JP2995144B2 - 冷却装置を用いた検出装置 - Google Patents
冷却装置を用いた検出装置Info
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Description
電気を用いて検出素子を冷却するための冷却装置及び冷
却装置を使用した検出装置に関する。
る半導体放射線検出装置は、原子炉関連施設のガンマ
線、X線等の放射線の測定のみならず、核物理、宇宙物
理、核化学等の放射線計測分野に幅広く利用される。
窒素冷却型半導体放射線検出装置を示す。冷却槽102
の中に液体窒素103が充填されている。冷却槽102
の側壁に取り付けられたパイプ108及びフランジ10
7を通して冷却棒104が延在し、冷却棒104の先端
に半導体放射線検出素子101が取り付けられている。
フランジ107には、真空容器105が気密に取り付け
られており、冷却棒104及び半導体放射線検出素子1
01は真空容器105内に密閉されている。半導体放射
線検出素子101は、冷却棒104を通して液体窒素温
度近傍まで冷却される。
側面上に載置されている。半導体放射線検出素子101
から出力された放射線検出信号は、図示しないリード線
を介して前置信号増幅器106に入力される。前置信号
増幅器106は、入力された放射線検出信号を増幅し、
後段の放射線信号収集回路に出力する。
ズドサイクルのHe冷却器を使用した半導体放射線検出
装置を示す。圧縮機110がパイプ111によって等温
圧縮部112に接続されている。等温圧縮部112から
パイプ113を通してシリンダ116が延在している。
シリンダ116先端の冷却部114には、緩衝材115
を介して半導体放射線検出素子101が取り付けられて
いる。
付けられており、半導体放射線検出素子101、緩衝材
115及びシリンダ116が真空容器105内に密閉さ
れている。圧縮されたHeは冷却部114で断熱膨張
し、冷却部114が冷却される。さらに、緩衝材115
を介して半導体放射線検出素子101が冷却される。
06が載置されている。前置信号増幅器106は、図1
7の場合と同様に放射線検出信号を増幅し、後段の放射
線信号収集回路に出力する。
冷却型半導体放射線検出装置では、半導体放射線検出素
子を冷却するために液体窒素を用いる。従って、測定時
に液体窒素を準備する必要があり、簡便に検出装置を使
用することが困難であり、使用場所も限られる。また、
冷却槽を用いる必要があるため、小型化することが困難
である。
却器では、構造上、冷却部114における振動の発生を
避けられない。冷却部114の振動によりマイクロフォ
ニック雑音が発生する。マイクロフォニック雑音は、放
射線検出装置の重要な性能であるエネルギ分解能を劣化
させる原因となる。
線信号近辺まで広がるため、信号処理技術のみでマイク
ロフォニック雑音を取り除くことは困難である。マイク
ロフォニック雑音の影響を低減するため、冷却部114
と半導体放射線検出素子101との間に振動を吸収する
ための緩衝材115が挿入されている。このため、測定
時には緩衝材115をも冷却する必要があり、大きな冷
却能力が必要となる。
がなく、小型でかつエネルギ分解能の高い電気冷却式検
出装置を提供することである。
を使用した検出装置は、2本のシリンダと、前記シリン
ダの各々の内部に挿入され、該シリンダの各々の一端に
冷却部を画定し、他端に等温圧縮部を画定するディスプ
レーサと、圧縮ガスの供給と回収とを周期的に行う少な
くとも1台の圧縮機と、前記圧縮機と前記シリンダの等
温圧縮部とを接続し、両者間で圧縮ガスの移送を行う接
続管と、2本のシリンダが相互に平行になり、かつ両者
の冷却部が同一側に位置するように、前記2本のシリン
ダの等温圧縮部側の端部を相互に固定する支持部材と、
前記シリンダの冷却部側の端部を相互に熱的に、かつ剛
性的に接続する冷却部接続部材と、前記冷却部接続部材
に熱的に接続された検出素子とを有する。
ンダの一端を剛性のある材料からなる冷却部接続部材で
接続することにより、シリンダ、冷却部接続部材及び支
持部材等により多角形が構成される。この多角形の各辺
は、剛性的に構成されているため、機械的強度を強く
し、振動を抑制することができる。
ることにより、検出素子を振動しにくく保持し冷却する
ことができる。このため、例えば検出素子に半導体放射
