JP4247099B2 - 動力装置とそれを用いた冷凍機、応用機器 - Google Patents

動力装置とそれを用いた冷凍機、応用機器 Download PDF

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本発明は、密封される隔室の構成が必要な産業機器に適用するための動力源として、出力用回転軸を隔壁によって密封状態に分離するように構成したマグネットカップリング機構を備え、減速機でトルク増加を図ったブラシレス直流モータからなる動力装置とそれを用いた冷凍機、応用機器に関する。
超電導磁石、各種分析装置、各種測定用基材等を極低温に維持するために、高性能な極低温冷凍機が用いられている。この極低温冷凍機において不良率を極限まで下げようとする場合は、可動部分周りを重要視する傾向にある。
例えば、
(1)製造及び組立時に混入したり、或いは連続運転時に作動ガスや構成部品等から発生する水分、不純物ガス、例えば二酸化炭素等のコンタミ(不純物)を完全に除去することができない場合があった。このため、冷凍装置本体内のコンタミが金属メッシュ部材等からなる蓄冷材を通過する際に集積・凝固して、金属メッシュ部材等に目詰まりを引き起こす。この結果、作動ガスが蓄冷材を通過する際に圧力損失が生じて、膨張空間での膨張仕事が減少すると共に、蓄冷材での熱交換効率の低下を引き起こし、冷凍特性が大きく低下することになる。
(2)また、駆動源にモータを用いる場合には、冷却ガスの漏洩を防止するためにモータも含めてクランクケースを密封することが行われている。しかし、モータには金属材料以外の各種材料からなるコイル巻線等が用いられているため、このコイル巻線等が主にコンタミを発生することになる。
これらコンタミによる悪影響を抑制するために、モータ内に、コイル巻線とローターとの間をガス密に隔離するカップ状の隔壁を設け、該隔壁とクランクケースを相互に連通するように一体に連結する先行技術(例えば、特許文献1参照)が既に提案されている。
前記特許文献1記載の従来のスターリング冷凍機は、クランクシャフト、結合ロッドを駆動する偏芯カム、クランクケース、クランクケースに係止される非磁性カップ状カバーを有し、非磁性カップ状カバーは直接クランクシャフトに連結されるモータの回転子(ローター)を収容している。ブラシレスモータの電機子(ステータ)と位置センサ組立体は、非磁性カップ状カバーおよびローター上に同軸配置される。シリンダーはヘッドから突出配置される。
この特許文献1には、このようなスターリング冷凍機において、電機子からなる固定子組立体をガス雰囲気の外に配置する配置構成が、ガスの汚濁を妨ぎ、冷却機としての寿命を長くすることが記載されている。
米国特許第4769997号明細書 特開平3−237275号公報
この先行技術の第1の欠点は、ブラシレス直流モータのステータと永久磁石よりなるローターの間に、ガス室を大気から密封するための隔室として非磁性のカップ状カバーを設けている点にある。この隔壁を内蔵したブラシレス直流モータは動力装置を構成する。
このカップ状カバーの厚みにより電機子と回転子との間の磁気的ギャップが増大されることになり、回転子と鎖交する電機子コイルの有効鎖交磁束が減少する。さらにカップ状カバーの材質が非磁性ではあるが金属などの場合には、その導電性のために鉄損を増大せしめ、その結果、出力トルクを低下させるとともに電機子コイルの電流を増加し、効率が劣化する不都合が発生する。
また、第2の欠点として、出力トルクを増大するために電機子コイルの巻き数を多くすると、スロットルの容積が決まっているので、細線を使用せざるをえず、このため、抵抗が増大して効率が劣化する不都合があると同時に、コイルスロットヘ収納する工程、およびコイルエンドの処理の作業が煩雑となる問題がある。
第3の欠点としては、有効鎖交磁束を増大するために前記カップ状のカバーからなる隔壁の厚みを薄くすると、高圧の作動ガスに対して耐圧強度が劣化するので、これを改善するためには隔壁の内径を小さくしなければならず、隔壁の内径を小さくするとマグネットローター径も小さくなり、マグネットローター径が小さくなると有効鎖交磁束が減少して出力トルクが減少するという不都合が循環して発生する。
また、第4の欠点としては、短形の電機子コイルを貫挿するようにマグネット回転子を設けているので、短形の電機子コイルの磁束を有効に閉じるために磁性体として珪素鋼板が使用され、このため鉄損が多くなり、高速時の効率も劣化して、用途が制限される。
さらに、第5の欠点として、非磁性であり導電体である隔壁での鉄損は、磁束が差交する隔壁部の実効体積即ち隔壁のラジアル方向の厚み、軸方向の長さ及びカップ状円筒部内径と、鎖交磁束数とその時間的変化率(モータの回転数)等に関係する。そのために、モータ出力を増大しようとすると、即ち、回転数を増大すると共にトルクを増大しようとすると、鉄損を増大せしめるという矛盾した問題が生じる。
本発明の目的は、前記従来技術の各欠点に鑑み、モータ特性を損なわない箇所に隔壁部を設けると共に、モータの効率を向上し出力トルクを改善した動力装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の動力装置をコンタミの混入を阻止しながら効率を改善する態様で適用した冷凍機を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の動力装置を組み込んだ前記冷凍機を効率よく適切に適用した応用機器を提供することにある。
まず、上記目的を達成するために採用する解決手段の特徴を説明する。
(a) 本発明は、上記の「モータ特性を損なわない箇所に隔壁部を設けると共に、高効率のモータ特性および高トルクの出力特性を有する動力装置を提供する」目的を達成するために、動力手段を、基本的には、取付相手のハウジングに密封状態で取り付ける密封構造を採りながら出力軸から回転出力の取り出しができるマグネットカップリング機構と、回転軸を有し密封のための隔壁構造を必要としない駆動源のモータとからなり、前記両回転軸を連結して構成する手段を採用する。この動力装置としては任意のモータ、例えば、同期モータ、シンクロナスモータ、ブラシレス直流モータを含むブラシレスモータ、直流モータ、誘導電動機等を用いることができる。
更に、これらのモータの内、コンタミの発生が少なくなる観点から選択すれば、整流子を有しないモータ、例えばブラシレスモータが好ましい。
(b) クライオポンプ等で運転開始時はモータの回転数を上げ、冷却効率を下げて早く目標温度に到達させ、目標温度到達後は、モータ回転数を下げ、温度維持に必要な効率で回転する。その際の前記モータを制御する駆動回路が、例えばインバータ回路、チョッパ回路等のような高周波スイッチングノイズを発生する回路を使用しているときには(例えば、特許文献2参照)、この駆動回路の周囲の環境、特に近くに配置される精密な測定用素子、測定装置、計測器、他の制御装置、信号線等に有害なノイズ信号を誘起することが知られている。
例えば、シンクロナスモータのインバータによる周波数制御回路は、高周波スイッチングノイズを発生することになる。このようなノイズ発生源を備える機器、例えば冷凍機では使用される環境が制限されることになる。
このような問題を解消するために、本発明の動力装置に用いるモータの駆動回路には、高周波スイッチングノイズを発生しない回路を用いる。この高周波ノイズを発生しない駆動回路を用いた場合、使用可能なモータの範囲が制限される。
例えば、ブラシレス直流モータを、通常行われるインバータ制御の代わりに、以下の駆動回路および制御態様にて制御することができる。
即ち、NPNトランジスタを上段、PNPトランジスタを下段に配置し、両トランジスタのエミッタを共通に接続してエミッタフォロワを構成し、前記共通のエミッタ端子にモータの端子を接続する。両トランジスタのベースも共通に接続し、この共通のベース端子にアナログ信号を加える。その結果、両トランジスタのエミッタにもアナログ信号に応じた電圧信号が現れる。
また、要求される駆動回路の制御態様が、例えば冷凍機の運転開始時のクールダウンタイムを短くするときの高速運転と通常冷却時の低速運転が可能な速度制御、制御の安定性、長時間の高効率運転等であるとき、使用可能なモータの範囲が制限される。
使用可能なモータとして、ブラシレス直流モータが好ましく、このモータの場合、ブラシの保守点検がないのでメンテナンスフリーとなり、強力な永久磁石の利用によって小型化でき、扁平型やアウタローター等の形状の多様性から設計の自由度が高く、高効率・低電力消費になり、ブラシ騒音や電磁ノイズがなく、制御の安定性が極めて良いという特性を有するので、前記の諸特性を満たすことになる。
(c) 以上(a)(b)の条件を満たすとしても、本発明の動力装置のモータ、即ち、マグネットカップリング機構に連結される前記モータが、例えば、スコッチヨークを介して上下動するディスプレイサー等のように負荷トルクが大きく変動する負荷に連結されている場合には、モータの駆動トルクが不足する事態の発生が予想される。
この不足する事態とは、使い方として、予定以上に急速に冷却する必要にせまられる場合、実装スペースの都合上、大型のモータの実装が困難な場合等がある。
このような場合、モータとマグネットカップリング機構の間に減速機を介在させて、出力トルクの増加を計る。
このように減速機を介在させると、出力トルクを余裕をもって大きめに設定することができ、負荷トルクが多少変動しても出力軸の芯ずれや瞬時の回転停止を回避することができる。
以上の特徴を有する構成は以下のように表される。
ア) 本発明の動力装置は、基本的には、
内側カップリングマグネットを備えた出力軸と、
外側カップリングマグネットを備えた支持体と、
前記両カップリングマグネット間の前記出力軸の長さ方向に延びる薄い隔壁部を備え、被取付面に密封用パッキングを収納する凹溝を有する外側環状板部を備え、
前記隔壁部とそれに連なる円板部により前記出力軸を回転自在に収納する密封構造の上部マグネットカップリング機構用ケーシングとを
有するマグネットカップリング機構と、
回転軸を有するモータとからなり、
モータの回転軸をマグネットカップリング機構の支持体に連結したことを特徴とする。
この構成により、取付相手のハウジングに本発明の動力装置を取り付ける際、前記凹溝にOリング等のパッキングを配置した状態でケーシングをハウジングに取り付けることができるので、ケーシングを間にしてハウジング内とケーシング内とが密封状態に隔離される。これにより、モータからコンタミが発生しても、このコンタミがケーシングから向こう側のハウジング内に混入することを阻止できるようになる。このため、モータは任意のものが使用可能となる。
