JP4250075B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、情報記憶手段に記憶している記憶情報と、事物の情報を取得する情報取得手段による取得結果とに基づいて、被検対象の異常を判定する異常判定装置を具備する画像形成装置に関するものである
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置においては、消耗品(例えばトナー)や部品(例えば感光体)の交換や故障時の修理などといったメンテナンスが必要である。故障が発生した場合は、発生から修理完了まで装置の全機能または一部の機能を停止させることになり、ユーザーにとって時間的なロスが大きい。よって、画像形成装置内における故障の発生や部品の寿命到来などを予測することで、メンテナンスに必要な準備期間をユーザーに与えて、ダウンタイムを低減することが望まれる。かかる予測が可能な画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
上記特許文献1に記載の画像形成装置は、駆動源の駆動負荷情報を検出し、その検出結果と標準値との比較によって駆動系の異常を早期発見するものである。かかる構成によれば、駆動系の異常を故障発生前に発見することで、駆動系のメンテナンスに必要な準備期間をユーザーに与えることができる。
一方、従来より、事物の状態の正常さ加減を量る方法として、非特許文献1に記載されたMTS(Maharanobis Taguchi System)法が知られている。このMTS法は、次のようにして事物の状態の正常さ加減を量るものである。即ち、まず、被検対象の状態を示す複数種類の情報からなる組情報に関する組合せ正常値を複数取得して、正常組データ群を構築する。健康診断を例にすれば、健常人から得られる性別、各種血液検査結果、身長、体重等からなる組合せ正常値を、複数の健常人から予め取得して正常組データ群を構築するのである。次に、この正常組データ群に基づいて多次元空間を構築する。そして、被検対象の人から取得された組情報のこの多次元空間内における位置を示すマハラノビスの距離を求めて、その組情報について正常組データ群にどれだけ似ているかを評価する。かかるMTS法によれば、各情報間の関連に基づいて、被検対象の正常さ加減を総合的に判定することができる
特開平5−281809号公報 刊行委員会委員長 田口玄一著、「MTシステムにおける技術開発」 日本規格協会刊
上記特許文献1に記載の画像形成装置は、駆動系の異常の中でも、特に、駆動源に必要以上の負荷をかけてしまうことが原因となるものを検出するものである。駆動系の異常には、その他にも、様々な原因によるものが多数存在する。どのような異常であっても、その原因の有無を監視することで、検出することが可能である。しかしながら、個々の異常について、その原因の有無をそれぞれ監視して検出すると、監視のための制御が非常に煩雑になってしまう。検出しようとする異常の種類が増えるほど、制御の煩雑化が増大する。
そこで、本発明者らは、情報記憶手段内に記憶した正常組データ群と、センサ等による複数の情報の取得結果とに基づいてマハラノビスの距離を求めて、異常の判定に用いる新規な画像形成装置を開発中である。この画像形成装置によれば、複数の異常をそれぞれの原因の有無によって個別に検出するのではなく、様々な異常に関連する複数種類の情報から求めたマハラノビスの距離に基づいて正常さ加減を評価することで、それらの発生を包括的に検出することができる。このため、複数の異常をそれぞれの原因の有無によって個別に検出することによる制御の煩雑化を回避することができる。
ところが、この画像形成装置は、正常な状態からどれだけずれているかを捉えて様々な異常の発生を包括的に検出するものであるため、異常の種類を特定することが困難である。このため、異常発見後のメンテナンス対応が煩雑になってしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、複数の異常をそれぞれの原因の有無によって個別に検出することによる制御の煩雑化を回避しつつ、発生した異常の種類をある程度まで特定することができる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項の発明は、事物の情報を記憶する情報記憶手段、事物の情報を取得する情報取得手段、及び、該情報記憶手段に記憶された記憶情報及び該情報取得手段による取得結果に基づいて被検対象の異常を判定する判定手段を有する異常判定装置と、記録体に画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、種類の異なる複数の情報からなる組情報についての正常値組合せの集合である正常組データ群を上記情報記憶手段に記憶し、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる複数の情報からなる第2組情報という少なくとも2以上の組情報を、上記情報取得手段によって取得し、且つ、上記判定手段が、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めて被検対象の異常の判定に用いる処理を実施するように、上記異常判定装置を構成するとともに、上記情報取得手段による取得結果に基づいて上記正常組データ群を構築する正常組データ群構築手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項画像形成装置であって、上記異常判定装置が、上記正常組データ群として、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての正常組データ群を記憶し、上記判定手段が、それぞれの組情報についての専用の正常組データ群を、全種情報についての正常組データ群の中から選択した正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築するものであることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項画像形成装置であって、上記判定手段が、各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビスの距離と、上記全種組情報についてのマハラノビスの距離とに基づいて被検対象の異常を判定するものであることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至3の何れか画像形成装置において、上記画像形成手段として、潜像担持体に形成した潜像を現像手段によってトナー像に現像し、これを転写手段によって上記記録体に転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置であって、複数の上記情報の少なくとも何れか1つが、センサによる検出情報、画像形成装置の制御に用いられる制御パラメータ情報、上記潜像を形成するための画像情報、又は、現像後の上記トナー像に関する情報であることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果を報知する報知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、通信回線を介して、上記異常判定装置による判定結果を外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の画像形成動作に制限を加える動作制限手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の機能修復のための修復制御を行う修復制御手段を設けたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、ハードディスク、RAM、ROM等の情報記憶手段に記憶している正常組データ群と、被検対象から取得した複数の情報からなる組情報とに基づいてマハラノビスの距離を求めて異常の判定に用いることで、複数の異常をそれぞれの原因の有無によって個別に検出することによる制御の煩雑化を回避することができる。
また、画像形成装置内で用紙搬送系に関連する複数の情報からなる組情報についてのマハラノビスの距離と、画像書込系に関連する複数の情報からなる組情報についてのマハラノビスの距離とを求めるなどといった具合に、少なくとも2以上の組情報についてのマハラノビスの距離を求める。そして、それぞれのマハラノビスの距離を評価することで、用紙搬送系、画像書込系などといった具合に、発生した異常をある程度のカテゴリに分類して特定することができる。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、本複写機を示す概略構成図である。この複写機において、プリンタ部100と給紙部200とからなる画像形成手段と、スキャナ部300と、原稿搬送部400とを備えている。スキャナ部300はプリンタ部100上に取り付けられ、そのスキャナ部300の上に原稿自動搬送装置(ADF)からなる原稿搬送部400が取り付けられている。
スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報を図示しない制御部に送る。制御部は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御してドラム状の4つの感光体40K,Y,M,Cに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体40K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プリンタ部100は、露光装置21の他、1次転写ローラ62K,Y,M,C、2次転写装置22、定着装置25、排紙装置、図示しないトナー供給装置、トナー供給装置等も備えている。
給紙部200は、プリンタ部100の下方に配設された自動給紙部と、プリンタ部100の側面に配設された手差し部とを有している。そして、自動給紙部は、ペーパーバンク43内に多段に配設された2つの給紙カセット44、給紙カセットから記録体たる転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部100の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等も有している。一方、手差し部は、手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52等を有している。
