JP4252125B2 - 導電ロ一ラ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電ローラ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、弾力性があり、抵抗のばらつきが少なく、103Ωから106Ω程度の中間抵抗を備えることができる導電ローラ、及び抵抗制御が容易で且つ幅広い抵抗値を備えることができる導電ローラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電ローラとしては、金属製等のシャフトの外周を、多孔性または非多孔性弾性体をある程度の厚さで覆ったものが知られている。そして、電子写真方式による画像形成装置(コピー機やブリンタ)における導電ローラとしては、(1)帯電ローラ一(感光ドラムに電荷を付与するためのもの。)、(2)転写ローラ(感光ドラムから画像担持体上にトナ一を転写するためのもの。)、(3)現像ローラ(感光ドラム上に形成された静電潜像上にトナーを供給ためのもの。)、(4)トナ一帯電機能を待つトナー供給ローラ(静電潜像に対して静電吸着を起こすようにトナーを帯電させるもの。)がある。そして、これらは、それぞれの機能を果たすために、用途に応じたシャフト−ローラ表面間の抵抗値がそれぞれに必要である。
【0003】
従来の導電ローラAとしては、ゴムやエラストマ等の弾性樹脂にカーボンブラック等の導電性フィラーを配合したものが知られている。
また、他の導電ローラBとしては、ゴム、エラストマ等に過塩素酸リチヴムや4級アンモニウム塩等のイオン性化合物を配合したものも知られている。この場合、所定のイオン性化合物を自身の中で解離させて取り込みやすいセグメントを成分として持つもの(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)を用いると比較的低抵抗となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の導電ローラAの場合、カーボンブラックやグラファイトを用いるので抵抗値が安定するのは103Ω以下の低抵抗の領域である。即ち、105Ωから109Ω程度の中間抵抗への調整が困難である。また、それより高抵抗側では配合量や混練条件や成形条件でフィラー間の電気的経路が大きく異なり安定しない。更に、これらより体積抵抗の高い導電性金属酸化物をフィラーとして用いた場合は、その配合量が大量となり成形が困難となる。
【0005】
また、カーボンブラック等の比較的体積抵抗の低いフィラーを抵抗値の安定するl03Ω以下となるような配合量でローラにし、その上から抵抗調整のための誘電体高分子層をコ一ティングするものも知られている。この場合は、ローラの抵抗値のばらつき少なく製造できるが、カーボンブラックの配合量はどうしても多くなるためローラ部が硬くなってしまう。これを避けるために弾性樹脂素材として発泡体を用いる必要があるが、配合粘度が高くなり成形が一般に困難である。
【0006】
上記導電ローラBの場合、106Ω以下の低抵抗が得られにくい。また、温度、湿度による抵抗変化も大きい。この場合、イオンの解離量に限界があり、大量に配合しても抵抗値は飽和してしまうし、また硬くなったり、ブリードして電子写真装置内を汚染してしまう。更に、温度は高分子鎖に取り込まれて協調して運動するイオンの移動度に、湿度は弾性体中に浸入した水分による解離促進効果に影響を及ぼすことにより抵抗変化を生じさせる。従って、これを用いる電子写真装置ではこの抵抗変動に対応した制御系、例えば温湿度センサと定電流装置を備えなければならず、装置が複雑となるとともにコストも高くなる。
本発明は、弾力性があり、抵抗のばらつきが少なく、103Ωから106Ω程度の中間抵抗を備えることができる導電ローラ、及び抵抗制御が容易で且つ幅広い抵抗値を備えることができる導電ローラの製造方法に提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電ローラは、シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備える。
【0008】
本第発明の導電ローラにおいて、上記金属メッキ層51、52、53は、上記シャフトの露出端部側表面の少なくとも外周表面、並びに上記樹脂ロール部の外表面及び内表面のすべてに形成されており、上記接着層4は非導電材料により構成されており、上記シャフトの外周表面上に形成されている金属メッキ層53と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通するものである(図1参照)。この場合のシャフトの材料は、金属製等の導電材料からなってもよいし、樹脂等の非導電材料からなってもよい。
【0009】