隔壁部が両カップリングマグネット間の出力軸の長さ方向に延びる形状に構成されているので、この隔壁部に加わる圧力は、出力軸の長さ方向と直角の面に加わる圧力に比べて小さくなるので、隔壁部の厚さを薄くすることができる。この結果、両カップリングマグネットを近接配置することができ、両カップリングマグネットを強い磁気力で連結することができるようになる。
イ) 本発明の前記ア)を改良した動力装置は、前記マグネットカップリング機構がキャップを有し、前記キャップは前記マグネットカップリング機構における出力軸を回転自在に挿通するように形成され、
前記キャップは前記隔壁部とそれに連なる前記円板部により前記出力軸を回転自在に収納する空間に蓋をするように配置され、
前記外側環状板部と前記キャップの前記両カップリングマグネットに対向する面を前記両カップリングマグネットに近接して平面に形成したことを特徴とする。
この構成により、両カップリングマグネットを入れ子式に配置することができ、前記のように近接配置したのでマグネットカップリング機構全体の高さを薄型にすることができる。
ウ) 本発明の前記ア)又はイ)を改良した動力装置は、
前記上部マグネットカップリング機構用ケーシングはフランジ部を備え、
前記マグネットカップリング機構は下部マグネットカップリング機構用ケーシングを有し、
前記下部マグネットカップリング機構用ケーシングはフランジ部と環状底板部を備え、
前記両ケーシングのフランジ部を突き合わせるように設けて前記支持体および前記両カップリングマグネットを収納し、
前記モータは上部モータケーシングを有し、
前記環状底板部と前記上部モータケーシングの対向面を平坦に形成して組み合わせたことを特徴とする。
この構成により、両マグネットカップリング機構用ケーシングの内部に支持体等を収納することができる。また、マグネットカップリング機構とモータを両者の平坦なケーシングにより組み合わせることができるようになる。
エ) 本発明の、前記「ア」乃至「ウ」のいずれか1項を改良した動力装置はモータをブラシレスモータとしたことを特徴とする。
この構成により、モータ自身のコンタミ発生が少なくなるので、コンタミがケーシングから向こう側のハウジング内に混入することを高い確率で阻止できるようになる。
オ) 本発明の前記「エ」を改良した動力装置は、ブラシレスモータをブラシレス直流モータとしたことを特徴とする。
この構成により、コンタミの発生が少なくなり、速度制御が容易になり、メンテナンスフリー、小型化、形状の多様化に伴う設計の容易性、高効率、低消費電力、ブラシ騒音が無く、ブラシ切換時の電磁ノイズの発生が無く、制御の安定性が確保できるようになる。
カ) 本発明の前記「ア」乃至「オ」のいずれか1項を改良した動力装置は、
前記マグネットカップリング機構と前記モータの間に減速機構に連結された出力軸を有する減速機を設け、
前記マグネットカップリング機構の支持体と前記減速機の前記出力軸とを連結し、前記モータの前記回転軸を前記減速機の減速機構に連結したことを特徴とする。
この構成により、前記モータの出力トルクを減速機により増加してマグネットカップリング機構に伝達できるので、負荷トルクが変動してもトルク不足をきたすことがなくなる。
キ) 本発明の前記「オ」又は「カ」を改良した動力装置は、前記モータが、
電機子コイルを備えたステータと、ローターマグネットが連結されると共に回転軸を有するローターとを有し、
前記ローターマグネットは2個の板状の環状磁石からなり、前記両環状磁石は前記回転軸の長さ方向に所定距離離間して該回転軸に前記板状の面が直交するように設け、前記両環状磁石の間に前記電機子コイルを設けることを特徴とする。
この構成により、モータを薄型にすることができ、動力装置全体の高さを薄くすることができる。
ク) 本発明の冷凍機は、上記特徴を有する動力装置を動力源とするので、動力装置内部のコンタミ、例えばモータからのコンタミが冷凍機内部の作動ガスへ混入することを阻止でき、冷凍機の冷却効率を向上することができ、さらに、各種応用装置に用いられて装置の効率を改善することができる。
従って、本発明は、前記目的を達成するために、前記特徴となる構成を有する下記の解決手段を採用する。
(1) 動力装置は、
内側カップリングマグネットを備えた出力軸と、
外側カップリングマグネットを備えた支持体と、
前記両カップリングマグネット間の前記出力軸の長さ方向に延びる薄い隔壁部を備え、被取付面に密封用パッキングを収納する凹溝を有する外側環状板部を備え、
前記隔壁部とそれに連なる円板部により前記出力軸を回転自在に収納する密封構造の上部マグネットカップリング機構用ケーシングとを備えるマグネットカップリング機構と、
回転軸を備えるモータと有し
モータの回転軸前記マグネットカップリング機構の支持体に連結されている動力装置であって、
前記マグネットカップリング機構はキャップを備え、
該キャップは、前記マグネットカップリング機構の出力軸が回転自在に挿通するように形成されるとともに、前記隔壁部とそれに連なる前記円板部とにより前記出力軸を回転自在に収納する空間に蓋をするように配置され、
前記外側環状板部及び前記キャップの前記両カップリングマグネットに対向する面は、前記両カップリングマグネットに近接するとともに、平面に形成されている
(2)上記(1)に記載の動力装置は、
前記マグネットカップリング機構と前記モータの間に減速機構に連結された出力軸を備える減速機を更に有し
前記マグネットカップリング機構の前記支持体と前記減速機の前記出力軸と連結され、前記モータの前記回転軸前記減速機の前記減速機構に連結されている
(3)上記(2)に記載の動力装置は、
前記モータは、電機子コイルを備えたステータと、ローターマグネットが連結されるとともに回転軸を備えるローターとを備え
前記ローターマグネットは2個の板状の環状磁石を備え環状磁石は前記回転軸の長さ方向に所定距離離間して該回転軸に前記板状の面が直交するように配設され2個の前記環状磁石の間に前記電機子コイルが配設される
(4)GM冷凍機は、
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置と、動力装置の回転運動を直線運動に変換する回転−直線変換機構と、前記動力装置の回転出力を受け、圧縮機の高圧側から出て低圧側に戻る作動流体の流路を切換えるバルブ機構と、バルブ機構により供給及び排出される作動流体を取り込み任意数のステージを冷却するシリンダと複数の蓄冷器を備えたディスプレーサとを有するGM冷凍機において、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(5)パルス管冷凍機は、
圧縮機と、バルブユニットと、蓄冷器と、パルス管と、バッファタンクとを有するパルス管冷凍機において、
前記バルブユニット、前記圧縮機の高圧側から出て低圧側に戻る作動流体の流路を切換えるバルブ機構と、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置とを有し、
該動力装置は、前記バルブ機構を回転駆動し
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(6)クライオポンプは、
真空処理装置に吸気口を介してクライオポンプ容器を連設し、クライオポンプ容器内にルーバーを設けた輻射シールドを設け、輻射シールド内にクライオパネルを設け、前記クライオポンプ容器の下側に上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置を備えたGM冷凍機を配置し、GM冷凍機の作動流体により冷却される第1ステージを前記輻射シールドに接続し、前記GM冷凍機の作動流体により冷却される第2ステージを前記クライオパネルに接続するクライオポンプにおいて、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(7)MRI装置は、
長手方向断面ロ字形の環状体の真空槽内に同じく長手方向断面ロ字形の環状体の第1輻射シールド板が設けられ、第1輻射シールド板内に長手方向断面ロ字形の環状体の第2輻射シールド板が設けられ、第2輻射シールド板内には液体ヘリウムが貯蔵されている液体ヘリウム槽が設けられ、液体ヘリウム槽内には液体ヘリウムに浸漬されて超電導磁石が配置され、前記液体ヘリウム槽にはヘリウム回収部と連通している配管が連結され、前記第1輻射シールド板と前記第2輻射シールド板には上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置を備えたGM冷凍機の作動流体により冷却される各ステージが接続されているMRI装置において、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(8)超電導磁石装置は、
真空容器内に超電導コイルと該超電導コイルに接続される酸化物超電導電流リードを設け、前記真空容器にGM冷凍機を設け、GM冷凍機の第1ステージを前記真空容器内の酸化物超電導電流リードの一端に接続し、前記GM冷凍機の第2ステージを前記真空容器内の酸化物超電導電流リードの他端及び前記超電導コイルのコイル巻枠に接続し、前記両ステージは上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置を備えたGM冷凍機の作動流体により冷却されるように構成した超電導磁石装置において、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(9)NMR装置は、
GM冷凍機と、真空ポンプと、超電導バルクを内蔵する真空断熱容器と、検出コイルと、着磁コイルとからなり、前記GM冷凍機のコールドヘッドに前記真空断熱容器内の超電導バルクを載置し、前記GM冷凍機と前記真空ポンプを前記真空断熱容器内を断熱冷却するように接続し、前記コールドヘッドを作動流体により冷却するように上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置を備えた前記GM冷凍機を設け、前記超電導バルクを着磁するように着磁コイルを配置し、超電導バルクの発生する磁場中に被測定物を載置できるように構成し、前記被測定物のNMR信号を検出できるように検出コイルを配置したNMR装置において、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
(10)半導体冷却用冷凍機は、
GM冷凍機はコールドヘッドを冷却するように作動流体を動作させる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動力装置を備え、前記GM冷凍機の前記コールドヘッドに真空断熱室内に設けた半導体装置を載置し、半導体装置の検出出力を取り出せるようにした半導体冷却用冷凍機において、
