JP2005189163A - 異常判定方法、異常判定装置及び画像形成装置 - Google Patents
異常判定方法、異常判定装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 互いに種類の異なる複数の情報からなる組情報についての正常値組合せの集合である正常組データ群を制御部1の情報記憶手段たるRAM1bやROM1cに記憶し、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる複数の情報からなる第2組情報という少なくとも2以上の組情報をRAM1b、ROM1c、各種センサ2、操作表示部3から取得し、且つ、判定手段たるCPU1aが、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めてカテゴリ毎の異常の判定に用いる。
【選択図】 図4
Description
また、請求項2の発明は、事物の情報を記憶する情報記憶手段と、事物の情報を取得する情報取得手段と、該情報記憶手段に記憶された記憶情報及び該情報取得手段による取得結果に基づいて被検対象の異常を判定する判定手段とを有する異常判定装置であって、種類の異なる複数の情報からなる正常組データ群を上記情報記憶手段に記憶し、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる複数の情報からなる第2組情報という少なくとも2以上の組情報を、上記情報取得手段によって取得し、且つ、上記判定手段が、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めて被検対象の異常の判定に用いるものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の異常判定装置であって、上記正常組データ群として、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての正常組データ群を記憶し、上記判定手段が、それぞれの組情報についての専用の正常組データ群を、全種情報についての正常組データ群の中から選択した正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の異常判定装置であって、上記判定手段が、各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビスの距離と、上記全種組情報についてのマハラノビスの距離とに基づいて被検対象の異常を判定するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れかの異常判定装置であって、上記情報取得手段として、通信回線を介して外部から送られてくる複数の情報を受信する受信手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の異常判定装置であって、通信回線を介して、上記判定手段による判定結果を外部に送信する送信手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の異常判定装置であって、複数の上記情報として、何れも画像形成装置に関する情報を取得して、該画像形成装置の異常を判定することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、記録体に画像を形成する画像形成手段と、画像形成装置内で発生する異常を判定する異常判定装置とを備える画像形成装置において、上記異常判定装置として、請求項2乃至4の何れかのものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記画像形成手段として、潜像担持体に形成した潜像を現像手段によってトナー像に現像し、これを転写手段によって上記記録体に転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項8又は9の画像形成装置であって、複数の上記情報の少なくとも何れか1つが、センサによる検出情報、画像形成装置の制御に用いられる制御パラメータ情報、上記潜像を形成するための画像情報、又は、現像後の上記トナー像に関する情報であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項8、9又は10の画像形成装置において、上記情報取得手段による取得結果に基づいて上記正常組データ群を構築する正常組データ群構築手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項8乃至11の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果を報知する報知