JP4251017B2 - メタクリル樹脂粒子組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタクリル樹脂粒子組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル樹脂粒子は粒子状のメタクリル樹脂であって、成形材料として広く用いられており、成形装置へは通常、ポリエチレン製の袋などからホッパーを通じて供給されている。
【0003】
一方、メタクリル樹脂粒子の最小着火エネルギーは、容易には着火しない点で、大きい方が好ましい。このため、メタクリル樹脂粒子を成形装置に供給する際には、例えば水を配合して着火しにくくしたメタクリル樹脂粒子組成物としてから供給されていた〔非特許文献1:「防火・防爆対策技術ハンドブック」(フジ・テクノシステム発行、1998年発行)第122頁〕。
【0004】
しかし、かかる従来のメタクリル樹脂粒子組成物では、最小着火エネルギーを十分に大きくするに足る量の水を配合するとメタクリル樹脂粒子単独よりも流動性が低下してしまい、ポリエチレン製袋から取り出しにくくなったり、ホッパーなどが詰まり易くなるという問題があった。
【0005】
【非特許文献1】
「防火・防爆対策技術ハンドブック」(フジ・テクノシステム発行、1998年発行)第122頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、メタクリル樹脂粒子単独と同等の流動性で、最小着火エネルギーが十分に大きなメタクリル樹脂粒子組成物を開発するべく鋭意検討した結果、メタクリル樹脂粒子100質量部あたりリン酸エステルを0.7質量部以上配合すると、流動性を低下させることなく、最小着火エネルギーの大きなメタクリル樹脂粒子組成物となし得ることを見出し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、メタクリル樹脂粒子100質量部あたり、0.7質量部以上のリン酸エステルが配合されてなることを特徴とするメタクリル樹脂粒子組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の増加方法に適用されるメタクリル樹脂粒子は、粒子状のメタクリル樹脂であって、メタクリル酸メチル単位を50質量%以上含む重合体からなるものである。メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルおよびこれと共重合可能な単量体の共重合体であってもよい。
【0009】
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体は、分子内にメタクリル酸メチルとラジカル重合可能な二重結合を一つ有する単官能単量体であってもよいし、二つ以上有する多官能単量体であってもよい。単官能単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどが挙げられる。多官能単量体としては、例えばネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。かかる単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0010】
メタクリル樹脂粒子は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば可塑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。かかる添加剤を含有する場合、その含有量は、メタクリル樹脂粒子を基準として50質量%以下である。
【0011】
メタクリル樹脂粒子は、その粒子径が通常1μm〜1mm(1000μm)の範囲であるが、本発明の組成物は、メタクリル樹脂粒子の30質量%以上が粒子径100μm以下、さらには実質的に全量が粒子径100μm以下の粒子である場合に好ましく適用される。
【0012】
本発明のメタクリル樹脂粒子組成物は、かかるメタクリル樹脂粒子にリン酸エステルが配合されてなるものである。リン酸エステルとしては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどが挙げられ、好ましくはトリメチルホスフェートである。
【0013】
リン酸エステルの配合量は、メタクリル樹脂粒子100質量部あたり0.7質量部以上である。また、過剰に配合しても、それに見合った効果が得られないため、通常は5質量部以下、好ましくは3質量部以下である。
【0014】
リン酸エステルをメタクリル樹脂粒子に配合するには、例えばリン酸エステルを水に溶解または分散させたのち、メタクリル樹脂粒子と混合し、水を揮発させればよい。また、リン酸エステルがメタクリル樹脂と親和性のものでメタクリル樹脂粒子の表面に容易に分散して付着し得るものである場合には、水を用いることなく、メタクリル樹脂粒子とリン酸エステルとを混合してもよい。
【0015】
本発明のメタクリル樹脂粒子組成物は、例えば成形材料のほか、樹脂改質剤、光拡散剤などとして使用することができる。成形材料などとして用いる場合には、通常のメタクリル樹脂粒子と同様に、そのまま単独で、あるいは他の成形材料や添加剤と共に、あるいは予め他の成形材料や添加剤と混合されて、ホッパーなどを通じて成形装置に供給される。また、成形装置によってペレット状に成形されたのち、熱プレスによりプレス成形されてもよい。樹脂改質剤、光拡散剤などとして用いられる場合には、成形材料および他の添加剤と共に、あるいは予め成形材料および他の添加剤と混合されて、ホッパーなどを通じて成形装置に供給される。成形装置としては、例えば押出成形装置、射出成形装置などが挙げられる。
【0016】
【発明の効果】
本発明のメタクリル樹脂粒子組成物は、最小着火エネルギーが大きいばかりでなく、流動性が低下していないので、例えば成形材料、樹脂改質材、光拡散剤などとして用いる場合には、ホッパーを詰まらせたりすることなく、成形装置へ容易に供給することができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0018】
なお、以下の各実施例において、最小着火エネルギーは、吹上げ式粉じん爆発試験装置〔アマノ(株)製〕を用い、温度23℃〜24℃、湿度56℃〜58℃、放電エネルギー0.1607μFにて測定した。
流動性は、試料600gを、長辺40cm、短辺35cmの長方形で短辺のうちの一つが開口部となっているポリエチレン製袋に入れて開口部を密封し、袋内で試料を十分にほぐしてから開口部を開封し、袋を傾けてこの開口部から別の容器に試料を空けるときの試料の流れ易さと、空けた後にポリエチレン製袋の内部に付着した試料の量で評価した。袋内に試料が付着せずに、留まることなく全量が流れ出たときには、流動性が良好と判定し、試料が付着するか、あるいは途中で留まったときには、不良と判定した。
【0019】
実施例1
トリメチルホスフェート(TMP)5.4gを水100gに溶解させ、この溶液をメタクリル酸メチル単独重合体粒子(粒子径は約14μm〜約105μmの範囲、100μm以下の粒子の割合は99質量%以上、中心粒子径は28μm)600gと室温(約25℃)で混合したのち、80℃で真空乾燥して、メタクリル樹脂粒子組成物を得た。このメタクリル樹脂粒子組成物には、メタクリル酸メチル単独重合体粒子100gあたり0.9gのTMPが配合されている。この組成物の評価結果を表1に示す。
【0020】
比較例1
実施例1で用いたと同じメタクリル酸メチル単独重合体粒子について、TMPを添加することなく最小着火エネルギーを求め、流動性を評価した。結果を表1に示す。
【0021】
比較例2
実施例1で用いたと同じメタクリル樹脂粒子600gに純水13.8gを添加して撹拌し、メタクリル樹脂粒子組成物を得た。この組成物には、メタクリル樹脂粒子100gあたり2.3gの水が配合されている。この組成物の評価結果を表1に示す。
【0022】
比較例3
TMPの使用量を3.0gとした以外は実施例1と同様に操作して、メタクリル樹脂粒子組成物を得た。このメタクリル樹脂粒子組成物には、メタクリル酸メチル単独重合体粒子100gあたり0.5gのTMPが配合されている。この組成物の評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Claims (3)
- メタクリル樹脂粒子100質量部あたり0.7質量部以上のリン酸エステルが配合されてなるメタクリル樹脂粒子組成物の製造方法であって、リン酸エステルを水に溶解または分散させたのち、メタクリル樹脂粒子を混合し、次いで水を揮発させることを特徴とするメタクリル樹脂粒子組成物の製造方法。
- メタクリル樹脂粒子の30質量%以上が粒子径100μm以下である請求項1に記載のメタクリル樹脂粒子組成物の製造方法。
- リン酸エステルが、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートまたは2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートである請求項1に記載のメタクリル樹脂粒子組成物の製造方法。
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