JP4252487B2 - 減速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーブを旋回走行する場合等に、車両の走行状態に応じて車両の減速制御を行うようにした減速制御装置に関するものである。
従来、カーブ或いはコーナ等を旋回走行する場合等に、旋回横加速度が設定値以上に大きい場合に自車両を自動的に減速し、旋回時の車両のアンダステアを抑制する装置が数多く考案されている。これらの自動減速装置は、ドライバの脇見や目測の誤り等によってカーブに多少のオーバースピードで進入した場合であっても車両が旋回外側に膨らむことを抑え、車両の安定性を向上させてドライバに安心感を与える効果がある。
また、ナビゲーションやインフラ設備等からの情報を用いて車両がカーブに進入する以前から、自車両前方のカーブの状態を前以って獲得し、車速が前方のカーブ形状に対して大きい場合には、カーブ進入以前から減速制御を行うようにした減速制御装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、自車両前方の車両等の障害物に対する接近度合に応じて車両を減速させることで、前方障害物との接触を防止したり、或いは障害物との接触速度を小さくしたりするシステムも提案されている。
特開平4−236699号公報
前述のように、旋回中に、車速が安全車速を超える場合に減速制御を行うようにしたシステムにおいては、減速制御を行うことによって、オーバースピード状態を脱する点において効果的であり、また、車速が低下することにより安定性を向上させることができる。しかしながら、横加速度が大きい状態で減速制御を行った場合には荷重移動が発生することから、場合によっては、荷重移動に起因する車両挙動変動が生じる可能性がある。
ここで、車両挙動を安定させるための挙動安定制御装置として、例えば、前輪又は後輪の舵角、或いは前後輪の舵角を制御することによって車両のヨーレートや横加速度を制御するようにした舵角制御装置、或いは、サスペンションのばねやダンパ、スタビライザを制御すること等により前後のロール剛性を変更し、車両の旋回時の挙動を制御するようにしたロール剛性配分制御装置、また、左右輪間の差動制限量を変更する差動制限制御や、四輪駆動車の前後の駆動力配分によって車両の旋回時の挙動を制御するようにした駆動力配分制御装置等が提案されている。
このような挙動安定制御装置を搭載している場合、前述のように減速制御を行うことによって荷重移動が発生することに起因して車両挙動が変化した場合であっても、挙動安定制御装置によってこの車両挙動が検知され、挙動変化に合わせて挙動安定制御装置が作動し、車両挙動を安定する方向に作用する。このため、これら挙動安定制御装置が搭載されている車両の場合には、減速制御によって自動的に減速を行ったとしても車両の安定性が低下する可能性は小さい。しかしながら、車両挙動変動が小さい場合であってもドライバの意思に関わらず減速制御を行う場合には多少なりとも車両挙動変動が生じた場合にはドライバに違和感を与えることになる。
また、カーブの半径が車速に対して極端に小さい場合、つまり、オーバースピードでカーブに進入した場合には、ドライバのハンドル操作も速く、またその操作量も大きくなり、車両に発生するヨーレートや加速度も急変する。このような状態で減速制御を行った場合には車両が不安定となるタイミングも速くなり、発生した前後加速度等の車両挙動変動量に基づいて荷重移動量を推定し、制動力配分を行っていたのでは、十分に車両を安定させることができない場合もあるという問題がある。
そこで、この発明は上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、減速制御を行うことに伴う車両挙動の変動をより確実に抑制することの可能な減速制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る減速制御装置は、自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、自車両の目標車速を算出する目標車速算出手段と、前記車速検出手段で検出された走行速度と前記目標車速算出手段で算出した目標車速との差分値に基づき目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、前記走行速度が前記目標車速よりも大きいとき前記目標減速度算出手段で算出された目標減速度相当の自車両の走行速度を低下させるための減速度を、ドライバの制動意思に関わらず発生させる減速制御手段と、を備えた減速制御装置において、自車両に発生する横加速度を検出する横加速度検出手段と、ドライバの旋回操作に伴う旋回走行中であり、且つ前記走行速度が前記目標車速よりも大きいときに、前記減速制御手段により減速度が発生されるに先立って当該減速度の発生に伴い生じる車両の旋回状態の変化量を推定する旋回状態変化量推定手段と、当該旋回状態変化量推定手段で推定した旋回状態の変化量に基づいて、ドライバが期待する旋回軌跡を車両が維持するように車両挙動を制御する挙動変化抑制手段と、を備え、前記旋回状態変化量推定手段は、前記目標減速度算出手段で算出される目標減速度と前記横加速度検出手段で検出される横加速度とに基づき前記旋回状態の変化量を推定し、前記目標減速度が大きいときほど前記旋回状態の変化量が大きくなり且つ前記横加速度が大きいときほど前記旋回状態の変化量が大きくなるように前記旋回状態の変化量を推定し、さらに、前記目標減速度又は前記横加速度が大きいときほど、前記目標減速度又は前記横加速度の変化に対する前記旋回状態の変化量の変化度合が大きくなるように推定することを特徴としている。
ここで、旋回状態で減速度を発生させた場合、減速度の発生に伴って旋回状態が変化する場合があるが、この旋回状態の変化量を予測し、この旋回状態の変化量に基づいて、ドライバが期待する旋回軌跡を車両が維持するように車両挙動を制御するから、減速度を発生させたとしてもこの減速度の発生に伴って、ドライバが期待する旋回軌跡とは異なる旋回軌跡をとることが回避される。
また、旋回状態変化量推定手段は、車両に発生する横加速度と減速制御手段における目標減速度とに基づき旋回状態の変化量を推定している。このため、車両の前後方向や横方向の荷重移動を考慮して旋回状態の変化量を推定することが可能となる。また、旋回状態変化量推定手段は、走行速度が目標車速よりも大きく減速制御手段により減速度が発生される状態となったときに旋回状態の変化量を推定し、これに基づき挙動変化抑制手段は車両挙動を制御するため、減速制御手段による減速度の発生に先立って、より早い段階で車両挙動の抑制を開始することができ、車両挙動の変動をより的確に抑制することが可能となる。
本発明に係る減速制御装置は、旋回走行中、ドライバの制動意思に関係なく減速度を発生させるときには、その減速度の発生に先立って、この減速度の発生に伴い生じる旋回状態の変化量に基づいて、ドライバが期待する旋回軌跡を車両が維持するように車両挙動を制御するようにしたから、減速度の発生に伴って旋回軌跡が変化することを確実に抑制することができる。
また、減速制御手段における目標減速度と自車両に発生する横加速度とに基づいて旋回状態の変化量を推定しているから、自車両における荷重移動を考慮して旋回状態を推定することができ、的確に推定することができる。このため、減速度の発生に伴う旋回軌跡の変化を的確に抑制することができる。
また、走行速度が目標車速を上回り、減速制御手段により減速度が発生されるときに、この減速度の発生に伴う、車両挙動の変動を抑制するための制御を行なうため、減速制御手段による減速度の発生に先立って車両挙動の制御を開始することができ、減速度の発生に伴う車両挙動の変動をより確実に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における減速制御装置の一例を示す車両概略構成図である。なお、この車両は、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
図1中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、ドライバによるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介挿されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成され、例えば比例ソレノイド弁を使用することによって任意の制動流体圧に制御可能に構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述するコントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述したコントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
さらに、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφを検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、いわゆるマスタシリンダ圧Pmを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角θを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが備えられ、それらの検出信号は前記コントロールユニット8に出力される。また、駆動トルクコントロールユニット12で制御された車輪軸上での駆動トルクTwも合わせてコントロールユニット8に出力される。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とし、右方向を負方向とする。すなわち、ヨーレートφや横加速度Yg、操舵角θは、左旋回時に正値となり、右旋回時に負値となる。