本第発明の導電ローラにおいて、上記シャフト2は導電性材料により構成されており、上記金属メッキ層51、52、53は、上記シャフトの露出端部側表面の少なくとも内側外周表面、並びに上記弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面のすべてに形成されており、上記接着層4は非導電材料により構成されており、上記シャフトの内側外周表面上に形成されている金属メッキ層53若しくは上記シャフトの露出表面21と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通するものである(図2参照)。
【0010】
本第5発明の導電ローラにおいて、上記接着層41、42は上記シャフトの外周面のうちの端部側を除く外周面上にも形成されており、該接着層は導電材料又は半導電材料により構成されており、上記シャフトの露出外周表面上に形成されている露出接着層部分42若しくは上記シャフトの上記端部側表面53、21Aと上記樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通するものである(図4及び図5参照)。尚、図4にいう53は金属メッキ膜であり、この場合のシャフトの材料は、金属製等の導電材料からなってもよいし、樹脂等の非導電材料からなってもよい。また、図5にいう2Aは金属製等の導電材料からなっている。
【0011】
本第6発明の導電ローラにおいて、絶縁層4aが上記シャフトの露出部分のうちの内側表面に形成されており、上記シャフトの端部側上に(21)、及び該樹脂ローラ部端面部と上記絶縁層との境界周辺部(K)の該絶縁層4a上に各々金属メッキ層53、54が設けられており、該2つの金属メッキ層の間には絶縁層が配置されており、該絶縁層4aを挟んで上記2つの金属メッキ層53、54とが抵抗素子6により結線されており、上記接着層4は非導電材料により構成されており、上記シャフトの端部側の金属メッキ層54と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通するものである(図6参照)。この場合のシャフトの材料は、金属製等の導電材料からなってもよいし、樹脂等の非導電材料からなってもよい。
【0012】
本第7発明の導電ローラにおいて、絶縁層4aが上記シャフトの露出部分のうちの内側表面に形成されており、上記接着層4は非導電材料により構成されており、上記弾性樹脂ローラ部の端面部と上記絶縁層との境界周辺部(K)の該絶縁層4a上にも金属メッキ層53が設けられており、上記シャフト2は導電性材料から構成されており、該絶縁層4aを挟んで上記金属メッキ層53と上記シャフトの露出表面21とが抵抗素子6により結線されており、上記シャフトの露出表面21と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通するものである(図7参照)。
【0013】
本第発明の導電ローラにおいて、上記第発明又は第発明における、上記樹脂ローラ部の少なくとも外周表面上に形成された金属メッキ層51上に、半導電材料からなる半導電層7が形成されており、該記半導電層7と上記シャフトの導電表面53、21とが電気的に導通するものである(図8及び図9参照)。尚、図8にいう53は金属メッキ膜であり、この場合のシャフトの材料は、金属製等の導電材料からなってもよいし、樹脂等の非導電材料からなってもよい。また、図9にいう2Aは金属製等の導電材料からなっている。
【0014】
本第発明の導電ローラの製造方法は、前記各発明に係わる導電ローラの製造方法であって、連続気泡性弾性樹脂ローラ部を構成することとなる弾性樹脂は上記発泡ポリウレタンであり、該樹脂ローラ部に形成される金属メッキ層は、該発泡ポリウレタンを製造する際に整泡剤として有機系アニオン性界面活性剤を使用し、その後、表面調整剤としてのカチオン性表面活性剤を使用して表面処理を行い、次いで、無電解メッキを行うことを特徴とする。
【0015】
上記「導電ローラ」は弾性をもつとともに、上記作用に適した種々の低抵抗を示すものである。この抵抗は、102〜1010Ω程度、好ましくは、103〜109Ω、更に好ましくは104〜108Ω程度である。
上記「シャフト」は導電性材料又は非導電性材料から構成されてもよいが、少なくとも、これが非導電材料からなる場合には、その表面の所定場所に無電解メッキ等の導電性皮膜を形成する必要がある。この導電性材料としては、金属(快削鋼等の鉄鋼材料にニッケルメッキをしたもの等が好ましい。)でもよいし、導電性フィラー入りの樹脂等であってもよい。尚、この導電性シャフトの場合には、導電性被膜を形成させてもよいし、形成させなくても良い。
【0016】
