JP4246780B2 - 電解水生成装置およびそれに用いられる隔膜付き電極セット - Google Patents

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Description

本発明は、イオン透過性隔膜の両側に陽極と陰極とを配置した電解槽に電解質を含む水溶液を供給し電気分解して電解水を生成するバッチ式の電解水生成装置およびそれに用いられる隔膜付き電極セットに関する。
電解水生成装置は、水に少量の塩素系電解物質を溶かした水溶液(被電解水)を電気分解することにより、酸性の電解水とアルカリ性の電解水とを生成する装置である。電解水生成装置を用いて電解水を生成するには、まず、電解槽内を隔膜で仕切ることにより陽極槽と陰極槽とに分け、陽極槽内に陽極板を配置し、陰極槽に陰極板を配置する。そして、陽極槽及び陰極槽内に少量の塩素系電解物質を溶かした水溶液水を供給した後、陽極と陰極との間に直流を流す。すると、被電解水が電気分解されて、陽極槽から有効塩素を含む酸性の電解水を、陰極槽から水酸化ナトリウムを含むアルカリ性の電解水を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。このとき、電解条件にもよるが、pH(水素イオン濃度)が2.0〜3.5の酸性電解水を、水素イオン濃度が10.5〜12.0のアルカリ性電解水を得ることができる。なお、有効塩素とは、殺菌効果のある塩素系物質をいい、酸性電解水中には、HClO(次亜塩素酸)、ClO(次亜塩素酸イオン)などの有効塩素が含まれている。
ここで、被電解水として水に0.2%以下のNaClを溶かした水溶液を用い、生成した酸性電解水のpHが2.2〜2.7で、有効塩素濃度20〜60mg/kgを含む場合には、生成した強酸性電解水は厚生労働省から食品添加物として認可される。
ところで、従来の電解水生成装置の中には、小型で可搬型に構成され、どこでも手軽に電解水を生成することができるバッチ式電解水生成装置も知られている。例えば、特開2003−159591号公報(特許文献1)には、電解槽内にイオン透過性の隔膜を固定する隔膜固定板を配置し、この隔膜固定板で電解槽を2つの槽に仕切った各槽内にそれぞれ電極(陽極板、陰極板)を配置した電解水生成装置が記載されている。
電解槽を仕切る隔膜固定板は、例えば、ポリフェニレンサルファイド素材を用いて射出成形法により製造されている。この理由は、ポリフェニレンサルファイドが耐熱性、耐薬品に優れる材料であり、かつ強度、剛性が高いため、射出成形法で寸法安定性に優れる隔膜固定板を製造できるからである。また、ポリフェニレンサルファイドにガラス繊維を添加した素材(ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド)を用いて、射出成形法により、更に高強度、高剛性、寸法安定性に優れた(変形しにくい)隔膜固定板も製造されている。
また、従来の電解水生成装置では、電極板の極性をそのまま固定して電気分解を継続すると陰極側の電極板に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの塩基性化合物の析出物からなるスケールが付着し、次第に電解効率が低減する。このため、電解効率が低減した場合には電極板の極性を切り替えてから電気分解を行う洗浄モードにより電極板に付着したスケールを溶解させて電極を洗浄し、低下した電気分解効率を回復している(例えば、特許文献2)。
特開2003−159591号公報 特開平11−314089号公報
しかしながら、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材を用いて射出成形法により製造された隔膜固定板の使用や洗浄モードの使用には以下の問題がある。
射出成形法の問題は、射出成形の難しさと成形費用がかさむ点である。ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材を用いて製造された隔膜固定板は、優れた特性(高強度、高剛性、寸法安定性)を有するが、その特性を実現するためには、射出成形時に、ガラス繊維を隔膜固定板中に均質に分散させること、緻密な射出成形体を作製することが条件となる。この条件を満足するためには、高度な射出成形技術が必要となる。そのため、射出成形法で隔膜固定板を製造する製造メーカは限られてしまう。また、高強度、高剛性のガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材を用いると、金型や成型機の摩耗劣化が早くなる。そのため金型の寿命が短くなり成型機のメンテナンスも頻繁に行う必要があるため、隔膜固定板の製造価格が上昇する。