JP4246872B2 - 車輌用灯具の洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌のウィンドゥシールドの洗浄に連動して灯具の洗浄を行うように構成された車輌用灯具の洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌のウィンドゥシールド(フロントガラス等。)に洗浄液を噴射してワイパーで汚れを落とすための装置(ウィンドゥ・ウォッシャー)と同様に、車輌用灯具を構成するレンズ部材の汚れをウォッシャータンクに貯えた洗浄液を使って洗浄する装置としてヘッドランプウォッシャー(あるいはヘッドランプクリーナー)が知られている。
【0003】
レンズ部材の汚れは光量の低下による視認性の悪化をもたらすばかりでなく、メタルハライドランプ等の放電灯を使ったヘッドランプでは、従来の電球を使ったランプに比べて明るい光が得られるため、汚れによって光が不規則に照射されることに起因するグレアが問題となる(対向車や周囲車輌等への眩惑光を照射する虞がある。)。
【0004】
ところで、車輌の運転中に運転者は灯具に付着した汚れを直接視認することができないので、例えば、ウィンドゥ・ウォッシャーの作動に連動したタイミングをもって灯具の洗浄装置を動作させる方式が採られており、これによって灯具の洗浄を行うべきか否かの選択を、ウィンドゥシールドの洗浄を行うべきか否かの選択に転嫁している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置にあっては、ウィンドゥシールドの洗浄に連動して常に灯具の洗浄が行われてしまうため、洗浄液の消費が多くなってしまうという問題がある。
【0006】
例えば、共通の指示スイッチによってウィンドゥ・ウォッシャーを作動させてウィンドゥシールドの洗浄を行い、かつこれと同時に灯具の洗浄装置を動作させる場合においては、灯具が既に洗浄されていてその汚れが綺麗に落ちているにもかかわらず、ウィンドゥシールドの汚れをとるだけのためにウィンドゥ・ウォッシャーを作動させると、その度に灯具の洗浄が不必要に行われて洗浄液が無駄に消費されてしまうことになる。車輌において洗浄液を貯えておくためのタンク容量は、他の部品(エンジンやその付属部品等)の占有体積や配置スペースによって制限されるため、これをいくらでも大きくすることができないという理由により、結局は洗浄液をタンクに補充する手間が頻繁にかかってしまうことになる。
【0007】
そこで、本発明は、車輌のウィンドゥシールドの洗浄を行う際には灯具の点灯後における最初の所定回数の洗浄にのみ連動して灯具の洗浄が行われるように制御して洗浄液の消費量を抑えることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した課題を解決するために、車輌用灯具が点灯している場合に、車輌のウィンドゥシールドの洗浄装置を動作させる指令手段に連動して、車輌用灯具を洗浄するように動作する車輌用灯具の洗浄装置であって、車輌用灯具が点灯された時点の後、指令手段からの洗浄動作を行う旨の指令信号を、予め決められた回数以内に受けたときには、当該信号に連動して車輌用灯具の洗浄が行われ、当該回数を越えた場合には車輌用灯具の点灯期間中に指令手段による洗浄動作の指令があっても車輌用灯具の洗浄が行われないように構成したものである。
【0009】
従って、本発明によれば、車輌用灯具の点灯期間中において、ウィンドゥシールドの洗浄動作に連動した車輌用灯具の洗浄動作が、許容回数を越えて行われることがないので、洗浄液の消費量を抑えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の基本構成を示すものである。
【0011】
洗浄装置1は、ウィンドゥシールドの洗浄装置と、車輌用灯具の洗浄装置とを備えており、前者は、指令手段2、駆動部3、ウィンドゥ・ウォッシャー4を有し、後者は、指示手段5と、駆動部6、ランプ・ウォッシャー7、点消灯状態検出手段8を有している。
【0012】
