JP2004029483A - 導電ローラ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一かつ良好な導電性を有する導電ローラと、その導電ローラを容易に得られる製造方法を提供する。
【解決手段】導電性のシャフト11の外周に、高分子弾性体からなる筒状の弾性層21を形成した後、前記弾性層21の外周面22と端面23及び前記端面23と前記シャフト11との境界位置24に、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を塗布又は浸漬により付着させ、その後乾燥させることにより、前記弾性層21の外周面22と端面23との間で連続すると共に前記弾性層21の端面23では前記シャフト11の外周面に接触した導電層31を、前記弾性層21の外周面及び端面に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性のシャフト11の外周に、高分子弾性体からなる筒状の弾性層21を形成した後、前記弾性層21の外周面22と端面23及び前記端面23と前記シャフト11との境界位置24に、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を塗布又は浸漬により付着させ、その後乾燥させることにより、前記弾性層21の外周面22と端面23との間で連続すると共に前記弾性層21の端面23では前記シャフト11の外周面に接触した導電層31を、前記弾性層21の外周面及び端面に形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性のシャフトの外周に高分子弾性体を設けた導電ローラは、レーザープリンタや複写機などに多用されている。前記導電ローラにおいては、高分子弾性体に導電性を付与して、前記シャフトから高分子弾性体内部を経て高分子弾性体表面に至る導通路を確保していた。
【0003】
また、従来における導電ローラの製造方法として次のような方法が知られている。まず、高分子弾性体が、ウレタンフォームなどの通気性を有する多孔体の場合には、導電フィラーを含むラテックスなどの導電性液状原料を多孔体に含浸させ、一定の付着量になるように多孔体を絞った後、乾燥させ、さらにその後、カットや研磨により低弾性の導電ローラを製造する方法がある。また、高分子弾性体が、ゴムスポンジのように通気性が低い場合には、カーボンブラックや導電性金属酸化物のような電子伝導性導電フィラーにより所定の電気抵抗値にしたゴム配合物を、加硫成形してロール形状にする製造方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、導電性液状原料を含浸させた後にカットや研磨する方法においては、乾燥や反応等の際に含浸液が多孔体内を重力により下方へ移動し易く、また乾燥の進行にしたがい含浸液が導電フィラーと共に多孔体の表面へ移動し、多孔体の内部と表面付近とで抵抗値が異なるようになる。このようにして得られた多孔体を、その後にカットや研磨して中心に近い部分をローラとしているが、ローラ表面からの位置によって抵抗値が異なり、品質の一定した導電ローラを得難い問題がある。
【0005】
さらに、その他の問題として、付着量を一定にするための絞り作業の際に、含浸液に含まれていたシリコン系界面活性剤や未反応成分等が溶出し、ラテックス配合液がゲル化したり、溶出物がローラ表面に再付着して、ローラの使用時にローラと接触する感光体表面を汚染するおそれがある。また、絞りを行う方法の場合は、1本のローラ内だけでなく、同一ロット内でのローラ間の抵抗値のばらつきも大きい。このローラ間における抵抗値のばらつきは、多孔体のセルの大きさ、形状、セルを塞ぐように存在するセル膜の残留度合いなどが、ローラ間で均一でないことにも起因すると考えられる。
【0006】
また、電子伝導性導電フィラーにより所定の電気抵抗値にしたゴム配合物を、加硫成形してローラ形状にする製造方法においては、電子伝導性導電フィラーの配合や分散状態の僅かな変動による導電性の変化を抑え、安定した抵抗値を発現させることが困難であった。また、電子伝導性導電フィラーが高分子弾性体内に安定な導通路(ネットワーク)を形成するような配合領域では、導電ローラの抵抗値が比較的安定して得られる反面、一般に導電ローラに求められる抵抗値よりも低い抵抗値となったり、電子伝導性導電フィラーを大量に含むため、導電ローラの硬度が高くなりすぎたり、伸びが減少するなど、導電ローラに求められる機械的物性から大きく外れてしまう。また、電子伝導性導電フィラーの量を減らすと、混練などの成形条件や配合量の微少変化によって導電ローラの抵抗が大きく変動し、かつロット間のばらつきが大きくなってしまう。また、導電ローラの変形によっても導電ローラ内の導通路が変化するため、ニップ量や回転速度でも抵抗が変わることになる。