プリンタ部100の給紙路48の末端付近には、レジストローラ対49が配設されている。このレジストローラ対49は、給紙カセット44や手差しトレイ51から送られてくる転写紙を受け入れた後、所定のタイミングで中間転写体たる中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に形成される2次転写ニップに送る。
本複写機において、操作者は、カラー画像のコピーをとるときに、原稿搬送部400の原稿台30上に原稿をセットする。あるいは、原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス32上に原稿をセットした後、原稿搬送部400を閉じて原稿を押さえる。そして、図示しないスタートスイッチを押す。すると、原稿搬送部400に原稿がセットされている場合には原稿がコンタクトガラス32上に搬送された後に、コンタクトガラス32上に原稿がセットされている場合には直ちに、スキャナ部300が駆動を開始する。そして、第1走行体33及び第2走行体34が走行し、第1走行体33の光源から発せられる光が原稿面で反射した後、第2走行体34に向かう。更に、第2走行体34のミラーで反射してから結像レンズ35を経由して読取りセンサ36に至り、画像情報として読み取られる。
このようにして画像情報が読み取られると、プリンタ部100は、図示しない駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動させながら他の2つの支持ローラを従動回転させる。そして、これらローラに張架される中間転写ベルト10を無端移動させる。更に、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施する。そして、感光体40K,Y,M,Cを回転させながら、それらに、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの単色画像を形成する。これらは、感光体40K,Y,M,Cと、中間転写ベルト10とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップで順次重ね合わせて静電転写されて4色重ね合わせトナー像になる。感光体40K、40Y、40M、40C上にトナー像を形成する。
一方、給紙部200は、画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙すべく、3つの給紙ローラのうちの何れか1つを作動させて、転写紙をプリンタ部100の給紙路48に導く。給紙路48内に進入した転写紙は、レジストローラ対49に挟み込まれて一旦停止した後、タイミングを合わせて、中間転写ベルト10と2次転写装置22の2次転写ローラ23との当接部である2次転写ニップに送り込まれる。すると、2次転写ニップにおいて、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像と、転写紙とが同期して密着する。そして、ニップに形成されている転写用電界やニップ圧などの影響によって4色重ね合わせトナー像が転写紙上に2次転写され、紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップを通過した転写紙は、2次転写装置22の搬送ベルト24の無端移動によって定着装置25に送り込まれる。そして、定着装置25の加圧ローラ27による加圧力と、加熱ベルトによる加熱との作用によってフルカラー画像が定着せしめられた後、排出ローラ56を経てプリンタ部100の側面に設けられた排紙トレイ57上に排出される。
図2は、プリンタ部100を示す拡大構成図である。プリンタ部100は、ベルトユニット、各色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット18K,Y,M,C、2次転写装置22、ベルトクリーニング装置17、定着装置25等を備えている。
ベルトユニットは、複数のローラに張架した中間転写ベルト10を、感光体40K,Y,M,Cに当接させながら無端移動させる。感光体40K,Y,M,Cと中間転写ベルト10とを当接させるK,Y,M,C用の1次転写ニップでは、1次転写ローラ62K,Y,M,Cによって中間転写ベルト10を裏面側から感光体40K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体40K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト10に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。各1次転写ローラ62K,Y,M,Cの間には、中間転写ベルト10の裏面に接触する導電性ローラ74がそれぞれ配設されている。これら導電性ローラ74は、1次転写ローラ62K,Y,M,Cに印加される1次転写バイアスが、中間転写ベルト10の裏面側にある中抵抗の基層11を介して隣接するプロセスユニットに流れ込むことを阻止するものである。
プロセスユニット(18K,Y,M,C)は、感光体(40K,Y,M,C)と、その他の幾つかの装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部100に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット18Kを例にすると、これは、感光体40Kの他、感光体40K表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像手段たる現像ユニット61Kを有している。また、1次転写ニップを通過した後の感光体40K表面に付着している転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置63Kも有している。また、クリーニング後の感光体40K表面を除電する図示しない除電装置や、除電後の感光体40K表面を一様帯電せしめる図示しない帯電装置なども有している。他色用のプロセスユニット18Y,M,Cも、取り扱うトナーの色が異なる他は、ほぼ同様の構成になっている。本複写機では、これら4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cを、中間転写ベルト10に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設したいわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cからなるタンデム部20の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット18は、感光体40の周りに、帯電手段としての帯電装置60、現像装置61、1次転写手段としての1次転写ローラ62、感光体クリーニング装置63、除電装置64等を備えている。
感光体40としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。また、帯電装置60としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体40に当接させながら回転させるものを用いている。感光体40に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
現像装置61は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に供給する攪拌部66と、現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体4K,Y,M,Cに転移させる現像部67とを有している。
攪拌部66は、現像部67よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本のスクリュウ68、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース70の底面に設けられたトナー濃度センサ71などを有している。
現像部67は、現像ケース70の開口を通して感光体40に対向する現像スリーブ65、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ72、現像スリーブ65に先端を接近させるドクタブレード73などを有している。ドクタブレード73と現像スリーブ65との間の最接近部における間隔は500[μm]程度に設定されている。現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状になっている。また、現像スリーブ65に連れ回らないようにないようされるマグネットローラ72は、例えば、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部66から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ65表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転に伴ってドクタブレード73との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体40に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ65に印加される現像バイアスと、感光体40の静電潜像との電位差によって静電潜像上に転移して現像に寄与する。更に、現像スリーブ65の回転に伴って再び現像部67内に戻り、マグネットローラ72の磁極間の反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部66に戻される。攪拌部66内では、トナー濃度センサ71による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。本例では、現像スリーブ65として、直径18[mm]で、表面にサンドブラスト処理や1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を施した、表面粗さ(Rz)が10〜30[μm]程度のものを用いている。
