JP4250958B2 - ベーンポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータに放射状に摺動可能に支承された複数のベーンが、カムリングの内周に形成されたカム面に摺接して回転するベーンポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸入曲線部、予圧勾配を付けた大径曲線部、吐出曲線部及び小径曲線部を有するカム面が内周に形成されたカムリングをポンプハウジングに収納し、該カムリングのカム面に摺接する複数のベーンを放射状に摺動可能に支承するロータをカムリング内で回転可能にポンプハウジングに支承し、カムリングの吸入曲線部及び吐出曲線部に夫々対向して吸入ポート及び吐出ポートが形成されたサイドプレートをカムリング及びロータの側面に対接して配置したベーンポンプにおいて、小径曲線部に大径曲線部に設けた勾配と同じ傾きの勾配を形成することが実開平3−78986号公報に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平3−78986号公報(第1頁、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ベーンポンプでは、隣接するベーンにより区画されるポンプ室が後続するベーンの前面により前記吐出ポートから遮断され、先行するベーンの後面により吸入ポートから遮断されているとき、カム面の寸法バラツキなどによりポンプ室内の圧力が変化してベーンがばたつくことがあり、カム面を損傷し、或いはポンプの振動発生の原因になっていた。また、小径曲線部がロータの回転中心を中心とする円弧の場合においても、カム面の小径曲線部の寸法バラツキ、ロータの回転中心に対するカムリングの芯ズレ等により同様の問題を生ずる虞があった。
【0005】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、ポンプ室がカム面の小径曲線部で圧力上昇しないようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、吸入曲線部、予圧勾配を付けた大径曲線部、吐出曲線部及び小径曲線部を有するカム面が内周に形成されたカムリングをポンプハウジングに収納し、該カムリングのカム面に摺接する複数のベーンが摺動可能に嵌合されるスリットが放射状に刻設されたロータを前記カムリング内で回転可能に前記ポンプハウジングに支承し、隣接するスリット間の凹部より半径方向に突出する突出部を前記ロータの外周面の各スリットが開口する部分に形成し、前記カムリングの吸入曲線部及び吐出曲線部に夫々対向して吸入ポート及び吐出ポートが形成されたサイドプレートを前記カムリング及び前記ロータの側面に対接して配置したベーンポンプにおいて、隣接するベーンにより区画されるポンプ室が後続する突出部の前面により前記吐出ポートから遮断状態にされ、且つ先行する突出部の後面により吸入ポートから遮断状態にされたときに前記先行する突出部の後面が位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポートの開始端に向けてロータの回転中心からの距離が漸増するリフト部を前記小径曲線部に設けたことである。
【0009】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ロータの外周面の各スリットが開口する部分には、隣接するリット間の凹部より半径方向に突出して小径曲線部に接近する突出部が形成されている。これにより、ロータの高速回転時には突出部がベーンのように作用し、ポンプ室は後続する突出部の前面により吐出ポートから遮断状態にされ、先行する突出部の後面により吸入ポートから遮断状態にされる。ポンプ室が吸入ポート及び吐出ポートから遮断状態にされたときに先行する突出部の後面が位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポートの開始端に向けてロータの回転中心からの距離が漸増するリフト部を小径曲線部に設けたので、小径曲線部の寸法バラツキや、ロータ回転中心に対するカムリングの芯ズレが生じても、ポンプ室内の圧力が上昇することがなく、ベーンのバタツキによるカム面の損傷、或いはポンプの振動を防止することができる。
【0010】
【実施の形態】
以下本発明の参照例のベーンポンプを図面に基づいて説明する。図1,2において、一体に固定されたフロントハウジング1とリアハウジング2との間に形成された断面円形の収納室3には、サイドプレート4及びカムリング5が軸線方向に積層して嵌合され、ピン6により回り止めされている。収納室3を貫通してフロントハウジング1及びリアハウジング2に回転可能に軸承された駆動軸7には、ロータ8がスプライン嵌合され、カムリング5内でサイドプレート4及びリアハウジング2と両側面で対接している。フロントハウジング1から外部に突出した駆動軸7の端部には、プーリ9が嵌着され、エンジンによりベルト駆動されるようになっている。カムリング5の内周には、図3に示すように吸入曲線部10、予圧勾配を付けた大径曲線部11、吐出曲線部12及び小径曲線部13を有するカム面14がロータ8の回転中心に対して点対称に2セット形成されている。カムリング5のカム面14には、ロータ8に放射状に刻設されたスリット15に摺動可能に嵌合された複数のベーン16が摺接し、サイドプレート4及びリアハウジング2に挟まれてカム面14とロータ8の外周面との間に形成される環状空間を隣接するベーン16により複数のポンプ室17に区画している。
【0011】
サイドプレート4には、カムリング5の吐出曲線部12に対向して繭状の吐出ポート18が形成されている。吐出ポート18は、収納室3の底面に凹接された圧力室19にサイドプレート4を貫通して連通され、圧力室19に吐出された圧力液体は流量制御弁20により所定流量に制御された後に吐出口から作動装置に供給される。リアハウジング2には、吐出ポート18に対向して繭状の凹部21が形成されている。サイドプレート4及びリアハウジング2には、スリット15の底部に対向して凹溝30が刻設され、凹溝30はベーン16を外方に押出すために圧力室19に連通されている。
【0012】
フロントハウジング1及びリアハウジング2には、吸入曲線部10に対向して吸入ポート22が形成されている。吸入ポート22は、カムリング5の外周面に沿ってフロントハウジング1に設けられた分岐通路23、流入通路24を介して流入口25に連通されている。作動装置からリザーバに還流された液体は流入口25から流入通路24に流入し、流入通路24で流量制御弁20からバイパスされた液体と合流し、分岐通路23を通って一対の流入ポート22からポンプ室17に吸入される。
【0013】
