JP4249310B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型精密機器,ゲーム機,施錠装置など、コンパクトにまとめなくてはならない機器に用いて有効な、永久磁石製の回転子を備えたアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石製の回転子を備えたアクチュエータの場合、固定子側のコイルは、通常、回転子の周面に対向するようにして、全周面にわたって配置されているのが普通である。しかしながら、アクチュエータを内蔵する機器の設計上、回転子の周面の所定の角度位置においては、回転子の直径と略同じぐらいの寸法しか設置スペースのとれない場合がある。そこで、そのような場合に用いるのに適したアクチュエータとして、コイルを巻回した鉄芯部材の磁極部を、回転子の周面に対し回転子の所定の回転角度範囲にわたってのみ対向させるようにした、平面形状(回転子の回転面における形状)の細長いアクチュエータが、特開平10−10604号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載のアクチュエータは、カメラの技術分野においては、ムービングマグネット型モータと称されているものであって、回転子は、通常、2極又は4極に着磁されていて、1回転することができず、固定子のコイルに対して正方向へ通電すると、所定の角度だけ正方向へ回転し、逆方向へ通電すると、所定の角度だけ逆方向へ回転するようになっている。そして、その回転子の回転軸の径方向位置には、その回転軸と平行に延伸した出力ピンが、回転子と一体的に設けられていて、その出力ピンが被駆動部材を駆動するようになっている。そして、その出力ピンは、従来は、合成樹脂のアウトサート加工によって、予め加工されていた磁性材料からなる回転子に一体的に形成されていたが、最近では、上記の公報にも記載されているように、合成樹脂材料に磁性体の粒子を混入させ、一回の成形加工で製作したものも出現している。
【0004】
このような構成のムービングマグネット型モータは、パルスモータと比較して、制御系が簡単で済み、且つ低コスト化と小型化に適しているという利点がある一方、起動性や駆動力の点では劣り、且つ複雑な回転制御を行わせることもできない。従って、この種のモータは、いずれも、小型化,コンパクト化を要求され、且つ負荷が比較的小さい、精密機器,玩具,電動施錠装置などの機器に用いて有利とされている。
【0005】
ところで、このような構成のアクチュエータにおいて、駆動力を大きくする方法は、何と言ってもコイルの巻き数を増やすことである。しかしながら、その場合、単に巻き数を増やせば良いというものではなく、アクチュエータの全体構成を考慮して、所定のスペース内にコンパクトに収容できなければ意味がない。即ち、上記の公報に記載の構成においては、コイルの巻き数を大幅に増やそうとすると、その巻き径が回転子の直径よりもはるかに大きくなってしまい、上記したアクチュエータとしての所期の全体構成を得ることができなくなってしまう。
【0006】
そこで、その点を解決するための一つの方法として、特開平10−62836号公報に記載されたものが知られている。この公報に記載されされているアクチュエータは、パルスモータであって、回転子を間にして二つの鉄芯部材を配置するように構成され、各鉄芯部材には、板面を垂直に折り曲げることによって回転子の回転軸と平行な折曲部を設け、その折曲部にコイルボビンの巻軸である筒状部を嵌装させるようにしている。従って、コイルの巻き数を約2倍に増やすことが可能になっている。また、各鉄芯部材の磁極部における磁気効率を良くするために、二つの折曲部を有する磁性体部材(連結ヨーク)を設けていて、夫々の折曲部を各鉄芯部材の折曲部に重ねるようにして、コイルボビンの筒状部に挿入した構成にしている。
【0007】
この特開平10−62836号公報に記載のモータは、あくまでもパルスモータであるが、このような構成は、上記したムービングマグネット型モータにもそのまま適用することが可能である。そして、そのように全体構成の平面形状を細長くしたムービングマグネット型モータを、カメラ用シャッタの開閉機構のアクチュエータとして適用した例が、特開平11−133480号公報に記載されている。また、回転子の磁極を4極にして構成した場合のアクチュエータの例が、特開平11−098800号公報に記載されている。本発明は、そのようにして、全体の平面形状が、円弧状をも含めた細長い形状をした構成のムービングマグネット型モータを用いたアクチュエータの改良に関するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パルスモータの場合は、回転子を何回転も回転させる構成であることから、通常は、回転子と被駆動部材との間に減速歯車列を介在させている。