JP4253699B2 - 回路しゃ断器の外部操作ハンドル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盤内に据付けた回路しゃ断器を盤外からのハンドル操作で開閉する外部操作ハンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配電用しゃ断器,漏電しゃ断器などを対象とした回路しゃ断器の外部付属装置として、配電盤,制御盤などの盤内に据付けた回路しゃ断器を盤外からのハンドル操作で開閉する外部操作ハンドル装置が知られている。
この外部操作ハンドル装置は、盤内に設置した回路しゃ断器のハンドルと盤の扉前面にマウントしたハンドルユニットとの間を連結し、ハンドルユニットのハンドル操作によりしゃ断器を開閉するものであり、小形の制御盤などではハンドルユニットが盤のドアハンドルを兼用し、かつ安全のために回路しゃ断器がON状態では盤の扉が開くのを禁止するようなインターロック機能を備えている。
【0003】
ここで、ハンドルユニットは、扉パネルに取付けたハンドルボディに回転式の操作ハンドルを備え、操作ハンドルをON,OFF,RESET位置に回転して切換えるようにした構造で、前記操作ハンドルをラッチ機構を介して盤内に設置したしゃ断器のハンドルに直接連結するか、しゃ断器と盤の扉との間に間隔が空いていて直接連結できない場合には、しゃ断器のハンドルとハンドルユニットの操作ハンドルとの間を連結シャフトを介して連繋するようにしている。
【0004】
また、連結シャフトを使用する場合には、シャフトの一端にしゃ断器のハンドルに着脱可能に差込み結合するホルダ,他端にはハンドルユニットの裏面側に設けたラッチ機構に嵌め合い係合するプラグ状の掛け具を設け、シャフトの軸中間部分をしゃ断器のケースにねじ止め固定して前方に突き出したハンドルガイドに軸支して定姿勢に支えるようにしている。
【0005】
かかる構成で、盤の扉を閉じるとシャフト先端に取付けた掛け具がハンドルユニットのラッチ機構に嵌まり込んで抜けないように係合し、同時に扉を閉位置にロックする。この状態で操作ハンドルをON位置に回すと連結シャフトを介してしゃ断器がONとなり、OFF位置に回すとしゃ断器がOFFとなる。また、扉を開く場合には、ハンドルユニットの操作ハンドルをOFF位置に戻した上で、錠付きドアロックを解錠して扉を開く。なお、操作ハンドルをOFF位置に回すと、前記したラッチ機構とシャフトの掛け具との係合が外れるようになっており、扉を開くとハンドルユニットとシャフトとの連結が外れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来構造の外部操作ハンドル装置は、取扱性,安全性の面で次に記すような問題点がある。すなわち、
(1) 盤内の保守点検作業を行う場合は、回路しゃ断器をOFFにした上で扉を開くわけであるが、扉の開放状態で盤内に露呈しているしゃ断器のハンドルをOFFからONに操作すると、盤内の回路が活線状態となるので誤って感電するおそれがあることから、扉の開放状態ではしゃ断器のハンドルが操作できないようにすることが安全確保の面から必要である。
【0007】
(2) また、扉を開放する際の操作手順を誤って、操作ハンドルをOFF位置に戻さずに扉のドアロックを外し、ハンドルユニットがON位置のままで大きな力を加えて扉を強引に開けようとすると、係合状態にあるシャフトの掛け具とハンドルユニットのラッチ機構(いずれも樹脂成形品)との間に過大な力が加わって破損してしまい、再使用不可となることがある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、前記課題を解決して盤内点検時における感電防止の安全性を高め、併せて扉開放時に扉をロック状態のまま強引に開こうとした場合における部品の破損を防止するように改良した回路しゃ断器の外部操作ハンドル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、盤の扉前面にマウントしたハンドルユニットと、一端にしゃ断器のハンドルと着脱自在に結合するホルダ,他端にハンドルユニットのラッチ機構と係合する掛け具を備えた連結シャフトと、該連結シャフトを支えてしゃ断器本体のケースに固定したシャフトガイドとの組立体からなり、かつハンドルユニットは操作ハンドルのOFF位置で前記掛け具との係合を釈放するようにしたものにおいて、
前記シャフトガイドを、しゃ断器のハンドル周域を覆うコ字形のフレームとなし、その前面中央に開口した軸穴に前記シャフトを嵌挿した上で、フレーム両サイドの脚部をしゃ断器のケースに係止固定により着脱可能に固定する(請求項1)ようにし、その固定手段として前記シャフトガイドの脚部先端に係合爪を形成し、該係合爪をしゃ断器のケース側面に形成した凹溝に嵌め込んでスナップ結合する(請求項2)。