線検出素子を使用すると放射線検出のエネルギ分解能を
向上することができる。
について、図1を参照して説明する。
装置の概略断面図を示す。圧縮機11a、11b、等温
圧縮部12a、12b、等温圧縮部12a、12bにそ
れぞれ連続するシリンダ23a、23b、及び圧縮機1
1a、11bと等温圧縮部12a、12bとをそれぞれ
接続する接続管13a、13bにより、2つのスターリ
ング冷凍機が構成されている。
り付けられている。支持台22には、さらに、スターリ
ング冷凍機の等温圧縮部12a、12bを固定するため
の支持部材14、及びスターリング冷凍機の低温部及び
冷却対象物を収容するための真空容器16が図のように
取り付けられている。圧縮機11a、11bと等温圧縮
部12a、12bとの間で、それぞれ接続管13a、1
3bを通して圧縮されたまたは膨張したヘリウムガスが
移送される。
有するディスプレーサが挿入されており、シリンダ内の
先端部に膨張室が画定される。ディスプレーサは、等温
圧縮部12a、12bに導入された圧縮ヘリウムガスの
圧力変化と位相をずらせて図の左右方向に往復運動し、
膨張室でヘリウムガスが断熱膨張することにより、シリ
ンダ先端部が冷却される。
は、冷却部接続部材26により、相互に接続されてい
る。冷却部接続部材26は、双方の冷却部を接続する直
線状部分とそのほぼ中央の幅広部から構成され、T字状
形状とされている。その幅広部には、放射線検出素子1
5が取り付けられている。冷却部接続部材26は、例え
ばJIS−C1020に規定の無酸素銅もしくはアルミ
ニウム等の熱伝導率の高い材料で形成される。半導体放
射線検出素子には、例えばGeまたはSi検出素子が使
用される。
材26及びシリンダ23は真空容器16内に配置され密
封されている。真空容器16には真空バルブ17が設け
られており、内部を高真空に排気することができる。
18が取り付けられており、半導体放射線検出素子15
と接続されている。前置信号増幅器初段回路18から引
き出された信号線及び回路配線19は、ハーメチックシ
ール20を通して真空容器16の外部に設けられた前置
信号増幅器後段回路21に導かれている。前置信号増幅
器後段回路21の出力信号はスペクトロスコピーアンプ
30に供給されている。
mm、長さ15mmで容積が14cm3 のクローズドエ
ンド型高純度Ge検出器を用いた。スターリング冷凍機
には、最大動作定格AC電圧15V、電流4A、冷却能
力1.5W(80K)のものを用いた。
には、圧縮されたヘリウムガスが接続管13a、13b
を通って等温圧縮部12a、12bへ供給される。ま
た、ガス回収周期には、同じ経路を通って等温圧縮部1
2a、12bから圧縮機11a、11bにガスが回収さ
れる。このように、等温圧縮部12a、12bへのヘリ
ウムガスの導入、排気が周期的に繰り返される。
射すると放射線のエネルギに応じた量の電子正孔対が発
生し、n型領域p型領域に分離して取り出されることに
よりエネルギに応じた電荷の放射線検出信号が生じる。
前置信号増幅器初段回路18にこの放射線検出信号が入
力される。放射線検出信号は、前置信号増幅器初段回路
18及び前置信号増幅器後段回路21により増幅され
て、スペクトロスコピーアンプ30に与えられる。
合、約1時間30分で液体窒素温度まで冷却することが
できた。図2は、図1に示すGe半導体放射線検出装置
の前置信号増幅器後段回路21の出力信号をスペクトル
アナライザで分析した結果を示す。横軸は、周波数を単
位kHzで表し、縦軸はノイズレベルを単位dBVで表
す。ここで、単位dBVは電圧V0 (1.41V)を基
準とし、20log(V/V0 )を表す。太線aは、図
BR>1の放射線検出装置のスターリング冷凍機を定格で
運転した場合(以下、スターリング冷凍機を2つ並列に
用いる配置を「ツイン配置」と呼ぶ)、細線bは、スタ
ーリング冷凍機を1個のみ取り付けた場合(以下、この
ような配置を「シングル配置」と呼ぶ)、及び点線c
は、図1の放射線検出装置の冷却部を所定温度まで冷却
した後、スターリング冷凍機の運転を停止した場合のノ
イズレベルを示す。
は、冷凍機の振動に起因するノイズが完全に除去されて
いるため、従来の液体窒素で冷却する場合と同等のノイ
ズレベルを表していると考えることができる。
シングル配置にした場合は、細線bで示すように、4.
