】
ＣＰＵ５７は当りおよび外れを判定すると、ステップＳ７５へ移行し、ＲＡＭ５９の当りエリアから当りおよび外れの判定結果を検出する。ここで当りが格納されていることを検出したときにはステップＳ７６へ移行し、カウンタＮ２の計測値を上限値「４」と比較する。このカウンタＮ２は、上述したように、スイッチゲームの権利回数を計測するものであり、ＣＰＵ５７は「Ｎ２＜４」を検出したときにはステップＳ７７でカウンタＮ２に「１」を加算することに基づいて権利回数を加算する。即ち、スイッチゲームの権利回数には上限値「４」が設定されており、権利回数が上限値に達したときにはパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞することに基づいて当りが判定されてもスイッチゲームの権利が発生しない。
【０１１２】
ＣＰＵ５７はステップＳ７８へ移行すると、権利表示器２８にスイッチゲームの権利回数を表示する。そして、ステップＳ７９へ移行し、遊技制御フラグを変動表示処理に設定する。例えば１個の権利ランプ２７が点灯した状態で当りが判定されたときにはカウンタＮ２が「１」から「２」に加算されるので、「Ｎ２＝２」に対応する２個の権利ランプ２７が点灯する。従って、１個の権利ランプ２７が新たに点灯することになり、遊技者にスイッチゲームの権利回数が「１」から「２」に増えたことが報知される。
【０１１３】
（８）変動表示処理
図１４のステップＳ１８の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は変動表示処理で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて変動表示を開始する。
【０１１４】
ＣＰＵ５７は図２５のステップＳ８１でタイマＴ２を「０」にリセットし、ステップＳ８２で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ８３で表示制御コマンドとして図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンと直前の制御データ設定処理で設定した左図柄〜右図柄と直前の制御データ設定処理で判断したスイッチゲームの権利獲得結果とを出力する。すると、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と図柄の設定結果と権利の獲得結果とをＩＲＱ割込みプログラムの中で受信することに基づいて図柄の変動表示を開始する。
【０１１５】
ＣＰＵ５７はステップＳ８３で図柄制御コマンド等を出力すると、ステップＳ８４でタイマＴ２をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置６８のＣＰＵ６９が図柄表示装置２９に図柄の変動表示を行っており、タイマＴ２は図柄の変動開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
【０１１６】
ＣＰＵ５７はタイマＴ２をスタートさせると、ステップＳ８５でＲＡＭ５９のカウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ３に保留データ記録部Ｅ２〜Ｅ４の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部Ｅ１だけにランダムカウンタＲ１〜Ｒ９が格納されているときには保留データ記録部Ｅ１に保留データ記録部Ｅ２のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部Ｅ１のランダムカウンタＲ１〜Ｒ９が消去される。
【０１１７】
保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ４にランダムカウンタＲ１〜Ｒ９が格納されているときには保留データ記録部Ｅ２〜Ｅ４のランダムカウンタＲ１〜Ｒ９が前段の保留データ記録部Ｅ１〜Ｅ３に移動され、保留データ記録部Ｅ４にデフォルトデータが記録される。従って、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部Ｅ２に格納されていたランダムカウンタＲ１〜Ｒ９に基づいて大当りの判定，当りの判定（権利発生の有無の判定），図柄の設定，変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部Ｅ３に格納されていたランダムカウンタＲ１〜Ｒ９に基づいて大当りの判定，当りの判定，図柄の設定，変動パターンの設定等が行われる。
【０１１８】
ＣＰＵ５７はＲＡＭ５９のカウンタデータエリアを整理すると、ステップＳ８６でカウンタＮ１から「１」を減算し、ステップＳ８７で遊技制御フラグにスピーカ制御処理をセットする。このカウンタＮ１は、上述したように、特別図柄始動口３０に対するパチンコ球Ｐの入賞個数を「４」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンドが出力された図柄の変動開始直後にはカウンタＮ１が減算され、カウンタＮ１が上限値まで加算されていたときでもカウンタＮ１に加算の余地が生成される。このカウンタＮ１の減算状態ではＲＡＭ５９のカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で始動信号有りが記録されたときにはデータ取得処理でカウンタＮ１が加算され、カウンタデータエリアにランダムカウンタＲ１〜Ｒ９が新たに格納される。
【０１１９】
（９）スピーカ制御処理
図１４のステップＳ１９のスピーカ制御処理は遊技制御フラグがスピーカ制御処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図２６のステップＳ９１でスピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ９２でスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データを出力し、ステップＳ９３で遊技制御フラグにランプ制御処理をセットする。
【０１２０】
ＩＮＴ信号はスピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７にＩＲＱ割込みプログラムの起動を指令するものであり、スピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＮＴ信号に続けて出力されるスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データをＩＲＱ割込みプログラムの中で受信する。このスピーカ制御データはメイン制御装置５６が直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンを有するものであり、スピーカ制御装置８６のＣＰＵ８７は複数の鳴動パターンの中から変動パターンに応じたものを選択的に設定する。そして、スピーカ６を鳴動パターンの選択結果に基づいて駆動制御し、スピーカ６から変動パターンに応じた音を出力する。
【０１２１】
（１０）ランプ制御処理
図１４のステップＳ２０のランプ制御処理は遊技制御フラグがランプ制御処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図２７のステップＳ１０１でランプ制御装置９２のＣＰＵ９３にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１０２でランプ制御コマンドおよびランプ制御データを出力し、ステップＳ１０３で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。
【０１２２】
ＩＮＴ信号はランプ制御装置９２のＣＰＵ９３にＩＲＱ割込みプログラムの起動を指令するものであり、ランプ制御装置９２のＣＰＵ９３はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＮＴ信号に続けて出力されるランプ制御コマンドおよびランプ制御データをＩＲＱ割込みプログラムの中で受信する。このランプ制御データはメイン制御装置５６が直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンを有するものであり、ランプ制御装置９２のＣＰＵ９３は複数の電飾パターンの中から変動パターンに応じたものを選択的に設定する。そして、コーナーランプ２１およびサイドランプ２３を電飾パターンの選択結果に基づいて駆動制御し、コーナーランプカバー２０およびサイドランプカバー２２を変動パターンに応じた態様で電飾する。
【０１２３】
（１１）全図柄停止処理
図１４のステップＳ２１の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は全図柄停止処理で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９に表示制御コマンドを出力し、変動表示を終了させる（図柄確定）。
【０１２４】
ＣＰＵ５７は図２８のステップＳ１１１で変動表示時間用のタイマＴ２の計測値を変動表示時間の選択結果と比較する。ここでタイマＴ２の計測値が変動表示時間の選択結果に達していることを検出したときにはステップＳ１１２でタイマＴ２を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
【０１２５】
ＣＰＵ５７は変動表示時間の計測を終えると、ステップＳ１１３で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ１１４で表示制御コマンドとして全図柄停止コマンド（図柄確定コマンド）を出力する。この変動表示時間の経過時点では左図柄，中図柄，右図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９はＩＮＴ信号を受信することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左図柄，中図柄，右図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
【０１２６】
ＣＰＵ５７は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップＳ１１５でＲＡＭ５９の大当りエリアから大当りの判定結果を検出する。ここで大当りを検出したときにはステップＳ１１６で遊技制御フラグに大当り遊技開始処理をセットし、外れを検出したときにはステップＳ１１７で遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。
