JP2004105528A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】背景が特典用から非特典用に切換わることに同期して時間短縮回数の表示を確実に消去できる遊技機を提供すること。
【解決手段】大当りの発生時には時短モードが設定される。この時短モードの設定状態では時短背景が表示され、特別図柄の変動表示毎に時短回数がカウントアップ表示される。この構成の場合、時短回数が上限値に達したときにはメイン制御装置から図柄制御装置に背景復帰コマンドが送信され、図柄制御装置が背景復帰コマンドを受信することに基づいて時短背景を通常背景に戻し、時短回数の表示を消去する。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景から通常背景への変更および時短回数の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】大当りの発生時には時短モードが設定される。この時短モードの設定状態では時短背景が表示され、特別図柄の変動表示毎に時短回数がカウントアップ表示される。この構成の場合、時短回数が上限値に達したときにはメイン制御装置から図柄制御装置に背景復帰コマンドが送信され、図柄制御装置が背景復帰コマンドを受信することに基づいて時短背景を通常背景に戻し、時短回数の表示を消去する。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景から通常背景への変更および時短回数の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特典付与の対象となる図柄の可変表示回数が特定状態の発生を条件に設定される構成の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記遊技機にはメイン制御装置が大当りの判定を条件に時間短縮回数を設定する構成のものがある。この時間短縮とは図柄が可変してから可変停止するまでの可変時間を通常より短く設定する機能であり、時間短縮回数の設定時には特典用背景の前方に時間短縮回数が表示されることに基づいて遊技者に特典の設定が報知され、時間短縮回数の消滅時には特典用背景が非特典用背景に切換わって時間短縮回数の表示が消去されることに基づいて遊技者に特典の非設定が報知される。この時間短縮回数は可変表示回数の一例であり、時間短縮回数の消去および特典用背景から非特典用背景への切換えはメイン制御装置から表示制御装置に別々の表示消去コマンドおよび背景変更コマンドを送信することに基づいて行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記遊技機の場合、携帯電話からの電気的ノイズおよびパチンコ球の帯電電荷による電気ノイズ等の多数の電気的ノイズが飛散する劣悪な環境下で使用されるので、例えば表示消去コマンドに電気的ノイズが乗り、特典用背景が非特典用背景に切換わったにも拘らず時間短縮回数の表示が消去されない不整合状態が発生する虞れがある。この遊技機は遊技者がパチンコホールの保有物を利用してゲームを行う使用形態であるので、不整合状態は遊技者の混乱を招くだけでなく、パチンコホールおよび遊技者間の争いの元凶になる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、背景が特典用から非特典用に切換わることに同期して可変表示回数の表示をノイズに影響されることなく消去できる遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される背景変更指令に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。尚、可変表示に係る信号とは、可変表示の開始を指令する可変表示指令,可変表示の停止を指令する可変停止指令,図柄の可変停止時の態様を指令する図柄指令,図柄の可変から可変停止に至る演出内容を指令する演出指令等、可変表示に係る全ての信号を含む用語である。また、特典とは大当りを称する用語ではなく大当り等の特定状態の発生を条件に獲得状態が判定されるものであり、大当りとは別個のものである。この特典の獲得状態はメイン制御装置が判定するものであり、サブ制御装置は特典の獲得状態を表示内容によって遊技者に報知するものである。▲1▼特典用背景を非特典用背景に変更する。
▲2▼可変表示回数の表示を消去する。
上記発明によれば、特典用背景から非特典用背景への変更および可変表示回数の表示消去が共通の背景変更指令に基づいて行われる。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、特典用背景から非特典用背景への変更および可変表示回数の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。従って、遊技者が不整合な表示内容に起因する混乱を起こすことが防止される上、パチンコホールおよび遊技者間で不整合な表示内容に起因する争いが起きることが防止される。
【0005】
請求項2に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置からの可変表示指令を検出することに基づいて可変表示回数を加算し、可変表示回数の加算結果を表示するところに特徴を有している。
上記発明によれば、図柄の可変表示を開始するための可変表示信号に基づいて可変表示回数の加算処理が行われる。このため、可変表示の開始と同時に可変表示回数を表示したり、可変表示の開始直後に可変表示回数を表示することができるので、現在の可変表示が何回目であるかを遊技者が認識し易くなる。
【0006】
請求項3に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される終了表示指令に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼大当り遊技の終了を表示する。
▲2▼特典用背景を表示する。
上記発明によれば、大当り遊技の終了表示および特典用背景の表示が共通の終了表示指令に基づいて行われる。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、特典用背景の表示が大当り遊技の終了表示を基準とした設定タイミングで行われるようになる。
【0007】
請求項4に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される図柄の設定結果に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼可変表示回数の設定結果を大当り図柄の種類として間接的に表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を大当り図柄の種類に基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を数値等で直接的に表示する。この表示は大当り図柄が停止表示された後に行うことが好ましい。
上記発明によれば、可変表示回数の設定結果が大当り図柄の設定結果に基づいて判断され、可変表示回数の判断結果が表示される。このため、可変表示回数を表示する専用コマンドを別個に出力する場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、可変表示回数の設定結果を大当り図柄および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
【0008】
請求項5に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信されるパラメータの設定結果に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼可変表示回数の設定結果をパラメータに応じた内容で演出表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を演出表示用のパラメータに基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を表示する。この表示は演出表示の終了後に行うことが好ましい。
上記発明によれば、可変表示回数の設定結果が演出表示用のパラメータに基づいて判断され、可変表示回数の判断結果が表示される。このため、可変表示回数を表示する専用データを別個に出力する場合に比べてノイズが乗る確率が低くなるので、可変表示回数の設定結果を絵柄を用いた演出および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図50に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図4に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図2に示すように、前面扉2が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この前面扉2は外枠1の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図5参照)が貯溜されている。また、上皿4の左端部には、図2に示すように、複数のスリット5が形成されている。これら複数のスリット5の後方にはスピーカ6が固定されており、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から複数のスリット5を通して前方の遊技者に効果音が出力される。
【0010】
前面扉2の前面には右下部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には、図4に示すように、発射モータ9が装着されており、発射モータ9の回転軸には、図2に示すように、打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が図2の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ9に電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
【0011】
前面扉2の前面には矩形状の窓枠11が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠11の内周面には透明なガラス窓12が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には、図3に示すように、遊技盤13が保持されており、遊技盤13は窓枠11のガラス窓12により前方から覆われている。
【0012】
前面扉2の前面には、図2に示すように、右側部に位置して枠鍵14が装着されており、枠鍵14は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠11を前面扉2の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、外レール15および内レール16が固定されており、打球槌10が弾いたパチンコ球Pは外レール15および内レール16間の発射通路17を通して上昇し、発射通路17の出口18から放出される。また、遊技盤13の前面には複数の障害釘19が打込まれており、遊技盤13内の上部に放出されたパチンコ球Pは障害釘19に当りながら落下する。
【0013】
遊技盤13の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナーランプカバー20が固定されている。これら各コーナーランプカバー20の後方には複数のコーナーランプ21(図9参照)が固定されており、各コーナーランプカバー20はコーナーランプ21が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー22が固定されている。これら各サイドランプカバー22の後方には複数のサイドランプ23(図9参照)が固定されており、各サイドランプカバー22はサイドランプ23が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、表示台板24が固定されており、表示台板24の上端部には4個の保留球ランプ25が固定されている。これら4個の保留球ランプ25は保留球表示器26を構成するものであり、横一列に配置されている。
【0014】
表示台板24には表示装置に相当する図柄表示装置27が固定されている。この図柄表示装置27はカラー液晶表示器からなるものであり、図柄表示装置27には特別図柄変動領域TEおよび普通図柄変動領域HEが設けられている。この普通図柄変動領域HEは図柄表示装置27の左下隅部に位置する狭領域を称するものであり、普通図柄変動領域HE内には普通図柄として数字図柄が横2列に表示される。また、特別図柄変動領域TEは普通図柄表示領域HEの残余部分に相当する広領域を称するものであり、特別図柄表示領域TE内には特別図柄として数字図柄が横3列に表示される。尚、特別図柄は図柄に相当するものである。
【0015】
遊技盤13には表示台板24の左斜め下方および右斜め下方に位置して普通図柄始動ゲート28が固定されている。これら各普通図柄始動ゲート28は上下面が開口するコ字枠状をなすものであり、各普通図柄始動ゲート28内にはゲートセンサ29(図9参照)が固定されている。これら各ゲートセンサ29は近接スイッチからなるものであり、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したことを検出して普通図柄始動信号を出力する。
【0016】
遊技盤13には、図3に示すように、両普通図柄始動ゲート28間に位置して特別図柄始動口30が固定されている。この特別図柄始動口30は始動口に相当するものであり、次のように構成されている。
【0017】
<特別図柄始動口30について>
遊技盤13には、図5の(a)に示すように、始動口台板31が固定されている。この始動口台板31は上面が開口するポケット状をなすものであり、始動口台板31には2枚の羽根板32が装着されている。これら両羽根板32は軸33を中心に回動可能にされたものであり、両羽根板32が垂直な縮小状態に回動しているときには、図5の(a)に示すように、始動口台板31の上面開口部がパチンコ球Pの直径寸法と同程度に幅狭化される。また、両羽根板32が傾斜した拡大状態に回動したときには、図5の(b)に示すように、始動口台板31の左右両側部のパチンコ球Pが羽根板32により補足され、羽根板32の傾斜に沿って始動口台板31内に転がり込む。
【0018】
始動口台板31の後面には始動口ソレノイド34が固定されている。この始動口ソレノイド34のプランジャには開閉機構(図示せず)を介して両羽根板32が機械的に連結されており、両羽根板32は始動口ソレノイド34の通断電に基づいて拡大状態および縮小状態に回動操作される。また、始動口台板31内には始動口センサ35(図9参照)が固定されている。この始動口センサ35は近接スイッチからなるものであり、始動口台板31内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。特別図柄始動口30は以上のように構成されている。
【0019】
遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口30の下方に位置して入賞口台板36が固定されており、入賞口台板36には、図6に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口37が形成されている。また、入賞口台板36には、図3に示すように、扉38が下端部の水平な軸39を中心に回動可能に装着されており、大入賞口37の前面は扉38が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図6に示すように、扉38が前方に倒れた水平状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口37は入賞口に相当するものである。
【0020】
入賞口台板37の後面には左側部に位置して大入賞口ソレノイド40が固定されている。この大入賞口ソレノイド40のプランジャには扉38が機械的に連結されており、扉38は大入賞口ソレノイド40のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口37内にはカウントセンサ43(図9参照)が固定されている。このカウントセンサ43は近接スイッチからなるものであり、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
【0021】
大入賞口37内には、図6に示すように、左側部および右側部に位置してカウント領域41および特定領域42が形成されている。これらカウント領域41および特定領域42は大入賞口37の奥壁に形成された孔からなるものであり、特定領域42内にはVセンサ44(図9参照)が固定されている。このVセンサ44は近接スイッチからなるものであり、特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してV信号を出力する。
【0022】
大入賞口37内には、図6に示すように、横長な矩形棒状の可動片45が装着されている。この可動片45は右方の特定領域42から左方のカウント領域41に向って下降するカウント状態(図6参照)および左方のカウント領域41から右方の特定領域42に向って下降する特定入賞状態(図7参照)間で回動可能にされたものであり、可動片45がカウント状態にあるときには大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の上面の傾斜に沿ってカウント領域41内に高確率で入賞し、可動片45が特定入賞状態にあるときには可動片45の上面の傾斜に沿って特定入賞領域42内に高確率で入賞する。
【0023】
入賞口台板36の後面には右側部に位置して可動片ソレノイド46が固定されている。この可動片ソレノイド46のプランジャには可動片45が機械的に連結されており、可動片ソレノイド46の断電時には可動片ソレノイド46のプランジャが可動片45を特定入賞状態に保持し、可動片ソレノイド46の通電時には可動片ソレノイド46のプランジャが可動片45をカウント状態に保持する。
【0024】
遊技盤13の後面には、図4に示すように、正方形状のセンタカバー47が配設されている。このセンタカバー47は前面が開口する容器状をなすものであり、センタカバー47の外周部には矩形枠状のメインセット48が配設されている。このメインセット48は前面扉2の後面に着脱可能に固定されたものであり、センタカバー47はメインセット48に着脱可能に固定されている。
【0025】
遊技盤13の後面には集合樋(図示せず)が固定されており、集合樋はセンタカバー47により後方から覆われている。この集合樋は特別図柄始動口30,大入賞口37のカウント領域41,大入賞口37の特定領域42に接続されており、特別図柄始動口30内に入賞したパチンコ球P,カウント領域41内に入賞したパチンコ球P,特定領域42内に入賞したパチンコ球Pは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋からメインセット48の入賞球通路(図示せず)を通して機外へ排出される。
【0026】
メインセット48の後面には、図4に示すように、上端部に位置して球タンク49が固定されている。この球タンク49は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク49内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット48の後面にはタンクレール50が固定されている。このタンクレール50は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール50の右端部は球タンク49内に接続されている。
【0027】
メインセット48の左側部には賞球払出装置51が着脱可能に装着されている。この賞球払出装置51はパチンコ球Pが特別図柄始動口30内および大入賞口37内に入賞することに基づいて上皿4内にパチンコ球Pを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
<賞球払出装置51について>
メインセット48には、図8に示すように、払出ケース52が着脱可能に固定されており、払出ケース52内には球通路53が形成されている。この球通路53の上端部はタンクレール50の出口に接続されており、球通路53内には球タンク49内からタンクレール50内を通してパチンコ球Pが一列に充填されている。この球通路53の上下方向中間部にはスプロケット54が軸55を中心に回動可能に装着されており、スプロケット54の外周部には凹状をなす複数の球受け部56が形成されている。
【0028】
払出ケース52内にはステッピングモータからなる払出モータ57(図11参照)が固定されている。この払出モータ57の回転軸にはスプロケット54の軸55が連結されており、払出モータ57の回転停止時にはスプロケット54の回動が払出モータ57の電磁力で拘束され、図8に実線で示すように、パチンコ球Pがスプロケット54の1個の球受け部56内に保持されている。この状態で払出モータ57の回転軸が単位量だけ回転すると、図8に二点鎖線で示すように、スプロケット54が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部56内から1個のパチンコ球Pが排出され、球通路53の下端部を通して払出ケース52の下方へ放出される。賞球払出装置51は以上のように構成されている。
【0029】
メインセット48には下皿通路(図示せず)が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置51の球通路53に接続されており、球通路53内から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路(図示せず)が設けられている。この上皿通路は上皿4に接続されており、賞球払出装置51から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿4内に払出される。
【0030】
前面扉2の前面には、図2に示すように、上皿4の下方に位置して下皿58が固定されている。この下皿58は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Pが上皿4内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿58内に払出される。
【0031】
メインセット48の後面には、図4に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス59が固定されている。このメイン基板ボックス59内には、図9に示すように、メイン基板60が収納されており、メイン基板60にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置61が搭載されている。このメイン制御装置61はCPU62,ROM63,RAM64,I/O65を有するものであり、ROM63には制御プログラムおよび制御データが記録されている。尚、メイン制御装置61のCPU62は大当り判定手段,可変回数設定手段,背景指令手段,大当り遊技手段,図柄設定手段,パラメータ設定手段に相当するものである。
【0032】
両ゲートセンサ29,始動口センサ35,カウントセンサ43,Vセンサ44はセンサ出力回路66を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このセンサ出力回路66はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は両ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号,始動口センサ35からの特別図柄始動信号,カウントセンサ43からのカウント信号,Vセンサ44からのV信号をセンサ出力回路66を介して検出する。
【0033】
始動口ソレノイド34,大入賞口ソレノイド40,可動片ソレノイド46はソレノイド駆動回路67を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路67はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は始動口ソレノイド34,大入賞口ソレノイド40,可動片ソレノイド46をソレノイド駆動回路67を介して通断電制御し、特別図柄始動口30の両羽根板32,大入賞口37の扉38,大入賞口37の可動片45を回動操作する。また、4個の保留球ランプ25はランプ駆動回路68を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このランプ駆動回路68はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は4個の保留球ランプ25をランプ駆動回路68を介して通断電制御する。
【0034】
表示台板24の後面には、図10に示すように、図柄基板69が固定されている。この図柄基板69はセンタカバー47により後方から覆われたものであり、図柄基板69にはサブ制御装置に相当する図柄制御装置70が搭載されている。この図柄制御装置70はCPU71,ROM72,RAM73,VDP74,VROM75,VRAM76,I/O77を有するものであり、図柄制御装置70のROM72には表示制御プログラムおよび表示制御データが記録され、VROM75には表示プログラムおよび表示データが記録されている。尚、図柄制御装置70のCPU71は背景表示手段,計数表示手段,カウントアップ表示手段,終了表示手段,大当り表示手段,可変回数表示手段,演出表示手段に相当するものである。また、図柄制御装置70のRAM73は格納手段に相当するものである。
【0035】
図柄制御装置70にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されている。この図柄制御装置70はメイン制御装置61から表示制御コマンドおよび表示制御データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置70のCPU71はメイン制御装置61からの表示制御コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、VDP74に出力する。すると、VDP74は駆動コマンドに応じた表示データをVROM75から検出し、LCD駆動回路78を介して図柄表示装置27に駆動コマンドに応じた画面を表示する。このLCD駆動回路78は図柄基板69に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、VDP74が複数の図形と表示位置とを指定すれば、LCD駆動回路78が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置27に表示する。
【0036】
図柄制御装置70のVROM75には表示データとして複数の背景データ、複数の図柄データ、複数のキャラクタデータが記録されており、VDP74は背景データ,図柄データ,キャラクタデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じてLCD駆動回路78に指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
【0037】
メインセット48の後面には、図4に示すように、メイン基板ボックス59の前方に位置して払出基板ボックス79が固定されている。この払出基板ボックス79内には、図11に示すように、払出基板80が収納されており、払出基板80にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置81が搭載されている。この払出制御装置81はCPU82,ROM83,RAM84,I/O85を有するものであり、ROM83には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置81にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、払出制御装置81にはメイン制御装置61から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
【0038】
払出制御装置81にはモータ駆動回路86を介して払出モータ57が電気的に接続されている。このモータ駆動回路86は払出基板80に搭載されたものであり、払出制御装置81のCPU82はモータ駆動回路86を通して払出モータ57の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置81のCPU82がメイン制御装置61からの賞球データに基づいて調節するものであり、CPU82は払出モータ57の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置51から上皿4内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Pを賞品球として払出す。
【0039】
メインセット48の後面には音ランプ基板ボックス(図示せず)が固定されている。この音ランプ基板ボックス内には、図12に示すように、音ランプ基板87が収納されており、音ランプ基板87にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置88が搭載されている。このスピーカ制御装置88はCPU89,ROM90,RAM91,I/O92を有するものであり、ROM90にはスピーカ制御プログラムおよびスピーカ制御データが記録されている。このスピーカ制御装置88にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、スピーカ制御装置88にはメイン制御装置61からスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データが単方向で送信される。
【0040】
スピーカ制御装置88にはスピーカ駆動回路93を介してスピーカ6が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路93は音ランプ基板87に搭載されたものであり、スピーカ制御装置88のCPU89はスピーカ駆動回路93を通してスピーカ6から効果音を出力する。この効果音の出力はスピーカ制御装置88のCPU89がメイン制御装置61からのスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データに基づいて行うものであり、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6からスピーカ制御データに応じた効果音が出力される。
【0041】
音ランプ基板87には、図13に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置94が搭載されている。このランプ制御装置94はCPU95,ROM96,RAM97,I/O98を有するものであり、ROM96にはランプ制御プログラムおよびランプ制御データが記録されている。このランプ制御装置94にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、ランプ制御装置94にはメイン制御装置61からランプ制御コマンドおよびランプ制御データが単方向で送信される。
【0042】
ランプ制御装置94にはランプ駆動回路99を介して複数のコーナーランプ21および複数のサイドランプ23が電気的に接続されている。このランプ駆動回路99は音ランプ基板87に搭載されたものであり、ランプ制御装置94のCPU95はランプ駆動回路99を通して複数のコーナーランプ21および複数のサイドランプ23を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置94のCPU95がメイン制御装置61からのランプ制御コマンドおよびランプ制御データに基づいて行うものであり、コーナーランプ21およびサイドランプ23の駆動時にはコーナーランプカバー20およびサイドランプカバー22がランプ制御データに応じて電飾される。
【0043】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技者が上皿4内にパチンコ球Pを投入して発射ハンドル8を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤13内にパチンコ球Pが発射され、障害釘19に当りながら落下する。このパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、賞球払出装置51から設定個数(例えば5個)のパチンコ球Pが上皿4内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に各種の動画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【0044】
図柄表装置27の特別図柄変動領域TE内には左,中,右の各列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、各列の特別図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下であり、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「9」→「10」→「1」→…のループ状である。
【0045】
各列の特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄が当該順序で仮停止し、左特別図柄および右特別図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左特別図柄および右特別図柄が特別図柄変動領域TE内で上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
【0046】
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する2個の特別図柄(具体的には左特別図柄および右特別図柄)の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には、下記に示すように、10種類が設定されており、「↓」は中特別図柄が変動中であることを示している。
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」,「9 ↓ 9」,「10 ↓ 10」
リーチの発生状態では図柄表示装置27に複数種のリーチアクションが選択的に表示される。このリーチアクションは最終の中特別図柄が何で仮停止するかを絵柄を用いて演出表示するアニメーション画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクションが出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
【0047】
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄に続けて最終の中特別図柄が仮停止し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が1本の水平な有効ラインに沿って特別変動領域TE内で静止した確定状態になる。これら3列の特別図柄の変動開始から確定確定に至る経過時間は変動表示時間(可変時間)と称されるものであり、3列の特別図柄の確定状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が遊技者に報知される。
【0048】
大当り図柄とは大当りを報知する3列の特別図柄の組合せを称するものであり、下記に示すように、大当り図柄には10通りが設定されている。また、完全外れ図柄はリーチすら発生しない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が同一で中特別図柄が相違するものである。
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」,「9 9 9」,「10 10 10」
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄は図柄制御装置70がメイン制御装置61からの表示制御コマンドを検出することに基づいて可変停止状態で表示するものであり、当該可変停止を確定停止と称する。仮停止は図柄制御装置70が自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を停止させることを称するものである。
【0049】
図柄表示装置27に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口37の扉38を開放し、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口37は上限個(例えば15個)のパチンコ球Pが入賞する個数条件または開放時間が上限値(例えば27秒)に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
【0050】
大入賞口37の個数条件および時間条件を基準とする開放動作はラウンド動作と称されるものであり、個数条件および時間条件が満足される間に大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したときにはラウンド動作が再開される。このラウンド動作には上限値が設定されており、ラウンド動作の繰返し回数が上限値に達したときには大当り遊技が終了する。また、個数条件または時間条件が満足される間に特定領域42内にパチンコ球Pが入賞しなかったときにはラウンド動作の繰返し回数が上限値に達してなくても大当り遊技が終了する。
【0051】
大当り遊技時には図柄表示装置27にラウンド表示が行われる。このラウンド表示は現在のラウンド数および大入賞口37に対するパチンコ球Pの入賞個数をラウンド背景の前方に表示することで行われるものであり、最終ラウンドの終了時には大当り終了表示が行われる。この大当り終了表示は大当り遊技の終了を遊技者に報知するものであり、ラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示することで行われる。
【0052】
大当り終了表示が終了すると、ラウンド背景が特典用背景に相当する時間短縮背景「海岸」に切換わることに基づいて時間短縮モードに突入したことが遊技者に報知される。この時間短縮モード(時短モードと称する)とは特別図柄の変動表示時間を通常より短く設定するモードを称するものであり、大当り遊技終了直後の変動表示を「1回目」として時短モードが適用される。この時短モードには第1の時短モードと第2の時短モードと第3の時短モードとが設定されており、第1の時短モードの設定時,第2の時短モードの設定時,第3の時短モードの設定時には時短が最大で「200回」の変動表示,「100回の」の変動表示,「50回」の変動表示に適用される。
【0053】
第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードは大当り図柄の種類に応じて振分けられるものであり、具体的には大当りが「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかで発生したときには第1の時短モードが設定される。また、大当りが「1 1 1」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかで発生したときには第2の時短モードが設定され、大当りが「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかで発生したときには第3の時短モードが設定される。
【0054】
時短モードの設定状態では時短回数が表示される。この時短回数表示は現在進行中の特別図柄の変動表示が何回目の時短変動であるかを遊技者に報知するものであり、メッセージ「時短N回目」で行われる。この時短回数表示は特別図柄の変動表示が開始されることに基づいて「1」ずつ加算されるものであり、時短回数表示が時短モードの種類に応じた最大回数に到達したときには時短背景「海岸」が非特典用背景に相当する通常背景「水中」に切換わり、遊技者に時短モードの終了が報知される。
