JP4251739B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)のメモリセルアレイは、トランジスタとキャパシタとで構成されるメモリセルが、行、列方向にアレイ状に配置されたものである。その動作においては、行アドレスによって選択されたワード線が立上がり、このワード線に接続されたトランジスタがONする。これにより、ある行に配置されているすべてのメモリセルのキャパシタに蓄積されていた電位が、ビット線を介して一斉にセンスアンプに読出され、“H”レベル(アレイ電圧、VDD)あるいは“L”レベル(VSS)に増幅される。上記ビット線は、上記ワード線が立上がる前までは、一定の電圧(VBL、一般にはVDD/2)のビット線プリチャージ電圧にプリチャージされている。また、各メモリセルのキャパシタの共通の対向電極としてセルプレート電極が配置されており、一定の電圧(VCP、一般にはVDD/2)のセルプレート電圧に固定されている。
【0003】
ところで、大容量のDRAMになると消費電力やアクセス時間の増大に対処するため、メモリセルアレイは多数のサブメモリアレイに分割され、ワード線もメインワード線とサブデコード線とからなる階層ワード構成にされる。
【0004】
図6は多分割メモリアレイの構成を概念的に示す図であり、図7は図6のサブメモリアレイSMAとサブワードドライバ帯SWDとセンスアンプ帯SAとを詳細に示す図である。
【0005】
主に図6を参照して、多分割メモリアレイでは、メモリセルアレイは多数のサブメモリアレイSMAに分割されており、複数のサブメモリアレイSMAの各々にサブワードドライバ帯SWDとセンスアンプ帯SAとが配置されている。また行方向に配置された複数のサブメモリアレイSMAを横断するようにメインワード線MWLが行方向に延びており、メインワード線MWLにサブワードドライバSWDを介して接続されたサブワード線SWLもサブメモリアレイSMA内を行方向に延びている。メインワード線MWLは、ロウデコーダRDの信号に従ってメインワードドライバMWDで駆動される。
【0006】
主に図7を参照して、サブメモリアレイSMAは、行列状に配置された複数のメモリセルMCを有している。同一行に配置されたメモリセルMCのゲートにはサブワード線SWLが接続されており、このサブワード線SWLはサブワードドライバ帯SWDの各ドライバSWDaに接続されている。同一列に配置されたメモリセルMCはビット線対BLおよび/BLのいずれかに接続されている。このビット線対BLおよび/BLは、シェアードゲート信号SHRbがゲートに入力されているNMOSトランジスタNT10、NT11を介して、図中上下のいずれかのセンスアンプS/Aに接続されている。
【0007】
なお、センスアンプ帯SAは、NMOSトランジスタNT10〜NT13を構成要素とする複数のS/Aシェア回路および複数のセンスアンプS/A以外に、NMOSトランジスタNT15〜NT17を構成要素とする複数のイコライズ回路を有している。このイコライズ回路は、ビット線BL、/BLに上述のプリチャージ電圧VBLを印加するためのものである。
【0008】
サブワード線SWDは、メインワード線MWLの信号とサブデコード線SDLの信号に従ってサブワードドライバSWDaによって駆動される。
【0009】
上述したメモリセルMCは、たとえば図8に示すようにトランジスタ110とキャパシタ120とからなる1トランジスタ1キャパシタ構成を有している。このキャパシタ120のセルプレート113は、図7に示すようにサブメモリアレイSMAのほぼ全域に分布している。このセルプレート113は、サブメモリアレイSMAとサブワードドライバ帯SWDとの境界近傍に延在するVCP電源線117aに複数箇所で接続されることで、セルプレート電圧VCPに固定されている。
【0010】
従来、このセルプレート電圧VCPをセルプレートに印加するための構成はたとえば図9に示すようなものであった。
【0011】
図9を参照して、トレンチ分離102により電気的に分離された半導体基板101の表面には、MOSトランジスタ110、130が形成されている。これらのMOSトランジスタ110、130の各々は、1対のソース/ドレイン領域103、121と、それらの間に挟まれる領域上にゲート絶縁層104、122を介在して形成されたゲート電極105、123とを有している。特に、ゲート電極105は、上述のサブワード線SWLをなすものである。
【0012】
MOSトランジスタ110、130を覆う層間絶縁層106上に、ビット線107とダミービット線107a、107bとが形成されている。ビット線107はコンタクトホール106aを通じてソース/ドレイン領域103に電気的に接続されている。
【0013】