【０１２７】
（１２）大当り遊技開始処理
図１４のステップＳ２２の大当り遊技開始処理は遊技制御フラグが大当り遊技開始処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図２９のステップＳ１２１で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にＩＮＴ信号を出力する。そして、ステップＳ１２２で表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、ステップＳ１２３で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。
【０１２８】
大当り表示コマンドは図柄制御装置６８のＣＰＵ６９に大当り表示の実行を指令するものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムで大当り表示コマンドを受信することに基づいて図柄表示装置２９に大当り表示を行う。この大当り表示は進行中の大当りラウンド数およびパチンコ球Ｐの大入賞口３７に対する入賞個数等を表示するものであり、大当りラウンド数の表示および入賞個数の表示は大当り表示用のアニメーション画面を背景として行われる。
【０１２９】
（１３）大当り遊技処理
図１４のステップＳ２３の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置５６のＣＰＵ５７は図３０のステップＳ１３１で大当りラウンド動作を実行する。この大当りラウンド動作は、上述したように、上限個のパチンコ球Ｐが入賞する個数条件または開放時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで大入賞口３７の扉３８を開放状態に保持するものであり、ＣＰＵ５７はステップＳ１３２で最終の大当りラウンドが終了したことを検出すると、ステップＳ１３３で図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にＩＮＴ信号を出力する。
【０１３０】
ＣＰＵ５７は図柄制御装置６８のＣＰＵ６９にＩＮＴ信号を出力すると、ステップＳ１３４で表示制御コマンドとして表示終了コマンドを出力し、ステップＳ１３５で遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。この表示終了コマンドは図柄制御装置６８のＣＰＵ６９に大当り表示終了を指令するものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムの中で表示終了コマンドを受信することに基づいて大当り表示を終える。
【０１３１】
図３１は図柄制御装置６８がメイン制御装置５６からの表示制御コマンドに基づいて実行する表示動作を示すタイムチャートであり、入賞球▲１▼が発生したときには１回目の変動表示▲１▼が開始される。この変動表示▲１▼中に入賞球▲２▼が発生したときには保留回数が加算され、変動表示▲１▼の終了直後に入賞球▲２▼に基づく変動表示▲２▼が実行される。この変動表示▲２▼の終了時点で入賞球が発生していないときには変動表示▲２▼の最終段で確定した図柄の確定表示▲２▼が継続的に行われる。
【０１３２】
確定表示▲２▼中に入賞球▲３▼が発生したときには確定表示▲２▼に換えて変動表示▲３▼が開始され、変動表示▲３▼の最終段で大当り図柄が確定表示されたときには大当り表示▲３▼が開始される。この大当り表示▲３▼中に入賞球▲４▼が発生したときには入賞球▲４▼に基づく変動表示▲４▼が保留され、大当り表示▲３▼の終了直後に変動表示▲４▼が開始される。これら一連の特別図柄遊技中に操作スイッチ６４が操作されたときには特別図柄始動口３０が拡大される。この操作スイッチ６４の操作は権利ランプ２７が点灯している状態では図柄表示装置２９の表示内容に拘らず常に有効化されるものであり（両羽根板３２の開放時を除く）、操作スイッチ６４の操作に基づいて特別図柄始動口３０が拡大されたときには権利ランプ２７が消灯し、権利の行使および権利の残り回数が遊技者に報知される。
【０１３３】
＜図柄制御装置６８の内部処理について＞
図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は電源が投入されると、図３２のステップＳ３０１で割込み禁止を設定し、ステップＳ３０２でＲＡＭ７１の全データおよびＩ／Ｏ７５を初期設定する。そして、ステップＳ３０３でＶＤＰ７２にデモ表示コマンドを出力し、ステップＳ３０４で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
ＶＤＰ７２はデモ表示コマンドを検出すると、ＶＲＯＭ７３から必要なデータを読出し、図柄表示装置２９にデモ画面を表示する。このデモ画面の表示は遊技者に客待ち状態にあることを報知するものであり、デモ画面上には製造会社名および機種名等が表示される。
【０１３４】
ＣＰＵ６９はステップＳ３０４で割込みを許可すると、ステップＳ３０５のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は表示パターンを選択するためのランダムカウンタＲ１０を「１」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタＲ１０は「０」から上限値「１９１」に加算された後に「０」に戻ってリング状に加算される。
ＣＰＵ６９はメイン制御装置５６からのＩＮＴ信号を検出すると、図３３のＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ステップＳ３１１でメイン制御装置５６からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出し、ＲＡＭ７１の特定エリアに格納する。
【０１３５】
ＣＰＵ６９は４ｍｓｅｃが経過する毎に図３４のタイマ割込みプログラムを起動し、図柄表示装置２９の表示内容をタイマ割込みプログラムで制御する。このタイマ割込みプログラムはステップＳ３２１の表示パターン設定処理〜ステップＳ３２６の大当り表示終了処理を有するものであり、ステップＳ３２１の表示パターン設定処理〜ステップＳ３２６の大当り表示終了処理は表示制御フラグの設定内容に応じて選択的に実行される。
【０１３６】
（１）表示パターン設定処理
図３４のステップＳ３２１の表示パターン設定処理は表示制御フラグが表示パターン設定処理にセットされている場合に実行されるものである。この表示制御フラグは電源投入時に表示パターン設定処理に初期設定されるものであり、電源投入時には表示パターン設定処理が実行される。この表示パターン設定処理は複数の表示パターンの中から変動パターンおよびランダムカウンタＲ１０に応じたものを選択的に設定するものであり、各表示パターンは各列の図柄の変動速度，各列の図柄の仮停止タイミング，背景の種類，背景の切換えタイミング，キャラクタの表示タイミング，キャラクタの種類，スイッチゲームの権利獲得の有無，表示パターンの終了タイミング（表示時間）等を示している。
【０１３７】
図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は図３５のステップＳ３３１へ移行すると、ＲＡＭ７１の特定エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置５６がパチンコ球Ｐの特別図柄始動口３０に対する入賞を検出することに基づいて図柄の設定結果，変動パターンの設定結果，権利の獲得結果と共に出力するものであり、ＣＰＵ６９はＲＡＭ７１に図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップＳ３３２で表示パターンを設定する。
【０１３８】
図柄制御装置６８のＲＯＭ７０には、図３６に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタＲ１０に基づいて表示パターンを設定するためのものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は図３５のステップＳ３３２へ移行すると、表示パターンテーブルから変動パターンおよびランダムカウンタＲ１０に応じた表示パターンおよび表示時間を選択的に設定し、ステップＳ３３３で表示制御フラグに変動開始処理をセットする。
【０１３９】
図３７は表示パターン「１」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「１」は変動パターンが「１」である完全外れの判定時にランダムカウンタＲ１０に拘らず一義的に選択されるものであり、表示パターン「１」の選択時には背景として背景データＡが表示され、左図柄，右図柄，中図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左図柄，右図柄，中図柄の仮停止はＲＡＭ７１の特定エリアに格納されているメイン制御装置５６からの表示制御データ（図柄の設定結果）で行われるものであり、３列の仮停止状態では３列の図柄が外れの組合せになる。この３列の仮停止状態ではキャラクタ表示としてメッセージ表示が設定されており、メッセージ表示の中でメイン制御装置５６からのスイッチゲームの権利獲得結果が表示される。
【０１４０】
図３８は表示パターン「４−１」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「４−１」は変動パターンが「４」である外れリーチの判定時にランダムカウンタＲ１０に応じて選択されるものであり、表示パターン「４−１」の選択時には背景として背景データＡが表示される。また、左図柄および右図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止し、中図柄は通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左図柄，右図柄，中図柄の仮停止はＲＡＭ７１の特定エリアに格納されているメイン制御装置５６からの図柄の設定結果で行われるものであり、３列の仮停止状態では３列の図柄が外れの組合せになる。この３列の仮停止状態ではキャラクタ表示としてメッセージ表示が設定されており、メッセージ表示の中でメイン制御装置５６からのスイッチゲームの権利獲得結果が表示される。
【０１４１】
メッセージ表示は全ての表示パターンに共通して設定されるものであり、スイッチゲームの権利獲得時にはメッセージ表示として「スイッチゲームＧＥＴ！」が行われ、権利の非獲得時にはメッセージ表示として「残念」が行われる。尚、図柄表示装置２９には、図２に示すように、右上隅部に位置してメッセージエリアＭＥが形成されており、スイッチゲームの権利獲得に係るメッセージ表示はメッセージエリアＭＥ内に行われる。