【0055】
特別図柄の変動表示を即座に開始できない特別図柄の変動表示時,大当り表示時,大当り終了表示時等にパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したときには特別図柄の変動表示および変動表示に続く一連の遊技が4回を上限に保留される。保留球表示器26は当該保留回数を保留球ランプ25の点灯個数によって表示するものであり、特別図柄の変動表示が開始されたときには保留球ランプ25が消灯することによって保留回数の減少が報知される。
【0056】
遊技盤13内に発射されたパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過すると、普通図柄遊技が開始される。この普通図柄遊技は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動表示することに基づいて行われるものであり、普通図柄遊技の概略は次の通りである。
【0057】
図柄表装置27の普通図柄変動領域HE内には左,右の各列の普通図柄として「3,7」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過すると、各列の普通図柄が同時に変動開始する。これら各列の変動は普通図柄が「3」および「7」に交互に変化することを称するものであり、各列の普通図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左普通図柄および右普通図柄が同時に確定停止し、左普通図柄および右普通図柄の確定停止状態での組合せに応じて当りの発生の有無が報知される。これら左普通図柄および右普通図柄の変動開始から確定に至る変動時間は時短の設定状態に応じた固定値に設定されるものであり、具体的には時短の非設定時には「長値(58sec)」に設定され、時短の設定時には「短値(5sec)」に設定される。
【0058】
当り図柄には「3 3」および「7 7」の2通りが設定されており、当りの発生時には特別図柄始動口30の両羽根板32が傾斜状態に回動することに基づいて特別図柄始動口30が拡大される。この特別図柄始動口30の拡大時間は時短の設定状態に応じた異なる値に設定されるものであり、具体的には時短の非設定時には特別図柄始動口30が「短値(0.7sec)」だけ拡大状態に保持され、時短の設定時には特別図柄始動口30が「長値(3.5sec)」だけ拡大状態に保持される。
【0059】
次にメイン制御装置61および図柄制御装置70の内部処理を図14〜図50に基づいて説明する。
<メイン制御装置61の内部処理について>
メイン制御装置61のCPU62は電源が投入されると、図14のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップS1〜S3の実行後にステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すものであり、CPU62はステップS1へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
【0060】
CPU62は割込み禁止を設定すると、ステップS2へ移行し、ランダムカウンタR1〜R12の計測値,ノーマルカウンタN1〜N5の計測値,タイマT1〜T5の計測値,各種フラグの設定結果,大当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果,時短の設定結果,当りの判定結果,普通図柄の設定結果等のRAM64の全データおよびI/O65を初期設定する。そして、ステップS3で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すことに基づいてランダムカウンタR4,R6,R7,R8,R10を更新する。
【0061】
ランダムカウンタR4は、図15の(a)に示すように、大当り判定用のランダムカウンタR3の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタR4はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「952」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR6は左特別図柄を「1〜10」の左特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR6はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0062】
ランダムカウンタR7は中特別図柄を「1〜10」の中特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR7は左特別図柄用のランダムカウンタR6が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR8は右特別図柄を「1〜10」の右特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR8は中特別図柄用のランダムカウンタR7が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR10は当り図柄を「3」および「7」の当り図柄群の中から選択するものである。このランダムカウンタR10はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0063】
図16のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置61のCPU62はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS11の出力監視処理〜ステップS24の大当り終了処理を有するものであり、ステップS11の出力監視処理〜ステップS17の普通図柄用変動処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップS18の制御データ設定処理〜ステップS24の大当り終了処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
【0064】
(1)出力監視処理
メイン制御装置61のCPU62は各ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号の有無,始動口センサ35からの特別図柄始動信号の有無,カウントセンサ43からのカウント信号の有無,Vセンサ44からのV信号の有無をセンサ出力回路66を介して検出し、検出結果をRAM64の出力監視エリアに格納する。この出力監視エリアには、図17に示すように、特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部,V信号記録部が形成されており、特別図柄始動信号の有無,普通図柄始動信号の有無,カウント信号の有無,V信号の有無は出力監視エリアの特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部,V信号記録部に記録される。この出力監視処理はタイマ割込が発生する4msec毎に行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは4msec毎に更新される。
【0065】
(2)カウンタ更新処理
図16のステップS12のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62はステップS12のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R5,R9,R11,R12を更新する。
【0066】
ランダムカウンタR1は、図15の(a)に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から確定に至る間は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「222」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0067】
ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタR3が上限値に達したときにはランダムカウンタR4の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタR3がランダムカウンタR4の取得値から上限値「952」に加算される。即ち、ランダムカウンタR3は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値R4から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値R4に戻って加算されるものである。
【0068】
ランダムカウンタR4は、上述したように、ランダムカウンタR3の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に加算され且つメインプログラムの1ループ毎に加算される。
ランダムカウンタR5は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「1〜10」の中から選択するものである。このランダムカウンタR5はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0069】
ランダムカウンタR9は当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR9はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR11は左普通図柄を「3,7」の左普通図柄群の中から選択するものであり、外れの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR11はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0070】
ランダムカウンタR12は右普通図柄を「3,7」の右普通図柄群の中から選択するものであり、外れの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR12は左普通図柄用のランダムカウンタR11が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
(3)賞球信号処理
図16のステップS13の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は出力監視エリアの格納データに基づいて特別図柄始動信号の有無およびカウント信号の有無を判断する。ここで特別図柄始動信号およびカウント信号を検出したときには払出制御装置81に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
【0071】
(4)特別図柄用データ取得処理
図16のステップS14の特別図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は特別図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したことを条件にランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を取得し、RAM64の特別図柄用カウンタデータエリア(図17参照)に格納する。
【0072】
CPU62は図18のステップS31へ移行すると、始動口センサ35からの特別図柄始動信号の有無を検出する。この特別図柄始動信号の有無はRAM64の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU62は出力監視エリアに特別図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS32へ移行し、カウンタN1を上限値「4」と比較する。このカウンタN1はパチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞個数を計測するものであり、CPU62は「N1<4」を検出したときにはステップS33でランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を検出し、ステップS34でカウンタN1に「1」を加算する。
【0073】
カウンタN1には、図19の(a)に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して特別図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E4が割付けられており、CPU62は図18のステップS35へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R8の取得結果をカウンタN1の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN1の計測値が「1」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「1」に対応する保留データ記録部E1に格納される。また、計測値が「3」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「3」に対応する保留データ記録部E3に格納される。
【0074】
(5)特別図柄用保留球処理
図16のステップS15の特別図柄用保留球処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は特別図柄用保留球処理でカウンタN1の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ25を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
【0075】
保留球ランプ25には図3の左から順にランプナンバー「RP1」,「RP2」,「RP3」,「RP4」が割付けられている。カウンタN1の計測値「1」〜「4」には、図19の(a)に示すように、ランプナンバー「RP1」〜「RP4」が割付けられており、CPU62は特別図柄用保留球処理へ移行すると、カウンタN1の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ25を点灯する。
【0076】
例えばカウンタN1の計測値が「3」の状態では「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯している。この状態で特別図柄始動口30内に1個のパチンコ球Pが入賞したときにはカウンタN1が「3」から「4」に加算され、「N1=4」に対応する4個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「3」から 「4」に増えたことが報知される。この状態で特別図柄の変動表示が開始されたときには、後述するように、カウンタN1が「4」から「3」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「4」から「3」に減ったことが報知される。
【0077】
(6)普通図柄用データ取得処理
図16のステップS16の普通図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は普通図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したことを条件にランダムカウンタR9〜R12の現在の計測値を取得し、RAM64の普通図柄用カウンタデータエリア(図17参照)に格納する。
【0078】
CPU62は図20のステップS41へ移行すると、ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号の有無を検出する。この普通図柄始動信号の有無はRAM64の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU62は出力監視エリアに普通図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS42へ移行し、カウンタN2を上限値「4」と比較する。このカウンタN2はパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート28に対する通過個数を計測するものであり、CPU62は「N2<4」を検出したときにはステップS43でランダムカウンタR9〜R12の現在の計測値を検出し、ステップS44でカウンタN2に「1」を加算する。
【0079】
カウンタN2には、図19の(b)に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して普通図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E11〜E14が割付けられており、CPU62は図20のステップS45へ移行すると、ランダムカウンタR9〜R12の取得結果をカウンタN2の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN2の計測値が「2」であるときにはランダムカウンタR9〜R12の取得結果が計測値「2」に対応する保留データ記録部E12に格納され、計測値が「4」であるときにはランダムカウンタR9〜R12の取得結果が計測値「4」に対応する保留データ記録部E14に格納される。
【0080】
(7)普通図柄用変動処理
図16のステップS17の普通図柄用変動処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は普通図柄用変動処理で当りおよび外れを振分け、当り図柄および外れ図柄を設定する。
CPU62は図21のステップS51で始動口フラグの設定状態を判断する。この始動口フラグは特別図柄始動口30の現在の状態を示すものであり、CPU62は始動口フラグに縮小中がセットされていることを検出したときには特別図柄始動口30が縮小状態にあると判断し、ステップS52へ移行する。
【0081】
CPU62はステップS52へ移行すると、普通図柄変動フラグの設定状態を判断する。この普通図柄変動フラグは普通図柄の変動状態を示すものであり、CPU62は普通図柄変動フラグが停止中にセットされていることを検出したときには普通図柄が変動停止していると判断し、ステップS53へ移行する。
CPU62はステップS53へ移行すると、カウンタN2を「0」と比較する。このカウンタN2は、上述したように、普通図柄遊技用のランダムカウンタR9〜R12の格納状態を示すものであり、CPU62は「N2>0」を検出したときにはランダムカウンタR9〜R12がRAM64に格納されていると判断し、ステップS54へ移行する。
【0082】
CPU62はステップS54へ移行すると、RAM64の保留データ記録部E11からランダムカウンタR9を検出し、30個の当り値「3〜32」と比較する。ここでランダムカウンタR9が30個の当り値のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、30個の当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をRAM64の当りエリア(図17参照)に格納する。即ち、当りは時短の設定の有無に拘らず固定的な一定確率「30/33」で判定されるものである。
【0083】
CPU62は当りおよび外れの判定結果をRAM64の当りエリアに格納すると、図21のステップS55で普通図柄を設定する。この普通図柄の設定処理は当りおよび外れの判定結果に応じた異なる態様で行われるものであり、詳細は次の通りである。
【0084】
(7−1)当り判定時の普通図柄設定処理
メイン制御装置61のROM63には当り図柄テーブルが記録されている。この当り図柄テーブルは、図22の(a)に示すように、当り図柄とランダムカウンタR10との関係を示すものであり、メイン制御装置61のCPU62は図21のステップS55へ移行すると、当り図柄テーブルからランダムカウンタR10に応じた当り図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄を同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR10が「0」であるときには数字図柄「3」が検出され、左普通図柄および右普通図柄が同一の検出図柄「3」に設定される。
【0085】
(7−2)外れ判定時の普通図柄設定処理
メイン制御装置61のROM63には左普通図柄テーブルが記録されており、左普通図柄テーブルには、図22の(a)に示すように、左普通図柄とランダムカウンタR11との対応関係が記録されている。また、メイン制御装置61のROM63には右普通図柄テーブルが記録されており、右普通図柄テーブルには、図22の(a)に示すように、右普通図柄とランダムカウンタR12との対応関係が記録されている。
【0086】
メイン制御装置61のCPU62は図21のステップS55へ移行すると、左普通図柄テーブルおよび右普通図柄テーブルからランダムカウンタR11およびR12に応じた左普通図柄および右普通図柄を選択する。そして、左普通図柄の選択結果および右普通図柄の選択結果を比較し、両者が相違しているときには左普通図柄および右普通図柄を選択結果で確定する。また、両者が同一であるときには右普通図柄を変更し、左普通図柄および右普通図柄を選択結果および変更結果で確定する。例えば左普通図柄の選択結果および右普通図柄の選択結果が「33」であるときには右普通図柄が「7」に変更され、左普通図柄および右普通図柄が「3 7」で確定する。
【0087】
CPU62は普通図柄を設定すると、図21のステップS56でRAM64の時間短縮エリア(図17参照)を参照する。この時間短縮エリアは時間短縮の設定状態が格納されるものであり、CPU62は時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されていることを検出したときには時短中であると判断し、図22の(b)に示すように、変動パターンを「101」に設定する。また、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されていることを検出したときには時短中でないと判断し、変動パターンを「102」に設定する。
【0088】
CPU62は変動パターンを設定すると、図21のステップS57で変動表示時間を設定する。この変動表示時間は普通図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、図22の(b)に示すように、変動パターン「101」が設定された時短中には「T101(例えば5sec)」に設定され、変動パターン「102」が設定された非時短中には「T102(例えば58sec)」に設定される。
【0089】
CPU62は変動表示時間を設定すると、図21のステップS58でタイマT1を「0」にリセットする。このタイマT1は普通図柄の変動開始時を基準とする経過時間(普通図柄の変動表示時間)を計測するものであり、CPU62はタイマT1をリセットすると、ステップS59で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS60で表示制御コマンドとして図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして左普通図柄の設定結果と右普通図柄の設定結果と変動パターンの設定結果とを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と普通図柄の設定結果とをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて普通図柄の変動表示を開始する。
【0090】
CPU62は図柄制御装置70に図柄制御コマンド等を出力すると、ステップS61でタイマT1をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置70が図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄の変動表示を行っており、タイマT1は普通図柄の変動表示時を起点とする経過時間を計測することになる。
【0091】
CPU62はタイマT1をスタートさせると、ステップS62でRAM64の普通図柄用カウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E11〜E13に保留データ記録部E12〜E14の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E11だけにランダムカウンタR9〜R12が格納されているときには保留データ記録部E11に保留データ記録部E12のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E11のランダムカウンタR9〜R12が消去される。また、保留データ記録部E11〜E14の全てにランダムカウンタR9〜R12が格納されているときには保留データ記録部E12〜E14のランダムカウンタR9〜R12が前段の保留データ記録部E11〜E13に移動され、保留データ記録部E14にデフォルトデータが記録される。
【0092】
即ち、次回の普通図柄用変動処理では保留データ記録部E12に格納されていたランダムカウンタR9〜R12に基づいて当りの判定,普通図柄の設定,変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E13に格納されていたランダムカウンタR9〜R12に基づいて当りの判定,図柄の設定,変動パターンの設定等が行われる。
【0093】
CPU62は普通図柄用カウンタデータエリアを整理すると、図21のステップS63でカウンタN2から「1」を減算し、ステップS64で普通図柄変動フラグに変動中をセットする。このカウンタN2は、上述したように、普通図柄始動ゲート28に対するパチンコ球Pの通過個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンド等が出力された普通図柄の変動開始直後にはカウンタN2が減算され、カウンタN2が上限値まで加算されていたときでもカウンタN2に加算の余地が生成される。このカウンタN2の減算状態では普通図柄用カウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で普通図柄始動信号有りが記録されたときには普通図柄用データ取得処理でカウンタN2が加算され、普通図柄用カウンタデータエリアにランダムカウンタR9〜R12が新たに格納される。
【0094】
CPU62は図21のステップS52で普通図柄変動フラグに変動中がセットされていることを検出すると、ステップS65で変動表示時間用のタイマT1の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT1の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS66でタイマT1を停止し、変動表示時間の計測を終える。
【0095】
CPU62はタイマT1を停止すると、ステップS67で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS68で表示制御コマンドとして確定停止コマンドを出力する。そして、ステップS69へ移行し、普通図柄変動フラグに停止中をセットすることに基づいて普通図柄の変動停止を記録する。この確定停止コマンドは図柄制御装置70に普通図柄の変動停止を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で確定停止コマンドを検出し、左普通図柄および右普通図柄を変動状態から静止した確定状態に切換える。
【0096】
CPU62は普通図柄の変動停止を記録すると、ステップS70でRAM64の当りエリアに当りの判定結果および外れの判定結果のいずれが格納されているかを検出する。ここで当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS71へ移行し、タイマT2を「0」にリセットする。このタイマT2は特別図柄始動口30の拡大時間を計測するものであり、CPU62はタイマT2をリセットすると、ステップS72で始動口ソレノイド34に駆動電源を印加することに基づいて両羽根板32を傾斜状態に回動操作し、特別図柄始動口30を拡大する。
【0097】
CPU62は特別図柄始動口30を拡大すると、ステップS73でタイマT2をスタートさせることに基づいて特別図柄始動口30の拡大時間を計測開始する。そして、ステップS74へ移行し、始動口フラグに拡大中をセットすることに基づいて特別図柄始動口30の拡大を記録する。
【0098】
CPU62はステップS51で始動口フラグに拡大中がセットされていることを検出すると、特別図柄始動口30が拡大状態にあると判断する。そして、ステップS75へ移行し、拡大時間用タイマT2の計測値を拡大時間の設定結果と比較する。この拡大時間は時短の非設定時に短値(0.7sec)に設定され、時短の設定時に長値(3.5sec)に設定されるものであり、CPU62はタイマT2の計測値が設定値に達していることを検出すると、ステップS76で始動口ソレノイド34を断電することに基づいて特別図柄始動口30を縮小する。 CPU62は特別図柄始動口30を縮小すると、ステップS77で拡大時間用タイマT2を停止することに基づいて拡大時間の計測を終え、ステップS78で始動口フラグに縮小中をセットすることに基づいて特別図柄始動口30の縮小を記録する。
【0099】
即ち、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したときには図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄が変動表示される。この変動表示時間は時短の設定時に短値に設定され、時短の非設定時に長値に設定されるものであり、変動表示時間の経過時には普通図柄が外れの組合せ(「3 7」,「73」)または当りの組合せ(「3 3」,「7 7」)で変動停止する。
【0100】
普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口30が拡大される。この拡大時間は時短の設定時に長値に設定され、時短の非設定時に短値に設定されるものであり、パチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞個数は時短の設定の有無に応じて調節される。これら普通図柄の変動表示中および特別図柄始動口30の拡大中には普通図柄始動ゲート28内をパチンコ球Pが通過してもステップS54の当り判定処理が実行されず(保留球の発生)、当り判定処理は普通図柄の変動停止および特別図柄始動口30の縮小の双方を条件に実行される。
【0101】
(8)制御データ設定処理
図16のステップS18の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には時短の獲得状態を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の1回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
【0102】
CPU62は図23のステップS101でカウンタN1を「0」と比較する。このカウンタN1は、上述したように、特別図柄遊技用のランダムカウンタR1〜R8の格納状態を示すものであり、CPU62は「N1>0」を検出したときにはランダムカウンタR1〜R8がRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアに格納されていると判断し、ステップS102へ移行する。
【0103】
CPU62はステップS102へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3を検出し、3個の大当り値「17,401,727」と比較する。ここでランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、RAM64の大当りエリア(図17参照)に外れの判定結果を格納する。また、ランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、RAM64の大当りエリアに大当りの判定結果を格納する。尚、RAM64の大当りエリアは大当りおよび外れの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【0104】
CPU62は大当りおよび外れの判定結果をRAM64の大当りエリアに格納すると、図23のステップS103へ移行する。ここで、大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを判断し、大当りが格納されていることを検出したときにはステップS104へ移行する。
【0105】
メイン制御装置61のROM63には大当り図柄テーブルが記録されている。この大当り図柄テーブルは、図24に示すように、ランダムカウンタR5と大当り図柄との関係を示すものであり、CPU62は図23のステップS104へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR5を検出する。そして、大当り図柄テーブルからランダムカウンタR5に応じた数字図柄を検出し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR5が「6」であるときには数字図柄 「7」が検出され、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とが同一の検出図柄 「7」に設定される。
【0106】
CPU62は図23のステップS105へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出し、大当り図柄の設定結果に基づいて時短の獲得状態を判定する。そして、時短の判定結果に基づいて時短回数の上限値Nmaxを設定し、RAM64の時間短縮エリアに時短の判定結果および時短回数の上限値Nmaxを格納する。例えば大当り図柄の設定結果が「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかであるときには第1の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「200回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第1の時短モードおよび時短回数「200回」を記録する。
【0107】
また、大当り図柄の設定結果が「1 1 1」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかであるときには第2の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「100回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第2の時短モードおよび時短回数「100回」を記録する。また、大当り図柄の設定結果が「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかであるときには第3の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「50回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第3の時短モードおよび時短回数「50回」を記録する。即ち、第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードは大当りの発生を条件に振分けられるものであり、振分け確率は第1の時短モードが「2/10」,第2の時短モードが「3/10」,第3の時短モードが「5/10」に設定されている。
【0108】
CPU62は図23のステップS103でRAM64の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS106へ移行する。ここでRAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR2を検出し、19個のリーチ値「5,11,23,31,43,53,61,79,89,97,113,127,139,149,157,163,173,181,193」と比較する。ここでランダムカウンタR2が19個のリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、19個のリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、判定結果をRAM64の外れリーチエリア(図17参照)に格納する。尚、外れリーチエリアは完全外れおよび外れリーチの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【0109】
CPU62は外れリーチおよび完全外れの判定結果を外れリーチエリアに格納すると、図23のステップS107へ移行し、外れリーチエリアに外れリーチおよび完全外れのいずれの判定結果が格納されているかを検出する。ここで外れリーチの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS108で外れリーチ図柄を設定し、完全外れの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS109で完全外れ図柄を設定する。
【0110】
外れリーチ図柄および完全外れ図柄は原則的にランダムカウンタR6〜R8に基づいて設定されるものであり、ランダムカウンタR6〜R8が外れリーチ図柄および完全外れ図柄を構成しない組合せであるときには図柄の組合せを変更することに基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄が設定される。以下、外れリーチ図柄および完全外れ図柄の設定方法について説明する。
【0111】
(8−1)外れリーチ図柄の設定
メイン制御装置61のROM63には左特別図柄テーブル,中特別図柄テーブル,右特別図柄テーブルが記録されており、左特別図柄テーブルには、図24に示すように、左特別図柄とランダムカウンタR6との対応関係が記録され、中特別図柄テーブルには中特別図柄とランダムカウンタR7との対応関係が記録され、右特別図柄テーブルには右特別図柄とランダムカウンタR8との対応関係が記録されている。
【0112】
メイン制御装置61のCPU62は図25のステップS211へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0113】
CPU62は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS212で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS213へ移行し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで3者が同一であることを検出したときにはステップS214へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0114】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「11 1」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」が検出される。そして、ステップS214で中特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。尚、「10」の「+1」図柄は「1」である。
【0115】