この洗浄装置1では、指令スイッチを含む指令手段2から駆動部3に送出される指令信号によってウィンドゥ・ウォッシャー4を作動させるか否かが規定され、駆動部3によりポンプモータ等の動作制御が行われるが、車輌用灯具が点灯している場合には、指令手段2から駆動部6にも指令信号が送出され、これによって、ウィンドゥシールドの洗浄動作に連動して、車輌用灯具のレンズ洗浄を行うことができるように構成されている。
【0013】
但し、灯具の点灯中において、指令手段2からの指令信号に対して常に連動して灯具の洗浄が行われると上記の問題が生じるので、連動回数(連動の許容回数)が制限されており、所定回数を越えて両洗浄動作が連動しないように構成されている。つまり、車輌用灯具が点灯された時点の後に、指令手段2からの洗浄動作を行う旨の指令信号を駆動部6が受けた場合において、その指令信号を、予め決められた回数(許容回数)以内に受けたときには、当該信号に連動して車輌用灯具の洗浄を行うが、当該回数を越えた場合には車輌用灯具の点灯期間中に指令手段2による洗浄動作の指令を駆動部6が受けても車輌用灯具の洗浄を行うことはない。例えば、許容回数を1回に規定すると、灯具の点灯後に指令手段2から最初の指令信号を駆動部6が受けたときにだけウィンドゥ・ウォッシャー4による洗浄動作に連動してランプ・ウォッシャー7による洗浄動作が行われるが、さらにその後に駆動部6が指令信号を指令手段2から受けても当該信号は無視され、ウィンドゥ・ウォッシャー4による洗浄動作だけが行われる。
【0014】
そのためには、駆動部6内に指令信号に対する保持手段6aが設けられており、該保持手段には、車輌用灯具の点灯又は消灯状態を示す信号が点消灯状態検出手段(あるいは点消灯指示の検出手段)8から送られて来る。
【0015】
点消灯状態検出手段8は、灯具の点消灯状態の如何を把握して、その結果を示す信号(これを「S8」と記す。)を保持手段6aに通知するために設けられており、以下の何れかに示す役割をもっている。
【0016】
(i)灯具に対する点灯指示又は消灯指示に応じた信号S8を保持手段6aに送出すること
(ii)灯具が点灯しているか又は消灯しているかを検出し、検出信号S8を保持手段6aに送出すること。
【0017】
先ず、(i)については、灯具の点灯スイッチが設けられている場合においてそのオン/オフ状態から容易に判別することができ、また、自動点灯装置(例えば、周囲環境の外光照度を検出する照度センサを有し、車輌周囲の明るさに応じて灯具の点消灯を制御する装置等。)を具備する場合には、当該装置からの制御信号として取得することができる。
【0018】
また、(ii)については、灯具の光源に係る電流や発光量等を検出して、その検出値をコンパレータ等の比較手段により所定の閾値と比べることで、灯具が点灯しているか否かを判定することができる。
【0019】
上記の保持手段6aは、点消灯状態検出手段8からの信号S8によって車輌用灯具が点灯していると判断され、かつ指令手段2からの洗浄動作を行う旨の指令信号を、予め決められた許容回数以内に受けたときに車輌用灯具の洗浄を許可する信号を生成してランプ・ウォッシャー7に送出するとともに、許容回数に達したときの指令信号を保持する。つまり、この信号保持により、その後における指令手段2からの洗浄動作の指令信号は、許容回数を越える指令信号として無視されることになる。そして、点消灯状態検出手段8からの信号S8により車輌用灯具が消灯されたことが判断されたときに、指令信号に対する保持が解除される。
【0020】
尚、車輌用灯具の点灯を要件とする理由は、消灯時にも洗浄動作について連動させた場合に洗浄液の消費が多くなってしまうことに依る。
【0021】
また、指令信号に対する保持の解除要件(洗浄動作の非連動の解除要件)としては、例えば、解除のためのリセット手段として手動式スイッチを積極的に設ける方法と、灯具の消灯時点を検出して自動リセットを行う方法とが挙げられるが、後者のように灯具の消灯時点で自動解除する方が簡単であり、解除の目的にも適っている。
【0022】