【0007】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、均一かつ良好な導電性を有する導電ローラと、その導電ローラを容易に得られる製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、導電性のシャフトと、前記シャフトの外周に設けられた高分子弾性体からなる筒状の弾性層と、前記弾性層の外周面および端面に形成された導電層とよりなりなる導電ローラであって、前記導電層が前記弾性層の外周面と端面との間で連続し、かつ前記弾性層の端面で前記導電層が前記シャフトの外周面に接触していることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、 高分子弾性体が、多孔体からなることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2において、多孔体が、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmであることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、導電性のシャフトの外周に、高分子弾性体からなる筒状の弾性層を形成した後、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を塗布又は浸漬により付着させ、その後乾燥させることにより、前記弾性層の外周面と端面との間で連続すると共に前記弾性層の端面では前記シャフトの外周面に接触した導電層を、前記弾性層の外周面及び端面に形成することを特徴とする導電ローラの製造方法に係る。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、高分子弾性体が密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmの多孔体からなり、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、粘度0.01〜5Pa・sとして、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に付着させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1に示すこの発明の一実施例に係る導電ローラ10は、導電性のシャフト11と、前記シャフト11の外周に設けられた弾性層21と、前記弾性層21の外周面及び端面に形成された導電層31とからなり、プリンタや複写機等に使用されるものである。
【0014】
前記導電性のシャフト11は、前記導電ローラ10の回転軸となるもので、金属等のような導電性を有する材質からなり、用途に応じたサイズとされる。前記導電性のシャフト11は前記導電ローラ10の軸中心に位置し、接着剤により前記弾性層21と一体化されている。接着剤は、公知のものが用いられる。
【0015】
前記弾性層21は、高分子弾性体からなり、多孔体(発泡体)でも非多孔体(無発泡体)でもよい。低硬度の導電ローラが必要とされる場合や、トナーを摩擦帯電したり、トナーを感光体や転写ベルト表面からクリーニングしたりする用途においては、多孔体を用いるのが好ましい。多孔体を用いる場合には、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mm(JIS K 6402D3574規格準拠)のものが好ましい。この範囲の多孔体を用いれば、後述の導電層31形成時に前記多孔体からなる弾性層21内に導電層31形成用の液状高分子組成物を含浸し難くでき、弾性層21表面に導電層31を形成し易くなるのみならず、前記液状高分子組成物の含浸によって前記弾性層21の弾性が低下するのを防ぐことができる。前記多孔体としては、ウレタンフォームやゴムスポンジ等を挙げることができる。さらに、前記ウレタンフォームの場合、公知の溶解処理等によってセル膜除去が施されたものであってもよい。それに対し前記非多孔体としては、無発泡ゴム等を挙げることができる。なお、前記弾性層21は、前記導電ローラ10の用途に応じた寸法の円筒形からなり、軸中心に前記導電性のシャフト11が挿通されている。
【0016】
前記導電層31は、前記弾性層21の外周面22及び端面23に連続して形成され、さらに前記弾性層21の端面23では前記導電性のシャフト11の外周面12と接触している。このように導電層31が形成されていることにより、前記導電性のシャフト11から弾性層21の外周面22まで導通経路が形成され、前記導電ローラ10の周方向及び軸方向に対して測定される部分抵抗値が、前記弾性層21内の状態に影響されることなく、バラツキの小さいものとなる。
【0017】
前記導電層31は、体積抵抗率が10−2〜108Ωcm(JIS K 6911:1995準拠)であることが好ましい。前記導電層31は、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、前記弾性層21の外周面22及び端面23の両方に層状に付着させて乾燥させることにより形成される。前記導電層31の厚みは5〜100μm程度とするのが、前記弾性層21の表面弾性を大きく損なわないために好ましい。
【0018】
前記電子伝導性導電フィラーとしては、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素質粒子、銀やニッケルなどの金属粉、酸化スズや酸化チタンあるいは酸化亜鉛などの導電性金属酸化物の単体、あるいは硫酸バリウムなどの絶縁性粒子を芯体にして前記導電性金属酸化物を湿式的に被覆したもの、導電性金属炭化物、導電性金属窒化物、導電性金属ホウ化物などから選ばれる1種又は複数種類の組合せで用いられる。特にコスト面からはカーボンブラックが好ましく、他方導電性制御のし易さからは導電性金属酸化物が好ましい。カーボンブラックと導電性金属酸化物の併用がコストと導電性制御の容易さを両立できるため、より好ましい。