上記「接着層」を構成することとなる接着剤としては、目的、用途により種々のものを用いることができる。例えば、導電性を必要とする場合は導電性物質を含有する導電性接着剤、半導電性を必要とする場合は半導電性物質を含有する半導電性接着剤、絶縁性(非導電性)を必要とする場合は絶縁性接着剤を用いることができる。これらに使用しようする接着剤としては、ホットメルト樹脂が一般的である。エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド、ポリエステル、アタクチクポリプロピレンが使用でき、なかでも液状ホットメルト接者剤が導電性物質を添加し、ロールの抵抗値を制御する上でより好ましい。
【0017】
上記導電性物質には、カーボンブラックや銅粉等の金属導電フィラーや過塩素酸リチウムや4級アンモニクム塩等のイオン導電性物質を適宜用いることができる。上記半導電性物質には、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン等を用いることができる。これらを液状ホットメルト接着剤に所定量混合して所定の抵抗値に調整する。
【0018】
また、上記「接着層」は高密度で非発泡であることが好ましい。絶縁する場合には、上記導電性物質を添加することなく使用する。また、接着層に導電性を付与してロールの抵抗値を制御する場合であっても、発泡体に導電性物質を添加するのに比ベ、接着層は高密度、非発泡であるため抵抗値の部位によるバラツキが少なく、ローラとしての抵抗値の制御が容易である。
【0019】
上記「連続気泡性弾性樹脂ローラ部」を構成する素材は、軟質ウレタンフオ一ムが好ましく、この軟質ウレタンフォームの場合、通常、軟質ウレタンスラブ発泡体をロール形状に切り出したものを便用する。また、エーテルポリオール発泡体でもエステルポリオール発泡体でもよいが、後者が好ましい。このウレタン発泡体の物性としては、以下の範囲のものが好ましい。
(1)密度;15〜60(好ましくは20〜40)kg/m
(2)圧縮強さ;10〜20(好ましくは12〜18)kg/314cm
(3)セル数;5〜100(好ましくは30〜80)個/inch、
(4)引張り強度;1.5〜3.0(好ましくは2.0〜2.5)kg/cm
(5)伸び;250〜500(好ましくは270〜350)%
【0020】
更に、発泡ポリウレタンはセル膜除去されている。このセル膜を除去する方法は、例えば、原料配合を調整して破泡した発泡体を得る方法、公知の溶解法又は水素爆発法等が用いられる。配合を調整する方法では、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを併用し、さらに界面活性剤を調整することで発泡体の通気度を高めた配合処方にて製造する方法である。更に、溶解法とは、アルカリ濃厚溶液中にフォームを浸漬し、エステル結合基を加水分解してセル膜を除去するアルカリ溶解法である。この水素爆発法とは、天然ガス、水素ガス、アセチレン等の可燃物と酸素を爆発限度内で混合点火して爆発させて、その衝撃でセル膜を除去する方法である。
【0021】
上記「金属メッキ層」を構成する金属の種類は特に限定されないが、通常、ニッケル、銅等であり、また、この金属メッキ層の厚さは、被膜後のローラ部が使用可能な程度の弾性を示すものであればよい。この厚さは、第4、8発明に示すように、0.3μm以下(特に0.2μm以下)が好ましい。
上記「金属メッキ層」を形成するのに用いる上記「有機系アニオン系界面活性剤」は、カルボン酸塩である脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等の石鹸であって、脂肪酸には、Cl2〜C18のラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が拳げられる。また、スルホン酸塩のなかでもアルキルスルホン酸塩が好ましい。なかでも、スルホン化リシノール酸ナトリウムがエステルポリウレタンフォームの発泡安定性を図るうえで好ましい。この整泡剤はエステルフォームの製造に有効であり、整泡剤を特定する本発明において、より良好なセル構造の発泡体を得るためには、スルホン化リシノール酸ナトリウムとエステルポリオールを組成分とする発泡体がより好ましい。
また、エーテルフォームについては、シリコーン系界面活性剤を従来の1/2程度に減らして有機系アニオン系界面活性剤を増量添加して、整泡剤の調整をすることで所定の物性を示すエーテルフォームが得られる。
【0022】
上記「メッキ用表面調整剤」には、「カチオン系表面活性剤」を使用する。これには、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩がある。具体的には、下記化学式で表される化合物(第1、第2、第3又は第4級アミン塩)がある。
(R1)(R2)(R3)一N・X(R1、R2、R3は炭素数12〜18のアルキル又はH、Xは無機酸、有機酸である。有機酸には酢酸、カルボン酸、乳酸、クエン酸等があろ。無機酸には、塩酸、硫酸がある。但し、R1、R2、R3及びXの全てがHの場合は除く。)