但し、灯具が点灯したままの状態で、上記の信号保持がなされた後では、指令手段2からの指令信号が保持手段6aにおいて無視され、当該指令信号により灯具の洗浄を行うことができなくなるので、そのためには、車輌用灯具の洗浄動作を、車輌のウィンドゥシールドの洗浄動作とは独立して行うための指示手段5を、ウィンドゥシールドの洗浄動作のための指令手段2とは別個に設けることが好ましい。つまり、指示手段5から駆動部6に送出される指示信号により、駆動部6はポンプモータ等を強制的に作動させ、ランプ・ウォッシャー7による洗浄動作が行われる(その際には、保持手段6aの状態(信号保持/非保持)には何等拘束されずに、ランプ・ウォッシャー7の動作・不動作を制御できる。)。
【0023】
しかして、本発明では、車輌用灯具の点灯中におけるウィンドゥ・ウォッシャー4とランプ・ウォッシャー7の連動回数を制限することにより、洗浄液を節約することができる。
【0024】
【実施例】
図2乃至図4は本発明に係る実施の一例を示すものである。
【0025】
図2は車輌における各構成部の配置を概略的に示したものであり、洗浄液の収容タンク9からポンプ10を経た後、ノズル(フロント・ウィンドゥシールドに対する噴射ノズル)11に至る配管経路を有するウィンドゥ・ウォッシャー12と、収容タンク9からポンプ13を経てノズル(ヘッドランプ14の前面レンズに対する噴射ノズル)15に至る配管経路を有するランプ・ウォッシャー16が設けられている。
【0026】
尚、図中の「WW−SW」はウィンドゥ・ウォッシャー12の動作指示のためのスイッチ(上記指令手段2に対応する。)を示し、「HLC−SW」はランプ・ウォッシャー16の動作指示のためのスイッチ(上記指示手段5に対応する。)を示しており、これらのスイッチによる信号は、収容タンク9に付設された回路部17に送出される。
【0027】
図3は回路部の構成例を示したものである。
【0028】
バッテリーBの正極端子は、図示しないヒューズを介してスイッチ(IG−SW)に接続されており、該スイッチは図示しないヒューズを経て回路端子「Ta」に接続されている。
【0029】
また、リレー「RLY1」を構成するコイル「RC1」及びa接点「Sa1」の一端は、バッテリーBの正極端子と回路端子「Tb」とを結ぶラインに接続されており、コイルRC1の他端がスイッチWW−SWを介して接地されている。そして、a接点Sa1の他端がウィンドゥ・ウォッシャー用のポンプモータ「WW−motor」に接続されている。
【0030】
回路端子「Tc」にはランプ・ウォッシャー用のポンプモータ「HLC−motor」が接続され、回路端子「Td」は上記スイッチ「HLC−SW」を介して接地されている。
【0031】
そして、回路端子「Te」は、ランプの点灯又は消灯を指示するためのスイッチ(HL−SW)を介して接地され、回路端子「Tf」はスイッチWW−SWを介して接地されている。
【0032】
以上の外付け部品に対して回路部内では回路端子TaにコンデンサC1が接続され、その端子電圧がダイオードD1を介してPNPトランジスタQ1のエミッタに供給される。
【0033】
該トランジスタQ1のベース−エミッタ間にはコンデンサC2、抵抗R2が互いに並列接続された状態で付設されており、また、トランジスタQ1のコレクタはリレーRLY2のコイルRC2を介して接地されている。
【0034】
このリレーRLY2のa接点Sa2は、その一端が回路端子Tbに接続されるとともに他端が回路端子「Tc」に接続されており、また、コイルRC2に対しては逆電圧防止用にダイオードD2が付設されている。
【0035】
トランジスタQ1への制御信号は、後述するIC1からエミッタ接地のNPNトランジスタQ2を介して供給されるように、該トランジスタQ2のコレクタが抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースに接続されている。尚、R4はトランジスタQ2のベース−エミッタ間に介挿された抵抗である。
【0036】