従って、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材を用いる場合には、製造メーカが限定され、製造価格が上昇するため、手軽で安価に隔膜固定板の製造委託をすることができなくなる。また、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材を用いて射出成形法で製造された隔膜固定板は長期安定性に欠ける場合がある。これは、ガラス繊維は強酸性の電解水に侵されるため、この隔膜固定板を長期間使用するとガラス繊維が徐々に溶解し、隔膜固定板中にクラックが入って損傷する場合があるからである。
一方、洗浄モードを用いて低下した電解効率を回復するときの問題は、スケールの付着と共に得られる電解水の性能が徐々に低下することや、洗浄モードでスケールを溶解する期間は電解水を生成することができないことなどがあげられる。そのためスケールの付着を低減することによる電解水性能の低下の低減や洗浄モードの使用回数を減らすことが望まれる。
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、繰り返し電気分解水を製造する場合において安定した特性の電解水を長期間にわたって得ることができる電解水生成装置およびそれに用いられる隔膜付き電極セットを提供することである。
上記目的を達成するための本発明の電解水生成装置は、以下の構成を有する。すなわち、 電解質を含む水溶液を電気分解して酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成する電解水生成装置であって、電解槽を陽極部と陰極部とに分離するイオン透過性の隔膜と、前記隔膜を固定する一対の隔膜保持板と、前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極と、前記隔膜の両側に配置されている、前記隔膜と前記電極との間隔を予め決められた間隔に保持するための間隔保持手段であって、第1表面で前記隔膜と接触し前記第1表面と反対側の第2表面で前記2つの電極に接触する間隔保持手段と、前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を前記間隔保持手段にそれぞれ弾性により押しつけて固定するクリップと、を有し、前記隔膜保持板は、前記隔膜の周囲部分を保持する隔膜保持枠と、前記間隔保持手段が配置されている開口部とを有し、前記隔膜保持板は前記クリップを固定するためのクリップ固定溝を有し、前記クリップはクリップ基部とクリップ先端部とを有し、前記クリップは前記クリップ基部を前記クリップ固定溝にはめ込むことによって前記間隔保持手段に固定され、前記隔膜と、前記一対の隔膜保持板と、前記2つの電極と、前記間隔保持手段と、前記クリップとが一体に組み立てられて、前記電解槽を陽極部と陰極部に分離する隔膜付き電極セットが形成され、前記隔膜付き電極セットの一対の隔膜保持板はテーパ形状を有し、電解槽は、前記隔膜付き電極セットの前記テーパ形状を有する一対の隔膜保持板を固定するテーパ形状の溝を有する第1固定部と、前記クリップ先端部を固定する溝を有する第2固定部とを有することを特徴とする。
ここで例えば、前記間隔保持手段は、前記開口部に格子目状に配置されているリブであることが好ましい。
ここで例えば、前記リブの格子目状の交差部には予め決められた高さを有するボスが配置され、前記隔膜と前記電極との間隔は、前記リブから前記ボスまでの高さによって決められることが好ましい。
ここで例えば、前記リブの前記電極に接触する部分の面積の割合が前記電極の面積の15%以下となるように設定されていることが好ましい。
ここで例えば、前記隔膜保持板と前記間隔保持手段とは耐蝕性のポリプロピレン素材を用いる成形加工により一体に作製されることが好ましい。
ここで例えば、前記隔膜付き電極セットの前記第1固定部と接触する部分には、前記陽極部と陰極部の電解水が互いに混合しないように密閉する耐蝕性のパッキンが配置されていることが好ましい。
ここで例えば、前記クリップが複数使用されていることが好ましい。
ここで例えば、前記パッキンは三元フッ素ゴムを含むフッ素化合物によって形成されていることが好ましい。