ビット線107などを覆う層間絶縁膜108上にキャパシタ120が形成されて、COB(Capacitor Over Bitline)構造が採られている。キャパシタ120は、スタックトキャパシタであり、ストレージノード111と、このストレージノード111にキャパシタ誘電体層112を介して対向するセルプレート113とを有している。このストレージノード111は、上方に延びる筒部分を有し、かつコンタクトホール108aを通じてソース/ドレイン領域103に電気的に接続されている。
【0014】
なお、ダミー領域にはダミーのストレージノード111aが形成されている。
キャパシタ120を覆う層間絶縁膜114上に、第1のメタル配線であるメインワード線115と中間接続配線115aとが形成されている。中間接続配線115aは、コンタクトホール114aを通じてセルプレート113に電気的に接続されている。
【0015】
メインワード線115と中間接続配線115aとを覆う層間絶縁膜116上に、第2のメタル配線であるVCP電源線117aと配線117bとが形成されている。VCP電源線117aはスルーホール116aを介して中間接続配線115aに電気的に接続されている。また、第2のメタル配線として、電源線、GND線、グローバルI/O線等も形成されている。
【0016】
このように、従来におけるセルプレート113へのセルプレート電圧VCPの給電は、VCP電源線117aから中間接続配線115aを通じて行なわれていた。
【0017】
図7に示すようにサブメモリアレイSMAとほぼ同じ面積を有する大面積のセルプレート113には、複数箇所でVCP電源を給電することで電位の固定が確実に行なわれている。電位固定が不十分な状態になると、たとえばページ動作で同じデータを書込み続けるとセルプレート113の電位が変化し、メモリセルMCの蓄積電位が不十分なものになる。セルプレート113の電位が浮き上がると“L”→“H”のエラーが起こりやすくなり、逆に下がると“H”→“L”のエラーが起こりやすくなる。
【0018】
なお、VCP電源線117aがサブメモリアレイ領域とサブワードドライバ帯との境界に配置された場合について説明しているが、サブメモリアレイ領域上に配置されている場合もある。いずれにしても、VCP電源線117aをサブワードドライバ帯以外の領域に配置することで、サブワードドライバ帯幅の増大が防止されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DRAMを混載するシステムLSI(Large Scale Integrated circuit)では、上述したセルプレートへのVCPの給電方法が使えなくなる場合がある。以下、そのことを説明する。
【0020】
スタックトキャパシタ型のメモリセルでメモリアレイを構成した場合、メモリアレイ部とそれ以外の周辺部との間に大きな段差が生じる。さらにこの段差は、図9に示すように下層の層間絶縁膜114よりも上層の層間絶縁膜116の方が大きくなる。スタックトキャパシタの高さによっては、層間絶縁膜116の段差は100nm以上になる場合もある。
【0021】
一方、同一工程で複数のスルーホールまたはコンタクトホールを形成する場合には、その形成時のエッチング特性やスルーホールなどへプラグを埋込む際の埋込特性の観点から、スルーホールやコンタクトホールのサイズ(開口径)をチップ全体にわたってそれぞれ均一にする必要がある。このため、あるブロックのスルーホールやコンタクトホールのサイズだけを部分的に大きく設定することはできなくなる。
【0022】
ところで、システムLSIでは、ロジックブロックのゲート密度を上げるためにスルーホールやコンタクトホールのサイズが小さく設定される。したがって、混載DRAM部のスルーホールやコンタクトホールのサイズは、上記のチップ全体にわたるサイズの均一性の必要理由から、ロジックブロックの小さいサイズに合わせる必要がある。このため、この場合のメモリアレイ部におけるスルーホールやコンタクトホールのサイズは、同じ設計寸法のメモリセルで構成されたメモリセルアレイを持つ汎用DRAMのサイズに比べて小さくなる。
【0023】
このようにサイズが小さくなると、転写におけるDOF(Depth Of Focus:焦点深度)の許容範囲が小さくなる。このため、メモリアレイ領域および上記の段差領域でのスルーホールやコンタクトホールの形成が難しくなる。特に段差がより大きくなる上記層間絶縁膜16上では、サブワードドライバ帯やセンスアンプ帯のかなり内側に入った領域までスルーホール等を形成することができなくなる。
【0024】
以上の理由から、図9においてVCP電源線117aをサブワードドライバ帯の内側(図中右側)に相当量寄せて配置する必要があり、さらに中間接続配線層115aをセルプレート113の真上領域からVCP電源線117aの真下領域にまで延在させる必要がある。
【0025】
また、VCPのローカル電源線を第1のメタル配線で配置する場合も考えられる。しかし、メモリアレイからメインワード線MWLが第1のメタル配線でVCPのローカル電源線に直交するように延びてきている。このため、VCPのローカル電源線をまたぐようにメインワード線MWLを第2のメタル配線に一部上げる必要がある。したがって、この場合もスルーホール位置の制約がかかり、VCPのローカル電源線をサブワードドライバ帯の相当内側に配置する必要がある。