抵抗R2の後段には電源安定化用の回路として、ベース接地とされたNPNトランジスタQ6、抵抗R3、ツェナーダイオードZDが配置されている。つまり、トランジスタQ6のコレクタが抵抗R2の一端に接続され、ベースがツェナーダイオードZDを介して接地されており、エミッタからコンデンサC4を経て電源端子「Va」に得られる電圧が、後述するIC1、IC2等の電源電圧として用いられる。
【0037】
IC1はタイマー部を構成するものであり、リトリガ動作、リセット動作の可能な単安定マルチバイブレータICを2回路分有している(4538相当品)。尚、2つの回路の一方はスイッチHLC−SWのオン信号により作動する回路(以下、「第1の回路」という。)、他方はスイッチWW−SWに係る最初のオン信号により作動する回路(以下、「第2の回路」という。)である。
【0038】
IC1では、端子「1A」や「2A」へのトリガ入力を受けて所定のパルス幅をもった信号が出力端子「1Q」、「2Q」から得られ、その際の単安定パルス幅は、端子「T1」、「T2」に対して外付けされる抵抗R8とコンデンサC7による時定数で決定される(抵抗8とコンデンサC7との接続点が端子T2に接続されている。)。尚、抵抗R8に対して並列接続されたダイオードD3は、そのカソードが電源端子Vaに接続され、そのアノードが抵抗8とコンデンサC7との間に接続されている。
【0039】
出力端子1QはダイオードD4のアノードに接続され、また、出力端子2QはダイオードD5のアノードに接続されており、これらのダイオードのカソードがともにコンデンサC3を介して接地されるとともに、抵抗R15を介してトランジスタQ2のベースに接続されている。
【0040】
「VDD」はIC1の電源端子であって上記電源端子Vaに接続され、これにはコンデンサC6が付設されている。また、「CD」は電源端子Vaに接続された抵抗R7と、該抵抗に対して直列接続されて接地されたコンデンサC5との接続点に接続されることで、H(ハイ)レベル信号が供給される(「CD」にL(ロー)レベル信号を供給することで、2回路のうちの一方だけを使用できる構成となっているが、本回路では両方の回路を使用している。)。尚、「Vss」は接地端子である。
【0041】
IC1の端子「1A」への入力信号は、回路端子TdからダイオードD6や、PNPトランジスタQ5を介して供給される。即ち、回路端子TdにはコンデンサC10が接続されるとともに、ダイオードD6のカソードが接続され、該ダイオードD6のアノードが抵抗R17を介してトランジスタQ5のベースに接続されている。尚、トランジスタQ5のエミッタは電源端子Vaに接続され、ベース−エミッタ間にはコンデンサC8と抵抗R16がそれぞれ介挿されており、抵抗R18を介して接地されたコレクタの出力が端子「1A」に送出される。
【0042】
回路端子「Te」については、図示するようにコンデンサC11が付設されており、ダイオードD7のカソードが接続されている。そして、該ダイオードD7のアノードは抵抗R6を介してPNPトランジスタQ3のベースに接続されている。
【0043】
トランジスタQ3及びその付設素子からなる回路は、後述するIC2やトランジスタQ4への電源電圧の供給を制御するために設けられており、トランジスタQ3のエミッタが上記電源端子Vaに接続され、コレクタがIC2の電源端子及びトランジスタQ4のエミッタに接続されている。
【0044】
IC2はラッチ部(上記保持手段6aに相当する。)を構成しており、2入力NAND(否定論理積)シュミット・トリガ回路を4回路分内蔵している(74HC132相当品)。そして、これらの4回路については、それぞれNOT(論理否定)ゲートとして機能するように2つの入力端子同士を接続して1入力端子とし、各ゲートを直列に接続している。
【0045】
尚、図示した各端子の意味は下記の通りである。
【0046】
・「IN」 =初段のNOTゲートへの入力端子
・「OUT」=最終段のNOTゲートの出力端子(IC1の端子「2A」に接続される。)
・「O3」 =3段目のNOTゲートの出力端子(あるいは最終段のNOTゲートへの入力端子)
・「Vcc」=電源端子
・「GND」=接地端子。
【0047】
