JP4249028B2 - 蛋白質の活性化方法 - Google Patents
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Description
本発明は、遊離のシステインを有する蛋白質を無血清培地を用いて生産する方法及びそれにより得られる蛋白質に関するものである。
背景技術
従来、遺伝子組換技術において動物細胞を宿主とし、蛋白質を生産するためには血清が必要である。血清は高価でかつロット間差が存在し、使用に際しては厳格なロット管理を行わなくてはならない。また、生体物質由来であるため、未知のウイルス等といった病原性伝播物質の混入が否定できないが、これら未知の病原性伝播物質の不活性化、除去は困難である。このため、医薬品用途に用いる蛋白質を生産する際には、血清を使用しない無血清培養を用いることが望ましい。
しかしながら、動物細胞培養の際に血清を使用しないと、細胞の機能維持に必要とされる成分の補給が十分に行えず、十分な有用蛋白質を確保できない場合が多い。また、生産される蛋白質が目的蛋白質と物理的、生化学的、生物学的に微妙に変化していることも想定され、血清を使用せずに培養を行い有用蛋白質の生産を行う際には、十分な注意が必要である。
ところで、一般に分子表面に出ている蛋白質の遊離のシステインのチオール基は、分子内で架橋を形成しているシステインのジスルフィド結合に比べて不安定で、弱い還元条件によって交換反応が起こるものと考えられる。
該チオール基が何らかの望ましくない修飾等を受けている場合、その交換反応を試みる際に、ジチオスレイトールや2−メルカプトエタノールのような強い還元剤を用いると、分子自体の立体構造がもとに戻らなくなる。このため、強い還元剤を用いる場合には、再現性良く特定の部分のみの反応を進めることは非常に困難である。
そこで、弱い還元剤のみの存在によって反応を行わせることが考えられるが、新たに分子間のジスルフィド結合が架橋を形成し重合体の形成が促進される怖れがある。
一方、高分子量の蛋白質に弱い還元処理を施す場合、塩基性の緩衝液中で行うだけでは分子の立体構造による障害により、目的のチオール基部分が試薬に十分さらされないことで、反応が不十分にしか進行しないことが考えられる。
そのため、従来の技術では、高濃度のグアニジン塩酸や尿素などの変性剤を系内に添加することで分子の変性を行い、通常の緩衝液中では分子表面に出にくい構造を試薬にさらす方法が行われている。
しかしながら、これらの強い変性剤は高分子の蛋白質に対して非特異的かつ不可逆的な副反応を起こし、分子構造の変化による分解物生成が引き起こされることになる。
これらの重合体、分解物などの副反応生成物の生成は、目的蛋白質を高純度で大量に得ようとする際に再現性、収率の点で問題となり、活性化された蛋白質を薬剤として利用しようとする場合には大きな障害となる。
発明の開示
本発明の課題は、血清培地において生産される蛋白質と同等の効果を有する蛋白質を、無血清培地で生産することにある。
そこで本発明者らは、反応条件の検討を重ね、反応生成物の解析を詳細に行い、かかる問題点を解決することにより、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
(1)遊離のシステインを有する蛋白質を無血清培地を用いて生産する方法であって、遊離のシステインを有する蛋白質が活性化されて生産されることを特徴とする方法。
(2)蛋白質生産時の蛋白質分子内のジスルフィド結合を還元せず、かつ、遊離のシステインの修飾を還元するのに十分な還元剤の存在下に行われることを特徴とする前記の方法。
(3)還元剤が、システインであることを特徴とする前記の方法。
(4)抗酸化剤の存在下に行われることを特徴とする前記の方法。
(5)抗酸化剤が、蛋白質間の遊離のシステインを介した重合化を抑制するのに十分な抗酸化剤であることを特徴とする前記の方法。
(6)抗酸化剤が、アスコルビン酸であることを特徴とする前記の方法。
(7)遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質の存在下に行われることを特徴とする前記の方法。
(8)遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質が、塩化ナトリウム又は塩化カリウムであることを特徴とする前記の方法。
(9)蛋白質が、ジスルフィド結合を形成していない遊離のシステインを分子内に有し、かつシステインのチオール基が結合活性に関与している蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(10)蛋白質が、組換体蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(11)蛋白質が、抗体である前記のいずれかに記載の方法。
(12)抗体が、抗体の可変領域に遊離のシステインを有する抗体であることを特徴とする前記の方法。
(13)抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記の方法。
(14)ヒトモノクローナル抗体が、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(15)ヒトモノクローナル抗体が、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(16)抗体が、F(ab’)2化抗体であることを特徴とする前記の方法。
(17)前記の方法を用いて、蛋白質を無血清培地を用いた培養によって生産する方法。
(18)蛋白質が、ジスルフィド結合を形成していない遊離のシステインを分子内に有し、かつシステインのチオール基が結合活性に関与している蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(19)蛋白質が、組換体蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(20)蛋白質が、抗体であることを特徴とする前記の方法。