CPU62はステップS212で左特別図柄の選択結果と右特別図柄の選択結果とが相違していることを検出すると、ステップS215へ移行し、左特別図柄を右列にコピーする。次に、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」を検出したときにはステップS214へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0116】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 4」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが判断される。そして、ステップS215で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 2 1」に変更される。この場合にはステップS213で「NO」と判断され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 2」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出される。そして、ステップS215で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 1 1」に変更される。この場合にはステップS214で中特別図柄が「1」から「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。
【0117】
(8−2)完全外れ図柄の設定
メイン制御装置61のCPU62は図26のステップS221でRAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0118】
CPU62は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS222で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS223へ移行し、中特別図柄を右列にコピーする。そして、ステップS224で左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較し、3者が同一であることを検出したときにはステップS225で右特別図柄を「+1」図柄に変更する。例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「12 2」であるときにはステップS222で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。
【0119】
左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS222で「左特別図柄=右特別図柄」であることが検出される。そして、ステップS223で中特別図柄「2」が右特別図柄にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 2 2」に変更される。この場合にはステップS224で「NO」と判断され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 1」であるときにはステップS223で中特別図柄「1」が右列にコピーされても左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 1 1」から変らない。この場合にはステップS225で右特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、完全外れ図柄「1 1 2」が確定する。
【0120】
CPU62は図23のステップS110へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1を検出し、ランダムカウンタR1に基づいて変動パターンを設定する。この変動パターンは左特別図柄〜右特別図柄の組合せが決まる様子をどのような演出内容で表示するかを設定するパラメータとして機能するものであり、下記に示すように、大当り,外れリーチ,完全外れの判定結果に応じた異なる態様で設定される。
【0121】
(8−3)大当り判定時の変動パターン設定
メイン制御装置61のROM63には、図27に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンとの関係を示すものであり、CPU62は図23のステップS110へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」であるときには変動パターン「34」が検出され、変動パターンが「34」に設定される。
【0122】
(8−4)外れリーチ判定時の変動パターン設定
メイン制御装置61のROM63には、図28に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔSとランダムカウンタR1と変動パターンとの関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔSとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中特別図柄−左特別図柄」を称する。
【0123】
CPU62は図23のステップS110へ移行すると、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 2 10」であるときには変動パターン「3」が設定される。
【0124】
(8−5)完全外れ判定時の変動パターン設定
CPU62は完全外れの判定時には図23のステップS110で変動パターンを「0」または「1」に設定する。この変動パターンの振分けは時短の設定状態に応じて行われるものであり、図22の(c)に示すように、時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されている時短中には変動パターン「0」が一義的に設定され、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されている非時短中には変動パターン「1」が一義的に設定される。
【0125】
変動パターンには、図22の(c),図27,図28に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左特別図柄〜右特別図柄の変動開始から確定に至る所要時間を称するものであり、CPU62は図23のステップS111へ移行すると、変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間を選択し、ステップS112で遊技制御フラグを変動表示処理に設定する。
【0126】
(9)変動表示処理
図16のステップS19の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は変動表示処理で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて変動表示を開始する。
【0127】
CPU62は図29のステップS121でタイマT3を「0」にリセットし、ステップS122で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS123で表示制御コマンドとして可変表示指令に相当する図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンと直前の制御データ設定処理で設定した左特別図柄〜右特別図柄とを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
【0128】
CPU62はステップS123で図柄制御コマンド等を出力すると、ステップS124でタイマT3をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置70のCPU71が図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に特別図柄の変動表示を行っており、タイマT3は特別図柄の変動表示の開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
【0129】
CPU62はタイマT3をスタートさせると、ステップS125でカウンタN3に「1」を加算する。このカウンタN3は、後述するように、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に大当り図柄が確定表示されることに基づいて「0」にリセットされるものであり、特別図柄の変動表示回数を大当り遊技直後の変動表示を1回目として計測するものである。
【0130】
CPU62は特別図柄の変動表示回数を加算すると、ステップS126でRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E1〜E3に保留データ記録部E2〜E4の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E1だけにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E1に保留データ記録部E2のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E1のランダムカウンタR1〜R8が消去される。また、保留データ記録部E1〜E4の全てにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E2〜E4のランダムカウンタR1〜R8が前段の保留データ記録部E1〜E3に移動され、保留データ記録部E4にデフォルトデータが記録される。
【0131】
即ち、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部E2に格納されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当りの判定,特別図柄の設定,変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E3に格納されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当りの判定,特別図柄の設定,変動パターンの設定等が行われる。
【0132】
CPU62はRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアを整理すると、図29のステップS127でカウンタN1から「1」を減算し、ステップS128で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。このカウンタN1は、上述したように、特別図柄始動口30に対するパチンコ球Pの入賞個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンドが出力された特別図柄の変動開始直後にはカウンタN1が減算され、カウンタN1が上限値まで加算されていたときでもカウンタN1に加算の余地が生成される。このカウンタN1の減算状態ではRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で特別図柄始動信号有りが記録されたときには特別図柄用データ取得処理でカウンタN1が加算され、特別図柄用カウンタデータエリアにランダムカウンタR1〜R8が新たに格納される。
【0133】
(10)全図柄停止処理
図16のステップS20の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は全図柄停止処理で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドを出力し、変動表示を終了させる(図柄確定)。
【0134】
CPU62は図30のステップS131でタイマT3の計測値を特別図柄の変動表示時間の設定結果と比較する。このタイマT3は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU62はタイマT3の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS132でタイマT3を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
【0135】
CPU62は変動表示時間の計測を終えると、ステップS133で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS134で表示制御コマンドとして図柄確定指令および可変停止指令に相当する全図柄停止コマンドを出力する。この変動表示時間の経過時点では左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
【0136】
CPU62は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS135でRAM64の大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを検出する。ここで大当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS136へ移行し、カウンタN3に「0」をセットすることに基づいて特別図柄の変動表示回数を「0」にリセットする。そして、ステップS137へ移行し、遊技制御フラグに大当り遊技開始処理をセットする。
【0137】
CPU62はステップS135でRAM64の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS138で時短中であるか否かを判断する。例えばRAM64の時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されていることを検出したときには時短中であると判断し、ステップS139へ移行する。
【0138】
CPU62はステップS139へ移行すると、変動表示回数用のカウンタN3の計測値を時間短縮エリアの時短回数Nmaxと比較する。この時短回数Nmaxは直前の大当り発生時に時短の獲得状態に応じて「200回」,「100回」,「50回」のいずれかに設定されたものであり、CPU62は「N3=Nmax」を検出したときにはステップS140へ移行し、RAM64の時間短縮エリアに時短の非設定を格納することに基づいて時短モードを解除する。即ち、時短は大当りが発生することなく変動表示回数が上限値Nmaxに達することに基づいて強制的に解除されるものである。
【0139】
CPU62は時短モードを解除すると、ステップS141で図柄表示装置70にINT信号を出力し、ステップS142で表示制御コマンドとして第2の背景変更指令に相当する背景復帰コマンドを出力する。そして、ステップS143へ移行し、遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。すると、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で背景復帰コマンドを受信し、特別図柄変動領域TE内の背景を切換える。この背景復帰コマンドの出力時には特別図柄変動領域TE内に時短背景「海岸」が表示されており、図柄制御装置70のCPU71は背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短背景「海岸」を通常背景「水中」に切換える。また、背景復帰コマンドの出力時には特別図柄変動領域TE内に時短回数が表示されており、図柄制御装置70のCPU71は背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数の表示を消去する。
【0140】
(11)大当り遊技開始処理
図16のステップS21の大当り遊技開始処理は遊技制御フラグが大当り遊技開始処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は図31のステップS151でVフラグを特定入賞状態にセットし、ステップS152で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS153で表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、ステップS154で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。
【0141】
大当り表示コマンドは図柄制御装置70に大当り表示の実行を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で大当り表示コマンドを受信することに基づいて図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に大当り表示を行う。この大当り表示は遊技者に大当りの発生を大当り図柄とは別の態様で報知するものであり、具体的にはメッセージ「やったね!!大当り」が表示される。
【0142】
(12)大当り遊技処理
図16のステップS22の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置71のCPU72は大当り遊技処理の中でラウンド動作を実行し、図柄制御装置70に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にラウンド表示を行う。
【0143】
CPU62は図32のステップS161へ移行すると、大入賞口37の開放状態を判断する。この大入賞口37の開放状態は開放フラグの設定状態に基づいて判断されるものであり、CPU62は開放フラグが閉鎖状態にセットされていることを検出したときには大入賞口37が閉鎖されていると判断し、ステップS162へ移行する。
【0144】
CPU62はステップS162へ移行すると、Vフラグの設定状態を判断する。このVフラグは大当り遊技開始処理の中で特定入賞状態にセットされたり、大当り遊技処理中に大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞することに基づいて特定入賞状態にセットされるものであり、CPU62はVフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出したときにはステップS163へ移行し、カウンタN4を上限値「14」と比較する。このカウンタN4は大入賞口37の開放回数(ラウンド動作の繰返し回数)を計測するものであり、CPU62は「N4≦14」を検出したときにはステップS164でカウンタN4に「1」を加算し、ステップS165でタイマT4を「0」にリセットする。このタイマT4は大入賞口37の開放時間を計測するものであり、CPU62はタイマT4をリセットすると、ステップS166へ移行する。
【0145】
CPU62はステップS166へ移行すると、図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS167で表示制御コマンドとしてラウンド表示コマンドを出力し、表示制御データとしてラウンド表示データを出力する。このラウンド表示データはカウンタN4の現在の計測値を有するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中でラウンド表示コマンドおよびラウンド表示データを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にラウンド表示を行う。このラウンド表示はラウンド数(カウンタN4)に応じたラウンド背景を表示するものであり、ラウンド背景の前方には現在のラウンド数(=カウンタN4)が数値で表示される。
【0146】
CPU62はラウンド表示コマンド等を出力すると、ステップS168で大入賞口ソレノイド40に駆動電源を印加し、大入賞口37を開放する(ラウンド動作の開始)。これにより、パチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
CPU62は大入賞口37を開放すると、ステップS169で可動片ソレノイド46の駆動電源を遮断し、可動片45を特定入賞状態に回動操作する。この特定入賞状態では可動片45が大入賞口37のカウント領域41から特定領域42に向って下降傾斜し、大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の傾斜に沿って特定領域42内に高確率で案内される。
【0147】
CPU62は可動片45を特定入賞状態に回動操作すると、ステップS170で開放フラグを開放状態にセットすることに基づいて大入賞口37の開放を記録する。そして、ステップS171で開放時間用のタイマT4をスタートさせ、大入賞口37の開放時間を計測開始する。次に、ステップS172でVフラグをカウント状態にリセットし、大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したか否かを記録可能な状態にする。
【0148】
例えば大当りの判定直後にはVフラグが特定入賞状態にセットされ、開放フラグが閉鎖状態にセットされ、カウンタN4が「0」にリセットされている。従って、CPU62はステップS161からS162,S163へ移行し、ステップS164でカウンタN4を「0」から「1」に加算し、ステップS168でラウンド動作を開始する。この場合にはステップS167でラウンド表示コマンドと共にラウンド表示データ「N4=1」が出力され、図柄表示装置27にラウンド数「1R」が表示されることに基づいて遊技者に実行中のラウンドが1回目であることが報知される。
【0149】
CPU62は大入賞口37の開放状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS161で開放フラグが開放状態にセットされていることを検出し、ステップS173でV信号の有無を判断する。このV信号はパチンコ球Pが大入賞口37の特定領域42内に入賞することに基づいてVセンサ44から出力されるものであり、CPU62はRAM64の出力監視エリアにV信号有りが記録されていることを検出したときにはV信号有りと判断し、V信号無しが記録されていることを検出したときにはV信号無しと判断する。
【0150】
CPU62はステップS173でV信号有りを検出すると、ステップS174でVフラグを特定入賞状態にセットすることに基づいてパチンコ球Pが特定領域42内に入賞したことを記録する。そして、ステップS175で可動片ソレノイド46に駆動電源を印加し、可動片45をカウント状態に回動操作する。このカウント状態では可動片45が大入賞口37の特定領域42からカウント領域41に向って下降傾斜し、大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の傾斜に沿ってカウント領域41内に高確率で案内される。
【0151】
CPU62は可動片45をカウント状態に回動操作すると、ステップS176で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS177で表示制御コマンドとしてV表示コマンドを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中でV表示コマンドを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にV表示を行う。このV表示はパチンコ球Pが大入賞口37の特定領域42内に入賞したことを遊技者に報知するものであり、具体的にはラウンド背景の前方にアルファベット「V」を表示することで行われる。
【0152】
CPU62はステップS178へ移行すると、カウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することに基づいてカウントセンサ43から出力されるものであり、CPU63はRAM64の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウント信号有りと判断し、カウント信号無しが記録されていることを検出したときにはカウント信号無しと判断する。
【0153】
CPU62はステップS178でカウント信号有りを検出すると、ステップS179でカウンタN5に「1」を加算する。このカウンタN5はラウンド動作中に何個のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したかを計測するものであり、CPU62はパチンコ球Pの入賞個数を計測すると、ステップS180で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS181で表示制御コマンドとして入賞数表示コマンドを出力し、表示制御データとして入賞数表示データを出力する。
【0154】
入賞数表示データは入賞数用のカウンタN5の計測値を有するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で入賞数表示コマンドおよび入賞数表示データを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に入賞数表示を行う。この入賞数表示はラウンド背景の前方にカウンタN5の計測値を数値表示することで行われるものであり、ラウンド動作中にパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したときには入賞数表示が入賞毎に加算され、パチンコ球Pの大入賞口37に対する入賞数がカウトアップ方式で報知される。
【0155】
CPU62は入賞数表示コマンド等を出力すると、ステップS182でカウンタN5を上限値「10個」と比較し、ステップS183で開放時間用のタイマT4の計測値を上限値「27秒」と比較する。ここで「N5≧10個」および「T4≧27秒」のいずれかを検出したときにはステップS184で大入賞口ソレノイド40を断電することに基づいて大入賞口37を閉鎖し、ラウンド動作を終える。即ち、ラウンド動作は規定個数のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞するか、大入賞口37の開放時間が上限値に達することに基づいて終了する。
【0156】
CPU62はステップS184でラウンド動作を終えると、ステップS185でタイマT4を停止させることに基づいて開放時間の計測を終える。そして、ステップS186で入賞個数用のカウンタN5を「0」にリセットし、ステップS187で開放フラグを閉鎖状態にセットすることに基づいて大入賞口37の閉鎖を記録する。
【0157】
CPU62は大入賞口37の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS161からS162へ移行し、Vフラグの設定状態を判断する。ここでVフラグが特定入賞状態にセットされていないことを検出したときにはステップS188でラウンド数用のカウンタN4を「0」にリセットし、ステップS189で遊技制御フラグを大当り終了表示処理にセットすることに基づいて大当り遊技処理を終える。
【0158】
CPU62はステップS162でVフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出すると、ステップS163でラウンド数用のカウンタN4を上限値 「14」と比較する。ここで「N4≦14」を検出したときにはステップS163からS164〜S172へ移行し、大入賞口37を開放する。即ち、ラウンド動作は大入賞口37の開放時にパチンコ球Pが特定領域42内に入賞することを条件に再開されるものである。
【0159】
CPU62はステップS163で「N4>14」を検出したときにはステップS188でカウンタN4をリセットし、ステップS189で遊技制御フラグを大当り終了表示処理にセットする。即ち、ラウンド動作の繰返し数には上限値「15回」が設定されており、パチンコ球Pが特定領域42内に入賞した場合でもラウンド動作の継続回数が15回に達しているときにはラウンド動作が再開されず、大当り遊技処理が終了する。
【0160】
(13)大当り終了表示処理
図16のステップS23の大当り終了表示処理は遊技制御フラグが大当り終了表示処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は大当り終了表示処理の中で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドを送信し、大当り終了表示の実行を指令する。
CPU62は図33のステップS191へ移行すると、演出表示時間を設定する。この演出表示時間は大当り終了表示の表示時間に相当するものであり、固定的な一定値にセットされる。
【0161】
CPU62は演出表示時間を設定すると、ステップS192でタイマT5を 「0」にリセットする。このタイマT5は演出表示時間を計測するものであり、CPU62はタイマT5をリセットすると、ステップS193で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS194で表示制御コマンドとして大当り終了表示コマンドを出力する。
【0162】
大当り終了表示コマンドは図柄制御装置70に大当り遊技の終了表示を指令する終了表示指令に相当するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で大当り終了表示コマンドを検出し、図柄表示装置27に大当り終了表示を行う。この大当り終了表示は大当り遊技の終了および時短モードの設定回数を遊技者に報知するものであり、具体的にはメッセージ「またね」が表示されることに基づいて大当り遊技の終了が報知される。この大当り終了表示コマンドは第1の背景変更指令を兼用するものであり、図柄制御装置70のCPU71は大当り終了表示コマンドを検出したときにはメッセージ「またね」の表示後に背景をラウンド背景から時短背景に切換える。そして、メッセージ「時短N回」の表示を時短背景の前方で行うことに基づいて時短モードに突入したことを遊技者に報知する。
【0163】
CPU62は大当り終了表示コマンドを出力すると、ステップS195へ移行し、タイマT5をスタートさせることに基づいて演出表示時間の計測動作を開始する。そして、ステップS196へ移行し、遊技制御フラグに大当り終了処理をセットする。
【0164】
(14)大当り終了処理
図16のステップS24の大当り終了処理は遊技制御フラグが大当り終了処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は大当り終了処理の中で図柄制御装置70のCPU71に表示終了コマンドを送信し、大当り終了表示の終了を指令する。
CPU62は図34のステップS201へ移行すると、演出表示時間用のタイマT5の計測値を演出表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT5の計測値が演出表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS202でタイマT5を停止し、演出表示時間の計測を終える。
【0165】
CPU62は演出表示時間の計測を終えると、ステップS203で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS204で表示制御コマンドとして表示終了コマンドを出力する。そして、ステップS205へ移行し、遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。この表示終了コマンドは図柄制御装置70に大当り終了表示の終了を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で表示終了コマンドを検出すると、時短背景の前方に直前の大当り図柄を静止状態で表示することに基づいて大当り終了表示を終える。
【0166】
<図柄制御装置70の内部処理について>
図柄制御装置70のCPU71は電源が投入されると、図35のステップS301で割込み禁止を設定し、ステップS302でRAM73の全データおよびI/O77を初期設定する。そして、ステップS303でVDP74にデモ表示コマンドを出力し、ステップS304で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
【0167】
VDP74はデモ表示コマンドを検出すると、VROM75から必要な表示データを読出す。そして、図柄表示装置27にデモ画面を表示し、遊技者に客待ち状態にあることを報知する。このデモ表示は特別図柄変動領域TE内および普通図柄変動領域HE内の双方に渡って行われるものであり、デモ表示時には製造社名および機種名等が表示される。
【0168】
CPU71はステップS304で割込みを許可すると、ステップS305のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は特別図柄用の表示パターンを選択するためのランダムカウンタR13を「1」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタR13は「0」から上限値「191」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算される。
【0169】
CPU71はメイン制御装置61からのINT信号を検出すると、図36のIRQ割込みプログラムを起動する。そして、ステップS311でメイン制御装置61からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出し、RAM73に格納する。このRAM73には、図37の(a)に示すように、コマンドエリアとして普通図柄用の変動表示エリア,普通図柄用の変動停止エリア,特別図柄用の変動表示エリア,特別図柄用の変動停止エリア,大当り表示エリア,ラウンド表示エリア,V表示エリア,入賞数表示エリア,大当り終了表示エリア,表示終了エリア,背景復帰エリアが設定されており、メイン制御装置61からの表示制御コマンドは対応するコマンドエリアに格納され、各コマンドエリアの格納コマンドは格納コマンドに応じた処理の実行に基づいて消去される。
【0170】
RAM73にはデータエリアとして普通図柄用の図柄エリア,普通図柄用の変動パターンエリア,特別図柄用の図柄エリア,特別図柄用の変動パターンエリア,ラウンド数エリア,入賞数エリアが設定されており、メイン制御装置61からの表示制御データは対応するデータエリアに格納される。これら各データエリアの格納データはメイン制御装置61からの新たな表示制御データが格納されることに基づいて消去されるものであり、新たな表示制御データが格納されるまで保存される。
【0171】
RAM73にはデータエリアとして時間短縮エリアが設定されている。この時間短縮エリアは時短の設定の有無を記録するものであり、CPU72は、後述するように、メイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて時短の設定の有無を判定し、判定結果を時間短縮エリアに格納する。また、RAM73にはデータエリアとして背景エリアが設定されている。この背景エリアは特別図柄変動領域TE内の背景を記録するものであり、CPU72は、後述するように、メイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて背景の種類を判定し、判定結果を背景エリアに格納する。
【0172】
図38のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、図柄制御装置70のCPU71はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS321の普通図柄変動表示処理〜ステップS325の大当り終了表示処理を当該順序で実行するものであり、ステップS321の普通図柄変動表示処理〜ステップS325の大当り終了表示処理の詳細は次の通りである。
【0173】
(1)普通図柄変動表示処理
図38のステップS321の普通図柄変動表示処理は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、普通図柄の変動停止状態での組合せに応じて遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口30が拡大され、特別図柄始動口30に対するパチンコ球Pの入賞確率が高くなる。
【0174】
CPU71は図39のステップS331へ移行すると、RAM73の普通図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置61がパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート28に対する通過を検出することに基づいて普通図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU71は普通図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS332で普通図柄用の表示パターンを設定する。この表示パターンは普通図柄変動領域HE内の左列に普通図柄「3」および「7」を交互に表示し、右列に普通図柄「3」および「7」を交互に表示するものであり、CPU71は表示パターンを設定すると、ステップS333へ移行する。
【0175】
CPU71はステップS333へ移行すると、RAM73の普通図柄用の図柄エリアから普通図柄の設定結果を検出し、VDP74に普通図柄の変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と普通図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを検出し、普通図柄変動領域HE内の左列および右列に普通図柄「3」,「7」を交互に表示する(普通図柄の変動表示)。
【0176】
CPU71はステップS334へ移行すると、RAM73の普通図柄用の変動停止エリアに確定停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この確定停止コマンドはメイン制御装置61が普通図柄用の変動表示時間の経過を検出することに基づいて出力するものであり、CPU71はステップS334で普通図柄用の変動停止エリアに確定停止コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS335でVDP74に変動終了コマンドを出力する。すると、VDP74は普通図柄変動領域HE内の左列および右列を普通図柄の設定結果で同時に変動停止させ、遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知する。
【0177】
(2)時短情報設定処理
図38のステップS322の時短情報設定処理はメイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて時短の設定状態を判断するものであり、図柄制御装置70のCPU71は図40のステップS341へ移行すると、RAM73の背景復帰エリアに背景復帰コマンドが格納されているか否かを判断する。この背景復帰コマンドはメイン制御装置61が全図柄停止コマンドの出力後に時短の設定を解除することに基づいて出力するものであり、CPU71は背景復帰コマンドの格納を検出したときにはステップS342でRAM73の時間短縮エリアに時短の非設定を格納し、ステップS343でRAM73の背景エリアに通常背景を格納する。即ち、時短の設定解除は図柄制御装置70がメイン制御装置60からの専用コマンドに基づいて行うものではなく、背景の変更に係る兼用コマンドに基づいて行うものである。
【0178】
(3)特別図柄変動表示処理
図38のステップS323の特別図柄変動表示処理は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に特別図柄を変動状態,仮停止状態,確定停止状態で順に表示し、特別図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、特別図柄が大当りの組合せで確定停止したときには大入賞口37が開放され、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞することが許容される。
【0179】
CPU71は図41のステップS351へ移行すると、RAM73の特別図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置61がパチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞を検出することに基づいて特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU71は特別図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS352でカウンタNに「1」を加算し、特別図柄の変動回数を計測する。
【0180】