また、車両には、前記コントロールユニット8で後述の減速制御が作動する際に、これをドライバに警告するための警報装置23が設けられている。この警報装置23は、音声やブザー音を発生するためのスピーカやモニタを含んで構成され、表示情報及び音声情報によって警告を発することにより、減速度が発生することをドライバに通知するようになっている。
また、この車両には、車両挙動を制御するための車両挙動制御装置100として、図2に示すように、操舵角センサ19で検出されるステアリングホイール21の操舵角θに応じて,補助操舵輪となる後輪の舵角を制御する後輪操舵制御装置が搭載され、前記コントロールユニット8によって制御されるようになっている。
この車両挙動制御装置100、つまり、後輪操舵制御装置は、図2に示すように、後輪5RL及び5RR間に、タイロッド51を介して操舵軸52が介挿され、アクチュエータユニット53によって操舵軸52を車両の左右方向に移動させて、後輪を補助操舵するようになっている。このアクチュエータユニット53は、電動モータ54を動力源とする公知の後輪操舵機構55を構成し、電動モータ54を両方向に駆動することによって操舵軸52が車両の左右方向に往復移動され、操舵輪である後輪5RL、5RRを左右方向に同期して操舵することができるようになっている。この後輪操舵機構55には、前記電動モータ54の回転角、すなわち後輪5RL、5RRの実後輪舵角θrを検出する後輪舵角センサ56a、56bが設けられ、これらセンサの検出信号は前記コントロールユニット8に入力されるようになっている。
なお、主操舵輪となる前輪5FL、5FR間は、それぞれタイロッド57を介してラック軸58aに連結している。このラック軸58aにはステアリングシャフト59に連結されたピニオン58bが噛合しておりラック軸58aとピニオン58bとで既知のラックアンドピニオン式ステアリングギア装置を構成している。そして、ステアリングホイール21を回転させることにより前輪5FL、5FRを機械的に主操舵できるように構成されている。
そして、前記コントロールユニット8は、各種センサの検出信号に基づいて、旋回走行時における自車両の走行速度が、安定走行可能な目標速度となるように減速度を発生させる減速制御処理を実行すると共に、前記操舵角θ、また、後輪舵角センサ56a、56b等各種センサの検出信号に応じて公知の後輪操舵制御処理を実行し、ステアリングホイール21の操舵角θに応じて後輪の舵角を制御するようになっている。
図3は、前記コントロールユニット8で行われる演算処理の処理手順を示すフローチャートである。この演算処理は、所定サンプリング時間ΔT(例えば、10〔ms〕)毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読み出される。
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサや各コントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ、各車輪速度Vwi、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm、操舵角θ、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読込む。さらに、前記後輪舵角センサ56a、56bからの実後輪舵角θrを読み込む。
次いで、ステップS2に移行し、各車輪速度Vwi(i=FL〜RR)のうち、非駆動輪である前左右輪速度Vwfl、Vwfrの平均値から自車両の走行速度Vを算出する。
なお、ここでは、前左右輪速度Vwfl、Vwfrに基づいて走行速度Vを算出するようにした場合について説明したが、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御手段が搭載されており、このABS制御手段によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにすればよい。
次いでステップS3に移行し、路面摩擦係数の推定値Kμを算出する。例えば、各車輪に作用する制駆動力と各車輪に発生するスリップ率との関係から公知の手順で、路面摩擦係数の推定値Kμを推定する。
なお、ここでは、路面摩擦係数を、制駆動力と各車輪に発生するスリップ率との関係から推定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、路面摩擦係数を推定することができればどのような方法であってもよい。例えば、各種パラメータから算出するようにしてもよく、また、走行路側にインフラ設備が配設されている場合には、カーブ手前でインフラ設備からカーブ情報として路面摩擦係数に関する情報を入手するようにしてもよい。
また、単純にドライバが目視によって路面摩擦係数を推定し、これを選択スイッチによって入力するようにしてもよい。この選択スイッチによって入力する場合には、例えば、高〔g〕(又はドライ)=1.0〔g〕相当、中〔g〕(又は、ウェット)=0.8〔g〕相当、低〔g〕(又は圧雪)=0.4〔g〕相当等のように、大まかな設定とすることで、ドライバが路面摩擦係数を選択しやすくするようにすればよい。
次いで、ステップS4に移行し、基準目標ヨーレートφr0を算出する。ここでは、操舵角θと走行速度Vとに基づいて、図4に示す制御マップから算出する。
なお、図4において、横軸は操舵角θ、縦軸は基準目標ヨーレートφr0である。操舵角θが大きいときほど基準目標ヨーレートφr0は大きくなり、且つ操舵角θが小さいときほど操舵角θの変化に対し基準目標ヨーレートφr0は急峻に変化するようになっている。さらに、基準目標ヨーレートφr0は、走行速度Vが大きいときほど大きくなるが、走行速度Vがある程度大きくなると走行速度Vの増加に応じて減少するようになっている。
なお、ここでは、図4に示す特性図から基準目標ヨーレートφr0を算出するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、車両モデルを用いて、走行速度Vと操舵角θとから基準目標ヨーレートφr0を算出するようにしてもよい。
次いで、ステップS5に移行しセレクトヨーレートφsを算出する。ここでは、ステップS4で算出した基準目標ヨーレートφr0の絶対値と、ヨーレートセンサ16で検出した実ヨーレートφの絶対値とを比較し、これらのうち何れか大きい方の絶対値を、セレクトヨーレートφsとして設定する。
次いで、ステップS6に移行し、横加速度制限値Yglimtを設定する。ここでは、ドライバがスイッチ操作を行うことによって設定するものとする。つまり、イグニッションON時の初期設定は「中」に設定して、Yglimt=YglimtM(例えば、0.65〔g〕程度)とし、ドライバがスイッチ操作を行うことによって、「低」の設定として、Yglimt=YglimtL(例えば、0.45〔g〕程度)、又は「高」の設定として、Yglimt=YglimtH(例えば、0.8〔g〕程度)の設定に切り替えることができるようになっている。このようにすることによって、この減速制御によるドライバの安心感が高い設定で、且つ違和感のない設定を選択することができる。
なお、ここでは、横加速度制限値Yglimtをドライバのスイッチ操作によって設定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、タイヤの横力発生の変化を推定し、ドライバ操作による操舵角の増加に対する、タイヤに発生する横力の増加の割合が小さくなったと判断されるときの横加速度を、横加速度制限値Yglimtとして設定するようにしてもよい。
次いで、ステップS7に移行し、目標減速度Xgsを算出する。
具体的には、まず、ステップS3で算出した路面摩擦係数の推定値Kμと、ステップS5で算出したセレクトヨーレートφsと、ステップS6で算出した横加速度制限値Yglimtとをもとに、次式(1)から目標車速Vsを算出する。
Vs=(Kμ×Yglimt)/φs ……(1)
そして、この目標車速Vsと走行速度Vとから次式(2)にしたがって、目標減速度Xgsを算出する。この目標減速度XgsがXgs>0のときに、減速制御が作動し減速度が発生されることになる。
Xgs=(V−Vs)/ΔT ……(2)
なお、式(2)中の、ΔTは、目標減速度Xgsを求めるための設定時間(固定値)である。ここでは、設定時間ΔTを固定値としたが、前記ステップS6で算出される横加速度制限値Yglimtが切り替えられるのに併せて変更するようにしてもよい。
次いで、ステップS8に移行し、減速制御の作動に伴う自車両の挙動変化量Δφeを推定する。具体的には、加速度センサ15で検出される横加速度YgとステップS7で算出した目標減速度Xgsとに基づいて、図5に示す制御マップから挙動変化量Δφeを推定する。この挙動変化量Δφeは、横加速度が発生している状態で減速した場合の、荷重移動量に依存するものである。