5kHz及び6kHz付近に約10dB程度のマイクロ
フォニック雑音が残っている。これに対し、ツイン配置
にした場合は、太線aで示すようにマイクロフォニック
雑音が低減され、液体窒素冷却による場合(点線)に近
い良好な結果が得られている。
検出装置を使用して60Co標準ガンマ線源の測定結果に
ついて説明する。まず、図3を参照して検出信号分析系
について説明する。
のブロック図を示す。図3に示すように、前置信号増幅
器後段回路21の出力信号が、スぺクトロスコピーアン
プ30に入力される。スぺクトロスコピーアンプ30
は、入力信号を所定の波形整形時定数で2重微分2重積
分を行って波形整形し、バックグラウンドノイズを切り
捨て、なるべく信号成分のみを取り出して、波高分析装
置31に出力する。放射線によって電子正孔対が発生す
る時間は極めて短く、検出信号は一定時間内に発生した
電荷量、すなわち主として波高によって特徴付けられ
る。
高を分析して、波高毎に予め設定されているチャンネル
に振り分け、入力信号の波高に該当するチャンネルのカ
ウンタを更新する。波高分析装置31の出力信号は、パ
ソコン32に入力され、情報処理される。チャンネル数
を4096とし、4096番目のチャンネルが約10V
の波高に相当するようにした。
は、パルサ33から放射線検出信号の疑似信号として一
定のパルス信号が供給される。これは、信号分析系のみ
の分解能の限界等の測定に用いられる。
パルサ信号に対するスペクトルを示す。放射線検出素子
には、容積14cm3 のクローズドエンド型Ge検出素
子を使用し、スターリング冷凍機は12Vで駆動し、ス
ぺクトロスコピーアンプの波形整形時定数は2μsec
で測定した。
ペクトルのピークが現れ、チャンネル番号3957近傍
にパルサ信号スペクトルのピークが現れている。ガンマ
線スペクトルのピークの半値幅は、2.2keV、パル
サ信号スペクトルのピークの半値幅は1.4keVであ
った。一方、スターリング冷凍機をシングル配置にした
場合のガンマ線スペクトル、パルサ信号スペクトルのピ
ークの半値幅は、それぞれ2.6keV、1.9keV
であった。また、スターリング冷凍機を停止して測定し
た場合は、ガンマ線スペクトル、パルサ信号スペクトル
のピークの半値幅は、それぞれ2.2keV、1.5k
eVであった。
配置にした場合は、シングル配置の場合に比べてエネル
ギ分解能が改善されていることがわかる。また、ツイン
配置の場合は、スターリング冷凍機を停止した場合とほ
ぼ同等のエネルギ分解能を得ることができることがわか
った。
の半値幅を示す。横軸は、波形整形時定数を単位μse
cで表し、縦軸は、スペクトルのピークの半値幅を単位
keVで表す。図の●、■、▲は、それぞれツイン配
置、シングル配置及び冷凍機運転停止の場合のガンマ線
スペクトルの半値幅を示し、○、□、△は、それぞれツ
イン配置、シングル配置及び冷凍機運転停止の場合のパ
ルサ信号スペクトルの半値幅を示す。
リング冷凍機の運転電圧は、それぞれ15V、11Vと
した。また、放射線検出素子には、容積14cm3 のク
ローズドエンド型Ge検出素子をもちいた。
約1μsec近傍でのみ、冷凍機停止の場合と同等の分
解能を得ることができるが、波形整形時定数が2μse
c以上になると、分解能が急激に悪くなる。これに対
し、ツイン配置の場合は、波形整形時定数が4μsec
以下の範囲で、冷凍機停止の場合とほぼ同等の分解能を
得ることができる。また、波形整形時定数が6μsec
の場合でも、分解能はやや悪くなるが比較的良好な分解
能を得ることが可能である。
時、ガンマ線スペクトルに対する分解能が急激に悪くな
っている。これは、放射線入射により発生した電子正孔
対がpn接合近傍の空乏層で分離され、電極に到達して
電気信号として検出されるまでに一定の時間を必要とす
るが、波形整形時定数が短すぎるため、放射線入射によ
り発生した全電流を分析できなくなるためである。
配置とすることにより、波形整形時定数の広い範囲にわ
たって冷凍機停止の場合と同様の良好な分解能を得るこ
とができた。ツイン配置にすることにより、分解能が向
上するのは、放射線検出素子を取り付けている取り付け
部の機械的強度が増し、振動しにくくなったために、マ
イクロフォニック雑音が減少したためと考えられる。以
下、ツイン配置の場合とシングル配置の場合の振動の様
子について説明する。