なお、現像装置61として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。また、本複写機においては、感光体40の線速を200[mm/sec]、現像スリーブ65の線速を240[mm/sec]としている。また、感光体40として、直径50[mm]のものを用いている。また、感光体40の厚みを30[μm]とし、光学系のビームスポット径を50×60[μm]とし、光量を0.47[mW]としている。また、感光体40の帯電(露光前)電位VOを−700[V]とし、露光後電位VLを−120[V]とし、且つ、現像バイアス電圧を−470[V]としている。即ち、350[V]の現像ポテンシャルで現像を行うようにしている。
現像スリーブ65上のトナーの帯電量は、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。感光体40と現像スリーブ65の間隙である現像ギャップは、従来と同様に0.8〜0.4[mm]の範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
感光体クリーニング装置63としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を感光体40に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体40に接触させる接触導電性のファーブラシ76を、図中矢印方向に回転自在に有するクリーニング装置63を採用している。そして、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を図中矢示方向に回転自在に設け、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てている。スクレーパ78によって電界ローラ77から除去されたトナーは、回収スクリュ79上に落下して回収される。
かかる構成の感光体クリーニング装置63は、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除かれる。電界ローラ77に付着したトナーは、スクレーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻されて再利用される。
除電装置64は、除電ランプ等からなり、光を照射して感光体40の表面電位を除去する。このようにして除電された感光体40の表面は、帯電装置60によって一様帯電せしめられた後、光書込処理がなされる。
ベルトユニットの図中下方には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23間に、2次転写ベルト24を掛け渡して無端移動させている。2つのローラ23のうち、一方は図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される2次転写ローラとなっており、ベルトユニットのローラ16との間に中間転写ベルト10と2次転写ベルト24とを挟み込んでいる。これにより、両ベルトが当接しながら当接部で互いに同方向に移動する2次転写ニップが形成されている。レジストローラ対49からこの2次転写ニップに送り込まれた転写紙には、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が2次転写電界やニップ圧の影響で一括2次転写されて、フルカラー画像が形成される。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト10から離間して、2次転写ベルト24の表面に保持されながら、ベルトの無端移動に伴って定着装置25へと搬送される。なお、2次転写ローラに代えて、転写チャージャ等によって2次転写を行わせるようにしてもよい。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト10の表面は、支持ローラ15による支持位置にさしかかる。ここでは、中間転写ベルト10が、おもて面(ループ外面)に当接するベルトクリーニング装置17と、裏面に当接する支持ローラ15との間に挟み込まれる。そして、ベルトクリーニング装置17により、おもて面に付着している転写残トナーが除去された後、K,Y,M,C用の1次転写ニップに順次進入して、次の4色トナー像が重ね合わされる。
ベルトクリーニング装置17は、クリーニング部材として2つのファーブラシ90,91を有している。これらは、直径20[mm]のアクリルカーボン製の起毛が、回転芯体に6.25[D/F、10万本/inch2]の密度で複数植毛されたもので、1×107[Ω]程度の電気抵抗を発揮する。ファーブラシ90,91は、これら複数の起毛をその植毛方向に対してカウンタ方向で中間転写ベルト10に当接させながら回転することで、ベルト上の転写残トナーを機械的に掻き取る。加えて、図示しない電源によってクリーニングバイアスが印加されることで、掻き取った転写残トナーを静電的に引き寄せて回収する。
ファーブラシ90,91に対しては、それぞれ金属ローラ92,93が接触しながら、順または逆方向に回転している。これら金属ローラ92,93のうち、中間転写ベルト10の回転方向上流側に位置する金属ローラ92には、電源94によってマイナス極性の電圧が印加されている。また、下流側に位置する金属ローラ93には、電源95によってプラス極性の電圧が印加される。そして、それらの金属ローラ92,93には、それぞれブレード96,97の先端が当接している。かかる構成では、中間転写ベルト10の図中矢印方向への無端移動に伴って、まず、上流側のファーブラシ90が中間転写ベルト10表面をクリーニングする。このとき、例えば金属ローラ92に−700[V]が印加されながら、ファーブラシ90に−400[V]が印加されると、まず、中間転写ベルト10上のプラス極性のトナーがファーブラシ90側に静電転移する。そして、ファーブラシ側に転移したトナーが更に電位差によってファーブラシ90から金属ローラ92に転移して、ブレード96によって掻き落とされる。
このように、ファーブラシ90で中間転写ベルト10上のトナーが除去されるが、中間転写ベルト10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加されるマイナス極性のバイアスにより、マイナスに帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度はプラス極性のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移させ、ブレード97により掻き落とす。ブレード96、97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収される。
ファーブラシ91でクリーニングされた後の中間転写ベルト10表面は、ほとんどのトナーが除去されているがまだ少しのトナーが残っている。これらの中間転写ベルト10上に残ったトナーは、上述したようにファーブラシ91に印加されるプラス極性のバイアスにより、プラス極性に帯電される。そして、1次転写位置で印加される転写電界によって感光体40K,Y,M,C側に転写され、感光体クリーニング装置63で回収される。
レジストローラ対49は一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙Pの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。直径18[mm]で、表面を1[mm]厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10×109[Ω・cm]程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−800[V]程度の電圧が印加されている。また、紙裏面側は+200[V]程度の電圧が印加されている。
一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これは転写紙Pをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。このようにバイアスを印加したレジストローラ対49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト10から転写紙Pへの転写では、レジストローラ対49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
なお、本実施例においては、2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム部20と平行に延びるような、転写紙反転装置28(図1参照)を備えている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙が、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
本複写機は、その構成要素の状態や内部で生ずる現象に関連する様々な情報を取得する情報取得手段を備えている。この情報取得手段は、図4に示される制御部1、各種センサ2、操作表示部3などから構成されている。制御部1は、複写機全体の制御を司る制御手段であり、制御プログラムを記憶している情報記憶手段たるROM1c、演算データや制御パラメータ等を記憶する情報記憶手段たるRAM1b、演算手段たるCPU1a等を有している。操作表示部3は、文字情報等を表示する液晶ディスプレイ等から構成される表示部3aや、テンキー等などによって操作者から入力情報を受け付けて制御部1cに送る操作部3bなどを有している。本複写機では、これら制御部1、各種センサ2、操作表示部3等からなる情報取得手段が、ROM(1c)等の情報記憶手段に記憶された記憶情報と、自らの取得機能によって取得した各種情報とに基づいて被検対象たる複写機の異常を判定する判定手段を有する異常判定装置として機能している。