なお、図5は、横加速度Yg及び目標減速度Xgsと、挙動変化量Δφeとの関係を、直交する3軸の座標系で表したものであって、挙動変化量Δφeは、横加速度Ygが大きいときほど大きくなり、また、目標減速度Xgsが大きいときほど大きくなるように設定され、このとき、横加速度Yg或いは目標減速度Xgsが大きいときほど、横加速度Yg或いは目標減速度Xgsの変化に対する挙動変化量Δφeの変化量が大きくなるように設定される。
なお、ここでは、挙動変化量Δφeを、実際に発生している横加速度Ygと目標減速度Xgsとに基づいて算出したが、これに限るものではなく、車両モデル等を用い、実際に目標減速度Xgsで減速した場合に発生する前後方向及び横方向の荷重移動や、タイヤの発生横力の変動、さらには、走行速度Vの変化等を考慮して推定するようにしてもよい。
次いで、ステップS9に移行し、ステップS8で算出した挙動変化量Δφeから、この挙動変化量Δφeを抑制するための後輪操舵量に相当する後輪操舵補正量Δθrを、次式(3)にしたがって算出する。
Δθr=Kr×(Yg/|Yg|)×Δφe ……(3)
なお、式(3)中のKrは、挙動変化量Δφeを後輪操舵角に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。また、Yg/|Yg|は、実際に発生している横加速度から後輪操舵の操舵方向に応じた符号を設定するために乗算している。なお、左旋回時の横加速度Ygを正値とすると後輪操舵補正量Δθrも正値となり、後輪を左方向に操舵するように設定される。
次いで、ステップS10に移行し、基準後輪操舵量θrmの算出処理を行う。この基準後輪操舵量θrmの算出は、公知の四輪操舵制御装置における後輪操舵制御処理と同様に行い、ステアリングホイール21による前輪の操舵と同位相の後輪操舵を行う。そして、例えば、車速中速域では、ステアリング特性を弱アンダステア方向に変更制御して旋回性能を向上させ、高速域ではステアリング特性をアンダステア方向に強めるように変更制御して、旋回時、レーンチェンジ時等の車両の安定性を向上させると共に、コーナリングの収束性を向上させる。
このようにして基準後輪操舵量θrmを算出したならばステップS11に移行し、次式(4)にしたがって目標後輪操舵量θrsを算出する。つまり、前記基準後輪操舵量θrmと前記後輪操舵補正量Δθrとを加算しこれを目標後輪操舵量θrsとする。
θrs=θrm+Δθr ……(4)
次いで、ステップS12に移行し、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出する。
具体的には、まず、前記ステップS7で算出された目標減速度Xgsに基づき次式(5)にしたがって、制御目標制動流体圧Pcを算出する。
Pc=Kb1×Xgs ……(5)
なお、(5)式中のKb1は、目標減速度Xgsを制動流体圧に換算するための換算係数であって、ブレーキ諸元を含む車両諸元により定まる定数である。
次に、ドライバによる制動操作に応じたマスタシリンダ圧Pmも考慮して、制御目標制動流体圧Pcに基づき、前輪目標制動流体圧PsF及び後輪目標制動流体圧PsRを次式(6)から算出する。
PsF=max(Pm、Pc)
PsR=h(PsF) ……(6)
なお、(6)式中の、関数max( )は、( )内の何れか大きい方を選択することを表す。また、関数hは、最適な前後制動力配分となるように前輪の制動流体圧から後輪の制動流体圧を算出するための関数である。
そして、このようにして算出した前輪及び後輪の目標制動流体圧PsF、PsRに基づいて、次式(7)から各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出する。
Psfl=Psfr=PsF
Psrl=Psrr=PsR ……(7)
このようにして、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出したならば、ステップS13に移行し、駆動輪の目標駆動トルクTrqを算出する。具体的には、減速制御作動中であるか否かに応じて場合分けを行い、減速制御作動中である場合には、目標駆動トルクTrqをTrq=f(0)とし、ドライバによってアクセルペダル操作が行われたとしてもエンジン出力を絞り、加速できないようにする。つまり、減速制御作動中は、アクセル開度AccがAcc=0相当の駆動トルクを発生させるだけとする。一方、減速制御が作動していないときには、アクセル開度Accに応じた駆動トルクを、目標駆動トルクTrq=f(Acc)とする。なお、前記関数f( )は、アクセル開度Accに応じた駆動トルクを算出するためのアクセル関数である。
なお、ここでは、減速制御中は、アクセル開度Acc=0相当の駆動トルクとするようにした場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、減速制御開始時に直ちにアクセル開度Acc=0に相当する駆動トルクに制御する必要はなく、ある程度の遅れ等を持たせるようにしてもよい。
次いで、ステップS14に移行し、ステップS12で算出した各車輪の目標制動流体圧Psiを発生するよう前記制動流体圧制御回路7に向けて制御信号を出力し、また、ステップS13で算出した目標駆動トルクTrqを発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。さらに、車両挙動制御装置100としての後輪操舵制御装置に向けて、前記目標後輪操舵量θrsだけ後輪を操舵するよう制御信号を出力する。
また、減速制御を作動する場合、つまり、各車輪の制動流体圧を制御し減速度を発生させる場合には、警報装置23を作動させ、ドライバに減速制御の作動を通知するための表示を行ったり或いは警報を発生させたりする等といった処理を行う。
以上の処理によって、図3に示す演算処理が終了したならば、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
今、自車両が直進走行しているものとすると、セレクトヨーレートφsは比較的小さな値となり(ステップS5)、また、目標車速Vsは比較的大きな値となることから目標減速度Xgsは零以下の値となる(ステップS7)。したがって、減速制御は作動せず、また挙動変化量Δφeは略零となるから(ステップS8)、後輪操舵補正量Δθrは零(ステップS9)、また、制御目標制動流体圧Pcは略零となり、前後輪の目標制動流体圧PsF、PsRは、マスタシリンダ圧Pmに応じた値となり、目標駆動トルクTrqは、アクセル開度Accに応じた値となる(ステップS13)。
したがって、直進走行中は減速制御が作動することはなく、ドライバのアクセルペダル操作やブレーキペダル操作に即した車両挙動となる。
また、このとき、直進走行しておりステアリングホイール21の操舵角θは略零となるから基準後輪操舵量θrmも略零となり、また前述のように後輪操舵補正量Δθrは零であるから、目標後輪操舵量θrsは略零となり、後輪5RL、5RRは中立状態に維持される。
この状態から、カーブへの進入に伴ってドライバが操舵を行うと、ステアリングホイール21の操作に応じて前輪5FL、5FRの舵角が変化し、これに応じて自車両は旋回状態となる。また、操舵角θに応じた基準後輪操舵量θrmが算出され、この基準後輪操舵量θrmが増加するとこれに伴って目標後輪操舵量θrsが増加し、これに応じて後輪操舵制御装置が作動するから、後輪5RL、5RRが前輪と同相方向に転舵され、車両特性がアンダステア傾向となって走行安定性が向上する。
このとき、自車両が旋回状態となると、セレクトヨーレートφsが増加し、これに応じて目標車速Vsが減少するが、走行速度Vが目標車速Vsよりも小さいときには、目標減速度Xgsが零以下となることから減速制御は行われない。つまり、旋回状態であっても、自車両が安定した旋回走行が可能な走行速度Vで走行していると判定されるときには減速制御は作動しない。
また、セレクトヨーレートφsが比較的小さく、目標減速度Xgsが零以下であるときには挙動変化量φsは略零となり、後輪操舵補正量Δθrは略零となることから基準後輪操舵量θrmの補正は行われない。つまり、減速制御が作動せず、車両の荷重移動による車両挙動の変化が生じることはないと予測されるときにはステアリングホイール21の操舵角θに応じて後輪が操舵されることになり、ドライバの操舵操作に応じた車両挙動となる。
一方、自車両が旋回状態となりセレクトヨーレートφsが増加し、走行速度Vが目標車速Vsよりも大きくなると、目標減速度Xgsが零よりも大きくなることから、減速制御が作動される。このとき、現時点における横加速度Ygと安全走行を確保するための目標減速度Xgsとに応じた挙動変化量φeが図5の制御マップから算出され、この挙動変化量Δφeを抑制するために必要な後輪の舵角相当の後輪操舵補正量Δθrが算出される。
そして、目標減速度Xgsを達成するよう各車輪の目標制動流体圧Psiが算出され、また、ドライバのアクセルペダルの操作に関わらず、目標駆動トルクTrqはアクセル開度Acc=0相当の値となる。また、基準後輪操舵量θrmが挙動変化量Δφe相当の後輪操舵補正量Δθrによって補正され、操舵角θに応じた基準後輪操舵量θrmに対し前輪と同相方向に後輪操舵補正量Δθrだけさらに操舵するよう後輪の操舵が行われる。
これによって、目標減速度Xgs相当の減速が行われ、自車両の走行速度Vが目標車速Vsとなるように減速されることになって、旋回時における自車両の安定走行が確保される。このとき、このように旋回状態にあるときに減速制御を行った場合には、図6に示すように、旋回内側方向(矢印x1)への車両挙動変動を伴う場合がある。