記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されている
本発明の効果は以下のとおりである。
(1) 従来例のスターリング冷凍機のモータは、密封のための隔壁となるカップ状カバーによりローターとステータが分離されるため、カップ状カバーのためにモータの構造に制約がでると共に、ローターとステータの距離がカップ状カバーの分だけ離れることから、トルク特性等のモータの諸特性が劣化することになる。
これに対し、本発明の動力装置は、
取付相手のハウジング内の空間であって且つ出力軸を含み作動ガス(冷媒)で満たされる空間と、主に動力源のモータおよび必要に応じて設ける減速機により形成される空間を、密封隔壁となるマグネットカップリング機構により密封状態で隔離したので、作動ガスで満たされる空間内へのコンタミの混入を阻止することができるようになり、上記従来例のようにモータのステータとローターの間に、冷媒ガス室を大気から密封するための隔室としての非磁性のカップ状カバーを設ける必要がなくなり、ステータとローターの間隔を近づけて巻線の発生磁束を有効に利用することができるようになる。
密封構造は前記マグネットカップリング機構に設けたので、モータに隔壁を設ける必要が無くなる。このため、モータはその構造も含めて任意のものを使うことができるように選択の範囲が広がり、隔壁が無くなる分モータの諸特性も改善することができるようになる。
隔壁部が両カップリングマグネット間の出力軸の長さ方向に延びる形状に構成されているので、この隔壁部に加わる圧力は、出力軸の長さ方向と直角の面に加わる圧力に比べて小さくなるので、隔壁部の厚さを薄くすることができる。この結果、両カップリングマグネットを近接配置することができ、両カップリングマグネットを強い磁気力で連結することができるようになる。
両カップリングマグネットを入れ子式に配置し、且つ外側環状板部とキャップの対向面に近接して配置したので、マグネットカップリング機構全体の高さを薄型にすることができる。
また、両マグネットカップリング機構用ケーシングを組み合わせるようにしたので、内部に支持体等を収納することができる。また、マグネットカップリング機構ケーシングとモータケーシングの対向面を平坦に形成したので、両者を平坦面により組み合わせることができるようになる。
また、前記モータにブラシを備えないブラシレスモータを用いると、コンタミの発生を高い確率で阻止することができるようになる。
(2) 駆動力伝達機構にマグネットカップリング機構を用いたので、モータの回転軸と出力軸との間に適切なすべりを発生することでき、例えば、モータの起動時にモータの回転軸とマグネットカップリング機構の出力軸の間にすべりを発生することができて起動が容易にでき、また、モータの定常運転時にはすべりをほとんど無くして回転力を伝達することができるので回転制御が容易になり、モータに無理な力を作用させずに適切に駆動することができるようになる。
(3) モータをブラシレス直流モータとしたので、耐久性が高く、ノイズが少なく、制御性がよく、ブラシ等のコンタミを発生する部品を少なくすることができる。
また、モータをブラシレス直流モータとしたので、アナログ電圧制御手段を用いることができるようになり、従来の高周波ノイズを発生するインバータを使用することなく、電圧制御によるノイズが少ない回転数制御、トルク制御を行うことができるようになる。
また、ローターマグネットは2個の板状の環状磁石からなり、両環状磁石は回転軸の長さ方向に所定距離離間して回転軸に板状の面が直交するように設け、両環状磁石の間に電機子コイルを設けたので、モータを薄型にすることができ、動力装置全体の高さを薄くすることができる。
(4) モータとマグネットカップリング機構の間に減速機を設けると、隔壁を含む上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより隔離される空間、即ちコンタミをきらう空間の側に内側カップリングマグネットを備えた出力軸以外の構成を配置することがないので、前記空間がコンタミで汚染されることがなくなる。また、減速機を介在させることにより、動力装置の出力トルクを増大することができ、負荷トルク変動に対処することができるようになる。
(5) 本発明の冷凍機は、前記効果を有する動力装置を動力源とするので、上記効果を奏すると共に冷却効率を向上することができ、さらに、各種応用装置に用いられて装置の効率を改善することができる。
(6) 本発明は、動力装置のモータとしてブラシレス直流モータを用いることにより、同期速度により動作速度を制約されることをなくし、制御を容易にし、減速機を介することにより、ポンプ等の変則的な負荷トルクに対応させ、作動ガスにより密封される空間の確保をマグネットカップリング機構により担当させるようにしたので、従来の問題点を全て解消することができる。
本発明の動力装置は、基本的には、密封構造を有するマグネットカップリング機構とモータを連結して構成する。
この組み合わせは、モータの出力を高効率で高トルク特性にすることができると共に、全体を小型で密封構造とすることができる動力装置を実現する。
モータをブラシレスモータとすると、コンタミの発生を高い確率で阻止する。また、モータをブラシレス直流モータとすると、耐久性が高く、ノイズが少なく、制御性がよく、ブラシ等のコンタミを発生する部品が少なく、トルク−電流特性および回転数−電流特性がリニアで制御性がよくなる。
また、ブラシレス直流モータの制御に、従来の高周波ノイズを発生するインバータを使用する代わりに、アナログ電圧制御手段を用いると、電圧制御による回転数制御、トルク制御を行うことができるので、電磁ノイズの発生を少なくすることができる。
必要に応じてマグネットカップリング機構とモータの間に介在させる減速機は、小型の構造とし、例えば径の異なるギアの組み合わせで構成する。減速機は、モータの回転軸の回転出力を変換して低速で高トルクの回転出力として出力する。
マグネットカップリング機構は隔壁部を備えたケーシングにより分離される。このマグネットカップリング機構をモータ外に配置すると、前記隔壁部がモータ内にある従来技術と比べ、隔壁部の厚み分だけステータとローターの間隔が縮まり、電機子巻線が発生する駆動磁束の漏れが少なくなり、モータの特性が改善される。また、マグネットカップリング機構は入れ子式になっているので、収納スペースが少なくなる。
このような動力装置を用いた冷凍機は、動力装置の特徴を有しながら、さらに冷凍機の特性を改善する。例えば、モータの回転数を下げて発生する熱を減少させ、発生するノイズを少なくする。
冷凍機に前記各種の動力装置を適用することにより、作動ガスの隔離を確保しながら必要なトルクを確保し、コンタミの作動ガス空間への混入を防止することができるようになる。
また、各種応用装置に前記冷凍機を適用することにより、上記作動ガスの隔離を確保しながら負荷トルクの増加にも対応しながら、コンタミの作動ガス空間への混入を防止することができるようになる。
その他の作用・効果は実施例の説明において説明する。
モータの制御は、モータの出力トルクと負荷トルクとの差を支障無い定度に小さくし、又は、ゼロに近い値にし、ねじり振動又は芯ずれによる振動が無いように行う。
また、モータのローター回転位置を検出するために、回転センサーの代わりに電機子コイルの逆起電圧からローターの回転位置を検出する方法を採用することにより回転位置検出センサーを省略することができる。
図1は、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例1を示す一部断面図である。
本発明の動力装置は、基本的には、マグネットカップリング機構とモータからなり、必要に応じて減速機を介在させる。この為、必要とする目的、効果に応じて動力装置の構成要素が異なる。
本発明の動力装置のモータは、目的、効果に応じて選択される。以下の実施例では、好ましいブラシレス直流(DC)モータを用いて説明する。
図1の動力装置1は、大きく分けて、マグネットカップリング機構6、減速機3、モータ機構となるブラシレス直流(DC)モータ2から構成される。
マグネットカップリング機構6は、筐体を構成する上部マグネットカップリング機構用ケーシング7と該ケーシング7の凹部を覆うキャップ8と下部マグネットカップリング機構用ケーシング9と、内側カップリングマグネット10を備えた出力軸11、外側カップリングマグネット12を備えた支持体13とから構成される。
両カップリングマグネット10と12は、円環状に形成され、出力軸11の長さ方向と直交する方向に対向して配置され、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の下面82とキャップ8の下面83に近接して無駄なスペースをとらないように設けられる。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7および該ケーシング7の凹部を覆うキャップ8は、非磁性金属であれば基本的に使用可能であるが、例えば、SUS305、SUS309、SUS310、SUS314およびSUS316等のオーステナイト系の非磁性ステンレス鋼の内の一種並びにNi又はCr残Feを主成分とし、Mn、Mo、NおよびAlの内の少なくとも一種を添加した非磁性ステンレス鋼が好ましい。この内、薄くした隔壁部の強度を保つために耐食生、耐久性に優れ丈夫な材料として、ステンレスSUS310は、加工を施したとしても比透磁率は1から殆ど変化せず、着磁を起こしたりすることなく、高い熱膨張係数を示すので好ましく、他にチタンでも使用可能である。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7は、周辺部から中心に向かって、フランジ部14、外側環状板部15、取付段部16、隔壁部17、円板部18から構成される。取付段部16と隔壁部17と円板部18により凹部を形成し、この凹部内に内側カップリングマグネット10を備えた出力軸11が回動自在に設けられ、前記出力軸11を案内すると共に凹部を蓋するキャップ8が設けられる。
フランジ部14は、長い寸法のボルトを螺合するために長い寸法に形成され、中心部に前記ボルトを螺合するための雌ネジ部85が形成されている。フランジ部14は、このフランジ部14を含む動力装置1をハウジング(図示省略)へ取り付けるための取付部として用いられる。
例えば、前記長い寸法のボルトをフランジ部14の前記雌ネジ部85を通過して取付相手のハウジング(図示省略)の雌ネジ部(図示省略)に螺合させるようにする。又は、フランジ部14に更にハウジングへの取付用のフランジ部(図示省略)を設け、このフランジ部をハウジングへ密封状態でボルト等により固着することもできる。