(21)抗体の可変領域に遊離のシステインを有することを特徴とする前記の方法。
(22)抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記の方法。
(23)抗体が、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(24)抗体が、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(25)抗体が、F(ab’)2化抗体であることを特徴とする前記の方法。
(26)不活性型として生産された遊離のシステインを有する蛋白質を活性化する方法であって、還元剤、抗酸化剤及び遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質の存在下に行われることを特徴とする方法。
(27)生産された蛋白質の蛋白質分子内のジスルフィド結合を還元せず、かつ、遊離のシステインの修飾を還元するのに十分な還元剤の存在下に行われることを特徴とする前記の方法。
(28)還元剤が、システインであることを特徴とする前記の方法。
(29)抗酸化剤が、蛋白質間の遊離のシステインを介した重合化を抑制するのに十分な抗酸化剤であることを特徴とする前記の方法。
(30)抗酸化剤が、アスコルビン酸であることを特徴とする前記の方法。
(31)遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質が、塩化ナトリウム又は塩化カリウムであることを特徴とする前記の方法。
(32)蛋白質が、ジスルフィド結合を形成していない遊離のシステインを分子内に有し、かつシステインのチオール基が結合活性に関与している蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(33)蛋白質が、組換体蛋白質であることを特徴とする前記の方法。
(34)蛋白質が、抗体である前記の方法。
(35)抗体が、抗体の可変領域に遊離のシステインを有する抗体であることを特徴とする前記の方法。
(36)抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記の方法。
(37)ヒトモノクローナル抗体が、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(38)ヒトモノクローナル抗体が、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体であることを特徴とする前記の方法。
(39)抗体がF(ab’)2化抗体であることを特徴とする前記の方法。
(40)還元剤、抗酸化剤及び遊離のシステインの修飾の還元をしやすくする物質の添加を、抗体精製後のホール抗体存在時に行うことを特徴とする前記の方法。
(41)前記の方法により得られた蛋白質。
(42)蛋白質が、血清培地で得られる蛋白質と同等の理化学的性質又は生物学的性質を示すことを特徴とする前記の蛋白質。
(43)前記の蛋白質を含む医薬組成物。
(44)抗腫瘍剤であることを特徴とする前記の医薬組成物。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、遊離のシステインを有する蛋白質を無血清培地で生産する方法であって、遊離のシステインを有する蛋白質が活性化されて生産されることを特徴とするものである。
このような方法の一例としては、遊離のシステインを有する蛋白質が活性化されるために、▲1▼還元剤、▲2▼抗酸化剤又は▲3▼遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質の存在下に行われる方法が挙げられる。
このような方法においては、上記の▲1▼、▲2▼又は▲3▼の添加を各々単独で施しても良く、上記の2つの組み合わせ(▲1▼及び▲2▼、▲1▼及び▲3▼、又は▲2▼及び▲3▼)の添加を施すことがより好ましく、▲1▼、▲2▼及び▲3▼の全ての添加を施すのが最適である。
また、上記の▲1▼、▲2▼又は▲3▼は、蛋白質生産時のいずれの段階で存在しても良いが、本発明においては上記の▲1▼、▲2▼又は▲3▼を、無血清培地での培養の際に添加したり、結合活性が不活性型の蛋白質を活性型蛋白質に変換する際に添加するのが好ましく、結合活性が不活性型の蛋白質を活性型蛋白質に変換する際に添加するのがより好ましい。例えば、後述の実施例で示したGAH抗体で行う場合には、第1図に示す通り、無血清培地での培養、生産後、未精製バルクから精製したホール抗体の存在下の時点で添加することが挙げられる。
以下、▲1▼還元剤、▲2▼抗酸化剤、▲3▼遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質について詳述する。
本発明における還元剤としては、例えば蛋白質が抗体の場合には、強い還元剤を用いると抗体分子内の一部もしくは全てのジスルフィド結合が還元されてしまうので、比較的弱い還元剤が適している。すなわち本発明の還元剤は、蛋白質分子内のジスルフィド結合を還元せず、かつ、遊離のシステインの修飾を還元するのに十分な還元剤であることがその条件を満たすものである。尚、本発明においては、例えば後述の実施例に記載の方法により本発明に適する還元の程度の判定が可能である。本発明の還元剤は特定の還元剤に限定されるものではないが、例えばシステインが最適である。好ましい一例として、活性型蛋白質への変換時に0.1〜10mM、好ましくは0.5〜5mM、より好ましくは1〜3mMのL−システインを添加することが挙げられる。
また本発明における抗酸化剤としては、蛋白質間の遊離のシステインを介した重合化を防止することができる抗酸化剤が挙げられる。本発明で用いられる抗酸化剤は、蛋白質間の遊離のシステインを介した重合化を抑制するのに十分な抗酸化剤であることが好ましく、例えば後述の実施例に記載の方法により本発明に適する抗酸化剤の量を決定することが可能である。本発明の抗酸化剤は特定の抗酸化剤に限定されるものではないが、例えばアスコルビン酸が最適である。好ましい一例として、活性型蛋白質への変換時に1〜50mM、好ましくは5〜30mM、より好ましくは10〜20mMのアスコルビン酸を添加することが挙げられる。
