JP4249363B2 - イベント型テストシステムにおけるデータメモリ圧縮 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体デバイスをテストするためのイベント型半導体テストシステムに関する。特に本発明は、イベント型テストシステムにおいてイベントデータを格納するために用いるデータメモリの圧縮技術、およびイベントのそれぞれのタイミングが直前イベントからの時間差異で定められ、被試験半導体デバイスを評価するために使用する各種のタイミングのイベントを生成するためのイベント型半導体テストシステムにおけるデータ圧縮技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体テストシステムによって、ICテスタのような半導体ICデバイスをテストする場合には、被試験半導体デバイスには、あらかじめ定めたテストタイミングで適切なピンにテスト信号を供給する。そしてICテスタは、被試験デバイスからテスト信号に応答して生成された出力信号を受信する。その出力信号をストローブし、すなわちストローブ信号で特定のタイミングまたは遅延時間でサンプルをとり、被試験デバイスが正常に機能しているかを検証するために、期待値データと比較する。
【0003】
伝統的な半導体テストシステムでは、テスト信号やストローブ信号等のタイミングは、半導体テストシステムのテスタレートあるいはテスタサイクルに基づいて定められる。サイクル型テストシステムでは、所望のテスト波形(テスト信号)やストローブ信号を生成するために、フォーマッタにプログラムされたデータレート(テスターサイクル)でピンパターンベクターを供給することによって、半導体デバイス(DUT)がテストされる。
【0004】
一般に、テスターサイクル、テスト信号、ストローブ信号等の各種のタイミングは、基準クロックに基づいて生成される。基準クロック(システムクロックまたはマスタークロックとも呼ばれる)は、例えばICテスタに備えられたクリスタルオシレータ(水晶発振器)のような、高安定オシレータによって生成する。ICテスタの必要なタイミングリゾルーション(精度)が、最高のクロックレート(最短のクロックサイクル)に等しいか、あるいはその整数倍である場合には、カウンタかデバイダ(分周器)によって基準クロックを単に分割し、その分割された信号を基準クロックにより同期をとることによって、タイミング信号を生成することが出来る。
【0005】
しかし、ICテスタは多くの場合、基準(システム)クロックの最高のクロックレート、すなわち最短の時間周期(タイムピリオド)よりタイミング精度(リゾルーション)が高い必要がある。例えば、市場で入手できる基準クロックが10ns(ナノセカンド)である場合であっても、ICテスタは0.1nsのタイミング精度が必要なことがある。そのうえ、ICテスタはサイクルごとに、そのような様々なタイミングをダイナミックに変更する。
【0006】
基準クロックレートより高いタイミング精度でタイミング信号を生成するには、そのようなタイミングはテストプログラムのタイミングデータに記述して行うことが従来より知られている。タイミングデータは、基準クロックの時間間隔(タイムインターバル)の整数倍データと基準クロックの1の時間間隔の端数データとの組み合わせとなっている。そのようなタイミングデータはタイミングメモリーに格納され、テストサイクルのそれぞれのサイクルで読み出される。従って、それぞれのテストサイクルでは、テスト信号やストローブ信号は、テストサイクルにおける例えばそれぞれのサイクルの開始点を基準として、タイミングデータに基づき生成される。
【0007】
また、イベント型テストシステムとよばれる他の種類のテストシステムがあり、このテストシステムでは、テスト信号とストローブ信号はイベントメモリからのデータに基づき、各ピン毎(パーピン)に直接的に生成される。現在のところ、イベント型テストシステムは市場に実現されておらず、実験段階である。イベント型テストシステムでは、各イベントは、基準時間点からの時間長として定義される。ここでイベントとは、テスト信号やストローブ信号における如何なるロジック状態の変化、すなわち立ち上がりや立ち下がりをいう。一般に、そのような基準時間点は、第1図の例に示すように、直前のイベントのタイミングである。高いタイミング精度を生成するために、イベント間の時間長は、基準クロックの時間間隔の整数倍データと基準クロックの時間間隔の端数データとの組み合わせにより定められる。
【0008】
第1図の例では、最初のイベント(ロジックの変化)は、開始時間からT0時間後のポイントaで生ずる。説明の便宜のために、最初のイベントをT0と表示する。第2のイベント(以後イベントT1という)は、ポイントaからT1時間後のポイントbで起こる。このようにして、イベントT0ーT10が、第1図の例に示されている。
【0009】
イベント型テストシステムでは、タイミングメモリ(イベントメモリ)に格納するタイミングデータは、それぞれ全てのテストサイクルデータを含む必要がないので、テスト信号やストローブ信号を形成するためのデータ処理が単純になり、またそれぞれの信号形成がピン毎に独立して実行することが容易になる。イベント型テストシステムでは、イベントメモリに蓄積されたそれぞれのイベント用のタイミングデータは、現在イベントと直前イベント間の時間差(デルタタイム)で表現される。そのようなイベント間の時間差は通常微少なので、イベントメモリ内のデータのサイズも小さく、その結果イベントメモリの容量も大きくなくてよい。
【0010】