そのため、不使用状態、即ち固定子のコイルに対する非通電時において、何らかの振動等が生じ、回転子に回転方向への力が加わったとしても、回転子自身の永久磁石の磁力と、歯車列の摩擦力とによって、回転子は、比較的回転しにくくなっている。また、回転子が僅かな角度だけ回転したとしても、減速歯車列を介在させているので、被駆動部材に及ぼす影響は少ない。しかしながら、上記した構成のムービングマグネット型モータの場合には、原則として出力ピンによって直接被駆動部材を駆動するのが普通であるから、回転子は、振動等によって回転され易く、また、僅かに回転された場合であっても、被駆動部材に与える影響は極めて大きい。
【0009】
そこで、従来、本発明で対象としている上記の構成のアクチュエータにおいては、複数の鉄芯部材の磁極部は回転子の周面に対する対向角度が同じであるが、コイルに通電されていなくても、回転子の磁極と鉄芯部材の磁極部との対向位置関係によって、回転子には、その永久磁石の磁力によって回転力が付与されているようにし、且つそれをストッパによって阻止している状態にすることによって、回転子の停止位置を維持させるようにするのが普通であった。そして、そのストッパには、回転子と一体である上記の出力ピン又はその近傍の部位を当接させるようにしていた。
【0010】
しかしながら、出力ピンと一体的な回転子を量産するに当たって、それらを設計基準通りに製作するのは容易ではない。着磁された永久磁石の磁力には、当然バラツキの生じることがある。また、回転子の回転面で見た場合、回転子の回転軸と、ストッパに当接させる部位とを結んだ線分に対して、回転子の磁極間の理論的な境界線が所定の角度関係になるように製作されていない場合もある。更に、組立上の問題から、例えば、回転子が設計基準位置でストッパに当接しないものが製作されてしまうこともある。このようなことから、従来は、停止位置において所望の維持力を得られないものが製作されてしまうことがあった。
【0011】
そこで、このような問題を解決する一つの方法としては、永久磁石の磁力を必要以上に大きくしてしまうことが考えられる。しかし、回転子の大きさを変えずにそのようにするためには、回転子が高価になってしまい且つ駆動時の電圧を大きくしなければならないため、コスト的に有利なムービングマグネット型モータを採用する意味がなくなってしまうという問題点がある。また、特に、合成樹脂材料に磁性体の粒子を混入させた材料で成形した回転子の場合には、磁性体の粒子の含有量を多くすると、回転子が脆弱化してしまうということがあり、それだけ製作上の取り扱いが面倒になるという問題点がある。
【0012】
もう一つの方法としては、組立調整時に回転子を交換してしまう方法も考えられる。しかし、この種のアクチュエータにおいては、回転子は、他の部品と比較して可成り高価な部品であるため、余程のことでない限りは、そのようにするわけにはいかない。また、その他の方法としては、組立調整時において、ストッパの位置を調整できるような構成にしておくことも考えられる。しかしながら、この種のアクチュエータは小型のアクチュエータであることから、そのようにすることはスペース的に考えて至難であり、仮に可能であったとしてもコスト高になってしまうという問題点がある。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、永久磁石製の回転子の周面に夫々の磁極部を対向させた少なくとも二つの鉄芯部材を備えており、コイルへの通電方向に対応して、回転子を夫々の方向ヘ所定の角度だけ回転させ、回転子と一体の出力ピンによって被駆動部材を駆動するように構成されているアクチュエータであって、上記のコイルへの非通電状態において、回転子の停止位置が好適に維持されるように構成し得る小型のアクチュエータを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のアクチュエータは、回転軸の径方向位置に該回転軸と平行に延伸した出力ピンを一体的に設けている永久磁石製の回転子と、相互に隣接して配置されており夫々が前記回転子の回転軸に対して平行になるように折り曲げて形成し前記回転子の周面に対し所定の回転角度範囲にわたって対向させた磁極部と前記回転子の回転軸に平行になるように折り曲げて形成した折曲部とを有していてそれらの折曲部を重ね合わせている第1鉄芯部材及び第2鉄芯部材と、前記二つの折曲部を重ね合わせたところに巻回されている第1コイルと、相互に隣接して配置され且つ第1鉄芯部材及び第2鉄芯部材とは前記回転子を間にして配置されており夫々が前記回転子の回転軸に対して平行