外側環状板部15は、その外側表面が、密封状態で取付できるように、フランジ部14の外側表面と面一に形成される。外側環状板部15の外表面には、前記取付時に密封状態を確保するためのOリング等のゴムパッキングを収納できる凹溝19が設けてある。
外側環状板部15の外側表面とフランジ部14の外側表面とで、取付相手のハウジング(図示省略)へ取り付けるための被取付面91を構成する。
取付段部16は、外側環状板部15から外側へ突出した段部として構成され、キャップ8のフランジ状の取付部20をボルトで取り付けるために、取付用のボルトの長さに近い長さ突出している。
隔壁部17は、薄い円筒状に形成され、円筒状の面と直角方向に延びる外側環状板部15および円板部18により軸方向の両端で一体的に支持されている。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7に圧力が加わる場合には、全体を円筒体とみると、円筒状部に相当する隔壁部17と略円形の蓋部に相当する「円板部18」並びに「外側環状板部15」とでは応力(抗張力)の加わり方が異なる。即ち、円筒状部に比べその蓋部はより大きな応力(抗張力)が加わることが知られている。このことから、円筒状部に相当する隔壁部17の厚み(出力軸を中心とした時の半径方向厚み)は前記蓋部に対して薄く形成することができる。
これにより、隔壁部17の両側に設ける内側カップリングマグネット10および外側カップリングマグネット12は近接して配置することができるようになり、マグネットカップリング機構6の磁石による結合が強固になり、負荷が大きくなってもマグネットカップリング機構6の出力軸11側の磁石がすべりや遅れを生じることなくモータ側の磁石に追従して回転することができるようになる。さらには、冷凍機の効率が向上することになる。内側カップリングマグネット10と外側カップリングマグネット12は、相互に磁気吸引力が働くように、対向する面に異極の磁極が形成される。磁極は円環状のカップリングマグネット10および12の円周面に沿って交互に異極となるように複数形成することができる。
隔壁部17の強度が不足する場合には、隔壁部17の半径方向外側に補強カラーを粘着して設けることができる。
補強カラーは、非磁性且つ非導電性で、軽くて丈夫で、耐食生、耐久性に優れている材料、例えばFRP(繊維強化プラスチック)からなる。プラスチックとしては、ナイロン、ポリエステル、エポキシ等が用いられる。強化用繊維としては、ガラスの他に、ホウ素、炭化珪素、アルミナ、炭素、アラミド、鋼等の繊維が用いられる。
補強カラーは所定厚み(出力軸を中心とした時の半径方向厚みが一定)の円筒体として形成される。
補強カラーは隔壁部17の抗張力を補強するように機能する。
隔壁部17は、耐圧の関係から上記ステンレスの場合、その厚みが板厚0.2mm〜1mmの範囲内で設計される。この板厚の範囲の内、好ましくは、0.25〜0.3mmの板厚が最適である。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7のうち、特に磁束を透過する隔壁部17は、完全に渦電流損をゼロにはできないため、内側カップリングマグネット10および外側カップリングマグネット12により形成される磁束が隔壁部17を透過するのに応じて、渦電流による熱を発生する。しかし、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7における厚みのある外側環状板部15と円板部18を隔壁部17に連続して形成してあるので、隔壁部17で発生した熱は次の2経路を通って外部へ放出される。第1経路は、隔壁部17−外側環状板部15−フランジ部14−ハウジング(図示省略)の経路であり、第2経路は、隔壁部17−円板部18−出力軸11の経路である。
更には、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7を雰囲気温度の低い、例えば、冷凍機の冷媒に接して配置する場合には、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7で発生した熱はかなりの部分が直接冷媒中に放出される。
円板部18は、内側カップリングマグネット10を備えた出力軸11の回転空間を確保するために設けられる。
円板部18の凹溝23は、出力軸11用のベアリング24を収納するように上向きのコ字状に形成される。
隔壁部17と円板部18により、内側カップリングマグネット10を備えた出力軸11を収納する空間を形成する。
前記空間に蓋をするキャップ8は、極低温環境でも上部マグネットカップリング機構用ケーシング7と同じ収縮率および膨張率を有するように、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7と同じ材料で形成される。
キャップ8は、主に環状板部26からなる。環状板部26は、その周辺に、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の前記取付段部16に整合するフランジ状の取付部20を有し、下面側にベアリング28を収納する凹溝27が形成されている。
出力軸11は、途中がリング状に膨出した膨出部に形成される。その膨出部の外側には環状の内側カップリングマグネット10が設けらる。
外側カップリングマグネット12は、支持体13の内側段部に固着される。
内側カップリングマグネット10と外側カップリングマグネット12は、相互に磁気吸引力が働くように、円周方向に沿って交互に異なる磁極が配置される。
支持体13は、円筒状部30と環状底部31から構成される。支持体13は、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7およびキャップ8と同じ材料で形成する。
支持体13の環状底部31の中央部には、減速機3の出力軸21が設けられている。
下部マグネットカップリング機構用ケーシング9は、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7と同じ材料又は極低温に強い耐性を示す樹脂材料や金属材料等が用いられる。
下部マグネットカップリング機構用ケーシング9は、周辺から中心に向かって、フランジ部22、環状底板部25からなる。
フランジ部22は、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7のフランジ部14と組み合わされてマグネットカップリング機構6のスペーサとなる筐体を構成する。前記マグネットカップリング機構6の筐体は、内部に、内側カップリングマグネット10を備えた出力軸11と外側カップリングマグネット12を備えた支持体13を回転可能に収納する空間を形成する。
環状底板部25には、その両側にネジ穴34と35が形成される。ネジ穴34と35は、貫通孔として形成され、その内側壁に雌ネジがきられている。
環状底板部25の下面は、必要に応じて減速機3が省略されたとき、後述する上部モータ用ケーシング39と組み合わせることができるように平坦な面に形成されている。上部モータ用ケーシング39の上面は、ボルト44の当接面以外の面が平坦に形成されている
減速機3は、必要に応じて、下部マグネットカップリング機構用ケーシング9と上部モータ用ケーシング39の間に介在され、主に減速機構87と支持柱36、37から構成される。
減速機3を構成する一対の支持柱36、37は、それらと下部マグネットカップリング機構用ケーシング9および上部モータ用ケーシング39とで画成する内部空間に、点線で長方形に示す減速機3の減速機構87、例えば、径の異なる複数の歯車機構(図示省略)を配置できるスペースを形成する。点線内には、ケーシングを備えた減速機、又は、ケーシングを備えない中身の機構のみを配置する。
一対の支持柱36、37は中心部に貫通孔を有する。両ボルト44は、前記貫通孔に挿通され、下部マグネットカップリング用ケーシング9のネジ穴34と35の雌ネジ部に螺合し、支持柱36、37を下部マグネットカップリング用ケーシング9に固定する。
減速機3の減速機構87は、入力軸と出力軸が各1本であれば、周知の機構が任意に適用できるので、詳細な構成を省略する。
モータとして例示されるブラシレス直流モータ2は、動力装置1全体の構造を薄型にするために、薄いディスク型に構成される。モータ2は、主にケーシング、ローター4、ステータ5からなる。モータのケーシングは、上部モータ用ケーシング39と下部モータ用ケーシング40から構成される。
上部モータ用ケーシング39には、周辺部から中心に向かって、フランジ部41、環状板部42が形成される。上部モータ用ケーシング39は、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7と同じ材料又は極低温に強い耐性を示す樹脂材料や金属材料等が用いられる。
フランジ部41は、他の部分より厚肉に形成され、略中央部に貫通孔が形成され、その貫通孔に連通してボルト44の頭部を収納する凹部45が形成されている。
環状板部42は、中心部に回転軸46を挿通する貫通孔が形成され、この貫通孔の周囲の軸受凹部にベアリング47を収納する。回転軸46は、減速機3を省略したとき、前記出力軸21の代わりに支持体に装着できるように、その直径を出力軸21と同径にすることもできる。
下部モータ用ケーシング40は、フランジ部48と、円板部49から構成される。
フランジ部48は、前記フランジ部41と同様に形成されている。
円板部49は、軸受凸部50を有する。軸受凸部50には、ベアリング51が設けられる。
ボルト57は、フランジ部41とフランジ部48の貫通孔に挿入され、前記ボルト44の頭部に設けた雌ネジ部に螺合し、上部モータケーシング39と下部モータケーシング40を固定する。ボルト57は、減速機3を必要に応じて省略するとき、ボルト84の頭部86の雌ネジ部に螺合することができる。
ローター4は、2個の上部ローターマグネット52および下部ローターマグネット54が回転軸46の長さ方向と直角の面に配置されて、ディスク型を構成する。
下面に上部ローターマグネット52を備えた上側環状板部53と、上面に下部ローターマグネット54を有し、下面に軸受凹部92を備えた下側環状板部55を備え、該下側環状板部55の内側環状部分に筒状軸部56を設けたローター基体と、から構成される。上側環状板部53の内側環状部分を筒状軸部56の外側段部に嵌合固着する。下側の環状板部55の軸受凹部92にはベアリング51を収納する。筒状軸部56の内側筒部には回転軸46が蟻溝により嵌合固定される。回転軸46は環状板部42に設けたベアリング47の内側に嵌合状態で配置される。
両ローターマグネット52および54は、例えば、周方向に交互に異極となるように着磁されている。両ローターマグネット52、54は、その磁極の挟角を後述する電機子コイル59における複数のコイルの挟角との関係で決まる角度に設定されている。