一般的に還元剤とは、電子(水素原子)を与える作用のあるものを指すことから、抗酸化剤も、ジスルフィド結合を還元するという意味においては還元作用を有している(還元剤)ともとらえられる。しかしながら、上述の通り、本発明の還元剤とは、蛋白質分子内のジスルフィド結合を還元せず、かつ、遊離のシステインの修飾を還元するのに十分であるものがその条件を満たすものである。また本発明の抗酸化剤とは、蛋白質間の遊離のシステインを介した重合化を抑制するのに十分であることがその条件を満たすものである。
また本発明は、遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質の存在下に行われる。本発明で用いられる遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質は、蛋白質が分子構造の変化による分解物生成をおこさない程度に蛋白質分子の柔軟性を増強させ蛋白質分子をときほぐし、蛋白質の遊離のシステイン(チオール基部分)を分子表面にさらけ出すことができる物が好ましい。
遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質としては特定の物質に限定されるものではないが、例えば塩化ナトリウム又は塩化カリウムなどの1酸塩基塩が好ましい。具体的には、約0.1〜4M、好ましくは約0.25〜3M、より好ましくは約0.8〜2Mの比較的高濃度の塩化ナトリウム等を存在させることが好ましい。このような条件にすることで、副反応はほとんど起こらない。さらに、蛋白質分子の柔軟性が増強され、還元される遊離のシステインは反応にさらされる確率が高くなり、蛋白質の活性型への変換が効率良く行われることになる。その結果、再現性良く反応を進めることができ、分解物の生成が極めて低く抑えられることから、有用蛋白質の調製には特に有用な方法である。
さらに本発明は、培養に先立って無血清培養液中に上述の▲1▼、▲2▼又は▲3▼の試薬を加えることも可能である。例えば▲1▼の還元剤の場合には、培養液中に終濃度0.1〜200mM、好ましくは5〜100mM、より好ましくは10〜50mMになる様にL−システインをさらに加えて培養することにより、同様な効果を得ることもできる。このような方法により、遊離のシステインへの培地中成分による修飾を防ぎ、活性型の蛋白質を直接培地中に生産させ、これを精製後に直ちに用いることも問題点を解決するための有用な手段のひとつである。
また本発明においては、不活性型として生産された遊離のシステインを有する蛋白質を活性化する方法であって、不活性型として生産された蛋白質が生産された後に上述の▲1▼、▲2▼又は▲3▼の試薬による処理を行うことを特徴とする方法もその要旨として挙げられる。
ここで用いられる還元剤、抗酸化剤及び遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質としては、前述の定義の通りである。
本発明の生産方法及び活性化方法において用いられる培地としては、培地成分中に牛(胎児)血清などの血清を含まない無血清培地が挙げられる。一例として、本実施例に記載のような無血清培地CD CHO(インビトロジェン社)及びExCell325−PF(JRH社)などが挙げられる。尚、本発明の活性化方法においては、不活性型として蛋白質が生産される培地であれば、上記の無血清培地に限定されることなく、血清培地でも良い。血清培地の血清濃度としては、不活性型の蛋白質が生産される濃度であれば特に限定されないが、例えば約5%以下が挙げられる。
本発明の対象となる蛋白質は、その分子構造内に遊離のシステインを有しているのが特徴である。また、ジスルフィド結合を形成していない遊離のシステインを分子内に有し、かつシステインのチオール基が結合活性に関与している蛋白質である。遊離(状態)とは、一般に不対電子をもち、比較的不安定で、反応性に富んだ状態を指し、システインの場合にはそのチオール基部分が反応性に富む。遊離のシステイン、特にそのチオール基部分は蛋白質の結合活性に関与している場合があり、特に蛋白質が抗体の場合は、可変領域に存在する遊離のシステイン、特にそのチオール基部分は抗原との結合活性に関与していると考えられる。具体的には、抗体であることが好ましく、抗体の可変領域に遊離のシステインを有する抗体が好ましい。より好ましくはモノクローナル抗体であり、最も好ましくはヒトモノクローナル抗体である。ヒトモノクローナル抗体は、医薬としてヒトに投与する場合、異種動物の蛋白質ではない点で有利である。
本発明で対象となるヒトモノクローナル抗体の一例としては、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体が挙げられる。これらのアミノ酸配列は、通常、重鎖及び軽鎖の各鎖の3つの超可変領域に、N末端側から、配列番号1、2及び3ならびに配列番号4、5及び6の順でそれぞれ含まれる。超可変領域は、免疫グロブリンの抗体としての特異性、抗原決定基と抗体の結合親和性を決定するものであり、相補性決定部とも呼ばれる。従って、かかる超可変領域以外の領域は他の抗体由来であっても構わない。すなわち、抗原との結合活性(反応性)を損なわない範囲で一部のアミノ酸を置換、挿入、削除あるいは追加する等の改変を行ったものも本発明において使用できるヒトモノクローナル抗体に含まれる。
より具体的には、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体、すなわちGAH抗体が挙げられる。GAH抗体とは、胃癌及び大腸癌との反応性からスクリーニングされた癌に特異的に結合するヒトモノクローナル抗体であり(特開平4−346918号及び特開平5−304987号各号公報)、この抗体は、癌患者由来リンパ球とマウスミエローマ細胞とのハイブリドーマを作製し、上記の特定のアミノ酸配列を有するものを選択することによって得ることができるし、遺伝子工学的な手法により作製することもできる(特開平5−304987号公報)。