になるように折り曲げて形成し前記回転子の周面に対し所定の回転角度範囲にわたって対向させた磁極部と前記回転子の回転軸に平行になるように折り曲げて形成した折曲部とを有していてそれらの折曲部を重ね合わせている第3鉄芯部材及び第4鉄芯部材と、第3鉄芯部材と第4鉄芯部材との前記二つの折曲部を重ね合わせたところに巻回されていて第1コイルと共に通電されたときその通電方向に対応した方向へ所定の角度だけ前記回転子を回転させる第2コイルと、前記二つのコイルの非通電時において前記回転子が前記四つの磁極部との間に作用する磁力によって一方方向ヘ回転するのを阻止しているストッパと、を備えていて、第1鉄芯部材と第3鉄芯部材との前記二つの磁極部、及び第2鉄芯部材と第4鉄芯部材との前記二つの磁極部は、夫々に前記回転軸に対して略点対称位置に配置されており、それら四つの磁極部のうち一つ乃至三つの磁極部は、前記回転子の周面に対向している回転角度範囲が他の磁極部が対向している回転角度範囲よりも小さく形成されているようにする
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図3に示した実施例によって説明する。本実施例は、本発明のアクチュエータをカメラ用シャッタに適用した場合の実施例であって、図1はシャッタ羽根(図示せず)の閉鎖状態を被写体側から透視した平面図であり、図2は上方を被写体側にして示した図1の要部断面図である。また、図3はシャッタ羽根(図示せず)の全開状態を図1と同じようにして示した平面図である。
【0016】
先ず、本実施例の構成を図1及び図2を用いて説明する。図2から分かるように、被写体側から視て、シャッタ地板1の背面側には、補助地板2が、図示していない適宜な手段によって取り付けられており、それらの二つの地板1,2の間に羽根室を構成している。このシャッタ地板1には、図1に示すように、略中央部に円形をした開口部1aが形成されているが、補助地板2にも、図示していない同形状の開口部が形成されている。そして、それらの開口部は、重なるようにして配置されているが、本実施例においては、シャッタ地板1に形成された開口部1aの方が、直径が僅かに小さく、露光開口を規制するようになっている。
【0017】
シャッタ地板1は、合成樹脂製であって、羽根室側、即ち図2の下方側に、軸1b、1cを立設し、軸1bにはシャッタ羽根3を、軸1cにはシャッタ羽根4を、夫々、回転可能に取り付けているが、図1においては開口部1aを覆っているシャッタ羽根3,4の図示を省略してある。また、それらの軸1b、1cの先端は、補助地板2に形成された孔に挿入されていて、シャッタ羽根3,4が軸1b、1cから抜けないようになっている。また、周知であるため図示していないが、シャッタ羽根3,4には、夫々長孔が形成されていて、それらの両方に、後述の駆動ピンが嵌合するようになっている。
【0018】
シャッタ地板1の被写体側には、合成樹脂製のカバー枠5が、ビス6,7によって取り付けられている。このカバー枠5は、アクチュエータ全体の平面形状を規制しており、アクチュエータに必要な部品は、このカバー枠5とシャッタ地板1の間に配置されている。そのため、シャッタ地板1は、アクチュエータとしてはベース部材に相当するものである。また、本実施例は、たまたまカメラ用シャッタに適用されているためにベース部材であるシャッタ地板1が環状をしているが、アクチュエータ単体として見た場合には、本実施例のアクチュエータの全体の平面形状は、円弧状の細長い形状をしているものと言うことができる。
【0019】
図2から分かるように、永久磁石製の回転子8が、シャッタ地板1とカバー枠5によって軸受けされている。また、この回転子8には、その回転軸の径方向に張出部8aが形成されていて、その先端部には、回転子8の回転軸と平行に延伸した出力ピンとして、駆動ピン8bが設けられている。そして、張出部8aは、シャッタ地板1に形成された周知の円弧状の長孔1dに存在しているが、駆動ピン8bは、羽根室内に挿入され、上記したように、シャッタ羽根3,4に形成された図示していない周知の長孔に嵌合している。また、この回転子8は、合成樹脂材料に粒子の磁性体材料を混合させた材料を用い、張出部8a,駆動ピン8bと共に、一回の成形加工で製作した後、図1に示すように4極に着磁したものである。
【0020】
図1において、回転子8の左側には二つの鉄芯部材9,10が配置されており、右側にも二つの鉄芯部材11,12が配置されている。これらの鉄芯部材9,10,11,12は、磁性体の板材から加工されたものであり、根元部に形成された孔9a,10a,11a,12aの位置において、図示していない手段により、鉄芯部材9,12はシャッタ地板1側に、鉄芯部材10,11はカバー枠5側に位置するようにして取り付けられている。