LSIやVLSIのような半導体デバイスをデザインするのに広く使用されているコンピュータ支援デザイン(CAD)システムでは、CADシステムにおけるロジックシミュレータのほとんどが、その設計した半導体デバイスを評価するために、イベント型テスト信号を使用する。したがって、イベント型テストシステムは、設計段階でのCADシステムにより得られたデザインデータを直接的にリンクしてテスト信号を作成することを可能にする。
【0011】
複雑で高性能な半導体デバイスをテストするためのイベント型テスト信号を発生するためには、大容量のイベントデータをイベントメモリに格納する必要がある。従って、イベントメモリにデータを格納するにあたり、イベントデータを圧縮(コンプレッション)する方法と、そのデータを用いてイベント型テスト信号を生成ために、イベントメモリからのデータを復元伸張する(デコンプレッション)方法を確立する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、被試験デバイスを評価するために使用する各種のタイミングのイベントを形成するためのイベントデータを格納するイベント型半導体テストシステムに用いるデータメモリ圧縮技術を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、被試験デバイスを評価するために使用する各種のタイミングのイベントを形成するためのイベントデータを格納するイベント型半導体テストシステムに用いるデータメモリ圧縮技術であって、そのタイミングは直前のイベントからの時間長で定められるイベント型半導体テストシステム用のデータメモリ圧縮技術を提供することにある。
【0014】
また、本発明のさらに他の目的は、被試験デバイスを評価するために使用する各種のタイミングのイベントベースのテスト信号を発生するために、イベントメモリから読み出された圧縮されたイベントデータからタイミングデータを再生するための復元伸張(デコンプレッション)技術を提供することにある。
【0015】
また、本発明のさらに他の目的は、イベントのぞれぞれのタイミングデータが、直前のイベントからの時間差で定義されるイベント型半導体テストシステムを提供することにある。
【0016】
また、本発明のさらに他の目的は、直前イベントからの時間差が、基準クロック周期の整数倍データと基準クロック周期の端数データとの組み合わせにより規定されたイベント情報に基づいて、テスト信号やストローブを生成するイベント型半導体テストシステムを提供することにある。
【0017】
また、本発明のさらに他の目的は、イベントメモリのタイミングデータを直接的に使用してテスト信号やストローブを形成するイベント型半導体テストシステムを提供することにある。
【0018】
また、本発明のさらに他の目的は、小容量のイベントメモリーに蓄えたタイミングデータを使用してテスト信号やストローブを形成できるイベント型半導体テストシステムを提供することにある。
【0019】
また、本発明のさらに他の目的は、テスト信号やストローブを形成するために、被試験半導体デバイスのデザイン段階にてCADシステムで生成したデータを直接的に用いることが出来るイベント型半導体テストシステムを生成することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被試験半導体デバイス(DUT)の試験に使用する各種のタイミングのイベントを生成するためのイベントデータを格納するイベント型半導体テストシステムのためのデータメモリ圧縮技術である。本発明のデータ圧縮技術は:
【0021】
基準クロック周期(インテグラル部データ)の整数倍である各イベントのクロックカウントデータを格納するためのクロックカウントメモリであって、そのクロックカウントデータはインテグラル(整数)部データに応じて1またはそれ以上のデータワードで形成され、少なくとも1のデータワードは次のデータワードが必要であるか否かをあらわすフラッグと、現在イベントに付随するバーニア(端数)データ数を現すデータと、インテグラル部の1部のデータとを有し、
基準クロック周期の端数データである各イベントのバーニア(端数)データを格納するためのバーニアメモリであって、同一のメモリ位置に2またはそれ以上のバーニアデータを格納し、
上記クロックカウントデータとバーニアデータを読み出すために、上記クロックカウントメモリとバーニアデータメモリをアクセスするためのアドレスデータを生成するアドレスシーケンサと、
それぞれのイベントに対応して、上記クロックカウントメモリからクロックカウントデータを再生し、上記バーニアデータメモリからバーニアデータを再生するデコンプレッサー(復元伸張器)と、により構成される。
【0022】
また、本発明の別の態様においては、イベント型テストシステムは上述の構成に加えてさらに:
【0023】
デコンプレッサー(復元伸張器)からのクロックカウントデータとバーニアデータに基づいて、各イベントについて、あらかじめ定めた基準時点からのそれぞれの総合的遅延時間を生成するためのイベントプロセス・コントローラと、
被試験デバイス(DUT)をテストするためのテスト信号を生成するために、上記総合的遅延時間に基づいて、それぞれのイベントを生成するファイン(微少)遅延コントローラと、を有する。
【0024】
また、本発明のさらに別の態様において、デコンプレサー(復元伸張器)は、クロックカウントメモリからクロックカウントデータをロードし、基準クロックによりクロックカウントデータをダウンカウントするためのカウンタと、クロックカウントデータを評価し、クロックカウントデータをロードしたり基準クロックをカウントするカウンタの動作をコントロールするためのクロックカウント・ステートマシンと、バーニアデータメモリからパラレル方式で2つ以上のイベントについてのバーニアデータを格納し、イベントプロセスコントローラにシリアル方式でそのバーニアデータを送るためにバーニアデータを選択する格納・選択回路と、上記クロックカウント・ステートマシンから受け取った指示に基づき、その格納・選択回路の動作の制御をするためのバーニアコントロール・ステートマシンと、により構成されている。