トランジスタQ4は、IC2とともにラッチ部を構成しており、そのベースが抵抗R11を介してダイオードD8のアノードに接続され、該ダイオードD8のカソードが回路端子「Tf」に接続されている。尚、この端子TfにはコンデンサC12が付設されている。
【0048】
トランジスタQ4のベース−エミッタ間にはコンデンサC9、抵抗R12がそれぞれ介挿されており、上記したようにエミッタがトランジスタQ3のコレクタに接続されている。そして、抵抗R13を介して接地されたコレクタの出力はIC2の入力端子「IN」に供給されるようになっている。
【0049】
トランジスタQ4のベースとIC2の端子「O3」とを結ぶライン上には抵抗R14とダイオードD9が設けられているが、これは信号保持のために必要とされる。
【0050】
図4は回路動作について説明するためにタイムチャート図である。尚、図中に示す各信号の意味は下記の通りである。
【0051】
・信号「S_IG」=スイッチIG−SWの状態を示し、「ON」が閉状態、「OFF」が開状態を示す
・信号「S_HL」=スイッチHL−SWの状態を示し、「ON」がランプの点灯指示、「OFF」が消灯指示を示す
・信号「S_WW」=スイッチWW−SWの状態を示し、「ON」がスイッチの投入(閉状態)、「OFF」がスイッチの遮断(開状態)を示す
・信号「S_CS」=スイッチHLC−SWの状態を示し、「ON」がスイッチの投入(閉状態)、「OFF」がスイッチの遮断(開状態)を示す
・信号「S_HLC」=ランプ・ウォッシャーの動作/不動作状態を示し、「ON」が動作状態、「OFF」が不動作状態を示す
・信号「S_IC2o」=IC2の出力端子「OUT」の信号レベルを示し、「H」がHレベル、「L」がLレベルを示す。
【0052】
また、図中に示す時刻「ti」(i=1〜4)の意味は下記の通りである。
【0053】
・「t1」=信号S_IGの立ち上がり時点
・「t2」=信号S_HLの立ち上がり時点
・「t3」=信号S_WWの最初の立ち上がり時点
・「t4」=信号S_CSの立ち上がり時点。
【0054】
先ず、スイッチIG−SWをオンすることにより、IC1への電源供給が行われるとともに、IC2や各モータへの電源供給を行うための準備が整う。
【0055】
そして、HL−SWをオン状態にすると、回路端子「Te」がLレベルとなり、トランジスタQ3がオン状態となるので、IC2やトランジスタQ4への電源供給が行われる。
【0056】
図4には、その後、スイッチWW−SWを何回かに亘って投入してからスイッチHLC−SWを操作した様子が示されており、信号S_WWのオン期間中には当該スイッチの閉成によりリレーRLY1のコイルRC1が励磁されてa接点Sa1が閉じられ、ポンプモータWW−motorが作動する。
【0057】
これに対してランプ・ウォッシャー16が連動するのは、スイッチHL−SWを投入してから最初にスイッチWW−SWを操作したときのみである。これは、スイッチWW−SWの1回目の操作により当該スイッチが閉成されると、ダイオードD8の導通によりトランジスタQ4がオン状態となり、IC2の端子「IN」にはHレベル信号が供給され、これが4段のNOTゲートを経て端子「OUT」からIC1の端子「2A」に供給される。これによって、所定幅のパルスが端子「2Q」からダイオードD5を介してトランジスタQ2に供給されるため、ある一定時間、トランジスタQ2、Q1がオン状態となってRLY2の励磁によりそのa接点Sa2が閉じられてHLC−motorが作動する。
【0058】
ところで、トランジスタQ4のオン状態において、IC2の端子「O3」からダイオードD9、抵抗R14を介してトランジスタQ4のベースにフィードバックされる信号(Lレベル信号)によってラッチ機能が実現される。つまり、ダイオードD9の導通によりトランジスタQ4が強制的にオン状態となることで、信号が自己保持されるので、その後に、スイッチWW−SWを何度操作しても、スイッチIG−SWを開いてリセットした後に、IG−SW、HL−SWを入れてからスイッチWW−SWを再投入しない限りタイマー部の第2の回路は動作しない(この間、IC1の端子「2A」にはHレベル信号が供給されるので、端子「2Q」の出力はLレベルのままである。)。
【0059】