かかるGAH抗体においては公知のヒト抗体のアミノ酸配列におけるシステインの位置と比較して、配列表の配列番号7における32番目のシステインに特徴がある。即ち、これは分子内でのジスルフィド結合形成には関与しない遊離のシステインと推定される。該システイン残基は配列表の配列番号1に示した配列中の4番目のアミノ酸に相当し、重鎖の超可変領域に位置することから、抗原との結合活性に関与していると考えられる。
発明の対象となる抗体としては、F(ab’)2化抗体が最適であるが、ホール抗体(全長抗体、抗体全体)、抗体断片(抗体フラグメント、例えば、F(ab’)、F(ab’)2、scFv(一本鎖抗体)など)、又は抗体誘導体なども含まれる。
本発明により活性化された蛋白質、とりわけモノクローナル抗体を特に薬剤として用いようとする場合、ホール抗体の他、F(ab’)2化した抗体を用いる場合も考えられる。
しかしながら、最終目的物であるF(ab’)2化抗体に対して、還元剤、抗酸化剤及び遊離のシステインの修飾を還元しやすくする物質の存在下で本発明の方法を施す場合、2つのF(ab’)間を架橋するジスルフィド結合部分の結合強度が立体的に弱いことから、本発明の弱い還元条件における処理によっても容易に還元される分子が存在し、このため二分子のF(ab’)が生成されてしまうことが考えられる。このようなF(ab’)の生成を避けるため、F(ab’)2化抗体を最終目的物とする場合は、抗体精製後のホール抗体の段階で本発明の方法を行うことが有効である。すなわち、ホール抗体の段階ではFc部分の架橋及び立体構造が比較的安定であるため、本発明の方法によって容易に1価抗体へと還元はされない。そこでホール抗体の段階で結合活性に関与するチオール基部分のみ活性型に変換し、その後ペプシン消化によりF(ab’)2化を行うことで活性型F(ab’)2化抗体を取得することにより、かかる問題点を克服できる。
本発明の方法で得られる蛋白質は、血清培地で得られる蛋白質と同等の理化学的性質又は生物学的性質を有する。
本発明において、蛋白質の理化学的性質を測定する方法としてはイオン交換高性能液体クロマトグラフィー(イオン交換HPLC)を用いることが好ましく、後述する実施例中の条件を用いることがより好ましい。この発明において同等の性質とは、活性のある標準品と比較して、メインのピークが標準品と同等のリテンションタイムに観察されることである。標準品のピークが複数ある場合は、1つ或いは複数のピークが標準品と同等のリテンションタイムに観察されることである。後述の実施例で説明すると、標準品として血清培地で得られた活性のある抗体を用い、GAH抗体と同等のリテンションタイムにメインのピークが観察されることである。具体的には、GAHホール抗体に於いては、後述する第7図に示すように約15.5分、約17.5分、約22分にピークが観察されることである。また、F(ab’)2化GAH抗体に於いては、後述する第12図に示すように約15分、約17分、約21.5分にピークが観察されることである。このリテンションタイムはあくまでも目安であり、分析機器の違い等によって変化することは充分に起こり得うることであり、同等性は同条件で分析を実施し、標準品との比較の結果判定されるものである。
本発明において、生物学的性質を測定する方法としては固相酵素免疫検定(ELISA)による結合活性を用いることが好ましく、後述する実施例中の条件を用いることがより好ましい。この発明において同等の性質とは、標準品と比較して、その活性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%以上に回復していることである。
本発明は、前述の抗体をはじめ、本発明の方法で得られた蛋白質を有効成分として含有する医薬、例えば上記物質と薬学的に許容しうる担体とからなる医薬組成物を提供し、種々の形態の治療用製剤を提供する。薬学的に許容しうるとは、悪心、目眩、吐き気等投与に伴う望ましくない副作用、頻回投与時の製剤に対する免疫応答などがおきないことを意味する。さらに、本発明の蛋白質に例えば毒素等の物質を結合させた抗体も医薬品として使用可能である。例えば、ドキソルビシン等の抗腫瘍剤等の薬剤を封入したリポソーム等に抗体等の蛋白質を結合させたものを挙げることもできる(特開平4−346918号、特開平5−304987号及びWO00/64413号各号公報)。抗体が結合した腫瘍性物質含有リポソームは、公知の方法、例えば、脱水法(特表平2−502348号公報)、安定化剤を加え液剤として用いる方法(特開昭64−9331号公報)、凍結乾燥法(特開昭64−9931号公報)等により製剤化することができ、血管内投与、局所投与などの方法で患者に投与することができる。投与量は有効成分の抗腫瘍性物質の種類に応じて適宜選択することができるが、例えばドキソルビシンを封入したリポソームを投与する場合には、有効成分量として50mg/kg以下、好ましくは10mg/kg以下、より好ましくは5mg/kg以下で用いることができる。
実施例
以下の実施例により、本発明をさらにより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1 無血清培養によるGAH抗体のホール抗体(以下、GAHホール抗体と称する)の培地中への生産
無血清培地CD CHO(インビトロジェン社)及びExCell325−PF(JRH社)1Lにそれぞれ4mmolのグルタミン(SIGMA社)、10mgのインシュリン(SIGMA社)を溶解し0.22μmボトルトップフィルター(コーニング・コースター社)で無菌ろ過を行い細胞培養培地を調製した。調製した細胞培地を予め高圧蒸気滅菌器(サクラ精機社)で滅菌しておいた1Lスピンナーフラスコ(Belco社)に無菌的に仕込み培養制御装置(バイオット社)に設置し、温度37℃、溶存酸素濃度3.0mg/l、pH7.4、攪拌回転数60rpmに調製を行った。