【０１４２】
（２）変動開始処理
図３４のステップＳ３２２の変動開始処理は表示制御フラグが変動開始処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は変動開始処理の中で変動表示を開始する。
ＣＰＵ６９は図３９のステップＳ３４１でタイマＴ３を「０」にリセットし、ステップＳ３４２でタイマＴ３をスタートさせる。このタイマＴ３は変動表示の経過時間（表示時間）を計測するものであり、ＣＰＵ６９はタイマＴ３をスタートさせると、ステップＳ３４３でＶＤＰ７２に変動開始コマンドを出力し、ステップＳ３４４で表示制御フラグに変動表示処理をセットする。すると、ＶＤＰ７２は変動開始コマンドを検出することに基づいてＶＲＯＭ７３から必要な表示データを検出し、左図柄，中図柄，右図柄を通常順序で変動開始する。
【０１４３】
（３）変動表示処理
図３４のステップＳ３２３の変動表示処理は表示制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は変動表示処理の中で表示パターンの設定結果に応じたアニメーション画面を表示する。
【０１４４】
ＣＰＵ６９は図４０のステップＳ３５１へ移行すると、表示パターンから各列の図柄の変動速度，各列の図柄の仮停止タイミング，背景の切換えタイミング，キャラクタの表示タイミング等のイベントの発生タイミングを検出する。そして、表示時間計測用のタイマＴ３の計測値がイベントの発生タイミングに達したことを検出したときにはＶＤＰ７２に必要なコマンドを出力し、表示パターンに応じたアニメーション画面を表示する。
【０１４５】
ＣＰＵ６９はステップＳ３５２へ移行すると、表示パターンの終了を判断する。この表示パターンの終了は表示パターンで設定されている終了タイミング（表示時間）をタイマＴ３の計測値と比較することに基づいて判断されるものであり、ＣＰＵ６９は表示パターンの表示終了を検出すると、ステップＳ３５３でタイマＴ３を停止させることに基づいて表示時間の計測を終え、ステップＳ３５４で表示制御フラグに全図柄停止処理をセットする。
【０１４６】
（４）全図柄停止処理
図３４のステップＳ３２４の全図柄停止処理は表示制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は全図柄停止処理の中で左図柄，中図柄，右図柄を確定表示し、特別図柄遊技を終了させる。
【０１４７】
ＣＰＵ６９は図４１のステップＳ３６１へ移行すると、全図柄停止コマンドの有無を判断する。この全図柄停止コマンドはＣＰＵ６９がＩＲＱ割込み処理でメイン制御装置５６からの全図柄停止コマンドを検出することに基づいてＲＡＭ７１の特定エリアに格納するものであり、ＣＰＵ６９は全図柄停止コマンドの格納を検出すると、ステップＳ３６２でＶＤＰ７２に図柄確定コマンドを出力し、ステップＳ３６３で表示制御フラグを大当り表示処理にセットする。
【０１４８】
全図柄停止コマンドはメイン制御装置５６が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置６８が変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミング （表示時間）で終了するように設定されている。即ち、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９からＶＤＰ７２への図柄確定コマンドは左図柄，中図柄，右図柄が仮停止状態にある表示パターンの終了タイミングで出力されるものである。ＶＤＰ７２は仮停止状態で左図柄，中図柄，右図柄を上下に揺らしており、図柄確定コマンドを検出すると、左図柄，中図柄，右図柄を水平な１本の有効ライン上に静止した確定表示状態に切換える。
【０１４９】
（５）大当り表示処理
図３４のステップＳ３２５の大当り表示処理は表示制御フラグが大当り表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は大当り表示処理の中で図柄表示装置２９に大当り表示を行う。
【０１５０】
ＣＰＵ６９は図４２のステップＳ３７１へ移行すると、ＲＡＭ７１の特定エリアに大当り表示コマンドが記録されているか否かを検出する。この大当り表示コマンドはメイン制御装置５６が大当り遊技開始時に出力するものであり、ＣＰＵ６９はステップＳ３７１で「ＮＯ」と判断したときにはステップＳ３７２で遊技制御フラグを表示パターン設定処理にセットし、「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ３７３へ移行する。
【０１５１】
ＣＰＵ６９はステップＳ３７３へ移行すると、ＶＤＰ７２に大当り表示コマンドを出力し、ステップＳ３７４で表示制御フラグに大当り表示終了処理をセットする。すると、ＶＤＰ７２はＶＲＯＭ７３から必要な表示データを読出し、図柄表示装置２９に大当り表示を行う。
【０１５２】
（６）大当り表示終了処理
図３４のステップＳ３２６の大当り表示終了処理は表示制御フラグが大当り表示終了処理にセットされている場合に実行されるものであり、図柄制御装置６８のＣＰＵ６９は大当り表示終了処理の中で大当り表示を終える。
【０１５３】
ＣＰＵ６９は図４３のステップＳ３８１へ移行すると、ＲＡＭ７１の特定エリアに表示終了コマンドが記録されているか否かを検出する。この表示終了コマンドはメイン制御装置５６が大当り遊技終了時に出力するものであり、ＣＰＵ６９はステップＳ３８１で「ＹＥＳ」と判断したときにはステップＳ３８２でＶＤＰ７２に表示終了コマンドを出力し、ステップＳ３８３で表示制御フラグに表示パターン設定処理をセットする。すると、ＶＤＰ７２はＶＲＯＭ７３から必要な表示データを読出し、図柄表示装置２９に「大当り終了」等の終了メッセージを表示することに基づいて大当り表示を終える。
【０１５４】
上記第１実施例によれば、大当りの判定時には大入賞口３７を開放する大当りラウンド動作を行ったので、大入賞口３７の開放時間内に大入賞口３７内に規定個数のパチンコ球Ｐを入賞させるメインゲームを行う遊技性ができる。しかも、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを条件に権利獲得の有無を判定し、権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには両羽根板３２を開放するサブゲームを行った。このため、パチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に入賞させることに基づいてサブゲームの権利を獲得し、操作スイッチ６４を操作することに基づいてサブゲームを行う遊技性ができるので、総じて、遊技の単調さが解消される。さらに、遊技者がパチンコ球Ｐの流れを観察しながら操作スイッチ６４を操作することに基づいて特別図柄始動口３０内にパチンコ球Ｐを確実・多量に入賞させ、自らの技量で大当りを獲得することもできるので、遊技者の技術介入性が高まる。
【０１５５】
また、操作スイッチ６４がサブゲームの権利発生状態で操作されたときにはサブゲームの実行時を除いて両羽根板３２を傾斜状態に回動させた。このため、遊技者がサブゲームの実行時を除く所望のタイミングで操作スイッチ６４を操作すれば、サブゲームが実行されるので、操作スイッチ６４の操作タイミングに戸惑いを感じることがなくなる。しかも、サブゲームの実行時に操作スイッチ６４が操作されたときには両羽根板３２を傾斜状態に回動させず、操作スイッチ６４の操作を無効化したので、操作スイッチ６４の不用意な操作に基づいてサブゲームの権利が消滅・減少することが防止される。
【０１５６】
また、サブゲームの権利回数を権利獲得に基づいて加算し、権利行使に基づいて減算した。このため、サブゲームの権利が行使されないときには権利獲得に基づいて権利回数が増えるので、権利をストックする新たな楽しみができる。しかも、権利回数を権利表示器２８に表示したので、遊技者が権利回数を頭の中でカウントする手間がなくなる。
また、サブゲームの権利回数が上限値に達しているときには権利獲得が判定されても権利回数を加算しないようにしたので、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞することに基づいて権利回数が際限なく増えることがなくなる。
【０１５７】
また、大当りの発生の有無を判定するメイン制御装置５６がメインゲームおよびサブゲームの双方を行うように構成した。このため、図柄制御装置６８または払出制御装置７９にサブゲームを分担させる場合とは異なり、メイン制御装置５６から図柄制御装置６８または払出制御装置７９にサブゲーム用のコマンドを送信する必要がなくなるので、配線が簡単になる。
【０１５８】
次に本発明の第２実施例を図４４に基づいて説明する。表示台板２４には、図４４の（ａ）に示すように、ステージ１４０が固定されている。このステージ１４０は円弧凹状をなすものであり、パチンコ球Ｐがステージ１４０上に落下したときにはステージ１４０の上面に沿って左右方向へ揺動する。
【０１５９】
ステージ１４０の最低部には、図４４の（ｂ）に示すように、サブゲーム用の電動式の役物に相当する可動片１４１が装着されている。この可動片１４１はステージ１４０の上面に対して面一な水平状態（実線参照）および前方へ向って下降傾斜する傾斜状態（二点鎖線参照）間で回動可能にされたものであり、パチンコ球Ｐが可動片１４１上に位置するタイミングで可動片１４１が傾斜状態に回動すると、パチンコ球Ｐが可動片１４１の傾斜に沿って真下へ落下する。この可動片１４１の真下には特別図柄始動口３０の上面開口部が配置されており、パチンコ球Ｐが可動片１４１の傾斜に沿って真下へ落下したときには特別図柄始動口３０内に高確率で入賞する。即ち、傾斜状態は特別図柄始動口３０を実質的に拡大する遊技者に有利な状態に相当し、水平状態は特別図柄始動口３０を実質的に縮小する遊技者に不利な状態に相当する。
【０１６０】
表示台板２４の後面には可動片ソレノイド（図示せず）が固定されている。この可動片ソレノイドのプランジャには可動片１４１が機械的に連結されており、可動片１４１は可動片ソレノイドが通電および断電されることに基づいて傾斜状態および水平状態に移行する。この可動片ソレノイドはソレノイド駆動回路６２を介してメイン制御装置５６に電気的に接続されており、メイン制御装置５６はソレノイド駆動回路６２を通して可動片ソレノイドを駆動制御することに基づいて可動片１４１を回動操作する。
【０１６１】
次に上記構成の作用について説明する。