【0025】
本発明によれば、イベント型半導体テストシステムは、イベントデータをイベントメモリに圧縮して格納することができ、メモリサイズを減少させる。また被試験半導体デバイスを評価するために用いる各種のタイミングのイベントを形成するために圧縮したイベントデータを伸張復元することができる。本発明のイベント型テストシステムにおいては、イベントメモリは基準クロック周期の整数倍データとしてのタイミングデータを格納するクロックカウントメモリと基準クロック周期の端数データでタイミングデータを格納するバーニアデータメモリとにより構成される。それぞれのイベントのタイミングデータは、直前イベントからの時間差で定義されている。本発明のハードウェア・デコンプレッサーは、被試験半導体デバイスを評価する為のイベント型テスト信号を発生するためにイベントメモリから読み出された圧縮されたイベントタイミングデータに基づいてイベントタイミングデータを再生することを可能にする。本発明の圧縮技術によって、メモリサイズの大幅な縮小化が達成できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
第1図のタイミングチャートを示す。イベントT0ーT10のそれぞれは、コース(粗)タイミングデータとファイン(微少)タイミングデータの組み合わせで定義されている。各コースタイミングデータは、該当するイベントにおける基準クロック周期の整数倍データをあらわし、各ファインタイミングデータは該当するイベントにおける基準クロック周期の端数データをあらわしている。本発明において”基準クロック”という語は、”マスタークロック”または”システムクロック”と同義にも用いる。
【0027】
第2図は、イベントメモリに第1図のイベントT0ーT10用のタイミングデータを格納するためのデータテーブルを示す。イベントメモリは、例えばクロックカウントメモリとバーニア(端数)データメモリの2つに分かれている。コースタイミングデータはクロックカウントメモリに格納され、ファインタイミングデータはバーニアデータメモリに格納される。すなわち、クロックカウントメモリに格納されたデータ値は、基準クロック周期の0からNまでのどの値でもよく、このときのNは、テストシステムがサポートする基準クロック周期数の最大数である。
【0028】
例えば、本発明の譲受人により開発中のイベント型テストシステムでは、クロックカウントは134217728クロック周期数までサポートする。これは、クロックカウントメモリの各記憶位置において全部で27データビットを必要とする。したがって、この場合のクロックカウントメモリの全体サイズは、27ビットにMを掛けたものであり、このときのMはテストシステム内のベクター数(テストパターン長)である。
【0029】
上述したように、バーニアデータメモリは、基準クロック周期の端数データを示す微少遅延(タイミング)データを蓄積する。従って、このデータは1つの基準(システム、マスター)クロック信号周期より小さい。バーニアメモリのビット数は、1の基準クロック周期全部カバーするのに十分な大きさである必要があるが、それはテストシステムのサポートするファイン(微少)ステップ遅延に応じて異なる。例えば、基準クロック周期がが32nsのとき、0.5ns程の微少なタイミング精度(リゾルーション)をサポートするテストシステムでは、バーニアデータメモリは少なくとも6ビット必要である。イベントメモリはさらにイベントタイプを定義する情報も格納する必要があるので、そのような情報はバーニアメモリに格納すると想定する。ここで、イベントタイプとは、高レベル、低レベル、高インピーダンスのようなテスト信号の指定をあらわし、これは例えば4データビットである。よって、上の例では10ビットとなり、バーニアデータメモリの全体のメモリサイズは、10ビット掛けるMベクターとなる。
【0030】
テストベクターのサイズは数メガバイトから数十メガバイトのように大きいので、第2図のテーブルに示すような方法でタイミングデータをイベントメモリに蓄積すると、イベントメモリの全体のサイズが大きくなる。このテーブルでは、イベントT0ーT10のそれぞれについて、コース(粗)タイミング(クロックカウント)データは、27ビット幅を有するクロックカウントメモリに格納され、ファイン(微少)タイミングデータは10ビット幅を有するバーニアデータメモリに格納される。上述したように、テストベクタは大きなサイズとなっているので、第2図のイベントメモリも大きなメモリ容量を必要とする。例えば、イベントT0ーT10のクロックカウントデータを記述するためのビット数は297であり、イベントT0ーT10のバーニアデータに使用するビット数は110であり、したがって、全体としては407ビットとなる。
【0031】
第3図は、タイミングデータに関して圧縮技術と伸張復元技術を使用した本発明のイベント型テストシステムの構成例を示すブロック図である。このイベント型テストシステムは、システムバス14に接続されたホストコンピュータ12とバスインターフェイス13、インターナルバス15、アドレスシーケンサ18、フェイルメモリ17、クロックカウントメモリ20とバーニアデータメモリ21とにより構成されたイベントメモリ、デコンプレッサー(伸張復元器)22、イベントプロセス・コントローラ23、ファイン(微少)遅延コントローラ24、およびピンエレクトロニクス26を有している。このイベント型テストシステムは、被試験半導体デバイス(DUT)28を評価するもので、それらデバイスは一般にメモりICまたはマイクロプロセッサICであり、ピンエレクトロニクス26に接続する。