【0019】
前記液状高分子組成物は、高分子弾性体の膨潤を防止して変形を防ぐため、水性のものが好ましい。前記液状高分子組成物としては、水溶性高分子を主成分とするものや、高分子の微粒子をこれに含まれる親水性官能基や添加した界面活性剤により安定化させた、いわゆるラテックスを主成分とするものが好適である。前記ラテックスとしては、天然ゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、アクリルゴムラテックス、ポリウレタンゴムラテックス、ポリエステルゴムラテックス、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックスなどが利用できる。
【0020】
前記電子伝導性導電フィラーとラテックスの割合は、電子伝導性導電フィラーの粒径や体積固有抵抗により異なるが、ラテックスの固形分100重量部に対して電子伝導性導電フィラーが5〜80重量部となるようにするのが好ましい。なお、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物には、粘度調整等のために適量の水が添加されることもある。その他、必要に応じて架橋剤や界面活性剤などの助剤が添加される。
【0021】
前記導電ローラ10の製造について説明する。まず、前記導電性のシャフト11の外周に前記弾性層21を形成する。この弾性層形成工程では、前記導電性シャフト11の外周面に接着剤を塗布し、前記弾性層21を構成する高分子弾性体に前記導電性のシャフト11を挿通し、その後に前記高分子弾性体に対してカットや研磨(研削)等を行い、所要サイズの筒状からなる前記弾性層21を形成する。
【0022】
次に、前記弾性層21の表面に前記導電層31を形成する。この導電層形成工程では、前記弾性層21の外周面22、端面23及び前記端面23とシャフト11との境界位置24に、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を付着させ、その後乾燥させる。前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物の付着は、スプレー塗布、ロールコート、浸漬塗布等により行われる。特にスプレー塗布は、前記シャフト11と弾性層21との境界位置24への塗布が容易で、しかも前記弾性層21の表面への塗布を均一に行え、さらに塗布量制御も容易で、塗布後に絞ったりして塗布量を調整する必要がないので、好ましいものである。
【0023】
前記弾性層21を構成する高分子弾性体が、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mm(JIS K 6402 D3574規格準拠)の場合には、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物が、粘度0.01〜5Pa・s(JIS K 7117−2:1999準拠)となるように、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物の温度や配合等を調製するのが好ましい。この範囲とすれば、前記導電層31の形成時に、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物が前記弾性層21の内部まで含浸するのを抑えて、前記弾性層21の表面にのみ付着させ易くなる。この導電層形成工程終了により、図1に示した所望の導電ローラ10が得られる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例について、具体的に示す。
・実施例1
ニッケルメッキが施された鉄製シャフト(外径6mm、長さ250mm)の外周面に、ホットメルト接着剤を厚さ20μm程度で塗布する。また、溶解処理の施されたポリエステル系ウレタンフォーム(密度30kg/m3、セル数50個/25mm、商品名:MF−50、イノアックコーポレーション社製)を厚さ18mm、幅18mm、長さ240mmに加工し、このものに直径5mmの貫通孔を形成し、前記貫通孔に前記導電性のシャフトを挿通して接着させ、その後、前記ポリエステル系ウレタンフォームを研削して外径10mm、ローラ面長225mmの弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。
【0025】
次に、アクリル系ラテックス(不揮発分約45%、商品名:AE336、JSR社製)100重量部にカーボンブラック分散液(不揮発分約38%)50重量部と、純水50重量部を配合した電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、付着量が1.8gになるようにギヤポンプ(RIF−0.5−02、ランズバーグ・インダストリー社製)を用いた精密スプレー塗布装置で、前記弾性層の外周面、端面及び前記端面とシャフト外周面との境界に塗布し、その後70℃で30分間熱風循環乾燥炉により乾燥させて、実施例1の導電ローラを得た。なお、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物は、塗布時の温度20〜30℃、粘度0.1〜0.2Pa・sであった。
【0026】
・実施例2