尚、スイッチHL−SWを開いた場合には、ダイオードD7の非導通によりトランジスタQ3がオフ状態となり、IC2やトランジスタQ4への電源供給が行われないので、タイマー部の第2の回路は不動作となる。
【0060】
また、スイッチHLC−SWを操作した場合には、当該スイッチを閉じたときにダイオードD6の導通によりトランジスタQ5がオン状態となって、IC1の端子「1A」にHレベル信号が供給されるのでタイマー部の第1の回路が動作する。つまり、端子「1Q」のHレベル信号がダイオードD4を介してトランジスタQ2に送られるので、トランジスタQ1のオンによりリレーRLY2が励磁される。これとは逆に、スイッチHLC−SWを開いたときには、ダイオードD6の非導通によりトランジスタQ5がオフ状態となり、IC1の端子「1A」にLレベル信号が供給されるのでタイマー部の第1の回路は不動作となる。このように、スイッチIG−SWを閉じている間は、スイッチHLC−SWのオン/オフによりポンプモータHLC−motorの動作/不動作の如何を直接的に指示することができる。
【0061】
以上に説明した回路では、(ウィンド・ウォッシャー)スイッチWW−SWが最初に操作されたときからランプ・ウォッシャー16が作動するので、ランプの洗浄を早期に行うことができる(例えば、スイッチWW−SWが所定回数操作されたときにはじめてランプ・ウォッシャーが作動する構成では、当該回数に達するまでランプ洗浄が開始されないので、スイッチWW−SWを最初に操作しただけでは所期の目的を直ちに達成できないことになる。)。
【0062】
尚、本実施例では、スイッチHL−SWのオン/オフ状態に応じてラッチ部への電源供給の有無を制御したが、HL−SWのオン/オフ状態に応じてタイマー部への電源供給の有無を制御する等、各種の実施形態が可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、車輌用灯具の点灯中において、ウィンドゥシールドの洗浄動作に連動した車輌用灯具の洗浄動作が、許容回数を越えて行われることがないので、洗浄液の消費量を抑えることができ、よって、タンクに洗浄液を頻繁に補充する手間から解放される。また、指令手段からの洗浄動作を行う旨の指令信号を受けたときに、その回数が許容回数以内であれば灯具の洗浄動作が行われるので、所定回数の指令信号を待ってから灯具の洗浄動作を行う構成に比して動作の遅れがないので、迅速な洗浄の実現に好適である。
【0064】
請求項2に係る発明によれば、車輌のウィンドゥシールドの洗浄動作との連動に拘束されることなく、車輌用灯具の洗浄動作を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す概念的な説明図である。
【図2】図3及び図4とともに本発明に係る実施の一例を示すものであり、本図は車輌における各部の配置を示す概略図である。
【図3】回路構成例を示す図である。
【図4】動作説明のためのタイムチャート図である。
【符号の説明】
1……洗浄装置、2…指令手段、5…指示手段

Claims (2)

  1. 車輌用灯具が点灯している場合に、車輌のウィンドゥシールドの洗浄装置を動作させる指令手段に連動して、車輌用灯具を洗浄するように動作する車輌用灯具の洗浄装置であって、
    車輌用灯具が点灯された時点の後、上記指令手段からの洗浄動作を行う旨の指令信号を、予め決められた回数以内に受けたときには、当該信号に連動して車輌用灯具の洗浄が行われ、当該回数を越えた場合には車輌用灯具の点灯期間中に上記指令手段による洗浄動作の指令があっても車輌用灯具の洗浄が行われないようにした
    ことを特徴とする車輌用灯具の洗浄装置。
  2. 請求項1に記載の車輌用灯具の洗浄装置において、
    車輌用灯具の洗浄動作を、車輌のウィンドゥシールドの洗浄動作とは独立に行うための指示手段を、ウィンドゥシールドの洗浄動作のための指令手段とは別個に設けた
    ことを特徴とする車輌用灯具の洗浄装置。
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