図柄制御装置70のROM72には、図42に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタR13に基づいて表示パターンを設定するためのものであり、図柄制御装置70のCPU71は図41のステップS352でカウンタNを加算すると、ステップS353で図42の表示パターンテーブルから変動パターンおよびランダムカウンタR13に応じた表示パターン,変動表示時間を選択的に設定する。この表示パターンは各列の特別図柄の変動速度,各列の特別図柄の仮停止タイミング,背景の種類,背景の切換えタイミング,キャラクタの表示タイミング,キャラクタの種類等を示すものであり、変動表示時間で終了するように設定される。
【0181】
図43は表示パターン「0」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「0」は変動パターンが「0」である時短の設定状態で完全外れが判定された場合に選択されるものであり、表示パターン「0」の選択時には左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が通常変動状態から同時に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データ(特別図柄の設定結果)で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0182】
図44は表示パターン「1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「1」は変動パターンが「1」である時短の非設定状態で完全外れが判定された場合に選択されるものであり、表示パターン「1」の選択時には左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データで行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0183】
図45は表示パターン「4−1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「4−1」は変動パターンが「4」である外れリーチの判定時にランダムカウンタR13に応じて選択されるものであり、表示パターン「4−1」の選択時には左特別図柄および右特別図柄が通常変動状態から当該順序で仮停止し、中特別図柄が通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データで行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0184】
表示パターン「1」は時短の非設定状態で完全外れが判定された場合に設定されるものであり、変動表示時間「T1」で終了する。表示パターン「0」は時短の設定状態で完全外れが判定された場合に設定されるものであり、時短の非設定時より短い変動表示時間「T0」で終了する。即ち、時短の設定状態では完全外れが判定されたときの変動表示時間のみが短縮され、大当りおよび外れリーチが判定されたときの変動表示時間は時短の非設定時と同一になる。
【0185】
CPU71は表示パターンを設定するにあたって、RAM73の背景エリアの格納データに基づいて特別図柄変動領域TE内の背景を選択する。例えば背景エリアに通常背景が格納されているときには、図46の(a)に示すように、全ての表示パターンの設定時に通常背景「水中」を表示することに基づいて遊技者に時短が設定されていないことを報知する。また、背景エリアに時短背景が格納されているときには、図46の(b)に示すように、全ての表示パターンの設定時に時短背景「海岸」を表示することに基づいて遊技者に時短が設定されていることを報知する。
【0186】
CPU71は表示パターンを設定するにあたって、時間短縮エリアの格納データに基づいて現在の時短の設定状態を検出し、カウンタNの計測値の表示の有無を時短の設定状態に応じて選択する。例えば時間短縮エリアに時短の設定が格納されているときには、図46の(b)に示すように、全ての表示パターンの設定時にカウンタNの計測値をメッセージ「時短N回目」で表示し、現在の変動表示が何回目の時短変動であるかを遊技者に報知する。また、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されているときには、図46の(a)に示すように、全ての表示パターンの設定時に時短回数を表示しない。
【0187】
CPU71は特別図柄用の表示パターンを設定すると、図41のステップS354へ移行し、VDP74に特別図柄用の変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP74は表示パターンに応じた表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に表示パターンに応じた演出内容で変動表示を行う。
【0188】
CPU71はステップS355へ移行すると、RAM73の特別図柄用の変動停止エリアに全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドはCPU71がIRQ割込み処理でメイン制御装置61からの全図柄停止コマンドを検出することに基づいて変動停止エリアに格納するものであり、CPU71は全図柄停止コマンドの格納を検出すると、ステップS356でVDP74に図柄確定コマンドを出力する。
【0189】
全図柄停止コマンドはメイン制御装置61が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは特別図柄用の変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置70がメイン制御装置61からの変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定される。従って、図柄制御装置70のCPU71が全図柄停止コマンドを検出してVDP74に図柄確定コマンドを出力するときには左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にある。この仮停止状態ではVDP74が左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を上下に揺らしており、VDP74は図柄確定コマンドを検出すると、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を水平な1本の有効ライン上に静止した確定表示状態に切換える。
【0190】
例えば変動パターン「0」の設定時にはメイン制御装置61から図柄制御装置70に変動表示時間「T0」の経過タイミングで全図柄停止コマンドが出力される。この変動パターン「0」の設定時には図柄制御装置70が表示パターン「0」を変動表示時間「T0」で終了するように設定している。この変動表示時間 「T0」の経過時点では、図43に示すように、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が仮停止状態にあり、VDP74はCPU71からの図柄確定コマンドを左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の仮停止状態で検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から確定状態に切換える。
【0191】
(4)大当り表示処理
図38のステップS324の大当り表示処理は大当り図柄の確定停止後に大当り遊技が開始されることを報知し、大当り遊技中に遊技情報を報知するものであり、CPU71は図47のステップS361へ移行すると、RAM73の大当り表示エリアに大当り表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当り表示コマンドはメイン制御装置61が大当り図柄の確定停止直後に出力するものであり、CPU71は大当り表示コマンドの格納を検出すると、ステップS362でVDP74に大当り表示コマンドを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に大当り表示を行う。この大当り表示は、図48の(a)に示すように、特別図柄変動領域TE内にメッセージ「やったね!!大当り」を表示するものであり、メッセージの表示は通常背景または時短背景の前方で行われる。
【0192】
CPU71は図47のステップS363へ移行すると、RAM73のラウンド表示エリアにラウンド表示コマンドが格納されているか否かを検出する。このラウンド表示コマンドはメイン制御装置61がラウンド動作の開始時にラウンド数N4と共に出力するものであり、CPU71はラウンド表示コマンドの格納を検出すると、ステップS364でRAM74のラウンド数エリアからラウンド数N4を検出し、VDP74にラウンド表示コマンドおよびラウンド数N4を出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にラウンド表示を行う。このラウンド表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内にラウンド数N4に応じたラウンド背景を表示するものであり、ラウンド背景の前方にはラウンド数N4が数値表示される。
【0193】
CPU71は図47のステップS365へ移行すると、RAM73のV表示エリアにV表示コマンドが格納されているか否かを検出する。このV表示コマンドは大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置61が出力するものであり、CPU71はV表示コマンドの格納を検出すると、ステップS366でVDP74にV表示コマンドを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にV表示を行う。このV表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内にメッセージ「V」を表示するものであり、メッセージ「V」の表示はラウンド背景の前方で行われる。
【0194】
CPU71は図47のステップS367へ移行すると、RAM73の入賞数表示エリアに入賞数表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この入賞数表示コマンドは大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置61が入賞数N5と共に出力するものであり、CPU71は入賞数表示コマンドの格納を検出すると、ステップS368でRAM73の入賞数エリアから入賞数N5を検出し、VDP74に入賞数表示コマンドおよび入賞数N5を出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に入賞数表示を行う。この入賞数表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内に入賞数N4を表示するものであり、入賞数の表示はラウンド背景の前方で行われる。
【0195】
(5)大当り終了表示処理
図38のステップS325の大当り終了表示処理は遊技者に大当り遊技の終了を報知し、時短回数の獲得結果を表示するものであり、最終ラウンドの終了後に行われる。この最終ラウンドとはラウンド動作が上限回まで繰返されたときには上限回のラウンドであり、ラウンド動作が上限回に達する前に途中で終了したときには途中終了したラウンドである。
【0196】
CPU71は図49のステップS371へ移行すると、RAM73の大当り終了表示エリアに大当り終了表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当り終了表示コマンドはメイン制御装置61が最終ラウンドの終了時に出力するものであり、CPU71は大当り終了表示コマンドの格納を検出したときには時短モードの獲得を判定する。そして、ステップS372でRAM73の時間短縮エリアに時短の設定を記録し、ステップS373でRAM73の背景エリアに時短背景「海岸」を記録する。
【0197】
CPU72はステップS374へ移行すると、時短モードの種類を判定する。この判定処理はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されている大当り図柄の種類に応じて行われるものであり、CPU72は、図37の(b)に示すように、大当り図柄として「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかが格納されているときには第1の時短モードと判定する。また、大当り図柄として「1 11」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかが格納されているときには第2の時短モードと判定し、大当り図柄として「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかが格納されているときには第3の時短モードと判定する。
【0198】
CPU72は時短モードの種類を判定すると、図49のステップS375で時短回数の獲得結果を判定する。この判定処理は時短モードの獲得結果に基づいて行われるものであり、CPU72は、図37の(b)に示すように、第1の時短モードの獲得時には時短回数が「200回」であると判定する。また、第2の時短モードの獲得時には時短回数が「100回」であると判定し、第3の時短モードの獲得時には時短回数が「50回」であると判定する。
【0199】
CPU72は時短回数を判定すると、図49のステップS376でVDP74に表示開始コマンドを出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に大当り終了表示を行う。この大当り終了表示は大当り遊技の終了を報知するものであり、図50の(a)に示すように、直前のラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示することで行われる。
【0200】
CPU72は大当り終了表示を行うと、図49のステップS377でVDP74に時短表示コマンドおよび時短回数の判定結果を出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に時短回数表示を行う。この時短回数表示は、図50の(b)に示すように、時短回数の判定結果をメッセージ「時短N回」として表示するものであり、時短回数表示時にはRAM73の背景エリアから格納データが検出される。そして、ラウンド背景が格納データに切換わり、メッセージ「時短N回」が格納データの前方で行われる。この場合には背景エリアに時短背景「海岸」が格納されており、メッセージ「時短N回」が時短背景「海岸」の前方に表示される。
【0201】
CPU71は図49のステップS378へ移行すると、RAM73の表示終了エリアに表示終了コマンドが格納されているか否かを判断する。この表示終了コマンドはメイン制御装置61が大当り終了表示の終了時に出力するものであり、CPU71は表示終了コマンドの格納を検出すると、ステップS379でRAM73の特別図柄用の図柄エリアから直前の大当り図柄を検出し、VDP74に演出終了コマンドおよび大当り図柄の設定結果を出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、図50の(c)に示すように、時短背景「海岸」の前方に直前の大当り図柄を静止表示する。
【0202】
図1はメイン制御装置61から図柄制御装置70に送信される表示制御コマンドと図柄表示装置27の表示内容と特別図柄遊技の流れとの関係を時系列的に示すものである。ここでパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に特別図柄用の図柄制御コマンドが出力され、図柄制御装置70が特別図柄の変動表示を開始する。
【0203】
メイン制御装置61から図柄制御装置70に全図柄停止コマンドが出力されると、図柄制御装置70が特別図柄を確定停止させ、変動表示を終える。この確定停止状態で大当り図柄が表示されているときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り表示コマンドが出力され、図柄制御装置70が大当り表示 「やったね!!大当り」を行う。
【0204】
メイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り表示コマンドが出力されると、大当り遊技が開始される。この大当り遊技中にはメイン制御装置61から図柄制御装置70にラウンド表示コマンドとV表示コマンドと入賞数表示コマンドとが出力され、図柄制御装置70が図柄表示装置27にラウンド数と特定入賞口42に対するパチンコ球Pの入賞と大入賞口37に対するパチンコ球Pの入賞数とを表示する。
【0205】
最終ラウンドが終了すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り終了表示コマンドが出力される。すると、図柄制御装置70が時短の設定および背景の種類を独自に判定し、大当り遊技の終了を知らせるラウンド終了表示と時短回数の知らせる時短回数表示とを行う。この時短回数表示時には図柄制御装置70が背景を時短背景に切換え、時短モードに突入したことを知らせる。この後、メイン制御装置61から図柄制御装置70に表示終了コマンドが出力されると、図柄制御装置70が直前の大当り図柄を時短背景の前方に静止表示する。
【0206】
時短モードの突入状態で保留球が発生していたり、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に特別図柄用の図柄制御コマンドが出力され、図柄制御装置70が時短背景の前方で特別図柄の変動表示を開始する。このとき、時短回数Nに「1」を加算し、右上隅部に現在の時短回数Nを表示する。従って、変動表示の開始毎に時短回数Nの表示が「1」ずつ増え、時短回数Nがカウントアップ方式で表示される。
【0207】
時短モードの突入状態で特別図柄の変動表示が時短回数「Nmax」回だけ行われたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景復帰コマンドが出力される。すると、図柄制御装置70が背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数Nの表示を消去し、背景を時短背景から通常背景に切換える。この背景復帰コマンドはメイン制御装置61が「Nmax」回目の全図柄停止コマンドの直後に出力するものであり、背景復帰コマンドに応じた表示処理は「Nmax+1」回目の変動表示から適用される。
【0208】
例えば第1の時短モードの設定時には「200回目」の変動開始時に時短回数Nの表示が「200回」になり、「200回目」の確定表示直後に背景復帰コマンドが出力される。すると、「201回目」の変動開始時に時短回数Nの表示が消去され、背景が時短背景「海岸」から通常背景「水中」に切換わる。
【0209】
上記第1実施例によれば、図柄制御装置70が時短背景「海岸」から通常背景「水中」への変更およびメッセージ「時短N回」の表示消去をメイン制御装置61から送信される共通の背景復帰コマンドに基づいて行うように構成した。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景「海岸」から通常背景「水中」への変更およびメッセージ「時短N回」の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。従って、遊技者が不整合な表示内容に起因する混乱を起こすことが防止される上、パチンコホールおよび遊技者間で不整合な表示内容に起因する争いが起きることが防止される。
【0210】
また、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を加算するように構成した。このため、変動表示の開始と同時に時短回数を表示することができるので、現在の変動表示が何回目の時短であるかを遊技者が認識し易くなる。
また、図柄制御装置70が大当り遊技の終了表示「またね」および時短背景 「海岸」の表示をメイン制御装置61から送信される共通の大当り終了表示コマンドに基づいて行うように構成した。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景「海岸」の表示が大当り遊技の終了表示「またね」の直後のタイミングで確実に行われるようになる。
【0211】
また、図柄制御装置70が下記▲1▼および▲2▼の両処理をメイン制御装置61から送信される共通の表示制御データ(特別図柄の設定結果)に基づいて行うように構成した。このため、時短回数を表示する専用コマンドを別個に出力する場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短回数の設定結果を大当り図柄の種類および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
▲1▼時短回数の設定結果を大当り図柄の種類として間接的に表示する。
▲2▼時短回数の設定結果を大当り図柄の種類に基づいて独自に判断し、時短回数の判断結果を大当り図柄の確定表示後に直接的に表示する。
【0212】
尚、上記第1実施例においては、大当り図柄の種類に応じて時短回数の設定結果を遊技者に間接的に報知したが、これに限定されるものではなく、例えば絵柄を用いた演出表示を行うことに基づいて間接的に報知しても良い。以下、当該構成を具体化した本発明の第2実施例について説明する。
【0213】
メイン制御装置61のCPU62はタイマ割込みプログラマムの起動毎にランダムカウンタR14を「1」ずつ加算しており、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したことを検出すると、ランダムカウンタR1〜R8の計測値およびランダムカウンタR14の計測値を取得し、RAM64の特別図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E1に格納する。このランダムカウンタR14は時短モードの種類を選択するためのものであり、「0」から「132」に加算された後に「0」に戻ってループ状に加算される。
【0214】
CPU62は図23のステップS104で大当り図柄を設定すると、ステップS105で特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR14を検出し、ランダムカウンタR14に基づいて時短の獲得状態を判定する。そして、時短の判定結果に基づいて時短回数の上限値Nmaxを設定し、RAM64の時間短縮エリアに時短モードの判定結果および時短回数Nmaxの判定結果を格納する。
【0215】
例えばランダムカウンタR14が「0〜26」であるときには第1の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「200回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第1の時短モードおよび時短回数「200回」が記録される。また、ランダムカウンタR14が「27〜66」であるときには第2の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「100回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第2の時短モードおよび時短回数「100回」が記録される。また、ランダムカウンタR14が「67〜132」であるときには第3の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「50回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第3の時短モードおよび時短回数「50回」が記録される。
【0216】
CPU62は図柄制御装置70に全図柄停止コマンドを出力すると、図31のステップS153で図柄制御装置70に表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、表示制御データとして抽選パターンA〜Cを選択的に出力する。この抽選パターンは時短モードの設定結果を演出表示するためのパラメータに相当するものであり、第1の時短モードの設定時には抽選パターンAが出力され、第2の時短モードの設定時には抽選パターンBが出力され、第3の時短モードの設定時には抽選パターンCが出力される。
【0217】
図柄制御装置70のCPU71はメイン制御装置61からの大当り表示コマンドおよび抽選パターンをIRQ割込みプログラムで検出すると、大当り表示コマンドをRAM73の大当り表示エリアに格納し、抽選パターンをRAM73の抽選パターンエリアに格納する。そして、タイマ割込みプログラムでRAM73の大当り表示エリアに大当り表示コマンドが格納されていることを検出すると、図柄表示装置27に大当り表示を行う。この大当り表示は「やったね!!大当り」の表示後に時短モードが抽選される様子を絵柄を用いて演出表示するものであり、絵柄を用いた演出表示は、下記に示すように、RAM73の抽選パターンエリアに格納されている抽選パターンに応じた演出内容で行われる。
【0218】
<抽選パターンAの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(b)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は大当りの文字を貫く。
<抽選パターンBの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(c)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は中当りの文字を貫く。
<抽選パターンCの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(d)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は小当りの文字を貫く。
【0219】
図柄制御装置70のCPU71は最終ラウンドの終了後にメイン制御装置61からの大当り終了表示コマンドを検出すると、図49のステップS372でRAM73の時間短縮エリアに時短の設定を記録する。そして、ステップS373でRAM73の背景エリアに時短背景を記録し、ステップS374で時短モードの種類を判定する。この判定処理はRAM73の抽選パターンエリアに格納されている抽選パターンの種類に応じて行われるものであり、抽選パターンAの検出時には第1の時短モードと判定され、抽選パターンBの検出時には第2の時短モードと判定され、抽選パターンCの検出時には第3の時短モードと判定される。
【0220】
CPU71は時短モードの種類を判定すると、ステップS375で時短モードの種類に基づいて時短回数を判定する。そして、ステップS376でラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示し、ステップS377で時短回数の判定結果をメッセージ「時短N回」で表示する。このとき、ラウンド背景から時短背景「海岸」に切換え、時短背景の前方に「時短回数N回」を表示することに基づいて時短モードに突入したことを遊技者に報知する。
【0221】
上記第2実施例によれば、図柄制御装置70が下記▲1▼および▲2▼の両処理をメイン制御装置61から送信される共通の表示制御データ(抽選パターンの設定結果)に基づいて行うように構成した。このため、時短回数を表示する専用データを別個に出力する場合に比べてノイズが乗る確率が低くなるので、時短回数の設定結果を演出内容および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
▲1▼可変表示回数の設定結果をパラメータに応じた内容で演出表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を演出表示用のパラメータに基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を演出表示の終了後に表示する。
【0222】
尚、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を加算し、時短回数の加算結果を表示する(カウントアップ表示)構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を初期値Nmaxから「1」ずつ減算し、時短回数の減算結果を表示する(カウントダウン表示)構成としても良い。この構成の場合、時短モードの設定状態で特別図柄の変動表示が時短回数「Nmax」回だけ行われたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景復帰コマンドを出力し、図柄制御装置70が背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数の表示「0」を消去し、背景を時短背景から通常背景に切換えるようにすると良い。
【0223】
また、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの大当り終了表示コマンドを検出することに基づいて時短背景を表示する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばメイン制御装置61から図柄制御装置70にメッセージ「またね」を表示するための大当り終了表示コマンドの出力し、大当り終了表示コマンドの出力後に時短背景表示用の背景変更コマンドを出力する構成としても良い。
【0224】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの判定を条件に第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードを選択的に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば第1の確率変動モード,第2の確率変動モード,第3の確率変動モードを選択的に設定しても良い。これら確率変動モードとは大当りを通常に比べて高確率で判定する高確率モードを称するものであり、第1の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X1回」の特別図柄の変動表示に適用し、第2の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X2(<X1)回」の変動表示に適用し、第3の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X3(<X2)回」の変動表示に適用すると良い。
【0225】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの発生に基づいて時短モードを複数の中から選択したが、これに限定されるものではなく、例えば時短モードの設定の有無を選択しても良い。この場合、時短モード有りが選択されたときには時短回数を予め設定された一定値(例えば200回)に設定し、時短モード無しが選択されたときには時短回数を設定しないようにすると良い。この構成の場合、時短モード有りが選択されたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景変更コマンドを出力し、図柄制御制御装置70が背景変更コマンドを検出することに基づいて時短背景を表示するように構成すると良い。
【0226】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短回数の表示を変動表示の開始時に増やしたが、これに限定されるものではなく、例えば変動表示の最中に増やしたり、変動表示の最後に増やしても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数に「1」を加算する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば全図柄停止コマンド(可変停止指令)を検出することに基づいて加算したり、特別図柄用の変動パターン(演出指令)を検出することに基づいて加算したり、特別図柄の設定結果 (図柄指令)を検出することに基づいて加算しても良い。
【0227】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短の設定時には完全外れの判定時のみに変動表示時間を短縮したが、これに限定されるものではなく、完全外れの判定時および外れリーチの判定時に変動表示時間を短縮したり、完全外れの判定時と外れリーチの判定時と大当りの判定時の全てで変動表示時間を短縮しても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、時短背景として時短モードの種類に拘らず共通の「海岸」を表示したが、これに限定されるものではなく、例えば時短モードの種類に応じた異なる時短背景を表示しても良い。
【0228】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの判定を条件に時短の獲得状態を判定したが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞することに基づいて取得したランダムカウンタR3の計測値が大当り値ではない特定値である場合に時短の獲得状態を判定する構成としても良い。
【0229】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短回数の表示消去および時短背景から通常背景への変更を「Nmax+1」回目の特別図柄の変動開始時に行ったが、これに限定されるものではなく、例えば「Nmax」回目の特別図柄の確定停止直後に行っても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、大当り図柄の確定停止に連動して大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に適用しても良い。この3種のパチンコ機は大当り図柄の確定表示に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(メイン制御装置から図柄制御装置に出力される表示制御コマンドと図柄表示装置の表示内容と特別図柄遊技の流れとの関係を示す図)
【図2】パチンコ機の全体構成を示す前面図
【図3】遊技盤を示す前面図
【図4】パチンコ機の全体構成を示す後面図
【図5】特別図柄始動口を示す斜視図(aは縮小状態を示す図、bは拡大状態を示す図)
【図6】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片がカウント状態に回動した様子を示す図)
【図7】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片が特定入賞状態に回動した様子を示す図)
【図8】賞球払出装置の内部構成を示す後面図
【図9】メイン制御装置の電気的構成を示す図
【図10】図柄制御装置の電気的構成を示す図
【図11】払出制御装置の電気的構成を示す図
【図12】スピーカ制御装置の電気的構成を示す図
【図13】ランプ制御装置の電気的構成を示す図
【図14】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図15】(a)はメイン制御装置が保有するランダムカウンタの一覧を示す図、(b)はメイン制御装置が保有するノーマルカウンタの一覧を示す図、(c)はメイン制御装置が保有するタイマの一覧を示す図
【図16】メイン制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図17】メイン制御装置のRAMのデータ格納エリアを示す図
【図18】メイン制御装置の特別図柄用データ取得処理を示すフローチャート
【図19】(a)は特別図柄用のカウンタデータエリアとカウンタとランプナンバーとの関係を示す図、(b)は普通図柄用のカウンタデータエリアとカウンタとの関係を示す図
【図20】メイン制御装置の普通図柄用データ取得処理を示すフローチャート
【図21】メイン制御装置の普通図柄用変動処理を示すフローチャート
【図22】(a)はランダムカウンタと普通図柄との関係を示す図、(b)は時間短縮の設定の有無と普通図柄用の変動パターンと変動表示時間との関係を示す図、(c)は時間短縮の設定の有無と特別図柄用の変動パターンと変動表示時間との関係を示す図
【図23】メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート
【図24】ランダムカウンタと大当り図柄,左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄との関係を示す図
【図25】メイン制御装置の外れリーチ図柄設定処理を示すフローチャート
【図26】メイン制御装置の完全外れ図柄設定処理を示すフローチャート
【図27】大当り用の変動パターンテーブルを示す図
【図28】外れリーチ用の変動パターンテーブルを示す図
【図29】メイン制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図30】メイン制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図31】メイン制御装置の大当り遊技開始処理を示すフローチャート
【図32】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図33】メイン制御装置の大当り終了表示処理を示すフローチャート
【図34】メイン制御装置の大当り終了処理を示すフローチャート
【図35】図柄制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図36】図柄制御装置のIRQ割込みプログラムを示すフローチャート
【図37】(a)は図柄制御装置のRAMのデータ格納エリアを示す図、(b)は大当り図柄の種類と時間短縮モードと時間短縮回数との関係を示す図
【図38】図柄制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図39】図柄制御装置の普通図柄変動表示処理を示すフローチャート
【図40】図柄制御装置の時短情報設定処理を示すフローチャート
【図41】図柄制御装置の特別図柄変動表示処理を示すフローチャート
【図42】表示パターンテーブルを示す図
【図43】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート(時間短縮の設定時)
【図44】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート(時間短縮の非設定時)
【図45】外れリーチ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図46】(a)は通常背景を示す図、(b)時短背景を示す図
【図47】図柄制御装置の大当り表示処理を示すフローチャート
【図48】(a)は大当り表示画面を示す図、(b)はラウンド表示画面を示す図
【図49】図柄制御装置の大当り終了表示処理を示すフローチャート
【図50】大当り終了表示画面を示す図
【図51】本発明の第2実施例を示す図(時短モードが抽選される様子を演出表示する画面を示す図)
【符号の説明】
