JP2007127899A - 画像形成装置システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体に画像を形成する複数の画像形成装置A,B,C,・・・Nと、これらの状態を判定する状態判定装置と、共有記憶装置11を含む管理装置10と通信回線網9とからなる画像形成装置システムにおいて、指標値を算出して状態判定を行なう前記状態判定装置は、情報取得部2と、パラメータ群形成部3と、個別記憶部6と、指標値算出部5と、状態判定部7と、第1又は第2動作モードを指示する制御部4とからなる画像形成装置システム。
【選択図】図2
Description
そこで、故障(異常状態)が発生する確率が高くなることを予測し、メンテナンスなどの必要な処置を予め施して、ダウンタイムを低減することが望まれている。このような課題に対し、様々な対策が開示されかつ知られている(例えば、特許文献1乃至9参照)。
かかる従来技術の1つは、特定のユニット・部品の故障検出に関するものである(特許文献1)。また、特定のユニット・部品の寿命を予測する方法も提案されている(特許文献2乃至5)。
さらに、画像形成装置の作動の結果として発生するトナー像の異常検出をする方法もある(特許文献6及び7)。特許文献8では各端末で故障予備診断を行ない、さらに遠隔管理装置がユーザ情報を含めた各種情報に基づいて故障診断を行なう方法が開示されている。
以上述べたような各種の故障・寿命予測方法は、システムの中の限定的な箇所の故障・寿命を予測するものである。しかし、画像形成装置は様々な構成要素からなる複雑なシステムである。それらが複合的に影響して様々なトラブルを引き起こす。これらのトラブルは単一の情報を監視していても予測が困難である。
従来の故障の診断には幾つかの種類がある。第1の種類としては、最も基本的なものとして、故障そのものを検出し、メンテナンスが必要である旨のメッセージを表示して、装置を停止させるなどの処置を行なう方法である。
この方法は紙詰まりや濃度不足などを直接検出して、異常と判断されれば、表示・通知・動作制限などの必要な措置が取られる。この方法は実用化されているが、故障が起きた後の対応しかできず、装置のダウンタイムを無くすことができない。
第2の種類としては、特定の故障の原因となる現象、または因果関係が強い現象を少数検出し、故障が発生したことを間接的に把握するものである。この方法も実用化されているが、比較的単純な因果関係を利用していて、発生原因が不明であったり、又は複合的なものであったりする多くの故障の診断には適用できない。
第3の種類として、多くの情報から統計的な処理あるいは推論などを行なって、すでに発生している故障の検出はもとより、まだ顕在化していない故障を予測するものがある。
例えば、特許文献9には、システムからのセンシングデータと、システム情報の量的分析により決定する状態情報と、それらからの情報について質的分析・推論を行なって、故障の診断・予知を行なう方法が提案されている。
ユーザによる使用条件は、例えば、使用頻度、一度にプリントアウトする枚数頻度、入力画像の特徴(文字・図形などの線画中心の画像か、写真などのベタ部が多い画像かなど)、使用する記録媒体(転写紙)の種類、その他が挙げられる。
そのため、故障の種類も多く、それぞれの対応の仕方も様々になるため、何らかの異常の予測、あるいは診断だけでは迅速・効率的な対応が難しい。これらを考慮して、画像形成装置の正常動作中に取得した複数種類の情報に基づいて異常発生の予測を行なう指標値を算出する技術も研究されている。
上記の異常発生の予測を行なう技術において、正常な動作状態を一義的に定義することが難しく、得られる情報の処理方法を適宜変更することが判定精度を向上させるために必要である。
一義的な定義の難しい状況として、例えば、以下のように、画像形成装置の設定条件の変更(例:予測システム構築後の設計変更、出荷後のサービスマンによる内部パラメータの設定)があった場合、状態予測システム自体の変更(バージョンアップ)の必要性が生じた場合、使用環境(設置場所、季節、扱われ方など)が変化した場合、経時変化(=劣化)があった場合などがある。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、その目的は、各種変動に伴って、適正な状態判定を行なうために、パラメータ群の変更の必要が頻繁になった場合でも、状態判定に容易に対応できる状態判定装置を含んでいる画像形成装置システムを提供することにある。
また、請求項2に記載の発明は、前記制御部によって指示される動作モードが、前記状態判定部で当該画像形成装置が正常な状態と判断している時のパラメータ群情報を、前記通信回線網を介して、前記画像形成装置が接続される前記管理装置の前記共有記憶装置へ一元化して蓄積する第1動作モードと、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を、前記複数の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ送出し、前記情報取得部で取得した情報及び前記指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態が正常であるか、異常であるかを判定する状態判定部により判断を行う第2動作モードである請求項1記載の画像形成装置システムを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記管理装置内の前記共有記憶装置部に蓄積されるパラメータ群の情報が、前記第2の動作モードにて正常状態と判断した際に、継続的に前記通信回線網を通じて前記複数の画像形成装置から得られる時系列的に新しいパラメータ群情報を取得し続け、かつ時系列的に最も古い情報を取り除く情報更新を行って一元化し、前記個々の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出する請求項1記載の画像形成装置システムを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記管理装置内の前記共有記憶装置部に蓄積されるパラメータ群の情報が、前記通信回線網を介して前記複数の画像形成装置から得られるパラメータ群情報を蓄積して一元化し、前記個々の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出し、その後、個々の画像形成装置毎に取得されるパラメータ群情報を当該画像形成装置毎の個別記憶部へ蓄積する請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置システムを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出し、その後、個々の画像形成装置毎に取得されるパラメータ群情報が該当する個別記憶部へ蓄積される際に、前記一元化された共有記憶装置から取得したパラメータ群情報量に対する個々の画像形成装置毎に取得したパラメータ群情報量の比率が時系列的に進むにつれて増加させられる請求項4記載の画像形成装置システムを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記制御部によって指示される動作モードが、前記状態判定部で当該画像形成装置が正常な状態と判断している時のパラメータ群情報を、前記通信回線網を介して、前記画像形成装置が接続される前記管理装置の前記共有記憶装置へ一元化して蓄積する第1動作モードと、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を、前記複数の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ送出し、前記情報取得部で取得した情報及び前記指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態が正常であるか、異常であるかを判定する状態判定部により判断を行う第2動作モードである請求項7記載の画像形成装置システムを特徴とする。
図1は、本発明に共通の全体構成を示す概略図である。図1において、詳細は後述する複数の画像形成装置A,B,C,・・・,Nはそれぞれ通信回線網9により、管理装置10に設けられる共有記憶装置11に繋がり、適宜情報を蓄積し、さらに通信回線網9にから前記複数の画像形成装置A,B,C,・・・,Nへ情報を適宜に送出することができる。