本複写機の情報取得手段によって取得される情報としては、センシング情報、制御パラメータ情報、入力情報、画像読取情報などが挙げられる。以下、これらの情報について詳述する。
(a)センシング情報
センシング情報としては、駆動関係、記録媒体の各種特性、現像剤特性、感光体特性、電子写真の各種プロセス状態、環境条件、記録物の各種特性などが取得する対象として考えられる。これらのセンシング情報の概要を説明すると、以下のようになる。
(a-1)駆動の情報
・感光体ドラムの回転速度をエンコーダーで検出したり、駆動モータの電流値を読み取ったり、駆動モータの温度を読み取る。
・同様にして、定着ローラ、紙搬送ローラ、駆動ローラなどの円筒状またはベルト状の回転する部品の駆動状態を検出する。
・駆動により発生する音を装置内部または外部に設置されたマイクロフォンで検出する。
(a-2)紙搬送の状態
・透過型または反射型の光センサ、あるいは接触タイプのセンサにより、搬送された紙の先端・後端の位置を読み取り、紙詰まりが発生したことを検出したり、紙の先端・後端の通過タイミングのずれや、送り方向と垂直な方向の変動を読み取る。
・同様に、複数のセンサ間の検出タイミングにより、紙の移動速度を求める。
・給紙時の給紙ローラと紙とのスリップを、ローラの回転数計測値と紙の移動量との比較で求める。
(a-3)紙などの記録媒体の各種特性
この情報は、画質やシート搬送の安定性に大きく影響する。この紙種の情報取得には以下のような方法がある。
・紙の厚みは、紙を二つのローラで挟み、ローラの相対的な位置変位を光学センサ等で検知したり、紙が進入してくることによって押し上げられる部材の移動量と同等の変位量を検知することによって求める。
・紙の表面粗さは、転写前の紙の表面にガイド等を接触させ、その接触によって生じる振動や摺動音等を検知する。
・紙の光沢は、規定された入射角で規定の開き角の光束を入射し、鏡面反射方向に反射する規定の開き角の光束をセンサで測定する。
・紙の剛性は、押圧された紙の変形量(湾曲量)を検知することにより求める。
・再生紙か否かの判断は、紙に紫外線を照射してその透過率を検出して行なう。
・裏紙か否かの判断は、LEDアレイ等の線状光源から光を照射し、転写面から反射した光をCCD等の固体撮像素子で検出して行なう。
・OHP用のシートか否かは、用紙に光を照射し、透過光と角度の異なる正反射光を検出して判断する。
・紙に含まれている水分量は、赤外線またはμ波の光の九州を測定することにより求める。
・カール量は光センサ、接触センサなどで検出する。
・紙の電気抵抗は、一対の電極(給紙ローラなど)を記録紙と接触させて直接測定したり、紙転写後の感光体や中間転写体の表面電位を測定して、その値から記録紙の抵抗値を推定する。
(a-4)現像剤特性
現像剤(トナー・キャリア)の装置内での特性は、電子写真プロセスの機能の根幹に影響するものである。そのため、システムの動作や出力にとって重要な因子となる。現像剤の情報を得ることは極めて重要である。この現像剤特性としては、例えば次のような項目が挙げられる。
・トナーについては、帯電量およびその分布、流動性・凝集度・嵩密度、電気抵抗、外添剤量、消費量または残量、流動性、トナー濃度(トナーとキャリアの混合比)を挙げることができる。
・キャリアについては、磁気特性、コート膜厚、スペント量などを挙げることができる。
以上のような項目を画像形成装置の中で単独で検出することは通常困難である。そこで、現像剤の総合的な特性として検出する。この現像剤の総合的な特性は、例えば次のように測定することができる。
・感光体上にテスト用潜像を形成し、予め決められた現像条件で現像して、形成されたトナー像の反射濃度(光反射率)を測定する。
・現像装置中に一対の電極を設け、印加電圧と電流の関係を測定する(抵抗、誘電率など)。
・現像装置中にコイルを設け、電圧電流特性を測定する(インダクタンス)。
・現像装置中にレベルセンサを設けて、現像剤容量を検出する。レベルセンサは光学式、静電容量式などがある。
(a-5)感光体特性
感光体特性も現像剤特性と同じく、電子写真プロセスの機能と密接に関わる。この感光体特性の情報としては、感光体の膜厚、表面特性(摩擦係数、凹凸)、表面電位(各プロセス前後)、表面エネルギー、散乱光、温度、色、表面位置(フレ)、線速度、電位減衰速度、抵抗・静電容量、表面水分量などが挙げられる。このうち、画像形成装置の中では、次のような情報を検出できる。
・膜厚変化に伴う静電容量の変化を、帯電部材から感光体に流れる電流を検知し、同時に帯電部材への印加電圧と予め設定された感光体の誘電厚みに対する電圧電流特性と照合することにより、膜厚を求める。
・表面電位、温度は従来周知のセンサで求めることができる。
・線速度は感光体回転軸に取りつけられたエンコーダーなどで検出される。
・感光体表面からの散乱光は光センサで検出される。
(a-6)電子写真プロセス状態
電子写真方式によるトナー像形成は、周知のように、感光体の均一帯電、レーザー光などによる潜像形成(像露光)、電荷を持ったトナー(着色粒子)による現像、転写材へのトナー像の転写(カラーの場合は中間転写体または最終転写材である記録媒体での重ね合わせ、または現像時に感光体への重ね現像を行なう)、記録媒体へのトナー像の定着という順序で行なわれる。これらの各段階での様々な情報は、画像その他のシステムの出力に大きく影響を与える。これらを取得することがシステムの安定を評価する上で重要となる。この電子写真プロセス状態の情報取得の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
・帯電電位、露光部電位は従来公知の表面電位センサにより検出される。
・非接触帯電における帯電部材と感光体とのギャップは、ギャップを通過させた光の量を測定することにより検知する。
・帯電による電磁波は広帯域アンテナにより捉える。
・帯電による発生音
・露光強度
・露光光波長
また、トナー像の様々な状態を取得すること方法として、以下のようなものがあげられる。
・パイルハイト(トナー像の高さ)を、変位センサで縦方向から奥行きを、平行光のリニアセンサで横方向から遮光長を計測して求める。
・トナー帯電量を、ベタ部の静電潜像の電位、その潜像が現像された状態での電位を測定する電位センサにより測定し、同じ箇所の反射濃度センサから換算した付着量との比により求める。
・ドット揺らぎまたはチリを、ドットパターン画像を感光体上においては赤外光のエリアセンサ、中間転写体上においては各色に応じた波長のエリアセンサで検知し、適当な処理をすることにより求める。
・オフセット量(定着後)を、記録紙上と定着ローラ上の対応する場所をそれぞれ光学センサで読み取って、両者比較することにより求める。
・転写工程後(PD上,ベルト上)に光学センサを設置し,特定パターンの転写後の転写残パターンからの反射光量で転写残量を判断する。
・重ね合わせ時の色ムラを定着後の記録紙上を検知するフルカラーセンサで検知する。
(a-7)形成されたトナー像の特性
・画像濃度、色は光学的に検知する(反射光、透過光のいずれでもよい。色によって投光波長を選択する)。濃度及び単色情報を得るには感光体上または中間転写体上でよいが、色ムラなど,色のコンビネーションを測るには紙上の必要がある。
・階調性は、階調レベルごとに感光体上に形成されたトナー像または転写体に転写されたトナー像の反射濃度を光学センサにより検出する。
・鮮鋭性は、スポット径の小さい単眼センサ、若しくは高解像度のラインセンサを用いて、ライン繰り返しパターンを現像または転写した画像を読み取ることにより求める。
・粒状性(ざらつき感)は、鮮鋭性の検出と同じ方法により、ハーフトーン画像を読み取り、ノイズ成分を算出することにより求める。
・レジストスキューは、レジスト後の主走査方向両端に光学センサを設け、レジストローラONタイミングと両センサの検知タイミングとの差異から求める。
・色ずれは、中間転写体または記録紙上の重ね合わせ画像のエッジ部を、単眼の小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサで検知する。
・バンディング(送り方向の濃度むら)は、記録紙上で小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサにより副走査方向の濃度ムラを測定し、特定周波数の信号量を計測する。
・光沢度(むら)は、均一画像が形成された記録紙を正反射式光学センサで検知するように設ける。
・かぶりは、感光体上、中間転写体上、または記録紙上において、比較的広範囲の領域を検知する光学センサで画像背景部を読み取る方法、または高解像度のエリアセンサで背景部のエリアごと画像情報を取得し、その画像に含まれるトナー粒子数を数えるという方法がある。
(a-8)画像形成装置のプリント物の物理的な特性
・像流れ・かすれなどは、感光体上、中間転写体、あるいは記録紙上でトナー像をエリアセンサにより検知し、取得した画像情報を画像処理して判定する。
・チリは記録紙上の画像を高解像度ラインセンサまたはエリアセンサで取り込み、パターン部の周辺に散っているトナー量を算定することにより求める。
・後端白抜け、ベタクロス白抜けは、感光体上、中間転写体、あるいは記録紙上で高解像度ラインセンサにより検知する。
・カール・波打ち・折れは、変位センサで検出する。折れの検出のためには記録紙の両端部分に近い所にセンサを設置することが有効である。
・コバ面の汚れやキズは、排紙トレイに縦に設けたエリアセンサにより,ある程度排紙が溜まった時のコバ面をエリアセンサで撮影,解析する。
(a-9)環境状態
・温度検出には、異種金属どうし或いは金属と半導体どうしを接合した接点に発生する熱起電力を信号として取り出す熱電対方式、金属或いは半導体の抵抗率が温度によって変化することを利用した抵抗率変化素子、また、或る種の結晶では温度が上昇したことにより結晶内の電荷の配置に偏りが生じ表面に電位発生する焦電型素子、更には、温度による磁気特性の変化を検出する熱磁気効果素子などが採用できる。
・湿度検出には、H2O或いはOH基の光吸収を測定する光学的測定法、水蒸気の吸着による材料の電気抵抗値変化を測定する湿度センサ等がある
・各種ガスは、基本的にはガスの吸着に伴う、酸化物半導体の電気抵抗の変化を測定することにより検出する。