【0026】
上記のようにVCPの電源線(VCP電源線117aまたはVCPのローカル電源線)をサブワードドライバ帯SWDに配置する場合、VCPの電源線の配線領域、VCPの電源線と中間接続配線115aとのスルーホール116aによる接続部、サブワードドライバ帯SWDを横断するようにかなり長い距離を走る中間接続配線115aなどによって、サブワードドライバ帯SWDの幅が増大する。このため、サブメモリアレイSMAの行方向の分割数が多くなるほど、上記のサブワードドライバ帯SWDの幅の増大分の総和が大きくなり、チップ面積が増大するという問題が生じる。
【0027】
一方、VCPの電源線をサブメモリアレイSMAとセンスアンプ帯SAとの境界にメインワード線MWDと平行に配置するとともに、複数箇所でセルプレートに接続してVCPを給電する方法もある。しかしこの場合、VCPの電源線の配線領域によるセンスアンプ帯SAの幅の増大が生じ、サブメモリアレイSMAによる列方向の分割数が大きくなるほどチップ面積が増大するという問題が生じる。
【0028】
それゆえ本発明の目的は、チップ面積の増大を防止するとともに、セルプレートにセルプレート電圧を確実に給電できる半導体記憶装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体記憶装置は、半導体基板と、ビット線と、ダミービット線と、キャパシタと、中間接続配線とを備えている。半導体基板は主表面を有している。ビット線は主表面上に形成されている。ダミービット線はビット線と同一の層から分離して形成され、かつビット線と並走している。キャパシタはビット線より上層に形成された上部電極を有している。中間接続配線は、キャパシタより上層に形成され、かつダミービット線および上部電極に電気的に接続されている。
【0030】
本発明の半導体記憶装置では、ダミービット線と中間接続配線との接続は、中間接続配線下のコンタクトホールを介してなされる。このため、中間接続配線上にスルーホールを形成する従来例よりも、コンタクトホール形成時の段差の影響は少ない。よって、たとえばサブメモリアレイ領域とサブワードドライバ帯との境界部にも、ダミービット線と中間接続配線との接続用のコンタクトホールを形成することができる。これにより、従来例のように中間接続配線およびそれに接続されるコンタクトホールをサブワードドライバ帯の相当内側に形成する必要がなくなる。したがって、それによるサブワードドライバ帯幅の増大およびチップ面積の増大を防止することができる。
【0031】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域と、その1対のソース/ドレイン領域に挟まれる領域上にゲート絶縁層を介在して延在するサブワード線と、中間接続配線と同一の層から分離して形成されかつサブワード線とともに階層ワード線構成をなすメインワード線とがさらに備えられている。
【0032】
このように中間接続配線をメインワード線と同一層から分離して形成することができ、階層ワード構成において効率的に中間接続配線を形成することができる。
【0033】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、1対のソース/ドレイン領域とサブワード線よりなるゲート電極とを有するトランジスタおよびキャパシタを含むメモリセルが複数個配置されてサブメモリアレイを構成している。サブメモリアレイが複数個配置されてメモリセルアレイを構成している。
【0034】
これにより多分割メモリアレイ構成を有するような大容量のDRAMにおいても、キャパシタの上部電極に所定の電位を確実に給電できるとともにチップ面積の増大を防止することができる。
【0035】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線より上層に形成され、かつダミービット線に電気的に接続された上層配線がさらに備えられている。
【0036】
これにより、上部電極に与えるべき所定の電位を、上層配線からダミービット線を経て上部電極へ給電することができる。
【0037】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線と同一の層から分離して形成された第2の中間接続配線がさらに備えられている。上層配線は第2の中間接続配線を介在してダミービット線に電気的に接続されている。
【0038】
このようにダミービット線と上層配線との間に第2の中間接続配線を設けたことにより、ダミービット線と上層配線との接続のためのスルーホールの形成が容易となる。
【0039】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、ビット線に対するプリチャージ電圧と同じ電圧が、ダミービット線および中間接続配線を介して上部電極に与えられる。
