JP4248466B2 - 繊維製品の染色方法 - Google Patents

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Description

この発明はインクジェットプリンタを用いて染色を行う前の前処理に関し、特にセルロース繊維と合成繊維とを含む布やガーメントを、反応染料と分散染料とを用いて染色する際の前処理に関する。
綿などのセルロース繊維とポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成繊維とを、混紡などにより併用した繊維製品では、反応染料によりセルロース繊維を染色し、分散染料により合成繊維を染色する。反応染料の発色には例えば11程度の高いPHが必要であり、分散染料はアルカリ性では不安定なので、中性ないしは酸性での染色が必要である。またインクジェットプリントの場合、染色を反応染料と分散染料との2回に分けて行うことは非現実的である。
インクジェットプリント前の繊維製品は、PH調整剤と糊剤、金属イオン封鎖剤などを含む前処理剤で処理され、乾燥後にインクジェットプリントされる。そして例えばインクジェットプリント後に再度乾燥し、スチーマで蒸熱し、洗浄して染色を完了する。この場合、PH調整剤をどのように調合しても、分散染料の発色が悪くなるか、反応染料の発色が不十分になるかのいずれかであった。
この発明の基本的課題は、分散染料と反応染料のいずれに対しても、高い染着性を得ることができるようにすることにある。
この発明での副次的課題は、スチーマでの処理の初期にPHが過剰に上昇して、分散染料の発色が悪化することを防止すると共に、スチーマでの処理時に比較的長時間の間、PHを弱アルカリ性に保って、反応染料の染着時間を確保することにある。
この発明での他の副次的課題は、前処理時や乾燥時などの、繊維製品からの酢酸臭やアンモニア臭をなるべく弱くすることにある。
この発明の繊維製品の染色方法では、セルロース繊維と合成繊維とを含む繊維製品のインクジェットプリント前に、常温で中性で、スチーマでの蒸熱処理時に分解して弱アルカリ性となるPH調整剤を含む前処理剤で、前記繊維製品を処理する。前処理剤は、PH調整剤以外に例えば、CMC系などの糊剤、尿素などのヒドロトロープ剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤などを含み、前処理剤の溶液から水などを除いた有効成分(固形成分)に換算して、繊維製品1Kg当たり100〜600g程度、好ましくは200〜450g程度使用する。前処理剤は例えば水溶液として使用し、前処理剤溶液中の有効成分濃度は例えば10〜30wt%程度とし、実施例では20wt%とした。また特に断らない限り、前処理剤やPH調整剤の重量は、有効成分に換算した、言い換えると固形成分に換算した重量で示す。
前処理剤は例えばスプレーで繊維製品に水溶液として噴霧し、赤外線による強制乾燥や自然乾燥などで乾燥させ、次いでインクジェットプリンタで分散染料と反応染料とをプリントし、例えば再度乾燥した後に、スチーマで処理する。分散染料や反応染料は例えばインクジェットプリンタの同じノズルからプリントするが、1つのヘッドにノズルを2種類設けて同時にプリントしても良い。分散染料や反応染料の種類自体は任意である。スチーマは、100℃付近の飽和水蒸気を用いた常圧スチーマでも、100℃よりも高い温度での不飽和の水蒸気を用いたHTS(High Temperature Setting)を用いたものでも良い。そしてスチーマでの処理後に洗浄して染色を完了する。なおこの明細書において、染色方法やその前処理に関する記載は、そのまま前処理剤や前処理剤で処理した繊維製品にも当てはまる。前処理対象の繊維製品は、生地でも編成済みのガーメントなどのように編成や縫製を終えた製品でも良い。
蒸熱処理時に分解して弱アルカリ性となる物質としては、炭酸塩や酢酸塩などの揮発性の酸性物質を含む塩があり、塩が水溶性で、かつアルカリ成分の揮発性がないようにするため、Na塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