メイン制御装置５６はパチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを検出すると、当りおよび外れを判定する。ここで当りを判定したには権利回数計測用のカウンタＮ２を上限値「４」と比較し、「Ｎ２＜４」を検出したときにはカウンタＮ２に「１」を加算することに基づいてスイッチゲームの権利回数を加算し、権利表示器２８の権利ランプ２７を点灯する。
【０１６２】
メイン制御装置５６はスイッチゲームの権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたことを検出すると、可動片１４１を設定時間（例えば０．８ｓｅｃ）だけ傾斜状態に回動操作し、ステージ１４０上のパチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に案内するチャンスを与える。そして、カウンタＮ２から「１」を減算することに基づいてスイッチゲームの権利回数を減らし、権利表示器２８の権利ランプ２７を消灯する。
【０１６３】
上記第２実施例によれば、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを条件に権利獲得の有無を判定し、権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには可動片１４１を傾斜させるスイッチゲームを行った。このため、パチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に入賞させることに基づいてスイッチゲームの権利を獲得し、操作スイッチ６４を操作することに基づいてスイッチゲームを行う遊技性ができるので、遊技の単調さが解消される。
【０１６４】
次に本発明の第３実施例を図４５に基づいて説明する。図柄制御装置６８は左図柄，中図柄，右図柄を大当りの組合せで確定停止させると、スイッチゲーム用のメッセージを表示する。この大当り図柄の確定停止はメイン制御装置５６からの全図柄停止コマンドを検出することに基づいて実行されるものであり、メッセージとしては「保留球ランプが全て消えるタイミングでボタンを押して下さい。タイミングが正しければ確率変動をゲットできます。」が表示される。
【０１６５】
メイン制御装置５６は全図柄停止コマンドを出力すると、図４５のステップＳ１４１で４個の保留球ランプ２５を全て点灯させる。この保留球ランプ２５の点灯はメッセージ表示に同期して行われるものであり、メイン制御装置５６は保留球ランプ２５を全て点灯させると、ステップＳ１４２で左から４番目の保留球ランプ２５を消灯し、ステップＳ１４３でゲームタイマをスタートさせる。尚、保留球ランプ２５はサブゲーム用の電動式の役物に相当するものである。
【０１６６】
メイン制御装置５６はゲームタイマをスタートさせると、ステップＳ１４４で左から３番目の保留球ランプを消灯する。この保留球ランプ２５の消灯はゲームタイマの計測値が設定値「１．００ｓｅｃ」に達することに基づいて行われるものであり、メイン制御装置５６は左から３番目の保留球ランプ２５を消灯すると、ステップＳ１４５で操作スイッチ６４の操作を待つ。
【０１６７】
メイン制御装置５６は操作スイッチ６４からのオン信号を検出すると、ステップＳ１４６でゲームタイマを停止させ、ステップＳ１４７でゲームタイマの計測値が「２．８ｓｅｃ」から「３．２ｓｅｃ」の範囲内に有るか否かを判断する。この比較範囲は左から１番目の保留球ランプ２５の仮想的な消灯タイミングに相当するものであり、メイン制御装置５６はゲームタイマの計測値が比較範囲内にあるときにはステップＳ１４８で確率変動フラグを確率変動状態にセットすることに基づいて確率変動の獲得を設定し、ゲームタイマの計測値が比較範囲内にないときにはステップＳ１４９で確率変動フラグを非確率変動状態にセットすることに基づいて確率変動の非獲得を設定する。
【０１６８】
メイン制御装置５６は確率変動フラグを設定すると、ステップＳ１５０で図柄制御装置６８にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ１５１で確率変動の獲得結果を出力する。すると、図柄制御装置６８はＩＲＱ割込みプログラムの中で確率変動の獲得結果を検出し、図柄表示装置２９に「おめでとう！ 確率変動の獲得！」および「残念 確率変動の獲得ならず」を選択的に表示し、確率変動の獲得結果を遊技者に報知する。
【０１６９】
上記第３実施例によれば、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを条件に権利獲得の有無（＝大当り発生の有無）を判定し、権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには操作スイッチ６４の操作に基づいて保留球ランプ２５の消灯タイミングを当てるサブゲームを行った。このため、パチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に入賞させることに基づいてサブゲームの権利を獲得し、操作スイッチ６４を操作することに基づいてサブゲームを行う遊技性ができるので、遊技の単調さが解消される。
【０１７０】
尚、上記第３実施例においては、保留球ランプ２５を用いてスイッチゲームを行ったが、これに限定されるものではなく、例えば図柄表示装置２９にカウントダウン表示を行うことに基づいてスイッチゲームを行ったり、専用の液晶表示器等を用いてスイッチゲームを行っても良い。
また、上記第３実施例においては、大当りの判定時にスイッチゲームを行ったが、これに限定されるものではなく、例えば当りの判定時にスイッチゲームを行っても良い。この場合、操作スイッチ６４が正しいタイミングで操作されたときにはスコアを加算し、スコアが設定値に達したときには次の図柄変動から確率変動モードに移行するように構成すると良い。
【０１７１】
また、上記第３実施例においては、サブゲームとしてカウントダウンゲームを行ったが、これに限定されるものではなく、例えば図柄表示装置２９または専用の液晶表示器を用いてテトリス等のテーブルゲームを行う構成としても良い。この構成の場合、テーブルゲームのスコアが設定値を越えるか否かに基づいて確率変動の獲得の有無を判定すると良い。
【０１７２】
次に本発明の第４実施例を図４６に基づいて説明する。図柄制御装置６８はメイン制御装置５６から外れリーチ用の変動パターン「３」または大当り用の変動パターン「３６」が送信されたことを検出すると、図４６の（ａ）に示すように、図柄表示装置２９に水平な１本の有効ラインＹＬを表示し、各列の図柄を中速度で変動開始する。この変動速度は熟練した遊技者が図柄の種類を視覚的に認識できる程度の値であり、図柄制御装置６８は各列の図柄を変動開始すると、「目押しタイム！」のメッセージを出現させ、遊技者に操作スイッチ６４の操作を促す。
【０１７３】
操作スイッチ６４は図柄制御装置６８に電気的に接続されており、図柄制御装置６８は操作スイッチ６４の１回目の操作を検出すると、左図柄を操作スイッチ６４の操作タイミングに応じたもので有効ラインＹＬ上に変動停止させ、操作スイッチ６４の２回目の操作を検出すると、中図柄を操作スイッチ６４の操作タイミングに応じたもので有効ラインＹＬ上に変動停止させる。
【０１７４】
図柄制御装置６８は操作スイッチ６４の３回目の操作を検出すると、操作スイッチ６４の操作タイミングに応じて右列の停止図柄を設定し、大当り用の変動パターン「３６」の設定時には右列を設定図柄で変動停止させる。また、外れリーチ用の変動パターン「３」の設定時には左列の停止図柄と中列の停止図柄と右列の停止図柄とを比較する。そして、左列の停止図柄と中列の停止図柄と右列の停止図柄とが大当りとなる組合せであるときには右列の停止図柄を「＋１」図柄に変更し、右列を変更図柄で変動停止させる。また、左列の停止図柄と中列の停止図柄と右列の停止図柄とが大当りとなる組合せでないときには右列を設定図柄で変動停止させる。
【０１７５】
図柄制御装置６８は左列〜右列の全てを変動停止させると、左列〜右列を再び変動させ、左列〜右列をメイン制御装置５６からの設定図柄で同時に変動停止させることに基づいて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を確定的に報知する。尚、図柄表示装置２９はサブゲーム用の電動式の役物に相当するものである。
【０１７６】
上記第４実施例によれば、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したことを条件に権利獲得の有無（＝変動パターン「３」および「３６」の設定）を判定し、権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには操作スイッチ６４の操作タイミングに応じて図柄を変動停止させるサブゲーム（スロットマシンゲーム）を行った。このため、パチンコ球Ｐを特別図柄始動口３０内に入賞させることに基づいてサブゲームの権利を獲得し、操作スイッチ６４を操作することに基づいてサブゲームを行う遊技性ができるので、遊技の単調さが解消される。
【０１７７】
また、操作スイッチ６４が操作されたときには操作スイッチ６４の操作内容に応じた図柄を停止させ、図柄の停止時の組合せによって大当りおよび外れを遊技者に仮報知した。この図柄の停止時には大当りおよび外れが判定されており、大当りの判定時には大当り図柄が停止操作されることが許容される。この内部処理は遊技者に開示されていないので、大当り図柄が停止操作されたときには遊技者に自らの技量で大当りを獲得した感覚を与えることができる。しかも、大当りの判定時に大当り図柄が停止操作されなかったときには外れ図柄が再変動後に大当り図柄で自動停止し、外れの判定時には大当り図柄が停止操作されることが禁止されるので、総じて、疑似的な技術介入性ができる。
【０１７８】
尚、上記第１〜第４実施例においては、パチンコ球Ｐがポケット状の特別図柄始動口３０内に入賞することに基づいてスイッチゲームの権利獲得の有無を判定したが、これに限定されるものではなく、例えば遊技盤１３に上下面が開口するコ字枠状の通過ゲートを固定し、パチンコ球球Ｐが通過ゲート内を通過することに基づいてスイッチゲームの権利獲得の有無を判定しても良い。
【０１７９】