【0032】
ホストコンピュータ12の例としては、UNIXオペレーティングシステムを搭載したワークステーションである。ホストコンピュータ12は、テスト動作の開始と停止、テストプログラムや他のテストコンディション(条件)のロード、ホストコンピュータによるテスト結果解析を行うためのユーザインターフェイスとして機能する。ホストコンピュータ12は、システムバス14とバスインターフェイス13とを介してハードウェア・テストシステムとインターフェイスする。図には無いが、ホストコンピュータ12は、好ましくは他のテストシステムかコンピュータネットワークからテスト情報を受信送信するためにコミュニケーション・ネットワーク(通信回線)に接続する。
【0033】
インターナルバス15は、ハードウェアテストシステム内のバスであり、アドレスシーケンサ18、ファイルメモリ17、デコンプレッサー(伸張復元器)22、イベントプロセスコントローラ23、ファイン遅延コントローラ24のような、ほとんどの機能ブロックに接続している。アドレスシーケンサ18の例は、ハードウェア・テストシステム専用のテスタプロセサであり、一般にユーザがアクセスすることは出来ない。アドレスシーケンサ18は、ホストコンピュータ12からのテストプログラムとテスト条件に基づき、テストシステム内の他の機能ブロックにインストラクションを供給する。フェイルメモリ17は、例えばDUT28のフェイル情報のようなテスト結果を、アドレスシーケンサ18の定めるアドレスに格納する。フェイルメモリ17に格納された情報は、被試験デバイスのフェイル解析において使用される。
【0034】
アドレスシーケンサ18のジョブの1つは、第3図に示すように、クロックカウントメモリ20やバーニアデータメモリ21で構成されるイベントメモリにアドレスデータを供給することである。実際のテストシステムでは、クロックカウントメモリとバーニアデータメモリの対が複数個用いられ、それぞれがテストシステムのテスターピンに対応している構成とすることもある。クロックカウントメモリ20とバーニアデータメモリ21は、テスト信号やストローブ信号を形成する各イベント用のタイミングデータを格納する。クロックカウントメモリ20とバーニアデータメモリ21に格納されたタイミングデータは、後述するように圧縮されている。
【0035】
第2図のテーブルを参照して説明したように、クロックカウントメモリ20は、基準クロック周期の整数倍である圧縮したコース(粗)タイミングデータを格納し、バーニアデータメモリ21は、基準クロック周期の端数であるファイン(微少)タイミングデータを格納する。本発明では、それぞれのイベントのタイミングデータは、第1図の波形に示すように、直前のイベントからの時間差で示されている。
【0036】
デコンプレッサー(復元伸張器)22は、クロックカウントメモリ20とバーニアデータメモリ21からの圧縮されたデータからタイミングデータを再生するものである。デコンプレッサー22の詳細は第11図のブロック図に示されており後述する。イベントプロセス・コントローラ23は、デコンプレッサー22からの復元伸張されたタイミングデータに基づいて、総合的タイミングデータを作成するものである。基本的に、そのような総合的タイミングデータは、整数倍データと端数データを合計することで作成する。タイミングデータを合計する過程で、端数データのキャリーオーバー(繰り上げ)の動作が、イベントプロセス・コントローラ23により行われる。
【0037】
ファイン(微少)遅延コントローラ24は、イベントプロセス・コントローラ23からの総合的タイミングデータに基づいて、イベントを実際に生成するものである。ファイン遅延コントローラ24は、総合的タイミングデータ中のバーニア(端数)値に基づいて選択される遅延エレメント(素子)を複数有して成る。このようにして生成したイベント(テスト信号やストローブ信号)は、ピンエレクトロニクス26を介してDUT28に供給される。基本的に、ピンエレクトロニクス26は、多数のドライバー、コンパレータおよびスィッチ等の回路部品で構成されており、各回路部品は、DUT28に対して入力と出力の関係を確立するように機能する。
【0038】
本発明のタイミングデータ圧縮技術の例を第4図−第10図に示す。この例におけるデータは、第1図のイベントT0ーT10に対応している。第4図は、タイミングデータ圧縮の第1の例を示している。基準クロック周期(ピリオド)の1個以下を必要とするイベントについては、コース(粗)タイミング(クロックカウント)データはゼロである。例えば、第1図のイベントT3、T5、T6、T8、T9、T10はそれぞれ、基準クロックピリオドより小さいと想定している。したがって、これらのイベントについてファイン(微少)タイミング(バーニア)データをバーニアデータメモリ21内にまとめて格納し、これらのイベント用にはクロックカウントメモリ20のメモリ領域を割り当てないことにより、クロックカウントメモリ20のメモリサイズを減少することができる。
【0039】
第4図の例では、バーニアデータメモリ21はクロックカウントメモリのメモリ領域に対応する位置ごとに4個のバーニアデータを格納している。従って、バーニアデータメモリ21は40ビットの幅を有している。換言すれば、クロックカウントメモリ20のサイズは減少するが、バーニアデータメモリ21のサイズは増加する。このアプローチは、テストベクターが1基準クロック周期より少ないイベントを多く有するときに便利である。また、2つ以上のイベントのバーニアデータを組み合わせることで、テストシステムがシステムクロック周波数よりも高速の周波数で機能できる。これは、イベントメモリの各アクセス(システムクロック)について、2つ以上のイベントが、バーニアデータに基づいて同時に生成されるためである。