図2は、本発明による状態判定装置の全体の構成を示す詳細図である。図2において、画像形成装置Aの画像形成システム1からm項目の情報(具体例は後述)を取り込み、情報取得部2で処理が施された後、パラメータ群形成モードではパラメータ群形成部3に、状態判定モードでは指標値算出部5に出力される。
制御部4からの指示によりモードが切り換わる。制御部4は出力した画像の数、あるいは画像形成システム1の累積駆動時間によりモードを指定する。これらの数値(閾値)は予め設定されるものであっても、外部から送信された信号(例えば、操作者のキー入力や通信回線を通じて受信される情報など)により決まるものであっても良い。
モードの切り換えは画像形成システム1の故障の有無により、例えば、以下のような基準により決めてもよい。
1)明白な故障が発生したら、それ以前のデータを破棄し、新たにパラメータ群形成モードがスタートし、安定な状態とする。
2)明白な故障が発生したら、その時点のデータのみを採用せず、パラメータ形成群モードを継続する。
3)明白な故障が発生したら、その時点より遡った特定の期間のデータを採用せず、パラメータ形成群モードを継続する(特定の期間は任意に設定することができる)。あるいはその時点から特定の後の期間を採用せず、パラメータ群形成モードを実行する。
パラメータ群形成モードでは、パラメータ群形成部3が予め定められた手順により、指標値算出のための複数のパラメータ(パラメータ群)を算出し、個別記憶部6に格納する。
状態判定モードでは、指標値算出部5にて、情報取得部2から得られる情報と、個別記憶部6から読み出すパラメータ群を、予め設定されている計算式に導入して、その時点での指標値が算出される。その結果が状態判定部7に送られ、最終的な判定がなされる(具体的には後述)。インタフェース8は通信回線網9とのパラメータ群情報の送受信を行なうのに使用する。
この期間は、画像形成装置Aの画像形成システム(複写機・プリンタなど)1の使用者側から見れば特別に使い勝手が変わることはなく、安定状態のデータが蓄積される。パラメータ群形成モードの実行が終了かどうか判断し(S3)、終了ならば状態判定モード(第2のモード)が実行される(S4)。
故障の予測が判定されれば、それに応じた処理がなされる。処理の内容としては、後述の図5の状態判定モードの基本的動作のようなものがある。
図4は、パラメータ群形成モードの基本的動作説明を説明するフローチャートである。基本的には、情報の取得(S10)、パラメータ群の形成(S11)、パラメータ群の記憶(S16)の3ステップからなる。以下に具体例に基づいて説明する。
表1はデータの構成を示している。表2は表1に示すデータを規格化して示している。
表1において、最初の条件(例えば1日目あるいは1台目など)でk個のデータが得られる。それらをy11,y12,・・・,y1mとする。同様に次の条件(2日目あるいは2台目など)で得られるデータをy21,y22,・・・,y2mなどとし、n組のデータが得られる。情報の種類(j)ごとに生データ(例えばyij)を平均値(yj)と標準偏差(σj)で規格化する(S11)。
・・・(式1)
・・・(式2)
・・・(式3)
m個の項目の中から、判定しようとする故障内容(例えば、紙詰まり、濃度低下、雑音発生など)に応じてk個を選択する(S14)。選択の仕方は、予め決められていて、診断する故障の種類と必要な情報の項目の対応が項目指定部の中に格納されている。故障項目を絞らない場合はこのステップは省略する。さらに、その余因子行列または逆行列を求め、その結果をパラメータ行列A(aij)で表わす(S15)。
・・・(式4)
((S14)を省略した場合は、k=mとなる。)
以上により、評価基準である単一の指標値を算出するためのパラメータ群が定まる。それらのパラメータ群を第1ないし第5の実施の形態では、共有記憶装置11を経由し個別記憶部6へ、第6の実施の形態では、共有記憶装置11に格納する(S16)。
ここで扱うデータ群はいずれも正常な状態を表すものであるので、取り込んだ様々な情報間に一定の相関があると考える。正常状態から離れて故障が起こりそうになると、これらの相関に乱れが生じて、定義した空間における原点(正常状態の平均)からの「距離」が大きくなる。これが指標値である。
(a)のセンシング情報は画像形成装置Aの内部あるいは周辺に設けられた各種センサにより得られる情報である。利用できるデータとしては、寸法、速度、時間(タイミング)、重量、電流値、電位、振動、音、磁力、光量、温度、湿度などがある。
(b)の制御パラメータ情報は画像形成装置Aの制御の結果として蓄積されている情報一般である。例えば、ユーザの操作履歴、消費電力、消費トナー量、各種の画像形成条件設定履歴、警告履歴などがある。
(c)の入力画像情報は画像データとして画像形成システム1へ入力された情報から得られるもので、着色画素累積数、文字部比率、ハーフトーン部比率、色文字比率、主走査方向のトナー消費分布、RGB信号(画素単位の総トナー量)、原稿サイズ、縁有り原稿、文字の種類(大きさ、フォント)などがある。
指標値算出部5が個別記憶部6に格納されているパラメータ群を読み出す(S21)。取得した複数の情報から指標値を算出する(具体例は後述)(S22)。状態判定部7では、得られた指標値から画像形成装置Aの診断を行ない、結果を出力する(S23)。
ステップ(S21)において、その時の状態の指標値は情報を取得し、求められたパラメータ群による数式により算出される。例えば、上述の例に従うと、以下のようにして求められる。
・・・(式5)
全jの規格化終了かどうか判断し(S27)、これらから、すでに求めている逆行列の要素を用いて、
・・・(式6)
から求めるMD2が指標値となる(S28)。MDはマハラノビスの距離と呼ばれている。
図2及び図7を参照して、パラメータ群形成部3のデータは図2に示すインタフェース8を経由し、通信回線網(公衆電話回線、有線LAN/無線LAN等のデジタル通信が可能な回線全般)9を介して管理装置10内に設けられる共有記憶装置11へ蓄積される。
共有記憶装置11では、通信回線網9に繋がる複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)からの各画像形成装置別のパラメータ群形成情報が一元化されて蓄積されている。共有記憶装置11は、短時間の内に数多くのパラメータ群形成情報を蓄積するのに適しており、仮に100台の画像形成装置から1データを1回採取すれば、100個のデータを採取することができる。
従って、従来個々の画像形成装置でこのパラメータ群形成情報を1日1回ずつ蓄積していた場合では、100個のデータを採取するのに100日かかるところを、本発明の構成によれば1/100の時間で採取できることになり、当然画像形成装置の台数が多ければ多いほど短時間の内に多くの情報を採取できることになる。
採取された共有記憶装置11に一元化されたデータは、前記通信回線網9に繋がる複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)へ、図2に示すインタフェース8を経由し、個別記憶部6へと転送される。
これに対し、第2の実施の形態では、複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)から送られてくるパラメータ群形成情報は画像形成装置を特定することなく、常に最新情報が蓄積されると同時に、最も古い情報は削除されることにより更新されている。
採取された共有記憶装置11に一元化されたデータは、第1の実施の形態と同様に通信回線網9に繋がる複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)へ、インタフェース8(図2)を経由し、個別記憶部6へと転送される。
第1の実施の形態にて採取される複数の画像形成装置の正常状態情報の最新情報は管理装置10内の共有記憶装置部11に蓄積され、かつ古い情報は取り除かれ、常に最新情報が蓄積されることにより、市場の画像形成装置における、経時変化、環境変化など刻々と変化する共通的要因が反映された最新のパラメータ群情報が通信回線網9を通じて複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)に分配される。このため、初期に蓄積した固定のパラメータ群情報を継続して使い続ける。