【0040】
これにより、上部電極にプリチャージ電圧と同じ電圧を確実に給電することができる。
【0041】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線の材質は金属よりなり、ビット線の材質はシリコンおよび高融点金属の少なくともいずれかを含んでいる。
【0042】
このように中間接続配線およびビット線に適切な材質が選択される。
上記の半導体記憶装置において好ましくは、ダミービット線に並走する他のダミービット線がさらに備えられている。ダミービット線と他のダミービット線との間は複数箇所において接続されている。
【0043】
これにより、中間接続配線に直接接続されたダミービット線が断線しても、他のダミービット線を迂回して中間接続配線に給電することが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図に基いて説明する。
【0045】
図1は本発明の一実施の形態における半導体記憶装置でのセルプレートへのVCPの給電構成を示す平面図である。また図2は図1の領域Rを拡大して示す平面図である。
【0046】
主に図1を参照して、サブメモリアレイ領域SMA内には、複数本のビット線7と複数本のメインワード線15とが互いに直交するように配置されている。メインワード線15は、第1のメタル配線よりなっている。またサブメモリアレイ領域SMAの端部付近には、ビット線7と並走するようにダミービット線7a、7bが配置されている。ビット線7の上層であってメインワード線15の下層には、セルプレート13が形成されている。このセルプレート13は、サブメモリアレイ領域SMAのほぼ全域にわたって分布している。
【0047】
ダミービット線7aは、コンタクトホール19bを介して中間接続配線18に電気的に接続されている。この中間接続配線18は、メインワード線15と同一の層より分離して形成された第1のメタル配線である。中間接続配線18は、上層の第2のメタル配線よりなるVCPのグローバル電源線17aにスルーホール19aを介して電気的に接続されている。このVCPのグローバル電源線17aは、サブメモリアレイ領域SMAとサブワードドライバ帯SWDとの境界付近においてその境界に沿って延在している。
【0048】
ダミービット線7aは、セルプレート13よりも外周側(図中右側)へ延びる分岐部7aaを有している。この分岐部7aaは、コンタクトホール14aを介して中間接続配線15aに電気的に接続されている。この中間接続配線15aは、メインワード線15と同一の層から分離して形成された第1のメタル配線である。中間接続配線15aは、コンタクトホール14bを介してセルプレート13に電気的に接続されている。このようにしてダミービット線7aは、セルプレート13に複数箇所において電気的に接続されている。
【0049】
以上より、VCPのグローバル電源線17aのVCPが、中間接続配線18とダミービット線7aと中間接続配線15aとを介してセルプレート13に給電される。
【0050】
なお図2に示すように、サブメモリアレイSMA内には、メインワード線15と同一方向にサブワード線5が複数本配置されており、このサブワード線5とビット線7との交差部付近には、1トランジスタ1キャパシタ構成のメモリセルが配置されている。
【0051】
次に、上記構成を断面図を用いて説明する。
図3は、図1および図2の50−50線に沿う概略断面図である。図3を参照して、トレンチ分離2により電気的に分離された半導体基板1の表面にMOSトランジスタ10、30が形成されている。MOSトランジスタ10は、サブメモリアレイ領域SMA内においてメモリセルを構成するものであり、MOSトランジスタ30はサブワードドライバ帯SWDにおいてサブワードドライバを構成するものである。
【0052】
MOSトランジスタ10は、半導体基板1の表面に形成された1対のソース/ドレイン領域3と、その1対のソース/ドレイン領域3に挟まれる領域上にゲート絶縁層4を介在して形成されたゲート電極層5とを有している。またMOSトランジスタ30は、半導体基板1の表面に形成された1対のソース/ドレイン領域21と、その1対のソース/ドレイン領域21に挟まれる領域上にゲート絶縁層22を介在して形成されたゲート電極層23とを有している。ゲート電極層5、23は、たとえば不純物が導入された多結晶シリコン(ドープトポリシリコン)、あるいはWSiXなどのポリサイドなどのシリコンを含む材質より形成されている。またゲート電極層5はサブワード線SWLとなるものである。
【0053】