しかしながら、この車両挙動変動を抑制し得る後輪の操舵角相当だけ後輪を前輪と同相方向に操舵するようにし、後輪操舵補正量Δθr相当だけアンダステア傾向となるように後輪を操舵しているから、自車両のアンダステア傾向がより強められることになって、減速制御による車両挙動の変動方向、つまり、旋回内側方向とは逆方向にヨーモーメントが発生されることと同等の車両挙動となる(図6の矢印x2)。したがって、結果的に自車両の車両挙動変動が抑制され、安定走行が確保されることになる。
したがって、旋回中に減速制御を行った場合であってもこの減速制御を行うことに起因して車両挙動変動が生じることなく、安定した車両挙動を確保しつつ減速を行うことができる。よって、旋回走行中に、減速制御が行われたとしても、ドライバが意図しない車両挙動変動が生じることによってドライバに違和感を与えることを回避することができる。
また、このとき、減速制御を行う際に、この減速制御により生じると予測される車両挙動変動を予測し、この車両挙動変動を考慮してこれを抑制し得る後輪操舵補正量Δθrだけ後輪を前輪と同相方向に前以って制御するようにしているから、車両挙動変動が発生する以前に、この車両挙動変動が発生しないように後輪を制御することになって、車両挙動変動を的確に防止することができる。
また、前記目標車速Vsを、路面摩擦係数の推定値Kμ、セレクトヨーレートφs、及び横加速度制限値Yglimtに基づいて算出し、これに基づいて目標減速度Xgsを算出するようにしたから、ドライバが期待するカーブでの走行ラインを維持するために適した目標車速を設定することができ、これを実現するための的確な減速制御を行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、制動力を制御することのみにより生じる減速度が、前記目標減速度Xgsとなり得るように制動力制御を行うようにした場合について説明したが、例えば、スロットル開度を全閉状態にすることによって発生する減速度等をも考慮し、この減速度に応じて、制御目標制動流体圧Pcを補正するようにし、制動力制御及び駆動力制御の双方によって目標減速度を達成するようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、後輪操舵制御装置によって、後輪の操舵制御を行う際に、この後輪操舵制御による後輪操舵量を補正するようにした場合について説明したが、必ずしも後輪操舵制御処理を実行する必要はない。つまり、後輪を操舵することの可能な操舵制御機構を備えていればよく、挙動変化量Δφe相当の挙動変動を抑制するための操舵量相当分だけ後輪を操舵制御するようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、車両挙動制御装置100として後輪操舵制御装置を適用した場合について説明したが、例えば、特開平2001−301640号公報に記載されているように、前輪を操舵制御するようにした前輪操舵制御装置を適用することも可能である。
この場合には、前記図3のステップS9からステップS11の処理では、前輪についてそれぞれ制御量を算出するようにすればよい。つまり、ステップS9に相当する処理では、挙動変化量φeを抑制し得る前輪の操舵補正量、つまり、前輪の操舵量を旋回方向とは逆方向に切り戻す方向への操舵補正量Δθfを算出する。これは例えば、次式(8)から算出する。なお、式(8)中のKfは、挙動変化量Δφeを前輪操舵角に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。
Δθf=−Kf×(Yg/|Yg|)×Δφe ……(8)
そして、ステップS10に相当する処理では、公知の前輪操舵制御処理と同様に、例えば、撮像手段で撮像した自車両前方の画像をもとに画像コントローラによって自車両の走行車線に対するヨー角Φ、車線中心からの横変位y、走行車線の曲率βを検出し、これに基づいて例えば次式(9)から基準前輪操舵量θfmを算出する。
θfm=Ka・Φ+Kb・y+Kc・β ……(9)
なお、(9)式中のKa、Kb、Kcは、車速に応じて変動する制御ゲインである。
そして、ステップS11に相当する処理では、次式(10)にしたがって、前記基準前輪操舵量θfmを前記前輪操舵補正量Δθfで補正し、目標前輪操舵量θfsを算出する。
θfs=θfm+Δθf ……(10)
このように、前輪の操舵制御を行う場合には、前輪操舵補正量Δθfは、前輪の操舵角を旋回方向とは逆方向に引き戻す方向に作用することになって、すなわち、旋回外側方向へのヨーモーメントが発生した場合と同等となるから、これが、減速制御による旋回内側方向へのヨーモーメントと打ち消し合うことになって、この場合も車両挙動変動を抑制することができ、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、前記前輪を操舵制御する方法としては、前記特開平2001−301640号公報に記載されているようにステアリング機構を電子制御するようにした方法を用いる以外に、例えば、ステアリングホイール21の操舵角と転舵輪角度との比であるギヤ比を変更可能なギヤ比可変機構を設け、可変ギヤによりギヤ比を変更することによって、転舵輪を制御するようにした操舵ギヤ比制御装置(操舵ギヤ比可変手段)等であっても適用することができる。この操舵ギヤ比を制御する場合には、例えば、転舵輪角度が、前記前輪操舵補正量相当だけ引き戻されるように、前記操舵ギヤ比を変更するようにすればよい。
また、車両挙動制御装置100として、前輪だけでなく後輪の操舵制御も行うようにした四輪操舵制御装置であっても適用することができる。この場合も、上記と同様であって、前記第1の実施の形態に示す後輪操舵制御装置を備えた場合と同様にして挙動変化量φeを打ち消す方向に後輪舵角を制御するか、又は前述の前輪操舵制御装置を備えた場合と同様にして挙動変化量φeを打ち消す方向に前輪舵角を制御するようにすればよい。
また、例えば、挙動変化量φeを、前輪及び後輪のそれぞれで分担するようにしてもよい。例えば、挙動変化量φeの半分を前輪及び後輪のそれぞれで分担するようにしてもよく、また、前輪の操舵状態に応じて分担率を配分し、例えば前輪の操舵角が既に大きい場合には後輪の分担率を多くするようにしてもよく、逆に、後輪操舵角が既に大きい場合には、前輪の分担率を大きくするようにしてもよい。操舵角が大きい領域では、挙動変化量φe相当の補正を行ったとしても、挙動変化量φe相当の挙動変化を抑制し得る十分な効果を得ることができない場合があるため、このように、操舵状態に応じて分担率を配分することによって、挙動変化量φe相当の挙動変化を抑制し得るヨーモーメントを的確に発生させることができる。
ここで、上記第1の実施の形態において、図3のステップS1からステップS7、ステップS12〜S14の処理が減速制御手段に対応し、ステップS2の処理が車速検出手段に対応し、ステップS7の処理が目標車速算出手段及び目標減速度算出手段に対応し、ステップS8の処理が旋回状態変化量推定手段に対応し、車両挙動制御装置100が挙動変化抑制手段、ステアリング特性変更手段に対応し、車両挙動制御装置100としての後輪操舵制御装置が操舵制御手段に対応している。また、加速度センサ15が横加速度検出手段に対応している。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、前記図1において、前記車両挙動制御装置100として、車両のロール剛性配分制御を行うことによって、車両挙動を制御するようにしたロール剛性配分制御装置(挙動変化抑制手段、ステアリング特性変更手段、ロール剛性配分制御手段に対応)を備えている。
このロール剛性配分制御装置は、図7に示すように、車体側部材61と各車輪5FL〜5RRとの間には、油圧シリンダ62がそれぞれ設けられて公知の能動型サスペンションを構成しており、各油圧シリンダ62への流体圧を、図示しない油圧制御回路をコントロールユニット8によって制御することにより車両のロール剛性配分制御を行って、ステアリング特性を変化させるようになっている。
また、車両の適所には、車両の上下方向に作用する上下加速度を検出する上下加速度センサ63がさらに設けられ、前記コントロールユニット8では、前記加速度センサ15で検出した前後方向及び左右方向の加速度と、前記上下加速度センサ63で検出した上下方向の加速度とに基づいて公知のロール剛性配分制御処理を実行し、各油圧シリンダ62への油圧制御を行って車両のロール剛性配分制御を行うようになっている。また、コントロールユニット8は、上記第1の実施の形態と同様に、旋回走行時の自車両の走行速度が安定走行可能な目標車速となるように減速度を発生させる減速制御処理を実行するようになっている。
この第2の実施の形態においては、コントロールユニット8では、図8のフローチャートに示す処理手順で処理を行う。なお、上記第1の実施の形態と同一処理部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図8において、ステップS1からステップS8の処理は、上記第1の実施の形態と同様であって、目標減速度Xgsを算出した後(ステップS7)ステップS8に移行し、挙動変化量Δφeを推定する。