【0010】
かかる構成によれば、まず、しゃ断器のハンドルはその周域がシャフトガイドに覆われてガードされているために、扉を開いた状態ではしゃ断器のハンドルを直接操作してONに切り換えることができず、これにより盤内での点検作業が感電のおそれなしに安全に行える。
また、盤を開ける際の手順を誤って、ハンドルユニットをOFF位置に戻さずにONのまま大きな力を加えて扉を無理やりに開けようとすると、係合状態にあるシャフトの掛け具,ハンドルユニットのラッチが過大な力を受けて破損する以前に、シャフトガイドとしゃ断器ケース間のスナップ結合が外れ、ハンドルユニットにシャフトが繋がったままシャフトガイドと一緒にしゃ断器かから抜け出す。これにより、強引な扉開放によって部品が破損することがなく、ハンドルユニットをOFF位置に回してシャフトとの結合を外した上で、連結シャフト回路しゃ断器に組付け直すことで、当初の状態に戻して再使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に示す実施例に基づいて説明する。
各図において、1は盤内に据付けた配線用しゃ断器などの回路しゃ断器、2は盤の扉パネル7にマウントしたハンドルユニット、3はしゃ断器1とハンドルユニット2との間を連繋する連結シャフト、4はシャフト3を支持するシャフトガイド、5はシャフト3の一端にねじ止めして回路しゃ断器1のハンドル(回転式ハンドル)1aへ前方から着脱自在に差込み結合するホルダ、6はシャフト3の他端に固着してハンドルユニット2と嵌め合い係合するプラグ(掛け具)であり、これら部品2〜6で外部操作ハンドル装置を構成している。
【0012】
ここで、ハンドルユニット2はハンドルボディ2aと、回転式の操作ハンドル2bとの組立体からなり、図示してないが操作ハンドル2bの裏面側には前記したプラグ6と嵌め合い係合するラッチ機構が設けてある。なお、操作ハンドル2bは縦向き位置でON,ここから反時計方向に90°回した横向き位置がOFFであり、連結シャフト3を結合してハンドルユニット2としゃ断器1との間を連繋した状態で、操作ハンドル2bをON/OFF位置に回すとシャフト3を介してしゃ断器1のハンドル1aがON/OFF位置に移動する。また、プラグ6をハンドルユニット2のラッチ機構に嵌め込んだ状態で操作ハンドル2bをOFF位置に回すと、そのラッチ機構のロックが釈放されてプラグ6がシャフト3とともに自由に抜けるような仕掛けになっている。
【0013】
また、シャフトガイド4は、連結シャフト3をしゃ断器1のハンドル1aに取付けた状態で抜け落ちないように水平姿勢に支持するとともに、ハンドル1aの周囲を囲ってハンドルを直接手動で操作できないようにするガードカバーの役目を果しており、図示のようにしゃ断器1の前方に突き出してハンドル1aの周囲を覆う幅広なコ字形のフレーム(樹脂成形品)としてなり、その前壁中央に開口した軸穴4aに連結シャフト3を嵌挿して軸支するとともに、左右両サイドに突き出た脚部の先端に形成した突起状の係合爪4bをしゃ断器1のケース側面に形成した凹溝1bへ嵌め合い式にスナップ結合してしゃ断器1のケースに係止固定するようにしている。
【0014】
次に、前記構成になる外部操作ハンドル装置の操作,機能を図2〜図4で説明する。
まず、図2は盤内に据付けた回路しゃ断器1と扉7のパネル前面にマウントしたハンドルユニット2とを連結した使用状態を表す図であり、回路しゃ断器1のハンドル1aはホルダ5,連結シャフト3,プラグ6(図1参照)を介してハンドルユニット2に連結され、かつシャフト3はその中間軸がしゃ断器ケースに取付けたシャフトガイド4に支持されている。また、図示のハンドルONの状態ではシャフト3のプラグ6とハンドルユニット2のラッチ機構とが係合して扉7が開かないようにインターロックしている。したがって、この状態では扉7のドアロックを解錠しても扉は開らかない。
【0015】
また、図1の状態から盤内を点検するために扉7を開くには、ハンドルユニット2の操作ハンドル2bを一旦OFF位置に回してしゃ断器1をOFFにする。このOFF操作により、ハンドルユニット2とシャフト3に取付けたプラグ6との係合が釈放される。したがって、この状態で扉7のドアロックを解錠すれば扉を自由に開くことができるようになる。
【0016】
図3は前記の操作手順を経て盤の扉を開いた状態を表している。この扉開放の状態では、盤内に据付けけた回路しゃ断器1のハンドル1aの周域がしゃ断器ケースに取付けたコ字形フレームのシャフトガイド4で覆われてガードされているため、ハンドル1aに直接手を掛けてしゃ断器1をOFFの状態からONに切換え操作することが殆ど不可能である。これにより、盤内の点検作業を感電事故の心配なしに安全に行うことができる。