実施例1におけるポリエステル系ウレタンフォームが溶解処理の施されていないものであることを除き、実施例1と同様にして実施例2の導電ローラを得た。
【0027】
・実施例3
EPDMゴム100重量部に、亜鉛華3重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5重量部、発泡助剤0.5重量部、加硫促進剤0.7重量部、イオウ2重量部配合して混練りし、ゴム射出成形機により、型温165℃の金型内(内径14mmの型内に外径5mmの金属芯をセット済み)に射出し、発泡成形を行った。得られた発泡体を、実施例1と同じシャフトに圧入して、研削により外径10mm、ローラ面長225mmのEPDM製弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。その後、実施例1と同様にして導電層を形成し、実施例3の導電ローラを得た。
【0028】
・実施例4
分子量5000のポリエーテルポリオール100重量部に対し、1,4ブタンジオール7.5重量部、ウレタン変性MDIを50重量部、シリコン系界面活性剤1.5重量部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7のトルエンスルホン酸塩0.5重量部、ジブチルスズジラウレート0.0015重量部を添加した配合物を調製し、前記配合物をオークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後、研削し、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームからなる弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。その後、実施例1と同様にして導電層を形成し、実施例4の導電ローラを得た。
【0029】
・比較例1
厚さ30mmのウレタンフォーム(密度30kg/m3、セル数50個/25mm、商品名:MF−50、イノアックコーポレーション社製)のシートにシャフトが入る穴を開け、実施例1と同じ配合からなる電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を前記シートに含浸させ、約1000g/m2の付着量になるように絞った後、120℃で120分間乾燥させた。乾燥後の含浸ウレタンフォームに、実施例1と同様にしてシャフトを圧入し、ウレタンフォーム外周を研削して外径10mm、ローラ面長225mmのウレタンフォームをシャフトの外周に有する比較例1の導電ローラを得た。
【0030】
・比較例2
実施例4の配合物にさらに電子伝導性導電フィラーとしてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を3重量部添加し、オークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後研削して、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームをシャフト外周に有する比較例2の導電ローラを得た。
【0031】
・比較例3
実施例4の配合物に、イオン導電剤として、水酸基を持つ4級アンモニウム塩(カチオンIN、日本油脂社製)を3重量部添加し、オークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後研削して、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームをシャフト外周に有する比較例3の導電ローラを得た。
【0032】
前記実施例及び比較例の導電ローラに対して、シャフトの両端に50gずつの荷重をかけ、軸方向に5m幅の金属電極を等間隔に9カ所配置して弾性層部分の導電層外周面あるいは比較例では中央部外周面と当接させ、前記シャフトと金属電極の間に100Vの電圧を印可しての電気抵抗値を測定した。その際、シャフトを20°ピッチで回転させて電極に当接する位置を変えながら、合計(9×360°/20°=)162点で部分抵抗値測定を行い、平均抵抗値を計算した。表1は、23℃、55RHにおける測定データである。また、表2は、前記実施例及び比較例を10℃、15%RHと28℃、85%RHの環境下に2日放置した後、前記と同様に抵抗値を測定した結果である。表3は、各実施例及び比較例から各10本の導電ローラを抽出し、前記方法で測定した平均抵抗値の平均とその標準偏差を示すものである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
前記比較例1及び比較例2では、部分抵抗に関して導電ローラ1本内のバラツキと、10本の平均抵抗値のバラツキが、実施例のものよりも大きいことと、比較例3では、10℃、15%RHと28℃、85%RHの環境下での抵抗差が実施例よりも大きいことが、それぞれ表からわかる。
【0037】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の導電ローラによれば、均一かつ良好な導電性が得られる効果がある。またこの発明の製造方法によれば、均一かつ良好な導電性を有する導電ローラを簡単に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る導電ローラの断面図である。
【符号の説明】
10 導電ローラ
11 シャフト
21 弾性層
31 導電層