予めローラーボトル(Falcon社)で培養しておいた遺伝子組換GAH抗体産生CHO細胞1−6R(特開平5−304987号公報実施例参照)にトリプシンを作用させ細胞を剥離し、遠心後上清を廃棄し、それぞれの無血清培地で細胞を2回洗浄して、種細胞とした。その後、それぞれの無血清培地に懸濁し、無菌的に1Lスピンナーフラスコに細胞を播種し、培養を開始した。播種後、サンプリングを行い血球計数盤で生細胞密度、生存率を測定したところ、それぞれCD CHO:1.09×105cells/ml 82.3%、ExCell325−PF:0.87×105cells/ml 84.1%であった。
播種後353hrで培養を終了し、培養液を回収した。培養液は、遠心(3000rpm,20min)後0.22μmボトルトップフィルターでろ過し、約800mlの未精製バルクを得た。
実施例2 無血清培養により得られた未精製バルクからのGAHホール抗体の精製
実施例1で得られた未精製バルクそれぞれ約800mlをそれぞれ2回に分け、XK16カラム(i,d.16mm、アマシャム・バイオサイエンス社製)にProsep−A樹脂(ミリポア社製)を14.3ml充填したカラムクロマトで精製を行った。流速は、14.3ml/minで実施し、アプライ、洗浄はdownflow、溶出、再生はupflowで未精製バルク及び緩衝液をカラムに供給した。洗浄、溶出、再生の緩衝液組成は、40mM NaClを含む40mM酢酸緩衝溶液でありpHはそれぞれ6.0、4.0、2.7である。
CD CHO、ExCell325−PFの未精製バルクより、それぞれ47.2ml、50.8mlのホール抗体含有液(pH4.0)を得た。この溶液の抗体含有量は、紫外吸光度法で測定を行ったところそれぞれ57mg、48mgであった。
上記で述べたGAH抗体の無血清培養工程を第1図に示す。
実施例3 GAHホール抗体のHPLCによる分析
CD CHO培地で生産されたGAHホール抗体約10μl(50μg相当)に最終0.1mML−システインを含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約40μlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。マイクロコンYM−10(アミコン社)で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。この液をTSKgel CM−5PW(内径7.5mm,長さ7.5cm;東ソー社品)に供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。
操作条件:
検出器:紫外吸光光度計(測定波長280nm)
カラム:TSKgel CM−5PW(内径7.5mm×長さ7.5cm)東ソー社品
カラム温度:30℃付近の一定温度
流量:1.0ml/min
移動相A:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
移動相B:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)/0.5M塩化ナトリウム
移動相の送液:濃度勾配制御(以下、表1)
結果を第2図に示した。クロマトグラムは22.1分のピークを頂点とするブロードな山となっており、後述の図9と比較すると還元剤(システイン)だけでも反応は進行していると考えられる。
実施例4 GAHホール抗体のHPLCによる分析
CD CHO培地で生産されたGAHホール抗体約10μl(50μg相当)に最終1mML−システイン及び3mMアスコルビン酸を含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約80μlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。マイクロコンYM−10で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。この液をTSKgel CM−5PWに供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。操作条件は実施例3と同様である。
結果を第3図に示した。クロマトグラムは22.1分のピークが頂点となっているが前にもブロードな山がある。後述の図9と比較すると還元剤(システイン)及び抗酸化剤(アスコルビン酸)だけでも反応は進行していると考えられる。
比較例1 GAHホール抗体のHPLCによる分析
ExCell325−PF培地で生産されたGAHホール抗体約10μl(50μg相当)に最終0.8Mグアニジン塩酸を含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約80μlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。マイクロコンYM−10で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。この液をTSKgel CM−5PWに供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。操作条件は実施例3と同様である。
結果を第4図に示した。クロマトグラムは特にピークが見られないブロードな山となっており、グアニジン塩酸によって分解物が生成されたことが想定された。
実施例5 GAHホール抗体のHPLCによる分析
ExCell325−PF培地で生産されたGAHホール抗体約10μl(50μg相当)に最終2.5M塩化ナトリウムを含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約90μlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。マイクロコンYM−10で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。この液をTSKgel CM−5PWに供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。操作条件は実施例3と同様である。