これに対し、第2の実施の形態では、複数の画像形装置(A,B,C,・・・,N)が共通に影響を受け、かつ変化する、例えば、季節の変化に伴う温度及び湿度の影響などのように複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)もほぼ同様に影響を受け、仮に個々の画像形成装置の環境条件の差異が僅かながら在ったとしても、パラメータ群情報を平均化することにより、大きく外れることのない指標値の設定が行える。
採取された管理装置10の共有記憶装置11に一元化されたデータは、第1の実施の形態と同様に前記通信回線網9に繋がる複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)へ、インタフェース8(図2)を経由し、個別記憶部6へと転送される。
上述したように、第1の実施の形態にて採取される複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)の正常状態情報の最新情報は、特定画像形成装置毎に管理更新されて管理装置10内の共有記憶装置部11に蓄積されることにより、市場の画像形成装置における、経時変化、環境変化など刻々と変化する共通的要因が反映された最新のパラメータ群情報が通信回線網9を通じて複数の画像形成装置に分配されるため、初期に蓄積した固定のパラメータ群情報を継続して使い続けていく。
しかしながら、第3の実施の形態の第2の実施の形態と異なる点は、第2の実施の形態では共有記憶装置11で蓄積されかつ一元管理されるパラメータ情報群が画像形成装置を特定することなく、時系列的に新しい情報のみを順次蓄積する蓄積方法であるため、画像形成性装置間での情報量差が生じる。
このため、例えば、特定画像形成装置Aの使用頻度が高く、特定画像形成装置Bの使用頻度が低い場合には共有記憶装置部11へのパラメータ群情報量はA>Bとなる。従って、特定画像形成装置Aの傾向が強くなるため、その時々の特定画像形成装置の利用頻度に応じてパラメータ情報群の傾向が偏るのに対し、第3の実施の形態の更新手法は、画像形成装置ごとが与える影響を均等に扱えることにより、前述のパラメータ情報群傾向の偏りを低減させる効果がある。
その後、個別記憶部6から転送されてきた管理装置10の共有記憶装置11からの一元化されたパラメータ群情報に、その後画像形成装置毎にパラメータ群形成部3より採取されるパラメータ群情報が追加されて蓄積していき、最終的には個別記憶部6の記憶部(メモリ)全容量に達する。
その場合、先の共有記憶装置11からの一元化されたパラメータ群情報は消去せず、各画像形成装置にパラメータ群形成部3より採取されるパラメータ群情報の最新情報と最古の情報とを交換(更新)して行く。
上述したように、第1の実施の形態では、稼動している複数の画像形成装置1台毎の正常状態のパラメータ群情報を、特定(1台)の管理装置10の共有記憶装置部11に集約(一元化)させることで、短時間に多くの画像記録装置の正常状態情報を市場から採取することができるため、システムが早期に構築できる効果がある。
しかし、一元化されたパラメータ群と画像形成装置毎に存在するパラメータ群情報との間には差があるため、初期的には第1の実施の形態の方式によって構築された個別記憶部6の情報に頼りながら装置の状態判定を行う。その後、徐々に個別の画像形成装置のパラメータを蓄積(学習)することにより、それぞれの画像形成装置の使用実態に則したシステムを構築することができるようになる。
その場合に、先の共有記憶装置11からの一元化されたパラメータ群情報は消去せず、各画像形成装置にパラメータ群形成部3より採取されるパラメータ群情報の最新情報と最古の情報とを交換(更新)して行く方式である。
これに対して、第5の実施の形態では、管理装置10の共有記憶装置11からの一元化されたパラメータ群情報と、パラメータ群形成部3より採取されるパラメータ群情報を含む最古の情報と最新の情報とを交換(更新)して行く方式である。最終的には、個別記憶部6の記憶部(メモリ)全容量には、達するパラメータ群形成部3より採取されるパラメータ群情報が占め、さらに更新を続けていく。
第4の実施の形態のように徐々に個別の画像形成装置ごとのパラメータ群情報を限られた資産(メモリ容量)内へ蓄積すると、最終的にはデータ容量が限界となり、それ以上のパラメータ群情報は取り込めなくなる。
しかしながら、第5の実施の形態では、既に予め取り込んである共有記憶装置11からのパラメータ群情報を個々の画像形成装置から取得した新しいパラメータ群情報へ置き換えていく。これによって、限られた個別記憶部6のメモリ容量内で徐々に個別の画像形成装置のパラメータを蓄積(学習)することにより、それぞれの画像形成装置の使用実態に則したシステムを構築することができる。
第6の実施の形態は第1乃至第5の実施の形態で有している個別記憶部6を備えず、通信回線網9を通じて、管理装置10の共有記憶装置11へ一元化されたパラメータ群情報を、通信回線網9を通じて呼び出す。
上述したように、第6の実施の形態は個別記憶装置6を備えず、稼動している複数の画像形成装置(A,B,C,・・・,N)1台毎の正常状態のパラメータ群情報を、特定(1台)の管理装置10の共有記憶装置部11に集約(一元化)させる。これによって、第1の実施の形態と同様に短時間に多くの画像記録装置の正常状態情報を市場から採取することができるため、システムを早期に構築させられる効果と、各画像形成装置に個別記憶装置6を持たずに済むため、装置コストの低減化が図られる効果が得られる。
また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。スキャナ部14は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読み取りセンサ36で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。
制御部は、スキャナ部14から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部12の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40Cに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。
この照射により、感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40Cの表面には静電潜像が形成され、この静電潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
プリンタ部12は、これら露光装置21の他、1次転写装置62、2次転写装置22、定着装置25、排紙装置55、56、57、図示しないトナー供給装置、トナー供給装置等も備えている。なお、上記現像プロセスについては後で詳述する。
給紙部13は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、これらの給紙カセット44から像保持体としての転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙(図示せず)を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部12の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等を備えている。
レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙を1枚だけ排出させ、中間転写体としての中間転写ベルト19と2次転写装置22との間に位置する2次転写ニップ部に送る。
上記構成において、カラー画像のコピーを採るとき、原稿搬送部15の原稿台30上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部15を開いてスキャナ部14のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿搬送部15を閉じて原稿を押さえる。
次いで、図示してないスタートスイッチを押すと、原稿搬送部15に原稿をセットした時は原稿をコンタクトガラス32上へと搬送して後、また、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ部14を駆動し、第1走行体33及び第2走行体34を走行する。
次いで、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、画像情報を読み取る。