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性のシャフトの外周に高分子弾性体を設けた導電ローラは、レーザープリンタや複写機などに多用されている。前記導電ローラにおいては、高分子弾性体に導電性を付与して、前記シャフトから高分子弾性体内部を経て高分子弾性体表面に至る導通路を確保していた。
【0003】
また、従来における導電ローラの製造方法として次のような方法が知られている。まず、高分子弾性体が、ウレタンフォームなどの通気性を有する多孔体の場合には、導電フィラーを含むラテックスなどの導電性液状原料を多孔体に含浸させ、一定の付着量になるように多孔体を絞った後、乾燥させ、さらにその後、カットや研磨により低弾性の導電ローラを製造する方法がある。また、高分子弾性体が、ゴムスポンジのように通気性が低い場合には、カーボンブラックや導電性金属酸化物のような電子伝導性導電フィラーにより所定の電気抵抗値にしたゴム配合物を、加硫成形してロール形状にする製造方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、導電性液状原料を含浸させた後にカットや研磨する方法においては、乾燥や反応等の際に含浸液が多孔体内を重力により下方へ移動し易く、また乾燥の進行にしたがい含浸液が導電フィラーと共に多孔体の表面へ移動し、多孔体の内部と表面付近とで抵抗値が異なるようになる。このようにして得られた多孔体を、その後にカットや研磨して中心に近い部分をローラとしているが、ローラ表面からの位置によって抵抗値が異なり、品質の一定した導電ローラを得難い問題がある。
【0005】
さらに、その他の問題として、付着量を一定にするための絞り作業の際に、含浸液に含まれていたシリコン系界面活性剤や未反応成分等が溶出し、ラテックス配合液がゲル化したり、溶出物がローラ表面に再付着して、ローラの使用時にローラと接触する感光体表面を汚染するおそれがある。また、絞りを行う方法の場合は、1本のローラ内だけでなく、同一ロット内でのローラ間の抵抗値のばらつきも大きい。このローラ間における抵抗値のばらつきは、多孔体のセルの大きさ、形状、セルを塞ぐように存在するセル膜の残留度合いなどが、ローラ間で均一でないことにも起因すると考えられる。
【0006】
また、電子伝導性導電フィラーにより所定の電気抵抗値にしたゴム配合物を、加硫成形してローラ形状にする製造方法においては、電子伝導性導電フィラーの配合や分散状態の僅かな変動による導電性の変化を抑え、安定した抵抗値を発現させることが困難であった。また、電子伝導性導電フィラーが高分子弾性体内に安定な導通路(ネットワーク)を形成するような配合領域では、導電ローラの抵抗値が比較的安定して得られる反面、一般に導電ローラに求められる抵抗値よりも低い抵抗値となったり、電子伝導性導電フィラーを大量に含むため、導電ローラの硬度が高くなりすぎたり、伸びが減少するなど、導電ローラに求められる機械的物性から大きく外れてしまう。また、電子伝導性導電フィラーの量を減らすと、混練などの成形条件や配合量の微少変化によって導電ローラの抵抗が大きく変動し、かつロット間のばらつきが大きくなってしまう。また、導電ローラの変形によっても導電ローラ内の導通路が変化するため、ニップ量や回転速度でも抵抗が変わることになる。
【0007】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、均一かつ良好な導電性を有する導電ローラと、その導電ローラを容易に得られる製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、導電性のシャフトと、前記シャフトの外周に設けられた高分子弾性体からなる筒状の弾性層と、前記弾性層の外周面および端面に形成された導電層とよりなりなる導電ローラであって、前記導電層が前記弾性層の外周面と端面との間で連続し、かつ前記弾性層の端面で前記導電層が前記シャフトの外周面に接触していることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、 高分子弾性体が、多孔体からなることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2において、多孔体が、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmであることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、導電性のシャフトの外周に、高分子弾性体からなる筒状の弾性層を形成した後、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を塗布又は浸漬により付着させ、その後乾燥させることにより、前記弾性層の外周面と端面との間で連続すると共に前記弾性層の端面では前記シャフトの外周面に接触した導電層を、前記弾性層の外周面及び端面に形成することを特徴とする導電ローラの製造方法に係る。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、高分子弾性体が密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmの多孔体からなり、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、粘度0.01〜5Pa・sとして、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に付着させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1に示すこの発明の一実施例に係る導電ローラ10は、導電性のシャフト11と、前記シャフト11の外周に設けられた弾性層21と、前記弾性層21の外周面及び端面に形成された導電層31とからなり、プリンタや複写機等に使用されるものである。