Pはパチンコ球、30は特別図柄始動口(始動口)、37は大入賞口(入賞口)、61はメイン制御装置、62はCPU(大当り判定手段,可変回数設定手段,背景指令手段,大当り遊技手段,図柄設定手段,パラメータ設定手段)、70は図柄制御装置(サブ制御装置)、71はCPU(背景表示手段,計数表示手段,終了表示手段,大当り表示手段,可変回数表示手段,演出表示手段)、73はRAM(格納手段)を示している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特典付与の対象となる図柄の可変表示回数が特定状態の発生を条件に設定される構成の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記遊技機にはメイン制御装置が大当りの判定を条件に時間短縮回数を設定する構成のものがある。この時間短縮とは図柄が可変してから可変停止するまでの可変時間を通常より短く設定する機能であり、時間短縮回数の設定時には特典用背景の前方に時間短縮回数が表示されることに基づいて遊技者に特典の設定が報知され、時間短縮回数の消滅時には特典用背景が非特典用背景に切換わって時間短縮回数の表示が消去されることに基づいて遊技者に特典の非設定が報知される。この時間短縮回数は可変表示回数の一例であり、時間短縮回数の消去および特典用背景から非特典用背景への切換えはメイン制御装置から表示制御装置に別々の表示消去コマンドおよび背景変更コマンドを送信することに基づいて行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記遊技機の場合、携帯電話からの電気的ノイズおよびパチンコ球の帯電電荷による電気ノイズ等の多数の電気的ノイズが飛散する劣悪な環境下で使用されるので、例えば表示消去コマンドに電気的ノイズが乗り、特典用背景が非特典用背景に切換わったにも拘らず時間短縮回数の表示が消去されない不整合状態が発生する虞れがある。この遊技機は遊技者がパチンコホールの保有物を利用してゲームを行う使用形態であるので、不整合状態は遊技者の混乱を招くだけでなく、パチンコホールおよび遊技者間の争いの元凶になる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、背景が特典用から非特典用に切換わることに同期して可変表示回数の表示をノイズに影響されることなく消去できる遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される背景変更指令に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。尚、可変表示に係る信号とは、可変表示の開始を指令する可変表示指令,可変表示の停止を指令する可変停止指令,図柄の可変停止時の態様を指令する図柄指令,図柄の可変から可変停止に至る演出内容を指令する演出指令等、可変表示に係る全ての信号を含む用語である。また、特典とは大当りを称する用語ではなく大当り等の特定状態の発生を条件に獲得状態が判定されるものであり、大当りとは別個のものである。この特典の獲得状態はメイン制御装置が判定するものであり、サブ制御装置は特典の獲得状態を表示内容によって遊技者に報知するものである。▲1▼特典用背景を非特典用背景に変更する。
▲2▼可変表示回数の表示を消去する。
上記発明によれば、特典用背景から非特典用背景への変更および可変表示回数の表示消去が共通の背景変更指令に基づいて行われる。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、特典用背景から非特典用背景への変更および可変表示回数の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。従って、遊技者が不整合な表示内容に起因する混乱を起こすことが防止される上、パチンコホールおよび遊技者間で不整合な表示内容に起因する争いが起きることが防止される。
【0005】
請求項2に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置からの可変表示指令を検出することに基づいて可変表示回数を加算し、可変表示回数の加算結果を表示するところに特徴を有している。
上記発明によれば、図柄の可変表示を開始するための可変表示信号に基づいて可変表示回数の加算処理が行われる。このため、可変表示の開始と同時に可変表示回数を表示したり、可変表示の開始直後に可変表示回数を表示することができるので、現在の可変表示が何回目であるかを遊技者が認識し易くなる。
【0006】
請求項3に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される終了表示指令に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼大当り遊技の終了を表示する。
▲2▼特典用背景を表示する。
上記発明によれば、大当り遊技の終了表示および特典用背景の表示が共通の終了表示指令に基づいて行われる。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、特典用背景の表示が大当り遊技の終了表示を基準とした設定タイミングで行われるようになる。
【0007】
請求項4に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信される図柄の設定結果に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼可変表示回数の設定結果を大当り図柄の種類として間接的に表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を大当り図柄の種類に基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を数値等で直接的に表示する。この表示は大当り図柄が停止表示された後に行うことが好ましい。
上記発明によれば、可変表示回数の設定結果が大当り図柄の設定結果に基づいて判断され、可変表示回数の判断結果が表示される。このため、可変表示回数を表示する専用コマンドを別個に出力する場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、可変表示回数の設定結果を大当り図柄および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
【0008】
請求項5に係る発明は、サブ制御装置がメイン制御装置から送信されるパラメータの設定結果に基づいて下記▲1▼および▲2▼の両処理を行うところに特徴を有している。
▲1▼可変表示回数の設定結果をパラメータに応じた内容で演出表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を演出表示用のパラメータに基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を表示する。この表示は演出表示の終了後に行うことが好ましい。
上記発明によれば、可変表示回数の設定結果が演出表示用のパラメータに基づいて判断され、可変表示回数の判断結果が表示される。このため、可変表示回数を表示する専用データを別個に出力する場合に比べてノイズが乗る確率が低くなるので、可変表示回数の設定結果を絵柄を用いた演出および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図50に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図4に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図2に示すように、前面扉2が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この前面扉2は外枠1の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図5参照)が貯溜されている。また、上皿4の左端部には、図2に示すように、複数のスリット5が形成されている。これら複数のスリット5の後方にはスピーカ6が固定されており、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から複数のスリット5を通して前方の遊技者に効果音が出力される。
【0010】
前面扉2の前面には右下部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には、図4に示すように、発射モータ9が装着されており、発射モータ9の回転軸には、図2に示すように、打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が図2の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ9に電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
【0011】
前面扉2の前面には矩形状の窓枠11が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠11の内周面には透明なガラス窓12が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には、図3に示すように、遊技盤13が保持されており、遊技盤13は窓枠11のガラス窓12により前方から覆われている。
【0012】
前面扉2の前面には、図2に示すように、右側部に位置して枠鍵14が装着されており、枠鍵14は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠11を前面扉2の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、外レール15および内レール16が固定されており、打球槌10が弾いたパチンコ球Pは外レール15および内レール16間の発射通路17を通して上昇し、発射通路17の出口18から放出される。また、遊技盤13の前面には複数の障害釘19が打込まれており、遊技盤13内の上部に放出されたパチンコ球Pは障害釘19に当りながら落下する。
【0013】
遊技盤13の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナーランプカバー20が固定されている。これら各コーナーランプカバー20の後方には複数のコーナーランプ21(図9参照)が固定されており、各コーナーランプカバー20はコーナーランプ21が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー22が固定されている。これら各サイドランプカバー22の後方には複数のサイドランプ23(図9参照)が固定されており、各サイドランプカバー22はサイドランプ23が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、表示台板24が固定されており、表示台板24の上端部には4個の保留球ランプ25が固定されている。これら4個の保留球ランプ25は保留球表示器26を構成するものであり、横一列に配置されている。
【0014】
表示台板24には表示装置に相当する図柄表示装置27が固定されている。この図柄表示装置27はカラー液晶表示器からなるものであり、図柄表示装置27には特別図柄変動領域TEおよび普通図柄変動領域HEが設けられている。この普通図柄変動領域HEは図柄表示装置27の左下隅部に位置する狭領域を称するものであり、普通図柄変動領域HE内には普通図柄として数字図柄が横2列に表示される。また、特別図柄変動領域TEは普通図柄表示領域HEの残余部分に相当する広領域を称するものであり、特別図柄表示領域TE内には特別図柄として数字図柄が横3列に表示される。尚、特別図柄は図柄に相当するものである。
【0015】
遊技盤13には表示台板24の左斜め下方および右斜め下方に位置して普通図柄始動ゲート28が固定されている。これら各普通図柄始動ゲート28は上下面が開口するコ字枠状をなすものであり、各普通図柄始動ゲート28内にはゲートセンサ29(図9参照)が固定されている。これら各ゲートセンサ29は近接スイッチからなるものであり、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したことを検出して普通図柄始動信号を出力する。
【0016】
遊技盤13には、図3に示すように、両普通図柄始動ゲート28間に位置して特別図柄始動口30が固定されている。この特別図柄始動口30は始動口に相当するものであり、次のように構成されている。
【0017】
<特別図柄始動口30について>
遊技盤13には、図5の(a)に示すように、始動口台板31が固定されている。この始動口台板31は上面が開口するポケット状をなすものであり、始動口台板31には2枚の羽根板32が装着されている。これら両羽根板32は軸33を中心に回動可能にされたものであり、両羽根板32が垂直な縮小状態に回動しているときには、図5の(a)に示すように、始動口台板31の上面開口部がパチンコ球Pの直径寸法と同程度に幅狭化される。また、両羽根板32が傾斜した拡大状態に回動したときには、図5の(b)に示すように、始動口台板31の左右両側部のパチンコ球Pが羽根板32により補足され、羽根板32の傾斜に沿って始動口台板31内に転がり込む。
【0018】
始動口台板31の後面には始動口ソレノイド34が固定されている。この始動口ソレノイド34のプランジャには開閉機構(図示せず)を介して両羽根板32が機械的に連結されており、両羽根板32は始動口ソレノイド34の通断電に基づいて拡大状態および縮小状態に回動操作される。また、始動口台板31内には始動口センサ35(図9参照)が固定されている。この始動口センサ35は近接スイッチからなるものであり、始動口台板31内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。特別図柄始動口30は以上のように構成されている。
【0019】
遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口30の下方に位置して入賞口台板36が固定されており、入賞口台板36には、図6に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口37が形成されている。また、入賞口台板36には、図3に示すように、扉38が下端部の水平な軸39を中心に回動可能に装着されており、大入賞口37の前面は扉38が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図6に示すように、扉38が前方に倒れた水平状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口37は入賞口に相当するものである。
【0020】
入賞口台板37の後面には左側部に位置して大入賞口ソレノイド40が固定されている。この大入賞口ソレノイド40のプランジャには扉38が機械的に連結されており、扉38は大入賞口ソレノイド40のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口37内にはカウントセンサ43(図9参照)が固定されている。このカウントセンサ43は近接スイッチからなるものであり、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
【0021】
大入賞口37内には、図6に示すように、左側部および右側部に位置してカウント領域41および特定領域42が形成されている。これらカウント領域41および特定領域42は大入賞口37の奥壁に形成された孔からなるものであり、特定領域42内にはVセンサ44(図9参照)が固定されている。このVセンサ44は近接スイッチからなるものであり、特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してV信号を出力する。
【0022】
大入賞口37内には、図6に示すように、横長な矩形棒状の可動片45が装着されている。この可動片45は右方の特定領域42から左方のカウント領域41に向って下降するカウント状態(図6参照)および左方のカウント領域41から右方の特定領域42に向って下降する特定入賞状態(図7参照)間で回動可能にされたものであり、可動片45がカウント状態にあるときには大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の上面の傾斜に沿ってカウント領域41内に高確率で入賞し、可動片45が特定入賞状態にあるときには可動片45の上面の傾斜に沿って特定入賞領域42内に高確率で入賞する。
【0023】
入賞口台板36の後面には右側部に位置して可動片ソレノイド46が固定されている。この可動片ソレノイド46のプランジャには可動片45が機械的に連結されており、可動片ソレノイド46の断電時には可動片ソレノイド46のプランジャが可動片45を特定入賞状態に保持し、可動片ソレノイド46の通電時には可動片ソレノイド46のプランジャが可動片45をカウント状態に保持する。
【0024】
遊技盤13の後面には、図4に示すように、正方形状のセンタカバー47が配設されている。このセンタカバー47は前面が開口する容器状をなすものであり、センタカバー47の外周部には矩形枠状のメインセット48が配設されている。このメインセット48は前面扉2の後面に着脱可能に固定されたものであり、センタカバー47はメインセット48に着脱可能に固定されている。
【0025】
遊技盤13の後面には集合樋(図示せず)が固定されており、集合樋はセンタカバー47により後方から覆われている。この集合樋は特別図柄始動口30,大入賞口37のカウント領域41,大入賞口37の特定領域42に接続されており、特別図柄始動口30内に入賞したパチンコ球P,カウント領域41内に入賞したパチンコ球P,特定領域42内に入賞したパチンコ球Pは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋からメインセット48の入賞球通路(図示せず)を通して機外へ排出される。
【0026】
メインセット48の後面には、図4に示すように、上端部に位置して球タンク49が固定されている。この球タンク49は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク49内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット48の後面にはタンクレール50が固定されている。このタンクレール50は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール50の右端部は球タンク49内に接続されている。
【0027】
メインセット48の左側部には賞球払出装置51が着脱可能に装着されている。この賞球払出装置51はパチンコ球Pが特別図柄始動口30内および大入賞口37内に入賞することに基づいて上皿4内にパチンコ球Pを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
<賞球払出装置51について>
メインセット48には、図8に示すように、払出ケース52が着脱可能に固定されており、払出ケース52内には球通路53が形成されている。この球通路53の上端部はタンクレール50の出口に接続されており、球通路53内には球タンク49内からタンクレール50内を通してパチンコ球Pが一列に充填されている。この球通路53の上下方向中間部にはスプロケット54が軸55を中心に回動可能に装着されており、スプロケット54の外周部には凹状をなす複数の球受け部56が形成されている。
【0028】
払出ケース52内にはステッピングモータからなる払出モータ57(図11参照)が固定されている。この払出モータ57の回転軸にはスプロケット54の軸55が連結されており、払出モータ57の回転停止時にはスプロケット54の回動が払出モータ57の電磁力で拘束され、図8に実線で示すように、パチンコ球Pがスプロケット54の1個の球受け部56内に保持されている。この状態で払出モータ57の回転軸が単位量だけ回転すると、図8に二点鎖線で示すように、スプロケット54が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部56内から1個のパチンコ球Pが排出され、球通路53の下端部を通して払出ケース52の下方へ放出される。賞球払出装置51は以上のように構成されている。
【0029】
メインセット48には下皿通路(図示せず)が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置51の球通路53に接続されており、球通路53内から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路(図示せず)が設けられている。この上皿通路は上皿4に接続されており、賞球払出装置51から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿4内に払出される。
【0030】
前面扉2の前面には、図2に示すように、上皿4の下方に位置して下皿58が固定されている。この下皿58は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Pが上皿4内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿58内に払出される。
【0031】
メインセット48の後面には、図4に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス59が固定されている。このメイン基板ボックス59内には、図9に示すように、メイン基板60が収納されており、メイン基板60にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置61が搭載されている。このメイン制御装置61はCPU62,ROM63,RAM64,I/O65を有するものであり、ROM63には制御プログラムおよび制御データが記録されている。尚、メイン制御装置61のCPU62は大当り判定手段,可変回数設定手段,背景指令手段,大当り遊技手段,図柄設定手段,パラメータ設定手段に相当するものである。
【0032】
両ゲートセンサ29,始動口センサ35,カウントセンサ43,Vセンサ44はセンサ出力回路66を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このセンサ出力回路66はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は両ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号,始動口センサ35からの特別図柄始動信号,カウントセンサ43からのカウント信号,Vセンサ44からのV信号をセンサ出力回路66を介して検出する。
【0033】
始動口ソレノイド34,大入賞口ソレノイド40,可動片ソレノイド46はソレノイド駆動回路67を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路67はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は始動口ソレノイド34,大入賞口ソレノイド40,可動片ソレノイド46をソレノイド駆動回路67を介して通断電制御し、特別図柄始動口30の両羽根板32,大入賞口37の扉38,大入賞口37の可動片45を回動操作する。また、4個の保留球ランプ25はランプ駆動回路68を介してメイン制御装置61に電気的に接続されている。このランプ駆動回路68はメイン基板60に搭載されたものであり、メイン制御装置61のCPU62は4個の保留球ランプ25をランプ駆動回路68を介して通断電制御する。
【0034】
表示台板24の後面には、図10に示すように、図柄基板69が固定されている。この図柄基板69はセンタカバー47により後方から覆われたものであり、図柄基板69にはサブ制御装置に相当する図柄制御装置70が搭載されている。この図柄制御装置70はCPU71,ROM72,RAM73,VDP74,VROM75,VRAM76,I/O77を有するものであり、図柄制御装置70のROM72には表示制御プログラムおよび表示制御データが記録され、VROM75には表示プログラムおよび表示データが記録されている。尚、図柄制御装置70のCPU71は背景表示手段,計数表示手段,カウントアップ表示手段,終了表示手段,大当り表示手段,可変回数表示手段,演出表示手段に相当するものである。また、図柄制御装置70のRAM73は格納手段に相当するものである。
【0035】
図柄制御装置70にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されている。この図柄制御装置70はメイン制御装置61から表示制御コマンドおよび表示制御データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置70のCPU71はメイン制御装置61からの表示制御コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、VDP74に出力する。すると、VDP74は駆動コマンドに応じた表示データをVROM75から検出し、LCD駆動回路78を介して図柄表示装置27に駆動コマンドに応じた画面を表示する。このLCD駆動回路78は図柄基板69に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、VDP74が複数の図形と表示位置とを指定すれば、LCD駆動回路78が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置27に表示する。
【0036】
図柄制御装置70のVROM75には表示データとして複数の背景データ、複数の図柄データ、複数のキャラクタデータが記録されており、VDP74は背景データ,図柄データ,キャラクタデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じてLCD駆動回路78に指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
【0037】
メインセット48の後面には、図4に示すように、メイン基板ボックス59の前方に位置して払出基板ボックス79が固定されている。この払出基板ボックス79内には、図11に示すように、払出基板80が収納されており、払出基板80にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置81が搭載されている。この払出制御装置81はCPU82,ROM83,RAM84,I/O85を有するものであり、ROM83には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置81にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、払出制御装置81にはメイン制御装置61から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
【0038】
払出制御装置81にはモータ駆動回路86を介して払出モータ57が電気的に接続されている。このモータ駆動回路86は払出基板80に搭載されたものであり、払出制御装置81のCPU82はモータ駆動回路86を通して払出モータ57の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置81のCPU82がメイン制御装置61からの賞球データに基づいて調節するものであり、CPU82は払出モータ57の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置51から上皿4内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Pを賞品球として払出す。
【0039】
メインセット48の後面には音ランプ基板ボックス(図示せず)が固定されている。この音ランプ基板ボックス内には、図12に示すように、音ランプ基板87が収納されており、音ランプ基板87にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置88が搭載されている。このスピーカ制御装置88はCPU89,ROM90,RAM91,I/O92を有するものであり、ROM90にはスピーカ制御プログラムおよびスピーカ制御データが記録されている。このスピーカ制御装置88にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、スピーカ制御装置88にはメイン制御装置61からスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データが単方向で送信される。
【0040】
スピーカ制御装置88にはスピーカ駆動回路93を介してスピーカ6が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路93は音ランプ基板87に搭載されたものであり、スピーカ制御装置88のCPU89はスピーカ駆動回路93を通してスピーカ6から効果音を出力する。この効果音の出力はスピーカ制御装置88のCPU89がメイン制御装置61からのスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データに基づいて行うものであり、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6からスピーカ制御データに応じた効果音が出力される。
【0041】
音ランプ基板87には、図13に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置94が搭載されている。このランプ制御装置94はCPU95,ROM96,RAM97,I/O98を有するものであり、ROM96にはランプ制御プログラムおよびランプ制御データが記録されている。このランプ制御装置94にはメイン制御装置61がハーネスを介して電気的に接続されており、ランプ制御装置94にはメイン制御装置61からランプ制御コマンドおよびランプ制御データが単方向で送信される。
【0042】
ランプ制御装置94にはランプ駆動回路99を介して複数のコーナーランプ21および複数のサイドランプ23が電気的に接続されている。このランプ駆動回路99は音ランプ基板87に搭載されたものであり、ランプ制御装置94のCPU95はランプ駆動回路99を通して複数のコーナーランプ21および複数のサイドランプ23を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置94のCPU95がメイン制御装置61からのランプ制御コマンドおよびランプ制御データに基づいて行うものであり、コーナーランプ21およびサイドランプ23の駆動時にはコーナーランプカバー20およびサイドランプカバー22がランプ制御データに応じて電飾される。
【0043】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技者が上皿4内にパチンコ球Pを投入して発射ハンドル8を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤13内にパチンコ球Pが発射され、障害釘19に当りながら落下する。このパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、賞球払出装置51から設定個数(例えば5個)のパチンコ球Pが上皿4内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に各種の動画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【0044】
図柄表装置27の特別図柄変動領域TE内には左,中,右の各列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、各列の特別図柄が同時に変動開始する。この変動は各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下であり、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「9」→「10」→「1」→…のループ状である。
【0045】
各列の特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄が当該順序で仮停止し、左特別図柄および右特別図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左特別図柄および右特別図柄が特別図柄変動領域TE内で上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
【0046】
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する2個の特別図柄(具体的には左特別図柄および右特別図柄)の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には、下記に示すように、10種類が設定されており、「↓」は中特別図柄が変動中であることを示している。
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」,「9 ↓ 9」,「10 ↓ 10」
リーチの発生状態では図柄表示装置27に複数種のリーチアクションが選択的に表示される。このリーチアクションは最終の中特別図柄が何で仮停止するかを絵柄を用いて演出表示するアニメーション画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクションが出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
【0047】
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄に続けて最終の中特別図柄が仮停止し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が1本の水平な有効ラインに沿って特別変動領域TE内で静止した確定状態になる。これら3列の特別図柄の変動開始から確定確定に至る経過時間は変動表示時間(可変時間)と称されるものであり、3列の特別図柄の確定状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が遊技者に報知される。
【0048】
大当り図柄とは大当りを報知する3列の特別図柄の組合せを称するものであり、下記に示すように、大当り図柄には10通りが設定されている。また、完全外れ図柄はリーチすら発生しない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が同一で中特別図柄が相違するものである。
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」,「9 9 9」,「10 10 10」
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄は図柄制御装置70がメイン制御装置61からの表示制御コマンドを検出することに基づいて可変停止状態で表示するものであり、当該可変停止を確定停止と称する。仮停止は図柄制御装置70が自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を停止させることを称するものである。
【0049】
図柄表示装置27に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口37の扉38を開放し、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口37は上限個(例えば15個)のパチンコ球Pが入賞する個数条件または開放時間が上限値(例えば27秒)に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
【0050】
大入賞口37の個数条件および時間条件を基準とする開放動作はラウンド動作と称されるものであり、個数条件および時間条件が満足される間に大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したときにはラウンド動作が再開される。このラウンド動作には上限値が設定されており、ラウンド動作の繰返し回数が上限値に達したときには大当り遊技が終了する。また、個数条件または時間条件が満足される間に特定領域42内にパチンコ球Pが入賞しなかったときにはラウンド動作の繰返し回数が上限値に達してなくても大当り遊技が終了する。
【0051】
大当り遊技時には図柄表示装置27にラウンド表示が行われる。このラウンド表示は現在のラウンド数および大入賞口37に対するパチンコ球Pの入賞個数をラウンド背景の前方に表示することで行われるものであり、最終ラウンドの終了時には大当り終了表示が行われる。この大当り終了表示は大当り遊技の終了を遊技者に報知するものであり、ラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示することで行われる。
【0052】
大当り終了表示が終了すると、ラウンド背景が特典用背景に相当する時間短縮背景「海岸」に切換わることに基づいて時間短縮モードに突入したことが遊技者に報知される。この時間短縮モード(時短モードと称する)とは特別図柄の変動表示時間を通常より短く設定するモードを称するものであり、大当り遊技終了直後の変動表示を「1回目」として時短モードが適用される。この時短モードには第1の時短モードと第2の時短モードと第3の時短モードとが設定されており、第1の時短モードの設定時,第2の時短モードの設定時,第3の時短モードの設定時には時短が最大で「200回」の変動表示,「100回の」の変動表示,「50回」の変動表示に適用される。
【0053】
第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードは大当り図柄の種類に応じて振分けられるものであり、具体的には大当りが「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかで発生したときには第1の時短モードが設定される。また、大当りが「1 1 1」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかで発生したときには第2の時短モードが設定され、大当りが「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかで発生したときには第3の時短モードが設定される。
【0054】
時短モードの設定状態では時短回数が表示される。この時短回数表示は現在進行中の特別図柄の変動表示が何回目の時短変動であるかを遊技者に報知するものであり、メッセージ「時短N回目」で行われる。この時短回数表示は特別図柄の変動表示が開始されることに基づいて「1」ずつ加算されるものであり、時短回数表示が時短モードの種類に応じた最大回数に到達したときには時短背景「海岸」が非特典用背景に相当する通常背景「水中」に切換わり、遊技者に時短モードの終了が報知される。
【0055】
特別図柄の変動表示を即座に開始できない特別図柄の変動表示時,大当り表示時,大当り終了表示時等にパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したときには特別図柄の変動表示および変動表示に続く一連の遊技が4回を上限に保留される。保留球表示器26は当該保留回数を保留球ランプ25の点灯個数によって表示するものであり、特別図柄の変動表示が開始されたときには保留球ランプ25が消灯することによって保留回数の減少が報知される。
【0056】
遊技盤13内に発射されたパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過すると、普通図柄遊技が開始される。この普通図柄遊技は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動表示することに基づいて行われるものであり、普通図柄遊技の概略は次の通りである。
【0057】
図柄表装置27の普通図柄変動領域HE内には左,右の各列の普通図柄として「3,7」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過すると、各列の普通図柄が同時に変動開始する。これら各列の変動は普通図柄が「3」および「7」に交互に変化することを称するものであり、各列の普通図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左普通図柄および右普通図柄が同時に確定停止し、左普通図柄および右普通図柄の確定停止状態での組合せに応じて当りの発生の有無が報知される。これら左普通図柄および右普通図柄の変動開始から確定に至る変動時間は時短の設定状態に応じた固定値に設定されるものであり、具体的には時短の非設定時には「長値(58sec)」に設定され、時短の設定時には「短値(5sec)」に設定される。
【0058】
当り図柄には「3 3」および「7 7」の2通りが設定されており、当りの発生時には特別図柄始動口30の両羽根板32が傾斜状態に回動することに基づいて特別図柄始動口30が拡大される。この特別図柄始動口30の拡大時間は時短の設定状態に応じた異なる値に設定されるものであり、具体的には時短の非設定時には特別図柄始動口30が「短値(0.7sec)」だけ拡大状態に保持され、時短の設定時には特別図柄始動口30が「長値(3.5sec)」だけ拡大状態に保持される。
【0059】