このMOSトランジスタ10、30を覆うように表面全面に層間絶縁膜6が形成されている。この層間絶縁膜6上には、ビット線7とダミービット線7a、7bと接続配線7cとが、同一の層から分離して形成されている。このビット線7とダミービット線7a、7bと接続配線7cとは、たとえばドープトポリシリコン、あるいはWSiXなどのポリサイドなどのシリコンを含む材質、あるいはW(タングステン)などの高融点金属より形成されている。ビット線7は、ソース/ドレイン領域3に、コンタクトホール6aを介して電気的に接続されている。また接続配線7cは、ゲート電極層23にコンタクトホール6bを介して電気的に接続されている。
【0054】
このビット線7、ダミービット線7a、7bおよび接続配線7c上を覆うように表面全面に層間絶縁膜8が形成されている。この層間絶縁膜8のサブメモリアレイ領域SMA上には複数のキャパシタ20が形成されている。
【0055】
キャパシタ20は、ストレージノード11(下部電極)と、ストレージノード11にキャパシタ誘電体層12を介在して対向するセルプレート(上部電極)13とを有するスタックドキャパシタである。ストレージノード11は、上方へ延びる筒部11を有しており、かつソース/ドレイン領域3にコンタクトホール8aを介して電気的に接続されている。またセルプレート13は各キャパシタ20で共有されており、かつサブワードドライバ帯SWD方向(図中右側)へ延在するように形成されている。
【0056】
なお、複数のストレージノード11の外周には、ダミーのストレージノード11aが形成されている。
【0057】
このキャパシタ20を覆うように表面全面に層間絶縁膜14が形成されている。この層間絶縁膜14上には、メインワード線15と中間接続配線15aと配線15bとが、同一の層から互いに分離して形成されている。このメインワード線15と中間接続配線15aと配線15bとは、たとえばアルミニウム(Al)などの金属またはそれを含む合金よりなる第1のメタル配線である。
【0058】
中間接続配線15aは、ダミービット線7aにコンタクトホール14aを介して電気的に接続されるとともに、セルプレート13にコンタクトホール14bを介して電気的に接続されている。
【0059】
配線15bはコンタクトホール14cを介して接続配線7cに電気的に接続されている。メインワード線15はサブメモリアレイ領域内に延在してる。
【0060】
メインワード線15と中間接続配線15aと配線15bとを覆うように表面全面に層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16上にはVCPのグローバル電源線17aと配線17bとが、同一の層から互いに分離して形成されている。このVCPのグローバル電源線17aと配線17bとは、たとえばAlなどの金属またはそれを含む合金よりなる第2のメタル配線である。このVCPグローバル電源線17aは、図1で示したようにサブメモリアレイ領域SMA外にてダミービット線7aに中間接続配線18を介在して電気的に接続されている。
【0061】
本実施の形態では、図1に示すようにVCPのグローバル電源線17aから、中間接続配線18とダミービット線7aと中間接続配線15aとを介してセルプレート13にVCPを確実に給電することができる。
【0062】
また図3に示すようにダミービット線7aと中間接続配線15aとの接続は、中間接続配線15a下に設けられたコンタクトホール14aを介して行なわれる。このため、図9に示す従来例のように中間接続配線115a上にスルーホール116aを形成する場合よりも、コンタクトホール14a形成時の段差の影響は少ない。よって、サブメモリアレイ領域とサブワードドライバ帯SWDとの境界部付近にも、コンタクトホール14aを良好に形成することができる。これにより、コンタクトホール14aおよび中間接続配線15aをサブワードドライバ帯SWDの相当内側に形成する必要がなくなるため、サブワードドライバ帯SWD幅の増大およびチップ面積の増大を防止することができる。
【0063】
また、中間接続配線15aをセルプレート13上からサブワードドライバ帯SWDの相当内側にまで延在させる必要もないため、中間接続配線15aの長さも短くてすむ。
【0064】
またVCPのグローバル電源線17aは、サブメモリアレイ領域SMA外の1ヵ所においてダミービット線7aに電気的に接続されれば足りる。このため、サブメモリアレイ領域SMA上、あるいはサブワードドライバ帯SWDとサブメモリアレイ領域SMAとの境界上にグローバル電源線17aを配置することができる。このため、このグローバル電源線17aの配置によるサブワードドライバ帯SWD幅の増大はない。
【0065】
また、図1に示すようにVCPのグローバル電源線17aとダミービット線7aとの接続部は少なくとも1ヵ所あればよいため、この接続部によるセンスアンプ帯SA幅もしくはサブワードドライバ帯SWD幅の増大はない。
【0066】