【0014】
前記導電性のシャフト11は、前記導電ローラ10の回転軸となるもので、金属等のような導電性を有する材質からなり、用途に応じたサイズとされる。前記導電性のシャフト11は前記導電ローラ10の軸中心に位置し、接着剤により前記弾性層21と一体化されている。接着剤は、公知のものが用いられる。
【0015】
前記弾性層21は、高分子弾性体からなり、多孔体(発泡体)でも非多孔体(無発泡体)でもよい。低硬度の導電ローラが必要とされる場合や、トナーを摩擦帯電したり、トナーを感光体や転写ベルト表面からクリーニングしたりする用途においては、多孔体を用いるのが好ましい。多孔体を用いる場合には、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mm(JIS K 6402D3574規格準拠)のものが好ましい。この範囲の多孔体を用いれば、後述の導電層31形成時に前記多孔体からなる弾性層21内に導電層31形成用の液状高分子組成物を含浸し難くでき、弾性層21表面に導電層31を形成し易くなるのみならず、前記液状高分子組成物の含浸によって前記弾性層21の弾性が低下するのを防ぐことができる。前記多孔体としては、ウレタンフォームやゴムスポンジ等を挙げることができる。さらに、前記ウレタンフォームの場合、公知の溶解処理等によってセル膜除去が施されたものであってもよい。それに対し前記非多孔体としては、無発泡ゴム等を挙げることができる。なお、前記弾性層21は、前記導電ローラ10の用途に応じた寸法の円筒形からなり、軸中心に前記導電性のシャフト11が挿通されている。
【0016】
前記導電層31は、前記弾性層21の外周面22及び端面23に連続して形成され、さらに前記弾性層21の端面23では前記導電性のシャフト11の外周面12と接触している。このように導電層31が形成されていることにより、前記導電性のシャフト11から弾性層21の外周面22まで導通経路が形成され、前記導電ローラ10の周方向及び軸方向に対して測定される部分抵抗値が、前記弾性層21内の状態に影響されることなく、バラツキの小さいものとなる。
【0017】
前記導電層31は、体積抵抗率が10−2〜108Ωcm(JIS K 6911:1995準拠)であることが好ましい。前記導電層31は、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、前記弾性層21の外周面22及び端面23の両方に層状に付着させて乾燥させることにより形成される。前記導電層31の厚みは5〜100μm程度とするのが、前記弾性層21の表面弾性を大きく損なわないために好ましい。
【0018】
前記電子伝導性導電フィラーとしては、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素質粒子、銀やニッケルなどの金属粉、酸化スズや酸化チタンあるいは酸化亜鉛などの導電性金属酸化物の単体、あるいは硫酸バリウムなどの絶縁性粒子を芯体にして前記導電性金属酸化物を湿式的に被覆したもの、導電性金属炭化物、導電性金属窒化物、導電性金属ホウ化物などから選ばれる1種又は複数種類の組合せで用いられる。特にコスト面からはカーボンブラックが好ましく、他方導電性制御のし易さからは導電性金属酸化物が好ましい。カーボンブラックと導電性金属酸化物の併用がコストと導電性制御の容易さを両立できるため、より好ましい。
【0019】
前記液状高分子組成物は、高分子弾性体の膨潤を防止して変形を防ぐため、水性のものが好ましい。前記液状高分子組成物としては、水溶性高分子を主成分とするものや、高分子の微粒子をこれに含まれる親水性官能基や添加した界面活性剤により安定化させた、いわゆるラテックスを主成分とするものが好適である。前記ラテックスとしては、天然ゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、アクリルゴムラテックス、ポリウレタンゴムラテックス、ポリエステルゴムラテックス、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックスなどが利用できる。
【0020】
前記電子伝導性導電フィラーとラテックスの割合は、電子伝導性導電フィラーの粒径や体積固有抵抗により異なるが、ラテックスの固形分100重量部に対して電子伝導性導電フィラーが5〜80重量部となるようにするのが好ましい。なお、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物には、粘度調整等のために適量の水が添加されることもある。その他、必要に応じて架橋剤や界面活性剤などの助剤が添加される。
【0021】
前記導電ローラ10の製造について説明する。まず、前記導電性のシャフト11の外周に前記弾性層21を形成する。この弾性層形成工程では、前記導電性シャフト11の外周面に接着剤を塗布し、前記弾性層21を構成する高分子弾性体に前記導電性のシャフト11を挿通し、その後に前記高分子弾性体に対してカットや研磨(研削)等を行い、所要サイズの筒状からなる前記弾性層21を形成する。