【0023】
ポリウレタンフォームに添加される有機系アニオン系界面活性剤とメッキ用表面調整剤の関係について、以下に述べる。
上記「ポリウレタンフオーム」の原料は、ポリオール成分とイソシアネート成分が主成分として用いられ、これらに触媒、発泡剤等の助剤が加えられる。助剤は、ポリオールに添加するのが通常であって、ここに界面活性剤も添加される。界面活性剤は、助剤及び主成分を混合し、均一に分散させる作用によって発泡体の泡を安定させ、均一なセル構造を得る効果がある。
発泡後のポリウレタンフォームのセル膜ないしは骨格の少なくともその表面(又は表面部)には、分散作用に寄与した整泡剤が残留しているはずである。本発明によれば、ポリウレタンフォームの整泡剤に有機系アニ才ン系界面活性剤を使用することでセル膜ないしは骨格の表面はマイナスに帯電される。アニオン系界面活性剤を使用しない場合、発泡ポリウレタンの表面のゼータ電位は中性又は陽性になっているものと考えられる。
【0024】
次に、上記発泡体をメッキするためにプライマー処理を施す。このとき、メッキ用触媒の浸透性やメッキ金属の吸着性を高めるために、表面調整剤に浸漬するプライマー処理が施される。このとき、表面調整剤によって、メッキ面である骨格が十分に濡れていなければならない。ここで本発明によると、表面調整剤にカチオン系界面活性剤を使用することで、骨格表面に帯電したマイナスの電荷と引きつけ合う作用を示し、骨格表面は充分に濡らされることになる。次いで、メッキ用触媒溶液にポリウレタンフォームを浸漬、触媒が付与される。通常、メッキ用触媒はマイナスに帯電しており、表面調整剤によって調整されたメッキ面と電気的な吸引力によって均一に吸着する。また、表面電位が陰性のものにおいても、本発明においてはアニオン性界面活性剤が樹脂構成部内部及び表面部に取り込まれるので、強固な被膜を形成できる。
従って、本発明においては、脱落のない金属めっき層を有するポリウレタン製等の多孔体が得られる。
【0025】
本発明において、導電ローラの抵抗を以下のようにして種々の抵抗値に調整することができる。
(1)低抵抗が必要な場合
金属シヤフト/接着剤/ウレタンフォームの3者の間に金属メッキ層が電気的導通路を形成するように一体でメッキする。この金属メッキ層の厚さで調整できる。
(2)ある程度の高抵抗必要な場合
第1は、接着剤自体を中間抵抗となるようにイオン導電剤を配合し、シャフト/接着層の間にはメッキが付かないようにする。第2は、接着層を絶縁性とし、接着層/ウレタンフォームをシャフトから絶縁させる。接着層とシャフトの接合部付近をマスキングして絶縁を保っておく。メッキにより導電化したのち、シャフトと導電化した接着層/ウレタンフォームの間に必要な抵抗素子で結ぶことにより抵抗制御する。第3は、金属メッキ層を極薄く付ける。第4は、メッキ処理後、ラテックス等で表面に半導電層(誘電体層等)を被覆して抵抗調整する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体的な実施例により詳細に説明する。
実施例1
(1)導電ローラの製造
まず、シリコーン系界面活性剤を用いずに、有機系アニオン性界面活性剤(「スルホン化リシノール酸ナトリウム」)を用いてポリウレタンフォームを製造した。この製造は、以下に示すA液及びB液をイソシアネートインデックスが110となるように調整し、低圧注入機で注入発泡を行い、スラヴを得た。
[A液(ポリオール成分)]:
(1)ポリオール「F21−79T」(分子量:2200、OHV:60、ポリエステルポリオール、旭ガラス(株)製、・・・・・100重量部
(2)発泡剤、水道水・・・・・・・・・・・・・・4.0重量部
(3)整泡剤:スルホン化リシノール酸ナトリウム・・・・・0.5重量部
(4)アミン触媒:「LV33」(日本乳化剤(株)製)・・0.3重量部
(5)樹脂化触媒:スタナスオクトエート(中京油脂社製)・0.3重量部
上記成分を混合しポリオール成分を調整した。
[B液(イソシアネート成分)]:
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、「ミリオネートMTL」
【0027】
更に、以下の方法にてセル膜を除去した。即ち、容器の蓋に火花間隙端子とガス注入孔を設けた箱状の密閉容器に、直方体に切り出した上記発泡体スラブを静置する。ガス注入孔から水素:酸素をモル比2:1の割合で規定の濃度となるまで充填する。注入孔を閉じた後、端子間に火花放電を起こさせ爆発させた。以上によりセル膜を除去した。得られた発泡体は湿気を含んでいるため常温乾燥を行う。次いで、所定形状に加工して、導電ローラに用いられるポリウレタン発泡体(連続気泡型弾性体、長さ;225mm、外径;12mm、内径;4mm)を製造した。
【0028】
このポリウレタンフォームの物性は、おおよそ以下の通りである。