PH調整剤には蒸熱時にアルカリ性となる成分として、スチーマでの蒸熱時の分解速度が異なる複数の成分を含める。このようにすることによって、スチーマでの処理の間の比較的長い時間に渡って、特に好ましくはスチーマでの処理のほぼ全時間に渡って、繊維製品を弱アルカリ性に保つことができる。
例えば炭酸塩は酢酸塩やその誘導体の塩よりも簡単に分解するので、スチーマでの処理の初期にPHを上昇させて弱アルカリ性にするのに適している。これに対して酢酸塩は分解してNaOHなどのアルカリ性物質を放出するのが遅いので、スチーマでの処理の中間や後半を弱アルカリ性に保つのに適している。また酢酸では、塩素原子で水素を1〜3個置換した1〜3クロロ酢酸などの誘導体が工業的に入手可能で、誘導体の種類を選ぶことにより、スチーマでの分解速度を調整できる。
PH調整剤は、
a(第1の有効成分): 炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸ナトリウムと、
b(第2の有効成分): モノクロロ酢酸ナトリウム、もしくはジクロロ酢酸ナトリウム、あるいは酢酸ナトリウム及びトリクロロ酢酸ナトリウムと、
c(第3の有効成分): クエン酸またはクエン酸のアンモニウム塩、とを有効成分とする。なお炭酸ナトリウムよりもアルカリ性の弱い炭酸水素ナトリウムが好ましい。aの炭酸水素ナトリウムなどと、bのモノクロロ酢酸ナトリウム、もしくはジクロロ酢酸ナトリウム、あるいは酢酸ナトリウム及びトリクロロ酢酸ナトリウムを併用するのは、スチーマでの処理で、最初に炭酸水素ナトリウムなどが分解してNaOHを放出し、次に酢酸塩系の物質が分解するようにするためである。
ところで炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムはスチーマでの分解が速く、PHを不必要に上昇させて分散染料を分解することがある。そこで炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸ナトリウムと、bの酢酸ナトリウムまたはその誘導体の他に、クエン酸、またはクエン酸のアンモニウム塩(クエン酸当たりのアンモニアの個数は1〜3個で任意)、好ましくはクエン酸の二アンモニウム塩を併用する。するとスチーマでの処理の初期に炭酸水素ナトリウムなどから生じたNaOHを、クエン酸アンモニウムが分解して生じたクエン酸などで吸収し、PHが過剰に上昇して分散染料を分解するのを防止できる。なおクエン酸アンモニウムの副生成物はアンモニアである。
PH調整剤は好ましくは、室温で前処理剤の水溶液が、PHが7〜8程度の中性に保たれるようにし、室温でPHが8以上となる場合は、酢酸などの揮発性の酸やクエン酸などを加えて、PHを7〜8に調整すると良い。
特に好ましくは、前記bの第2の有効成分として、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを含有する。
この発明では、常温では中性で、スチーマでの蒸熱処理時に弱アルカリ性となるPH調整剤で、セルロース繊維と合成繊維とを含む繊維製品を前処理する。スチーマでの蒸熱まではPH調整剤は中性なので、分散染料を分解することがなく、蒸熱時には分解して弱アルカリ性になるので、反応染料の染着を促進する。そして蒸熱時もPH調整剤が強アルカリにならずに弱アルカリにとどまるので、分散染料も充分に染着できる。このためセルロース繊維と合成繊維との混紡などの繊維製品に対して、良好な発色を得ることができる。
また第3の有効成分としてクエン酸あるいはそのアンモニウム塩を、第1の有効成分の炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸ナトリウムと併用することにより、スチーマでの処理の初期にPHが過剰に上昇することを防止して分散染料の発色を良くする。さらに第2の有効成分としてモノクロロ酢酸ナトリウム、もしくはジクロロ酢酸ナトリウム、あるいは酢酸ナトリウム及びトリクロロ酢酸ナトリウムを加えることにより、スチーマ中で長時間、繊維製品を適切なPHに保ち、反応染料の発色性をより高めることができる。特に酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを併用すると、これらの物質は沸点が相当に異なるため、スチーマでの処理の終わりまで繊維製品を弱アルカリ性に保つことができる。