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項8乃至12の何れかの画像形成装置において、通信回線を介して、上記異常判定装置による判定結果を外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項8乃至13の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の画像形成動作に制限を加える動作制限手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項8乃至14の何れかの画像形成装置において、上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の機能修復のための修復制御を行う修復制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、画像形成装置内で用紙搬送系に関連する複数の情報からなる組情報についてのマハラノビスの距離と、画像書込系に関連する複数の情報からなる組情報についてのマハラノビスの距離とを求めるなどといった具合に、少なくとも2以上の組情報についてのマハラノビスの距離を求める。そして、それぞれのマハラノビスの距離を評価することで、用紙搬送系、画像書込系などといった具合に、発生した異常をある程度のカテゴリに分類して特定することができる。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、本複写機を示す概略構成図である。この複写機において、プリンタ部100と給紙部200とからなる画像形成手段と、スキャナ部300と、原稿搬送部400とを備えている。スキャナ部300はプリンタ部100上に取り付けられ、そのスキャナ部300の上に原稿自動搬送装置(ADF)からなる原稿搬送部400が取り付けられている。
センシング情報としては、駆動関係、記録媒体の各種特性、現像剤特性、感光体特性、電子写真の各種プロセス状態、環境条件、記録物の各種特性などが取得する対象として考えられる。これらのセンシング情報の概要を説明すると、以下のようになる。
・感光体ドラムの回転速度をエンコーダーで検出したり、駆動モータの電流値を読み取ったり、駆動モータの温度を読み取る。
・同様にして、定着ローラ、紙搬送ローラ、駆動ローラなどの円筒状またはベルト状の回転する部品の駆動状態を検出する。
・駆動により発生する音を装置内部または外部に設置されたマイクロフォンで検出する。
・透過型または反射型の光センサ、あるいは接触タイプのセンサにより、搬送された紙の先端・後端の位置を読み取り、紙詰まりが発生したことを検出したり、紙の先端・後端の通過タイミングのずれや、送り方向と垂直な方向の変動を読み取る。
・同様に、複数のセンサ間の検出タイミングにより、紙の移動速度を求める。
・給紙時の給紙ローラと紙とのスリップを、ローラの回転数計測値と紙の移動量との比較で求める。
この情報は、画質やシート搬送の安定性に大きく影響する。この紙種の情報取得には以下のような方法がある。
・紙の厚みは、紙を二つのローラで挟み、ローラの相対的な位置変位を光学センサ等で検知したり、紙が進入してくることによって押し上げられる部材の移動量と同等の変位量を検知することによって求める。
・紙の表面粗さは、転写前の紙の表面にガイド等を接触させ、その接触によって生じる振動や摺動音等を検知する。
・紙の光沢は、規定された入射角で規定の開き角の光束を入射し、鏡面反射方向に反射する規定の開き角の光束をセンサで測定する。
・紙の剛性は、押圧された紙の変形量(湾曲量)を検知することにより求める。
・再生紙か否かの判断は、紙に紫外線を照射してその透過率を検出して行なう。
・裏紙か否かの判断は、LEDアレイ等の線状光源から光を照射し、転写面から反射した光をCCD等の固体撮像素子で検出して行なう。
・OHP用のシートか否かは、用紙に光を照射し、透過光と角度の異なる正反射光を検出して判断する。
・紙に含まれている水分量は、赤外線またはμ波の光の九州を測定することにより求める。
・カール量は光センサ、接触センサなどで検出する。
・紙の電気抵抗は、一対の電極(給紙ローラなど)を記録紙と接触させて直接測定したり、紙転写後の感光体や中間転写体の表面電位を測定して、その値から記録紙の抵抗値を推定する。
現像剤(トナー・キャリア)の装置内での特性は、電子写真プロセスの機能の根幹に影響するものである。そのため、システムの動作や出力にとって重要な因子となる。現像剤の情報を得ることは極めて重要である。この現像剤特性としては、例えば次のような項目が挙げられる。
・トナーについては、帯電量およびその分布、流動性・凝集度・嵩密度、電気抵抗、外添剤量、消費量または残量、流動性、トナー濃度(トナーとキャリアの混合比)を挙げることができる。
・キャリアについては、磁気特性、コート膜厚、スペント量などを挙げることができる。