結果を第5図に示した。クロマトグラムは23.4分ピークを頂点とするブロードな山であった。頂点の高さは比較例1のグアニジン塩酸のみより高く、塩化ナトリウムの添加により強い変性剤と比較して分解生成物は起きにくいことが示唆された。
実施例6 GAHホール抗体のHPLCによる分析
ExCell325−PF培地で生産されたGAHホール抗体約10μl(50μg相当)に最終15mMアスコルビン酸及び3M塩化ナトリウムを含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約140μlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。マイクロコンYM−10で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。この液をTSKgel CM−5PWに供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。操作条件は実施例3と同様である。
結果を第6図に示した。クロマトグラムは22.7分ピークを頂点とするが前にもブロードな山があり、後述の第11図と比較すると抗酸化剤(アスコルビン酸)及び塩化ナトリウムだけでも反応は進行していると考えられる。
実施例7 GAHホール抗体の活性化処理
実施例2により取得した、CD CHO培地及びEXCELL325−PF培地それぞれを用いたGAHホール抗体溶液各々20mgをセントリコン30(アミコン社)を用いて約1.7mLに濃縮した。この液250μL(3mg相当)に最終1.6M塩化ナトリウム、2mML−システイン、12mMアスコルビン酸を含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH9)なる組成になる様に試薬を添加し、約10mlにした。この液を室温にて16時間放置した後、トリフルオロ酢酸を加えてpH4にした。セントリコン30で濃縮し、液組成を0.05%酢酸に置換した。
実施例8 GAHホール抗体のHPLCによる分析
実施例7で得られた溶液を用いて陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行い実施例7の処理を行わなかった試料のクロマトグラムと比較した。操作条件は実施例3と同様である。
結果を第7図から第11図に示した。
その結果、実施例7の処理(以下、「本発明の方法」と称する場合もある)を施さないGAHホール抗体のクロマトグラムでは第8図及び第10図に示す様にヘテロジェナイティに由来する数多くの分子種が存在し、保持時間も全体に早い。他方、本発明の方法を施した後のクロマトグラムでは第9図及び第11図に示す様にいずれも保持時間22.6分にメインピークが認められる。このピークは結合活性を有する血清入り培養GAHホール抗体の結果を示す第7図の22.1分に見られるピークに相当すると考えられ、本発明の方法においては活性型に相当する分子種への変換が良好に進んでいると考えられる。尚、第7図に示した様に従来の血清入り培養で得られる活性型のGAHホール抗体でも数本のヘテロジェナイティ分子種が認められる。
実施例9 GAHホール抗体の結合活性測定
実施例2及び実施例7で得られたGAHホール抗体の結合活性の測定は、MKN45細胞固定化プレートを用いたエライザ法により行った。すなわち、MKN45胃癌細胞株(内藤ら、癌と化学療法、5,89,1978、免疫生物研究所から入手)を細胞培養用96穴プレートの各ウェルに約4×104/mLとなるように加えた後2日間培養し、パラホルムアルデヒド溶液により固定化したプレートを用意した。このプレートに段階希釈したGAHホール抗体を加え、37℃2時間静置した。洗浄後、各ウェルに西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG抗体を加えて37℃1時間静置した後、o‐フェニレンジアミン溶液を加えて発色させた。2M硫酸で反応停止後、イムノリーダーを用いて波長490nmと650nmの吸光度の差を求めた。希釈した血清入り培養GAHホール抗体の検量線を作成し、それを基準として同一濃度の試料溶液の吸光度との割合から力価を算出した。結果を表2に示した。表2は、GAHホール抗体での結合活性を示す表であり、血清入り培養GAHホール抗体(第7図に相当する試料)の結合活性を100%として表した。また、相当する試料のイオン交換HPLCの図番号を表中の括弧内に示した。
本発明を施さないGAHホール抗体では結合活性は70%前後と低いが、本発明の方法処理を施すことにより活性が100%以上へと良好に回復している。
実施例10 活性化処理後のホール抗体のペプシン消化によるF(ab’)2化及び精製
実施例2で得られた溶液のうち、それぞれ25mlづつを実施例7の活性化処理を行わずにペプシン消化を行った。すなわちペプシン(SIGMA社)を1.2mg/g−GAHとなる様に加えて、マイレクスフィルター(ミリポア社、0.22μm)で無菌濾過し、37℃で加温しながら穏やかに17時間攪拌を行った。
一方、実施例7で得られた活性化処理済試料は、pHを4.0に調整後、同様にペプシン消化を行った。
ペプシン消化後陽イオン交換カラムクロマト法を用いてGAHF(ab’)2化抗体を精製した。すなわち、XK16カラムに陽イオン交換樹脂SP−Sephrose FF(アマシャム・バイオサイエンス社)を15.3ml充填し、ペプシン消化後の抗体含有液を供した。その後、20mM NaCl含有40mM酢酸緩衝液(pH4.0)で洗浄を行い、塩濃度を徐々に高めながら、抗体のピークを分取した。流速は、1.58ml/minである。活性化処理無しのCD CHO、ExCell325−PFの試料の体積はそれぞれ12.5ml、21.8mlであり、活性化処理有りのCD CHO、ExCell325−PFの試料はそれぞれ10.5ml、11.6mlであった。