また、上記第１〜第４実施例においては、パチンコ球Ｐが特別図柄始動口３０内に入賞したタイミングでランダムカウンタＲ１〜Ｒ９を取得したが、これに限定されるものではなく、例えば大当り判定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ６３，Ｓ６４）でランダムカウンタＲ３を取得したり、大当り図柄の設定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ６６）でランダムカウンタＲ５を取得したり、外れリーチの判定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ６８）でランダムカウンタＲ２を取得したり、外れリーチ図柄の設定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ７０）でランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を取得したり、完全外れ図柄の設定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ７１）でランダムカウンタＲ６〜Ｒ８を取得したり、変動パターンの設定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ７２）でランダムカウンタＲ１を取得したり、当りの判定処理を行うタイミング（図１９のステップＳ７４）でランダムカウンタＲ９を取得したり、図柄制御コマンドの出力直後のタイミング（図２５のステップＳ８３の直後）でランダムカウンタＲ１を取得して変動パターンを設定したり、要は上述の各処理をパチンコ球Ｐが特別図柄始動口２４内に入賞したことを条件に行えば良い。
【０１８０】
次に本発明の第５実施例を図４７〜図５３に基づいて説明する。遊技盤１３には、図４７に示すように、左右方向中央部および上下方向中央部に位置して下記構成の中央役物１００が固定されている。
＜中央役物１００について＞
遊技盤１３には、図４８に示すように、役物台板１０１のフランジ１０２が固定されている。この役物台板１０１は、図４８および図４９に示すように、前面が開口し且つ後面が閉鎖された矩形箱状をなすものであり、役物台板１０１内には、図４８に示すように、上ステージ１０３が固定されている。この上ステージ１０３は前方から後方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、上ステージ１０３の後端部には落下孔１０４が形成されている。この落下孔１０４は横長な矩形状をなすものであり、複数のパチンコ球Ｐが同時に侵入可能な大きさに設定されている。
【０１８１】
役物台板１０１には、図４９に示すように、トンネル１０５が固定されている。このトンネル１０５の上端部は上ステージ１０３の落下孔１０４に接続されており、上ステージ１０３内に侵入したパチンコ球Ｐは上ステージ１０３の傾斜に沿って後方へ転がり、落下孔１０４内からトンネル１０５内に侵入する。また、役物台板１０１内には下ステージ１０６が固定されており、トンネル１０５内に侵入したパチンコ球Ｐは下ステージ１０６の後端部に落下する。この下ステージ１０６は前方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、下ステージ１０６の後端部に落下したパチンコ球Ｐは下ステージ１０６の傾斜に沿って前方へ転がる。
【０１８２】
下ステージ１０６には、図５０に示すように、円筒部１０７が固定されており、円筒部１０７の前端部には切欠部１０８が形成されている。また、下ステージ１０６の前端部にはメインステージ１０９が形成されている。このメインステージ１０９は後方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、下ステージ１０６の傾斜に沿って前方へ転がるパチンコ球Ｐがメインステージ１０９に到達したときにはメインステージ１０９の傾斜に沿っ後方へ転がり、切欠部１０８内から円筒部１０７内に侵入する。
【０１８３】
下ステージ１０６にはロータ１１０が軸１１１を中心に回動可能に装着されている。このロータ１１０はロータモータ１３６（図５１参照）の回転軸に連結されており、ロータモータ１３６の駆動に基づいて回転する。また、ロータ１１０には、図５０に示すように、１個のＶゾーン１１２および５個の外れゾーン１１３が形成されている。これらＶゾーン１１２および外れゾーン１１３は深さ寸法が小さな円弧凹状および深さ寸法が大きな円弧凹状をなすものであり、円筒部１０７内に侵入したパチンコ球ＰはＶゾーン１１２内および外れゾーン１１３内のいずれかに侵入する。尚、Ｖゾーン１１２は移動式の大当り口に相当するものである。
【０１８４】
下ステージ１０６には円筒部１０７内に位置して円形状のＶ孔１１４および外れ孔１１５が形成されている。これらＶ孔１１４および外れ孔１１５はＶゾーン１１２および外れゾーン１１３に対応する位置に配置されたものであり、パチンコ球ＰがＶゾーン１１２内に侵入したときにはＶゾーン１１２がＶ孔１１４の真上に対向することに基づいてＶ孔１１４内に落下し、パチンコ球Ｐが外れゾーン１１３内に侵入したときには外れゾーン１１３が外れ孔１１５の真上に対向することに基づいて外れ孔１１５内に落下する。
【０１８５】
役物台板１０１には、図４９に示すように、２枚の外羽根１１６が軸１１７を中心に回動可能に装着されており、両軸１１７は外羽根ソレノイド１１８（図５１参照）のプランジャに機械的に連結されている。この外羽根ソレノイド１１８は役物台板１０１の後面に固定されたものであり、外羽根ソレノイド１１８の断電時には、図４９に破線で示すように、両外羽根１１６が略垂直な閉鎖状態に保持され、外羽根ソレノイド１１８の通電時には、図４９に実線で示すように、両外羽根１１６が傾斜した開放状態に回動する。尚、外羽根１１６はメインゲーム用の電動式の役物に相当するものである。
【０１８６】
役物台板１０１の上端部には庇１１９が固定されており、庇１１９と上ステージ１０３との間には左右両端部に位置して空間状の入賞口１２０が形成されている。これら両入賞口１２０は両外羽根１１６の閉鎖時に両外羽根１１６によって閉鎖されるものであり、両外羽根１１６の開放時には両外羽根１１６が両入賞口１２０を開放し、上ステージ１０３上に両入賞口１２０を通ってパチンコ球Ｐが入賞することを許容する。即ち、両外羽根１１６の開放状態は遊技者に有利な状態に相当し、両外羽根１１６の閉鎖状態は遊技者に不利な状態に相当する。
【０１８７】
上ステージ１０３には、図４８に示すように、２枚の内羽根１２１が軸１２２を中心に回動可能に装着されており、両軸１２２は内羽根ソレノイド１２３（図５１参照）のプランジャに機械的に連結されている。この内羽根ソレノイド１２３は役物台板１０１の後面に固定されたものであり、内羽根ソレノイド１２３の断電時には、図４８に実線で示すように、両内羽根１２１が相手側に接近した貯溜状態に保持され、下ステージ１０６に侵入したパチンコ球Ｐが両内羽根１２１により貯溜される。また、内羽根ソレノイド１２３の通電時には、図４８に破線で示すように、両内羽根１２２が相手側から遠ざかる貯溜解除状態に回動し、パチンコ球Ｐの貯溜が解除されることに基づいて落下孔０４内に転がり込む。
【０１８８】
尚、内羽根１２１はパチンコ球Ｐが移動式のＶゾーン１１２内に入賞することを許容する遊技者に有利な状態およびパチンコ球ＰがＶゾーン１２１内に入賞することを禁止する遊技者に不利な状態に切換わるサブゲーム用の電動式の役物に相当するものである。
【０１８９】
役物台板１０１内には入賞口センサ１２４（図５１参照）が固定されている。この入賞口センサ１２４は、図４８に示すように、両内羽根１２１の前方に検出エリアＳＥを有する近接スイッチから構成されたものであり、両入賞口１２０から下ステージ１０６に侵入したパチンコ球Ｐを検出して入賞信号を出力する。また、役物台板１０１内にはＶセンサ１２５（図５１参照）が固定されている。このＶセンサ１２５はＶ孔１１４の下方に検出エリアを有する近接スイッチから構成されたものであり、Ｖ孔１１４内に落下したパチンコ球Ｐを検出してＶ信号を出力する。
【０１９０】
遊技盤１１には、図４７に示すように、中央役物１００の下方に位置して始動口台板１２６が固定されており、始動口台板１２６の左右両端部には始動口１２７が固定されている。これら各始動口１２７は上面が開口するポケット状をなすものであり、各始動口１２７内には始動口センサ１２８（図５１参照）が固定されている。これら各始動口センサ１２８は近接スイッチからなるものであり、始動口１２７内にパチンコ球Ｐが入賞したことを検出して始動信号を出力する。
【０１９１】
入賞口センサ１２４，Ｖセンサ１２５，両始動口センサ１２８は、図５１に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置１２９に電気的に接続されている。このメイン制御装置１２９には払出制御装置７９が電気的に接続されており、メイン制御装置１２９は入賞口センサ１２４からの入賞信号および始動口センサ１２８からの始動信号を検出することに基づいて払出制御装置７９に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、上皿４内にパチンコ球を賞品球として払出す。尚、メイン制御装置１２９は大当り判定手段およびメインゲーム制御手段に相当するものである。
【０１９２】
メイン制御装置１２９にはソレノイド駆動回路１３０を介して外羽根ソレノイド１１８が電気的に接続されており、メイン制御装置１２９は外羽根ソレノイド１１８を通断電制御することに基づいて両外羽根１１６を閉鎖状態および開放状態に回動操作する。また、メイン制御装置１２９にはモータ駆動回路１３７を介してロータモータ１３６が電気的に接続されており、メイン制御装置１２９はロータモータ１３６を一定方向へ一定速度で常に回転させることに基づいてロータ１１０を一定方向へ一定速度で常に回転させる。
【０１９３】
メイン制御装置１２９にはマイクロコンピュータを主体に構成されたサブ制御装置１３１が電気的に接続されており、サブ制御装置１３１には操作スイッチ６４が電気的に接続されている。このサブ制御装置１３１にはソレノイド駆動回路１３２を介して内羽根ソレノイド１２３が電気的に接続されており、サブ制御装置１３１は内羽根ソレノイド１２３を通断電制御することに基づいて両内羽根１２１を貯溜状態および貯溜解除状態に回動操作する。尚、サブ制御装置１３１は権利判定手段およびサブゲーム制御手段に相当するものである。
【０１９４】
役物台板１０１には、図４９に示すように、７セグメント形のＬＥＤ表示器から構成された権利表示器１３３が固定されている。この権利表示器１３３は、図５１に示すように、ＬＥＤ駆動回路１３４を介してサブ制御装置１３１に電気的に接続されており、サブ制御装置１３１はＬＥＤ駆動回路１３４を通して権利表示器１３３の表示内容を制御する。尚、権利表示器１３３は表示器に相当するものである。
【０１９５】
次に上記構成の作用について説明する。
パチンコ球Ｐが始動口１２７内に入賞すると、中央役物１００の両外羽根１１６が設定時間（例えば０．８ｓｅｃ）だけ開放され、中央役物１００の上ステージ１０３内に入賞口１２０を通してパチンコ球Ｐが入賞することが許容される。この状態では中央役物１００の両内羽根１２１が貯溜状態に保持されており、上ステージ１０３内にパチンコ球Ｐが入賞したときには両内羽根１２１によってパチンコ球Ｐが貯溜される。