・感光体上にテスト用潜像を形成し、予め決められた現像条件で現像して、形成されたトナー像の反射濃度(光反射率)を測定する。
・現像装置中に一対の電極を設け、印加電圧と電流の関係を測定する(抵抗、誘電率など)。
・現像装置中にコイルを設け、電圧電流特性を測定する(インダクタンス)。
・現像装置中にレベルセンサを設けて、現像剤容量を検出する。レベルセンサは光学式、静電容量式などがある。
感光体特性も現像剤特性と同じく、電子写真プロセスの機能と密接に関わる。この感光体特性の情報としては、感光体の膜厚、表面特性(摩擦係数、凹凸)、表面電位(各プロセス前後)、表面エネルギー、散乱光、温度、色、表面位置(フレ)、線速度、電位減衰速度、抵抗・静電容量、表面水分量などが挙げられる。このうち、画像形成装置の中では、次のような情報を検出できる。
・膜厚変化に伴う静電容量の変化を、帯電部材から感光体に流れる電流を検知し、同時に帯電部材への印加電圧と予め設定された感光体の誘電厚みに対する電圧電流特性と照合することにより、膜厚を求める。
・表面電位、温度は従来周知のセンサで求めることができる。
・線速度は感光体回転軸に取りつけられたエンコーダーなどで検出される。
・感光体表面からの散乱光は光センサで検出される。
電子写真方式によるトナー像形成は、周知のように、感光体の均一帯電、レーザー光などによる潜像形成(像露光)、電荷を持ったトナー(着色粒子)による現像、転写材へのトナー像の転写(カラーの場合は中間転写体または最終転写材である記録媒体での重ね合わせ、または現像時に感光体への重ね現像を行なう)、記録媒体へのトナー像の定着という順序で行なわれる。これらの各段階での様々な情報は、画像その他のシステムの出力に大きく影響を与える。これらを取得することがシステムの安定を評価する上で重要となる。この電子写真プロセス状態の情報取得の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
・帯電電位、露光部電位は従来公知の表面電位センサにより検出される。
・非接触帯電における帯電部材と感光体とのギャップは、ギャップを通過させた光の量を測定することにより検知する。
・帯電による電磁波は広帯域アンテナにより捉える。
・帯電による発生音
・露光強度
・露光光波長
・パイルハイト(トナー像の高さ)を、変位センサで縦方向から奥行きを、平行光のリニアセンサで横方向から遮光長を計測して求める。
・トナー帯電量を、ベタ部の静電潜像の電位、その潜像が現像された状態での電位を測定する電位センサにより測定し、同じ箇所の反射濃度センサから換算した付着量との比により求める。
・ドット揺らぎまたはチリを、ドットパターン画像を感光体上においては赤外光のエリアセンサ、中間転写体上においては各色に応じた波長のエリアセンサで検知し、適当な処理をすることにより求める。
・オフセット量(定着後)を、記録紙上と定着ローラ上の対応する場所をそれぞれ光学センサで読み取って、両者比較することにより求める。
・転写工程後(PD上,ベルト上)に光学センサを設置し,特定パターンの転写後の転写残パターンからの反射光量で転写残量を判断する。
・重ね合わせ時の色ムラを定着後の記録紙上を検知するフルカラーセンサで検知する。
・画像濃度、色は光学的に検知する(反射光、透過光のいずれでもよい。色によって投光波長を選択する)。濃度及び単色情報を得るには感光体上または中間転写体上でよいが、色ムラなど,色のコンビネーションを測るには紙上の必要がある。
・階調性は、階調レベルごとに感光体上に形成されたトナー像または転写体に転写されたトナー像の反射濃度を光学センサにより検出する。
・鮮鋭性は、スポット径の小さい単眼センサ、若しくは高解像度のラインセンサを用いて、ライン繰り返しパターンを現像または転写した画像を読み取ることにより求める。
・粒状性(ざらつき感)は、鮮鋭性の検出と同じ方法により、ハーフトーン画像を読み取り、ノイズ成分を算出することにより求める。
・レジストスキューは、レジスト後の主走査方向両端に光学センサを設け、レジストローラONタイミングと両センサの検知タイミングとの差異から求める。
・色ずれは、中間転写体または記録紙上の重ね合わせ画像のエッジ部を、単眼の小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサで検知する。
・バンディング(送り方向の濃度むら)は、記録紙上で小径スポットセンサ若しくは高解像度ラインセンサにより副走査方向の濃度ムラを測定し、特定周波数の信号量を計測する。
・光沢度(むら)は、均一画像が形成された記録紙を正反射式光学センサで検知するように設ける。
・かぶりは、感光体上、中間転写体上、または記録紙上において、比較的広範囲の領域を検知する光学センサで画像背景部を読み取る方法、または高解像度のエリアセンサで背景部のエリアごと画像情報を取得し、その画像に含まれるトナー粒子数を数えるという方法がある。