【0021】
また、それらの鉄芯部材9,10,11,12には、磁極部として回転子8の周面に対向させるために、回転子8の回転軸と平行になるようにして折り曲げられた折曲部9b,10b,11b,12bと、それらと同様にして折り曲げられたもう一つの折曲部9c,10c,11c,12cが設けられている。そして、図2から分かるように、折曲部9b,9c,12b,12cはカバー枠5側に、折曲部10b,10c,11b,11cはシャッタ地板1側に折り曲げられていて、折曲部9c,10cには、コイル13を巻回したボビン14の筒状部が嵌合されており、折曲部11c,12cには、コイル15を巻回したボビン16の筒状部が嵌合されている。
【0022】
更に、磁極部としての折曲部9b,10b,11b,12bは、回転子8の周面に対する対向面積が、回転子8の回転軸に対して点対称に配置されているもの同士は同じであるが、隣接し合ってるもの同士では異なっている。即ち、各折曲部9b,10b,11b,12bは、図2における高さ方向の寸法は同じである。また、図1から分かるように、回転子8の周面に対向している回転角度範囲は、折曲部9bと折曲部12bとは同じであり、また、折曲部10bと折曲部11bとは同じであるが、折曲部9bと折曲部10bとでは、折曲部9bの方が大きくなっている。
【0023】
次に、本実施例の作動を説明する。図1はシャッタの閉鎖状態を示しており、コイル13,15には通電されていないが、この状態は、鉄芯部材9,10,11,12の磁極部としての折曲部9b,10b,11b,12bと回転子8の周面との対向関係によって維持されている。即ち、折曲部9bは、回転子8の周面との対向角度が、N極に対してよりもS極に対しての方が大きくなっている。そして、S極との対向角度は、N極との境界位置から45度以下となっている。そのため、回転子8には、折曲部9bとの関係だけにおいては、時計方向へ回転する力が作用している。
【0024】
また、折曲部10bは、上記と同じS極の周面と、上記とは異なるN極の周面とに対向しているが、S極に対する対向角度の方がN極に対してよりも大きくなっている。そのため、回転子8には、折曲部10bとの関係だけにおいては、反時計方向へ回転する力が作用している。しかしながら、S極との対向角度は、折曲部10bの方よりも折曲部9bの方が大きいため、二つの折曲部9b,10bと回転子8との関係においては、回転子8に対して時計方向ヘ回転させる力が作用していることになる。
【0025】
他方、折曲部11bは、回転子8の周面との対向角度が、N極に対してよりもS極に対しての方が大きくなっているため、この折曲部11bとの関係だけにおいては、回転子8には反時計方向へ回転する力が作用している。また、折曲部12bは、S極に対する対向角度の方が、上記とは異なるN極に対する対向角度よりも大きいため、回転子8には、折曲部12bとの関係だけにおいては、時計方向へ回転する力が作用している。しかし、S極との対向角度は、折曲部11bの方よりも折曲部12bの方が大きいため、二つの折曲部11b,12bと回転子8との関係においては、回転子8に対しては、時計方向ヘ回転させる力が作用していることになる。
【0026】
このようにして、図1の状態においては、回転子8は、自己の磁力によって時計方向ヘ回転するように付勢されているが、その回転を、回転子8と一体に形成された張出部8aの一部(駆動ピン8bであってもよい)が、長孔1dの上方の端面に当接することによって、阻止されている。そのため、カメラに衝撃が加わったり、大きな揺れが生じても、回転子8が一時的に反時計方向へ回転させられてしまい、シャッタ羽根3,4の重なりを少なくして漏光を生じさせてしまうような虞はない。
【0027】
そこで、撮影に際して、レリーズボタンが押されると、コイル13,15に通電され、鉄芯部材9,12の折曲部9b,12bにはS極が現れ、鉄芯部材10,11の折曲部10b,11bにはN極が現れる結果、回転子8は、図1の状態から反時計方向へ回転させられる。それによって、駆動ピン8bは、シャッタ羽根3を軸1bで回転させ、また、シャッタ羽根4を軸1cで回転させて、開口部1aを開かせていく。そして、その後、シャッタ羽根3,4が開口部1aを全開にすると、図3に示したように、張出部8aの一部が長孔1dの下方の端面に当接することによって、回転子8の回転が阻止される。
【0028】
その後、所定の時間が経過すると、今度は、コイル13,15に対して逆方向への通電が行われる。それによって、上記の場合とは逆に、鉄芯部材9,12の折曲部9b,12bにはN極が、鉄芯部材10,11の折曲部10b,11bにはS極が現れ、回転子8は、駆動ピン8aによってシャッタ羽根3,4を周知のように相対的に回転させ、開口部1aを閉じさせていく。そして、シャッタ羽根3,4が開口部1aを完全に閉じた後、張出部8aの一部が長孔1dの上方の端面に当接することによって回転子8の回転が停止させられる。そして、コイル13,15への通電が断たれることによって、図1の状態に復帰する。