スキャナ部14から画像情報を受け取ると、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施させて感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40C上にトナー像を形成させるとともに、画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、レジストローラ49を作動させる。
同時に、個々の画像形成ユニット18でその感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40Cを回転して各感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40C上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト19の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト19上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部13の給紙ローラ42の1つを選択・回転し、給紙カセット44の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で複写機本体12内の給紙路48に導き、この転写紙をレジストローラ49に突き当てて止める。又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト19上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト19と2次転写ローラ23との当接部である2次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を2次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
画像転写後の転写紙を、2次転写装置22の搬送ベルト24で定着装置25へと送り込み、定着装置25で加圧ローラ27による加圧力と熱の付与によりトナー像を定着させた後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
さらに、感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40C表面から1次転写後に残留しているトナーを除去する感光体クリーニング装置63Bk、63Y、63M、63Cも備えている。上記複数の感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40C、現像ユニット61Bk、61Y、61M、61C、そして、感光体クリーニング装置63Bk、63Y、63M、63Cからなる4つの画像形成ユニット18Bk、18Y、18M、18Cによってタンデム画像形成装置20が構成されている。
また、支持ローラ16aに向かって左に、トナー像を転写紙上に転写した後に中間転写ベルト19上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。
それぞれのファーブラシ90、91には、図示してない電源から各々異なる極性のバイアスを印加する。そして、これらのファーブラシ90、91には、それぞれ金属ローラ92、93を接触させ、ファーブラシ90、91に対して順方向又は逆方向に回転可能に設けている。
本実施の形態において、中間転写ベルト19の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。これらの金属ローラ92、93には、それぞれブレード96、97の先端を押し当てている。
中間転写ベルト19の矢印方向への回転とともに、最初に上流側のファーブラシ90を用いて、例えば(−)のバイアスを印加して中間転写ベルト19表面のクリーニングを行う。
仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写ベルト19上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移させることができる。ファーブラシ90側に転移させたトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移させ、ブレード96により掻き落とす。
このように、ファーブラシ90で中間転写ベルト19上のトナーを除去するが、中間転写ベルト19上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
ブレード96、97で掻き落としたトナーは、図示してないタンクに回収される。これらのトナーは、後述のトナーリサイクル装置を用いて現像装置61に戻すようにしてもよい。
一方、ファーブラシ91でクリーニングされた後の中間転写ベルト19表面は、ほとんどのトナーが除去されているがまだ少しのトナーが残っている。これらの中間転写ベルト19上に残ったトナーは、上述したようにファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。
(+)に帯電されたトナーは、1次転写位置で印加される転写電界により感光体ドラム40Bk、40Y、40M、40C側に転写され、感光体クリーニング装置63Bk、63Y、63M、63Cで回収することができる。
一方、中間転写ベルト19を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備えている。この2次転写装置22は、本実施の形態においては、2つのローラ23間に、2次転写ベルト24を掛け渡して構成している。中間転写ベルト19を介して第3の支持ローラ16bに押し当てて配置し、2次転写ニップ部を形成して中間転写ベルト19上のカラートナー画像を転写紙上に2次転写する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後の転写紙を定着装置25へと搬送する転写紙搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、この転写紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
レジストローラ49(図13参照)は一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径φ18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。
電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10×109Ω・cm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−800V程度の電圧が印加されている。また、転写紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されている。
一般的に中間転写方式は紙粉が感光体ドラムにまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これは転写紙をより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の転写紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト19から転写紙への転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
なお、本実施の形態においては、2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28(図13参照)を備えている。
これによって、転写紙の片面に画像定着後に、切り換え爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び2次転写ニップでトナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させるようにしても良い。
図15に示すように、この画像形成ユニット18は、感光体ドラム40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写手段としての1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64等を備えている。