・気流(方向、流速、ガス種)の検出には、光学的測定法等があるが、システムへの搭載を考慮するとより小型にできるエアブリッジ型フローセンサが特に有用である。
・気圧・圧力の検出には、感圧材料を使用する、メンブレンの機械的変位を測定する等の方法がある。振動の検出にも同様に方法が用いられる。
(b)制御パラメータ情報について
画像形成装置の動作は制御部によって決定されるため、制御部の入出力パラメータを直接利用することが有効である。
(b-1)画像形成パラメータ
画像形成のために制御部が演算処理により出力する直接的なパラメータで、以下のような例がある。
・制御部によるプロセス条件の設定値で、例えば帯電電位、現像バイアス値、定着温度設定値など
・同じく、中間調処理やカラー補正などの各種画像処理パラメータの設定値
・制御部が装置の動作のために設定する各種のパラメータで、例えば紙搬送のタイミング、画像形成前の準備モードの実行時間など
(b-2)ユーザー操作履歴
・色数、枚数、画質指示など、ユーザーにより選択された各種操作の頻度
・ユーザーが選択した用紙サイズの頻度
(b-3)消費電力
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の総合消費電力あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
(b-4)消耗品消費情報
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)のトナー、感光体、紙の使用量あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
(b-5)故障発生情報
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の故障発生(種類別)の頻度あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
(c)入力画像情報
ホストコンピュータから直接データとして送られる画像情報、あるいは原稿画像からスキャナーで読み取って画像処理をした後に得られる画像情報から、以下のような情報を取得することができる。
・着色画素累積数はGRB信号別の画像データを画素ごとにカウントすることにより求められる。
・例えば特許第2621879号の公報に記載されているような方法でオリジナル画像を文字・網点・写真・背景に分離し、文字部、ハーフトーン部などの比率を求めることができる。同様にして色文字の比率も求めることができる。
・着色画素の累積値を主走査方向で区切った領域別にカウントすることにより、主走査方向のトナー消費分布が求められる。
・画像サイズは制御部が発生する画像サイズ信号または画像データでの着色画素の分布により求められる。
・文字の種類(大きさ、フォント)は文字の属性データから求められる。
次に、本複写機における各種情報の具体的取得法について説明する。
(1)温度
本複写機は、温度の情報を取得する温度センサとして、原理及び構造が簡単でしかも超小型にできる抵抗変化素子を用いるものを備えている。図5は、この温度センサにおける薄膜タイプの抵抗変化素子を示す斜視図である。この抵抗変化素子は次のように製造することができる。まず基板501上に絶縁膜502を形成し、その上に金属或いは半導体材料からなる薄膜状の感知部503を設けている。更に、感知部503の両端にパッド電極504を設け、最後にリード線505を接続する。この抵抗変化素子においては、周囲の温度が変化するとそれに伴って感知部503の電気抵抗が変化するので、その変化を電圧或いは電流変化として取り出せばよい。感知部503が薄膜であるため、素子全体が小型にできシステムに組み込みやすい。
図6は、図5とは異なる構成の抵抗変化素子を示す斜視図である。図5の抵抗変化素子とは、薄膜状感知部503が、スペーサ506を介して基板501から中空に浮いている薄膜ブリッジ507の上に設置されている点で異なる。このような構造にすることで感知部503から熱の散逸が妨げられ、感知部503の温度に対する応答性が早くなる。この構造であれば被計測部からの輻射熱だけを検知することができ、非接触での測定には好適である。
(2)湿度
小型にできる湿度センサが有用である。基本原理は感湿性セラミックスに水蒸気が吸着すると、吸着水によりイオン伝導が増加しセラミックスの電気抵抗が低下することによる。感湿性セラミックスの材料は多孔質材料であり、一般的にはアルミナ系、アパタイト系、ZrO2−MgO系などが使用される。図7は本複写機に搭載されている湿度センサを示す斜視図である。絶縁基板511上に櫛形電極512を設けその両端に端子513を接続する。更に感湿層514(一般的には感湿性セラミックス)を設け全体をケース515でカバーしてある。ケース515を介して水蒸気が感湿性セラミックスに吸着すると、電気抵抗が減少するので、それを電圧或いは電流変化として計測すればよい。
(3)振動
振動センサは、基本的には気圧及び圧力を測定するセンサと同じであり、システムへの搭載を考慮すると超小型にできるシリコン利用のセンサが特に有用である。薄いシリコンのダイアフラム上に作製した振動子の運動を、振動子と対向して設けられた対向電極間との容量変化を計測する、或いはSiダイアフラム自体のピエゾ抵抗効果を利用して計測することができる。図8は本複写機に搭載されている振動センサを示す断面図である。絶縁基板521の上に対向電極522を設ける。次に、シリコン基板523に薄いダイアフラム524及び振動子525を設け、更に対向電極522との間隔を保持する段差部526を形成し、先に作製した対向電極522を有する基板521と接合する。この状態で周囲から振動或いは圧力が加わると、それに伴って振動子525が振動し、それを対向電極522との間の容量変化として測定すればよい。
(4)トナー濃度(4色分)
各色ごとにトナー濃度を検出する。トナー濃度センサとしては従来より公知の方式のものを用いることができる。例えば、特開平6−289717号公報に記載されているような現像装置中の現像剤の透磁率の変化を測定するセンシングシステムにより、トナー濃度を検出することができる。図9は、本複写機に搭載されたトナー濃度センサの濃度検出部を示す概略構成図である。例えば、磁性キャリアと非磁性トナーを混合してなる現像剤531の近傍に配置された検知コイル532には基準コイル533が差動的に接続されている。検知コイル532はトナー濃度(直接的には磁性キャリア)の増減による透磁率変化に対してインダクタンスが変動し、これに対して基準コイル533のインダクタンスはトナー濃度の変化に対して影響を受けないようになっている。そして、上記2つのコイル532、533の直列回路には、例えば500[kHz]にて発振駆動する交流駆動源534が接続されており、上記両コイル532、533を駆動するようになっている。これら両コイル532、533の接続点からは差動出力が取り出され、その出力は位相比較器535へ接続されるとともに、この位相比較器535には上記交流駆動源534の一方の出力が別途接続されており、これら駆動源534からの電圧と差動出力電圧との位相を比較するように構成される。そして、上記2つのコイル、すなわち検知コイル532と基準コイル533の少なくともいずれか一方、図示例にあっては検知コイル532に感度設定用抵抗536(R1)が並列に接続されており、トナー濃度の変化に対する感度を鈍化させて感度特性を制御し得るように構成されている。この両コイルの組立図は図14に示されており、両コイル532、533は、筒状のコイル支持体537に図中上下方向に隣り合って巻回されており、現像剤531に近い側には透誘率の変化を検知するために検知コイル532が位置され、遠い側はトナー濃度が変化しても透磁率が変化しないように基準コイル533が配置されている。
(5)感光体一様帯電電位(4色分)
各色用の感光体(40K,Y,M,C)について、それぞれ一様帯電電位を検出する。図10は、本複写機に搭載された電位測定システムを示す概略構成図である。同図において、符号541は対象物(図示せず)に対向して取り付けられるセンサ部基板を示している。符号542はセンサ部基板1に対し、ドライブ信号を送り、センサ出力を受ける信号処理部基板を示している。センサ部基板1内には、チョッピング手段である音さ543と、圧電素子544とが設けられている。信号処理部基板542からのドライブ信号によってこの圧電素子544が駆動される。この電位測定システムでは一方の圧電素子544をドライブするとそれによる振動が音さ543を通してもう一方の圧電素子544aに伝わり、それがドライブ元に戻るというループによる自励発振方式を用いている。符号545は、対象物からの電気力線を受ける測定電極(以下電極という)をである。符号546は、電極545によって受信された電気力線Sの時間変化量を増幅する増幅器を示している。信号処理部基板542内には、圧電素子ドライブ回路547、フィルタ548及び圧電素子ドライブ回路549を備えている。フィルタ548は波形を整形する。移相回路549は、センサに混入するドライブ信号と実際のドライブ信号の位相差を180度ずらせ、打消し合わせられるようにする目的をもっている。2つの信号の位相差は混入経路によって異なってくるのが一般的である。アッテネータ550は、位相調整された補正信号の大きさを調整する役割を有する。加算回路551は補正信号とセンサ出力を加算する。処理回路552は最終的な信号出力を処理し、対象物の電位を求める。符号553,554はそれぞれ移相回路およびアッテネータの調整用ボリュームを示している。かかる構成において、移相量,アッテネータゲインを調整し最適化することにより、ドライブ信号に基づいた混入信号に対し、逆位相,同レベルの信号を補正信号として加算することができ、実際には真の対象物に基づくセンサ出力のみが検出可能となる。また、調整手段を設けたことによって、調整により経年変化に伴う特性変化にも対応することができ、センサとしての信頼性が向上する。
(6)感光体露光後電位(4色分)
光書込後の感光体(40K,Y,M,C)の表面電位を、(5)と同様にして検出する。
(7)着色面積率(4色分)
入力画像情報から、着色しようとする画素の累計値と全画素の累計値の比から着色面積率を色ごとに求め、これを利用する。
(8)現像トナー量(4色分)