【0029】
このようにして、再びシャッタの閉鎖状態が、回転子8の磁力のみによって維持されることになるが、回転子8に対する付勢力は、上記したように、折曲部9b,10b,11b,12bと回転子8との間に個々に作用する力のバランスの上に成り立っており、且つ基本的には余り強いものとはいえない。そのため、既に説明したような諸々の問題によって、製作時において所定の付勢力が得られていないような場合には、カメラに衝撃が加わったり、大きな揺れが生じたりすると、回転子8が一時的に反時計方向へ回転させられてしまい、シャッタ羽根3,4の重なりを少なくして漏光を生じさせてしまう虞がある。
【0030】
そのような場合、本実施例においては、アクチュエータの外形に影響を及ぼさず、比較的簡単に、回転子8に対する付勢力を変え得るような構成をしている。即ち、本来であれば、回転子8の周面に対する折曲部9b,10b,11b,12bの対向面積は、駆動時における磁気効率を考えて、全て同じにするのが普通であるが、上記の説明からも分かるように、本実施例においては、最初から、回転子8の周面に対する折曲部10b,11bの対向面積を、折曲部9b,12bの対向面積よりも小さくするように設計されている。そして、不使用時における回転子8に対する付勢力が適正でない場合には、鉄芯部材10,11のうち少なくとも一つを交換すればよいようになっている。
【0031】
例えば、図1の構成において、付勢力が所定の大きさよりも小さい場合には、鉄芯部材10を、回転子8の周面に対する対向角度が折曲部10bより大きい折曲部を有している鉄芯部材と交換することになる。その場合、交換された鉄芯部材の折曲部は、折曲部10bの場合に比較して、回転子8のS極との対向角度は変わらないが、N極との対向角度が僅かに大きくなる。何故ならば、図1においては、折曲部9bと折曲部10bとの間隔が、それらの間に磁路が形成されない範囲で最小間隔に設定されているからである。そして、通常は、それらの間に、その間隔を保つためのスペーサが配置され、二つの折曲部9b,10bは、そのスペーサに接触させるようにして組み立てられることが多いからである。
【0032】
また、本実施例においては、そのようにしてN極との対向角度が大きくなっても、アクチュエータの全体構成を大きくさせてしまうようなことはない。何故ならば、この種の従来のアクチュエータの場合には、折曲部10bの対向角度が折曲部9bの対向角度と同じになるように設計されていたから、対向角度を大きくしようとすると、カバー枠5の寸法を大きくせざるを得なかったが、本実施例の場合には、上記のようにして交換した鉄芯部材の折曲部が、折曲部10bの対向角度より大きくなったとしても、折曲部9bよりも小さな対向角度を有している限り、従来と同じ寸法をしているカバー枠5の幅(本実施例の場合には図1における径方向の寸法)内に十分収まることになり、全体としての細長い形状を維持することが可能となっているからである。
【0033】
このようにして、図1に示した鉄芯部材10を他の鉄芯部材に交換した結果、回転子8を時計方向ヘ回転させるための付勢力が大きくなったことになる。即ち、回転子8のS極との対向面積は交換前と変わっていないから、回転子8を反時計方向ヘ回転させるように作用する力は変わらないが、回転子8のN極との対向面積が大きくなった分だけ、回転子8を時計方向ヘ回転させるように作用する力が大きくなっている。他方、鉄芯部材9の折曲部9bと回転子8との関係によって回転子8を時計方向ヘ回転させるように作用する力は変わっていないから、総合的には回転子8を時計方向ヘ回転させる付勢力が大きくなったわけである。
【0034】
また、例えば、組立上、図1の状態において、回転子8に対する時計方向ヘの付勢力が所定の大きさよりも大き過ぎてしまった場合には、鉄芯部材10を、回転子8の周面に対する対向角度が折曲部10bよりも小さい折曲部を有している鉄芯部材と交換することになる(通常、このような交換を必要とするケースは稀である)。その結果、交換された鉄芯部材の折曲部は、既に説明した理由によって、回転子8のS極との対向角度は変わらないが、N極との対向角度が小さくなる(理論的にはゼロでもよい)ため、N極との間に作用する力が減じられ、回転子8を時計方向ヘ回転させる全体としての付勢力も減じられたことになる。
【0035】