上記で述べたGAHホール抗体の精製後の活性化処理、ペプシン消化及びF(ab’)2化抗体の精製工程を第1図に示す。
実施例11 F(ab’)2化GAH抗体のHPLCによる分析
実施例10により得られたF(ab’)2化GAH抗体を、セントリコン30を用いて濃縮、脱塩し0.05%酢酸溶液に置換した。この液をTSKgel CM−5PW(内径7.5mm,長さ7.5cm;東ソー社品)に供して陽イオン交換液体クロマトグラフ法を行った。溶出条件は実施例3と同様である。そして、実施例7の処理のみを行わずにF(ab’)2まで調製した試料のクロマトグラムと比較した。すなわち緩衝液(50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0))で平衡化した上記カラムに各試料を供した後、0.5M NaClを含む緩衝液で溶出した。CD CHO培地及びEXCELL325−PF培地それぞれについて培養、精製したF(ab’)2化GAH抗体について、実施例7の処理を行った試料と行っていない試料を比較した結果を第12図から第16図に示した。
本発明の方法を施さないGAHホール抗体から作製したF(ab’)2化抗体のクロマトグラムでは第13図及び第15図に示す様にヘテロジェナイティに由来する数多くの分子種が存在し、保持時間も全体に早い。他方、本発明の方法を施した後のGAHホール抗体から第1図に従って作製したF(ab’)2化抗体のクロマトグラムでは第14図及び第16図に示す様に保持時間21.6分にメインピークが認められる。このピークは結合活性を有する血清入り培養GAHホール抗体から作製したF(ab’)2化抗体でも第12図の21.7分に見られるピークに相当すると考えられ、変換された活性型に相当する分子種は、その後に行うペプシン消化、カラム精製などの工程でも良好に維持されていると考えられる。尚、第12図に示した様に従来の血清入り培養で得られる活性型のF(ab’)2化GAH抗体では数本のヘテロジェナイティ分子種が認められるが、第14図及び第16図に示したクロマトグラムでも同様のパターンを示した。
実施例12 F(ab’)2化GAH抗体の結合活性測定
実施例10で得られたF(ab’)2化GAH抗体結合活性の測定を、実施例9に記載の方法に従って行った。
結果を表3に示した。表3は、F(ab’)2化GAH抗体での結合活性を示す表であり、血清入り培養F(ab’)2化GAH抗体(第12図に相当する試料)の結合活性を100%として表した。また、相当する試料のイオン交換HPLCの図番号を表中の括弧内に示した。
本発明の方法を施さないGAHホール抗体からペプシン処理により得られるF(ab’)2化GAH抗体では結合活性は60%前後と低い。他方、本発明の方法の処理を施したGAHホール抗体から同様の処理により得られるF(ab’)2化GAH抗体は、ペプシン消化、イオン交換カラムでの精製などを経ても結合活性が再び低下することなく、100%以上へと良好に回復しており、ホール抗体の段階で回復が確認された活性が良好に維持されている。
実施例14 L−システインの無血清培地への添加によるGAHホール抗体の培地中への生産
無血清培地ExCell325−PF(JRH社)1Lに4mmolのグルタミン(SIGMA社)、10mgのインシュリン(SIGMA社)を溶解し0.22μmボトルトップフィルター(コーニング・コースター社)で無菌ろ過を行い細胞培養培地を調整した。予め滅菌しておいた4基の250ml spinner flask(ベルコ社)に無機的に分取し、そこに無菌的にL−システインをそれぞれ0mM、1mM、5mM、10mMになるよう添加した。細胞は、実施例1と同様の方法で調整し、各スピナーフラスコに8.27×105cells/mlの密度で播種を行った。その後、37℃、40rpmの条件で培養を256hr実施した。培養液は、遠心(3000rpm,20min)後0.22μmボトルトップフィルターでろ過し、それぞれ約140mlの未精製バルクを得た。その後、未精製バルクを実施例2と同様の方法でそれぞれアフィニティー精製し、0.22μmボトルトップフィルターで無菌ろ過を行った。この抗体精製溶液を用いて実施例4で示したHPLCによる分析を行った。
結果を第17図から第20図に示す。L−システインを無血清培地中に加えなかった抗体のクロマトグラフ(第17図)は、アフィニティー精製後本発明の処理を加えなかったもの(第8図及び第10図)と同等であり抗体活性が低いと推定される。しかし、培地中にL−システインを加えたクロマトグラフ(第18図から第20図)は、血清入り培養を行ったクロマトグラム(第7図)と同等の位置にピークが存在し、抗体活性を有するものと推測される。したがって、無血清培地にL−システインを添加し培養することによって、抗体活性が比較的高い抗体が得られることがわかる。
産業上の利用可能性
本発明の方法によれば、遊離のシステインを有する蛋白質を無血清培地で活性型として生産することが可能である。
尚、本出願は、日本特許出願 特願2001−370541号を優先権主張して出願されたものである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
第1図は、GAH抗体の製造手順のフローチャートを示す図である。