・像流れ・かすれなどは、感光体上、中間転写体、あるいは記録紙上でトナー像をエリアセンサにより検知し、取得した画像情報を画像処理して判定する。
・チリは記録紙上の画像を高解像度ラインセンサまたはエリアセンサで取り込み、パターン部の周辺に散っているトナー量を算定することにより求める。
・後端白抜け、ベタクロス白抜けは、感光体上、中間転写体、あるいは記録紙上で高解像度ラインセンサにより検知する。
・カール・波打ち・折れは、変位センサで検出する。折れの検出のためには記録紙の両端部分に近い所にセンサを設置することが有効である。
・コバ面の汚れやキズは、排紙トレイに縦に設けたエリアセンサにより,ある程度排紙が溜まった時のコバ面をエリアセンサで撮影,解析する。
・温度検出には、異種金属どうし或いは金属と半導体どうしを接合した接点に発生する熱起電力を信号として取り出す熱電対方式、金属或いは半導体の抵抗率が温度によって変化することを利用した抵抗率変化素子、また、或る種の結晶では温度が上昇したことにより結晶内の電荷の配置に偏りが生じ表面に電位発生する焦電型素子、更には、温度による磁気特性の変化を検出する熱磁気効果素子などが採用できる。
・湿度検出には、H2O或いはOH基の光吸収を測定する光学的測定法、水蒸気の吸着による材料の電気抵抗値変化を測定する湿度センサ等がある
・各種ガスは、基本的にはガスの吸着に伴う、酸化物半導体の電気抵抗の変化を測定することにより検出する。
・気流(方向、流速、ガス種)の検出には、光学的測定法等があるが、システムへの搭載を考慮するとより小型にできるエアブリッジ型フローセンサが特に有用である。
・気圧・圧力の検出には、感圧材料を使用する、メンブレンの機械的変位を測定する等の方法がある。振動の検出にも同様に方法が用いられる。
画像形成装置の動作は制御部によって決定されるため、制御部の入出力パラメータを直接利用することが有効である。
画像形成のために制御部が演算処理により出力する直接的なパラメータで、以下のような例がある。
・制御部によるプロセス条件の設定値で、例えば帯電電位、現像バイアス値、定着温度設定値など
・同じく、中間調処理やカラー補正などの各種画像処理パラメータの設定値
・制御部が装置の動作のために設定する各種のパラメータで、例えば紙搬送のタイミング、画像形成前の準備モードの実行時間など
・色数、枚数、画質指示など、ユーザーにより選択された各種操作の頻度
・ユーザーが選択した用紙サイズの頻度
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の総合消費電力あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)のトナー、感光体、紙の使用量あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
・全期間または特定期間単位(1日、1週間、1ヶ月など)の故障発生(種類別)の頻度あるいはその分布、変化量(微分)、累積値(積分)
ホストコンピュータから直接データとして送られる画像情報、あるいは原稿画像からスキャナーで読み取って画像処理をした後に得られる画像情報から、以下のような情報を取得することができる。
・着色画素累積数はGRB信号別の画像データを画素ごとにカウントすることにより求められる。
・例えば特許第2621879号の公報に記載されているような方法でオリジナル画像を文字・網点・写真・背景に分離し、文字部、ハーフトーン部などの比率を求めることができる。同様にして色文字の比率も求めることができる。
・着色画素の累積値を主走査方向で区切った領域別にカウントすることにより、主走査方向のトナー消費分布が求められる。
・画像サイズは制御部が発生する画像サイズ信号または画像データでの着色画素の分布により求められる。
・文字の種類(大きさ、フォント)は文字の属性データから求められる。
(1)温度
本複写機は、温度の情報を取得する温度センサとして、原理及び構造が簡単でしかも超小型にできる抵抗変化素子を用いるものを備えている。図5は、この温度センサにおける薄膜タイプの抵抗変化素子を示す斜視図である。この抵抗変化素子は次のように製造することができる。まず基板501上に絶縁膜502を形成し、その上に金属或いは半導体材料からなる薄膜状の感知部503を設けている。更に、感知部503の両端にパッド電極504を設け、最後にリード線505を接続する。この抵抗変化素子においては、周囲の温度が変化するとそれに伴って感知部503の電気抵抗が変化するので、その変化を電圧或いは電流変化として取り出せばよい。感知部503が薄膜であるため、素子全体が小型にできシステムに組み込みやすい。