次いで、ステップS21に移行し、ステップS8で算出した挙動変化量Δφeから、この挙動変化量Δφeを抑制するための前後のロール剛性配分に相当する、前後ロール剛性配分補正量ΔStbを、次式(11)にしたがって算出する。
ΔStb=Kstb×Δφe ……(11)
なお、式(11)中のKstbは、挙動変化量Δφeを前後ロール剛性配分に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。前後ロール剛性配分を制御する場合、車両を安定させる場合には、上記第1の実施の形態で説明した操舵制御を行う場合のように方向性はなく、常にロール剛性配分の前軸の配分を大きくする側に制御することになる。
次いで、ステップS22に移行し、基準前後ロール剛性配分量を算出し、前輪側の基準ロール剛性配分量RSfmを算出する。前記基準前後ロール剛性配分量は、公知のロール剛性配分制御処理と同様にして算出し、例えば、車速、或いは旋回状態等に応じて、乗り心地やステア特性向上を図るための前後のロール剛性配分量を算出する。そして、このようにして算出した前後のロール剛性配分量に応じた前輪側のロール剛性配分量を、前輪側の基準ロール剛性配分量RSfmとする。
このようにして前輪側の基準ロール剛性配分量RSfmを算出したならば、ステップS23に移行し、次式(12)にしたがって前後の目標ロール剛性量RSfs、RSrsを算出する。
RSfs=Krstif×(RSfm+ΔStb)
RSrs=Krstif×{1−(RSfm+ΔStb)} ……(12)
なお、(12)式中のKrstifは、乗り心地や車両のステアリング特性から定めたトータルロール剛性であって、ここでは定数としている。
次いで、ステップS12に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出し、次いで、ステップS13に移行し、減速制御作動中である場合には、目標駆動トルクTrq=f(0)とし、減速制御が作動していないときには、アクセル開度Accに応じた駆動トルクを、目標駆動トルクTrq=f(Acc)とする。
次いで、ステップS24に移行し、ステップS12で算出した各車輪の目標制動流体圧を発生するよう前記制動流体圧制御回路7に向けて制御信号を出力し、また、ステップS13で算出した目標駆動トルクTrqを発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。さらに、車両挙動制御装置100としてのロール剛性配分制御装置に向けて、前後のロール剛性量が、前記ステップS23で設定した前後の目標ロール剛性量となるように制御信号を出力する。
また、減速制御を作動する場合、つまり、各車輪の制動流体圧を制御して減速度を発生させる場合には、警報装置23を作動させ、ドライバに減速制御の作動を通知するための表示を行ったり或いは警報を発生させたりする等といった処理を行う。
以上の処理によって、図8に示す演算処理が終了したならば、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
自車両が直進走行している場合には、上記第1の実施の形態と同様に、減速制御が行われず、また、挙動変化量Δφeは略零となるから(ステップS8)、前後のロール剛性配分補正量ΔStbは略零となり(ステップS21)、ロール剛性配分制御処理で算出された基準前後ロール剛性配分量となるように、前後のロール剛性量が制御されることになる(ステップS22、S23)。
この状態から、カーブへの進入に伴って旋回状態となると、セレクトヨーレートφsが増加し、これに応じて目標車速Vsが減少するが、走行速度Vが目標車速Vsよりも小さく、目標減速度Xgsが零以下となるときには減速制御は行われない。また、目標減速度Xgsが零以下であるときには挙動変化量φsは略零となるから、前後ロール剛性配分補正量ΔStbは略零となり基準前後ロール剛性配分量の補正は行われない。つまり、旋回状態であっても、減速制御が行われず、車両の荷重移動による車両挙動の変化が生じることはないと予測されるときには、ロール剛性配分制御処理で設定された基準前後ロール剛性配分量となるように前後のロール剛性量が制御されることになる。したがって、不必要にアンダステア傾向が強くなることはない。
一方、自車両が旋回状態となりセレクトヨーレートφsが増加し、走行速度Vが目標車速Vsよりも大きくなり、目標減速度Xgsが零よりも大きくなると、減速制御が作動され、現時点における横加速度Ygと安全走行を確保するための目標減速度Xgsとに応じた挙動変化量Δφeが図5の制御マップから算出され、この挙動変化量Δφeを抑制するために必要な、前後のロール剛性配分補正量ΔStbが算出される。
そして、目標減速度Xgsを達成するよう各車輪の目標制動流体圧Psiが算出され、また、ドライバのアクセルペダルの操作に関わらず、目標駆動トルクTrqはアクセル開度Acc=0相当の値となる。また、ロール剛性配分制御処理による基準前後ロール剛性配分量が、挙動変化量Δφe相当の前後ロール剛性配分補正量ΔStbに応じて補正され、前輪側のロール剛性配分が前後ロール剛性配分補正量ΔStb相当、より大きくなるように補正される。
したがって、目標減速度Xgs相当の減速が行われることになって、旋回時における自車両の安定走行が確保されることになると共に、このように、旋回状態にあるときに減速制御を行った場合には、図9に矢印x11で示すように、旋回内側方向への車両挙動変動を伴う場合があるが、この車両挙動変動を抑制し得るように、前輪側のロール剛性配分がより大きくなるように前後のロール剛性量を配分しているから、左右荷重移動の前輪分担が増えてアンダステア傾向が強くなる。その結果、図9に矢印x12で示すように、減速制御による車両挙動の変動方向、つまり、旋回内側方向とは逆方向にヨーモーメントが発生されることと同等の車両挙動となり、結果的に自車両の車両挙動変動が抑制され、安定走行が確保されることになる。
このように、この第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、旋回中に減速制御を行った場合であっても車両挙動変動が生じることなく、安定した車両挙動を確保しつつ減速を行うことができ、また、減速制御により生じると予測される車両の挙動変動量φeを考慮して、予めこれを抑制し得る前後ロール剛性配分補正量ΔStbに応じて、基準前後ロール剛性配分量を補正するようにしたから、車両挙動変動が発生する以前に、この車両挙動変動が発生しないように前後のロール剛性配分を制御することになって、車両挙動変動を的確に防止することができる。
なお、上記第2の実施の形態においては、ロール剛性配分制御装置として、前後のロール剛性配分量をリニアに制御することの可能なアクチュエータを前提とした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、ダンパの減衰力を無段或いは有段で変更可能な簡易なアチュエータを用いることも可能であり、また、高性能なアクティブサスペンション等であっても適用することができる。
このとき、前後のロール剛性を任意に変更することの可能なロール剛性配分制御装置を用いた場合には、前後のロール剛性配分だけでなく、トータルロール剛性を変更するようにしてもよい。また、各輪の減衰力を無段或いは有段で変更可能な簡易なアクチュエータを用いる場合には、前輪側の減衰力が大きくなるように制御すればよい。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、前記図1において、前記車両挙動制御装置100として、前後の駆動力配分量を制御することにより、車両挙動を制御するようにした駆動力配分制御装置(挙動変化抑制手段、ステアリング特性変更手段、駆動力配分制御手段に対応)を備えている。
この駆動力配分制御装置は、図10に示すように、エンジン9からの出力は変速機10で、選択された歯車比で変速されて、トランスファ71で前輪側及び後輪側に分割される。そして、トランスファ71で分割された前輪側駆動力が前輪側出力軸72、フロントディファレンシャルギア73及び前輪側ドライブシャフト74を介して前輪5FL、5FRに伝達される。
一方、後輪側駆動力はプロペラシャフト75、リヤディファレンシャルギヤ76及び後輪側ドライブシャフト77を介して後輪5RL、5RRに伝達される。
前記トランスフャ71には、油圧ユニット78から付与されるクラッチ制御圧に応じて前後輪に対するトルク配分比を変更することの可能な公知の流体式多板クラッチ機構71aが設けられている。前記油圧ユニット78は、例えば、図示しないリザーバ内の作動油を加圧供給する流体圧力源78aと、この流体圧力源78aからの供給油圧を可変制御してクラッチ機構71へ作動油を供給する圧力制御弁78bとから構成され、この圧力制御弁78bはコントロールユニット8によって制御されるようになっている。
そして、前記コントロールユニット8は、上記第1の実施の形態と同様に、自車両の走行速度が安定した旋回走行が可能な目標車速となるように減速度を発生させる減速制御処理を実行すると共に、公知の駆動力配分制御装置と同様にして、走行状態に応じて前後の駆動トルク配分を決定し、これに応じて油圧ユニット78を制御し、クラッチ機構71aを制御して前後の駆動トルク配分量を制御する。