装置を示す。図6(A)に示すように、クローズドエン
ド型Ge検出素子の先端面、円周面の頂上部及び側面部
にそれぞれ加速度センサ40a、40b、40cを取り
付け、3方向の振動の大きさを測定した。
0からの出力信号はDC増幅器41に入力され、約10
倍に増幅される。この信号をデジタルオシロスコープ4
3でリアルタイムに観測するとともに、スペクトラムア
ナライザ42でスペクトル分析を行った。
素子の先端部、頂上部、側面部に取り付けた加速度セン
サにより検出された振動の大きさを示す。共に、横軸
は、振動数を単位kHzで表し、縦軸はDC増幅器41
の出力を単位dBVで表す。すなわち、縦軸は、振動の
大きさに対応している。
及び側面部に取り付けた全ての場合について、振動の大
きさは振動数が約7kHz以下の範囲では、振動数が増
加するにつれて振動の大きさは減少し、振動数が7kH
z以上の範囲では、局所的に共振現象が見られるのみで
その大きさは小さい。
振動レベルがほぼ同じであるのに対し、シングル配置で
は、頂上部及び側面部に取り付けた加速度センサにより
検出された振動レベルが、先端部に取り付けた加速度セ
ンサにより検出された振動レベルよりも10dBV程度
高い。これは、シングル配置では、その機構上横方向振
動が抑えにくいのに対し、ツイン配置とすると、横方向
振動が生じにくくなることを示していると考えられる。
ン配置の方がシングル配置に比べて振動の大きさが小さ
いことがわかる。このように、ツイン配置にすることに
より、放射線検出素子の機械的振動を抑制することがで
きる。これにより、マイクロフォニック雑音による分解
能の低下を抑制することが可能になる。
部材で2つのスターリング冷凍機の冷却部を相互に接続
した場合について説明したが、振動を抑制することがで
きるものであればその他の形状でもよい。以下、他の形
状の冷却部接続部材の例について説明する。
ダ、及び冷却部接続部材部分の概略断面図を示す。図1
0(A)は、図1に示す放射線検出装置と同じT字状形
状の冷却部接続部材26を取り付けた例を示す。図10
(B)は、Y字状形状の冷却部接続部材26を取り付け
た例を示す。図10(B)に示すように、冷却部接続部
材は、2つのシリンダの冷却部をそれぞれ底辺の両端と
する二等辺三角形の斜辺に沿って配置された2本の直線
状部分と、この二等辺三角形の頂角部分にシリンダにほ
ぼ平行に取り付けられた棒状部分から構成されている。
字状形状としたときの分解能を測定した結果について説
明する。図11は、波形整形時定数を変化させたとき
の、ガンマ線スペクトル及びパルサ信号スペクトルのピ
ークの半値幅を示す。半導体放射線検出素子には、容積
85cm3 のクローズドエンド型Ge検出素子を使用
し、スターリング冷凍機を電圧12Vで駆動した。図中
の○、●は、それぞれY字状形状の冷却部接続部材を使
用した場合のガンマ線スペクトル及びパルサ信号スペク
トルの半値幅を示す。また、□、■は、それぞれT字状
形状の冷却部接続部材を使用した場合のガンマ線スペク
トル及びパルサ信号スペクトルの半値幅を示す。T字状
及びY字状形状の時の半値幅は、波形整形時定数0.5
〜8μsecの範囲でほとんど有為な差はない。
字状形状とした場合の放射線検出素子の振動の大きさを
示す。なお、放射線検出素子の先端面、頂上部、側面部
に取り付けた各加速度センサにより検出された振動はほ
ぼ同様の傾向を示すため、先端部に取り付けた加速度セ
ンサで検出した振動の大きさのみを代表して示す。測定
には、容積が14cm3 のクローズドエンド型Ge検出
素子を使用した。
及びY字状形状の場合共に振動の大きさに有為な差はな
く、ほぼ同様の傾向を示し、振動数が上昇するにつれて
振動の大きさは次第に減少する。振動数が5kHz以上
の振動については、T字状の方がY字状よりも低いレベ
ルを示している。ただし、絶対値が非常に小さいため、
半導体放射線検出素子のマイクロフォニック雑音への影
響は少ないと考えられる。
Y字状形状とした場合、半導体検出素子の振動に関する
両者の有為な差はなく、このため、ほぼ同等の分解能を
得ることができる。また、T字状、またはY字状に限ら
ず、機械的振動を低減することができるものであれば、
その他の形状でもよい。例えば、V字状形状あるいは直
線状形状等でもよい。
機のディスプレーサを同相で駆動する場合について説明
した。次に、2台のスターリング冷凍機のディスプレー