小型にできる湿度センサが有用である。基本原理は感湿性セラミックスに水蒸気が吸着すると、吸着水によりイオン伝導が増加しセラミックスの電気抵抗が低下することによる。感湿性セラミックスの材料は多孔質材料であり、一般的にはアルミナ系、アパタイト系、ZrO2−MgO系などが使用される。図7は本複写機に搭載されている湿度センサを示す斜視図である。絶縁基板511上に櫛形電極512を設けその両端に端子513を接続する。更に感湿層514(一般的には感湿性セラミックス)を設け全体をケース515でカバーしてある。ケース515を介して水蒸気が感湿性セラミックスに吸着すると、電気抵抗が減少するので、それを電圧或いは電流変化として計測すればよい。
振動センサは、基本的には気圧及び圧力を測定するセンサと同じであり、システムへの搭載を考慮すると超小型にできるシリコン利用のセンサが特に有用である。薄いシリコンのダイアフラム上に作製した振動子の運動を、振動子と対向して設けられた対向電極間との容量変化を計測する、或いはSiダイアフラム自体のピエゾ抵抗効果を利用して計測することができる。図8は本複写機に搭載されている振動センサを示す断面図である。絶縁基板521の上に対向電極522を設ける。次に、シリコン基板523に薄いダイアフラム524及び振動子525を設け、更に対向電極522との間隔を保持する段差部526を形成し、先に作製した対向電極522を有する基板521と接合する。この状態で周囲から振動或いは圧力が加わると、それに伴って振動子525が振動し、それを対向電極522との間の容量変化として測定すればよい。
各色ごとにトナー濃度を検出する。トナー濃度センサとしては従来より公知の方式のものを用いることができる。例えば、特開平6−289717号公報に記載されているような現像装置中の現像剤の透磁率の変化を測定するセンシングシステムにより、トナー濃度を検出することができる。図9は、本複写機に搭載されたトナー濃度センサの濃度検出部を示す概略構成図である。例えば、磁性キャリアと非磁性トナーを混合してなる現像剤531の近傍に配置された検知コイル532には基準コイル533が差動的に接続されている。検知コイル532はトナー濃度(直接的には磁性キャリア)の増減による透磁率変化に対してインダクタンスが変動し、これに対して基準コイル533のインダクタンスはトナー濃度の変化に対して影響を受けないようになっている。そして、上記2つのコイル532、533の直列回路には、例えば500[kHz]にて発振駆動する交流駆動源534が接続されており、上記両コイル532、533を駆動するようになっている。これら両コイル532、533の接続点からは差動出力が取り出され、その出力は位相比較器535へ接続されるとともに、この位相比較器535には上記交流駆動源534の一方の出力が別途接続されており、これら駆動源534からの電圧と差動出力電圧との位相を比較するように構成される。そして、上記2つのコイル、すなわち検知コイル532と基準コイル533の少なくともいずれか一方、図示例にあっては検知コイル532に感度設定用抵抗536(R1)が並列に接続されており、トナー濃度の変化に対する感度を鈍化させて感度特性を制御し得るように構成されている。この両コイルの組立図は図14に示されており、両コイル532、533は、筒状のコイル支持体537に図中上下方向に隣り合って巻回されており、現像剤531に近い側には透誘率の変化を検知するために検知コイル532が位置され、遠い側はトナー濃度が変化しても透磁率が変化しないように基準コイル533が配置されている。
各色用の感光体(40K,Y,M,C)について、それぞれ一様帯電電位を検出する。図10は、本複写機に搭載された電位測定システムを示す概略構成図である。同図において、符号541は対象物(図示せず)に対向して取り付けられるセンサ部基板を示している。符号542はセンサ部基板1に対し、ドライブ信号を送り、センサ出力を受ける信号処理部基板を示している。センサ部基板1内には、チョッピング手段である音さ543と、圧電素子544とが設けられている。信号処理部基板542からのドライブ信号によってこの圧電素子544が駆動される。この電位測定システムでは一方の圧電素子544をドライブするとそれによる振動が音さ543を通してもう一方の圧電素子544aに伝わり、それがドライブ元に戻るというループによる自励発振方式を用いている。符号545は、対象物からの電気力線を受ける測定電極(以下電極という)をである。符号546は、電極545によって受信された電気力線Sの時間変化量を増幅する増幅器を示している。信号処理部基板542内には、圧電素子ドライブ回路547、フィルタ548及び圧電素子ドライブ回路549を備えている。フィルタ548は波形を整形する。移相回路549は、センサに混入するドライブ信号と実際のドライブ信号の位相差を180度ずらせ、打消し合わせられるようにする目的をもっている。2つの信号の位相差は混入経路によって異なってくるのが一般的である。アッテネータ550は、位相調整された補正信号の大きさを調整する役割を有する。加算回路551は補正信号とセンサ出力を加算する。処理回路552は最終的な信号出力を処理し、対象物の電位を求める。符号553,554はそれぞれ移相回路およびアッテネータの調整用ボリュームを示している。かかる構成において、移相量,アッテネータゲインを調整し最適化することにより、ドライブ信号に基づいた混入信号に対し、逆位相,同レベルの信号を補正信号として加算することができ、実際には真の対象物に基づくセンサ出力のみが検出可能となる。また、調整手段を設けたことによって、調整により経年変化に伴う特性変化にも対応することができ、センサとしての信頼性が向上する。