図11は、第3の実施の形態におけるコントロールユニット8の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施の形態と同一処理部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図11において、ステップS1からステップS8の処理は、上記第1の実施の形態と同様であって、目標減速度Xgsを算出し(ステップS7)、挙動変化量Δφeを推定したならば(ステップS8)ステップS31に移行する。
このステップS31では、前記ステップS8で算出した挙動変化量Δφeから、この挙動変化量Δφeを抑制するための前後の駆動力配分量として、前後駆動力配分補正量ΔTrqを、次式(13)にしたがって算出する。
ΔTrq=Ktrq×Δφe ……(13)
なお、式(13)中のKtrqは、挙動変化量Δφeを前後駆動力配分に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。前後の駆動力配分制御を行う場合、車両を安定させる場合には、上記第1の実施の形態で説明した操舵制御を行う場合のように方向性はなく、常に駆動力配分の前軸の配分を大きくする側に制御することになる。
次いで、ステップS32に移行し、公知の駆動力配分制御処理を実行し、ここでは、後輪駆動車両であるから、例えば前輪側と後輪側との前後輪速度差及び横加速度等に基づいて前輪側の駆動力配分量を算出し、これを基準前輪駆動力配分量Trqfmとする。
このようにして、基準前輪駆動力配分量Trqfmを算出したならばステップS33に移行し、目標差動制限量Pdifsを算出する。
具体的には、まず、目標前輪駆動力配分量Trqfsを算出する。ここでは、次式(14)にしたがって、前輪への目標駆動力配分量を算出する。
Trqfs=Trqfm+ΔTrq ……(14)
そして、このようにして算出した前輪への目標駆動力配分量Trqfsを、前記トランスファ71の差動制限量を変化させるための、目標差動制限量Pdifsに換算する。具体的には、次式(15)に基づいて換算する。
Pdifs=Kdif×Trqfs ……(15)
なお、(15)式中のKdifは、トランスファ71の諸元等により定まる定数である。
次いで、ステップS12に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出した後、ステップS13aに移行する。このステップS13aでは、減速制御が作動していないときには、アクセル開度Accに応じた駆動トルクを、目標駆動トルクTrq=f(Acc)とするが、減速制御が作動している場合には、減速制御作動時の駆動トルクTrq1を、目標駆動トルクTrqとして設定するようになっている。この減速制御作動時の駆動トルクTrq1は、例えばアクセル開度Accに応じた駆動トルクであってもよいし、また、前記アクセル開度Accに応じた駆動トルクを多少低減した駆動トルクであってもよい。
次いで、ステップS34に移行し、ステップS12で算出した各車輪の目標制動流体圧を発生するよう前記制動流体圧制御回路7に向けて制御信号を出力し、また、ステップS13aで算出した目標駆動トルクTrqを発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。さらに、車両挙動制御装置100としての駆動力配分制御装置に向けて、トランスファ71の差動制限量が、前記ステップS33で算出した目標差動制限量Pdifsとなるように、制御信号を出力する。
また、減速制御を作動する場合、つまり、各車輪の制動流体圧を制御する場合には、警報装置23を作動させ、ドライバに減速制御の作動を通知するための表示を行ったり或いは警報を発生させたりする等といった処理を行う。
以上の処理によって、図11に示す演算処理が終了したならば、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第3の実施の形態の動作を説明する。
自車両が直進走行している場合には、上記第1の実施の形態と同様に、減速制御が行われず、また、挙動変化量Δφeは略零となるから(ステップS8)、前後の駆動力配分補正量ΔTrqは略零となり(ステップS31)、基準前輪駆動力配分量Trqfmが、前輪側への目標駆動力配分量Trqfsとして設定されることになる(ステップS32、S33)。
この状態から、カーブへの進入に伴って旋回状態となると、セレクトヨーレートφsが増加し、これに応じて目標車速Vsが減少するが、走行速度Vが目標車速Vsよりも小さく、目標減速度Xgsが零以下となるときには減速制御は行われない。また、目標減速度Xgsが零以下であるときには挙動変化量φsは略零となるから、前後駆動力配分補正量ΔTrqは略零となって駆動力配分制御処理による基準前輪駆動力配分量Trqfmの補正は行われない。つまり、旋回中であっても、減速制御が行われず、車両の荷重移動による車両挙動の変化が生じることはないと予測されるときには、前後駆動力配分処理による基準前輪駆動力配分量Trqfmに応じて前後の駆動力配分が行われることになり、不必要にアンダステア傾向が強められることはない。
一方、自車両が旋回状態となりセレクトヨーレートφsが増加し、走行速度Vが目標車速Vsよりも大きくなり、目標減速度Xgsが零よりも大きくなると、減速制御が作動され、現時点における横加速度Ygと安全走行を確保するための目標減速度Xgsとに応じた挙動変化量Δφeが、図5の制御マップから算出され、この挙動変化量Δφe相当の車両挙動変動を抑制するために必要な前後の駆動力配分補正量ΔTrqが算出される。
そして、目標減速度Xgsを達成するよう各車輪の目標制動流体圧Psiが算出され、また、ドライバのアクセルペダルの操作に関わらず、目標駆動トルクTrqは、減速制御作動時の駆動トルクTrq1相当の値となる。また、駆動力配分制御による基準前輪駆動力配分量Trqfmが挙動変化量Δφe相当の前後駆動力配分補正量ΔTrqに応じて補正され、前輪側の駆動力配分量がより大きくなるように補正される。
したがって、目標減速度Xgs相当の減速が行われることになって、旋回時における自車両の安定走行が確保されることになると共に、このように、旋回状態にあるときに減速制御を行った場合には、図12に示すように、旋回内側方向への車両挙動変動(矢印x21)を伴う場合があるが、この車両挙動変動を抑制し得るように前輪側の駆動力配分量をより大きくして前輪に作用する駆動力を増加させ、アンダステア傾向が強くなるように駆動力配分量を制御しているから、減速制御による車両挙動の変動方向、つまり、旋回内側方向とは逆方向にヨーモーメント(矢印x22)が発生されることと同等の車両挙動となり、結果的に自車両の車両挙動変動が抑制され安定走行が確保されることになる。
このように、この第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、旋回中に減速制御を行った場合であっても車両挙動変動が生じることなく、安定した車両挙動を確保しつつ減速を行うことができ、また、減速制御により生じると予測される車両挙動変動を考慮してこれを抑制し得る前後の駆動力配分補正量ΔTrqだけ前輪側の駆動力配分がより多くなるように制御するようにしたから、車両挙動変動が発生する以前に、この車両挙動変動が発生しないように駆動力配分を制御することになって、車両挙動変動を的確に防止することができる。
なお、上記第3の実施の形態においては、前後の駆動力配分を行うようにした場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、駆動力の左右配分や四輪独立配分を行うようにすることも可能であり、また、各車輪で独立して駆動力を発生させることができる場合には、各車輪での駆動力自体を制御するようにしてもよい。この場合には、上記第3の実施の形態と同様に、挙動変化量φeに応じて車両のアンダステア傾向が強くなる方向に駆動力配分或いは駆動力制御を行うようにすればよい。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
この第4の実施の形態は、図13に示すように、前記図1における車両挙動制御装置100として、前記第1の実施の形態における後輪操舵制御装置と、前記第2の実施の形態におけるロール剛性配分制御装置とを備えている。
そして、コントロールユニット8では、上記第1の実施の形態と同様に、自車両の旋回走行時の走行速度が安定走行可能な目標車速となるように減速度を発生させる減速制御処理を実行すると共に、上記第1の実施の形態における後輪操舵制御処理及び前記第2の実施の形態における前後のロール剛性配分制御処理を実行するようになっている。
図14は、第4の実施の形態における、コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施の形態と同一処理部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図14において、ステップS1からステップS8の処理は、上記第1の実施の形態と同様であって、目標減速度Xgsを算出し(ステップS7)、挙動変化量Δφeを推定したならば(ステップS8)ステップS41に移行する。
このステップS41では、前記ステップS8で算出した挙動変化量Δφe相当の車両挙動変動を抑制するための、後輪操舵制御装置による制御とロール剛性配分制御装置による制御との制御分担率Rcを設定する(制御分担割合変更手段に対応)。この制御分担比Rcの設定は、例えば図15に示す制御マップにしたがって、加速度センサ15(走行状況検出手段)で検出される横加速度Ygに応じて設定する。