(1)密度;30〜32kg/m3
(2)圧縮強さ;14〜15kg/314cm2
(3)セル数;65個/inch
(4)引張り強度;2.2〜2.3kg/cm2
(5) 伸び ; 400%
(6) 引き裂き強度 1.0 1.2kg/cm
【0029】
その後、金属シャフト(硫黄快削鋼に無電解ニッケルメッキを施した棒材、長さ;320mm、外径;6mm)に、上記ポリウレタン発泡体を接着剤にて固定しロ一ラに加工する(図3参照)。この接着剤としては「HM−207」(セメダイン社製)を用いた。尚、シャフトの両端はマスキングテープによりメッキが付かないようにするが、ポリウレタン発泡体の端部付近のシャフト/接着剤部はめっき液にさらされるようにしておく。
その後、これを、プラスチックめっき表面調整剤「コンディショナーK」(奥野製薬製)50ml/lに室温で5分間浸漬する。その後、これをローラ等で余分の薬液を十分絞り、その後、水で2回すすぐ。更に、「キャタリストC」(奥野製薬製パラジウム・スズ触媒)30ml/lを含む35%塩酸溶液200ml/l中に、室温で5分間浸漬する。
次いで、これらを水洗し、その後、96%硫酸100ml/lに室温で5分間浸漬し、水洗する。次いで、無電解ニッケル液(奥野製薬製、「TMP化学ニッケルHR−T」;A液及びB液とも各150ml/l)に、40℃l分間浸漬する。更に、水洗、乾燥を行う。
【0030】
(2)導電ローラの構成
上記により製造された導電ローラ1は、図1に示すように、シャフト2と、連続気泡性弾性樹脂ローラ部(ポリウレタン発泡体からなる。)3と、この両者を接着する接着層4とからなる。このシャフト2の左右両方の露出端部21を除く外周表面に接着層4が設けられている。そして、この弾性樹脂ローラ部3の外表面及び内表面の全てに金属メッキ層5(51、52、53)が形成されている。接着層4は非導電材料により構成されているので、絶縁性を示す。尚、図1では、接着層の配置は、ローラ部のうちのシャフトと対向する面からはみ出すことなく、面一の状態で接着している。しかし、図10に示すように、この接着層がやや外側にはみ出してもよいし、図11に示すようにやや内側に配置されてもよい。要は、このローラ部3がシャフト2に接着固定され、しかもシャフト2の表面に形成されたメッキ層53が、このローラ部3の外表面に形成されたメッキ層51と電気的に導通しておれば足りる。
【0031】
以上の構成により、シャフト2の外周表面上に形成されている金属メッキ層53と、ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通している。そして、このシャフト2に抵抗値測定器の端子を固定し、残る端子をローラ部5の表面メッキ層51に当接して抵抗値を求めた。周方向で4点、軸方向で8点、格子状に測定点を定め測定した。測定した合計32箇所の抵抗値の平均値は、5.0×102Ωであった。そして、この32点のバラツキ(最大値と最小値の差)はその平均値の10%以下であった。また、15℃、10%RH(低温低湿という。)の抵抗値が4.5×102Ω、30℃、90%RH(高温高湿という。)の抵抗値が5.5×102Ωであり、この変化も10%以下と小さかった。更に、30℃と15℃のいずれの場合においても柔軟性は変わらず、15℃においても柔軟性が損なわれないこたが判った。
【0032】
尚、上記メッキ膜厚は、SEMによるウレタン骨格の断面観察により測定した。この抵抗値は、油化電子製ロレスターFP、4端子法セパレイトブロープによる抵抗測定器を用いた。この抵抗値はlcm3の試料の対向する面間のものである。この柔軟性は、弾性体発泡層をシャフトに装着した状態で、発泡層を50%の厚みで圧縮し、発泡層が元の厚みまで回復し座屈しないことを確認して柔軟性ありと判定した。
【0033】
(3)メッキ膜厚の検討
ポリウレタン発泡体(セル数65のエステル系ウレタン、セル膜除去したもの)に種々のメッキ膜厚を形成させて、このメッキ膜厚と抵抗値若しくは柔軟性との関係を検討した。
表面調整剤として「コンディショナK」を50ml/lと、「コンディライザFR」100ml/l(いずれも奥野製薬製)からなる溶液に、25℃、5分間浸漬した。その後、水洗を十分に行い、パラジウム・スズ触媒「キャタリストC」30ml/l(奥野製薬製)と濃塩酸200ml/lからなる溶液に、25℃、5分間浸漬した。更に、水洗を十分にして、96%硫酸100ml/lに25℃、5分間浸漬した。
【0034】
次いで、十分水洗して、無電解銅メッキ「オムニシールド1598」(シプレイ・ファーイースト製)の標準組成の浴(銅イオン濃度;2g/l、45℃)に、以下の表1に示す時間浸漬した。更に、水洗し、無電解ニッケルメッキ「オムニシールド1580」(シブレイ・フアーイースト製)の標準組成の浴(ニッケルイオン濃度3.6g/l、35℃)に1分間浸漬し、洗浄・乾燥した。