光書込後の感光体(40K,Y,M,C)の表面電位を、(5)と同様にして検出する。
入力画像情報から、着色しようとする画素の累計値と全画素の累計値の比から着色面積率を色ごとに求め、これを利用する。
感光体(40K,Y,M,C)上で現像された各色トナー像における単位面積あたりのトナー付着量を、反射型フォトセンサによる光反射率に基づいて求める。反射型フォトセンサは対象物にLED光を照射し、反射光を受光素子で検出するものである。トナー付着量と光反射率とには相関関係が成立するため、光反射率に基づいてトナー付着量を求めることができる。
給紙部(200)の給紙ローラから2次転写ニップに至る給紙経路のどこかに、転写紙をその搬送方向に直交する方向の両端で検知する光センサ対を設置し、搬送されてくる転写紙の先端付近の両端を検出する。両光センサについて、給紙ローラの駆動信号の発信時を基準として、通過までの時間を計測し、時間のズレに基づいて送り方向に対する転写紙の傾きを求める。
排出ローラ対(図1の56)を通過後の転写紙を光センサで検出する。この場合も給紙ローラの駆動信号の発信時を基準として計測する。
感光体(40K,Y,M,C)からアースに流れ出る電流を検出する。感光体の基板と接地端子との間に、電流測定手段を設けることで、かかる電流を検出することができる。
感光体の駆動源(モータ)が駆動中に費やす駆動電力(電流×電圧)を電流計や電圧計などによって検出する。
本複写機は、情報取得手段によって取得した複数種類の情報からなる組情報に基づいて、MTS法によるマハラノビスの距離を求めて、装置内に異常が発生しているか否かを判定するようになっている。そして、かかる判定を実現すべく、予め取得された正常組データ群の逆行列を制御部1のROM1c内に記憶している。また、CPU1aが、この逆行列に基づいて、情報取得手段によって取得した各種情報の全て又は一部の組合せからなる組情報について異常であるか否かを判定し、結果に応じて操作表示部3に故障発生注意情報を表示させるようになっている。即ち、本複写機においては、制御部1が、被検対象たる複写機の異常を判定する判定手段として機能しているのである。なお、故障発生注意情報をユーザーに報知する報知手段として、操作表示部3による表示方式の他に、音、印字、ランプ表示等による報知方式を採用したものを用いてもよい。
マハラノビス距離Dが閾値異常になったり、マハラノビス距離Dの経時的な増加率が大きくなったりしたときなどに、装置を強制的に作動できなくして、ユーザーに対してメンテナンスを要求する。
(b−1)色モードの変更
(b−2)記録速度の変更
(b−3)画像の中間調部の線数の変更
(b−4)中間調処理方法の変更
(b−5)使用する紙種の制限
(b−6)レジスト制御のパラメータ変更
(b−7)画像形成プロセスのパラメータ(一様帯電電位、露光量、現像バイアス、転写バイアス等)の変更
マハラノビス距離Dの算出結果に基づいて、自動的に補給や交換を行なわせるようにする。
1b RAM(情報記憶手段、情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
1c ROM(情報記憶手段、情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
2 各種センサ(情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
3 操作表示部(情報取得手段の一部、異常判定装置の一部)
20 中間転写ベルト(転写手段の一部)
22 2次転写装置(転写手段の一部)
40K,Y,M,C 潜像担持体
61 現像ユニット(現像手段)
62 1次転写ローラ(転写手段の一部)
Claims (15)
- 事物の情報を情報記憶手段に記憶する情報記憶工程と、事物の情報を情報取得手段に取得する情報取得工程と、該情報記憶手段の記憶情報及び該情報取得手段の取得情報に基づいて被検対象の異常を判定する判定工程とを実施する異常判定方法において、