サを逆相で駆動する場合の効果について実験結果を示し
つつ説明する。
相及び逆相で運転した場合の、波形整形時定数に対する
ガンマ線及びパルサ信号のスペクトルのピークの半値幅
を示す。半導体放射線検出素子には、容積85cm3 の
クローズドエンド型Ge検出素子を使用し、冷却部接続
部材には、Y字状形状のものを使用し、スターリング冷
凍機を電圧12Vで駆動した。図中の○、●は、それぞ
れ同相運転した場合のガンマ線及びパルサ信号のスペク
トルの半値幅を示す。また、□、■は、それぞれ逆相運
転した場合のガンマ線及びパルサ信号のスペクトルの半
値幅を示す。
パルサ信号のスペクトルの半値幅に有為な差は見られな
かった。図14は、スターリング冷凍機を同相及び逆相
運転とした場合の放射線検出素子の振動の大きさを示
す。なお、放射線検出素子の先端面に取り付けた加速度
センサで検出した振動の大きさのみを代表して示す。測
定には、容積が14cm3のクローズドエンド型Ge検
出素子を使用した。
び逆相の場合共に振動の大きさに有為な差はない。振動
数が5kHz以上の振動については同相運転の場合の方
が振動は少ない。しかし、その絶対値が小さいため、半
導体放射線検出素子のマイクロフォニック雑音への影響
は少ないと考えられる。
び逆相運転とした場合、半導体検出素子の振動に関する
両者の有為な差はなく、得られる分解能に差はないこと
がわかった。
分解能にどの程度影響を与えているか実験結果を示しつ
つ説明する。図15は、半導体放射線検出素子の容積が
14cm3 及び85cm3 の場合の、波形整形時定数に
対するガンマ線及びパルサ信号のスペクトルのピークの
半値幅を示す。冷却部接続部材にはY字状形状のものを
使用し、スターリング冷凍機は同相運転で電圧12Vで
駆動した。図中の○、●は、それぞれ容積85cm3の
場合のガンマ線及びパルサ信号のスペクトルの半値幅を
示す。また、□、■は、それぞれ容積14cm3 の場合
のガンマ線及びパルサ信号のスペクトルの半値幅を示
す。
較してほんの少しではあるが、ガンマ線及びパルサ信号
のスペクトルの半値幅が良い結果が得られた。また、両
者の半値幅の波形整形依存性がほぼ同じであることがわ
かった。この結果よりマイクロフォニック雑音の周波数
スペクトルがほぼ同等の傾向を持つと考えられる。
14cm3 及び85cm3 の場合の放射線検出素子の振
動の大きさを示す。なお、放射線検出素子の先端面に取
り付けた加速度センサで検出した振動の大きさのみを代
表して示す。冷却部接続部材には、Y字状形状のものを
使用し、スターリング冷凍機は同相運転とした。
て、容積85cm3 の半導体放射線検出素子の方が容積
14cm3 のものに比べて振動が少ない。このように、
半導体放射線検出素子の大きさを大きくした方が、機械
的振動を抑制することができるため、少しではあるが分
解能が上がると考えられる。しかし、ツイン配置とした
ことにより、機械的振動の大きさ自体が小さくなってい
るため、得られる分解能の差は極めて少なく、半導体放
射線検出素子の大きさに関し、ほとんど実用上の差はな
いことがわかった。
して、無酸素銅あるいはアルミニウムを使用した場合に
ついて説明したが、熱伝導率が高く一定の剛性を有する
ものであればその他の材料を使用してもよい。
ング冷凍機で半導体放射線検出素子を冷却する場合につ
いて説明したが、その他の検出素子を冷却してもよい。
例えば、赤外線検出素子等を冷却してもよい。
グ冷凍機のシリンダがほぼ平行になるように配置した場
合について説明したが、必ずしも平行である必要はな
い。例えば、所定の角度で交差する2本の直線に沿って
配置してもよい。なお、2つのシリンダの冷却部がほぼ
接触し、シリンダが二等辺三角形の2つの斜辺を構成す
るように配置してもよい。
機を2台使用する場合について説明したが、3台以上使
用してもよい。3台以上使用する場合には、各シリンダ
の冷却部をある平面に沿って配置し、等温圧縮部をこの
平面の一方の側に配置して冷却部接続部材を支持するこ
とにより、剛性が増し振動を抑制することができる。こ
の場合には、冷却部接続部材は、例えば、円板状形状の
ものを用いることにより、3台以上のスターリング冷凍
機の冷却部を熱的に接続することができる。
の熱容量、目標冷却温度及びスターリング冷凍機の冷却
能力等により適切な台数とすることが好ましい。以上実