【０１９６】
パチンコ球Ｐが両内羽根１２１によって貯溜されると（貯溜球の発生）、スイッチゲームの権利が発生し、権利表示器１３３に「Ｖ」が表示されることに基づいて権利の発生が遊技者に報知される。この権利の発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには両内羽根１２１が設定時間（例えば０．８ｓｅｃ）だけ貯溜解除状態に回動し、パチンコ球Ｐが落下孔１０４からトンネル１０５内を通って下ステージ１０６上に落下する。そして、権利表示器１３３の「Ｖ」の表示が消滅し、遊技者に権利の消滅が報知される。
【０１９７】
パチンコ球Ｐが下ステージ１０６上に落下したときにはメインステージ１０９上から切欠部１０８内に侵入する。このとき、パチンコ球Ｐがロータ１１０のＶゾーン１１２内に侵入すると、Ｖ孔１１４内に落下して大当りが発生し、大当り遊技が開始される。この大当り遊技は両外羽根１１６の設定時間「１．５ｓｅｃ」の開放動作を繰返し、上ステージ１０３内にパチンコ球Ｐが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、両外羽根１１６の開放動作は上ステージ１０３内に上限個（例えば１０個）のパチンコ球Ｐが入賞する個数条件および両外羽根１１６の開放回数が上限値（例えば１８回）に達する回数条件のいずれかが満足されるまで繰返される。
【０１９８】
両外羽根１１６の両条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件または回数条件が満足されるまでは両内羽根１２１が貯溜状態に保持される。そして、個数条件または回数条件が満足されたときには両羽根板１２１が貯溜状態から貯溜解除状態に設定時間「３ｓｅｃ」だけ自動的に回動し、落下孔１０４からトンネル１０５を通って下ステージ１０３上に複数のパチンコ球Ｐが一斉に落下する。この場合には、切欠部１０８内に複数のパチンコ球Ｐが一斉に転がり込むので、Ｖゾーン１１２内に高確率で侵入してＶ孔１１４内に落下する。
【０１９９】
パチンコ球ＰがＶ孔１１４内に落下したときには大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドには上限値（例えば１５回）が設定されており、大当りラウンドが上限値に達したときには内羽根１２１の自動回動に基づいてパチンコ球ＰがＶ孔１１４内に落下した場合でも大当り遊技が終了する。また、内羽根１２１の自動回動に基づいてパチンコ球ＰがＶ孔１１４内に落下しなかった場合には大当りラウンドが上限値に達してなくても大当り遊技が終了する。
【０２００】
次にメイン制御装置１２９およびサブ制御装置１３１の内部処理について説明する。
図５２のタイマ割込み処理はメイン制御装置１２９が４ｍｓｅｃの経過毎に実行するものであり、メイン制御装置１２９はタイマ割込み処理を起動すると、ステップＳ４０１で入賞口センサ１２４からの入賞信号の有無を判断する。ここで入賞信号を検出したときにはステップＳ４０２でサブ制御装置１３１にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ４０３で入賞データを出力する。すると、サブ制御装置１３１はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動する。そして、ＩＲＱ割込みプログラムの中で入賞データを検出し、権利フラグに権利有りをセットする。
【０２０１】
メイン制御装置１２９はステップＳ４０４へ移行すると、払出制御装置７９にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ４０５で賞球データを出力する。すると、払出制御装置７９はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動し、ＩＲＱ割込みプログラムの中で賞球データを検出し、賞球データに基づいて賞品球の払出し処理を行う。
【０２０２】
メイン制御装置１２９はステップＳ４０６へ移行すると、大当りフラグの設定状態を検出する。この大当りフラグは大当り遊技の実行中に大当り遊技中にセットされ、大当り遊技の停止時に大当り遊技停止中にセットされるものであり、メイン制御装置１２９は大当りフラグが遊技停止中にセットされていることを検出すると、ステップＳ４０７へ移行する。
【０２０３】
メイン制御装置１２９はステップＳ４０７へ移行すると、外羽根フラグの設定状態を検出する。この外根板フラグは両外羽根１１６の開放時に開放中にセットされ、両外羽根１１６の閉鎖時に閉鎖中にセットされるものであり、メイン制御装置１２９は外羽根フラグが閉鎖中に設定されていることを検出すると、ステップＳ４０８へ移行する。
【０２０４】
メイン制御装置１２９はステップＳ４０８へ移行すると、始動口センサ１２８からの始動信号の有無を検出する。ここで始動口センサ１２８からの始動信号を検出したときにはステップＳ４０９で外羽根ソレノイド１１８に駆動電源を印加することに基づいて両外羽根１１６の開放動作を開始し、ステップＳ４１０で外羽根フラグに開放中をセットすることに基づいて両外羽根１１６の開放を記録し、ステップＳ４１１へ移行する。
【０２０５】
メイン制御装置１２９はステップＳ４１１へ移行すると、開放時間の経過の有無を判断する。この開放時間はステップＳ４０９で外羽根１１６の開放動作を開始することに基づいて計測開始されるものであり、メイン制御装置１２９は開放時間の経過を判断したときにはステップＳ４１２で外羽根ソレノイド１１８を断電することに基づいて両外羽根１１６を閉鎖する。そして、ステップＳ４１３で外羽根フラグに閉鎖中をセットすることに基づいて両外羽根１１６の閉鎖を記録し、ステップＳ４１４へ移行する。
【０２０６】
メイン制御装置１２９はステップＳ４１４へ移行すると、Ｖセンサ１２５からのＶ信号の有無を判断する。ここでＶ信号を検出したときにはステップＳ４１５で大当りフラグに大当り遊技中をセットすることに基づいて大当り遊技の実行中を記録し、ステップＳ４１６でサブ制御装置１３１にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ４１７で大当り信号を出力する。すると、サブ制御装置１３１はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動する。そして、ＩＲＱ割込みプログラムの中で大当り信号を検出し、大当りフラグを大当り遊技中にセットする。
【０２０７】
メイン制御装置１２９はステップＳ４１８へ移行すると、上述の大当り遊技を実行する。この大当り遊技の実行時にはメイン制御装置１２９は両外羽根１１６の開放回数およびパチンコ球の入賞個数を計測しており、開放回数および入賞個数のいずれか一方が上限値に達することに基づいてラウンド動作を終える。そして、サブ制御装置１３１に内羽根１２１の貯溜解除指令を出力し、貯溜解除指令の出力から設定時間が経過したことを検出したときには両内羽根２１の貯溜指令を出力する。これら貯溜解除指令および貯溜指令はサブ制御装置１２９に両内羽根１２１の貯溜解除状態への回動および貯溜状態への回動を指令するものであり、サブ制御装置１３１は貯溜解除指令を検出することに基づいて両内羽根１２１を貯溜解除状態に回動操作し、貯溜指令を検出することに基づいて両内羽根１２１を貯溜解除状態から貯溜状態に回動復帰させる。
【０２０８】
メイン制御装置１２９はステップＳ４１９へ移行すると、大当り遊技の終了の有無を判断する。この大当り遊技は、上述したように、大当りラウンドの終了後にパチンコ球ＰがＶ孔１１４内に入賞しなかった場合または大当りラウンドが上限回に達した場合に終了するものであり、メイン制御装置１２９は大当り遊技の終了を検出したときにはステップＳ４２０でサブ制御装置１３１にＩＮＴ信号を出力し、ステップＳ４２１で大当り終了信号を出力し、ステップＳ４２２で大当りフラグに大当り遊技停止中をセットする。すると、サブ制御装置１３１はＩＮＴ信号を検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムを起動する。そして、ＩＲＱ割込みプログラムの中で大当り終了信号を検出し、大当りフラグを大当り遊技停止中にセットする。
【０２０９】
図５３のタイマ割込み処理はサブ制御装置１３１が４ｍｓｅｃの経過毎に実行するものであり、サブ制御装置１３１はタイマ割込み処理を起動すると、ステップＳ４３１で大当りフラグの設定状態を検出する。この大当りフラグはサブ制御装置１３１がメイン制御装置１２９からの大当り信号をＩＲＱ割込みプログラムの中で検出することに基づいて大当り遊技中にセットし、大当り終了信号を検出することに基づいて大当り遊技停止中にセットするものであり、サブ制御装置１３１は大当りフラグが大当り遊技中にセットされていないことを検出したときにはステップＳ４３２へ移行する。尚、大当りフラグは大当り遊技停止中に初期設定されるものである。
【０２１０】
サブ制御装置１３１はステップＳ４３２へ移行すると、内羽根フラグの設定状態を検出する。この内羽根フラグはサブ制御装置１３１がタイマ割込みプログラムの中で両内羽根１２１を貯溜解除状態に回動操作することに基づいて解放中にセットし、両内羽根１２１を貯溜状態に回動復帰させることに基づいて貯溜中にセットするものであり、サブ制御装置３１は内羽根フラグが解放中にセットされていないことを検出したときにはステップＳ４３３へ移行する。
【０２１１】
サブ制御装置１３１はステップＳ４３３へ移行すると、権利フラグの設定状態を検出する。この権利フラグはサブ制御装置１３１がメイン制御装置１２９からの入賞データを検出することに基づいてＩＲＱ割込みプログラムの中で権利有りにセットするものであり、入賞データはメイン制御装置１２９がパチンコ球Ｐの中央役物１００に対する入賞を検出することに基づいて出力する。例えばサブ制御装置１３１は権利フラグが権利有りにセットされていることを検出したときにはステップＳ４３４で権利表示器１３３に「Ｖ」を表示し、遊技者に権利の発生を報知する。
【０２１２】
サブ制御装置１３１はステップＳ４３５へ移行すると、操作スイッチ６４からのオン信号の有無を検出する。ここでオン信号を検出したときにはステップＳ４３６で内羽根ソレノイド１２３に駆動電源を印加することに基づいて両内羽根１２１を貯溜状態から貯溜解除状態に回動操作し、ステップＳ４３７で内羽根フラグに解放中をセットすることに基づいて両内羽根１２１の貯溜解除状態への回動を記録する。そして、ステップＳ４３８で権利表示器１３３の「Ｖ」の表示を消去し、遊技者に権利消滅を報知する。
【０２１３】