以上より、種々のメッキ膜厚が形成された(表1参照)。この導電ローラのメッキ膜厚、抵抗値及び柔軟性を、前記の方法にて測定し、その結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
Figure 0004252125
以上より、浸漬時間の調整によりメッキ膜厚又は抵抗値を適宜変えることができる。即ち、浸漬時間は7分以下では膜厚を0.21μm以下とすることができ、この場合は膜厚が薄いので柔軟性にも優れる。また、膜厚を0,21〜0.01μm以下の範囲で変えることにより、抵抗値を0.03〜2×106Ωの範囲において自由に変えることができる。従って、柔軟性を維持しつつ、目的とする抵抗値、即ち低抵抗(0.01Ω程度)から103〜106Ω程度の中間抵抗値までの所定の抵抗値(又は更にはそれ以上の抵抗値)をもつローラ部を製造できる。特に、半導電性膜、導電性化合物による膜又は抵抗素子等により抵抗値を調整しない場合、即ち直接、この金属メッキ膜のみにより抵抗値を調整する場合は、例えば0.01〜0.02μm(又は0.015〜0.02μm)程度の薄い膜の形成により中間抵抗値(103〜106Ω程度又は103〜105Ω程度)を容易に確保することができる。
【0036】
(4)金属メッキ層の密着性の検討
金属メッキ層の密着性の検討を以下のようにして行った。
メッキしたポリウレタン発泡体(厚さ10mm、幅10mm、長さ100mm)にカッターナイフの刃を垂直に当て、その部分の厚さの変形が30%程度の3mm程度の変形になるようにして10往復する。刃先や発泡体ら脱落した全属粉を肉眼で観察した。
従来の製法により製造したもの[シリコーン系界面活性剤「SH114」(日本ユニカ社製)の使用]では金属メッキ層な脱落があった。一方、上記により製造された実施例品はその脱落はなかった。尚、メッキ発泡層を触診し、指に金属粉が付着する、ないしは金属粉の剥離、脱落が認められるかどうかについて評価、判定した。肉眼、目視で識別できる金属粉の大きさは、約10μm以上である。
【0037】
(5)セル膜除去の有無について
更に、セル膜除去の効果について、比較してみると、実施例品(セル膜除去処埋したもの)では、脱落が見られなかった。一方、比較例品(セル膜除去処理してないもの)では、セル膜に付着析出した全属が一部脱落した。この比較例品は、この実施例品においてセル膜除去をする前のポリウレタン発泡体を同様に切り出して、同形状の発泡体を製造したものである。この脱落の原因は、ウレタン発泡体の圧縮変形でセル膜が大きく変形したためと思われる。
【0038】
実施例2
無電解ニッケル液に代えて、無電解銅めっき液(シプレイ・ファーイースト製「オムニシールド1598」、標準濃度は銅イオンとして2.0g/lである。)に、45℃、5分間浸漬して、導電性の良い銅膜を形成した。この場合の抵抗値は1×101Ωであった。そして、周方向、軸方向にも部分的な抵抗ばらつきは著しく小さく(10%以内)、抵抗変化も著しく小さい(10%以内)。
【0039】
実施例3
本実施例は、以下の方法により、図4に示す導電ローラを製造したものである。接着剤として、湿気硬化型反応性ホットメルトを用い、この中に、過塩素酸リチウムが0.01%添加されている。アプリケ一タを用いて、金属シャフトに80℃にて50μm±5μmの塗膜を形成した。このとき接着するポリウレタン発泡体の長さより長くなるように、且つその部分では接着剤層が完全に金属シャフトを覆うようにする。いったん冷却した後、シャフトが入る穴を空けたポリウレタン発泡体のこの穴内にシャフトを挿入して、100℃の加熱炉で5分間放置して接着剤を再度可塑化して接着させた。そして、露出された接着層42(図4参照)に表面がメッキ層で覆われないようにマスキングして、実施例1と同様にして、無電解ニッケルメッキを行った。
【0040】
この製造された導電ローラは、図4に示すように、接着層41、42はシャフト2の外周面のうちの端部側(21A)を除く外周面上にも形成されている。そして、この接着層は半導電材料により構成されており、半導電性を示す。シャフト2の露出外周表面上に形成されている露出接着層部分42(又はシャフトの上記端部側表面53)と、樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが半導電的に導通する。この抵抗値は3×105Ωであった。そして、周方向の抵抗ばらつきは15%以下、軸方向の抵抗ばらつきは20%以下、高温高湿時の抵抗値は低温低質時の抵抗の60%であった。
【0041】
実施例4