両ローターマグネット52および54は、例えばネオジウムー鉄−ホウ素(NdFeB)等の希土類系磁石等の保持力の大きな磁性材料が用いられる。
両ローターマグネット52および54の間には、プリント基板58に搭載した電機子コイル59が配置されている。プリント基板58は上部モータ用ケーシング39と下部モータ用ケーシング40により狭持される。プリント基板58には垂直に設けた他の基板を介して回転センサー168を設ける。回転センサー168は、ホールIC(インテグレートサーキット)等からなり、両ローターマグネット52および54の界磁磁極の位置を検出するように下部モータケーシング40に配置する。
電機子コイル59の印加電圧を制御することにより、回転磁界を制御し、両ローターマグネット52および54に回転力を作用し、回転軸46の回転を制御する。
このため、両ローターマグネット52および54の界磁磁極の位置を回転センサー168で検出し、電機子コイル59の印加電圧を制御する電機子電圧制御装置を備えている。
モータにおける電圧の振幅はローター速度に比例する。従って、モータ速度は、ステータ巻線である電機子コイル59に印加される信号の電圧振幅を制御することにより制御される。
電機子コイル59は、例えば、平面上で扇形に整列巻きされると共にトルクに有効なコイル部分の挟角が、電気角で180度より大きくされた扁平なユニットコイルの組み合わせから形成されている。
電機子コイル59は、前記ユニットコイルを平面内で放射状にかつその外側部が互いに隣接するように等しいピッチで配設し、樹脂で固化して構成する。電機子コイル59は全体でリング状に形成される。
上部ローターマグネット52とこれに対向配置される下部ローターマグネット54は、異極間の磁気的吸引力で対抗させ、同期回転せしめる構成とする。例えば、上部ローターマグネット52の対向面が順にN−S−N−・・・極に、下部ローターマグネット54の対向面が反対に順にS−N−S−・・・極に着磁される場合に、上部から下部方向へまた逆に下部から上部方向へ磁界が生じる。
電機子コイル59の印加電圧を制御することにより、回転磁界を制御し、上部ローターマグネット52および下部ローターマグネット54に回転力を作用し、回転軸の回転を制御する。
このため、上部ローターマグネット52又は下部ローターマグネット54の界磁磁極の位置を回転センサー168で検出し、電機子コイル59の印加電圧を制御する電機子電圧制御装置を備えている。
(実施例1の効果)
(1)密封のためのケーシングの隔壁部17を、マグネットカップリング機構6における内側および外側カップリングマグネット10と12間に隔壁部として配置したので、従来技術のように、モータのステータ5とローター4の間に密封するための隔壁としてのカップ状カバーを設けることが無くなり、密封状態を保ちながら、コイルの有効鎖交磁束を減少することなく、モータの効率を高い状態に維持することができる。
(2)隔壁部17は、円筒状に形成するので、上で述べたように、その厚みを薄くでき、この隔壁部17での渦電流損を小さくすることができる。
(3)モータを薄型に構成し、密封構造およびトルク増加構造と別体に構成したので、モータの特性を劣化させず、構成に制約を受けずに、小型化することができる。
(4)本発明の動力装置1は、全体を、モータ機構と、減速機3と、マグネットカップリング機構6部分に分割し、それぞれを兼用による構成上の制限を受けることなく、合理的、かつ小型化可能に配置し、モータの出力を高効率でコギング等の振動が無い状態で出力し、その出力を減速機により高トルク出力に変換し、その高トルク出力をマグネットカップリング機構6により密封状態で機械的な芯ずれが無い状態で出力することができる。この動力装置1は、例えば、冷凍機等のように、密封を確保しながら、ポンプ等のように振動や高負荷トルクを有する対象に適用すると、非常に効果がある。
使用可能なモータの駆動回路の例としては、ブラシレス直流モータを、通常行われるインバータ制御の代わりに、以下の駆動回路および制御態様にて制御する例がある。
図2は、本発明の動力装置に用いられるブラシレス直流モータのアナログ電圧制御手段の説明図である。図2(a)はアナログ電圧制御手段の構成図、図2(b)は図2(a)のアナログ電圧制御手段における入力信号の位相波形図である。
ブラシレス直流モータの駆動回路は以下のようなアナログ電圧制御手段により構成することができる。
NPNトランジスタ88を上段、PNPトランジスタ89を下段に配置し、両トランジスタのエミッタを共通に接続してエミッタフォロワを構成し、前記共通のエミッタ端子にモータ2の電機子コイルの端子を接続する。両トランジスタ88、89のベースも共通に接続し、この共通のベース端子にアナログ信号、例えば正弦波信号を加える。その結果、両トランジスタのエミッタにもアナログ信号に応じた電圧信号が現れる。
ベース端子へのアナログ信号の電圧値を制御することにより、電機子コイルへの印加電圧を制御することができる。
また、前記エミッタフォロワ回路の代わりに、エミッタフォロワ回路を含み波形歪みも解消するようにしたパワーオペアンプを用いた反転増幅回路(図示省略)とすることもできる。
このアナログ電圧制御手段を用いることにより、従来のインバータ回路のような高周波の電磁ノイズの発生を抑制することができるようになる。
図3は、本発明の動力装置を適用したGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機の一部断面図である。この図3はブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力伝達装置を、コンタミの混入を阻止するための隔壁を必要とするGM冷凍機に適用した実施例を示す断面図であり、冷凍機の一部を省略して示す。
GM冷凍機は、クライオポンプや超電導MRI(Magnetic Resonance Imaging)の冷却に使用され、構造上、圧縮機と膨張機を離して設置できるため、小型の圧縮機を高速で運転しながら、膨張機を低速で運転する。
図3のブラシレス直流モータは実施例1のタイプの構成を用いて説明する。ブラシレス直流モータは任意のものが適用可能である。
図3において、圧縮機74は作動ガスを低圧側から吸い込み、高圧側へ排出する。
冷凍機は、ハウジング部60とシリンダー部61に分かれる。上下2段に配置されたシリンダー62には、蓄冷器63を内蔵した一体のディスプレイサー64が摺動自在に設けられる。ディスプレイサー64とシリンダー62との間に空室(第1段下部空室)65、空室(第2段下部空室)66、空室(上部空室)67が形成される。空室相互の間は、蓄冷器63を内蔵したディスプレイサー64と作動ガス流路68により接続されている。シリンダー62の下部外周には、放熱のためにフランジ(第2ステージ)69が密着されている。空室65のシリンダー部61には第1ステージ150が設けられている。
ディスプレイサー64は摺動軸受70に支持されたスコッチヨーク(回転運動−直線運動変換機構)71に連結され、動力装置1、クランク72、スコッチヨーク71を介して駆動されてシリンダー62内を往復動する。ディスプレイサー64の往復動に伴ってシリンダー62内の空室65、66の容積が増加するとき、空室67の容積は減少し、空室65、66の容積が減少するとき、空室67の容積は増加するように変化し、作動ガスは空室65〜67の間を作動ガス流路68を通して移動する。
作動ガスの流れを制御するロータリー弁装置RVからなるバルブ機構73が圧縮機74とシリンダー62との間に配置され、圧縮機74の高圧側から送り出される作動ガスをシリンダー62内に導き、また、シリンダー62内から送り出される作動ガスを圧縮機74の低圧側に導くように構成されている。
ハウジング部60内には本発明のブラシレス直流モータを備えた動力装置1が配置される。図3では実施例1のブラシレス直流モータが例示されている。上部マグネットカップリング機構用ケーシング7におけるフランジ部14は、凹溝に設けたOリング(オーリング)等のゴムパッキング75を介してハウジング部60の取付部76、77に密封状態に取り付けられる。上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により隔壁を構成し、ハウジング60内を隔壁となる上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により作動ガスの空間78とモータの収納空間79の2空間に分離する。
隔壁となるケーシングにより分離されたハウジング60の出力軸側の空間78は、シリンダー62内から送り出される作動ガスを圧縮機74の低圧側に送り出すための空間を構成する。
(実施例3の効果)
作動ガスを圧縮機74の低圧側に戻す空間78には、マグネットカップリング機構6の出力軸11側のみを介挿したので、従来のようにモータの一部が介挿されることがなくなり、コンタミが混入する恐れが防止できる。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング75により、冷凍機のハウジング60とモータの上部マグネットカップリング機構用ケーシング7が密封状態に保持される。このため、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7に設けられた隔壁部17により、モータ、減速機およびカップリング機構6の一方側は、カップリング機構6の他側と密封状態に隔離され、従って、ハウジング60内を隔壁となる上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により作動ガスの空間78とモータの収納空間79の2空間に分離できる。
図4は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだパルス管冷凍機の一部断面図である。図4(a)は、パルス管冷凍機の全体の概略図である。図4(b)はパルス管冷凍機のバルブユニットの断面図である。
パルス管(チューブ)冷凍機は、スターリング冷凍機やGM冷凍機と同様に、熱交換機として蓄冷器を持つ冷凍機であるが、膨張機にピストンやディスプレーサを持たず、パルス管といわれるパイプが膨張機の役割を果たす極低温冷凍機である。膨張機側にピストン等の稼動部分を持たないため、低振動、高信頼性特性を有する。
パルス管冷凍機は、各種超伝導磁石装置、各種センサー冷却システム、液化装置、液化ガス再凝縮装置、クライオポンプ、MRI診断装置、および理化学機器等に利用される。
パルス管冷凍機の動力装置として実施例1を用いて説明する。使用するブラシレス直流モータは他の実施例でも適用可能である。