なお、1本のメインワード線15が8本のサブワード線に接続される8way方式では、メインワード線15同士のスペースは比較的大きい。このため、中間接続配線15aは、メインワード線15間のスペース内に配置することができる。しかし、階層ワード線構成が4wayになると、メインワード線15間のスペースが小さくなる。このような場合には、たとえば図4に示すようにメインワード線15は、直線ではなく中間接続配線15aを迂回するような形状とされる。これにより、各メインワード線15を少しずつずらすことにより、メインワード線15間のスペースを確保することができる。いずれの場合も、中間接続配線15aの配置やダミービット線7aの配置によるサブワードドライバ帯SWD幅の増大はない。
【0067】
本実施の形態において、セルプレート13に与えられる電圧(セルプレート電圧:VCP)およびビット線のプリチャージ電圧(VBL)はともに、一般的にはアレイ電圧VDDの半分(VDD/2)と同じ電圧に設定されている。したがって、VCPのローカル電源線であるダミービット線7aと隣接するビット線7とがウェハプロセス中に付着するごみなどによって短絡しても、スタンバイ期間中にはビット線7からVCPのローカル電源線7aへの貫通電流は流れない。したがって、上記の不良ビット線を置換してもスタンバイ電流が大きくなるという不良は発生しない。
【0068】
また、図1に示すようにダミービット線7aは、並走するビット線の最も端に配置されており、パターンの繰返し性が損なわれる部分であるため、パターン形成時にパターンの途切れが生じやすい部分である。このようなパターンの途切れが生じた場合、VCPを良好にセルプレート13に給電することができない場合も生じ得る。そこで、ダミービット線7a近傍の構成を図5に示す構成とすることが好ましい。
【0069】
図5を参照して、ダミービット線7aに並走する他のダミービット線7bが、接続部7cによりダミービット線7aに複数箇所で接続されている。これにより、たとえば図中の領域Sにおいてダミービット線7aのパターンが途切れたとしても、矢印の経路で示すように他のダミービット線7bに迂回してすべてのセルプレート接続部へVCPを給電することが可能となる。これにより、さらに確実にセルプレート13にVCPを給電することが可能となる。また他のダミービット線7bを有効活用することもできる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
【発明の効果】
本発明の半導体記憶装置では、ダミービット線と中間接続配線との接続は、中間接続配線下のコンタクトホールを介してなされる。このため、中間接続配線上にコンタクトホールを形成する従来例よりも、コンタクトホール形成時の段差の影響は少ない。よって、たとえばサブメモリアレイ領域とサブワードドライバ帯との境界部にも、ダミービット線と中間接続配線との接続用のコンタクトホールを形成することができる。これにより、従来例のように中間接続配線およびそれに接続されるコンタクトホールをサブワードドライバ帯の相当内側に形成する必要がなくなる。したがって、それによるサブワードドライバ帯幅の増大およびチップ面積の増大を防止することができる。
【0072】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域と、その1対のソース/ドレイン領域に挟まれる領域上にゲート絶縁層を介在して延在するサブワード線と、中間接続配線と同一の層から分離して形成されかつサブワード線とともに階層ワード線構成をなすメインワード線とがさらに備えられている。このように中間接続配線をメインワード線と同一層から分離して形成することができるため、階層ワード構成において効率的に中間接続配線を形成することができる。
【0073】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、1対のソース/ドレイン領域とサブワード線よりなるゲート電極とを有するトランジスタおよびキャパシタを含むメモリセルが複数個配置されてサブメモリアレイを構成している。サブメモリアレイが複数個配置されてメモリセルアレイを構成している。これにより多分割メモリアレイ構成を有するような大容量のDRAMにおいても、キャパシタの上部電極に所定の電位を確実に給電できるとともにチップ面積の増大を防止することができる。
【0074】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線より上層に形成され、かつダミービット線に電気的に接続された上層配線がさらに備えられている。これにより、上部電極に与えるべき所定の電位を、上層配線からダミービット線を経て上部電極へ給電することができる。
【0075】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線と同一の層から分離して形成された第2の中間接続配線がさらに備えられている。上層配線は第2の中間接続配線を介在してダミービット線に電気的に接続されている。このようにダミービット線と上層配線との間に第2の中間接続配線を設けたことにより、ダミービット線と上層配線との接続のためのスルーホールの形成が容易となる。