【0040】
タイミングデータ圧縮のさらに改良した実施例を第5図−第8図に示したクロックカウントメモリ20のデータ構造を参照して説明する。上の例に示したように、それぞれのクロックカウントメモリのデータ格納位置は、2つのイベント間の最大の時間相異に対処するように、27データビットで構成している。しかし、実際は多くの場合、隣接する2つのイベントの時間相異は、想定した最大時間差異より遙かに小さい。そのような場合は、クロックカウントメモリ20の上位データビットは”0”の値となっている。
【0041】
上述したようなクロックカウントデータ用に多数のデータビットを必要としないイベントを多く含むテストベクター用には、第5図−第8図の圧縮技術をクロックカウントメモリに用いることが有利である。すなわちメモリ容量を節約する為に圧縮技術を用い、クロックカウントメモリには、クロックカウントデータの高次ゼロビットはロードされないようにする。この方法では、クロックカウントデータが均等な複数のデータワードに分割される。例えば、27ビット幅を4つのフィールド(データワード)に分けて、ゼロではない低位のデータワードのみを格納することで達せられる。
【0042】
第5図にクロックカウントメモリのデータワードの例が示されており、8ビットで構成されている。このデータワードは、2つのイベント間のインテグラル(整数)クロック数(クロックカウントデータ)についてタイミング情報とトリガーされるべきバーニア(端数)データ数とをあらわしている。デコンプレッション(復元伸張)動作について第11図を参照に説明するように、クロックカウントデータはイベントスタート信号を生成するために使用され、バーニアデータはイベントスタート信号に微少遅延を加えるために使用される。
【0043】
第5図のデータワード構成例では、クロックカウントデータには0ー4ビットが割り当てられており、バーニアデータには5ー6ビットが割り当てられている。このデータワードは、該当するイベントを生成するためには、次のデータワードが必要であるかどうかを示すためのフラッグビットを含んでいる。第5図の例では、最後のビット(#7)、すなわち最上位ビット(MSB)が、次のデータワードが必要かを示すためのフラッグである。もしそのフラッグが”1”を示しているなら、タイミングデータは完全であり、次のデータワードは不要であることを示す。第5図のデータワードでは、クロックカウントデータとして5ビットが割り当てられているので、1から31までのクロックカウント値を表現できる。
【0044】
第6図(A)と第6図(B)の概念図には、本発明による2つのデータワード構成の例が示されており、2つのデータワードは、第1ワードの”ワード0”と第2ワードの”ワード1”により構成されている。第6図(A)に示した第1のワードの”ワード0”は、クロックカウントデータを記述するために、次のデータワードが必要であることを、フラッグビット#7が”0”を立てることにより示す以外は、第5図のものとほぼ同じである。第6図の第2のワードである”ワード1”は、クロックカウントデータをあらわすために7ビットが与えられている。第2ワードのフラッグビット#7は、クロックカウントデータが完全であることをあらわす”1”を示している。従って、第6図(A)と第6図(B)の例は、カウントデータ用として全部で12ビットあり、クロックカウント値を1から4095まで表現できる。
【0045】
本発明による3データワードの構成例を第7図(A)−第7図(C)の概念図に示す。第7図(A)は、第1ワードとしての”ワード0”の構成例を示している。第7図(B)は、第2ワードとしての”ワード1”の構成例を示している。第7図(C)は、第3ワードとしての”ワード2”の構成例を示している。第7図(A)の第1ワード”ワード0”は、第6図(A)のものと同様である。フラッグビット#7は、クロックカウントデータを記述するのに次のデータワードが必要であることを示す”0”を立てている。第7図(B)の第2ワードである”ワード1”は、カウントデータを表示するために7ビットが割り当てられている。第2ワードのフラッグビット#7も、クロックカウントデータを記述するのに次のデータワードが必要であることを示す”0”を立てている。
【0046】
第7図(C)の第3ワードである”ワード2”は、カウントデータを表示するために7ビットが与えられている。第3ワードのフラッグビット#7は、カウントデータが完了したことを示す”1”を表示している。従って、第7図(A)−第7図(C)の例は、クロックカウントデータ用として全部で19ビット有しており、したがってクロックカウント値を1から524287まで表示することができる。
【0047】
本発明による4データワードの構成例を第8図(A)−第8図(D)の概念図に示す。第8図(A)は、第1のワードとしての”ワード0”の構成例を示す。第8図(B)は、第2のワードとしての”ワード1”の構成例を示す。同様に第8図(C)は、第3のワードとしての”ワード2”の構成例を示す。第8図(D)は、第4のワードとしての”ワード3”の構成例を示す。
【0048】
第8図(A)に示してある第1ワードである”ワード0”は、第6図(A)や第7図(A)のものと同様である。フラッグビット#7は、クロックカウントデータを記述するために次のデータワードが必要であることをあらわす”0”を示している。第8図(B)の第2ワードである”ワード1”は、カウントデータを表示するために7ビット有している。第2ワードのフラッグビット#7も、クロックカウントデータを記述するために次のデータワードが必要とする”0”を示している。