図15において、横軸は横加速度Yg、縦軸は制御分担率Rcであってここではロール剛性配分制御装置の分担率を表す。前記制御分担率Rcは、横加速度Ygが第1のしきい値Yg1以下の領域にあるときには比較的小さなRc1に維持され、横加速度Ygが、しきい値Yg1よりも大きくなると横加速度Ygが増加するにつれてこれに比例して制御分担率Rcは増加し、横加速度Ygが第2のしきい値以上の領域では、制御分担率Rcは前記Rc1よりも制御分担率の大きいRc2に維持されるようになっている。
そして、制御分担率Rcを設定したならばステップS42に移行し、ステップS8で算出した挙動変化量Δφeを、前記ステップS41で設定した制御分担率Rc相当分抑制するための前後のロール剛性配分に相当する前後ロール剛性配分補正量ΔStbを、次式(16)にしたがって算出する。
ΔStb=Kstb×Rc×Δφe ……(16)
なお、式(16)中のKstbは、前記(11)式中のKstbと同様に、挙動変化量Δφeを前後ロール剛性配分に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。
次いで、ステップS43に移行し、ステップS8で算出した挙動変化量Δφeを、前記ステップS31で設定した制御分担率Rc相当分抑制するための後輪操舵量に相当する後輪操舵補正量Δθrを、次式(17)にしたがって算出する。
Δθr=Kr×(Yg/|Yg|)×(1−Rc)×Δφe ……(17)
なお、式(17)中のKrは、前記(3)式中のKrと同様に、挙動変化量Δφeを後輪操舵角に換算するための換算係数であって、車両ヨー慣性やトレッド等の車両諸元により定まる定数である。
次いで、ステップS44に移行し、前記図8のステップS22の処理と同様にして、ロール剛性配分制御処理において算出された前輪側の基準ロール剛性配分量RSfmを算出した後ステップS45に移行し、前記図8のステップS23の処理と同様にして、前輪側の基準ロール剛性配分量RSfmを前記前後ロール剛性配分補正量ΔStbで補正して、前後の目標ロール剛性量RSfs、RSrsを算出する。
次いで、ステップS46に移行し、上記第1の実施の形態における図3のステップS10の処理と同様に、後輪操舵制御処理を実行して基準後輪操舵量θrmの算出処理を行った後ステップS47に移行し、図3のステップS11の処理と同様にして、基準後輪操舵量θrmを、前記後輪操舵補正量Δθrで補正し目標後輪操舵量θrsを算出する。
次いで、ステップS12に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psi(i=fl〜rr)を算出し、次いで、ステップS13に移行し、減速制御作動中である場合には、目標駆動トルクTrq=f(0)とし、減速制御が作動していないときには、アクセル開度Accに応じた駆動トルクを、目標駆動トルクTrq=f(Acc)とする。
次いで、ステップS48に移行し、ステップS12で算出した各車輪の目標制動流体圧を発生するよう前記制動流体圧制御回路7に向けて制御信号を出力し、また、ステップS13で算出した目標駆動トルクTrqを発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。さらに、車両挙動制御装置100としてのロール剛性配分制御装置に向けて、前後のロール剛性配分が、前記ステップS45で設定した前後の目標ロール剛性量RSfs、RSrsとなるよう制御信号を出力する。また、同様に車両挙動制御装置100としての後輪操舵制御装置に向けて、前記ステップS47で設定した目標後輪操舵量θrsだけ後輪を操舵するよう制御信号を出力する。
また、減速制御を作動する場合、つまり、各車輪の制動流体圧を制御する場合には、警報装置23を作動させ、ドライバに減速制御の作動を通知するための表示を行ったり或いは警報を発生させたりする等といった処理を行う。
以上の処理によって、図14に示す演算処理が終了したならば、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
したがって、この第4の実施の形態においても、上記第1及び第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができると共に、この第4の実施の形態においては、挙動変動量φe相当の車両挙動制御を二つの制御装置によって分担して行うようになっているから、走行状況に応じて制御分担率Rcを設定することによって、効率のよい制御を行うことができる。つまり、例えば、図15に示すように、横加速度Ygが大きくなるほど、前後のロール剛性配分制御処理による制御分担比Rcを大きくしている。これは、ロール剛性配分制御は、横加速度Ygが大きい領域でより効果的であり、一方の後輪操舵制御は、横加速度Ygが小さい領域でより効果的なため、それぞれの制御の制御分担をより効果的な領域で大きくすることで、各制御はより少ない制御量で目的の効果を発揮することができるため、ハード的な要求性能が低くてもよくなり、大きさやコストの面で有利なハード構成でよくなるというメリットがある。また、それぞれの制御量をより小さくすることができるので、制御のつながりがスムーズになり、ドライバが感じる違和感も小さくなるという効果を得ることができ、一つの制御装置では達成することができない制御効果を発揮したり、効果範囲を拡大したりすることができる。
また、このように、車両挙動制御装置100として複数の制御装置により挙動変動量φe相当の挙動変動の抑制を図ることによって、それぞれの制御装置における挙動変動量φe抑制のための制御量を少なくすることができ、少ない制御量で挙動変動量φeの抑制を図ることができる。
なお、上記第4の実施の形態においては、前後ロール剛性配分制御装置と後輪操舵制御装置とを組み合わせた場合について説明したが、これに限るものではなく、車両挙動変動を抑制することの可能な任意の制御装置を複数組み合わせることも可能であり、また、二つの制御装置を組み合わせる場合に限るものではなく、任意数の車両挙動制御装置を組み合わせることも可能である。
また、必ずしも前後のロール剛性配分制御装置と後輪操舵制御装置との二つの車両挙動制御装置によって挙動変動量φeの抑制を図らなくてもよく、車両の走行状況に応じて何れか一方、或いは双方により挙動変動量φeの抑制を図るようにすることも可能である。この場合、例えば、走行状況検出手段で検出した横加速度等の車両の走行状況に応じて、現時点での車両の走行状況に適した車両挙動制御装置を選定し、この車両挙動制御装置を作動させる切替手段を設け、この切替手段によって選定された車両挙動制御装置により挙動変動量φeの抑制を図るようにすればよい。
このとき、複数の車両挙動制御装置を切り替えて、或いは、上記第4の実施の形態のように複数の車両挙動制御装置を用いて挙動変動量φeの抑制を図る場合には、それぞれの制御装置において挙動変動抑制の効果を十分得ることの可能な効果領域がオーバーラップしないように組み合わせるようにすればよく、このようにすることによってその効果範囲をより拡大することができる。またこのとき、複数の制御装置における制御分担比Rcを、必ずしも横加速度Ygに応じて変更させる必要はなく、各制御装置の効果領域を特定する車両の走行状態に応じて制御分担比Rcを変更するようにすればよい。
なお、上記各実施の形態においては、挙動変化抑制装置100として、後輪操舵制御装置或いは前輪操舵制御装置、前後ロール剛性配分制御装置、前後の駆動力配分制御装置等を適用する場合について説明したが、これに限るものではなく、減速制御時に生じる車両挙動変動を抑制することの可能な車両挙動制御装置であれば適用することができる。例えば、各車輪の制動力を制御する制動力制御装置であっても適用することができ、この場合には、例えば左右輪に制動力差を発生させることによってヨーモーメントを発生させるようにすればよい。
また、上記各実施の形態においては、旋回走行時に自車両が旋回外側方向に膨らむことを防止するようにした旋回時の減速制御装置に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段によって、障害物を検出したときにはこの障害物への自車両の接近度合に応じて減速度を発生させるようにした減速制御装置に適用することも可能である。
また、ナビゲーション装置等からの道路形状情報に基づいてカーブ進入時の目標車速を目標車速算出手段で算出し、自車両の走行速度を、算出した目標車速までカーブ手前で減速させ、カーブ状況に即した速度でカーブに進入させるようにした減速制御装置や、走行車線から逸脱傾向にあるかどうかを逸脱傾向検出手段で検出し、この逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、走行車線からの逸脱を防止するために減速するようにした減速制御装置に適用することも可能である。或いは、走行路側に配設されたインフラ設備等との路車間通信を行う走行環境情報獲得手段を設け、この走行環境情報獲得手段で獲得した走行環境情報による協調によって自車両を減速制御するようにした減速制御装置等であっても適用することができる。要は、ドライバの意思に関わらず減速制御を行うようにした減速制御装置であれば適用することができ、特に重要となる、減速制御の作動に伴う車両挙動の変化を抑制し、車両の安定走行を確保することができる。
また、上記各実施の形態においては、車両挙動制御装置100でのそれぞれの制御における基準の制御量を、挙動変化量φeに応じて補正するようにした場合について説明したが、必ずしも基準の制御を行う必要はなく、挙動変化量φeを抑制し得る制御量だけ車両挙動制御装置100での制御を行うようにしてもよい。