施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制
限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組
み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
半導体放射線検出素子の振動を抑制し、液体窒素を使用
して冷却する場合とほぼ同等の分解能を得ることができ
る。このため、高い分解能が必要とされる場合に液体窒
素の入手が困難な場所においても、半導体放射線検出装
置を使用することが可能になる。また、定期的に液体窒
素を供給する必要がないため、維持管理が容易になる。
さらに、装置全体を小型化することができる。
面図である。
レベルを、スターリング冷凍機を1台のみ使用した場
合、及びスターリング冷凍機の運転を停止した場合と比
較して示すグラフである。
系のブロック図である。
マ線スペクトルを示すグラフである。
合の、ガンマ線及びパルサ信号スペクトルの半値幅を示
すグラフである。
の振動を測定するための、加速度センサの配置を示すた
めの半導体放射線検出素子の斜視図、及び加速度センサ
出力信号の分析系を示すブロック図である。
素子の先端面に取り付けた加速度センサにより検出され
た振動の大きさを示すグラフである。
素子の頂上部に取り付けた加速度センサにより検出され
た振動の大きさを示すグラフである。
素子の側面部に取り付けた加速度センサにより検出され
た振動の大きさを示すグラフである。
ターリング冷凍機及び冷却部接続部材部分の概略断面図
である。
合の、ガンマ線及びパルサ信号スペクトルの半値幅を示
すグラフである。
合の、半導体放射線検出素子の先端面に取り付けた加速
度センサにより検出された振動の大きさを示すグラフで
ある。
転した場合の、ガンマ線及びパルサ信号スペクトルの半
値幅を示すグラフである。
転した場合の、半導体放射線検出素子の先端面に取り付
けた加速度センサにより検出された振動の大きさを示す
グラフである。
5cm3 の場合の、ガンマ線及びパルサ信号スペクトル
の半値幅を示すグラフである。
5cm3 の場合の、半導体放射線検出素子の先端面に取
り付けた加速度センサにより検出された振動の大きさを
示すグラフである。
出装置の概略断面図である。
器を使用した半導体放射線検出装置の概略断面図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 2本のシリンダと、 前記シリンダの各々の内部に挿入され、該シリンダの各
々の一端に冷却部を画定し、他端に等温圧縮部を画定す
るディスプレーサと、 圧縮ガスの供給と回収とを周期的に行う少なくとも1台
の圧縮機と、 前記圧縮機と前記シリンダの等温圧縮部とを接続し、両
者間で圧縮ガスの移送を行う接続管と、 2本のシリンダが相互に平行になり、かつ両者の冷却部
が同一側に位置するように、前記2本のシリンダの等温
圧縮部側の端部を相互に固定する支持部材と、 前記シリンダの冷却部側の端部を相互に熱的に、かつ剛
性的に接続する冷却部接続部材と、 前記冷却部接続部材に熱的に接続された検出素子とを有
する蓄冷器式冷凍機を使用した検出装置。 - 【請求項2】 前記冷却部接続部材は、T字状形状を有
し、T字の水平直線部の両端に相当する部分の近傍が前
記シリンダの冷却部側の端部に取り付けられており、 前記検出素子は、前記T字の垂直直線部の下端に相当す
る部分に取り付けられている請求項1に記載の蓄冷器式
冷凍機を使用した検出装置。 - 【請求項3】 前記冷却部接続部材は、Y字状形状を有
し、Y字の2本の腕に相当する部分の先端が前記シリン
ダの冷却部側の端部に取り付けられており、 前記検出素子は、前記Y字の足に相当する部分の先端に
取り付けられている請求項1に記載の蓄冷器式冷凍機を
使用した検出装置。
Priority Applications (2)
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JP6164010A JP2995144B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 冷却装置を用いた検出装置 |
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