このように、不使用時における回転子8の付勢力を調整するに際し、上記においては、鉄芯部材10を交換する場合で説明したが、それには理由がある。即ち、図2から分かるように、本実施例の場合には、ビス6,7を外して、カバー枠5を取り除くと、鉄芯部材9,12よりも鉄芯部材10,11の方が交換し易いようになっている。そして、交換する部品は少なければ少ない程よいため、鉄芯部材10のみを交換する場合で説明したが、鉄芯部材10の折曲部10bと鉄芯部材11の折曲部11bは、回転子8の回転軸に対して点対称となるように配置されているため、鉄芯部材11のみを交換するようにしても同じ結果が得られるし、また、交換作業が面倒であってコストアップにはなるものの、バランスをとる必要がある場合には、両方とも交換することが考えられる。また、好ましいことではないものの、必要があれば、折曲部9b,12bの何れか一方を折曲部10b,11bと同じ対向角度が得られるように構成し、三つの鉄芯部材を交換するようにしても差し支えない。
【0036】
尚、本実施例は、本発明のアクチュエータをカメラ用シャッタに適用したものであるため、アクチュエータ全体の平面形状が円弧状の細長い形状になるように構成しているが、本発明は、上記した特開平11−098800号公報の図1に示された実施例のように直線的に細長い形状に構成しても差し支えない。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、永久磁石製の回転子の周面に夫々の磁極部を対向させたつの鉄芯部材を備えており、コイルへの通電方向に対応して、回転子を夫々の方向ヘ所定の角度だけ回転させ、回転子と一体の出力ピンによって被駆動部材を駆動するように構成された全体の平面形状が細長い形状をしている小型のアクチュエータにおいて、その全体形状を大きくすることなく、上記のコイルへの非通電状態において、回転子の停止位置が好適に維持されるようにできるという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラ用シャッタに適用した実施例であって、シャッタ羽根(図示せず)の閉鎖状態を被写体側から透視した平面図である。
【図2】上方を被写体側にして示した図1の要部断面図である。
【図3】シャッタ羽根(図示せず)の全開状態を図1と同じようにして示した平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 軸
1d 長孔
2 補助地板
3,4 シャッタ羽根
5 カバー枠
6,7 ビス
8 回転子
8a 張出部
8b 駆動ピン
9,10,11,12 鉄芯部材
9a,10a,11a,12a 孔
9b,9c,10b,10c,11b,11c,12b,12c 折曲部
13,15 コイル
14,16 ボビン

Claims (1)

  1. 回転軸の径方向位置に該回転軸と平行に延伸した出力ピンを一体的に設けている永久磁石製の回転子と、
    相互に隣接して配置されており夫々が前記回転子の回転軸に対して平行になるように折り曲げて形成し前記回転子の周面に対し所定の回転角度範囲にわたって対向させた磁極部と前記回転子の回転軸に平行になるように折り曲げて形成した折曲部とを有していてそれらの折曲部を重ね合わせている第1鉄芯部材及び第2鉄芯部材と、
    前記二つの折曲部を重ね合わせたところに巻回されている第1コイルと、
    相互に隣接して配置され且つ第1鉄芯部材及び第2鉄芯部材とは前記回転子を間にして配置されており夫々が前記回転子の回転軸に対して平行になるように折り曲げて形成し前記回転子の周面に対し所定の回転角度範囲にわたって対向させた磁極部と前記回転子の回転軸に平行になるように折り曲げて形成した折曲部とを有していてそれらの折曲部を重ね合わせている第3鉄芯部材及び第4鉄芯部材と、
    第3鉄芯部材と第4鉄芯部材との前記二つの折曲部を重ね合わせたところに巻回されていて第1コイルと共に通電されたときその通電方向に対応した方向へ所定の角度だけ前記回転子を回転させる第2コイルと、
    前記二つのコイルの非通電時において前記回転子が前記つの磁極部との間に作用する磁力によって一方方向ヘ回転するのを阻止しているストッパと
    を備えていて、
    第1鉄芯部材と第3鉄芯部材との前記二つの磁極部、及び第2鉄芯部材と第4鉄芯部材との前記二つの磁極部は、夫々に前記回転軸に対して略点対称位置に配置されており、それら四つの磁極部のうち一つ乃至三つの磁極部は、前記回転子の周面に対向している回転角度範囲が他の磁極部が対向している回転角度範囲よりも小さく形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
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