感光体ドラム40は、図示例では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であってもよい。
また、図示を省略するが、少なくとも感光体ドラム40を設け、画像形成ユニット18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体12(図13)に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
また、画像形成ユニット18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状に形成し、感光体ドラム40に接触して電圧を印加することによって、その感光体ドラム40の帯電を行う。勿論、この場合に、非接触のスコロトロンチャージャで帯電を行うこともできる。
現像装置61は1成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる2成分現像剤を使用している。この2成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に2成分現像剤を供給・付着させる攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した2成分現像剤のうちのトナーを感光体ドラム40に転移する現像部67とを設け、この現像部67より攪拌部66を低い位置としている。
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設けており、2本のスクリュ68の間は両端部を除いて仕切り板69で仕切っている。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を設けている。
現像スリーブ65は非磁性の回転可能なスリーブ形状を有し、内部には複数のマグネット(図では全体として示している)72を配設している。マグネット72は、現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させるように固定されている。
図示例では、現像スリーブ65の直径をφ18mmとし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い、表面粗さ(Rz)が10〜30μmの範囲に入るように形成されている。
マグネット72は、例えば、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3(図示せず)の5磁極を有する。現像剤はマグネット72により磁気ブラシを形成するようになり、現像スリーブ65上に担持される。現像スリーブ65は現像剤の磁気ブラシを形成したマグネット72のS1側の領域に、感光体ドラム40に対向して配設されている。
以上の構成によって、2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送・循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤はマグネット72により汲み上げて保持され、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は攪拌部66に戻される。
現像スリーブ65上に担持された現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体ドラム40に転移して、その感光体ドラム40上の静電潜像を可視像化する。
可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナーが補給される。
現像スリーブ65上のトナーの帯電量は−10〜−30μC/gの範囲が好適である。感光体ドラム40と現像スリーブ65の間隙である現像ギャップGPは、従来と同様に0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
さらに、感光体ドラム40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体ドラム40の帯電(露光前)電位VOを−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470V、すなわち、現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるようにしている。
1次転写装置62は1次転写ローラ62によって構成し、中間転写ベルト19を挟んで感光体ドラム40に押し当てて設けている。なお、各1次転写ローラ62間には、中間転写ベルト19の基層側に接触して導電性ローラ74を設けている。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写ローラ62により印加するバイアスが、中抵抗の基層を介して隣接する各画像形成ユニット18に流れ込むことを阻止するものである。
感光体クリーニング装置63は、例えば、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を用い、その先端を感光体ドラム40に押し当てている。さらに、クリーニング性を高めるために、本実施の形態では、外周が感光体ドラム40に接触する接触導電性のファーブラシ76を矢印方向に回転自在に備えている。
また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、この電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てている。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79も設けている。
上記構成の感光体クリーニング装置63によって、感光体ドラム40に対して反対方向に回転するファーブラシ76で、感光体ドラム40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して反対方向に接触して回転するバイアスを印加された電界ローラ77によって取り除かれる。
電界ローラ77に付着したトナーは、この電界ローラ77近傍に配置されたスクレーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、トナーリサイクル装置80によって現像装置61へと戻して再利用する。除電装置64は除電ランプを用いており、光を照射して感光体ドラム40の表面電位を初期化する。
画像転写後の感光体ドラム40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。一方、感光体ドラム40の表面から除去した残留トナーは、後述するトナーリサイクル装置によって、再び現像に使用される。ここで、画像を形成する色の順番は、上記した順番に限定されるものではなく、画像形成装置の持つ狙いや特性に応じて異なるものである。
(a)センシング情報について
駆動関係、記録媒体の各種特性、現像剤特性、感光体特性、電子写真の各種プロセス状態、環境条件、記録物の各種特性などが取得する対象として考えられる。
概要を説明すると、以下のようになる。
(a−1)駆動の情報
・感光体ドラムの回転速度をエンコーダで検出したり、駆動モータの電流値を読み取ったり、駆動モータの温度を読み取る。
・同様にして、定着ローラ、用紙搬送ローラ、駆動ローラなどの円筒状またはベルト状の回転する部品の駆動状態を検出する。
・駆動により発生する音を装置内部または外部に設置されたマイクロフォンで検出する。
(a−2)用紙搬送の状態
・透過型または反射型の光センサ、あるいは接触タイプのセンサにより、搬送された用紙の先端・後端の位置を読み取り、紙詰まりが発生したことを検出したり、転写紙の先端・後端の通過タイミングのずれや、送り方向と垂直な方向の変動を読み取る。
・同様に、複数のセンサ間の検出タイミングにより、転写紙の移動速度を求める。
・給紙時の給紙ローラと転写紙とのスリップを、ローラの回転数計測値と転写紙の移動量との比較で求める。
この情報は、画質やシート搬送の安定性に大きく影響する。転写紙の種類の情報取得には以下のような方法がある。
・転写紙の厚みは、転写紙を2つのローラで挟み、ローラの相対的な位置変位を光学センサ等で検知したり、転写紙が進入してくることによって押し上げられる部材の移動量と同等の変位量を検知することによって求める。