次にメイン制御装置61および図柄制御装置70の内部処理を図14〜図50に基づいて説明する。
<メイン制御装置61の内部処理について>
メイン制御装置61のCPU62は電源が投入されると、図14のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップS1〜S3の実行後にステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すものであり、CPU62はステップS1へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
【0060】
CPU62は割込み禁止を設定すると、ステップS2へ移行し、ランダムカウンタR1〜R12の計測値,ノーマルカウンタN1〜N5の計測値,タイマT1〜T5の計測値,各種フラグの設定結果,大当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果,時短の設定結果,当りの判定結果,普通図柄の設定結果等のRAM64の全データおよびI/O65を初期設定する。そして、ステップS3で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すことに基づいてランダムカウンタR4,R6,R7,R8,R10を更新する。
【0061】
ランダムカウンタR4は、図15の(a)に示すように、大当り判定用のランダムカウンタR3の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタR4はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「952」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR6は左特別図柄を「1〜10」の左特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR6はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0062】
ランダムカウンタR7は中特別図柄を「1〜10」の中特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR7は左特別図柄用のランダムカウンタR6が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR8は右特別図柄を「1〜10」の右特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR8は中特別図柄用のランダムカウンタR7が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR10は当り図柄を「3」および「7」の当り図柄群の中から選択するものである。このランダムカウンタR10はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0063】
図16のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置61のCPU62はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS11の出力監視処理〜ステップS24の大当り終了処理を有するものであり、ステップS11の出力監視処理〜ステップS17の普通図柄用変動処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップS18の制御データ設定処理〜ステップS24の大当り終了処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
【0064】
(1)出力監視処理
メイン制御装置61のCPU62は各ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号の有無,始動口センサ35からの特別図柄始動信号の有無,カウントセンサ43からのカウント信号の有無,Vセンサ44からのV信号の有無をセンサ出力回路66を介して検出し、検出結果をRAM64の出力監視エリアに格納する。この出力監視エリアには、図17に示すように、特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部,V信号記録部が形成されており、特別図柄始動信号の有無,普通図柄始動信号の有無,カウント信号の有無,V信号の有無は出力監視エリアの特別図柄始動信号記録部,普通図柄始動信号記録部,カウント信号記録部,V信号記録部に記録される。この出力監視処理はタイマ割込が発生する4msec毎に行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは4msec毎に更新される。
【0065】
(2)カウンタ更新処理
図16のステップS12のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62はステップS12のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R5,R9,R11,R12を更新する。
【0066】
ランダムカウンタR1は、図15の(a)に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から確定に至る間は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「222」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0067】
ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタR3が上限値に達したときにはランダムカウンタR4の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタR3がランダムカウンタR4の取得値から上限値「952」に加算される。即ち、ランダムカウンタR3は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値R4から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値R4に戻って加算されるものである。
【0068】
ランダムカウンタR4は、上述したように、ランダムカウンタR3の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に加算され且つメインプログラムの1ループ毎に加算される。
ランダムカウンタR5は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「1〜10」の中から選択するものである。このランダムカウンタR5はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0069】
ランダムカウンタR9は当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR9はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR11は左普通図柄を「3,7」の左普通図柄群の中から選択するものであり、外れの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR11はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0070】
ランダムカウンタR12は右普通図柄を「3,7」の右普通図柄群の中から選択するものであり、外れの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR12は左普通図柄用のランダムカウンタR11が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「1」に加算された後に「0」に戻って加算される。
(3)賞球信号処理
図16のステップS13の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は出力監視エリアの格納データに基づいて特別図柄始動信号の有無およびカウント信号の有無を判断する。ここで特別図柄始動信号およびカウント信号を検出したときには払出制御装置81に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
【0071】
(4)特別図柄用データ取得処理
図16のステップS14の特別図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は特別図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したことを条件にランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を取得し、RAM64の特別図柄用カウンタデータエリア(図17参照)に格納する。
【0072】
CPU62は図18のステップS31へ移行すると、始動口センサ35からの特別図柄始動信号の有無を検出する。この特別図柄始動信号の有無はRAM64の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU62は出力監視エリアに特別図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS32へ移行し、カウンタN1を上限値「4」と比較する。このカウンタN1はパチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞個数を計測するものであり、CPU62は「N1<4」を検出したときにはステップS33でランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を検出し、ステップS34でカウンタN1に「1」を加算する。
【0073】
カウンタN1には、図19の(a)に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して特別図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E4が割付けられており、CPU62は図18のステップS35へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R8の取得結果をカウンタN1の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN1の計測値が「1」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「1」に対応する保留データ記録部E1に格納される。また、計測値が「3」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「3」に対応する保留データ記録部E3に格納される。
【0074】
(5)特別図柄用保留球処理
図16のステップS15の特別図柄用保留球処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は特別図柄用保留球処理でカウンタN1の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ25を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
【0075】
保留球ランプ25には図3の左から順にランプナンバー「RP1」,「RP2」,「RP3」,「RP4」が割付けられている。カウンタN1の計測値「1」〜「4」には、図19の(a)に示すように、ランプナンバー「RP1」〜「RP4」が割付けられており、CPU62は特別図柄用保留球処理へ移行すると、カウンタN1の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ25を点灯する。
【0076】
例えばカウンタN1の計測値が「3」の状態では「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯している。この状態で特別図柄始動口30内に1個のパチンコ球Pが入賞したときにはカウンタN1が「3」から「4」に加算され、「N1=4」に対応する4個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「3」から 「4」に増えたことが報知される。この状態で特別図柄の変動表示が開始されたときには、後述するように、カウンタN1が「4」から「3」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「4」から「3」に減ったことが報知される。
【0077】
(6)普通図柄用データ取得処理
図16のステップS16の普通図柄用データ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は普通図柄用データ取得処理でパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したことを条件にランダムカウンタR9〜R12の現在の計測値を取得し、RAM64の普通図柄用カウンタデータエリア(図17参照)に格納する。
【0078】
CPU62は図20のステップS41へ移行すると、ゲートセンサ29からの普通図柄始動信号の有無を検出する。この普通図柄始動信号の有無はRAM64の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU62は出力監視エリアに普通図柄始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS42へ移行し、カウンタN2を上限値「4」と比較する。このカウンタN2はパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート28に対する通過個数を計測するものであり、CPU62は「N2<4」を検出したときにはステップS43でランダムカウンタR9〜R12の現在の計測値を検出し、ステップS44でカウンタN2に「1」を加算する。
【0079】
カウンタN2には、図19の(b)に示すように、計測値「1」〜「4」に対応して普通図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E11〜E14が割付けられており、CPU62は図20のステップS45へ移行すると、ランダムカウンタR9〜R12の取得結果をカウンタN2の計測値に対応する記録部に格納する。例えばカウンタN2の計測値が「2」であるときにはランダムカウンタR9〜R12の取得結果が計測値「2」に対応する保留データ記録部E12に格納され、計測値が「4」であるときにはランダムカウンタR9〜R12の取得結果が計測値「4」に対応する保留データ記録部E14に格納される。
【0080】
(7)普通図柄用変動処理
図16のステップS17の普通図柄用変動処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置61のCPU62は普通図柄用変動処理で当りおよび外れを振分け、当り図柄および外れ図柄を設定する。
CPU62は図21のステップS51で始動口フラグの設定状態を判断する。この始動口フラグは特別図柄始動口30の現在の状態を示すものであり、CPU62は始動口フラグに縮小中がセットされていることを検出したときには特別図柄始動口30が縮小状態にあると判断し、ステップS52へ移行する。
【0081】
CPU62はステップS52へ移行すると、普通図柄変動フラグの設定状態を判断する。この普通図柄変動フラグは普通図柄の変動状態を示すものであり、CPU62は普通図柄変動フラグが停止中にセットされていることを検出したときには普通図柄が変動停止していると判断し、ステップS53へ移行する。
CPU62はステップS53へ移行すると、カウンタN2を「0」と比較する。このカウンタN2は、上述したように、普通図柄遊技用のランダムカウンタR9〜R12の格納状態を示すものであり、CPU62は「N2>0」を検出したときにはランダムカウンタR9〜R12がRAM64に格納されていると判断し、ステップS54へ移行する。
【0082】
CPU62はステップS54へ移行すると、RAM64の保留データ記録部E11からランダムカウンタR9を検出し、30個の当り値「3〜32」と比較する。ここでランダムカウンタR9が30個の当り値のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、30個の当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、判定結果をRAM64の当りエリア(図17参照)に格納する。即ち、当りは時短の設定の有無に拘らず固定的な一定確率「30/33」で判定されるものである。
【0083】
CPU62は当りおよび外れの判定結果をRAM64の当りエリアに格納すると、図21のステップS55で普通図柄を設定する。この普通図柄の設定処理は当りおよび外れの判定結果に応じた異なる態様で行われるものであり、詳細は次の通りである。
【0084】
(7−1)当り判定時の普通図柄設定処理
メイン制御装置61のROM63には当り図柄テーブルが記録されている。この当り図柄テーブルは、図22の(a)に示すように、当り図柄とランダムカウンタR10との関係を示すものであり、メイン制御装置61のCPU62は図21のステップS55へ移行すると、当り図柄テーブルからランダムカウンタR10に応じた当り図柄を検出し、左普通図柄および右普通図柄を同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR10が「0」であるときには数字図柄「3」が検出され、左普通図柄および右普通図柄が同一の検出図柄「3」に設定される。
【0085】
(7−2)外れ判定時の普通図柄設定処理
メイン制御装置61のROM63には左普通図柄テーブルが記録されており、左普通図柄テーブルには、図22の(a)に示すように、左普通図柄とランダムカウンタR11との対応関係が記録されている。また、メイン制御装置61のROM63には右普通図柄テーブルが記録されており、右普通図柄テーブルには、図22の(a)に示すように、右普通図柄とランダムカウンタR12との対応関係が記録されている。
【0086】
メイン制御装置61のCPU62は図21のステップS55へ移行すると、左普通図柄テーブルおよび右普通図柄テーブルからランダムカウンタR11およびR12に応じた左普通図柄および右普通図柄を選択する。そして、左普通図柄の選択結果および右普通図柄の選択結果を比較し、両者が相違しているときには左普通図柄および右普通図柄を選択結果で確定する。また、両者が同一であるときには右普通図柄を変更し、左普通図柄および右普通図柄を選択結果および変更結果で確定する。例えば左普通図柄の選択結果および右普通図柄の選択結果が「33」であるときには右普通図柄が「7」に変更され、左普通図柄および右普通図柄が「3 7」で確定する。
【0087】
CPU62は普通図柄を設定すると、図21のステップS56でRAM64の時間短縮エリア(図17参照)を参照する。この時間短縮エリアは時間短縮の設定状態が格納されるものであり、CPU62は時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されていることを検出したときには時短中であると判断し、図22の(b)に示すように、変動パターンを「101」に設定する。また、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されていることを検出したときには時短中でないと判断し、変動パターンを「102」に設定する。
【0088】
CPU62は変動パターンを設定すると、図21のステップS57で変動表示時間を設定する。この変動表示時間は普通図柄の変動開始から確定停止に至る所要時間を称するものであり、図22の(b)に示すように、変動パターン「101」が設定された時短中には「T101(例えば5sec)」に設定され、変動パターン「102」が設定された非時短中には「T102(例えば58sec)」に設定される。
【0089】
CPU62は変動表示時間を設定すると、図21のステップS58でタイマT1を「0」にリセットする。このタイマT1は普通図柄の変動開始時を基準とする経過時間(普通図柄の変動表示時間)を計測するものであり、CPU62はタイマT1をリセットすると、ステップS59で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS60で表示制御コマンドとして図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして左普通図柄の設定結果と右普通図柄の設定結果と変動パターンの設定結果とを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と普通図柄の設定結果とをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて普通図柄の変動表示を開始する。
【0090】
CPU62は図柄制御装置70に図柄制御コマンド等を出力すると、ステップS61でタイマT1をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置70が図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄の変動表示を行っており、タイマT1は普通図柄の変動表示時を起点とする経過時間を計測することになる。
【0091】
CPU62はタイマT1をスタートさせると、ステップS62でRAM64の普通図柄用カウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E11〜E13に保留データ記録部E12〜E14の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E11だけにランダムカウンタR9〜R12が格納されているときには保留データ記録部E11に保留データ記録部E12のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E11のランダムカウンタR9〜R12が消去される。また、保留データ記録部E11〜E14の全てにランダムカウンタR9〜R12が格納されているときには保留データ記録部E12〜E14のランダムカウンタR9〜R12が前段の保留データ記録部E11〜E13に移動され、保留データ記録部E14にデフォルトデータが記録される。
【0092】
即ち、次回の普通図柄用変動処理では保留データ記録部E12に格納されていたランダムカウンタR9〜R12に基づいて当りの判定,普通図柄の設定,変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E13に格納されていたランダムカウンタR9〜R12に基づいて当りの判定,図柄の設定,変動パターンの設定等が行われる。
【0093】
CPU62は普通図柄用カウンタデータエリアを整理すると、図21のステップS63でカウンタN2から「1」を減算し、ステップS64で普通図柄変動フラグに変動中をセットする。このカウンタN2は、上述したように、普通図柄始動ゲート28に対するパチンコ球Pの通過個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンド等が出力された普通図柄の変動開始直後にはカウンタN2が減算され、カウンタN2が上限値まで加算されていたときでもカウンタN2に加算の余地が生成される。このカウンタN2の減算状態では普通図柄用カウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で普通図柄始動信号有りが記録されたときには普通図柄用データ取得処理でカウンタN2が加算され、普通図柄用カウンタデータエリアにランダムカウンタR9〜R12が新たに格納される。
【0094】
CPU62は図21のステップS52で普通図柄変動フラグに変動中がセットされていることを検出すると、ステップS65で変動表示時間用のタイマT1の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT1の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS66でタイマT1を停止し、変動表示時間の計測を終える。
【0095】
CPU62はタイマT1を停止すると、ステップS67で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS68で表示制御コマンドとして確定停止コマンドを出力する。そして、ステップS69へ移行し、普通図柄変動フラグに停止中をセットすることに基づいて普通図柄の変動停止を記録する。この確定停止コマンドは図柄制御装置70に普通図柄の変動停止を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で確定停止コマンドを検出し、左普通図柄および右普通図柄を変動状態から静止した確定状態に切換える。
【0096】
CPU62は普通図柄の変動停止を記録すると、ステップS70でRAM64の当りエリアに当りの判定結果および外れの判定結果のいずれが格納されているかを検出する。ここで当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS71へ移行し、タイマT2を「0」にリセットする。このタイマT2は特別図柄始動口30の拡大時間を計測するものであり、CPU62はタイマT2をリセットすると、ステップS72で始動口ソレノイド34に駆動電源を印加することに基づいて両羽根板32を傾斜状態に回動操作し、特別図柄始動口30を拡大する。
【0097】
CPU62は特別図柄始動口30を拡大すると、ステップS73でタイマT2をスタートさせることに基づいて特別図柄始動口30の拡大時間を計測開始する。そして、ステップS74へ移行し、始動口フラグに拡大中をセットすることに基づいて特別図柄始動口30の拡大を記録する。
【0098】
CPU62はステップS51で始動口フラグに拡大中がセットされていることを検出すると、特別図柄始動口30が拡大状態にあると判断する。そして、ステップS75へ移行し、拡大時間用タイマT2の計測値を拡大時間の設定結果と比較する。この拡大時間は時短の非設定時に短値(0.7sec)に設定され、時短の設定時に長値(3.5sec)に設定されるものであり、CPU62はタイマT2の計測値が設定値に達していることを検出すると、ステップS76で始動口ソレノイド34を断電することに基づいて特別図柄始動口30を縮小する。 CPU62は特別図柄始動口30を縮小すると、ステップS77で拡大時間用タイマT2を停止することに基づいて拡大時間の計測を終え、ステップS78で始動口フラグに縮小中をセットすることに基づいて特別図柄始動口30の縮小を記録する。
【0099】
即ち、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート28内を通過したときには図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄が変動表示される。この変動表示時間は時短の設定時に短値に設定され、時短の非設定時に長値に設定されるものであり、変動表示時間の経過時には普通図柄が外れの組合せ(「3 7」,「73」)または当りの組合せ(「3 3」,「7 7」)で変動停止する。
【0100】
普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口30が拡大される。この拡大時間は時短の設定時に長値に設定され、時短の非設定時に短値に設定されるものであり、パチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞個数は時短の設定の有無に応じて調節される。これら普通図柄の変動表示中および特別図柄始動口30の拡大中には普通図柄始動ゲート28内をパチンコ球Pが通過してもステップS54の当り判定処理が実行されず(保留球の発生)、当り判定処理は普通図柄の変動停止および特別図柄始動口30の縮小の双方を条件に実行される。
【0101】
(8)制御データ設定処理
図16のステップS18の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には時短の獲得状態を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の1回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
【0102】
CPU62は図23のステップS101でカウンタN1を「0」と比較する。このカウンタN1は、上述したように、特別図柄遊技用のランダムカウンタR1〜R8の格納状態を示すものであり、CPU62は「N1>0」を検出したときにはランダムカウンタR1〜R8がRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアに格納されていると判断し、ステップS102へ移行する。
【0103】
CPU62はステップS102へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3を検出し、3個の大当り値「17,401,727」と比較する。ここでランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、RAM64の大当りエリア(図17参照)に外れの判定結果を格納する。また、ランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、RAM64の大当りエリアに大当りの判定結果を格納する。尚、RAM64の大当りエリアは大当りおよび外れの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【0104】
CPU62は大当りおよび外れの判定結果をRAM64の大当りエリアに格納すると、図23のステップS103へ移行する。ここで、大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを判断し、大当りが格納されていることを検出したときにはステップS104へ移行する。
【0105】
メイン制御装置61のROM63には大当り図柄テーブルが記録されている。この大当り図柄テーブルは、図24に示すように、ランダムカウンタR5と大当り図柄との関係を示すものであり、CPU62は図23のステップS104へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR5を検出する。そして、大当り図柄テーブルからランダムカウンタR5に応じた数字図柄を検出し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR5が「6」であるときには数字図柄 「7」が検出され、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とが同一の検出図柄 「7」に設定される。
【0106】
CPU62は図23のステップS105へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出し、大当り図柄の設定結果に基づいて時短の獲得状態を判定する。そして、時短の判定結果に基づいて時短回数の上限値Nmaxを設定し、RAM64の時間短縮エリアに時短の判定結果および時短回数の上限値Nmaxを格納する。例えば大当り図柄の設定結果が「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかであるときには第1の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「200回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第1の時短モードおよび時短回数「200回」を記録する。
【0107】
また、大当り図柄の設定結果が「1 1 1」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかであるときには第2の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「100回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第2の時短モードおよび時短回数「100回」を記録する。また、大当り図柄の設定結果が「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかであるときには第3の時短モードの獲得と判定し、上限値Nmaxを「50回」に設定する。そして、時間短縮エリアに第3の時短モードおよび時短回数「50回」を記録する。即ち、第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードは大当りの発生を条件に振分けられるものであり、振分け確率は第1の時短モードが「2/10」,第2の時短モードが「3/10」,第3の時短モードが「5/10」に設定されている。
【0108】
CPU62は図23のステップS103でRAM64の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS106へ移行する。ここでRAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR2を検出し、19個のリーチ値「5,11,23,31,43,53,61,79,89,97,113,127,139,149,157,163,173,181,193」と比較する。ここでランダムカウンタR2が19個のリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、19個のリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、判定結果をRAM64の外れリーチエリア(図17参照)に格納する。尚、外れリーチエリアは完全外れおよび外れリーチの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【0109】
CPU62は外れリーチおよび完全外れの判定結果を外れリーチエリアに格納すると、図23のステップS107へ移行し、外れリーチエリアに外れリーチおよび完全外れのいずれの判定結果が格納されているかを検出する。ここで外れリーチの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS108で外れリーチ図柄を設定し、完全外れの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS109で完全外れ図柄を設定する。
【0110】
外れリーチ図柄および完全外れ図柄は原則的にランダムカウンタR6〜R8に基づいて設定されるものであり、ランダムカウンタR6〜R8が外れリーチ図柄および完全外れ図柄を構成しない組合せであるときには図柄の組合せを変更することに基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄が設定される。以下、外れリーチ図柄および完全外れ図柄の設定方法について説明する。
【0111】
(8−1)外れリーチ図柄の設定
メイン制御装置61のROM63には左特別図柄テーブル,中特別図柄テーブル,右特別図柄テーブルが記録されており、左特別図柄テーブルには、図24に示すように、左特別図柄とランダムカウンタR6との対応関係が記録され、中特別図柄テーブルには中特別図柄とランダムカウンタR7との対応関係が記録され、右特別図柄テーブルには右特別図柄とランダムカウンタR8との対応関係が記録されている。
【0112】
メイン制御装置61のCPU62は図25のステップS211へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0113】
CPU62は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS212で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS213へ移行し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで3者が同一であることを検出したときにはステップS214へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0114】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「11 1」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」が検出される。そして、ステップS214で中特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。尚、「10」の「+1」図柄は「1」である。
【0115】
CPU62はステップS212で左特別図柄の選択結果と右特別図柄の選択結果とが相違していることを検出すると、ステップS215へ移行し、左特別図柄を右列にコピーする。次に、ステップS213で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」を検出したときにはステップS214へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0116】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 4」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが判断される。そして、ステップS215で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 2 1」に変更される。この場合にはステップS213で「NO」と判断され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 2」であるときにはステップS212で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出される。そして、ステップS215で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 1 1」に変更される。この場合にはステップS214で中特別図柄が「1」から「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。
【0117】
(8−2)完全外れ図柄の設定
メイン制御装置61のCPU62は図26のステップS221でRAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0118】
CPU62は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS222で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS223へ移行し、中特別図柄を右列にコピーする。そして、ステップS224で左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較し、3者が同一であることを検出したときにはステップS225で右特別図柄を「+1」図柄に変更する。例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「12 2」であるときにはステップS222で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。
【0119】
左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS222で「左特別図柄=右特別図柄」であることが検出される。そして、ステップS223で中特別図柄「2」が右特別図柄にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 2 2」に変更される。この場合にはステップS224で「NO」と判断され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 1」であるときにはステップS223で中特別図柄「1」が右列にコピーされても左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 1 1」から変らない。この場合にはステップS225で右特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、完全外れ図柄「1 1 2」が確定する。