本発明における減速制御装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 図1の車両挙動制御装置としての後輪操舵制御装置の一例を示す概略構成図である。 図1のコントロールユニット内で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3の演算処理で用いられる制御マップである。 図3の演算処理で用いられる制御マップである。 第1の実施の形態の動作説明に供する説明図である。 第2の実施の形態における、車両挙動制御装置としてのロール剛性配分制御装置の一例を示す概略構成図である。 第2の実施の形態における演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の動作説明に供する説明図である。 第3の実施の形態における、車両挙動制御装置としての駆動力配分制御装置の一例を示す概略構成図である。 第3の実施の形態における演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態の動作説明に供する説明図である。 第4の実施の形態における、車両挙動制御装置としてのロル剛性配分制御装置及び駆動力配分制御装置の一例を示す概略構成図である。 第4の実施の形態における演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図14の演算処理で用いられる制御マップである。
符号の説明
5FL〜5RR 車輪
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御回路
8 車両状態コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
15 加速度センサ
16 ヨーレートセンサ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
21 ステアリングホイール
22FL〜22RR 車輪速度センサ
23 警報装置
52 操舵軸
53 アクチュエータユニット
54 電動モータ
55 後輪操舵機構
56a、56b 後輪舵角センサ
61 車体側部材
62 油圧シリンダ
63 上下加速度センサ
71 トランスファ
71a クラッチ機構
72 前輪側出力軸
73 フロントディファレンシャルギア
75 プロペラシャフト
76 リヤディファレンシャルギヤ
78 油圧ユニット
78a 流体圧力源
78b 圧力制御弁
100 車両挙動制御装置

Claims (14)

  1. 自車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
    自車両の目標車速を算出する目標車速算出手段と、
    前記車速検出手段で検出された走行速度と前記目標車速算出手段で算出した目標車速との差分値に基づき目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
    前記走行速度が前記目標車速よりも大きいとき前記目標減速度算出手段で算出された目標減速度相当の自車両の走行速度を低下させるための減速度を、ドライバの制動意思に関わらず発生させる減速制御手段と、を備えた減速制御装置において、
    自車両に発生する横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    ドライバの旋回操作に伴う旋回走行中であり、且つ前記走行速度が前記目標車速よりも大きいときに、前記減速制御手段により減速度が発生されるに先立って当該減速度の発生に伴い生じる車両の旋回状態の変化量を推定する旋回状態変化量推定手段と、
    当該旋回状態変化量推定手段で推定した旋回状態の変化量に基づいて、ドライバが期待する旋回軌跡を車両が維持するように車両挙動を制御する挙動変化抑制手段と、を備え
    前記旋回状態変化量推定手段は、前記目標減速度算出手段で算出される目標減速度と前記横加速度検出手段で検出される横加速度とに基づき前記旋回状態の変化量を推定し、前記目標減速度が大きいときほど前記旋回状態の変化量が大きくなり且つ前記横加速度が大きいときほど前記旋回状態の変化量が大きくなるように前記旋回状態の変化量を推定し、さらに、前記目標減速度又は前記横加速度が大きいときほど、前記目標減速度又は前記横加速度の変化に対する前記旋回状態の変化量の変化度合が大きくなるように推定することを特徴とする減速制御装置。
  2. 前記挙動変化抑制手段は、車両のステアリング特性を変更可能なステアリング特性変更手段であって、
    当該ステアリング特性変更手段は、前記旋回状態の変化量に応じてアンダステア傾向が強まる方向にステアリング特性を変更するようになっていることを特徴とする請求項1記載の減速制御装置。
  3. 前記挙動変化抑制手段は、前輪及び後輪の少なくとも何れか一方を制御する操舵制御手段であることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  4. 前記挙動変化抑制手段は、前後のロール剛性配分を制御するロール剛性配分制御手段であることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  5. 前記挙動変化抑制手段は、前輪側と後輪側との間の駆動力配分及び左右輪の駆動力配分の少なくとも何れか一方を制御する駆動力配分制御手段であることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  6. 前記挙動変化抑制手段は、ステアリングホイールの操舵角度と転舵輪角度との比である操舵ギヤ比を変更可能な操舵ギヤ比可変手段であることを特徴とする請求項2記載の減速制御装置。
  7. 制御対象の異なる複数の挙動変化抑制手段と、
    自車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
    前記複数の挙動変化抑制手段による前記車両挙動の制御分担割合を、前記走行状況検出手段で検出した走行状況に応じて変更する制御分担割合変更手段と、を備え、
    前記複数の挙動変化抑制手段は、前記制御分担割合変更手段で設定された制御分担相当の車両挙動制御を行うようになっていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の減速制御装置。
  8. 制御対象の異なる複数の挙動変化抑制手段と、
    自車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
    当該走行状況検出手段で検出された走行状況に応じて作動させる挙動変化抑制手段を切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の減速制御装置。
  9. 前記減速制御手段は、駆動力源の出力を低減すること、変速機のギヤ比を変更すること、及び制動流体圧を増圧させることの少なくとも何れか1つにより前記減速度を発生させることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の減速制御装置。
  10. 前記目標車速算出手段は、操舵角と自車両の走行速度とから算出した推定ヨーレート及び実際に車両に生じる実ヨーレートとの何れか大きい方と、自車両に作用する横加速度の制限値と、自車両の走行路面の路面摩擦係数と、に基づいて前記横加速度の制限値を達成し得る目標車速を算出することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の減速制御装置。
  11. 自車両前方の障害物を検出し当該障害物との接近度合を検出する障害物検出手段を備え、
    前記目標減速度算出手段は、前記障害物検出手段で検出される接近度合に応じて前記目標減速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の減速制御装置。
  12. 前記目標車速算出手段は、自車両前方のカーブ形状から自車両の目標車速を算出し、
    前記目標減速度算出手段は、前記目標車速算出手段で算出される目標車速に対する自車両の走行速度の超過量に応じて前記目標減速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の減速制御装置。
  13. 自車両が走行車線から逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱傾向検出手段を備え、
    前記目標減速度算出手段は、前記逸脱傾向検出手段で検出される逸脱傾向に応じて前記目標減速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の減速制御装置。
  14. 自車両の走行環境に関する情報を獲得する走行環境情報獲得手段を備え、
    前記目標減速度算出手段は、前記走行環境情報獲得手段で獲得した走行環境情報に応じて前記目標減速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の減速制御装置。
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