・転写紙の表面粗さは、転写前の転写紙の表面にガイド等を接触させ、その接触によって生じる振動や摺動音等を検知する。
・転写紙の光沢は、規定された入射角で規定の開き角の光束を入射し、鏡面反射方向に反射する規定の開き角の光束をセンサで測定する。
・転写紙の剛性は、押圧された転写紙の変形量(湾曲量)を検知することにより求める。
・再生紙か否かの判断は、転写紙に紫外線を照射してその透過率を検出して行なう。
・裏紙か否かの判断は、LEDアレイ等の線状光源から光を照射し、転写面から反射した光をCCD等の固体撮像素子で検出して行なう。
・OHP用のシートか否かは、転写紙に光を照射し、透過光と角度の異なる正反射光を検出して判断する。
・転写紙に含まれている水分量は、赤外線またはμ波の光の吸収を測定することにより求める。
・カール量は光センサ、接触センサなどで検出する。
・転写紙の電気抵抗は、1対の電極(給紙ローラなど)を転写紙と接触させて直接測定したり、転写紙転写後の感光体や中間転写体の表面電位を測定して、その値から転写紙の抵抗値を推定する。
現像剤(トナー・キャリア)の装置内での特性は、電子写真プロセスの機能の根幹に影響するものである。そのため、システムの動作や出力にとって重要な因子となる。現像剤の情報を得ることは極めて重要である。
例として以下のような項目が挙げられる。
1)トナーについては、帯電量およびその分布、流動性・凝集度・嵩密度、電気抵抗、外添剤量、消費量または残量、流動性、トナー濃度(トナーとキャリアの混合比)。
2)キャリアについては、磁気特性、コート膜厚、スペント(消費)量。
以上のような項目を画像形成装置の中で単独で検出することは通常困難である。そこで、現像剤の総合的な特性として検出する。以下に例を示す。
・感光体ドラム上にテスト用潜像を形成し、予め決められた現像条件で現像して、形成されたトナー像の反射濃度(光反射率)を測定する。
・現像装置中に1対の電極を設け、印加電圧と電流の関係を測定する(抵抗、誘電率など)。
・現像装置中にコイルを設け、電圧電流特性(インダクタンス)を測定する。
・現像装置中にレベルセンサを設けて、現像剤容量を検出する。レベルセンサは光学式、静電容量式などがある。
(a−5)感光体特性
感光体特性も現像剤特性と同じく、電子写真プロセスの機能と密接に関わる。例として、以下のように、膜厚、表面特性(摩擦係数、凹凸)、表面電位(各プロセス前後)、表面エネルギ、散乱光、温度、色、表面位置(フレ)、線速度、電位減衰速度、抵抗・静電容量、表面水分量がある。
このうち、画像形成装置の中では以下のような検出ができる。
・膜厚変化に伴う静電容量の変化を、帯電装置から感光体ドラムに流れる電流を検知し、同時に帯電装置への印加電圧と予め設定された感光体ドラムの誘電厚みに対する電圧電流特性と照合することにより、膜厚を求める。
・表面電位、温度は従来周知のセンサで求めることができる。
・線速度は感光体ドラムの回転軸に取り付けられたエンコーダなどで検出される。
・感光体表面からの散乱光は光センサで検出される。
電子写真方式によるトナー像形成は、周知のように、感光体ドラムの均一帯電、レーザ光などによる潜像形成(像露光)、電荷を持ったトナー(着色粒子)による現像、転写紙へのトナー像の転写(カラーの場合は中間転写体または最終転写紙である記録媒体での重ね合わせ、または現像時に感光体への重ね現像を行なう)、記録媒体へのトナー像の定着という順序で行なわれる。これらの各段階での様々な情報は、画像その他のシステムの出力に大きく影響を与える。これらを取得することがシステムの安定を評価する上で重要となる。
具体例には、以下のように、
・帯電電位、露光部電位は従来公知の表面電位センサにより検出される。
・非接触帯電における帯電装置と感光体ドラムとのギャップは、このギャップを通過させた光の量を測定することにより検知する。
・帯電による電磁波は広帯域アンテナにより捉える。
・帯電による発生音
・露光強度
・露光光波長
が挙げられる。
また、トナー像の様々な状態を取得する方法として、以下のようなものが挙げられる。
・パイルハイト(トナー像の高さ)を、変位センサで縦方向から奥行きを、平行光のリニアセンサで横方向から遮光長を計測して求める。
・トナー帯電量を、ベタ部の静電潜像の電位、その潜像が現像された状態での電位を測定する電位センサにより測定し、同じ箇所の反射濃度センサから換算した付着量との比により求める。
・ドット揺らぎまたはチリを、ドットパターン画像を感光体上においては赤外光のエリアセンサ、中間転写体上においては各色に応じた波長のエリアセンサで検知し、適当な処理をすることにより求める。
・オフセット量(定着後)を、転写紙上と定着ローラ上の対応する場所をそれぞれ光学センサで読み取って、両者比較することにより求める。
・転写工程後(PD上、ベルト上)に光学センサを設置し、特定パターンの転写後の転写残パターンからの反射光量で転写残量を判断する。
・重ね合わせ時の色ムラを定着後の転写紙上を検知するフルカラーセンサで検知する。
・画像濃度、色は光学的に検知する(反射光、透過光のいずれでもよい。色によって投光波長を選択する)。濃度及び単色情報を得るには感光体ドラム上または中間転写体上でよいが、色ムラなど、色のコンビネーションを測るには転写紙上の必要がある。
・階調性は、階調レベルごとに感光体上に形成されたトナー像または転写体に転写されたトナー像の反射濃度を光学センサにより検出する。
・鮮鋭性は、スポット径の小さい単眼センサ、若しくは高解像度のラインセンサを用いて、ライン繰り返しパターンを現像または転写した画像を読み取ることにより求める。
・粒状性(ざらつき感)は、鮮鋭性の検出と同じ方法により、ハーフトーン画像を読み取り、ノイズ成分を算出することにより求める。
・レジストスキューは、レジスト後の主走査方向両端に光学センサを設け、レジストローラのオンタイミングと両センサの検知タイミングとの差異から求める。
・色ずれは、中間転写体または転写紙上の重ね合わせ画像のエッジ部を、単眼の小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサで検知する。
・バンディング(送り方向の濃度むら)は、転写紙上で小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサにより副走査方向の濃度ムラを測定し、特定周波数の信号量を計測する。
・光沢度(むら)は、均一画像が形成された記録紙を正反射式光学センサで検知するように設ける。
・かぶりは、感光体上、中間転写体上、または転写紙上において、比較的広範囲の領域を検知する光学センサで画像背景部を読み取る方法、または高解像度のエリアセンサで背景部のエリアごと画像情報を取得し、その画像に含まれるトナー粒子数を数えるという方法がある。
・像流れ・かすれなどは、感光体上、中間転写体、あるいは転写紙上でトナー像をエリアセンサにより検知し、取得した画像情報を画像処理して判定する。
・チリは記録紙上の画像を高解像度ラインセンサまたはエリアセンサで取り込み、パターン部の周辺に散っているトナー量を算定することにより求める。
・後端白抜け、ベタクロス白抜けは、感光体上、中間転写体、あるいは転写紙上で高解像度ラインセンサにより検知する。
・カール・波打ち・折れは、変位センサで検出する。折れの検出のためには転写紙の両端部分に近い所にセンサを設置することが有効である。
・コバ面の汚れやキズは、排紙トレイに縦に設けたエリアセンサにより、或る程度排紙が溜まった時のコバ面をエリアセンサで撮影、解析する。
(a−9)環境状態
・温度検出には、異種金属同士或いは金属と半導体同士を接合した接点に発生する熱起電力を信号として取り出す熱電対方式、金属或いは半導体の抵抗率が温度によって変化することを利用した抵抗率変化素子、また、或る種の結晶では温度が上昇したことにより結晶内の電荷の配置に偏りが生じ表面に電位を発生する焦電型素子、さらには、温度による磁気特性の変化を検出する熱磁気効果素子などが採用できる。
・湿度検出には、H2O或いはOH基の光吸収を測定する光学的測定法、水蒸気の吸着による材料の電気抵抗値変化を測定する湿度センサ等がある。
・各種ガスは、基本的にはガスの吸着に伴う、酸化物半導体の電気抵抗の変化を測定することにより検出する。
・気流(方向、流速、ガス種)の検出には、光学的測定法等があるが、システムへの搭載を考慮すると、より小型にできるエアブリッジ型フローセンサが特に有用である。
・気圧・圧力の検出には、感圧材料を使用する、メンブレンの機械的変位を測定する等の方法がある。振動の検出にも同様な方法が用いられる。