【0076】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、ビット線に対するプリチャージ電圧と同じ電圧が、ダミービット線および中間接続配線を介して上部電極に与えられる。これにより、上部電極にプリチャージ電圧と同じ電圧を確実に給電することができる。
【0077】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、中間接続配線の材質は金属よりなり、ビット線の材質はシリコンおよび高融点金属の少なくともいずれかを含んでいる。このように中間接続配線およびビット線に適切な材質が選択される。
【0078】
上記の半導体記憶装置において好ましくは、ダミービット線に並走する他のダミービット線がさらに備えられている。ダミービット線と他のダミービット線との間は複数箇所において接続されている。これにより、中間接続配線に直接接続されたダミービット線が断線しても、他のダミービット線を迂回して中間接続配線に給電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における半導体記憶装置でのセルプレートへのVCPの給電構成を示す平面図である。
【図2】 図1の領域Rを拡大して示す図である。
【図3】 図1および図2の50−50線に沿う概略断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における半導体記憶装置にて、メインワード線が中間接続配線を迂回する構成を示す平面図である。
【図5】 ダミービット線が他のダミービット線に複数箇所で接続される様子を示す平面図である。
【図6】 一般的な多分割メモリアレイの概念図を示す図である。
【図7】 サブメモリアレイ、サブワードドライバ帯およびセンスアンプ帯の構成を具体的に示す図である。
【図8】 図7のメモリセルの構成を示す図である。
【図9】 従来の半導体記憶装置におけるセルプレートへのVCPの給電構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板、3 ソース/ドレイン領域、4 ゲート絶縁層、5 ゲート電極(サブワード線)、7 ビット線、7a,7b ダミービット線、10 MOSトランジスタ、11 ストレージノード、12 キャパシタ誘電体層、13セルプレート、15 メインワード線、15a 中間接続配線、17a VCPのグローバル電源線、20 キャパシタ。
Claims (8)
- 主表面を有する半導体基板と、
前記主表面上に形成されたビット線と、
前記ビット線と同一の層から分離して形成され、かつ前記ビット線と並走するダミービット線と、
前記ビット線より上層に形成された上部電極を有するキャパシタと、
前記キャパシタより上層に形成され、かつ前記ダミービット線および前記上部電極に電気的に接続された中間接続配線とを備えた、半導体記憶装置。 - 前記主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域と、
前記1対のソース/ドレイン領域に挟まれる領域上にゲート絶縁層を介在して延在するサブワード線と、
前記中間接続配線と同一の層から分離して形成され、かつ前記サブワード線とともに階層ワード線構成をなすメインワード線とをさらに備えた、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記1対のソース/ドレイン領域と前記サブワード線よりなるゲート電極とを有するトランジスタおよび前記キャパシタを含むメモリセルが複数個配置されてサブメモリアレイを構成し、
前記サブメモリアレイが複数個配置されてメモリセルアレイを構成する、請求項2に記載の半導体記憶装置。 - 前記中間接続配線より上層に形成され、かつ前記ダミービット線に電気的に接続された上層配線をさらに備えた、請求項1に記載の半導体記憶装置。
- 前記中間接続配線と同一の層から分離して形成された第2の中間接続配線をさらに備え、
前記上層配線は前記第2の中間接続配線を介在して前記ダミービット線に電気的に接続されている、請求項4に記載の半導体記憶装置。 - 前記ビット線に対するプリチャージ電圧と同じ電圧が、前記ダミービット線および前記中間接続配線を介して前記上部電極に与えられる、請求項1に記載の半導体記憶装置。
- 前記中間接続配線の材質は金属よりなり、前記ビット線の材質はシリコンおよび高融点金属の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
- 前記ダミービット線に並走する他のダミービット線をさらに備え、
前記ダミービット線と前記他のダミービット線との間は複数箇所において接続されている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
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