上記情報記憶工程にて、種類の異なる複数の情報からなる組情報についての正常値組合せの集合である正常組データ群を上記情報記憶手段に記憶し、上記情報取得工程にて、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる第2組情報という少なくとも2以上の組情報を、上記情報取得手段によって取得し、且つ、上記判定工程にて、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めて被検対象の異常の判定に用いることを特徴とする異常判定方法。 - 事物の情報を記憶する情報記憶手段と、事物の情報を取得する情報取得手段と、該情報記憶手段に記憶された記憶情報及び該情報取得手段による取得結果に基づいて被検対象の異常を判定する判定手段とを有する異常判定装置であって、
種類の異なる複数の情報からなる組情報についての正常値組合せの集合である正常組データ群を上記情報記憶手段に記憶し、種類の異なる複数の情報からなる第1組情報、及びこれとは組合せが異なる複数の情報からなる第2組情報という少なくとも2以上の組情報を、上記情報取得手段によって取得し、且つ、上記判定手段が、上記正常組データ群と、各組情報の取得結果とに基づいて、各組情報についてのマハラノビスの距離をそれぞれ求めて被検対象の異常の判定に用いるものであることを特徴とする異常判定装置。 - 請求項2の異常判定装置であって、
上記正常組データ群として、少なくとも各組情報に含まれる全種類の情報からなる全種組情報についての正常組データ群を記憶し、上記判定手段が、それぞれの組情報についての専用の正常組データ群を、全種情報についての正常組データ群の中から選択した正常値の組合せに基づいてそれぞれ構築するものであることを特徴とする異常判定装置。 - 請求項3の異常判定装置であって、
上記判定手段が、各組情報にそれぞれ個別に対応する複数のマハラノビスの距離と、上記全種組情報についてのマハラノビスの距離とに基づいて被検対象の異常を判定するものであることを特徴とする異常判定装置。 - 請求項2乃至4の何れかの異常判定装置であって、
上記情報取得手段として、通信回線を介して外部から送られてくる複数の情報を受信する受信手段を有することを特徴とする異常判定装置。 - 請求項5の異常判定装置であって、
通信回線を介して、上記判定手段による判定結果を外部に送信する送信手段を備えることを特徴とする異常判定装置。 - 請求項5又は6の異常判定装置であって、
複数の上記情報として、何れも画像形成装置に関する情報を取得して、該画像形成装置の異常を判定することを特徴とする異常判定装置。 - 記録体に画像を形成する画像形成手段と、画像形成装置内で発生する異常を判定する異常判定装置とを備える画像形成装置において、
上記異常判定装置として、請求項2乃至4の何れかのものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8の画像形成装置において、
上記画像形成手段として、潜像担持体に形成した潜像を現像手段によってトナー像に現像し、これを転写手段によって上記記録体に転写するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は9の画像形成装置であって、
複数の上記情報の少なくとも何れか1つが、センサによる検出情報、画像形成装置の制御に用いられる制御パラメータ情報、上記潜像を形成するための画像情報、又は、現像後の上記トナー像に関する情報であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8、9又は10の画像形成装置において、
上記情報取得手段による取得結果に基づいて上記正常組データ群を構築する正常組データ群構築手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至11の何れかの画像形成装置において、
上記異常判定装置による判定結果を報知する報知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至12の何れかの画像形成装置において、
通信回線を介して、上記異常判定装置による判定結果を外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至13の何れかの画像形成装置において、
上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の画像形成動作に制限を加える動作制限手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至14の何れかの画像形成装置において、
上記異常判定装置による判定結果に基づいて上記画像形成手段の機能修復のための修復制御を行う修復制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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