感光体(40K,Y,M,C)上で現像された各色トナー像における単位面積あたりのトナー付着量を、反射型フォトセンサによる光反射率に基づいて求める。反射型フォトセンサは対象物にLED光を照射し、反射光を受光素子で検出するものである。トナー付着量と光反射率とには相関関係が成立するため、光反射率に基づいてトナー付着量を求めることができる。
(9)紙先端位置の傾き
給紙部(200)の給紙ローラから2次転写ニップに至る給紙経路のどこかに、転写紙をその搬送方向に直交する方向の両端で検知する光センサ対を設置し、搬送されてくる転写紙の先端付近の両端を検出する。両光センサについて、給紙ローラの駆動信号の発信時を基準として、通過までの時間を計測し、時間のズレに基づいて送り方向に対する転写紙の傾きを求める。
(10)排紙タイミング
排出ローラ対(図1の56)を通過後の転写紙を光センサで検出する。この場合も給紙ローラの駆動信号の発信時を基準として計測する。
(11)感光体総電流(4色分)
感光体(40K,Y,M,C)からアースに流れ出る電流を検出する。感光体の基板と接地端子との間に、電流測定手段を設けることで、かかる電流を検出することができる。
(12)感光体駆動電力(4色分)
感光体の駆動源(モータ)が駆動中に費やす駆動電力(電流×電圧)を電流計や電圧計などによって検出する。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
本複写機は、情報取得手段によって取得した複数種類の情報からなる組情報に基づいて、MTS法によるマハラノビスの距離を求めて、装置内に異常が発生しているか否かを判定するようになっている。そして、かかる判定を実現すべく、予め取得された正常組データ群の逆行列を制御部1のROM1c内に記憶している。また、CPU1aが、この逆行列に基づいて、情報取得手段によって取得した各種情報の全て又は一部の組合せからなる組情報について異常であるか否かを判定し、結果に応じて操作表示部3に故障発生注意情報を表示させるようになっている。即ち、本複写機においては、制御部1が、被検対象たる複写機の異常を判定する判定手段として機能しているのである。なお、故障発生注意情報をユーザーに報知する報知手段として、操作表示部3による表示方式の他に、音、印字、ランプ表示等による報知方式を採用したものを用いてもよい。
次に示す表1は、異常のない状態の複写機から取得された各種情報に基づいて上記逆行列を構築するための、正常データ取得工程を説明するための取得データテーブルである。この取得データテーブルでは、k種類の情報からなる組情報をn組取得して逆行列を構成する例を示している。
Figure 0004250075
正常データ取得工程では、まず、1組目の組情報を構成するk種類の情報(y11、y12・・・・・・y1k)がそれぞれ情報取得手段によって取得される。そして、データテーブル内の1行目のデータとして、試験機のRAM等の情報記憶手段に記憶される。次いで、2組目の組情報を構成するk種類の情報(y21、y22・・・・・・y2k)がそれぞれ情報取得手段によって取得され、データテーブル内の2行目のデータとして、それぞれ情報記憶手段内に記憶される。以降、3組目からn組目までの組情報が同様に取得されて、データテーブル内の3行目・・・n行目のデータとして、それぞれ情報記憶手段内に記憶される。そして、最後に、各組情報を構成するk種類の情報について、それぞれn個における平均と標準偏差(σ)とが求められて、それぞれn+1、n+2行面のデータとして、情報記憶手段内に記憶される。
上記正常データ取得工程が終わると、次の表2に示すような正規化データテーブルを構築する情報正規化工程が実施される。この正規化データテーブルは、上述の取得データテーブルに基づいて構築される。
Figure 0004250075
データの正規化とは、各種情報について、その絶対値情報を変量情報に変換するための処理であり、次に示す関係式に基づいて、各種情報の正規化データが算出される。なお、次式におけるiは、n組の組情報のうちの何れか1つであることを示す符号である。また、jは、k種類の情報のうちの何れか1つであることを示す符号である。
Figure 0004250075
上記情報正規化工程が終わると、次に、相関係数算出工程が行われる。この相関係数算出工程では、n組の正規化データ群において、それぞれk種類の正規化データのうち、互いに異なる2種類が成立し得る全ての組合せ(通り)について、次式に基づいて相関係数rpq(rqp)が算出される。
Figure 0004250075
全ての組合せについての相関係数rpq(rqp)が算出されると、次に、対角要素を1、その他のp行q列の要素を相関係数rpqとした、k×k個の相関係数行列Rが構築される。なお、この相関係数行列Rの内容を、次式に示す。
Figure 0004250075
このような相関係数算出工程が終わると、次に、行列変換工程が実施される。この行列変換工程により、上記数3で示した相関係数行列Rが、次式で示される逆行列A(R−1)に変換される。
Figure 0004250075
本複写機は、以上のような正常データ取得工程、情報正規化工程、相関係数算出工程、行列変換工程という一連のプロセスによって構築された逆行列Aを、ROM(1c)内に記憶している。そして、情報取得手段によって定期的に取得した各種の情報の全て又は一部の組合せからなる組情報について、逆行列Aによる多次元空間内におけるマハラノビスの距離(以下、マハラノビス距離という)Dを、次式に基づいて算出する。
Figure 0004250075
図11は、正常データ取得工程から行列変換工程までの一連のプロセスを示すフローチャートである。同図において、まず、複写機の状態と関連があるk個の情報が、複写機を動作させながらn組取得される(ステップ1−1:以下、ステップをSと記す)。次に、情報の種類(j)毎に、上記数1の関係式に基づいた平均値と標準偏差σとが算出され、算出結果に基づいて正規化データテーブルが構築される(S1−2)。そして、正規化データテーブルに基づいて相関係数行列Rが構築された後(S1−3)、逆行列Aに変換される(S1−4)。
図12は、逆行列Aと各種取得データとに基づいてマハラノビス距離Dを算出する手順を示すフローチャートである。この手順では、まず、任意の状態でのk種類のデータx1,x2,・・・,xkが取得される(S2−1)。データの種類はy11,y12,・・・,y1kなどに対応する。次に、上記数1の関係式に基づいて、それぞれの取得データがX1,X2,・・・,Xkといった具合に規格化される。そして、すでに構築されている逆行列Aの要素akkを用いて決められた上記数5の関係式により、マハラノビス距離Dの二乗が算出される。図中の「Σ」は、添字pおよびqに関する総和を表している。
上記制御部(1)は、このようにして求めたマハラノビス距離Dを、予め設定した閾値と比較する。そして、マハラノビス距離Dが閾値よりも大きい場合には、取得された組情報について正常分布から大きくずれている異常データであると判定して、操作表示部3に故障発生注意情報を表示する。
ROM(1c)内に正常組データ群である逆行列Aを記憶させておく例について説明したが、逆行列Aの代わりに、次のような正常組データ群を記憶させておいてもよい。即ち、正常データ取得工程で取得した各種情報を格納した上記取得データテーブル、上記正規化データテーブル、上記相関係数行列Rなどである。逆行列Aの代わりにこれら正常組データ群の何れかを記憶させた場合には、異常の判定に先立って、そのデータに基づいて逆行列Aを構築させればよい。
かかる構成の本複写機によれば、各種情報の全て又は一部の組合せからなる組情報の取得結果についての異常をMTS法によって判定することで、様々な種類の異常を広範囲に渡って発見することができる。しかも、個々の異常について、その原因の有無をそれぞれ監視する必要がないため、かかる監視による制御の煩雑化を回避することができる。ところが、このような異常の判定を行う試作複写機においては、異常を発見した際に、その異常についてどのような種類のものであるかを特定することが困難である。
そこで、本複写機では、異常の種類をいくつかのカテゴリに分類し、そのカテゴリ毎に、カテゴリ内の個々の異常の判定に必要な組情報を取得する。そして、その取得結果と、これに対応する正常組データ群である逆行列Aとに基づいて、それぞれマハラノビス距離Dを求めるようになっている。
次に示す表3は、本複写機における異常の種類のカテゴリと、そのカテゴリ内における異常の判定に必要な組情報との関係の一例を示すテーブルである。
Figure 0004250075
表3においては、上述した(1)温度から(12)感光体駆動電力までの12項目33種類(5項目+7項目×4色分)の取得情報に基づいて、3つのカテゴリの異常をそれぞれ判定する例を示している。同表に示すように、紙詰まり系の異常については、次の7項目13種類の情報からなる組情報に基づいて判定することができる。即ち、(1)温度、(2)湿度、(3)振動、(7)着色面積率×4色分、(8)現像トナー量×4色分、(9)紙先端位置の傾き、及び(10)排紙タイミングである。以下、この組情報を第1組情報という。
また、感光体劣化系の異常については、次の7項目22種類の情報からなる組情報に基づいて判定することができる。即ち、(1)温度、(2)湿度、(5)感光体一様帯電電位×4色分、(6)感光体露光後電位×4色分、(7)着色面積率×4色分、(11)感光体総電流×4色分、及び(12)感光体駆動電力×4色分である。以下、この組情報を第2組情報という。
また、画像濃度変動系の異常は、次の7項目22種類の組情報に基づいて判定することができる。即ち、(1)温度、(2)湿度、(4)トナー濃度×4色分、(5)感光体一様帯電電位×4色分、(6)感光体露光後電位×4色分、(7)着色面積率×4色分、及び(8)現像トナー量×4色分である。以下、この組情報を第3組情報という。
表3から明らかなように、第1、第2、第3組情報は、情報の組合せが互いに異なっている。これは、カテゴリが異なれば、そのカテゴリ内における個々の異常の判定に有用な情報の組合せも異なってくるからである。よって、互いに情報の組合せの異なる少なくとも2以上の組情報を取得し、それぞれについてマハラノビス距離Dを求めれば、発生した異常の種類をカテゴリの単位まで絞り込んで特定することができる。表3の例では、第1、第2、第3組情報のそれぞれについてマハラノビス距離Dを求めることで、異常の種類を3つのカテゴリの何れに該当するのかまで絞り込むことができる。