また、本発明の電解水生成装置に用いる隔膜付き電極セットは、電解質を含む水溶液を電気分解して酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成する電解水生成装置に用いる隔膜付き電極セットであって、電解槽を陽極部と陰極部とに分離するイオン透過性の隔膜と、前記隔膜を固定する一対の隔膜保持板と、前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極と、前記隔膜の両側に配置されている、前記隔膜と前記電極との間隔を予め決められた間隔に保持するための間隔保持手段であって、第1表面で前記隔膜と接触し前記第1表面と反対側の第2表面で前記2つの電極に接触する間隔保持手段と、前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を前記間隔保持手段にそれぞれ弾性により押しつけて固定するクリップと、を有し、前記隔膜保持板は、前記隔膜の周囲部分を保持する隔膜保持枠と、前記間隔保持手段が配置されている開口部とを有し、前記隔膜保持板は前記クリップを固定するためのクリップ固定溝を有し、前記クリップは、クリップ基部とクリップ先端部とを有し、前記クリップは前記クリップ基部を前記クリップ固定溝にはめ込むことによって前記間隔保持手段に固定され、前記隔膜と、前記一対の隔膜保持板と、前記2つの電極と、前記間隔保持手段と、前記クリップとが一体に組み立てられて、電解槽を陽極部と陰極部に分離する前記隔膜付き電極セットが形成され、前記隔膜付き電極セットの一対の隔膜保持板はテーパ形状を有し、前記隔膜付き電極セットの前記隔膜付き電極セットの前記テーパ形状を有する一対の隔膜保持板が、前記電解槽のテーパ形状の溝を有する第1固定部に固定され、前記クリップ先端部が、前記電解槽の前記クリップ先端部を固定する溝を有する第2固定部に固定されることを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し電気分解水を製造する場合において安定した特性の電解水を長期間にわたって得ることができる電解水生成装置およびそれに用いられる隔膜付き電極セットを提供することができる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
隔膜付き電極セットの全体構成を説明する斜視図である。 図1Aの隔膜付き電極セットの正面図と断面図である。 図1Bの断面図の中央付近の部分拡大図である。 第2隔膜保持板にO−リングを取り付ける工程を説明する図である。 第2隔膜保持板に隔膜を取付けた後、第2隔膜保持板に第1隔膜保持板を重ねる工程を説明する図である。 第1隔膜保持板と第2隔膜保持板とを重ね合わせた状態を説明する図である。 第1隔膜保持板と第2隔膜保持板とを重ねた状態で、電極槽との接触部に電解水漏止用のパッキングを設置した状態を説明する図である。 2つの隔膜保持板の両側に陰極板と陽極板を設置後、陰極板と陽極板をクリップで固定する工程を説明する図である。 隔膜付き電極セットを設置する前の電解槽の構成を説明する図である。 隔膜付き電極セットを設置した電解槽の構成を説明する図である。 電解水生成装置の全体構成を説明する図である。 電解水生成装置内部の電解槽とピッチャーの位置関係を説明する図である。 電解槽と駆動部の接続関係および電解槽で生成した電解水を駆動部が取り出す動作を説明する図であり、駆動部が多段中空パイプを伸ばして電解槽の開閉弁とピッチャー開閉部を開いた状態(陽極部)と、駆動部が多段中空パイプを縮めて電解槽の開閉弁とピッチャー開閉部を閉じた状態(陰極部)を説明する図である。 駆動部とピッチャーとの接続関係および電解槽で生成した電解水を各ピッチャーに移送する動作を説明する図であり、駆動部が多段中空パイプを伸ばして電解槽の開閉弁とピッチャー開閉部とを開いた状態(陰極部)と、駆動部が多段中空パイプを縮めて電解槽の開閉弁とピッチャー開閉部を閉じた状態(陽極部)を説明する図である。
符号の説明
10 電解水生成装置
11−1 ピッチャー(陰極水)
11−2 ピッチャー(陽極水)
12 本体上蓋
13 目盛
14 固定部
15 電解槽
16 陽極部
17 陰極部
18 筐体部
19 クリップ固定部
20 電解水取出口
21 電解水取出口
22 電解水取出口の開閉弁
23 電解水取出口の開閉弁
24 多段中空パイプ(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)
25 多段中空パイプ(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)
26 駆動部
27 第1シャフト
28 第2シャフト
29 第3シャフト
30 第4シャフト
100 隔膜付き電極セット
101 クリップ
102a 陽極板
102b 陰極板
103 隔膜
104 パッキン
105a 第1隔膜保持板
105b 第2隔膜保持板
107a 陽極端子
107b 陰極端子
109−1、109−2 格子目状リブ
110 逆止弁
111 球溝
112−1,112−2 ボス