パルス管冷凍機171は、圧縮機95、バルブユニット96、コールドヘッド97、及びバッファータンク98から構成される。圧縮機95は、作動ガスを圧縮し高圧ガスとしてコールドヘッド97へ供給し、コールドヘッド97から低圧ガスとして回収する。バルブユニット96は、圧縮機95とコールドヘッド97との間に接続され、圧縮機95の高圧側又は低圧側を交互にコールドヘッド97に連通させる。
コールドヘッド97は、バルブユニット96にその高温端側が接続される蓄冷器99と、バッファータンク98にその高温端側が接続されるパルス管100と、蓄冷器99およびパルス管100の低温端側同士を連結する低温端連結部101と、これらを収納する真空槽102とを有している。バッファータンク98は、パルス管100から流出する作動ガスを収容して、パルス管100における作動ガスの圧力変動と流速変動との位相差を制御する位相制御機構として働く。
バルブユニット96に本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を適用する。
図4(a)に示すように、バルブユニット96は、ハウジング103内にロータリーバルブタイプのバルブ機構104と動力装置1を連結して収納する。動力装置1はブラシレス直流モータ2、減速機3とマグネットカップリング機構6からなる。
動力装置1は、その隔壁部17を備えた上部マグネットカップリング用ケーシング7の凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング112を介してハウジング103の取付部113、114に密封状態に取り付ける。これにより、ハウジング103内を空間110と空間115に分離する。
バルブ機構104は、バルブ本体105とバルブプレート106からなり、バルブ本体105はハウジング103内に固定ピン107で固定される。バルブプレート106は、マグネットカップリング機構6の出力軸11と結合される。
モータによりバルブプレート106を回転することにより、バルブ本体105に供給されている作動ガスがバルブプレート106の案内溝108およびバルブ本体105の案内通路109を介してパルス管100へ供給される。
パルス管100で使用された作動ガスは、バルブ本体105の案内通路109およびバルブプレート106の貫通孔(図示省略)を介してハウジング103とマグネットカップリング機構6の隔壁部17を備える上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により画成される空間110に排出され、さらに、低圧流路を介して圧縮機111へ戻る。ハウジング103内に排出された作動ガスはゴムパッキング112を備えた上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により空間110として隔離されるので、残りのマグネットカップリング機構およびブラシレス直流モータに接触することがなくなる。これにより、残りのマグネットカップリング機構およびブラシレス直流モータからのコンタミを圧縮機111への帰還流路110に混入させることがなくなる。
(実施例4の効果)
ハウジング103は、ハウジング103の取付部113、114、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング112、隔壁部17を備えた上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により、密封状態で2空間110、115に隔離されるので、低圧の作動ガスの圧縮機111への帰還流路110とモータ収納空間115とを密封状態に分離でき、空間110にモータのコンタミが混入することを防止できる。また、低速高トルクのモータを用いることで低ノイズおよび冷却温度の低下を達成する。
図5は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだクライオポンプの一部断面図である。
クライオポンプ172は、真空処理装置の真空排気に使用される。
クライオポンプ172は、クライオポンプ容器116に約3Kまで冷凍可能な冷凍機117が取り付けられている。この3K冷凍機117の第1ステージ118は約30〜100Kに、第2ステージ119はおよそ3Kに冷却される。第1ステージ118には輻射シールド120が取り付けられており、その吸気口側にはルーバー121が取り付けられている。
第2ステージ119には第2温度センサ122と排気パネルであるクライオパネル123が取り付けられており、第2温度センサ122は温度計124に接続されている。真空処理装置125と吸気口126とは吸気口弁127を介して接続されており、真空処理装置125から吸気口弁127を通って入ってくる水や二酸化炭素はルーバー121や輻射シールド120で凝縮され、アルゴン、窒素、水素、ネオン等のガスは4K以下に冷却されているクライオパネル123上に凝縮され、排気される。クライオポンプ容器116には、真空計128に接続された真空センサ129と、クライオポンプ内を排気するための他の真空ポンプに接続された真空弁130が取り付けられている。
3K冷凍機117として2段GM冷凍機を用いる。GM冷凍機は例えば実施例4の構成とする。即ち、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7におけるフランジ部14は、凹溝に設けたOリング(オーリング)等のゴムパッキング75を介してハウジング60の取付部76、77に密封状態に取り付けられる。
動力装置1は、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により隔壁を構成し、ハウジング60内を隔壁となるケーシング7により作動ガスの通路とモータの収納空間79の2空間に分離する。
(実施例5の効果)
作動ガスを圧縮機74の低圧側に戻す流路には、マグネットカップリング機構6の出力軸11側のみを介挿したので、従来のようにモータの一部が介挿されることがなくなり、コンタミが混入する恐れが防止できる。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング75により、冷凍機のハウジング60とモータの上部マグネットカップリング機構用ケーシング7が密封状態に保持される。このため、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7に設けられた隔壁部17により、モータ内部およびモータの回転軸に設けられたマグネットカップリング機構6の一方側は、マグネットカップリング機構6の他側と密封状態に隔離され、従って、ハウジング60内を隔壁となる上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により作動ガスの通路とモータの収納空間79の2空間に分離できる。
冷凍機は、前記動力装置を用いているので、振動が少なく、低速・高トルクで運転できるので、測定データに対するノイズの影響が少なくなり、冷却能力を向上することができる。
図6は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだMRI冷却用液体ヘリウム凝縮用冷凍機を備えたMRI装置の一部断面図である。
図6(a)は、図6(b)に示すMRIのA−A’断面図を示し、超電導磁石と極低温冷凍機の関係を説明する図、図6(b)はMRIの長さ方向の断面図、図6(c)はMRI冷却用液体ヘリウム凝縮用GM冷凍機の断面図、図6(d)は液体ヘリウム再凝縮方式のクライオスタットに4K−GM冷凍機を適用する説明図、図6(e)は冷凍機直冷方式のクライオスタットに4K−GM冷凍機を適用する説明図である。
磁気共鳴イメージング(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)という)装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して人体の断層画像を得る装置で、細長い筒状のソレノイドと磁場均一度を改善するシム機構が組み込まれた構造となっている。
NMRは、主に、化学的分析機器に用いられ、医療用のX線CT(X線による断層撮影)の代わりに強力な磁場を利用して生体内を映像化するものがNMR−CTである。近年、NMR−CTの代わりに「核」を用いないMRI(Magnetic Resonance Imaging)と呼ばれる。
被験者に圧迫感を与えないように開放型の超電導磁石を用いると、超電導磁石を収納するクライオスタットが複数に分割される。このため、各クライオスタットで異なる振動が発生する。この振動の差異により、発生磁場が変化する。振動の原因には、磁石を設置した建家からの振動とパルス駆動する傾斜磁場発生手段やヘリウム冷凍機等の装置自信の振動があり、ヘリウム冷凍機ではヘリウムが所定の動作周期で圧縮機から出て圧縮機へ戻るため、この動作周期に対応した一定の周期の振動が発生する。このような周期的な振動は画像に擬像を生じ、画質に与える影響が大きくなる。
この周期的な振動はクライオスタットにヘリウム冷凍機を取付けた場合に発生する。これを防止するためには、ヘリウム冷凍機の振動がクライオスタット内に伝わらない様にする手段を施す必要がある。そのため、従来、(1)機械的振動を抑制するためにベローズを挿入する手段、(2)静磁場発生手段に振動周波数に対応する周波数の補正磁場を発生する手段を施していた。前記手段(1)は構造が大きくなり、手段(2)は正確な調整が難しく、いずれにしても実用的ではなかった。
本発明は、冷却段を冷却する冷却機構を、ブラシレス直流モータおよび減速機を用いて低回転高トルクで駆動し、モータの出力をマグネットカップリングを介して密封状態で且つ機械的な芯ずれが無く出力軸へ出力するように構成したので、モータの回転数を少し落としてヘリウムの移動周期を少し長くすることができるので、振動の周期が長くなるだけでなく、振動の強さも減少させることができる。モータの回転数を下げても、冷凍能力が劣化することがない理由は既に「発明を実施するための最良の形態」の項において述べたとおりである。
2段GM冷凍機における、蓄冷器の長さとディスプレーサの運転周波数を変化させた場合の、到達温度の変化を見ると、液体ヘリウム温度では、運転周波数を低下させると到達温度が下がることしられている。
MRI131は、図6(a)、(b)に示すように、半径方向断面ロ字形の環状体の真空槽132内に同じく半径方向断面ロ字形の環状体の第1輻射シールド板133を設け、その第1輻射シールド板133内に半径方向断面ロ字形の環状体の第2輻射シールド板134が配設されていて、第1輻射シールド板133と第2輻射シールド板134には冷凍機としてGM冷凍機135が接続されている。第2輻射シールド板134内には、液体ヘリウム136が貯蔵されている液体ヘリウム槽137が配置されており、液体ヘリウム槽137内には液体ヘリウム136に浸漬されて超電導磁石138が配置されている。液体ヘリウム槽137には、ヘリウム回収部と連通している配管139が連結されている。