マハラノビス距離Dを求めるためには、被検対象の複写機から定期的に取得した組情報の他に、これと同じ組合せの逆行列Aが必要になる。例えば同表の例であれば、第1、第2、第3組情報のそれぞれについて、12項目33種類(5項目+7項目×4色分)の情報からなる逆行列Aを共通に用いてしまうと、異常を正確に判定することができなくなる。第1組情報であれば、それと同じ7項目13種類の情報からなる逆行列Aを用いて、マハラノビス距離Dを求める必要がある。よって、判定に先立って、カテゴリ毎に、マハラノビス距離Dを求めるための逆行列Aを準備する必要がある。
それぞれの組情報のための逆行列Aを準備する方法は、大別して2通りある。第1の方法は、各組情報についてそれぞれ専用の逆行列A(又はこれに代わる正常組データ群)をROM(1c)等の情報記憶手段に記憶させておく方法である。第2の方法は、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての逆行列Aだけを記憶させておく方法である。この方法の場合には、それぞれの組情報のための個別の逆行列Aを、全種組情報の集合からなる逆行列Aの中から選択した任意の正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築する。例えば、表3の例であれば、全種組情報(12項目33種類)の集合からなる逆行列Aだけを記憶させておく。そして、紙詰まり系に対応する第1組情報の集合からなる逆行列Aについては、全種組情報の中から7項目13種類の情報を選択して構築するのである。かかる方法では、第1の方法に比べて、情報記憶手段に記憶させて置く情報量を少なくすることができる。そこで、本複写機においては、第2の方法で各組情報についてそれぞれ専用の逆行列Aを構築するようになっている。
このようにして全種組情報から選択した情報から各カテゴリ用の逆行列Aをそれぞれ構築する場合には、各組情報についてのマハラノビス距離Dの他に、全種組情報についてのマハラノビス距離Dも求めることができる。そして、後者のマハラノビス距離を求めることで、各組情報にそれぞれ対応するカテゴリの異常の他に、その他のカテゴリの異常も判定することができる。例えば、表3の例では、全種組情報についてのマハラノビス距離Dを求めることで、紙詰まり系、感光体劣化系、画像濃度変動系に加えて、その他のカテゴリの異常も判定することができる。
次に示す表4は、各カテゴリと、マハラノビス距離との関係の一例を示している。なお、この表において、(Dは、表3における全種組情報(12項目33種類)についてのマハラノビス距離の二乗を示している。また、(Dは、紙詰まり系の異常に対応する第1組情報(7項目13種類)についてのマハラノビス距離の二乗を示している。また、(Dは、感光体劣化系の異常に対応する第2組情報(7項目22種類)についてのマハラノビス距離の二乗を示している。また、(Dは、画像濃度変動系の異常に対応する第3組情報(7項目22種類)についてのマハラノビス距離の二乗を示している。
Figure 0004250075
表4に示すように、各カテゴリに対応するマハラノビス距離(D、(D、(Dが何れも閾値未満(10)未満であったからと言って、複写機に異常が全くないとは限らない。それらが閾値未満であっても、全組情報についてのマハラノビス距離(Dが閾値以上になることもある。このような場合には、紙詰まり系、感光体劣化系、画像濃度変動系の何れにも該当しない他のカテゴリの異常が発生していると考えられる。また、逆に、マハラノビス距離(D、(D、(Dが何れかが閾値未満(10)未満になったからと言って、全種組情報についてのマハラノビス距離(Dも閾値以上になるとは限らない。複写機全体としては異常と言えないまでも、各カテゴリだけにそれぞれ着目すれば、軽微な異常と言えるものが発生している場合がある。このような場合には、各カテゴリについての何れかのマハラノビス距離が閾値以上になる一方で、全種組情報についてのマハラノビス距離(Dは閾値未満になると考えられる。このように、各カテゴリについてのマハラノビス距離(D、(D、(Dに加えて、全種組情報のマハラノビス(Dも求めることで、各カテゴリの異常の度合(軽微であるか否か)も判定することが可能になる。そこで、本複写機においては、各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビス距離と、全種組情報についてのマハラノビス距離(Dとに基づいて異常を判定するようになっている。
なお、それぞれのマハラノビス距離の閾値を何れも10に設定した例について説明したが、実際の異常に合わせて、閾値をそれぞれ異ならせる方が望ましい。
逆行列A又はこれに代わる正常組データ群(例えば取得データテーブル)をROM(1c)等の情報記憶手段に記憶させる方法としては、大きく分けて2通りある。第1の方法は、正常な標準機を運転して標準的な逆行列Aを取得しておき、それと同じものを個々の複写機製品の情報記憶手段に工場出荷に先立って予め記憶させておく方法である。第2の方法は、逆行列Aを記憶させていない状態で個々の複写機製品を出荷し、出荷先における初期運転時の各種情報の取得結果に基づいて、逆行列Aを記憶させる方法である。出荷直後の複写機製品は検品が終わったばかりの正常なものであるので、初期運転時における各種情報の取得結果を正常値として取り扱うことができる。第2の方法を採用すると、逆行列A(又はこれに代わる正常組データ群)として、標準機の試運転に基づいて構築したものではなく、個々の複写機製品で実際に取得した各種情報に基づいて構築したものを用いることになる。すると、異常の判定に用いる各種情報の正常値が各種部品の精度誤差などによって製品毎にばらついてしまうことによる判定精度の悪化を回避することができる。しかも、逆行列Aを出荷先にて自動で構築するので、出荷前に工場で製品毎の試運転を行ってそれぞれの逆行列Aを構築することによるコストアップを回避することもできる。そこで、本複写機は、第2の方法により、出荷先の初期運転時に逆行列A(又はこれに代わる正常組データ群)を構築するようになっている。
本複写機は、算出したマハラノビス距離Dと、閾値との比較に基づいて異常が発生していると判定した場合には、上述のように、操作表示部(3)に故障発生注意情報を表示してユーザー等に報知する。操作表示部(3)を、異常判定装置による判定結果を報知する報知手段として機能させているのである。報知手段としては、表示による報知を行うものの他、音による報知や、記録体への記録による報知を行うものを用いてもよい。
故障発生注意情報は、故障の発生のおそれがある旨を報知する情報であれば、情報、文字、言葉、マハラノビス距離D等の数値、グラフなど、どのような形式のものであってもよい。また、出荷先の人に報知することに加えて又は代えて、図13に示すように、遠隔の監視センターの人に通信回線を介して報知してもよい。そうすることで、専門家による診断を仰ぐことが可能になる。また、異常の判定結果については、RAM(1b)等の情報記憶手段に順次記憶させていくことが望ましい。判定結果を順次記憶させていくことで、後に、経時的な異常の進行具合などを検討することができるようになるからである。
判定結果によっては、画像形成条件を変更させたり、画像形成動作の一部を制限させたりすることが望ましい。具体的には、次の(a)〜(c)に列記する対応が考えられる。
(a)装置を停止させる
マハラノビス距離Dが閾値異常になったり、マハラノビス距離Dの経時的な増加率が大きくなったりしたときなどに、装置を強制的に作動できなくして、ユーザーに対してメンテナンスを要求する。
(b)画像形成動作を制限したり、制御パラメータを変更したりする
(b−1)色モードの変更
(b−2)記録速度の変更
(b−3)画像の中間調部の線数の変更
(b−4)中間調処理方法の変更
(b−5)使用する紙種の制限
(b−6)レジスト制御のパラメータ変更
(b−7)画像形成プロセスのパラメータ(一様帯電電位、露光量、現像バイアス、転写バイアス等)の変更
(c)消耗品や部品の補給・交換
マハラノビス距離Dの算出結果に基づいて、自動的に補給や交換を行なわせるようにする。
発生した異常の種類によっては、何らかの機構や機能によって異常を自動修復することが可能なものもある。このような種類の異常を自動修復する制御を実施させるようにすれば、メンテナンス性をより向上させることができる。
これまで、異常判定装置を複写機本体内に搭載した例について説明したが、図4に示すように、複写機と別体に構成してもよい。この場合には、複写機内に搭載された各種センサや制御部ではなく、通信回線を介して複写機から送られてくる各種情報を受信する異常判定装置の受信手段が、異常判定装置の情報取得手段として機能する。そして、複写機から離れた遠隔地にて、異常の判定や診断を行うことができる。更には、図15に示すように、複数の複写機を1台の異常判定装置で集中管理して、それぞれの異常を判定することができる。また、通信回線を介して判定結果を外部に送信する送信手段を異常判定装置に設ければ、それぞれ異なる遠隔地に設置された各複写機に対して、判定結果を送信して操作者に報知することもできる。通信回線としては、有線、無線の何れでもよく、電気回線のほか光ファイバーを用いたものなど、あらゆる形態のものを使用することができる。
以上、本複写機においては、正常組データ群として、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての正常組データ群(例えば逆行列A)をROM等の情報記憶手段に記憶する。そして、判定手段たるCPU(1a)が、それぞれの組情報についての専用の正常組データ群を、全種情報についての正常組データ群の中から選択した正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築する。かかる構成では、上述した理由により、各組情報についてそれぞれ専用の正常組データ群を憶させておく場合に比べて、情報記憶手段に記憶させて置く情報量を少なくすることができる。