本実施例は、図6に示すように、抵抗素子を用いて抵抗調整する例(導電ローラ)を示すものである。この導電ローラは以下のようにして製造された。即ち、まず、EVA系ホットメルトをポリウレタン発泡体(チューブ形状体)の長さより両端5mmずつ長く塗布する。その後、ポリウレタン発泡体に所定の穴内にシャフトを挿入し、加熱し、次いで冷却して接着する。その後、ポリウレタン発泡体で覆われていない接着部をマスキングして、前記と同様に無電解ニッケルメッキを行う。更に、1MΩの抵抗器6の端子の一端を金属シャフトに、その他端をメッキされた接着剤/ウレタンフォームの接合部53に、導電性接着剤(神東塗料製「S−3021」、銀フィラー入り室温硬化型エポキシ系)で導通可能のように固定する。これは、ローラの両端の各々で行う。
【0042】
この製造された導電ローラは、図6に示すように、絶縁層(接着層)4aがシャフト2の露出部分のうちの内側表面に形成されており、シャフト2の端部側上に(21)、及び発泡体(ローラ部)端面部と上記絶縁層との境界周辺部(K)の絶縁層4a上に各々金属メッキ層53、54が設けられている。この2つの金属メッキ層53、54の間には絶縁層が配置されることとなる。この絶縁層4aを挟んで2つの金属メッキ層53、54とが抵抗素子6により結線されている。尚、接着層4は非導電材料により構成されている。従って、シャフト2の端部側の金属メッキ層54と、発泡体の外周表面上に形成されている金属メッキ層51とが電気的に導通している。この、導電ローラの抵抗値は5×105Ω、周方向、軸方向の抵抗むらはいずれも1%以下と極めて小さい。また、高温高湿時の抵抗値は低温低湿時の抵抗値の110%であり、その変動は小さいものであった。
【0043】
実施例の効果
以上より、上記各導電ローラをまとめてみれば、従来の導電ローラには全く見られない、低抵抗値から高抵抗値までの抵抗制御範囲が広くものとすることができた。更にこの抵抗値の異なったものを容易に製造できた。また、実施例3のイオン製化合物を用いたものを除けば、いずれの導電ローラも、周方向及び軸方向の抵抗むらが著しく小さく、しかも湿度の影響を全く又はほとんど受けないという極めて安定した導電ローラであった。また、従来の導電ローラでは発現するこたが困難であった105〜106Ω程度(又は103〜106Ω程度)の抵抗値をもつ導電ローラを容易に得ることができた。
更に、ウレタンフオーム製造時用いる界面活性剤を特定のものにすることにより製造したので、析出した金属メッキ層はウレタン発泡体表面から脱落しなかった。また、めっき層を0.2μm以下程度と薄くしたものでは、極めて柔軟性・弾力性に優れ、導電ローラとしては好適のものであった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の導電ローラによれば、従来の導電ローラでは発現するこたが困難であった105〜106程度の抵抗値をもつ導電ローラを容易に得ることができるし、また、周方向及び軸方向の抵抗むらが著しく小さく、しかも環境(温度及び湿度)の影響を全く若しくはほとんど受けないという極めて安定したものである。 更に、本発明の導電ローラにおいては、メッキにより導電化された弾性樹脂部を用いるので、この弾性樹脂部自体を低抵抗にでき、そのため、弾性樹脂部の表面の電位の均一性がきわめて高く、導電性フィラーを配合したローラのように製品内の抵抗ばらつきがおきにくい。
メッキ層を0.2μm以下程度と薄くしたものでは、極めて柔軟性・弾力性に優れ、導電ローラとしては好適のものである。
【0045】
また、本発明の製造方法によれば、従来の導電ローラには全く見られない、低抵抗値から高抵抗値までの抵抗制御範囲が広いもの、更には、抵抗値の異なったものを容易に製造することができる。特に、103〜106Ω程度の中間抵抗値の導電ローラを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる導電ローラの一部縦断面図である。
【図2】図1の導電ローラの変形例を示す一部縦断面図である。
【図3】実施例1に係わる導電ローラにおいて金属メッキ層を形成する前の状態を示す説明縦断面図である。
【図4】他の態様の導電ローラを示す一部縦断面図である。
【図5】図4の導電ローラの変形例を示す一部縦断面図である。
【図6】抵抗素子を備える導電ローラを示す一部縦断面図である。
【図7】図6の導電ローラの変形例を示す一部縦断面図である。
【図8】弾性樹脂ローラ部の外周面上に形成された金属めっき層の上に形成された半導電層を備える導電ローラを示す一部縦断面図である。
【図9】図8の導電ローラの変形例を示す一部縦断面図である。
【図10】接着層の配置状態の他の態様を示す要部拡大説明図である。
【図11】接着層の配置状態の更に他の態様を示す要部拡大説明図である。
【符号の説明】
1;導電ローラ、2;シャフト、3;弾性樹脂ローラ部、4;接着層、4a;絶縁層、5;金属メッキ層、51;弾性樹脂ローラ部の外周面上に形成された金属メッキ層、52;弾性樹脂ローラ部内に形成された金属メッキ層、53;シャフトの外周面上に形成された金属メッキ層、6;抵抗素子、7;半導電層。

Claims (10)