【0120】
CPU62は図23のステップS110へ移行すると、RAM64の特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1を検出し、ランダムカウンタR1に基づいて変動パターンを設定する。この変動パターンは左特別図柄〜右特別図柄の組合せが決まる様子をどのような演出内容で表示するかを設定するパラメータとして機能するものであり、下記に示すように、大当り,外れリーチ,完全外れの判定結果に応じた異なる態様で設定される。
【0121】
(8−3)大当り判定時の変動パターン設定
メイン制御装置61のROM63には、図27に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンとの関係を示すものであり、CPU62は図23のステップS110へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」であるときには変動パターン「34」が検出され、変動パターンが「34」に設定される。
【0122】
(8−4)外れリーチ判定時の変動パターン設定
メイン制御装置61のROM63には、図28に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔSとランダムカウンタR1と変動パターンとの関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔSとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中特別図柄−左特別図柄」を称する。
【0123】
CPU62は図23のステップS110へ移行すると、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 2 10」であるときには変動パターン「3」が設定される。
【0124】
(8−5)完全外れ判定時の変動パターン設定
CPU62は完全外れの判定時には図23のステップS110で変動パターンを「0」または「1」に設定する。この変動パターンの振分けは時短の設定状態に応じて行われるものであり、図22の(c)に示すように、時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されている時短中には変動パターン「0」が一義的に設定され、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されている非時短中には変動パターン「1」が一義的に設定される。
【0125】
変動パターンには、図22の(c),図27,図28に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左特別図柄〜右特別図柄の変動開始から確定に至る所要時間を称するものであり、CPU62は図23のステップS111へ移行すると、変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間を選択し、ステップS112で遊技制御フラグを変動表示処理に設定する。
【0126】
(9)変動表示処理
図16のステップS19の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は変動表示処理で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて変動表示を開始する。
【0127】
CPU62は図29のステップS121でタイマT3を「0」にリセットし、ステップS122で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS123で表示制御コマンドとして可変表示指令に相当する図柄制御コマンドを出力し、表示制御データとして直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンと直前の制御データ設定処理で設定した左特別図柄〜右特別図柄とを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
【0128】
CPU62はステップS123で図柄制御コマンド等を出力すると、ステップS124でタイマT3をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置70のCPU71が図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に特別図柄の変動表示を行っており、タイマT3は特別図柄の変動表示の開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
【0129】
CPU62はタイマT3をスタートさせると、ステップS125でカウンタN3に「1」を加算する。このカウンタN3は、後述するように、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に大当り図柄が確定表示されることに基づいて「0」にリセットされるものであり、特別図柄の変動表示回数を大当り遊技直後の変動表示を1回目として計測するものである。
【0130】
CPU62は特別図柄の変動表示回数を加算すると、ステップS126でRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアを整理する。この処理は保留データ記録部E1〜E3に保留データ記録部E2〜E4の格納データを上書きするものであり、例えば保留データ記録部E1だけにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E1に保留データ記録部E2のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E1のランダムカウンタR1〜R8が消去される。また、保留データ記録部E1〜E4の全てにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E2〜E4のランダムカウンタR1〜R8が前段の保留データ記録部E1〜E3に移動され、保留データ記録部E4にデフォルトデータが記録される。
【0131】
即ち、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部E2に格納されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当りの判定,特別図柄の設定,変動パターンの設定等が行われ、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E3に格納されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当りの判定,特別図柄の設定,変動パターンの設定等が行われる。
【0132】
CPU62はRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアを整理すると、図29のステップS127でカウンタN1から「1」を減算し、ステップS128で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。このカウンタN1は、上述したように、特別図柄始動口30に対するパチンコ球Pの入賞個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンドが出力された特別図柄の変動開始直後にはカウンタN1が減算され、カウンタN1が上限値まで加算されていたときでもカウンタN1に加算の余地が生成される。このカウンタN1の減算状態ではRAM64の特別図柄用カウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で特別図柄始動信号有りが記録されたときには特別図柄用データ取得処理でカウンタN1が加算され、特別図柄用カウンタデータエリアにランダムカウンタR1〜R8が新たに格納される。
【0133】
(10)全図柄停止処理
図16のステップS20の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は全図柄停止処理で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドを出力し、変動表示を終了させる(図柄確定)。
【0134】
CPU62は図30のステップS131でタイマT3の計測値を特別図柄の変動表示時間の設定結果と比較する。このタイマT3は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU62はタイマT3の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS132でタイマT3を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
【0135】
CPU62は変動表示時間の計測を終えると、ステップS133で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS134で表示制御コマンドとして図柄確定指令および可変停止指令に相当する全図柄停止コマンドを出力する。この変動表示時間の経過時点では左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
【0136】
CPU62は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS135でRAM64の大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを検出する。ここで大当りの判定結果が格納されていることを検出したときにはステップS136へ移行し、カウンタN3に「0」をセットすることに基づいて特別図柄の変動表示回数を「0」にリセットする。そして、ステップS137へ移行し、遊技制御フラグに大当り遊技開始処理をセットする。
【0137】
CPU62はステップS135でRAM64の大当りエリアに外れの判定結果が格納されていることを検出すると、ステップS138で時短中であるか否かを判断する。例えばRAM64の時間短縮エリアに第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードのいずれかが格納されていることを検出したときには時短中であると判断し、ステップS139へ移行する。
【0138】
CPU62はステップS139へ移行すると、変動表示回数用のカウンタN3の計測値を時間短縮エリアの時短回数Nmaxと比較する。この時短回数Nmaxは直前の大当り発生時に時短の獲得状態に応じて「200回」,「100回」,「50回」のいずれかに設定されたものであり、CPU62は「N3=Nmax」を検出したときにはステップS140へ移行し、RAM64の時間短縮エリアに時短の非設定を格納することに基づいて時短モードを解除する。即ち、時短は大当りが発生することなく変動表示回数が上限値Nmaxに達することに基づいて強制的に解除されるものである。
【0139】
CPU62は時短モードを解除すると、ステップS141で図柄表示装置70にINT信号を出力し、ステップS142で表示制御コマンドとして第2の背景変更指令に相当する背景復帰コマンドを出力する。そして、ステップS143へ移行し、遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。すると、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で背景復帰コマンドを受信し、特別図柄変動領域TE内の背景を切換える。この背景復帰コマンドの出力時には特別図柄変動領域TE内に時短背景「海岸」が表示されており、図柄制御装置70のCPU71は背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短背景「海岸」を通常背景「水中」に切換える。また、背景復帰コマンドの出力時には特別図柄変動領域TE内に時短回数が表示されており、図柄制御装置70のCPU71は背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数の表示を消去する。
【0140】
(11)大当り遊技開始処理
図16のステップS21の大当り遊技開始処理は遊技制御フラグが大当り遊技開始処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は図31のステップS151でVフラグを特定入賞状態にセットし、ステップS152で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS153で表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、ステップS154で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。
【0141】
大当り表示コマンドは図柄制御装置70に大当り表示の実行を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で大当り表示コマンドを受信することに基づいて図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に大当り表示を行う。この大当り表示は遊技者に大当りの発生を大当り図柄とは別の態様で報知するものであり、具体的にはメッセージ「やったね!!大当り」が表示される。
【0142】
(12)大当り遊技処理
図16のステップS22の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置71のCPU72は大当り遊技処理の中でラウンド動作を実行し、図柄制御装置70に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にラウンド表示を行う。
【0143】
CPU62は図32のステップS161へ移行すると、大入賞口37の開放状態を判断する。この大入賞口37の開放状態は開放フラグの設定状態に基づいて判断されるものであり、CPU62は開放フラグが閉鎖状態にセットされていることを検出したときには大入賞口37が閉鎖されていると判断し、ステップS162へ移行する。
【0144】
CPU62はステップS162へ移行すると、Vフラグの設定状態を判断する。このVフラグは大当り遊技開始処理の中で特定入賞状態にセットされたり、大当り遊技処理中に大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞することに基づいて特定入賞状態にセットされるものであり、CPU62はVフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出したときにはステップS163へ移行し、カウンタN4を上限値「14」と比較する。このカウンタN4は大入賞口37の開放回数(ラウンド動作の繰返し回数)を計測するものであり、CPU62は「N4≦14」を検出したときにはステップS164でカウンタN4に「1」を加算し、ステップS165でタイマT4を「0」にリセットする。このタイマT4は大入賞口37の開放時間を計測するものであり、CPU62はタイマT4をリセットすると、ステップS166へ移行する。
【0145】
CPU62はステップS166へ移行すると、図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS167で表示制御コマンドとしてラウンド表示コマンドを出力し、表示制御データとしてラウンド表示データを出力する。このラウンド表示データはカウンタN4の現在の計測値を有するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中でラウンド表示コマンドおよびラウンド表示データを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にラウンド表示を行う。このラウンド表示はラウンド数(カウンタN4)に応じたラウンド背景を表示するものであり、ラウンド背景の前方には現在のラウンド数(=カウンタN4)が数値で表示される。
【0146】
CPU62はラウンド表示コマンド等を出力すると、ステップS168で大入賞口ソレノイド40に駆動電源を印加し、大入賞口37を開放する(ラウンド動作の開始)。これにより、パチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
CPU62は大入賞口37を開放すると、ステップS169で可動片ソレノイド46の駆動電源を遮断し、可動片45を特定入賞状態に回動操作する。この特定入賞状態では可動片45が大入賞口37のカウント領域41から特定領域42に向って下降傾斜し、大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の傾斜に沿って特定領域42内に高確率で案内される。
【0147】
CPU62は可動片45を特定入賞状態に回動操作すると、ステップS170で開放フラグを開放状態にセットすることに基づいて大入賞口37の開放を記録する。そして、ステップS171で開放時間用のタイマT4をスタートさせ、大入賞口37の開放時間を計測開始する。次に、ステップS172でVフラグをカウント状態にリセットし、大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞したか否かを記録可能な状態にする。
【0148】
例えば大当りの判定直後にはVフラグが特定入賞状態にセットされ、開放フラグが閉鎖状態にセットされ、カウンタN4が「0」にリセットされている。従って、CPU62はステップS161からS162,S163へ移行し、ステップS164でカウンタN4を「0」から「1」に加算し、ステップS168でラウンド動作を開始する。この場合にはステップS167でラウンド表示コマンドと共にラウンド表示データ「N4=1」が出力され、図柄表示装置27にラウンド数「1R」が表示されることに基づいて遊技者に実行中のラウンドが1回目であることが報知される。
【0149】
CPU62は大入賞口37の開放状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS161で開放フラグが開放状態にセットされていることを検出し、ステップS173でV信号の有無を判断する。このV信号はパチンコ球Pが大入賞口37の特定領域42内に入賞することに基づいてVセンサ44から出力されるものであり、CPU62はRAM64の出力監視エリアにV信号有りが記録されていることを検出したときにはV信号有りと判断し、V信号無しが記録されていることを検出したときにはV信号無しと判断する。
【0150】
CPU62はステップS173でV信号有りを検出すると、ステップS174でVフラグを特定入賞状態にセットすることに基づいてパチンコ球Pが特定領域42内に入賞したことを記録する。そして、ステップS175で可動片ソレノイド46に駆動電源を印加し、可動片45をカウント状態に回動操作する。このカウント状態では可動片45が大入賞口37の特定領域42からカウント領域41に向って下降傾斜し、大入賞口37内に入賞したパチンコ球Pが可動片45の傾斜に沿ってカウント領域41内に高確率で案内される。
【0151】
CPU62は可動片45をカウント状態に回動操作すると、ステップS176で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS177で表示制御コマンドとしてV表示コマンドを出力する。すると、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中でV表示コマンドを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内にV表示を行う。このV表示はパチンコ球Pが大入賞口37の特定領域42内に入賞したことを遊技者に報知するものであり、具体的にはラウンド背景の前方にアルファベット「V」を表示することで行われる。
【0152】
CPU62はステップS178へ移行すると、カウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞することに基づいてカウントセンサ43から出力されるものであり、CPU63はRAM64の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウント信号有りと判断し、カウント信号無しが記録されていることを検出したときにはカウント信号無しと判断する。
【0153】
CPU62はステップS178でカウント信号有りを検出すると、ステップS179でカウンタN5に「1」を加算する。このカウンタN5はラウンド動作中に何個のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したかを計測するものであり、CPU62はパチンコ球Pの入賞個数を計測すると、ステップS180で図柄制御装置70にINT信号を出力する。そして、ステップS181で表示制御コマンドとして入賞数表示コマンドを出力し、表示制御データとして入賞数表示データを出力する。
【0154】
入賞数表示データは入賞数用のカウンタN5の計測値を有するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で入賞数表示コマンドおよび入賞数表示データを検出し、図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に入賞数表示を行う。この入賞数表示はラウンド背景の前方にカウンタN5の計測値を数値表示することで行われるものであり、ラウンド動作中にパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞したときには入賞数表示が入賞毎に加算され、パチンコ球Pの大入賞口37に対する入賞数がカウトアップ方式で報知される。
【0155】
CPU62は入賞数表示コマンド等を出力すると、ステップS182でカウンタN5を上限値「10個」と比較し、ステップS183で開放時間用のタイマT4の計測値を上限値「27秒」と比較する。ここで「N5≧10個」および「T4≧27秒」のいずれかを検出したときにはステップS184で大入賞口ソレノイド40を断電することに基づいて大入賞口37を閉鎖し、ラウンド動作を終える。即ち、ラウンド動作は規定個数のパチンコ球Pが大入賞口37内に入賞するか、大入賞口37の開放時間が上限値に達することに基づいて終了する。
【0156】
CPU62はステップS184でラウンド動作を終えると、ステップS185でタイマT4を停止させることに基づいて開放時間の計測を終える。そして、ステップS186で入賞個数用のカウンタN5を「0」にリセットし、ステップS187で開放フラグを閉鎖状態にセットすることに基づいて大入賞口37の閉鎖を記録する。
【0157】
CPU62は大入賞口37の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、ステップS161からS162へ移行し、Vフラグの設定状態を判断する。ここでVフラグが特定入賞状態にセットされていないことを検出したときにはステップS188でラウンド数用のカウンタN4を「0」にリセットし、ステップS189で遊技制御フラグを大当り終了表示処理にセットすることに基づいて大当り遊技処理を終える。
【0158】
CPU62はステップS162でVフラグが特定入賞状態にセットされていることを検出すると、ステップS163でラウンド数用のカウンタN4を上限値 「14」と比較する。ここで「N4≦14」を検出したときにはステップS163からS164〜S172へ移行し、大入賞口37を開放する。即ち、ラウンド動作は大入賞口37の開放時にパチンコ球Pが特定領域42内に入賞することを条件に再開されるものである。
【0159】
CPU62はステップS163で「N4>14」を検出したときにはステップS188でカウンタN4をリセットし、ステップS189で遊技制御フラグを大当り終了表示処理にセットする。即ち、ラウンド動作の繰返し数には上限値「15回」が設定されており、パチンコ球Pが特定領域42内に入賞した場合でもラウンド動作の継続回数が15回に達しているときにはラウンド動作が再開されず、大当り遊技処理が終了する。
【0160】
(13)大当り終了表示処理
図16のステップS23の大当り終了表示処理は遊技制御フラグが大当り終了表示処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は大当り終了表示処理の中で図柄制御装置70のCPU71に表示制御コマンドを送信し、大当り終了表示の実行を指令する。
CPU62は図33のステップS191へ移行すると、演出表示時間を設定する。この演出表示時間は大当り終了表示の表示時間に相当するものであり、固定的な一定値にセットされる。
【0161】
CPU62は演出表示時間を設定すると、ステップS192でタイマT5を 「0」にリセットする。このタイマT5は演出表示時間を計測するものであり、CPU62はタイマT5をリセットすると、ステップS193で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS194で表示制御コマンドとして大当り終了表示コマンドを出力する。
【0162】
大当り終了表示コマンドは図柄制御装置70に大当り遊技の終了表示を指令する終了表示指令に相当するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で大当り終了表示コマンドを検出し、図柄表示装置27に大当り終了表示を行う。この大当り終了表示は大当り遊技の終了および時短モードの設定回数を遊技者に報知するものであり、具体的にはメッセージ「またね」が表示されることに基づいて大当り遊技の終了が報知される。この大当り終了表示コマンドは第1の背景変更指令を兼用するものであり、図柄制御装置70のCPU71は大当り終了表示コマンドを検出したときにはメッセージ「またね」の表示後に背景をラウンド背景から時短背景に切換える。そして、メッセージ「時短N回」の表示を時短背景の前方で行うことに基づいて時短モードに突入したことを遊技者に報知する。
【0163】
CPU62は大当り終了表示コマンドを出力すると、ステップS195へ移行し、タイマT5をスタートさせることに基づいて演出表示時間の計測動作を開始する。そして、ステップS196へ移行し、遊技制御フラグに大当り終了処理をセットする。
【0164】
(14)大当り終了処理
図16のステップS24の大当り終了処理は遊技制御フラグが大当り終了処理セットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置61のCPU62は大当り終了処理の中で図柄制御装置70のCPU71に表示終了コマンドを送信し、大当り終了表示の終了を指令する。
CPU62は図34のステップS201へ移行すると、演出表示時間用のタイマT5の計測値を演出表示時間の設定結果と比較する。ここでタイマT5の計測値が演出表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS202でタイマT5を停止し、演出表示時間の計測を終える。
【0165】
CPU62は演出表示時間の計測を終えると、ステップS203で図柄制御装置70にINT信号を出力し、ステップS204で表示制御コマンドとして表示終了コマンドを出力する。そして、ステップS205へ移行し、遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。この表示終了コマンドは図柄制御装置70に大当り終了表示の終了を指令するものであり、図柄制御装置70のCPU71はIRQ割込みプログラムの中で表示終了コマンドを検出すると、時短背景の前方に直前の大当り図柄を静止状態で表示することに基づいて大当り終了表示を終える。
【0166】
<図柄制御装置70の内部処理について>
図柄制御装置70のCPU71は電源が投入されると、図35のステップS301で割込み禁止を設定し、ステップS302でRAM73の全データおよびI/O77を初期設定する。そして、ステップS303でVDP74にデモ表示コマンドを出力し、ステップS304で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
【0167】
VDP74はデモ表示コマンドを検出すると、VROM75から必要な表示データを読出す。そして、図柄表示装置27にデモ画面を表示し、遊技者に客待ち状態にあることを報知する。このデモ表示は特別図柄変動領域TE内および普通図柄変動領域HE内の双方に渡って行われるものであり、デモ表示時には製造社名および機種名等が表示される。
【0168】
CPU71はステップS304で割込みを許可すると、ステップS305のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は特別図柄用の表示パターンを選択するためのランダムカウンタR13を「1」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタR13は「0」から上限値「191」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算される。
【0169】
CPU71はメイン制御装置61からのINT信号を検出すると、図36のIRQ割込みプログラムを起動する。そして、ステップS311でメイン制御装置61からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出し、RAM73に格納する。このRAM73には、図37の(a)に示すように、コマンドエリアとして普通図柄用の変動表示エリア,普通図柄用の変動停止エリア,特別図柄用の変動表示エリア,特別図柄用の変動停止エリア,大当り表示エリア,ラウンド表示エリア,V表示エリア,入賞数表示エリア,大当り終了表示エリア,表示終了エリア,背景復帰エリアが設定されており、メイン制御装置61からの表示制御コマンドは対応するコマンドエリアに格納され、各コマンドエリアの格納コマンドは格納コマンドに応じた処理の実行に基づいて消去される。
【0170】
RAM73にはデータエリアとして普通図柄用の図柄エリア,普通図柄用の変動パターンエリア,特別図柄用の図柄エリア,特別図柄用の変動パターンエリア,ラウンド数エリア,入賞数エリアが設定されており、メイン制御装置61からの表示制御データは対応するデータエリアに格納される。これら各データエリアの格納データはメイン制御装置61からの新たな表示制御データが格納されることに基づいて消去されるものであり、新たな表示制御データが格納されるまで保存される。
【0171】
RAM73にはデータエリアとして時間短縮エリアが設定されている。この時間短縮エリアは時短の設定の有無を記録するものであり、CPU72は、後述するように、メイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて時短の設定の有無を判定し、判定結果を時間短縮エリアに格納する。また、RAM73にはデータエリアとして背景エリアが設定されている。この背景エリアは特別図柄変動領域TE内の背景を記録するものであり、CPU72は、後述するように、メイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて背景の種類を判定し、判定結果を背景エリアに格納する。
【0172】
図38のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、図柄制御装置70のCPU71はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS321の普通図柄変動表示処理〜ステップS325の大当り終了表示処理を当該順序で実行するものであり、ステップS321の普通図柄変動表示処理〜ステップS325の大当り終了表示処理の詳細は次の通りである。
【0173】
(1)普通図柄変動表示処理
図38のステップS321の普通図柄変動表示処理は図柄表示装置27の普通図柄変動領域HE内に普通図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、普通図柄の変動停止状態での組合せに応じて遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、普通図柄が当りの組合せで変動停止したときには特別図柄始動口30が拡大され、特別図柄始動口30に対するパチンコ球Pの入賞確率が高くなる。
【0174】
CPU71は図39のステップS331へ移行すると、RAM73の普通図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置61がパチンコ球Pの普通図柄始動ゲート28に対する通過を検出することに基づいて普通図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU71は普通図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS332で普通図柄用の表示パターンを設定する。この表示パターンは普通図柄変動領域HE内の左列に普通図柄「3」および「7」を交互に表示し、右列に普通図柄「3」および「7」を交互に表示するものであり、CPU71は表示パターンを設定すると、ステップS333へ移行する。
【0175】
CPU71はステップS333へ移行すると、RAM73の普通図柄用の図柄エリアから普通図柄の設定結果を検出し、VDP74に普通図柄の変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と普通図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを検出し、普通図柄変動領域HE内の左列および右列に普通図柄「3」,「7」を交互に表示する(普通図柄の変動表示)。
【0176】
CPU71はステップS334へ移行すると、RAM73の普通図柄用の変動停止エリアに確定停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この確定停止コマンドはメイン制御装置61が普通図柄用の変動表示時間の経過を検出することに基づいて出力するものであり、CPU71はステップS334で普通図柄用の変動停止エリアに確定停止コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS335でVDP74に変動終了コマンドを出力する。すると、VDP74は普通図柄変動領域HE内の左列および右列を普通図柄の設定結果で同時に変動停止させ、遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知する。
【0177】
(2)時短情報設定処理
図38のステップS322の時短情報設定処理はメイン制御装置61からの表示制御コマンドに基づいて時短の設定状態を判断するものであり、図柄制御装置70のCPU71は図40のステップS341へ移行すると、RAM73の背景復帰エリアに背景復帰コマンドが格納されているか否かを判断する。この背景復帰コマンドはメイン制御装置61が全図柄停止コマンドの出力後に時短の設定を解除することに基づいて出力するものであり、CPU71は背景復帰コマンドの格納を検出したときにはステップS342でRAM73の時間短縮エリアに時短の非設定を格納し、ステップS343でRAM73の背景エリアに通常背景を格納する。即ち、時短の設定解除は図柄制御装置70がメイン制御装置60からの専用コマンドに基づいて行うものではなく、背景の変更に係る兼用コマンドに基づいて行うものである。
【0178】
(3)特別図柄変動表示処理
図38のステップS323の特別図柄変動表示処理は図柄表示装置27の特別図柄変動領域TE内に特別図柄を変動状態,仮停止状態,確定停止状態で順に表示し、特別図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、特別図柄が大当りの組合せで確定停止したときには大入賞口37が開放され、大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞することが許容される。
【0179】
CPU71は図41のステップS351へ移行すると、RAM73の特別図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置61がパチンコ球Pの特別図柄始動口30に対する入賞を検出することに基づいて特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU71は特別図柄用の変動表示エリアに図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS352でカウンタNに「1」を加算し、特別図柄の変動回数を計測する。
【0180】
図柄制御装置70のROM72には、図42に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタR13に基づいて表示パターンを設定するためのものであり、図柄制御装置70のCPU71は図41のステップS352でカウンタNを加算すると、ステップS353で図42の表示パターンテーブルから変動パターンおよびランダムカウンタR13に応じた表示パターン,変動表示時間を選択的に設定する。この表示パターンは各列の特別図柄の変動速度,各列の特別図柄の仮停止タイミング,背景の種類,背景の切換えタイミング,キャラクタの表示タイミング,キャラクタの種類等を示すものであり、変動表示時間で終了するように設定される。
【0181】
図43は表示パターン「0」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「0」は変動パターンが「0」である時短の設定状態で完全外れが判定された場合に選択されるものであり、表示パターン「0」の選択時には左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が通常変動状態から同時に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データ(特別図柄の設定結果)で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0182】
図44は表示パターン「1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「1」は変動パターンが「1」である時短の非設定状態で完全外れが判定された場合に選択されるものであり、表示パターン「1」の選択時には左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄が通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データで行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0183】
図45は表示パターン「4−1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「4−1」は変動パターンが「4」である外れリーチの判定時にランダムカウンタR13に応じて選択されるものであり、表示パターン「4−1」の選択時には左特別図柄および右特別図柄が通常変動状態から当該順序で仮停止し、中特別図柄が通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されているメイン制御装置61からの表示制御データで行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0184】
表示パターン「1」は時短の非設定状態で完全外れが判定された場合に設定されるものであり、変動表示時間「T1」で終了する。表示パターン「0」は時短の設定状態で完全外れが判定された場合に設定されるものであり、時短の非設定時より短い変動表示時間「T0」で終了する。即ち、時短の設定状態では完全外れが判定されたときの変動表示時間のみが短縮され、大当りおよび外れリーチが判定されたときの変動表示時間は時短の非設定時と同一になる。
【0185】