また、本複写機においては、CPU(1a)が、全種組情報の中の幾つかの情報の組合せである各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビス距離と、全種組情報についてのマハラノビス距離とに基づいて被検対象たる複写機の異常を判定する。かかる構成では、上述した理由により、紙詰まり系、感光体劣化系、画像濃度変動系などといった各組情報に対応するカテゴリの異常に加えて、その他のカテゴリの異常も判定することができる。更には、各カテゴリの異常の度合(軽微であるか否か)も判定することができる。
また、本複写機においては、画像形成手段たるプリンタ部100及び給紙部200として、潜像担持体たる感光体に形成した潜像を現像手段たる現像ユニットによってトナー像に現像し、これを転写手段によって記録体たる転写紙に転写するものを用いている。かかる構成では、電子写真方式の画像形成プロセスにおける異常を異常判定装置で検知することができる。電子写真方式の画像形成装置は、(1)構成要素が多く、現象の因果関係が複雑である、(2)温湿度などの使用環境の影響を受けやすい、(3)ユニット・部品等の消耗品の劣化の影響を受けやすい、(4)ユーザーによる使用条件の差が大きい、等の特徴を有する。かかる複雑な構成や現象が介在している画像形成装置において、発生原因が不明確な故障等の異常発生についても簡易なデータ処理で予測することができる。
また、本複写機においては、情報取得手段によって取得される複数の情報の少なくとも何れか1つが、センサによる検出情報、画像形成装置の制御に用いられる制御パラメータ情報、潜像を形成するための画像情報、又は、現像後のトナー像に関する情報である。複写機に設けられたセンサで検出される検出値の情報は、複写機の状態との関連が大き装置内部の状態や装置周辺の状態に関する情報を含む。また、複写機の制御に用いられる制御パラメータの値の情報は、複写機の状動作態に大きな影響を及ぼす制御内容の情報を含む。また、潜像を形成するための画像情報や現像後のトナー像に関する情報は、複写機の状態に大きな影響を及ぼす画像形成機能の情報を含む。これらの情報からマハラノビス距離Dを算出することにより、複写機の状態変化を精度良く判定することができ、精度の高い異常発生の予測が可能になる。
また、本複写機においては、CPU(1a)を、情報取得手段による取得結果に基づいて逆行列A等の正常組データ群を構築する正常組データ群構築手段として機能させている。かかる構成では、上述した理由により、プリンタにおける製品毎の部品誤差による判定精度の低下を回避しつつ、各製品について出荷前に各逆行列を構築するための試運転を行うことによるコストアップを回避することができる。
また、本複写機においては、異常判定装置による判定結果である故障発生注意情報を報知する操作表示部(3)等の報知手段を設けている。かかる構成では、ユーザーに対して故障の発生のおそれを知らしめて、適切な故障対策を行わせるための十分な準備期間を与えることができる。
また、本複写機において、通信回線を介して、異常判定装置による判定結果を外部に送信する送信手段を設ければ、上述した理由により、遠隔地にいる専門家による診断を仰ぐことが可能になる。
また、本複写機において、異常判定装置による判定結果に基づいて画像形成動作に制限を加える動作制限手段を設ければ、異常発生の予測結果に応じて特定動作に一時的に制限を加えることにより、未然に重大な障害を回避することができる。
また、本複写機において、異常判定装置による判定結果に基づいて画像形成手段の機能修復のための修復制御を行う修復制御手段を設ければ、異常発生の予測結果に応じて修復制御モードを実行することにより、未然に重大な障害を回避することができる。
また、異常判定装置を複写機と別体で構成した例においては、情報取得手段として、通信回線を介して外部の複写機から送られてくる複数の情報を受信する受信手段を有している。かかる構成では、遠隔地に設置されている複写機から送られてくる複数の情報を受信して取得することで、その複写機の異常を現場にいかなくても判定することができる。
また、同例においては、通信回線を介して、判定手段による判定結果を外部の複写機に送信する送信手段を備えている。かかる構成では、判定結果を送信手段によって送信することで、複写機が設置されている遠隔地にいるユーザーに対して、異常の発生を知らせることができる。
また、同例においては、複数の情報として、何れも画像形成装置たる複写機に関する情報を取得して、その異常を判定する。かかる構成では、被検対象として、外部に設置されている複写機の異常を判定することができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機のプリンタ部を示す概略構成図。 同複写機のタンデム部を示す部分拡大図。 同複写機の電気回路の一部を示すブロック図。 同複写機の温度センサにおける薄膜タイプの抵抗変化素子を示す斜視図。 図5とは異なる構成の抵抗変化素子を示す斜視図。 同複写機に搭載されている湿度センサを示す斜視図。 同複写機に搭載されている振動センサを示す断面図。 同複写機に搭載されたトナー濃度センサの濃度検出部を示す概略構成図。 同複写機に搭載された電位測定システムを示す概略構成図 正常データ取得工程から行列変換工程までの一連のプロセスを示すフローチャート。 逆行列Aと各種取得データとに基づいてマハラノビス距離Dを算出する手順を示すフローチャート。 同複写機と、遠隔地に設置された監視センターとの通信を説明するための説明図。 他の実施形態に係る異常判定装置と、その被検対象である複写機との通信を説明するための説明図。 同異常判定装置が複数の複写機と通信する例を示す説明図。
符号の説明
1a CPU(判定手段、情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
1b RAM(情報記憶手段、情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
1c ROM(情報記憶手段、情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
2 各種センサ(情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
3 操作表示部(情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
20 中間転写ベルト(転写手段の一部)
22 2次転写装置(転写手段の一部)
40K,Y,M,C 潜像担持体
61 現像ユニット(現像手段)
62 1次転写ローラ(転写手段の一部)

Claims (9)

  1. 事物の情報を記憶する情報記憶手段、事物の情報を取得する情報取得手段、及び、該情報記憶手段に記憶された記憶情報及び該情報取得手段による取得結果に基づいて被検対象の異常を判定する判定手段を有する異常判定装置と、記録体に画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
    種類の異なる複数の情報からなる組情報についての正常値組合せの集合である正常組データ群を上記情報記憶手段に記憶し、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる複数の情報からなる第2組情報という少なくとも2以上の組情報を、上記情報取得手段によって取得し、且つ、上記判定手段が、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めて被検対象の異常の判定に用いる処理を実施するように、上記異常判定装置を構成するとともに、
    上記情報取得手段による取得結果に基づいて上記正常組データ群を構築する正常組データ群構築手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項画像形成装置であって、
    上記異常判定装置が、上記正常組データ群として、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての正常組データ群を記憶し、上記判定手段が、それぞれの組情報についての専用の正常組データ群を、全種情報についての正常組データ群の中から選択した正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築するものであることを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項画像形成装置であって、
    上記判定手段が、各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビスの距離と、上記全種組情報についてのマハラノビスの距離とに基づいて被検対象の異常を判定するものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか画像形成装置において、
    上記画像形成手段として、潜像担持体に形成した潜像を現像手段によってトナー像に現像し、これを転写手段によって上記記録体に転写するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置であって、
    複数の上記情報の少なくとも何れか1つが、センサによる検出情報、画像形成装置の制御に用いられる制御パラメータ情報、上記潜像を形成するための画像情報、又は、現像後の上記トナー像に関する情報であることを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記異常判定装置による判定結果を報知する報知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    通信回線を介して、上記異常判定装置による判定結果を外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の画像形成動作に制限を加える動作制限手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の機能修復のための修復制御を行う修復制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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