画像形成装置の動作は制御部によって決定されるため、制御部の入出力パラメータを直接利用することが有効である。
(b−1)画像形成パラメータ
画像形成のために制御部が演算処理により出力する直接的なパラメータで、以下のように、
・制御部によるプロセス条件の設定値で、例えば帯電電位、現像バイアス値、定着温度設定値など;
・同じく、中間調処理やカラー補正などの各種画像処理パラメータの設定値;
・制御部が装置の動作のために設定する各種のパラメータで、例えば、転写紙搬送のタイミング、画像形成前の準備モードの実行時間などがある。
(b−2)ユーザ操作履歴
・色数、枚数、画質指示など、ユーザにより選択された各種操作の頻度;
・ユーザが選択した用紙サイズの頻度などがある。
(b−3)消費電力
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の総合消費電力あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)。
(b−4)消耗品消費情報
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)のトナー、感光体、転写紙の使用量あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)。
(b−5)故障発生情報
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の故障発生(種類別)の頻度あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)。
ホストコンピュータから直接データとして送られる画像情報、あるいは原稿画像からスキャナで読み取って画像処理をした後に得られる画像情報から、以下のような情報を検出する。
・着色画素累積数はGRB信号別の画像データを画素ごとにカウントすることにより求められる。
・例えば特許第2621879号明細書に記載されているような方法でオリジナル画像を文字・網点・写真・背景に分離し、文字部、ハーフトーン部などの比率を求めることができる。同様にして色文字の比率も求めることができる。
・着色画素の累積値を主走査方向で区切った領域別にカウントすることにより、主走査方向のトナー消費分布が求められる。
・画像サイズは制御部が発生する画像サイズ信号または画像データでの着色画素の分布により求められる。
・文字の種類(大きさ、フォント)は文字の属性データから求められる。
次に、上述したような情報に基づいて、故障が発生する潜在的な可能性を判断する。基本的には、前述したように複数の情報から算出した指標値MDの大きさが、予め定めた閾値より大きい場合に、故障発生の可能性が高いとするものである。この閾値は一般的には事前の実験によって決められる。あるいは初期値を適当な値(例えば10)などにしておき、データが積み重なるにつれて更新していくようにしてもよい。
指標値MDは取り入れた情報間の相関が正常な状態からずれている尺度を表わしている。ずれが大きいほど正常状態からの乖離が大きいと判断するので、故障のメカニズムが不明な場合でも、故障が発生する可能性を予見することができる。
上述のようにして判断した後の処置方法を説明する。
(d)結果出力
出力する内容は、故障が近いことを知らせたり、上記MDあるいはそれを反映した数値、グラフまたは文字(言葉)による警告などである。
方法としては以下のような種類がある。
(d−1)表示を行なうもの
(d−2)音声による告知、警告
(d−3)記録媒体への記録
以上は該当する画像形成装置に備えられた各手段によるものである。これとは別に、プリンタサーバや通信回線で接続されて各装置の状態を監視している監視センターに、これらを出力する方法もある。
監視センターに、(d)と同様の内容を転送するものである。
(f)結果記憶
各画像形成装置あるいはプリンタサーバ、監視センターの内部に備えられた記憶装置(メモリ)に、(d)と同様の内容を記憶させる。
さらには結果を利用した制御を行なう方法がある。
(g)装置停止
MDの算出結果が予め定められた数値を超えたり、増加率が大きくなった時などに、強制的に作動できなくし、メンテナンスを要求する。
(h)動作の制限・制御の変更を行なう
MDの結果と各情報源の両面から、関連のある部分を推定し、それに関わる動作を制限したり、制御変更を行なう。以下のような方法がある。
(h−1)色モードの変更
(h−2)記録速度の変更
(h−3)中間調の線数の変更
(h−4)中間調処理方法の変更
(h−5)紙種(転写紙の種類)の制限
(h−6)レジスト制御のパラメータ変更
(h−7)画像形成プロセスのパラメータ変更
例えば、電子写真では帯電電位、露光量、現像バイアス、転写バイアスなどである。
(i)消耗品や部品の補給・交換
MDの結果により、自動的に補給や交換を行なう。
(j)自動修理
MDと各情報源との両面から、特定の部位の異常が判明したとき、対象とする部位の修理を行なうためのモードが実行される。
<実施例1>
図13に示した画像形成装置を用いて、製品出荷前に個別あるいは共通の指標値を求めておき、出荷後はオンラインで指標値をモニタして、それが増加した時にメンテナンスを行なう例を説明する。
取得する情報の種類と、取得方法は以下のようになっている。
(1)温度
温度センサとしては、2種類の材質の異なる金属線の先端を接続し、その先端と他端の温度差によって熱起電力が発生する原理を利用して測定する熱電対、一般に金属の電気抵抗が温度に比例して増加する性質を利用する測温抵抗体、金属の酸化物を焼結した素子で温度の変化で抵抗値が大きく変化する特性を利用するサーミスタ、異種金属を貼り合わせてそれぞれの熱膨張率の違いによる形状の変化から温度を測定するバイメタル、感温部の熱膨張を圧力変化に変えて測定する充満式温度計、測定対象物から放射される熱放射を捉える放射温度計などが用いられる。
(2)湿度
小型にできる湿度センサが本発明に有用である。これは、感湿素子が吸湿・脱湿に伴い性質が変化することを利用したものであって、吸湿性物質として塩化リウチム・セラミックス・高分子などを使用し、水蒸気量の変化を電気抵抗や電気容量など電気的な変化として測定するのが好ましい。
振動センサは各種の振動量を電圧、電流など電気量に変換するものであり、ピエゾ素子(力により電荷が発生する)などの圧電素子を用いた圧電式センサ、ひずみゲージ式、サーボ式、レーザドップラ式の速度振動計などを用いることができる。
(4)トナー濃度(4色分)
色毎にトナー濃度を検出する。トナー濃度センサとしては従来公知の方式を用いることができる。例えば、特開平6−289717号公報に記載されているような現像装置中の現像剤の透磁率の変化を測定するセンシングシステムにより検出される。
(5)帯電電位(4色分)
帯電後の感光体の表面電位を測定する。電位センサとしては、例えば、特開平6−51007号公報で説明されているような従来知られているものを用いることができる。
(6)露光後電位(4色分)
像露光を行なうLD(半導体レーザ)の照射後の感光体の表面電位を(5)と同様にして検出する。
(7)着色面積率(4色分)
入力画像情報から、着色しようとする画素の累計値と全画素の累計値の比から着色面積率を色ごとに求め、これを利用する。
(8)現像トナー量(4色分)
感光体上に現像されたトナー付着量を反射濃度センサで読み取る。反射濃度センサは対象物にLED光を照射し、反射光を光センサで検出するものである。トナー付着量と反射率データの関係は、トナーの色ごとに予め把握しておくことが望ましい。
(9)転写紙先端位置の傾き
レジストローラ49(図13)から中間転写ベルト19(図13)に至る経路のいずれかの位置に、図13の紙面方向の手前側と奥側に光センサ(図示せず)を設置し、搬送される転写紙の先端位置を検出する。レジストローラ49の駆動信号の発信時を基準として、通過までの時間を計測し、送り方向に対する傾きのデータを得る。
排出ローラ56(図13)通過後の転写紙先端の通過タイミングを光センサ(図示せず)で検出する。この場合もレジストローラ49の駆動信号の発信時を基準として計測する。
(11)感光体総電流(4色分)
感光体ドラム40(図15)からアースに流れ出るすべての電流を取得する。感光体ドラム40の基板と接地端子との間に、電流測定手段(図示せず)を設置して検出する。
(12)感光体駆動電力(4色分)
感光体の駆動源(モータ)(図示せず)が駆動中に費やす駆動電力(電流×電圧)を電流計・電圧計(図示せず)などにより計測する。