【0049】
第8図(C)の第3ワードの”ワード2”も、カウントデータを表記するのために7ビットが与えられている。第3ワードのフラッグビット#7は、次のデータワードが必要であることを示す”0”を示している。第8図(D)の第4ワードである”ワード3”は、クロックカウントデータを表示するために8ビットが与えられている。第4のワードが最後のデータワードなので、他のワードに示されたフラッグビットは、第4ワードには不要である。第8図(A)−第8図(D)の例は、クロックカウントデータを記述するために全部で27ビット有しており、クロックカウントの1から134217728までの値を表示できる。
【0050】
第9図と第10図は、本発明により第5図−第8図のデータ構成を用いて、クロックカウントメモリとバーニアデータメモリ内の圧縮されたタイミングデータを示すデータテーブルである。第9図と第10図のテーブルにおけるデータは、第1図のイベントT0ーT10を発生するために用意されたものである。第9図と第10図の例では、イベントT0のクロックカウントデータは1ワードと想定してあり、イベントT1は2ワード、イベントT2は3ワード、イベントT4は4ワード、イベントT7は1ワードである。第9図では、イベントT0ーT10のクロックカウントデータ用に使用するビット数は88であり、バーニアデータ用に使用するビット数は200であり、合計で288ビットとなる。上述したように、第2図の例では、必要とされる総ビット数は407であった。よって、本発明では、メモリーサイズを大幅に減少できる。
【0051】
第10図は、イベントタイミングデータを格納するために必要なメモリサイズをさらに減少させた例を示している。第3図のアドレスシーケンサが、クロックカウントメモリ20とバーニアデータメモリ21のアドレスを個別に制御できる場合には、第10図に示すようにバーニアデータメモリ21内の空のデータビット部分をバーニアデータにより満杯にすることが可能となる。それぞれのイベントカウントデータの第1ワード中に、生成すべきイベントの数のデータを含むので、現在のイベント用としての正しいバーニアデータを特定することができる。第10図では、イベントT0ーT10のクロックカウントデータ用のビット数は88であり、バーニアデータ用に使用するビット数は110であり、合計で198ビットになり、メモリサイズを更に減少させている。
【0052】
本発明によるハードウェア・デコンプレッション(復元伸張)回路の例が第11図に示してあり、本発明の圧縮技術で圧縮されたイベントメモリからタイミングデータを再生するものである。この例では、圧縮と再生の過程はすべてシステムソフトウェアにより行う。第11図のデコンプレッサー22は、クロックカウント・ステートマシン31、ロード/ダウンカウンタ32、バーニアコントロール・ステートマシン33、および格納・選択回路36を有している。この例では格納・選択回路36は、レジスタ41ー44とマルチプレクサ45ー47を有している。
【0053】
クロックカウントメモリ20からのクロックカウントデータは、クロックカウント・ステートマシン31とロード/ダウンカウンタ32に供給されている。第5図−第10図を参照して示したように、好ましい実施例では、クロックカウントメモリ20からのクロックカウントデータは、1、2、3または4データワードで構成され、それぞれのデータワードは8ビット、すなわちバイトの構造をしている。バーニアデータメモリ21からのバーニアデータは、格納・選択回路36のレジスタ41と42に供給されている。前記したように、好ましい実施例では、4個までのバーニアデータを記述するために、バーニアデータは40ビットで構成されている。
【0054】
クロックカウントデータを受け取ると、クロックカウント・ステートマシン31は、クロックカウントデータの最上位ビットをサンプルする(調べる)ことにより、各イベントのデータバイトの数を判断する。その判断に基づいて、クロックカウント・ステートマシン31は、クロックカウントメモリ20からのデータバイトをロード/ダウンカウンタ32の正規の位置にロードする。上述したように、各データワードは8ビットで構成されており、データワード内での割り当てられたデータビットは、第1ワードと第2から第4ワードでは異なっている。従って、ステートマシン31は、クロックカウントデータの各データワードを、ロード/ダウンカウンタ32の正しい位置に割り当てなくてはなければならない。好ましい実施例では、ロード/ダウンカウンタ32は27ビットカウンタである。
【0055】
クロックカウント・ステートマシン31は、ロード/ダウンカウンタ32のイネーブルおよびディスエーブルを制御する。よってクロックカウントデータは、ロード・ダウンカウンタ32にロードされ、カウンタ32は、計数値が0に達するまで(ターミナルカウント)基準クロックをダウンカウントする。つまり、クロックカウントデータに定義される時間だけ遅延したタイミングで、ターミナルカウントが発生される。ターミナルカウントはクロックカウント・ステートマシン31に送られる。クロックカウント・ステートマシン31は、第1データワード(第5図の#5と#6ビット)のデータをモニターすることにより、クロックカウントデータに付随するバーニアイベント数を判断する。その判断に基づき、ステートマシン31は、バーニアコントロール・ステートマシン33に、現在イベントで使用する適切なバーニアデータを送る。
【0056】