円筒状に形成される真空槽132の上部には、クライオスタットが配置され、円筒状に形成されている超電導磁石(静磁場マグネット)138の内周側には、勾配磁場コイル(図示省略)とラジオ波送受信用プローブ(図示省略)が配置されている。
液体ヘリウム槽137は、2重の輻射シールド板133、134に囲まれる構成になっている。外側の第1輻射シールド板133はGM冷凍機135の第1ステージ150によって約80Kに保たれ、第2輻射シールド板134は、第2ステージ69によって約20Kに保たれる。これにより、液体ヘリウム136の蒸発量は格段に減少する。この特徴から、超電導MRIや単結晶引上げ装置用の超電導磁石等の超電導磁石一般に用いられている。
超電導磁石138の冷却は、輻射シールド板を冷却するベビーシッター方式から、図6(d)の液体ヘリウム再凝縮方式にすると、例えば、3段の4K−GM冷凍機135を用いて、第1および第2ステージ150、69で第1および第2輻射シールド板133、134を冷却し、3段ステージで蒸発したヘリウムを再凝縮することができる。この液体ヘリウム再凝縮方式は医療用MRIに用いられる。
GM冷凍機135には、図6(c)に示す本発明のブラシレス直流モータを密封状態に組み込んだ動力装置1が設けられている。GM冷凍機135の構成および効果は既に述べたとおりであるから密封状態に隔壁を構成することもここでは省略する。
この実施例では、冷凍機としてGM冷凍機を用いたが、上で述べた他の構造のブラシレス直流モータおよび他の構造の冷凍機で構成することも可能である。
超電導コイルの冷却の方式は、図6(d)に示す液体ヘリウム再凝縮方式のほかに図6(e)に示す冷凍機直冷式も可能である。冷凍機直冷式の超電導磁石138は、液体窒素や液体ヘリウム等の寒剤を必要としない方式で、酸化物超電導電流リード140と4K−GM冷凍機135の組み合わせにより構成する。磁性蓄冷材を用いることにより更に冷却温度を下げることが可能になる。冷凍機直冷式の超電導磁石138は、液体ヘリウム容器がないために小型化が可能となり、同一仕様の従来型磁石に対して1/3程度に小さくなる。
(実施例6の効果)
多段の冷却段を冷却する冷却機構をブラシレス直流モータおよび減速機を用いて低回転高トルクで駆動するので、不要振動を減少することができる。また、測定装置へのノイズの影響を抑制することができる。
モータおよび減速の出力をマグネットカップリングを介して密封状態で且つ調芯作用を有して出力軸へ出力するように構成したので、本発明の動力伝達装置を作動ガスの収納空間を隔離するように近接して配置でき、また、小型化もできるようになる。
ケーシングの一部を構成する隔壁によって密封状態に分離したので、モータおよび減速機の構成中に密封のための隔壁を設ける必要がなくなり、モータの性能を劣化することが無くなる。また、隔壁は円筒状に構成したので、薄くすることができる。また、隔壁は補強カラーにより補強されているので、両者により高い圧力に耐えることができるようになる。
図7は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだNMR用冷凍機の一部断面図である。
核磁気共鳴装置(Nuclear Magnetic Resonacc)はNMRと略称される。
NMRの原理は、磁石の性質を持つ原子、例えば水素原子を磁界中に入れると、磁界の周波数によっては磁気エネルギーの吸収(吸収状態が「共鳴」)が起こるときの吸収量を電気信号に変換して測定することにある。
NMR冷却用液体ヘリウム凝縮用冷凍機141は、第1又は2段のGM冷凍機135で構成される。
図7のNMR(MRI)分析装置は、磁場内に置かれた被試験物体のNMR信号を隣接した検出コイル143で検出する。円柱形状に合成した超電導バルク144を真空断熱容器145の内部に設置し、これをGM冷凍機135の冷却部(コールドヘッド)146に接触させて固定する。GM冷凍機135は小型のGM冷凍機を用いる。真空ポンプで真空断熱容器145を減圧して断熱状態にして、冷凍機135とその圧縮機147を作動させて超電導バルク144の温度を下げて超電導状態にする。これに真空断熱容器145の外部の着磁コイル148から磁場を印加して着磁する。超電導バルク144の発生する磁場中に被測定物体149が置かれ、その周りに検出コイル143が巻かれている。被測定物体149中に鉛直に印加される主磁場に対して直行する方向の高周波磁場を印加し、その方向の磁化の変化を検出してNMR信号を測定する。
MR用冷凍機141はGM冷凍機135の他にパルス管冷凍機、スターリング冷凍機も適用可能である。
実施例のNMR装置には、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源として組み込んだ上記各種冷凍機が適用できる。
ブラシレス直流モータを用いた動力装置を、隔壁部を備えたケーシングで密封状態に組み込むGM冷凍機の構成および特性等は既に述べたとおりであるから、ここでは省略する。
(実施例7の効果)
NMR装置の検出コイル143は、検出感度を上げて用いるので、ノイズの影響が出ないようにする必要がある。本発明のブラシレス直流モータは低速高トルクで運転するので、駆動電流の周波数が低くなり、従ってノイズの発生も少なくなる。また、冷却機の作動ガスの通路とモータ内部とをパッキングを介してマグネットカップリング機構の隔壁部を含めたケーシングで密封状態に隔離するので、モータのステータ巻線とローターの間隔は通常の近接した間隔となり、従来例のようにモータのステータ巻線とローターとの間に密封のための隔壁を設けるものと異なり、漏洩磁束の発生が少なくなり、従って、従来例と比べモータの効率およびトルク特性も向上し、ノイズの発生が少なくなり、冷却能力も向上する。
図8は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだ伝導冷却型超電導磁石装置の一部断面図である。
伝導冷却型超電導磁石装置は、冷凍機により、超電導コイルと共に高温超電導電流リードを冷却するように構成されている。
図8の伝導冷却型超電導磁石装置151は、基台152、真空容器153、熱シールド板154、超電導コイル155、正負極一対の酸化物超電導電流リード156、蓄冷式冷凍機157とを有する。熱シールド板154は、蓄冷式冷凍機157の第1ステージ150に接触固定するとともに、その内部の超電導コイル155および酸化物超電導電流リード156への熱侵入を防止している。外周冷却用銅ブロックおよびコイル巻枠158を蓄冷式冷凍機の第2ステージ69に接触固定することにより、超電導線材を極低温まで冷却可能とする。酸化物超電導電流リード156は、正負極一対を設けてあり、電流リード端子および常電導電流リードワイヤを介して外部電源に接続し、その高温側端部159を蓄冷式冷凍機157の第1ステージ150に、低温側端部160を第2ステージ69にそれぞれ取り付ける。蓄冷式冷凍機157は、GM冷凍機等の任意の冷凍機が適用可能であり、第1ステージ150は約80K程度まで冷却可能であり、第2ステージ69は極低温4〜10K程度まで冷却可能となる。
ブラシレス直流モータを用いた動力装置を、隔壁部を備えたケーシングで密封状態に組み込むGM冷凍機の構成および特性等は既に述べたとおりであるから、ここでは省略する。
(実施例8の効果)
超電導コイルと高温超電導電流リードを冷却するために、冷凍機を兼用するので、装置全体が小型化、コンパクト化ができる。
また、冷却機の冷媒の通路とモータおよび減速機とをマグネットカップリング機構の隔壁部を含めた上部マグネットカップリング用ケーシング7で密封状態に隔離するので、ケーシング7が密封隔壁に兼用でき、また、ステータ巻線とローターの間隔は通常の近接した間隔となり、従来例のようにモータのステータ巻線とローターとの間に密封のための隔壁を設けるものと異なり、界磁巻線の発生磁束が有効にローターの駆動のために使われ、また、減速機を介して高トルク化するので、低速高トルクを達成でき、小型化できる。また、低速・高トルクでモータを駆動できるので、不要なノイズの発生を抑制することができ、冷却能力を向上することができる。
図9は、本発明のブラシレス直流モータと減速機とマグネットカップリング機構を用いた動力装置を動力源とし、この動力伝達装置を組み込んだ半導体冷却用冷凍機の一部断面図である。
半導体冷却用冷凍機を組み込んだ半導体放射線検出装置は、半導体検出素子を冷却して放射線を検出する。
半導体冷却用冷凍機161はGM冷凍機135で構成される。冷凍機は、主に、ハウジング部60とシリンダー部61からなる。
ハウジング部60は、バルブ切換機構162とピストン駆動用の回転−直線運動変換機構163と、前記各機構に回転力を伝えるマグネットカップリング機構6と、ブラシレス直流モータ164とから構成される。
バルブ切換機構162は、モータの回転力により、圧縮機165の高圧側作動流体をシリンダとディスプレイサーにより形成される空室へ供給し、回転−直線運動変換機構163を動かして前記空室65〜67内の作動ガスを圧縮機165の低圧側へ戻すように流路を切り換える。
一方、シリンダー部61は、第1ステージ150、第2ステージ69を設けるように、上下2段に配置されたシリンダー62に、蓄冷器を内蔵した一体のディスプレィサー64が摺動自在に設けられる。コールドヘッドを構成する第2ステージ69上には、測定用の半導体又は半導体装置167が設けられる。4KGM冷凍機を用いると、コールドヘッドを4Kに冷却できるので、半導体の検出能力を向上することができる。動力装置1は既に述べたようにパッキングおよび隔壁部を備えたケーシングを冷凍機のハウジングに密封状態で取り付けることができる。
(実施例9の効果)
作動ガスを圧縮機164の低圧側に戻す流路には、マグネットカップリング機構6の出力軸側のみを介挿したので、従来のようにモータの一部が介挿されることがなくなり、コンタミが混入する恐れが防止できる。
上部マグネットカップリング機構用ケーシング7の凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング75により、冷凍機のハウジング60とモータの上部マグネットカップリング機構用ケーシング7が密封状態に保持される。このため、上部マグネットカップリング機構用ケーシング7に設けられた隔壁部により、モータ内部およびモータの回転軸に設けられたカップリング機構6の一方側は、カップリング機構6の他側と密封状態に隔離され、従って、ハウジング60内を隔壁となる上部マグネットカップリング機構用ケーシング7により作動ガスの通路とモータの収納空間の2空間に分離できる。