【0022】
次に、前記弾性層21の表面に前記導電層31を形成する。この導電層形成工程では、前記弾性層21の外周面22、端面23及び前記端面23とシャフト11との境界位置24に、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を付着させ、その後乾燥させる。前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物の付着は、スプレー塗布、ロールコート、浸漬塗布等により行われる。特にスプレー塗布は、前記シャフト11と弾性層21との境界位置24への塗布が容易で、しかも前記弾性層21の表面への塗布を均一に行え、さらに塗布量制御も容易で、塗布後に絞ったりして塗布量を調整する必要がないので、好ましいものである。
【0023】
前記弾性層21を構成する高分子弾性体が、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mm(JIS K 6402 D3574規格準拠)の場合には、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物が、粘度0.01〜5Pa・s(JIS K 7117−2:1999準拠)となるように、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物の温度や配合等を調製するのが好ましい。この範囲とすれば、前記導電層31の形成時に、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物が前記弾性層21の内部まで含浸するのを抑えて、前記弾性層21の表面にのみ付着させ易くなる。この導電層形成工程終了により、図1に示した所望の導電ローラ10が得られる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例について、具体的に示す。
・実施例1
ニッケルメッキが施された鉄製シャフト(外径6mm、長さ250mm)の外周面に、ホットメルト接着剤を厚さ20μm程度で塗布する。また、溶解処理の施されたポリエステル系ウレタンフォーム(密度30kg/m3、セル数50個/25mm、商品名:MF−50、イノアックコーポレーション社製)を厚さ18mm、幅18mm、長さ240mmに加工し、このものに直径5mmの貫通孔を形成し、前記貫通孔に前記導電性のシャフトを挿通して接着させ、その後、前記ポリエステル系ウレタンフォームを研削して外径10mm、ローラ面長225mmの弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。
【0025】
次に、アクリル系ラテックス(不揮発分約45%、商品名:AE336、JSR社製)100重量部にカーボンブラック分散液(不揮発分約38%)50重量部と、純水50重量部を配合した電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、付着量が1.8gになるようにギヤポンプ(RIF−0.5−02、ランズバーグ・インダストリー社製)を用いた精密スプレー塗布装置で、前記弾性層の外周面、端面及び前記端面とシャフト外周面との境界に塗布し、その後70℃で30分間熱風循環乾燥炉により乾燥させて、実施例1の導電ローラを得た。なお、前記電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物は、塗布時の温度20〜30℃、粘度0.1〜0.2Pa・sであった。
【0026】
・実施例2
実施例1におけるポリエステル系ウレタンフォームが溶解処理の施されていないものであることを除き、実施例1と同様にして実施例2の導電ローラを得た。
【0027】
・実施例3
EPDMゴム100重量部に、亜鉛華3重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5重量部、発泡助剤0.5重量部、加硫促進剤0.7重量部、イオウ2重量部配合して混練りし、ゴム射出成形機により、型温165℃の金型内(内径14mmの型内に外径5mmの金属芯をセット済み)に射出し、発泡成形を行った。得られた発泡体を、実施例1と同じシャフトに圧入して、研削により外径10mm、ローラ面長225mmのEPDM製弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。その後、実施例1と同様にして導電層を形成し、実施例3の導電ローラを得た。
【0028】
・実施例4
分子量5000のポリエーテルポリオール100重量部に対し、1,4ブタンジオール7.5重量部、ウレタン変性MDIを50重量部、シリコン系界面活性剤1.5重量部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7のトルエンスルホン酸塩0.5重量部、ジブチルスズジラウレート0.0015重量部を添加した配合物を調製し、前記配合物をオークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後、研削し、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームからなる弾性層を前記シャフトの外周面に形成した。その後、実施例1と同様にして導電層を形成し、実施例4の導電ローラを得た。