第2図は、CD CHO培地を用いて培養したGAHホール抗体にシステインを添加した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第3図は、CD CHO培地を用いて培養したGAHホール抗体にシステイン及びアスコルビン酸を添加した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第4図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したGAHホール抗体にグアニジン塩酸を添加した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第5図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したGAHホール抗体に塩化ナトリウムを添加した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第6図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したGAHホール抗体にアスコルビン酸及び塩化ナトリウムを添加した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第7図血清入り培養GAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第8図は、CD CHO培地を用いて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第9図は、CD CHO培地を用いて培養したGAHホール抗体に本発明の処理を施した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第10図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第11図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したGAHホール抗体に本発明の処理を施した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第12図は、血清入り培養F(ab’)2化GAH抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第13図は、CD CHO培地を用いて培養したF(ab’)2化GAH抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第14図は、CD CHO培地を用いて培養したF(ab’)2化GAH抗体に本発明の処理を施した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第15図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したF(ab’)2化GAH抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第16図は、ExCell325−PF培地を用いて培養したF(ab’)2化GAH抗体に本発明の処理を施した後のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図である。
第17図は、ExCell−325 PF培地を用いて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図面である。
第18図は、ExCell−325 PF培地にシステイン(1mM)を加えて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図面である。
第19図は、ExCell−325 PF培地にシステイン(5mM)を加えて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図面である。
第20図は、ExCell−325 PF培地にシステイン(10mM)を加えて培養したGAHホール抗体のイオン交換HPLCクロマトグラム結果を表す図面である。
Claims (14)
- システイン及び / 又はアスコルビン酸及び / 又は塩化ナトリウム若しくは塩化カリウムの存在下において抗体を無血清培地を用いて生産する方法であって、抗体が活性化されて生産されることを特徴とする方法。
- 抗体が、抗体の可変領域に遊離のシステインを有する抗体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- ヒトモノクローナル抗体が、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- ヒトモノクローナル抗体が、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 抗体が、F(ab’)2化抗体であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の方法を用いて、抗体を無血清培地を用いた培養によって生産する方法。
- 不活性型として生産された抗体を活性化する方法であって、システイン及びアスコルビン酸及び塩化ナトリウム若しくは塩化カリウムの存在下に行われることを特徴とする方法。
- 抗体が、抗体の可変領域に遊離のシステインを有する抗体であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 抗体が、ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
- ヒトモノクローナル抗体が、重鎖の超可変領域に、配列表の配列番号1、2及び3のアミノ酸配列を含み、軽鎖の超可変領域に、配列表の配列番号4、5及び6のアミノ酸配列を含む抗体であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- ヒトモノクローナル抗体が、配列表の配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列表の配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 抗体がF(ab’)2化抗体であることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の方法。
- システイン及びアスコルビン酸及び塩化ナトリウム若しくは塩化カリウムの添加を、抗体精製後のホール抗体存在時に行うことを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載の方法。
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