CPU71は表示パターンを設定するにあたって、RAM73の背景エリアの格納データに基づいて特別図柄変動領域TE内の背景を選択する。例えば背景エリアに通常背景が格納されているときには、図46の(a)に示すように、全ての表示パターンの設定時に通常背景「水中」を表示することに基づいて遊技者に時短が設定されていないことを報知する。また、背景エリアに時短背景が格納されているときには、図46の(b)に示すように、全ての表示パターンの設定時に時短背景「海岸」を表示することに基づいて遊技者に時短が設定されていることを報知する。
【0186】
CPU71は表示パターンを設定するにあたって、時間短縮エリアの格納データに基づいて現在の時短の設定状態を検出し、カウンタNの計測値の表示の有無を時短の設定状態に応じて選択する。例えば時間短縮エリアに時短の設定が格納されているときには、図46の(b)に示すように、全ての表示パターンの設定時にカウンタNの計測値をメッセージ「時短N回目」で表示し、現在の変動表示が何回目の時短変動であるかを遊技者に報知する。また、時間短縮エリアに時短の非設定が格納されているときには、図46の(a)に示すように、全ての表示パターンの設定時に時短回数を表示しない。
【0187】
CPU71は特別図柄用の表示パターンを設定すると、図41のステップS354へ移行し、VDP74に特別図柄用の変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP74は表示パターンに応じた表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に表示パターンに応じた演出内容で変動表示を行う。
【0188】
CPU71はステップS355へ移行すると、RAM73の特別図柄用の変動停止エリアに全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドはCPU71がIRQ割込み処理でメイン制御装置61からの全図柄停止コマンドを検出することに基づいて変動停止エリアに格納するものであり、CPU71は全図柄停止コマンドの格納を検出すると、ステップS356でVDP74に図柄確定コマンドを出力する。
【0189】
全図柄停止コマンドはメイン制御装置61が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは特別図柄用の変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置70がメイン制御装置61からの変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定される。従って、図柄制御装置70のCPU71が全図柄停止コマンドを検出してVDP74に図柄確定コマンドを出力するときには左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にある。この仮停止状態ではVDP74が左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を上下に揺らしており、VDP74は図柄確定コマンドを検出すると、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を水平な1本の有効ライン上に静止した確定表示状態に切換える。
【0190】
例えば変動パターン「0」の設定時にはメイン制御装置61から図柄制御装置70に変動表示時間「T0」の経過タイミングで全図柄停止コマンドが出力される。この変動パターン「0」の設定時には図柄制御装置70が表示パターン「0」を変動表示時間「T0」で終了するように設定している。この変動表示時間 「T0」の経過時点では、図43に示すように、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が仮停止状態にあり、VDP74はCPU71からの図柄確定コマンドを左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の仮停止状態で検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から確定状態に切換える。
【0191】
(4)大当り表示処理
図38のステップS324の大当り表示処理は大当り図柄の確定停止後に大当り遊技が開始されることを報知し、大当り遊技中に遊技情報を報知するものであり、CPU71は図47のステップS361へ移行すると、RAM73の大当り表示エリアに大当り表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当り表示コマンドはメイン制御装置61が大当り図柄の確定停止直後に出力するものであり、CPU71は大当り表示コマンドの格納を検出すると、ステップS362でVDP74に大当り表示コマンドを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に大当り表示を行う。この大当り表示は、図48の(a)に示すように、特別図柄変動領域TE内にメッセージ「やったね!!大当り」を表示するものであり、メッセージの表示は通常背景または時短背景の前方で行われる。
【0192】
CPU71は図47のステップS363へ移行すると、RAM73のラウンド表示エリアにラウンド表示コマンドが格納されているか否かを検出する。このラウンド表示コマンドはメイン制御装置61がラウンド動作の開始時にラウンド数N4と共に出力するものであり、CPU71はラウンド表示コマンドの格納を検出すると、ステップS364でRAM74のラウンド数エリアからラウンド数N4を検出し、VDP74にラウンド表示コマンドおよびラウンド数N4を出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にラウンド表示を行う。このラウンド表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内にラウンド数N4に応じたラウンド背景を表示するものであり、ラウンド背景の前方にはラウンド数N4が数値表示される。
【0193】
CPU71は図47のステップS365へ移行すると、RAM73のV表示エリアにV表示コマンドが格納されているか否かを検出する。このV表示コマンドは大入賞口37の特定領域42内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置61が出力するものであり、CPU71はV表示コマンドの格納を検出すると、ステップS366でVDP74にV表示コマンドを出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にV表示を行う。このV表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内にメッセージ「V」を表示するものであり、メッセージ「V」の表示はラウンド背景の前方で行われる。
【0194】
CPU71は図47のステップS367へ移行すると、RAM73の入賞数表示エリアに入賞数表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この入賞数表示コマンドは大入賞口37内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置61が入賞数N5と共に出力するものであり、CPU71は入賞数表示コマンドの格納を検出すると、ステップS368でRAM73の入賞数エリアから入賞数N5を検出し、VDP74に入賞数表示コマンドおよび入賞数N5を出力する。すると、VDP74はVROM75から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に入賞数表示を行う。この入賞数表示は、図48の(b)に示すように、特別図柄変動領域TE内に入賞数N4を表示するものであり、入賞数の表示はラウンド背景の前方で行われる。
【0195】
(5)大当り終了表示処理
図38のステップS325の大当り終了表示処理は遊技者に大当り遊技の終了を報知し、時短回数の獲得結果を表示するものであり、最終ラウンドの終了後に行われる。この最終ラウンドとはラウンド動作が上限回まで繰返されたときには上限回のラウンドであり、ラウンド動作が上限回に達する前に途中で終了したときには途中終了したラウンドである。
【0196】
CPU71は図49のステップS371へ移行すると、RAM73の大当り終了表示エリアに大当り終了表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当り終了表示コマンドはメイン制御装置61が最終ラウンドの終了時に出力するものであり、CPU71は大当り終了表示コマンドの格納を検出したときには時短モードの獲得を判定する。そして、ステップS372でRAM73の時間短縮エリアに時短の設定を記録し、ステップS373でRAM73の背景エリアに時短背景「海岸」を記録する。
【0197】
CPU72はステップS374へ移行すると、時短モードの種類を判定する。この判定処理はRAM73の特別図柄用の図柄エリアに格納されている大当り図柄の種類に応じて行われるものであり、CPU72は、図37の(b)に示すように、大当り図柄として「3 3 3」,「7 7 7」のいずれかが格納されているときには第1の時短モードと判定する。また、大当り図柄として「1 11」,「5 5 5」,「9 9 9」のいずれかが格納されているときには第2の時短モードと判定し、大当り図柄として「2 2 2」,「4 4 4」,「6 6 6」,「8 8 8」,「10 10 10」のいずれかが格納されているときには第3の時短モードと判定する。
【0198】
CPU72は時短モードの種類を判定すると、図49のステップS375で時短回数の獲得結果を判定する。この判定処理は時短モードの獲得結果に基づいて行われるものであり、CPU72は、図37の(b)に示すように、第1の時短モードの獲得時には時短回数が「200回」であると判定する。また、第2の時短モードの獲得時には時短回数が「100回」であると判定し、第3の時短モードの獲得時には時短回数が「50回」であると判定する。
【0199】
CPU72は時短回数を判定すると、図49のステップS376でVDP74に表示開始コマンドを出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に大当り終了表示を行う。この大当り終了表示は大当り遊技の終了を報知するものであり、図50の(a)に示すように、直前のラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示することで行われる。
【0200】
CPU72は大当り終了表示を行うと、図49のステップS377でVDP74に時短表示コマンドおよび時短回数の判定結果を出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、特別図柄変動領域TE内に時短回数表示を行う。この時短回数表示は、図50の(b)に示すように、時短回数の判定結果をメッセージ「時短N回」として表示するものであり、時短回数表示時にはRAM73の背景エリアから格納データが検出される。そして、ラウンド背景が格納データに切換わり、メッセージ「時短N回」が格納データの前方で行われる。この場合には背景エリアに時短背景「海岸」が格納されており、メッセージ「時短N回」が時短背景「海岸」の前方に表示される。
【0201】
CPU71は図49のステップS378へ移行すると、RAM73の表示終了エリアに表示終了コマンドが格納されているか否かを判断する。この表示終了コマンドはメイン制御装置61が大当り終了表示の終了時に出力するものであり、CPU71は表示終了コマンドの格納を検出すると、ステップS379でRAM73の特別図柄用の図柄エリアから直前の大当り図柄を検出し、VDP74に演出終了コマンドおよび大当り図柄の設定結果を出力する。すると、VDP74は必要な表示データをVROM75から検出し、図50の(c)に示すように、時短背景「海岸」の前方に直前の大当り図柄を静止表示する。
【0202】
図1はメイン制御装置61から図柄制御装置70に送信される表示制御コマンドと図柄表示装置27の表示内容と特別図柄遊技の流れとの関係を時系列的に示すものである。ここでパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に特別図柄用の図柄制御コマンドが出力され、図柄制御装置70が特別図柄の変動表示を開始する。
【0203】
メイン制御装置61から図柄制御装置70に全図柄停止コマンドが出力されると、図柄制御装置70が特別図柄を確定停止させ、変動表示を終える。この確定停止状態で大当り図柄が表示されているときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り表示コマンドが出力され、図柄制御装置70が大当り表示 「やったね!!大当り」を行う。
【0204】
メイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り表示コマンドが出力されると、大当り遊技が開始される。この大当り遊技中にはメイン制御装置61から図柄制御装置70にラウンド表示コマンドとV表示コマンドと入賞数表示コマンドとが出力され、図柄制御装置70が図柄表示装置27にラウンド数と特定入賞口42に対するパチンコ球Pの入賞と大入賞口37に対するパチンコ球Pの入賞数とを表示する。
【0205】
最終ラウンドが終了すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に大当り終了表示コマンドが出力される。すると、図柄制御装置70が時短の設定および背景の種類を独自に判定し、大当り遊技の終了を知らせるラウンド終了表示と時短回数の知らせる時短回数表示とを行う。この時短回数表示時には図柄制御装置70が背景を時短背景に切換え、時短モードに突入したことを知らせる。この後、メイン制御装置61から図柄制御装置70に表示終了コマンドが出力されると、図柄制御装置70が直前の大当り図柄を時短背景の前方に静止表示する。
【0206】
時短モードの突入状態で保留球が発生していたり、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞すると、メイン制御装置61から図柄制御装置70に特別図柄用の図柄制御コマンドが出力され、図柄制御装置70が時短背景の前方で特別図柄の変動表示を開始する。このとき、時短回数Nに「1」を加算し、右上隅部に現在の時短回数Nを表示する。従って、変動表示の開始毎に時短回数Nの表示が「1」ずつ増え、時短回数Nがカウントアップ方式で表示される。
【0207】
時短モードの突入状態で特別図柄の変動表示が時短回数「Nmax」回だけ行われたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景復帰コマンドが出力される。すると、図柄制御装置70が背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数Nの表示を消去し、背景を時短背景から通常背景に切換える。この背景復帰コマンドはメイン制御装置61が「Nmax」回目の全図柄停止コマンドの直後に出力するものであり、背景復帰コマンドに応じた表示処理は「Nmax+1」回目の変動表示から適用される。
【0208】
例えば第1の時短モードの設定時には「200回目」の変動開始時に時短回数Nの表示が「200回」になり、「200回目」の確定表示直後に背景復帰コマンドが出力される。すると、「201回目」の変動開始時に時短回数Nの表示が消去され、背景が時短背景「海岸」から通常背景「水中」に切換わる。
【0209】
上記第1実施例によれば、図柄制御装置70が時短背景「海岸」から通常背景「水中」への変更およびメッセージ「時短N回」の表示消去をメイン制御装置61から送信される共通の背景復帰コマンドに基づいて行うように構成した。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景「海岸」から通常背景「水中」への変更およびメッセージ「時短N回」の表示消去がノイズに影響されることなく同期して行われるようになる。従って、遊技者が不整合な表示内容に起因する混乱を起こすことが防止される上、パチンコホールおよび遊技者間で不整合な表示内容に起因する争いが起きることが防止される。
【0210】
また、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を加算するように構成した。このため、変動表示の開始と同時に時短回数を表示することができるので、現在の変動表示が何回目の時短であるかを遊技者が認識し易くなる。
また、図柄制御装置70が大当り遊技の終了表示「またね」および時短背景 「海岸」の表示をメイン制御装置61から送信される共通の大当り終了表示コマンドに基づいて行うように構成した。このため、両表示処理を別個の専用コマンドに基づいて行う場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短背景「海岸」の表示が大当り遊技の終了表示「またね」の直後のタイミングで確実に行われるようになる。
【0211】
また、図柄制御装置70が下記▲1▼および▲2▼の両処理をメイン制御装置61から送信される共通の表示制御データ(特別図柄の設定結果)に基づいて行うように構成した。このため、時短回数を表示する専用コマンドを別個に出力する場合に比べてコマンドにノイズが乗る確率が低くなるので、時短回数の設定結果を大当り図柄の種類および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
▲1▼時短回数の設定結果を大当り図柄の種類として間接的に表示する。
▲2▼時短回数の設定結果を大当り図柄の種類に基づいて独自に判断し、時短回数の判断結果を大当り図柄の確定表示後に直接的に表示する。
【0212】
尚、上記第1実施例においては、大当り図柄の種類に応じて時短回数の設定結果を遊技者に間接的に報知したが、これに限定されるものではなく、例えば絵柄を用いた演出表示を行うことに基づいて間接的に報知しても良い。以下、当該構成を具体化した本発明の第2実施例について説明する。
【0213】
メイン制御装置61のCPU62はタイマ割込みプログラマムの起動毎にランダムカウンタR14を「1」ずつ加算しており、パチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞したことを検出すると、ランダムカウンタR1〜R8の計測値およびランダムカウンタR14の計測値を取得し、RAM64の特別図柄用カウンタデータエリアの保留データ記録部E1に格納する。このランダムカウンタR14は時短モードの種類を選択するためのものであり、「0」から「132」に加算された後に「0」に戻ってループ状に加算される。
【0214】
CPU62は図23のステップS104で大当り図柄を設定すると、ステップS105で特別図柄用の保留データ記録部E1からランダムカウンタR14を検出し、ランダムカウンタR14に基づいて時短の獲得状態を判定する。そして、時短の判定結果に基づいて時短回数の上限値Nmaxを設定し、RAM64の時間短縮エリアに時短モードの判定結果および時短回数Nmaxの判定結果を格納する。
【0215】
例えばランダムカウンタR14が「0〜26」であるときには第1の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「200回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第1の時短モードおよび時短回数「200回」が記録される。また、ランダムカウンタR14が「27〜66」であるときには第2の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「100回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第2の時短モードおよび時短回数「100回」が記録される。また、ランダムカウンタR14が「67〜132」であるときには第3の時短モードの獲得と判定され、上限値Nmaxが「50回」に設定される。そして、時間短縮エリアに第3の時短モードおよび時短回数「50回」が記録される。
【0216】
CPU62は図柄制御装置70に全図柄停止コマンドを出力すると、図31のステップS153で図柄制御装置70に表示制御コマンドとして大当り表示コマンドを出力し、表示制御データとして抽選パターンA〜Cを選択的に出力する。この抽選パターンは時短モードの設定結果を演出表示するためのパラメータに相当するものであり、第1の時短モードの設定時には抽選パターンAが出力され、第2の時短モードの設定時には抽選パターンBが出力され、第3の時短モードの設定時には抽選パターンCが出力される。
【0217】
図柄制御装置70のCPU71はメイン制御装置61からの大当り表示コマンドおよび抽選パターンをIRQ割込みプログラムで検出すると、大当り表示コマンドをRAM73の大当り表示エリアに格納し、抽選パターンをRAM73の抽選パターンエリアに格納する。そして、タイマ割込みプログラムでRAM73の大当り表示エリアに大当り表示コマンドが格納されていることを検出すると、図柄表示装置27に大当り表示を行う。この大当り表示は「やったね!!大当り」の表示後に時短モードが抽選される様子を絵柄を用いて演出表示するものであり、絵柄を用いた演出表示は、下記に示すように、RAM73の抽選パターンエリアに格納されている抽選パターンに応じた演出内容で行われる。
【0218】
<抽選パターンAの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(b)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は大当りの文字を貫く。
<抽選パターンBの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(c)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は中当りの文字を貫く。
<抽選パターンCの格納時>
図51の(a)に示すように、回転する的の絵柄に向って矢の絵柄が発射される演出のアニメーション画面が表示される。この的には、図51の(d)に示すように、大当り,中当り,小当りの文字が描かれており、矢は小当りの文字を貫く。
【0219】
図柄制御装置70のCPU71は最終ラウンドの終了後にメイン制御装置61からの大当り終了表示コマンドを検出すると、図49のステップS372でRAM73の時間短縮エリアに時短の設定を記録する。そして、ステップS373でRAM73の背景エリアに時短背景を記録し、ステップS374で時短モードの種類を判定する。この判定処理はRAM73の抽選パターンエリアに格納されている抽選パターンの種類に応じて行われるものであり、抽選パターンAの検出時には第1の時短モードと判定され、抽選パターンBの検出時には第2の時短モードと判定され、抽選パターンCの検出時には第3の時短モードと判定される。
【0220】
CPU71は時短モードの種類を判定すると、ステップS375で時短モードの種類に基づいて時短回数を判定する。そして、ステップS376でラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示し、ステップS377で時短回数の判定結果をメッセージ「時短N回」で表示する。このとき、ラウンド背景から時短背景「海岸」に切換え、時短背景の前方に「時短回数N回」を表示することに基づいて時短モードに突入したことを遊技者に報知する。
【0221】
上記第2実施例によれば、図柄制御装置70が下記▲1▼および▲2▼の両処理をメイン制御装置61から送信される共通の表示制御データ(抽選パターンの設定結果)に基づいて行うように構成した。このため、時短回数を表示する専用データを別個に出力する場合に比べてノイズが乗る確率が低くなるので、時短回数の設定結果を演出内容および数値といった異なる態様で表示するにあたって両表示内容の整合性が高まる。
▲1▼可変表示回数の設定結果をパラメータに応じた内容で演出表示する。
▲2▼可変表示回数の設定結果を演出表示用のパラメータに基づいて独自に判断し、可変表示回数の判断結果を演出表示の終了後に表示する。
【0222】
尚、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を加算し、時短回数の加算結果を表示する(カウントアップ表示)構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数を初期値Nmaxから「1」ずつ減算し、時短回数の減算結果を表示する(カウントダウン表示)構成としても良い。この構成の場合、時短モードの設定状態で特別図柄の変動表示が時短回数「Nmax」回だけ行われたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景復帰コマンドを出力し、図柄制御装置70が背景復帰コマンドを検出することに基づいて時短回数の表示「0」を消去し、背景を時短背景から通常背景に切換えるようにすると良い。
【0223】
また、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの大当り終了表示コマンドを検出することに基づいて時短背景を表示する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばメイン制御装置61から図柄制御装置70にメッセージ「またね」を表示するための大当り終了表示コマンドの出力し、大当り終了表示コマンドの出力後に時短背景表示用の背景変更コマンドを出力する構成としても良い。
【0224】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの判定を条件に第1の時短モード,第2の時短モード,第3の時短モードを選択的に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば第1の確率変動モード,第2の確率変動モード,第3の確率変動モードを選択的に設定しても良い。これら確率変動モードとは大当りを通常に比べて高確率で判定する高確率モードを称するものであり、第1の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X1回」の特別図柄の変動表示に適用し、第2の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X2(<X1)回」の変動表示に適用し、第3の確率変動モードの選択時には高確率状態を「X3(<X2)回」の変動表示に適用すると良い。
【0225】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの発生に基づいて時短モードを複数の中から選択したが、これに限定されるものではなく、例えば時短モードの設定の有無を選択しても良い。この場合、時短モード有りが選択されたときには時短回数を予め設定された一定値(例えば200回)に設定し、時短モード無しが選択されたときには時短回数を設定しないようにすると良い。この構成の場合、時短モード有りが選択されたときにはメイン制御装置61から図柄制御装置70に背景変更コマンドを出力し、図柄制御制御装置70が背景変更コマンドを検出することに基づいて時短背景を表示するように構成すると良い。
【0226】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短回数の表示を変動表示の開始時に増やしたが、これに限定されるものではなく、例えば変動表示の最中に増やしたり、変動表示の最後に増やしても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、図柄制御装置70がメイン制御装置61からの図柄制御コマンドを検出することに基づいて時短回数に「1」を加算する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば全図柄停止コマンド(可変停止指令)を検出することに基づいて加算したり、特別図柄用の変動パターン(演出指令)を検出することに基づいて加算したり、特別図柄の設定結果 (図柄指令)を検出することに基づいて加算しても良い。
【0227】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短の設定時には完全外れの判定時のみに変動表示時間を短縮したが、これに限定されるものではなく、完全外れの判定時および外れリーチの判定時に変動表示時間を短縮したり、完全外れの判定時と外れリーチの判定時と大当りの判定時の全てで変動表示時間を短縮しても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、時短背景として時短モードの種類に拘らず共通の「海岸」を表示したが、これに限定されるものではなく、例えば時短モードの種類に応じた異なる時短背景を表示しても良い。
【0228】
また、上記第1〜第2実施例においては、大当りの判定を条件に時短の獲得状態を判定したが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ球Pが特別図柄始動口30内に入賞することに基づいて取得したランダムカウンタR3の計測値が大当り値ではない特定値である場合に時短の獲得状態を判定する構成としても良い。
【0229】
また、上記第1〜第2実施例においては、時短回数の表示消去および時短背景から通常背景への変更を「Nmax+1」回目の特別図柄の変動開始時に行ったが、これに限定されるものではなく、例えば「Nmax」回目の特別図柄の確定停止直後に行っても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、大当り図柄の確定停止に連動して大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に適用しても良い。この3種のパチンコ機は大当り図柄の確定表示に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り動作が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(メイン制御装置から図柄制御装置に出力される表示制御コマンドと図柄表示装置の表示内容と特別図柄遊技の流れとの関係を示す図)
【図2】パチンコ機の全体構成を示す前面図
【図3】遊技盤を示す前面図
【図4】パチンコ機の全体構成を示す後面図
【図5】特別図柄始動口を示す斜視図(aは縮小状態を示す図、bは拡大状態を示す図)
【図6】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片がカウント状態に回動した様子を示す図)
【図7】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片が特定入賞状態に回動した様子を示す図)
【図8】賞球払出装置の内部構成を示す後面図
【図9】メイン制御装置の電気的構成を示す図
【図10】図柄制御装置の電気的構成を示す図
【図11】払出制御装置の電気的構成を示す図
【図12】スピーカ制御装置の電気的構成を示す図
【図13】ランプ制御装置の電気的構成を示す図
【図14】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図15】(a)はメイン制御装置が保有するランダムカウンタの一覧を示す図、(b)はメイン制御装置が保有するノーマルカウンタの一覧を示す図、(c)はメイン制御装置が保有するタイマの一覧を示す図
【図16】メイン制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図17】メイン制御装置のRAMのデータ格納エリアを示す図
【図18】メイン制御装置の特別図柄用データ取得処理を示すフローチャート
【図19】(a)は特別図柄用のカウンタデータエリアとカウンタとランプナンバーとの関係を示す図、(b)は普通図柄用のカウンタデータエリアとカウンタとの関係を示す図
【図20】メイン制御装置の普通図柄用データ取得処理を示すフローチャート
【図21】メイン制御装置の普通図柄用変動処理を示すフローチャート
【図22】(a)はランダムカウンタと普通図柄との関係を示す図、(b)は時間短縮の設定の有無と普通図柄用の変動パターンと変動表示時間との関係を示す図、(c)は時間短縮の設定の有無と特別図柄用の変動パターンと変動表示時間との関係を示す図
【図23】メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート
【図24】ランダムカウンタと大当り図柄,左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄との関係を示す図
【図25】メイン制御装置の外れリーチ図柄設定処理を示すフローチャート
【図26】メイン制御装置の完全外れ図柄設定処理を示すフローチャート
【図27】大当り用の変動パターンテーブルを示す図
【図28】外れリーチ用の変動パターンテーブルを示す図
【図29】メイン制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図30】メイン制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図31】メイン制御装置の大当り遊技開始処理を示すフローチャート
【図32】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図33】メイン制御装置の大当り終了表示処理を示すフローチャート
【図34】メイン制御装置の大当り終了処理を示すフローチャート
【図35】図柄制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図36】図柄制御装置のIRQ割込みプログラムを示すフローチャート
【図37】(a)は図柄制御装置のRAMのデータ格納エリアを示す図、(b)は大当り図柄の種類と時間短縮モードと時間短縮回数との関係を示す図
【図38】図柄制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図39】図柄制御装置の普通図柄変動表示処理を示すフローチャート
【図40】図柄制御装置の時短情報設定処理を示すフローチャート
【図41】図柄制御装置の特別図柄変動表示処理を示すフローチャート
【図42】表示パターンテーブルを示す図
【図43】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート(時間短縮の設定時)
【図44】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート(時間短縮の非設定時)
【図45】外れリーチ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図46】(a)は通常背景を示す図、(b)時短背景を示す図
【図47】図柄制御装置の大当り表示処理を示すフローチャート
【図48】(a)は大当り表示画面を示す図、(b)はラウンド表示画面を示す図
【図49】図柄制御装置の大当り終了表示処理を示すフローチャート
【図50】大当り終了表示画面を示す図
【図51】本発明の第2実施例を示す図(時短モードが抽選される様子を演出表示する画面を示す図)
【符号の説明】
Pはパチンコ球、30は特別図柄始動口(始動口)、37は大入賞口(入賞口)、61はメイン制御装置、62はCPU(大当り判定手段,可変回数設定手段,背景指令手段,大当り遊技手段,図柄設定手段,パラメータ設定手段)、70は図柄制御装置(サブ制御装置)、71はCPU(背景表示手段,計数表示手段,終了表示手段,大当り表示手段,可変回数表示手段,演出表示手段)、73はRAM(格納手段)を示している。
Claims (5)
- パチンコ球が始動口内に入賞することに基づいて可変表示指令および可変停止指令を出力するメイン制御装置と、
前記メイン制御装置からの可変表示指令および可変停止指令を検出することに基づいて図柄を可変状態および可変停止状態で表示するサブ制御装置とを備え、
前記メイン制御装置は、
パチンコ球が前記始動口内に入賞することに基づいて大当りおよび外れを判定する大当り判定手段と、
特典付与の対象となる図柄の可変表示回数を設定する可変回数設定手段と、
可変表示回数の設定を条件に第1の背景変更指令を出力し、可変表示回数の消滅を条件に第2の背景変更指令を出力する背景指令手段とを有し、
前記サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からの第1の背景変更指令を検出することに基づいて特典の設定を報知するための特典用背景を表示し、第2の背景変更指令を検出することに基づいて特典の非設定を報知するための非特典用背景を表示する背景表示手段と、
前記メイン制御装置からの可変表示に係る信号を検出することに基づいて可変表示回数を計数し、可変表示回数の計数結果を表示する計数表示手段とを有し、
前記計数表示手段は、前記メイン制御装置からの第2の背景変更指令を検出することに基づいて可変表示回数の計数結果の表示を消去することを特徴とする遊技機。 - 計数表示手段は、メイン制御装置からの可変表示指令を検出することに基づいて可変表示回数を加算することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- メイン制御装置は、
大当りの判定を条件に入賞口を遊技者に有利な状態にする大当り遊技を行い、大当り遊技の終了を条件に終了表示指令を出力する大当り遊技手段を有し、
サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からの終了表示指令を検出することに基づいて大当り遊技の終了を表示する終了表示手段と、
前記メイン制御装置からの第1の背景変更指令として終了表示指令を検出することに基づいて特典用背景を表示する背景表示手段とを有していることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の遊技機。 - メイン制御装置は、
外れの判定時には外れを報知するための図柄を設定し、大当りの判定時には大当りに加えて可変表示回数の設定結果を報知するための図柄を設定する図柄設定手段を有し、
サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からの図柄の設定結果を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された図柄を可変停止状態で表示することに基づいて大当りおよび外れを報知する大当り表示手段と、
前記格納手段に格納された図柄に基づいて可変表示回数の設定結果を判断し、可変表示回数の判断結果を表示する可変回数表示手段とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。 - メイン制御装置は、
可変表示回数の設定結果を演出表示するためのパラメータを設定するパラメータ設定手段を有し、
サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からのパラメータを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されたパラメータに応じた内容で可変表示回数の設定結果を演出表示する演出表示手段と、
前記格納手段に格納されたパラメータに基づいて可変表示回数の設定結果を判断し、可変表示回数の判断結果を表示する可変回数表示手段とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
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JP2007296265A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Sankyo Kk | 遊技機 |
JP2015006285A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-15 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
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-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002273466A patent/JP2004105528A/ja active Pending
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