【0029】
・比較例1
厚さ30mmのウレタンフォーム(密度30kg/m3、セル数50個/25mm、商品名:MF−50、イノアックコーポレーション社製)のシートにシャフトが入る穴を開け、実施例1と同じ配合からなる電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を前記シートに含浸させ、約1000g/m2の付着量になるように絞った後、120℃で120分間乾燥させた。乾燥後の含浸ウレタンフォームに、実施例1と同様にしてシャフトを圧入し、ウレタンフォーム外周を研削して外径10mm、ローラ面長225mmのウレタンフォームをシャフトの外周に有する比較例1の導電ローラを得た。
【0030】
・比較例2
実施例4の配合物にさらに電子伝導性導電フィラーとしてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を3重量部添加し、オークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後研削して、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームをシャフト外周に有する比較例2の導電ローラを得た。
【0031】
・比較例3
実施例4の配合物に、イオン導電剤として、水酸基を持つ4級アンモニウム塩(カチオンIN、日本油脂社製)を3重量部添加し、オークスミキサーにて乾燥空気を導入しながら泡立てて、外径5mmの金属芯を備えた内径16mmの金型内に注入し、80℃で10分間加熱して硬化させた。これを、実施例1と同じシャフトに圧入した後研削して、外径10mm、ローラ面長225mmの機械発泡ウレタンフォームをシャフト外周に有する比較例3の導電ローラを得た。
【0032】
前記実施例及び比較例の導電ローラに対して、シャフトの両端に50gずつの荷重をかけ、軸方向に5m幅の金属電極を等間隔に9カ所配置して弾性層部分の導電層外周面あるいは比較例では中央部外周面と当接させ、前記シャフトと金属電極の間に100Vの電圧を印可しての電気抵抗値を測定した。その際、シャフトを20°ピッチで回転させて電極に当接する位置を変えながら、合計(9×360°/20°=)162点で部分抵抗値測定を行い、平均抵抗値を計算した。表1は、23℃、55RHにおける測定データである。また、表2は、前記実施例及び比較例を10℃、15%RHと28℃、85%RHの環境下に2日放置した後、前記と同様に抵抗値を測定した結果である。表3は、各実施例及び比較例から各10本の導電ローラを抽出し、前記方法で測定した平均抵抗値の平均とその標準偏差を示すものである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
前記比較例1及び比較例2では、部分抵抗に関して導電ローラ1本内のバラツキと、10本の平均抵抗値のバラツキが、実施例のものよりも大きいことと、比較例3では、10℃、15%RHと28℃、85%RHの環境下での抵抗差が実施例よりも大きいことが、それぞれ表からわかる。
【0037】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の導電ローラによれば、均一かつ良好な導電性が得られる効果がある。またこの発明の製造方法によれば、均一かつ良好な導電性を有する導電ローラを簡単に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る導電ローラの断面図である。
【符号の説明】
10 導電ローラ
11 シャフト
21 弾性層
31 導電層
Claims (5)
- 導電性のシャフトと、前記シャフトの外周に設けられた高分子弾性体からなる筒状の弾性層と、前記弾性層の外周面および端面に形成された導電層とよりなる導電ローラであって、
前記導電層が前記弾性層の外周面と端面との間で連続し、かつ前記弾性層の端面で前記導電層が前記シャフトの外周面に接触していることを特徴とする導電ローラ。 - 高分子弾性体が、多孔体からなることを特徴とする請求項1に記載された導電ローラ。
- 多孔体が、密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmであることを特徴とする請求項2に記載された導電ローラ。
- 導電性のシャフトの外周に、高分子弾性体からなる筒状の弾性層を形成した後、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を塗布又は浸漬により付着させ、その後乾燥させることにより、
前記弾性層の外周面と端面との間で連続すると共に前記弾性層の端面では前記シャフトの外周面に接触した導電層を、前記弾性層の外周面及び端面に形成することを特徴とする導電ローラの製造方法。 - 高分子弾性体が密度10〜500kg/m3、セル数25〜5000/25mmの多孔体からなり、電子伝導性導電フィラーを含む液状高分子組成物を、粘度0.01〜5Pa・sとして、前記弾性層の外周面と端面及び前記端面と前記シャフトとの境界位置に付着させることを特徴とする請求項4に記載された導電ローラの製造方法。
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