クエン酸アンモニウムにはアンモニア臭があり、含有量はPH調整剤の15wt%以下が好ましく、より好ましくはPH調整剤の15wt%以下でかつ前処理剤溶液の1.5wt%以下とする。なお特に断らない場合、PH調整剤中の各成分は、固形状態でのPH調整剤に対する重量濃度、即ちPH調整剤の有効成分に対する重量濃度で示す。また酢酸ナトリウムなどの酢酸塩やその誘導体には酢酸臭があるが、炭酸水素ナトリウムなどで酢酸臭を抑制でき、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを併用すると、酢酸ナトリウム単独の場合よりも、酢酸臭をさらに少なくできる。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1〜図3に、実施例を示す。処理対象の繊維製品は、綿などのセルロース繊維とポリエステルなどの合成繊維との複合素材から成るものとし、セルロース繊維の種類や合成繊維の種類は任意で、混紡に限るものではなく、メランジ糸などでも良い。前処理剤中の例えば20〜80wt%がPH調整剤で、ここでは50wt%とし、糊剤は例えば公知のCMC系のものを20wt%程度、ヒドロトロープ剤として尿素を22wt%程度、それぞれ公知の還元防止剤と金属イオン封鎖剤とを各3wt%程度添加する。なお各成分の含有量は、前処理剤やPH調整剤の有効成分(固形成分)の重量に対する割合で示し、重曹、酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、クエン酸二アンモニウムなどのPH調整剤の各成分は室温で固体で、PH調整剤は単独では固形で、これらの塩の重量は無水塩換算で示す。またここではPH調整剤を糊剤などと混合して前処理剤とするが、PH調整剤単独として糊剤などとは別個に使用しても良い。
PH調整剤は好ましくは炭酸水素ナトリウム(以下重曹)と酢酸ナトリウム並びにトリクロロ酢酸ナトリウム及びクエン酸二アンモニウムを含有する。実施例ではこれらの含有比率は、重曹を1重量部として、酢酸ナトリウムを2重量部、トリクロロ酢酸ナトリウムを1重量部、クエン酸二アンモニウムを0.5重量部とした。クエン酸二アンモニウムの重量は、PH調整剤中の塩や酸及びアルカリの合計重量(以下この重量をPH調整剤の全量という)に対して、好ましくは5wt%以上で15wt%以下とする。また重曹の割合は、PH調整剤の全量に対して、好ましくは15〜40wt%とし、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムは合計量でPH調整剤の全量の45〜80wt%とする。そして酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムの合計重量に対して、酢酸ナトリウムが50wt%以上85wt%以下含有されていることが好ましい。
実施例ではクエン酸二アンモニウムを用いるが、これに代えてクエン酸一アンモニウムやクエン酸三アンモニウムなどを用いても良く、あるいは単なるクエン酸を用いても良い。また酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを併用するのは、スチーマでの分解速度が異なる2つの物質を併用することにより、スチーマ中で弱アルカリの適切なPHに保たれる時間を長くするためである。しかしながら、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとの混合物に代えて、単にジクロロ酢酸ナトリウムやモノクロロ酢酸ナトリウムなどを用いても良い。実施例では酢酸塩や酢酸誘導体塩はNa塩とするが、K塩などでも良い。さらにPH調整剤は、室温で、PH調整剤単独で10wt%程度の水溶液とした際に、あるいは前処理剤として20wt%程度の水溶液とした際に、PHが7〜8程度の中性となることが好ましい。このようにすることによって、スチーマでの処理前に分散染料がアルカリにより分解されることを防止できる。