格納・選択回路36は、バーニアデータメモリ21からバーニアデータを受け取る。上述した第5図−第8図のテーブルの例では、バーニアデータメモリ21のそれぞれのメモリ位置は、4バーニアデータ用として40ビットで構成されている。格納・選択回路36において、レジスタ41と42は、それぞれ40ビット幅を有することにより、格納・選択回路36が全部で8バーニアデータを同時に格納できるように構成されている。バーニアデータメモリ21からのバーニアデータは、交互にレジスタ41と42のどちらかにセットされる。これは、バーニアデータメモリ21のアクセススピードが遅くても、イベントプロセス・コントローラ23により十分なデータ量が処理されることを可能にする。
【0057】
好ましくは、レジスタ43と44のそれぞれも、対応するレジスタ41と42からバーニアデータを受け取るために40ビット幅を有している。レジスタ41と43は、マルチプレクサ45が正しいバーニアデータをシリアル方式でマルチプレクサ47に送信できるように、特定したバーニアデータを並列にマルチプレクサ45に送信する。同様に、レジスタ42と44は、マルチプレクサ46が正しいバーニアデータをシリアル方式でマルチプレクサ47に送信できるように、特定したバーニアデータを並列にマルチプレクサ46に送信する。
【0058】
このようなレジスタ41ー44とマルチプレクサ45ー47におけるバーニアデータを選択する作業は、バーニアコントロール・ステートマシン33の制御の下で行われる。すなわち、ステートマシン33は、レジスタ41と42のロード動作を制御する。その制御とは例えば、バーニアデータ受け取りのタイミングと、どのレジスタがバーニアデータを受け取るべきかの選択である。ステートマシン33はまた、どのバーニアデータがマルチプレクサ45や46に並列に供給されるべきかについて制御し、それによりマルチプレクサ47からイベントプロセス・コントローラ23にシリアル方式で正しいバーニアデータを送信させる。
【0059】
また、ステートマシン33は、イベントプロセス・コントローラ23とファイン(微少)遅延コントローラ24にインストラクションを送る。例えば、ステートマシン33は、どのバーニアデータが現在イベントの第1バーニアデータかに関して、イベントプロセス・コントローラにインストラクションを送る。イベントプロセス・コントローラ23は、そのようなインストラクションに基づき、第1バーニアデータからのバーニアデータについて最新のバーニアデータまでを合計する。もし、キャリーオーバーがあれば(1基準クロック周期に達すれば)、1基準クロック周期が、ステートマシン33を介して受信したダウンカウンタ32のターミナルカウントに加えられる。
【0060】
この合計するプロセスに基づいて、イベントプロセス・コントローラ23は、ファイン遅延コントローラ24に、イベントスタート信号(基準クロックピリオドの整数倍)とバーニアデータ(端数データからキャリーオーバーを引いたもの)を送る。ファイン遅延コントローラ24は、バーニアデータにより定義されるファイン(微少)遅延時間をイベントスタート信号に加える。ファイン遅延コントローラ24の出力イベントは、ピンエレクトロニクス26を介して、テスト信号としてDUT28に与えられる。
【0061】
好ましい実施例しか明記していないが、上述した開示に基づき、添付した請求の範囲で、本発明の精神と範囲を離れることなく、本発明の様々な形態や変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、イベント型半導体テストシステムは、クロックカウントメモリとバーニアデータメモリに、イベントデータを圧縮して格納することができるので、それらのメモリのサイズを大幅に縮小させることができる。その圧縮されたデータを復元伸張して、被試験半導体デバイスを検証するための様々なタイミングのイベントを形成することができる。本発明のイベント型テストシステムでは、それぞれのイベントのタイミングデータは、直前イベントからの時間差異で定義されている。本発明のハードウェア・デコンプレッサー(復元伸張器)は、被試験半導体デバイスを評価するためのイベント型テスト信号を発生するために、イベントメモリから読み出される圧縮されたイベントタイミングデータに基づいて、イベントタイミングデータを再生することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するために、イベント型半導体テストシステムにおいて使用する様々なイベントの時間関係を示した、タイミングチャートである。
【図2】第1図のイベントを生成するために使用するタイミングデータを示すデータテーブルであり、そのデータはカウントメモリとバーニアメモリで構成されるイベントメモリに格納される。
【図3】本発明によるイベントデータ圧縮技術と伸張復元技術を用いたイベント型半導体テストシステムの基本的構成を示すブロック図である。
【図4】第1図のイベントを生成するために本発明により圧縮したタイミングデータを示すデータテーブルであり、カウントメモリとバーニアメモリで形成するイベントメモリに格納される。
【図5】本発明によってタイミングデータを圧縮し、クロックカウントメモリに格納するための1データワードの構成を示す概念図である。
【図6】(A)から(B)は、本発明によってタイミングデータを圧縮し、クロックカウントメモリに格納するための2データワードの構成を示す概念図である。
【図7】(A)から(C)は、本発明によってタイミングデータを圧縮し、クロックカウントメモリに格納するための3データワードの構成を示す概念図である。
【図8】(A)から(D)は、本発明に従ってタイミングデータを圧縮し、クロックカウントメモリに格納するための4データワードの構成を示す概念図である。
【図9】第1図のイベントを生成するために、本発明の態様によって、クロックカウントメモリとバーニアデータメモリにそれぞれ格納する第5図−第8図のデータ構成に基づいて圧縮したタイミングデータを示すデータテーブルである。