サブ制御装置１３１はステップＳ４３９へ移行すると、解放時間の経過の有無を判断する。この解放時間はステップＳ４３６で内羽根１２１の貯溜解除状態への回動を開始することに基づいて計測開始されるものであり、サブ制御装置１３１は解放時間の経過を判断したときにはステップＳ４４０で内羽根ソレノイド１２３を断電することに基づいて両内羽根１２１を貯溜状態に復帰させる。そして、ステップＳ４４１で内羽根フラグに貯溜中をセットし、両内羽根１２１の貯溜状態への復帰を記録する。
【０２１４】
サブ制御装置１３１はステップＳ４３１で大当りフラグに大当り遊技中がセットされていることを検出すると、ステップＳ４４２で内羽根フラグの設定状態を判断する。ここで内羽根フラグが解放中にセットされていないことを検出したときにはステップＳ４４３へ移行し、貯溜解除指令の有無を判断する。この貯溜解除指令は大当りラウンド中の外羽根１１６の開放回数が上限値に達したり、パチンコ球Ｐの入賞個数が上限値に達することに基づいてメイン制御装置１２９から出力されるものであり、サブ制御装置１３１は貯溜解除指令を検出したときにはステップＳ４４４で両内羽根１２１を貯溜解除状態に回動操作し、ステップＳ４４５で内羽根フラグに解放中をセットする。
【０２１５】
サブ制御装置１３１はステップＳ４４６へ移行すると、貯溜指令の有無を判断する。この貯溜指令はメイン制御装置１２９が貯溜解除指令の出力から設定時間が経過することに基づいて出力するものであり、サブ制御装置１３１は貯溜指令を検出したときにはステップＳ４４７で両内羽根１２１を貯溜状態に回動操作し、ステップＳ４４８で内羽根フラグに貯溜中をセットする。
【０２１６】
大当り遊技の停止中には両内羽根１２１が貯溜状態に保持されており、両外羽根１１６の開放に基づいてパチンコ球Ｐが入賞口１２０内に入賞したときには両内羽根１２１により貯溜される。このパチンコ球Ｐの入賞時にはスイッチゲームの権利が発生し、操作スイッチ６４がスイッチゲームの権利発生状態で操作されたたときには両内羽根１２１が設定時間だけ貯溜解除状態に回動し、パチンコ球Ｐが落下孔１０４からトンネル１０５を通して落下する。この操作スイッチ６４の操作は権利表示器１３３に「Ｖ」が表示されている権利発生時にのみ有効化されるものであり、権利表示器１３３に「Ｖ」が表示されていない権利の非発生時に操作スイッチ６４が操作されたときには両内羽根１２１が貯溜状態に保持される。
【０２１７】
大当り遊技中には両内羽根１２１が貯溜状態に保持されており、両外羽根１１６の開放に基づいてパチンコ球Ｐが入賞口１２０内に入賞したときには両内羽根１２１により貯溜される。この大当り遊技中にはパチンコ球Ｐが入賞口１２０内に入賞してもスイッチゲームの権利が発生せず、両内羽根１２１の解放は設定個数のパチンコ球Ｐが入賞する個数条件または両外羽根１１６の開放回数が上限値に達する回数条件が満足されることに基づいて自動的に行われる。即ち、操作スイッチ６４は大当り遊技中には無効化される。
【０２１８】
上記第５実施例によれば、大当りの判定時には両外羽根１１６を開閉する大当りラウンド動作を行ったので、両外羽根１１６の開閉回数が上限値に達するまでに両入賞口１２０内に規定個数のパチンコ球Ｐを入賞させるメインゲームを行う遊技性ができる。しかも、パチンコ球Ｐが入賞口１２０内に入賞したことを条件に権利獲得を判定し、権利発生状態で操作スイッチ６４が操作されたときには両外羽根１１６を開放するサブゲームを行った。このため、パチンコ球Ｐを入賞口１２０内に入賞させることに基づいてサブゲームの権利を獲得し、操作スイッチ６４を操作することに基づいてサブゲームを行う遊技性ができるので、総じて、遊技の単調さが解消される。
【０２１９】
また、操作スイッチ６４の操作を条件に両内羽根１２１を遊技者に有利な貯溜解除状態に切換えた。このため、ロータ１１０のＶゾーン１１２の動きを観察しながら操作スイッチ６４を操作することに基づいてＶゾーン１１２内にパチンコ球を入賞させ、大当りを自らの技量で獲得する技術介入性ができる。しかも、両内羽根１２１の駆動制御を大当り判定とは無関係なサブ制御装置１３１によって行った。このため、両内羽根１２１の駆動制御をメイン制御装置１２９によって行う場合とは異なり、メイン制御装置１２９の制御プログラムを不正に交換し、操作スイッチ６４の操作に基づく両内羽根１２１の駆動をパチンコ球ＰがＶゾーン１１２内に入賞するタイミングで行う不正行為が不能になる。
【０２２０】
また、操作スイッチ６４が権利発生状態で操作されたときにはサブゲームを実行した。このため、遊技者が所望のタイミングで操作スイッチ６４を操作すれば、サブゲームが実行されるので、操作スイッチ６４の操作タイミングに戸惑いを感じることがなくなる。
また、操作スイッチ６４をサブ制御装置１３１にメイン制御装置１２９を介さずに接続した。このため、操作スイッチ６４の影響でメイン制御装置１２９に対する信号入力経路が増えることがなくなるので、メイン制御装置１２９に新たな入力経路を通して大当り判定信号が不正に入力される違法行為が防止される。
また、サブゲームの権利が発生していることを表示する権利表示器１３３を中央役物１００に設けた。このため、操作スイッチ６４が操作有効状態にあることが遊技者に報知されるので、遊技者が操作スイッチ６４の操作に戸惑いを感じることがなくなる。
【０２２１】
尚、上記第５実施例においては、貯溜球が発生することに基づいてサブゲームの権利を発生させたが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ球Ｐが特定の入賞口内に入賞することに基づいて権利を発生させたり、パチンコ球Ｐが特定の通過ゲート内を通過することに基づいて権利を発生させても良い。この場合、サブゲームの権利が行使されないときには新たな入賞または通過に基づいて権利回数を加算すると良い。この権利回数には上限値を設定しても良く、あるいは、上限値を設定しなくても良いが、権利表示器１３３に権利回数を表示することが好ましい。
また、上記第５実施例においては、パチンコ球Ｐがポケット状の始動口１２７内に入賞することに基づいて両外羽根１１６を開放したが、これに限定されるものではなく、例えば遊技盤１３に上下面が開口するコ字枠状の通過ゲートを固定し、パチンコ球Ｐが通過ゲート内を通過することに基づいて両外羽根１１６を開放しても良い。
【０２２２】
また、上記第１〜第５実施例においては、操作スイッチ６４の操作ボタン６５を上皿板３の左右方向中央部に配置したが、これに限定されるものではなく、要は遊技者が操作可能な遊技機本体６６の前面側に配置すれば良い。この場合、遊技者が右手で発射ハンドル８を操作したまま左手で操作可能な部分（上皿板３の左端部，上皿４の左右方向中央部，下皿５３の左右方向中央部，下皿５３の左端部等）に操作ボタン６５を装着することが好ましい。
また、上記第１〜第５実施例においては、操作手段としてプッシュ式の操作スイッチ６４を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば遊技者の手指が触れたことを検出して信号を出力する接触形のタッチセンサ，遊技者の手指が接近したことを検出して信号を出力する非接触形の赤外線センサ等を用いても良い。
【０２２３】
また、上記第１〜第５実施例においては、サブゲームの実行時に操作スイッチ６４が操作されたときには当該操作を無効化したが、これに限定されるものではなく、例えば権利回数を減算しても良い。また、上記第１〜第４実施例においては、大当り図柄の確定停止に連動して大当り動作が行われる１種のパチンコ機に本発明を適用し、上記第５実施例においては、パチンコ球Ｐが中央役物１００のＶゾーン１１２内に入賞することに基づいて大当り動作が行われる２種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば３種のパチンコ機に適用しても良い。この３種のパチンコ機は大当り図柄の確定表示に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。上記実施例には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の［発明１］〜［発明４］が記載されている。
［発明１］
遊技盤に設けられ遊技者に有利な状態および不利な状態に切換わるメインゲーム用の役物と、大当りおよび外れを判定する大当り判定手段と、前記大当り判定手段が大当りを判定したことを条件に前記役物を駆動制御することに基づいてメインゲームを行うメインゲーム制御手段と、前記遊技盤に設けられパチンコ球が入賞可能な入賞口または通過可能な通過ゲートと、パチンコ球が前記入賞口内に入賞したことまたは前記通過ゲート内を通過したことを条件に権利獲得の有無を判定する権利判定手段と、遊技機本体の前面側に設けられた操作手段と、前記操作手段が権利獲得状態で操作されたことを条件に前記操作手段を用いてメインゲームとは異なるサブゲームを実行するサブゲーム制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。この発明１は大当りの判定時にはメインゲーム用の役物を用いてメインゲームを行い、パチンコ球が入賞口内に入賞したり通過ゲート内を通過したことを条件に権利獲得の有無を判定し、権利発生状態で操作手段が操作されたことを条件に操作手段を用いてメインゲームとは異なるサブゲームを行うものである。この発明１によれば、メインゲーム用の役物を用いてメインゲームを行う遊技性が有る。しかも、パチンコ球を入賞口内に入賞させたり通過ゲート内を通過させることに基づいてサブゲームの権利を獲得し、操作手段を操作することに基づいてメインゲームとは異なるサブゲームを行う遊技性があるので、遊技の単調さが解消される。尚、パチンコ球が入賞口内に入賞したことを検出して入賞信号を出力する入賞口センサまたはパチンコ球が通過ゲート内を通過したことを検出して通過信号を出力する通過センサを設け、パチンコ球の入賞または通過を入賞口センサまたは通過センサからの出力信号に基づいて検出すると良い。
［発明２］
前記サブゲーム制御手段は前記操作手段が権利発生状態で操作されたときにはサブゲームの実行時を除いて当該操作を有効化することを特徴とする発明１に記載の遊技機。この発明２によれば、遊技者がサブゲームの実行時を除く所望のタイミングで操作手段を操作すれば、サブゲームが実行されるので、操作手段の操作タイミングに戸惑いを感じることがなくなる。しかも、サブゲームの実行時に操作手段が操作されたときには当該操作が無効化されるので、操作手段の不用意な操作に基づいて権利が消滅することが防止される。
［発明３］
権利発生状態で権利獲得が判定されることに基づいて権利回数を加算し、前記操作手段の有効な操作が行われることに基づいて権利回数を減算する計測手段と、遊技機本体の前面側に設けられ前記計測手段の計測結果を表示する表示器とを備えたことを特徴とする発明１〜２のいずれかに記載の遊技機。この発明３によれば、サブゲームの権利が行使されないときには権利獲得に基づいて権利回数が増えるので、権利をストックする新たな楽しみができる。しかも、遊技者に権利回数が報知されるので、遊技者が権利回数を頭の中でカウントする手間がなくなる。