図4(イ)に示すように、ポンプ室17が、このポンプ室17を区画する隣接する2枚のベーン16の中の後続するベーン16により吐出ポート18から遮断され、且つ先行するベーン16により吸入ポート22から遮断されたときに先行するベーン16が位置するロータ回転方向位置より僅かに上流側から吸入ポート22の開始端に向けてロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部26が小径曲線部13の終端部に設けられている。これにより、ポンプ室17が、このポンプ室17を区画する隣接する2枚のベーン16の中の後続するベーン16により吐出ポート18から遮断され、且つ先行するベーン16により吸入ポート22から遮断されたときに先行するベーン16が位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポート22の開始端に向けてロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部が小径曲線部13の終端部に設けられる。
【0014】
次に、上記参照例のポンプの作動について説明する。駆動軸7によりロータ8が回転されると、ベーン16がカム面14に摺接して進退しながら回転され、隣接する2枚のベーン16により区画される各ポンプ室17は、吸入曲線部10で吸入ポート22から液体を吸入し、大径曲線部11で液体を予圧勾配により予圧し、吐出曲線部12で吐出ポート18から液体を吐出し、小径曲線部13で吐出ポート18及び吸入ポート22から遮断された後に吸入ポート22に連通される。そして、図4(イ)(ロ)に示すように、小径曲線部13においてポンプ室17が後続するベーン16により吐出ポート18から遮断され、且つ先行するベーン16により吸入ポート22から遮断されているときに、先行するベーン16が、ロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部26に沿って移動される。これにより、小径曲線部13の寸法バラツキや、ロータ8の回転中心に対するカムリング5の芯ズレが生じても、ポンプ室17内の圧力が上昇することがなく、ベーン16のバタツキによりカム面14が損傷され、或いはポンプが振動することがない。
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。実施形態のベーンポンプの構成は、参照例のものと殆ど同じであるので、同じ構成要素に同じ参照番号を付して詳細な説明は省略し、相違点のみ説明する。図5に示すように、ロータ8の外周面の各スリット15が開口する部分に、隣接するベーン16間の凹部27より半径方向に突出した突出部28が形成されている。この突出部28によりベーン16を支持するスリット15の深さを確保するとともに、凹部27によりポンプ室17の体積を大きくしている。ロータ8が高速回転されるとき、突出部28と小径曲線部13との間隙が小さいので、突出部28がベーン16のように作用し、ポンプ室17は突出部28の前面28aにより吐出ポート18から遮断状態にされ、先行する突出部28の後面28bにより吸入ポート22から遮断状態にされる。
【0016】
図6(イ)に示すように、隣接する2枚のベーン16により区画されるポンプ室17が、後続する突出部28の前面28aにより吐出ポート18から遮断状態にされ、且つ先行する突出部28の後面28bにより吸入ポート22から遮断状態にされたときに先行する突出部28の後面28bが位置するロータ回転方向位置より上流側から吸入ポート22の開始端に向けてロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部29が小径曲線部13の終端部に設けられている。これにより、隣接する2枚のベーン16により区画されるポンプ室17が、後続する突出部28の前面28aにより吐出ポート18から遮断状態にされ、且つ先行する突出部28の後面28bにより吸入ポート22から遮断状態にされたときに先行する突出部28の後面28bが位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポート22の開始端に向けてロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部29が小径曲線部13の終端部に設けられる。
【0017】
本発明の実施形態では、ロータ8が高速回転されるとき、突出部28がベーン16のように作用し、図6(イ)(ロ)に示すように小径曲線部13においてポンプ室17は後続する突出部28の前面28aにより吐出ポート18から遮断状態にされ、且つ先行する突出部28の後面28bにより吸入ポート22から遮断状態にされる。ポンプ室17が吐出ポート18及び吸入ポート22から遮断状態にされたときに先行する突出部28の後面28aが位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポート22の開始端に向けてロータ8の回転中心からの距離が漸増するリフト部29が小径曲線部13の終端部に形成されているので、小径曲線部13の寸法バラツキや、ロータ8の回転中心に対するカムリング5の芯ズレが生じても、ポンプ室17内の圧力が上昇することがなく、ベーン16のバタツキによりカム面14が損傷され、或いはポンプが振動することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参照例のベーンポンプの縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図。
【図3】ロータの回転位相とカム面のリフト量との関係を示す図。
【図4】小径曲線部に設けたリフト部とベーンとの関係を示す図。
【図5】本発明の実施形態を示す図。
【図6】小径曲線部に設けたリフト部と突出部との関係を示す図。
Claims (1)
- 吸入曲線部、予圧勾配を付けた大径曲線部、吐出曲線部及び小径曲線部を有するカム面が内周に形成されたカムリングをポンプハウジングに収納し、該カムリングのカム面に摺接する複数のベーンが摺動可能に嵌合されるスリットが放射状に刻設されたロータを前記カムリング内で回転可能に前記ポンプハウジングに支承し、隣接するスリット間の凹部より半径方向に突出する突出部を前記ロータの外周面の各スリットが開口する部分に形成し、前記カムリングの吸入曲線部及び吐出曲線部に夫々対向して吸入ポート及び吐出ポートが形成されたサイドプレートを前記カムリング及び前記ロータの側面に対接して配置したベーンポンプにおいて、隣接するベーンにより区画されるポンプ室が後続する突出部の前面により前記吐出ポートから遮断状態にされ、且つ先行する突出部の後面により吸入ポートから遮断状態にされたときに前記先行する突出部の後面が位置するロータ回転方向位置より下流側から吸入ポートの開始端に向けてロータの回転中心からの距離が漸増するリフト部を前記小径曲線部に設けたことを特徴とするベーンポンプ。
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