冷凍機は、前記動力装置を用いているので、振動が少なく、低速・高トルクで運転できるので、半導体又は半導体装置に対する振動およびノイズの影響が少なくなり、半導体および半導体装置の検出能力および冷却能力を向上することができる。
本発明の動力装置は、上で述べたとおりであるから、コンタミの隔離が完全で、ブラシレス直流モータの特性を有効に発揮でき、外部装置への不要ノイズの発生を抑制でき、低速、高トルク制御により小さい形状で良好な冷却能力を発揮できるので、このような特性を必要とする冷却、空調分野への適用が可能である。
本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例1を示す一部断面図である。 本発明の動力装置に用いられるブラシレス直流モータのアナログ電圧制御手段の構成図である。 本発明の動力装置を適用したGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機の一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだパルス管冷凍機の一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだクライオポンプの一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだMRI冷却用液体ヘリウム凝縮用冷凍機を備えたMRI装置の一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだNMR用冷凍機の一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだ伝導冷却型超電導磁石装置の一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力伝達装置を組み込んだ半導体冷却用冷凍機の一部断面図である。
符号の説明
1 動力装置
2、164 ブラシレス直流モータ
3 減速機
4 ローター
5 ステータ
6 マグネットカップリング機構
7 上部マグネットカップリング機構用ケーシング
8 キャップ
9 下部マグネットカップリング機構用ケーシング
10 内側カップリングマグネット
11、21 出力軸
12 外側カップリングマグネット
13 支持体
14、22、41、48 フランジ部
15 外側環状板部
16 取付段部
17 隔壁部
18、49 円板部
19、23、27 凹溝
20 取付部
24、28、47、51 ベアリング
25 環状底板部
26 環状板部
29 支持体
30 円筒状部
31 環状底部
32、36 軸受部
34、35 ネジ穴
36、37 支持柱
39 上部モータ用ケーシング
40 下部モータ用ケーシング
42 環状板部
44、57、84 ボルト
45 凹部
46 回転軸
49 円板部
50 軸受凸部
52 上部ローターマグネット
53 上側環状板部
54 下部ローターマグネット
55 下側環状板部
56 筒状軸部
58 プリント基板
59 電機子コイル
60 ハウジング部
74、95、111、147、165 圧縮機
82、83 下面
85 雌ネジ部
86 頭部
87 減速機構
88 NPNトランジスタ
89 PNPトランジスタ
90 駆動回路
91 被取付面
92 軸受凹部
131 MRI
135 GM冷凍機
141 NMR用冷凍機
151 伝導冷却型超電導磁石装置
161 半導体冷却用冷凍機
168 回転センサー
171 パルス管冷凍機
172 クライオポンプ

Claims (10)

  1. 内側カップリングマグネットを備えた出力軸と、外側カップリングマグネットを備えた支持体と、前記両カップリングマグネット間の前記出力軸の長さ方向に延びる薄い隔壁部を備え、被取付面に密封用パッキングを収納する凹溝を有する外側環状板部を備え、前記隔壁部とそれに連なる円板部により前記出力軸を回転自在に収納する密封構造の上部マグネットカップリング機構用ケーシングとを備えるマグネットカップリング機構と、
    回転軸を備えるモータとを有し
    モータの回転軸前記マグネットカップリング機構の支持体に連結されている動力装置であって、
    前記マグネットカップリング機構はキャップを備え、
    該キャップは、前記マグネットカップリング機構の出力軸が回転自在に挿通するように形成されるとともに、前記隔壁部とそれに連なる前記円板部とにより前記出力軸を回転自在に収納する空間に蓋をするように配置され、
    前記外側環状板部及び前記キャップの前記両カップリングマグネットに対向する面は、前記両カップリングマグネットに近接するとともに、平面に形成されていることを特徴とする動力装置。
  2. 前記マグネットカップリング機構と前記モータの間に減速機構に連結された出力軸を備える減速機を更に有し、
    前記マグネットカップリング機構の前記支持体と前記減速機の前記出力軸と連結され、前記モータの前記回転軸前記減速機の前記減速機構に連結されている請求項1に記載の動力装置。
  3. 前記モータは、電機子コイルを備えたステータと、ローターマグネットが連結されるとともに回転軸を備えるローターとを備え
    前記ローターマグネットは2個の板状の環状磁石を備え環状磁石は前記回転軸の長さ方向に所定距離離間して該回転軸に前記板状の面が直交するように配設され2個の前記環状磁石の間に前記電機子コイルが配設される請求項2に記載の動力装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置と、動力装置の回転運動を直線運動に変換する回転−直線変換機構と、前記動力装置の回転出力を受け、圧縮機の高圧側から出て低圧側に戻る作動流体の流路を切換えるバルブ機構と、バルブ機構により供給及び排出される作動流体を取り込み任意数のステージを冷却するシリンダと複数の蓄冷器を備えたディスプレーサとを有するGM冷凍機において、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とするGM冷凍機。
  5. 圧縮機と、バルブユニットと、蓄冷器と、パルス管と、バッファタンクとを有するパルス管冷凍機において、
    前記バルブユニット、前記圧縮機の高圧側から出て低圧側に戻る作動流体の流路を切換えるバルブ機構と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置とを有し、
    該動力装置は、前記バルブ機構を回転駆動し
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とするパルス管冷凍機。
  6. 真空処理装置に吸気口を介してクライオポンプ容器を連設し、クライオポンプ容器内にルーバーを設けた輻射シールドを設け、輻射シールド内にクライオパネルを設け、前記クライオポンプ容器の下側に請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置を備えたGM冷凍機を配置し、GM冷凍機の作動流体により冷却される第1ステージを前記輻射シールドに接続し、前記GM冷凍機の作動流体により冷却される第2ステージを前記クライオパネルに接続するクライオポンプにおいて、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とするクライオポンプ。
  7. 長手方向断面ロ字形の環状体の真空槽内に同じく長手方向断面ロ字形の環状体の第1輻射シールド板が設けられ、第1輻射シールド板内に長手方向断面ロ字形の環状体の第2輻射シールド板が設けられ、第2輻射シールド板内には液体ヘリウムが貯蔵されている液体ヘリウム槽が設けられ、液体ヘリウム槽内には液体ヘリウムに浸漬されて超電導磁石が配置され、前記液体ヘリウム槽にはヘリウム回収部と連通している配管が連結され、前記第1輻射シールド板と前記第2輻射シールド板には請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置を備えたGM冷凍機の作動流体により冷却される各ステージが接続されているMRI装置において、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とするMRI装置。
  8. 真空容器内に超電導コイルと該超電導コイルに接続される酸化物超電導電流リードを設け、前記真空容器にGM冷凍機を設け、GM冷凍機の第1ステージを前記真空容器内の酸化物超電導電流リードの一端に接続し、前記GM冷凍機の第2ステージを前記真空容器内の酸化物超電導電流リードの他端及び前記超電導コイルのコイル巻枠に接続し、前記両ステージは請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置を備えたGM冷凍機の作動流体により冷却されるように構成した超電導磁石装置において、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とする超電導磁石装置。
  9. GM冷凍機と、真空ポンプと、超電導バルクを内蔵する真空断熱容器と、検出コイルと、着磁コイルとからなり、前記GM冷凍機のコールドヘッドに前記真空断熱容器内の超電導バルクを載置し、前記GM冷凍機と前記真空ポンプを前記真空断熱容器内を断熱冷却するように接続し、前記コールドヘッドを作動流体により冷却するように請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置を備えた前記GM冷凍機を設け、前記超電導バルクを着磁するように着磁コイルを配置し、超電導バルクの発生する磁場中に被測定物を載置できるように構成し、前記被測定物のNMR信号を検出できるように検出コイルを配置したNMR装置において、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とするNMR装置。
  10. GM冷凍機はコールドヘッドを冷却するように作動流体を動作させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力装置を備え、前記GM冷凍機の前記コールドヘッドに真空断熱室内に設けた半導体装置を載置し、半導体装置の検出出力を取り出せるようにした半導体冷却用冷凍機において、
    記動力装置の上部マグネットカップリング機構用ケーシングにより前記作動流体の流路漏れないように構成されていることを特徴とする半導体冷却用冷凍機。
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