［発明４］
前記計測手段は権利回数が上限値に達しているときには権利獲得が判定されても権利回数を加算しないことを特徴とする発明３に記載の遊技機。この発明４によれば、パチンコ球が入賞口内に入賞したり通過ゲート内を通過することに基づいて権利回数が際限なく増 えることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を示す図（パチンコ機の全体構成を示す前面図）
【図２】遊技盤を示す前面図
【図３】パチンコ機の全体構成を示す後面図
【図４】特別図柄始動口を示す斜視図（ａは羽根板の閉鎖状態を示す図、ｂは羽根板の開放状態を示す図）
【図５】大入賞口を開放状態で示す斜視図
【図６】賞球払出装置の内部構成を示す後面図
【図７】メイン制御装置の電気的構成を示す図
【図８】図柄制御装置の電気的構成を示す図
【図９】払出制御装置の電気的構成を示す図
【図１０】スピーカ制御装置の電気的構成を示す図
【図１１】ランプ制御装置の電気的構成を示す図
【図１２】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図１３】（ａ）はメイン制御装置が保有するランダムカウンタの一覧を示す図、（ｂ）はメイン制御装置が保有するノーマルカウンタの一覧を示す図
【図１４】メイン制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図１５】メイン制御装置のＲＡＭのデータ格納エリアを示す図
【図１６】メイン制御装置のデータ取得処理を示すフローチャート
【図１７】（ａ）はカウンタデータエリアとカウンタと保留球ランプナンバーとの関係を示す図、（ｂ）はカウンタと権利ランプナンバーとの関係を示す図
【図１８】メイン制御装置のスイッチゲーム処理を示すフローチャート
【図１９】メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート
【図２０】ランダムカウンタと大当り図柄，左図柄，中図柄，右図柄との関係を示す図
【図２１】メイン制御装置の外れリーチ図柄設定処理を示すフローチャート
【図２２】メイン制御装置の完全外れ図柄設定処理を示すフローチャート
【図２３】大当り用の変動パターンテーブルを示す図
【図２４】外れリーチ用の変動パターンテーブルを示す図
【図２５】メイン制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図２６】メイン制御装置のスピーカ制御処理を示すフローチャート
【図２７】メイン制御装置のランプ制御処理を示すフローチャート
【図２８】メイン制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図２９】メイン制御装置の大当り遊技開始処理を示すフローチャート
【図３０】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図３１】図柄表示装置の表示内容の変化を示すタイミングチャート
【図３２】図柄制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図３３】図柄制御装置のＩＲＱ割込みプログラムを示すフローチャート
【図３４】図柄制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図３５】図柄制御装置の表示パターン設定処理を示すフローチャート
【図３６】表示パターンテーブルを示す図
【図３７】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図３８】外れリーチ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図３９】図柄制御装置の変動開始処理を示すフローチャート
【図４０】図柄制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図４１】図柄制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図４２】図柄制御装置の大当り表示処理を示すフローチャート
【図４３】図柄制御装置の大当り表示終了処理を示すフローチャート
【図４４】本発明の第２実施例を示す図（ａは表示台板を示す前面図、ｂはＸ線に沿う断面図）
【図４５】本発明の第３実施例を示す図（メイン制御装置のスイッチゲーム処理を示すフローチャート）
【図４６】本発明の第４実施例を示す図（図柄表示装置の表示画面を示す図）
【図４７】本発明の第５実施例を示す（遊技盤を示す前面図）
【図４８】中央役物の内部構成を示す断面図（図４８のＸ線に沿う断面図）
【図４９】中央役物を示す前面図
【図５０】下ステージおよびロータを示す上面図
【図５１】メイン制御装置およびサブ制御装置等の電気的構成を示すブロック図
【図５２】メイン制御装置の制御内容を示すフローチャート
【図５３】サブ制御装置の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
Ｐはパチンコ球、１３は遊技盤、３７は大入賞口（役物）、５６はメイン制御装置（大当り判定手段，メインゲーム制御手段，権利判定手段，サブゲーム制御手段，計測手段）、２８は権利表示器（表示器）、３１は始動口台板（入賞口）、６４は操作スイッチ（操作手段）、６６は遊技機本体、１１６は外羽根（役物）、１２０は入賞口、１２９はメイン制御装置（大当り判定手段，メインゲーム制御手段）、１３１はサブ制御装置（権利判定手段，サブゲーム制御手段）を示している。

Claims (1)

1. パチンコ球が発射される遊技盤と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞可能な入賞口と、
   前記遊技盤に設けられ、パチンコ球が入賞可能な開放状態およびパチンコ球が入賞不能な閉鎖状態相互間で切換えられる大入賞口と、
   ランダムカウンタを予め決められた初期値および予め決められた上限値の範囲内で更新する手段と、
   ランダムカウンタの更新結果が記録されるカウンタデータエリアを有するＲＡＭと、
   パチンコ球が前記入賞口に入賞した場合にランダムカウンタの更新結果を検出し、前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに予め決められた複数個のランダムカウンタが記録されていない場合に当該ランダムカウンタの検出結果を前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録する手段と、
   前記ＲＡＭのカウンタデータエリアにランダムカウンタが記録されている場合に前記ＲＡＭのカウンタデータエリアのランダムカウンタのうち記録順序が最も古いものに基づいて大当りであるか否かを判定するものであって、非確率変動状態では大当りであると予め決められた一定の低確率で判定すると共に確率変動状態では大当りであると非確率変動状態に比べて高い一定の高確率で判定する大当り判定手段と、
   前記大当り判定手段が前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録されているランダムカウンタに基づいて大当りであるか否かを判定した場合に前記ＲＡＭのカウンタデータエリアから当該ランダムカウンタを消去する手段と、
   前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録することが可能なランダムカウンタの個数と同数個の保留球ランプを一列に配置してなる保留球表示器と、
   前記ＲＡＭのカウンタデータエリアにランダムカウンタが記録されている場合には前記保留球表示器の保留球ランプのうち前記ＲＡＭのカウンタデータエリアに記録されているランダムカウンタの個数と同数個のものを点灯する手段と、
   前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示され、前記大当り判定手段が大当りではないと判定した場合には３列の識別図柄が相互に同一ではない組合せで表示される表示装置と、
   前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には前記表示装置に３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された後に前記大入賞口を開放状態とし、パチンコ球が前記大入賞口内に入賞することを許容するメインゲームを行うメインゲーム制御手段と、
   遊技者が前方から操作することが可能な操作ボタンを有するものであって、当該操作ボタンが操作されることに応じて電気的な状態が変化する操作スイッチと、
   前記大当り判定手段が大当りであると判定した場合には前記表示装置に３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された後に下記１）〜５）の処理を行うことでサブゲームを実行するサブゲーム制御手段を備え、
   １）前記保留球表示器の全ての保留球ランプを点灯する処理
   ２）前記保留球表示器の全ての保留球ランプを点灯した後に全ての保留球ランプのうち最も端に位置する第１の保留球ランプを消灯し、タイマをスタートさせる処理
   ３）前記保留球表示器の全ての保留球ランプのうち前記第１の保留球ランプに隣接する第２の保留球ランプをタイマの計測結果が予め決められた設定値に到達した時点で消灯し、前記操作スイッチの操作を待つ処理
   ４）前記操作スイッチの操作を待つ状態で前記操作スイッチが操作されたと判断した場合にタイマをストップさせ、タイマの計測結果を前記保留球表示器の全ての保留球ランプが消灯するタイミングで前記操作スイッチが操作されたか否かを判断するために予め決められた比較範囲と比較する処理
   ５）タイマの計測結果が比較範囲内にあると判断した場合には確率変動状態を設定し、タイマの計測結果が比較範囲内にないと判断した場合には非確率変動状態を設定する処理
   前記表示装置は、３列の識別図柄が相互に同一な組合せで表示された場合には前記保留 球表示器の全ての保留球ランプが消灯するタイミングで前記操作スイッチを操作することを遊技者に報知するための映像が表示されるものであって、前記操作スイッチが操作された場合には確率変動状態および非確率変動状態のいずれが設定されたかを遊技者に報知するための映像が表示されるものであることを特徴とする遊技機。

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