【図10】第1図のイベントを生成するために、本発明の他の態様によって、クロックカウントメモリとバーニアデータメモリにそれぞれ格納する第5図−第8図のデータ構成に基づいて圧縮したタイミングデータを示すデータテーブルである。
【図11】本発明により圧縮したイベントメモリからのタイミングデータを、伸張復元するための、ハードウエアによるデコンプレッション回路例を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 ホストコンピュータ
13 バスインターフェイス
14 システムバス
15 インターナルバス
17 フェイルメモリ
18 アドレスシーケンサ
20 クロックカウントメモリ
21 バーニアデータメモリ
22 デコンプレッサー
23 イベントプロセス・コントローラ
24 ファイン遅延コントローラ
26 ピンエレクトロニクス
28 被試験半導体デバイス(DUT)

Claims (8)

  1. 被試験半導体デバイス(DUT)を試験するためのイベント型テストシステムにおいて、
    1またはそれ以上のデータワードで形成された基準クロック周期(インテグラル部データ)の整数倍である各イベントのクロックカウントデータを格納するためのクロックカウントメモリと、
    基準クロック周期の端数データである各イベントのバーニア(端数)データを同一のメモリ位置に2またはそれ以上格納するためのバーニアメモリと、
    上記クロックカウントデータとバーニアデータを読み出すために、上記クロックカウントメモリとバーニアデータメモリアクセスするためのアドレスデータを生成するアドレスシーケンサと、
    それぞれのイベントに対応して、上記クロックカウントメモリからクロックカウントデータを再生し、上記バーニアデータメモリからバーニアデータを再生するデコンプレッサー(復元伸張器)と、により構成され
    上記1のデータワードは次のワードが必要であるか否かをあらわすフラッグと、現在イベントに付随するバーニア(端数)データ数と、インテグラル部のデータとを有して構成されるイベント型テストシステム。
  2. 上記デコンプレッサー(復元伸張器)からのクロックカウントデータとバーニアデータに基づいて、各イベントについて、あらかじめ定めた基準時点からのそれぞれの総合的遅延時間を生成するためのイベントプロセス・コントローラと、被試験デバイス(DUT)をテストするためのテスト信号を生成するために、上記総合的遅延時間に基づいて、それぞれのイベントを生成するファイン(微少)遅延コントローラと、をさらに有してなる請求項1に記載のイベント型テストシステム。
  3. 上記各イベントのタイミングは隣接する2つのイベントの時間相異であり、上記クロックカウントデータと上記バーニアデータにより定義される請求項1に記載のイベント型テストシステム。
  4. 上記デコンプレッサー(復元伸張器)は、クロックカウントメモリからクロックカウントデータをロードし、基準クロックによりクロックカウントデータをダウンカウントする為のカウンタと、クロックカウントデータを評価し、クロックカウントデータをロードしたり基準クロックをカウントするカウンタの動作をコントロールするためのクロックカウント・ステートマシンと、バーニアデータメモリからパラレル方式で2つ以上のイベントについてのバーニアデータを格納し、イベントプロセスコントローラにシリアル方式でそのバーニアデータを送るためにバーニアデータを選択する格納・選択回路と、上記クロックカウント・ステートマシンから受け取った指示に基づき、その格納・選択回路の動作の制御をするためのバーニアコントロール・ステートマシンと、により構成される請求項1に記載のイベント型テストシステム。
  5. 上記格納・選択回路は上記バーニアデータメモリから並列にバーニアデータを受け取り格納する一対のレジスタと、その内の1のレジスタからのバーニアデータを選択するためのマルチプレクサとを有する請求項4に記載のイベント型テストシステム。
  6. 上記格納・選択回路は、上記バーニアデータメモリから並列にバーニアデータを受け取り格納する第1と第2のレジスタと、その第1レジスタからそのバーニアデータを受け取るための第3のレジスタと、その第2レジスタからそのバーニアデータを受け取るための第4のレジスタと、その第1および第3のレジスタから複数のバーニアデータを並列に受け取り、上記バーニアコントロール・ステートマシンの制御の下でバーニアデータを直列に送出する第1のマルチプレクサと、その第2および第4のレジスタから複数のバーニアデータを並列に受け取り、上記バーニアコントロール・ステートマシンの制御の下でバーニアデータを直列に送出する第2のマルチプレクサと、その第1のマルチプレクサの出力または第2のマルチプレクサの出力のいずれかを、上記バーニアコントロール・ステートマシンの制御の下で選択する第3のマルチプレクサと、を有する請求項5に記載のイベント型テストシステム。
  7. 上記ファイン遅延コントローラと上記DUT間にピンエレクトロニクスをさらに有する請求項1に記載のイベント型テストシステム。
  8. 上記データワードは8ビットで構成されており、その内の少なくとも1ビットは上記フラッグとして用いられ、クロックカウントメモリに用いられるクロックカウントデータは1ワードから4ワードの異なる数のワードで構成され、その内の最初のデータワードは該当するイベントに付随するバーニアデータの数をあらわす請求項1に記載のイベント型テストシステム。
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