以上12種類33項目のデータが入力情報として採用される。これらの情報を基に、a)紙詰まり、b)感光体劣化、c)画像濃度変動を予測・診断する。故障の種類に応じて、異なる項目の情報が用いられる。
表3.入力情報と故障の種類の対応
この実施の形態においては、実際に画像形成装置を稼動させ、正常な状態のデータ50組を取得する。総データ数は33×50個になる。それに基づいて、(式1)〜(式3)に従って項目ごとのデータの規格化、相関係数からなる行列の生成を行なう。
a)紙詰まりの場合は、選択された7項目(表3の○印)の情報間の相関係数を要素とする7行7列の行列の逆行列(または余因子行列)を形成する(式4)。これにより、指標値MDを算出するための(式5)、(式6)のパラメータが決定し、指標値MDが定義される。
MD12=(1/13)Σa1pqXpXq ・・・(式7)
b)感光体劣化の場合も同様に、選択された7項目(表3の○印)の情報の間の相関係数からなる7行7列の行列の逆行列(または余因子行列)を形成する(式4)。それを用いて指標値MDが定義される。
MD22=(1/22)Σa2pqXpXq ・・・(式8)
c)画像濃度変動の場合も同様にして7行7列の行列が求まる(式4)。それを用いて指標値MDが定義される。
MD32=(1/19)Σa3pqXpXq ・・・(式9)
診断時には、表3に示す全項目の情報を取得し、(式7)、(式8)、(式9)に従ってMD1、MD2、MD3が求められる。
各故障モードに対応する指標値についてそれぞれ閾値を決め、それを超えた値になった場合は警告を発したり、サービスマンコールを発するなどの対応を取るようにシステムを設定する。それぞれの閾値は過去の故障の発生率などのデータから適宜定める。画像形成装置を稼動させながら、随時更新していくようにすれば、診断の精度を向上させることができる。
さらに、(式7)〜(式9)に加えて、すべての項目を採用したMDを定義する。
MD02=(1/33)Σa0pqXpXq ・・・(式10)
MD0の値は、最初の段階の50組のデータに基づく各情報の相関関係のずれを示すものであり、画像形成装置の全般的な状態を表す指標となる。このため、上記a)、b)、c)の故障に関するもの以外の診断をも行うことができる。
1 画像形成システム
2 状態判定装置(情報取得部)
3 状態判定装置(パラメータ群形成部)
4 状態判定装置(制御部)
5 状態判定装置(指標値算出部)
6 個別記憶部
7 状態判定装置(状態判定部)
8 インタフェース
9 通信回線網
10 管理装置
11 共有記憶装置
Claims (8)
- 記録媒体に画像を形成する複数の画像形成装置と、これらの画像形成装置に設けかつそれらの状態を判定する状態判定装置と、共有記憶装置を含む管理装置と、この管理装置と前記画像形成装置を接続する通信回線網とからなる画像形成装置システムであって、画像形成システムの状態から指標値を算出して状態判定を行なう前記状態判定装置は、前記画像形成システムの複数項目の情報を取得する情報取得部と、前記指標値を算出するパラメータ群を形成するパラメータ群形成部と、前記画像形成システム本体にありかつパラメータ群を格納する個別記憶部と、この個別記憶部に格納されたパラメータ群を用いて、前記情報取得部で取得した情報から指標値を算出する指標値算出部と、この指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態を判定する状態判定部と、第1又は第2動作モードを指示する制御部とからなることを特徴とする画像形成装置システム。
- 前記制御部によって指示される動作モードは、前記状態判定部で当該画像形成装置が正常な状態と判断している時のパラメータ群情報を、前記通信回線網を介して、前記画像形成装置が接続される前記管理装置の前記共有記憶装置へ一元化して蓄積する第1動作モードと、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を、前記複数の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ送出し、前記情報取得部で取得した情報及び前記指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態が正常であるか、異常であるかを判定する状態判定部により判断を行う第2動作モードであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置システム。
- 前記管理装置内の前記共有記憶装置部に蓄積されるパラメータ群の情報は、前記第2の動作モードにて正常状態と判断した際に、継続的に前記通信回線網を通じて前記複数の画像形成装置から得られる時系列的に新しいパラメータ群情報を取得し続け、かつ時系列的に最も古い情報を取り除く情報更新を行って一元化し、前記個々の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置システム。
- 前記管理装置内の前記共有記憶装置部に蓄積されるパラメータ群の情報は、前記第2モードにて正常状態と判断した際に、継続的に前記通信回線網を介して前記複数の画像形成装置から得られる特定画像形成装置毎に、時系列的に新しいパラメータ群情報を取得し続け、かつ時系列的に最も古い情報を取り除く情報更新の手法を用いて一元化し、前記個々の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置システム。
- 前記管理装置内の前記共有記憶装置部に蓄積されるパラメータ群の情報は、前記通信回線網を介して前記複数の画像形成装置から得られるパラメータ群情報を蓄積して一元化し、前記個々の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出し、その後、個々の画像形成装置毎に取得されるパラメータ群情報を当該画像形成装置毎の個別記憶部へ蓄積することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置システム。
- 前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を送出し、その後、個々の画像形成装置毎に取得されるパラメータ群情報が該当する個別記憶部へ蓄積される際に、前記一元化された共有記憶装置から取得したパラメータ群情報量に対する個々の画像形成装置毎に取得したパラメータ群情報量の比率が時系列的に進むにつれて増加させられることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置システム。
- 記録媒体に画像を形成する複数の画像形成装置と、これらの画像形成装置に設けかつそれらの状態を判定する状態判定装置と、共有記憶装置を含む管理装置と、この管理装置と前記画像形成装置を接続する通信回線網とからなる画像形成装置システムにおいて、画像形成システムの状態から指標値を算出して状態判定を行なう前記状態判定装置は、前記画像形成システムの複数項目の情報を取得する情報取得部と、前記指標値を算出するパラメータ群を形成するパラメータ群形成部からのパラメータ群情報を、前記通信回線網を通じて、一元管理する前記管理装置の前記共有記憶装置へ蓄積し、再び前記通信回線網を介して、一元管理された前記管理装置の前記共有記憶装置からのパラメータ群情報を取得して指標値を算出する指標値算出部と、この指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態を判定する状態判定部と、第1又は第2動作モードを指示する制御部とからなることを特徴とする画像形成装置システム。
- 前記制御部によって指示される動作モードは、前記状態判定部で当該画像形成装置が正常な状態と判断している時のパラメータ群情報を、前記通信回線網を介して、前記画像形成装置が接続される前記管理装置の前記共有記憶装置へ一元化して蓄積する第1動作モードと、前記通信回線網により一元化された前記管理装置の前記共有記憶装置に蓄積したパラメータ群を、前記複数の画像形成装置のそれぞれの個別記憶部へ送出し、前記情報取得部で取得した情報及び前記指標値算出部で算出された指標値から前記画像形成システムの状態が正常であるか、異常であるかを判定する状態判定部により判断を行う第2動作モードであることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置システム。
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