図1に示すように、前処理剤は例えばスプレーにより処理対象の生地やガーメントの全面に噴霧するが、インクジェットプリントを行う領域のみに局所的に噴霧しても良い。前処理剤を噴霧した繊維製品は、例えば赤外線加熱により強制乾燥するが、自然乾燥しても良い。スプレーでの前処理剤の噴霧時並びに強制乾燥時には、酢酸系化合物からの酢酸臭とクエン酸二アンモニウムからのアンモニア臭とがするので、これらの臭気を許容範囲内に止めるように、クエン酸アンモニウム化合物の量をPH調整剤の全量に対して5〜15wt%で前処理剤溶液の0.5〜1.5wt%とし、酢酸ナトリウムやトリクロロ酢酸ナトリウムの他に重曹を併用して、アルカリ源化合物に必要な酢酸量を減少させる。さらにトリクロロ酢酸ナトリウムは酢酸ナトリウムに比べて高沸点のため酢酸臭が少ないので、トリクロロ酢酸ナトリウムと酢酸ナトリウムとを混合し、全体としての酢酸臭を少なくし、重曹のアルカリ性で酢酸臭をさらに少なくする。スプレー時や強制乾燥時の酢酸臭やアンモニア臭を少なくできたことは、この時のPH調整剤の分解も僅かにできたことを意味する。
前処理剤で処理し、強制乾燥を行った繊維製品に対して、インクジェットプリンタにより分散染料と反応染料との混合物染料を用いてインクジェットプリントする。反応染料や分散染料の種類は任意であるが、実施例では反応染料としてC.I.リアクティブ・イエロー並びにC.I.リアクティブ・レッド及びC.I.リアクティブ・ブルーを用い、分散染料としてC.I.ディスパース・イエロー及びC.I.ディスパース・レッド及びC.I.ディスパース・ブルーを用いた。そして例えば綿50%とポリエステル繊維50%との混紡繊維を用いた編地に対して、R,G,Bの各色調を16階調に変化させたパターン、及び色調の変化が豊富なデザインパターンとを用いてインクジェットプリントした。インクジェットプリント後の繊維製品を同様に赤外線で強制乾燥するが、自然乾燥などでも良い。
乾燥後の繊維製品を、スチーマで例えば100℃の飽和水蒸気により30分間蒸熱する。蒸熱に用いる水蒸気の温度は100〜130℃程度の範囲で変化させれば良く、また蒸熱時間は10分〜1時間程度の範囲で変化させればよい。蒸熱後の繊維製品を洗浄し、染色を完了する。
図2に、蒸熱の間のPH調整剤の各成分の寄与を示す。PH調整剤の各成分は蒸熱の間に分解して、炭酸や酢酸、アンモニアなどを放出し、NaOHやクエン酸などに変化してPHを調整する。重曹は比較的簡単にNaOHとCO2に分解するので、蒸熱の初期にPHを上昇させる。重曹単独では蒸熱の初期にPHが異常に上昇する恐れがあり、例えば室温でクエン酸二アンモニウムを加えず、重曹が全てNaOHに分解したとすると、繊維製品を浸している水分のPHは12以上となる。なお蒸熱時のPHは測定が困難で、蒸熱中のPHに言及する場合、推測値である。PHが11程度に達すると、分散染料が分解される恐れがあり、重曹のみをPH調整剤として使用すると(前処理剤の10wt%が重曹で、繊維重量の3wt%相当)、分散染料の黄色の発色が全く不充分になった。クエン酸二アンモニウムは蒸熱時の初期に分解してクエン酸を発生し、重曹の分解により生じたNaOHを吸収して、PHの急上昇を遅らせる。そこで重曹とクエン酸二アンモニウムとを組合せ、スチーマでの処理の開始から例えば10分程度の間、PHが9〜10程度の弱アルカリ性に繊維製品を保つ。
重曹の分解により生じたNaOHは徐々に失われていくので、スチーマでの処理の間、PHが9〜10程度の弱アルカリ性に保つため、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを併用する。これらは沸点が異なり、酢酸の沸点は約120℃、トリクロロ酢酸の沸点は約200℃なので、これらの分解速度には大差がある。そこで分解速度の異なる2つの酢酸ナトリウム系化合物を用いることにより、スチーマでの処理の中間から後半までの間、繊維製品をPHが9〜10程度の弱アルカリ性に保つ。