【0017】
一方、図4は、扉7を開く際にハンドルユニット2の操作ハンドル2bをON位置からOFF位置に戻さずに扉7のドアロックを解錠し、そのまま扉に手を掛けて大きな力で強引に扉7を開いた状態を表している。すなわち、操作ハンドル2bのON位置では、ハンドルユニット2のラッチ機構と連結シャフト3のプラグ(図1参照)とがロック状態にあるために通常の力では扉7が開かないが、大きな力を加えて扉7を無理やりに開こうとすると、その力が連結シャフト3を支えているシャフトガイド4に加わる。そのためにシャフトガイド4の板面が撓んでその脚部先端の係合爪4bがしゃ断器ケースの凹溝1bから抜け出してスナップ結合が外れる。その結果、図示のように連結シャフト3に取付けたホルダ5がハンドル1aから抜け、シャフトガイド4とともにシャフト3がハンドルユニット2に連なったまま扉7と一緒に前方に引き出される。
【0018】
つまり、扉7を無理やり力を加えて開こうとしても、ロック状態にあるハンドルユニット2のラッチ機構,連結シャフト3に取付けたプラグ6などの部品(樹脂成形品)が過大な外力で破損することがなく、その事後処理としてハンドルユニット2の操作ハンドル2bをOFF位置に回して連結シャフト3を抜き外した上で、改めて連結シャフト3,シャフトガイド4を回路しゃ断器1に組付けけることで、当初の組立状態に修復することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の構成によれば、次記の効果を奏する。
シャフトガイドを、しゃ断器のハンドル周域を覆うコ字形のフレームとなし、その前面中央に開口した軸穴に前記シャフトを嵌挿した上で、フレーム両サイドの脚部をしゃ断器のケースに係止固定により着脱可能に固定したことにより、前記シャフトガイドがしゃ断器のハンドル周囲を覆うガードカバーの役目を果たすので、扉を開いた状態でも盤内に据付けた回路しゃ断器のハンドルに手をかけて直接ON操作することが殆ど不可能である。これにより、扉を開いて行う盤内の点検作業が感電のおそれなしに安全に行うことができる。
また、盤の扉を開放する際の操作手順を誤って、ハンドルユニットの操作ハンドルをOFF位置に戻さずにON位置のまま過大な力で扉を無理やりに開こうとしても、シャフトガイドのスナップ結合が外れるだけでハンドル装置の部品が破損されずに済む。したがって、外れた部品を組付け直すことで元の状態に修復して再使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による外部操作ハンドル装置の分解斜視図
【図2】盤内に据付けた回路しゃ断器を扉のパネル前面に取付けたハンドルユニットで開閉操作する外部操作ハンドル装置の使用状態を表す図
【図3】図2の状態からハンドルユニットの扉インターロックを解除して扉を開き、ハンドルユニットを回路しゃ断器から切り離した盤内点検の状態を表す図
【図4】図2の状態からハンドルユニットの扉インターロックを解除せずに扉を強引に開いた場合の状態を表す図
【符号の説明】
1 回路しゃ断器
1a ハンドル
1b 凹溝
2 ハンドルユニット
2b 操作ハンドル
3 連結シャフト
4 シャフトガイド
4b 係合爪
5 ホルダ
6 プラグ(掛け具)
7 扉

Claims (2)

  1. 盤内に据付けた回路しゃ断器を盤外からのハンドル操作で開閉するための外部操作ハンドル装置であって、盤の扉前面にマウントしたハンドルユニットと、一端にしゃ断器のハンドルと着脱自在に結合するホルダ,他端にハンドルユニットのラッチ機構と係合する掛け具を備えた連結シャフトと、該連結シャフトを支えてしゃ断器本体のケースに固定したシャフトガイドとの組立体からなり、かつハンドルユニットは操作ハンドルのOFF位置で前記掛け具との係合を釈放するようにしたものにおいて、前記シャフトガイドを、しゃ断器のハンドル周域を覆うコ字形のフレームとなし、その前面中央に開口した軸穴に前記シャフトを嵌挿した上で、フレーム両サイドの脚部をしゃ断器のケースに係止固定により着脱可能に固定したことを特徴とする回路しゃ断器の外部操作ハンドル装置。
  2. 請求項1記載の外部操作ハンドル装置において、シャフトガイドの脚部先端に係合爪を形成し、該係合爪をしゃ断器のケース側面に形成した凹溝に嵌め込んでスナップ結合したことを特徴とする回路しゃ断器の外部操作ハンドル装置。
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