  1. シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備え、
    上記金属メッキ層は、上記シャフトの露出端部側表面の少なくとも外周表面、並びに上記樹脂ロール部の外表面及び内表面のすべてに形成されており、上記接着層は非導電材料により構成されており、上記シャフトの外周表面上に形成されている金属メッキ層と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層とが電気的に導通することを特徴とする導電ローラ。
  2. シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備え、
    上記シャフトは導電性材料により構成されており、上記金属メッキ層は、上記シャフトの露出端部側表面の少なくとも内側外周表面、並びに上記弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面のすべてに形成されており、上記接着層は非導電材料により構成されており、上記シャフトの内側外周表面上に形成されている金属メッキ層若しくは上記シャフトの露出表面と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層とが電気的に導通することを特徴とする導電ローラ。
  3. 上記樹脂ローラ部の少なくとも外周表面上に形成された金属メッキ層上に、半導電材料からなる半導電層が形成されており、上記半導電層と上記シャフトの導電表面とが電気的に導通する請求項1又は2に記載の導電ローラ。
  4. 上記金属メッキ層の厚さは0.3μm以下である請求項記載の導電ローラ。
  5. シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備え、
    上記接着層は上記シャフトの外周面のうちの端部側を除く外周面上にも形成されており、該接着層は導電材料又は半導電材料により構成されており、上記シャフトの露出外周表面上に形成されている露出接着層部分若しくは上記シャフトの上記端部側表面と上記樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層とが電気的に導通することを特徴とする導電ローラ。
  6. シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備え、
    絶縁層が上記シャフトの露出部分のうちの内側表面に形成されており、上記シャフトの端部側上に、及び該樹脂ローラ部端面部と上記絶縁層との境界周辺部の該絶縁層上に各々金属メッキ層が設けられており、該2つの金属メッキ層の間には絶縁層が配置されており、該絶縁層を挟んで上記2つの金属メッキ層とが抵抗素子により結線されており、上記接着層は非導電材料により構成されており、上記シャフトの端部側の金属メッキ層と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層とが電気的に導通することを特徴とする導電ローラ。
  7. シャフトと、該シャフトの少なくとも一方の露出端部を除く外周表面に接着層を介して接合されるセル膜を除去した発泡ポリウレタンからなる連続気泡性弾性樹脂ローラ部とを備える導電ローラであって、該弾性樹脂ローラ部の外表面及び内表面に金属メッキ層を備え、
    絶縁層が上記シャフトの露出部分のうちの内側表面に形成されており、上記接着層は非導電材料により構成されており、上記弾性樹脂ローラ部の端面部と上記絶縁層との境界周辺部の該絶縁層上にも金属メッキ層が設けられており、上記シャフトは導電性材料から構成されており、該絶縁層を挟んで上記金属メッキ層と上記シャフトの露出表面とが抵抗素子により結線されており、上記シャフトの露出表面と上記弾性樹脂ローラ部の外周表面上に形成されている金属メッキ層とが電気的に導通することを特徴とする導電ローラ。
  8. 上記金属メッキ層の厚さは0.3μm以下である請求項5乃至7のうちのいずれか1項に記載の導電ローラ。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の導電ローラの製造方法において、連続気泡性弾性樹脂ローラ部を構成することとなる弾性樹脂は上記発泡ポリウレタンであり、該樹脂ローラ部に形成される金属メッキ層は、発泡ポリウレタンを製造する際に整泡剤として有機系アニオン性界面活性剤を使用し、その後、表面調整剤としてのカチオン性表面活性剤を使用して表面処理を行い、次いで、無電解メッキを行うことを特徴とする導電ローラの製造方法。
  10. 上記発泡ポリウレタンはエステルポリオールを組成分とする請求項記載の導電ローラの製造方法。
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