これらによってスチーマでの処理の間、繊維製品は弱アルカリ性に保たれ、PHの異常上昇を防止して、分散染料の分解を防止する。蒸熱時に弱アルカリ性に保たれているので、反応染料の染着は遅く、重曹と2種類の酢酸ナトリウム系物質とを併用することにより、弱アルカリ性に保たれる時間を長くし、反応染料の染着時間を確保する。
綿糸とポリエステル糸とを引き揃えた糸を用いて編地を編成し、R,G,B各16階調のパターンや、色調の変化の大きなパターンをプリントした。実施例では、発色の難しいレモン色が分散染料、反応染料共にきれいに発色し、反応染料と分散染料との間で発色の差による色むらは見られず、また滲みや泣きも見られなかった。
実施例でのPH調整剤の設計指針を図3に示す。重曹単独では分散染料の発色が不充分で、特に黄色の発色が全く不足しているので、重曹単独では使用することができない。酢酸ナトリウム単独では酢酸臭が強く、前処理剤のスプレーや乾燥時に著しい臭気が伴う。また酢酸ナトリウム単独では反応染料の発色が滲んでしまう。一方トリクロロ酢酸ナトリウム単独では、反応染料の発色がやや低く、酢酸臭もある。
そこで酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを併用すると、反応染料の滲みが解消でき、また酢酸臭を酢酸ナトリウム単独の場合よりも低くすることができる。滲みが解消できるのは、スチーマでの処理の間、弱アルカリに繊維製品を保つことができる時間が延びたためと考えられる。しかしながら、酢酸ナトリウムとトリクロロ酢酸ナトリウムとを混合しただけでは、なおかつ酢酸臭がある。ここに重曹を混合すると、酢酸臭をより低くすることができる。また重曹の混合により、反応染料の発色をより鮮やかにすることができる。これはスチーマでの処理の初期に重曹が分解してNaOHが放出されるためと考えられる。
重曹の添加は分散染料の発色性を低くする場合がある。このことは特に黄色の分散染料に対して生じる。そこでクエン酸二アンモニウムなどのクエン酸アンモニウム塩やクエン酸自体を添加することにより、分散染料の発色を改善できる。またクエン酸二アンモニウムはアンモニア臭を伴うが、重曹と併用し、添加量を制限すると、アンモニア臭を許容範囲に止めることができる。
これらの結果、実施例では、
(1) セルロース繊維とポリエステル繊維などを含む複合素材を用いた繊維製品に対して、分散染料,反応染料とも優れた発色を得ることができる。
(2) アンモニア臭や酢酸臭などを許容範囲内に止め、前処理剤の噴霧や乾燥時などの作業環境を改善できる。
なおこの発明のPH調整剤は、糊剤などと混合して前処理剤として使用しても良く、糊剤などは別途に添加することとして、単独で前処理剤として使用しても良い。
実施例でのインクジェットプリントによる染色方法の概要を示す工程図 実施例でのPH調整剤の各成分の作用を模式的に示す図 実施例でのPH調整剤の設計を示す図

Claims (2)

  1. セルロース繊維と合成繊維とを含む繊維製品に、分散染料と反応染料とを同時にインクジェットプリントした後、スチーマで蒸熱処理する染色方法において、
    第1の有効成分として炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸ナトリウムを含有し、第2の有効成分として、モノクロロ酢酸ナトリウム、もしくはジクロロ酢酸ナトリウム、あるいは酢酸ナトリウム及びトリクロロ酢酸ナトリウムを含有し、さらに第3の有効成分として、クエン酸もしくはクエン酸のアンモニウム塩を含有し、かつ常温で中性で、スチーマでの蒸熱処理時に分解して弱アルカリ性となるPH調整剤、
    を含む前処理剤で、
    前記インクジェットプリント前に、前記繊維製品を処理するようにしたことを特徴とする染色方法。
  2. 前記第2の有効成分が、酢酸ナトリウム及びトリクロロ酢酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1の染色方法。
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