113 溝
114−1,114−2 電極支持台
115 O−リング
117 テフロン(登録商標)精密球
118 逆止弁カバー
本実施形態の隔膜付き電極セット及びそれを用いる電解水生成装置について説明する。以下の説明では、電解水生成装置の一例として、2リットルの原料水溶液(水に少量のNaClを溶かした被電解水)を電解槽で電気分解し、陽極部から有効塩素を含む強酸性電解水(陽極水)を、陰極部から強アルカリ性電解水(陰極水)を生成するバッチ式の電解水生成装置を用いて説明する。
しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の電解槽の隔膜付き電極セットを用いて電気分解するものであれば、連続式の電解水生成装置であってもよい。また、以下に示す構成は一例であり、本発明の技術的思想を満足するものであれば、その構成や配置は適時変更が可能である。
[特徴]
まず、本実施形態の隔膜付き電極セットの特徴について説明する。隔膜付き電極セットの一例を図1A(斜視図)、図1B(正面図、断面図)図1C(部分拡大図)に示す。
本実施形態の隔膜付き電極セットは、電解槽に設置して、電解槽を陽極部と陰極部に分離するものであり、電解槽を陽極部と陰極部とに分離するイオン透過性の隔膜を両側から挟んで固定する隔膜保持板に、隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を弾性素材で作られたクリップでその弾性により押しつけて電極間の距離を一定に保ちながら固定する点が特徴である。
隔膜保持板は、隔膜の周囲部分を保持する隔膜保持枠と隔膜保持枠以外の部分である開口部とからなり、開口部には、隔膜と電極との間隔を予め決められた間隔に保持する間隔保持部が配置されている。隔膜保持板の開口部に形成された間隔保持部は、図1Cに示すように格子目状リブ(109−1,109−2)と格子目状リブの交差部の上に形成されたボス(112−1,112−2)とからなり、クリップ101が2つの電極(102a,102b)をクリップで挟んで隔膜保持板に弾性により押しつける構造となっている。そのため、クリップで2つの電極を挟んで隔膜保持板に押しつけると、各電極が対応するボスと接触し、格子目状リブが対応する隔膜表面に接触する。その結果、2つの電極は隔膜保持板の間隔保持部と隔膜とを介して互いに固定されるため、2つの電極間の距離は一定に保たれる。
本実施形態の隔膜付き電極セットを用いる電解水生成装置は、上記の構成にしたことで、2つの電極間の距離が電気分解の間に安定して一定に保持され、電極間の距離が不安定な場合に発生するスケールの付着を抑制することができるため、電解水を繰り返し製造しても常に安定した性能の電解水を得ることができ、電解効率を回復するための洗浄モードを行うまでの期間(時間間隔)を長くすることができる。例えば、2リットルの電解水の製造を洗浄モード無しに100回繰り返し行っても、得られる酸性電解水の有効塩素量は、40〜60ppmと常に安定しており、電解水の性能劣化は認められなかった。
また、隔膜保持板は、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材に比べて、耐薬品性および成形性に優れるポリプロピレン素材を用いて射出成形法により一体成形されたものであるので、成形加工が容易となり、金型や成型機の損傷を低減することができる。また、製造メーカの委託先を増やすこともできる。なお、弾性を有するポリプロピレン素材は、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド素材に比べてやや強度、剛性が低い(柔らかい)が、本実施形態の隔膜付き電極セットでは、クリップを用いて2つの電極を間隔保持部に弾性により押しつけて一定間隔に固定する構造および隔膜保持板を伸縮自在のパッキンを介して隔膜保持板に押しつけて固定する構造とすることで隔膜保持板の変形を低減している。
[隔膜付き電極セット:図1A、図1B、図1C]
以下、本実施形態の隔膜付き電極セットについて説明し、次に、本実施形態の隔膜付き電極セットを用いる電解水生成装置について説明する。
図1A、図1Bに、本実施形態の隔膜付き電極セット100の全体構成の一例を示す。図1Aは、隔膜付き電極セット100の全体構成を説明する斜視図であり、図1Bは、図1Aの隔膜付き電極セットの正面図と断面図である。なお、図1Bの断面図では、図を見やすくするため隔膜は省略してある(図1C参照)。隔膜付き電極セット100は、後述の電解槽15の固定部14に設置して、電解槽15を陽極部16と陰極部17に分離するものであり、クリップ101、陽極端子107aを有する陽極板102a、陰極端子107bを有する陰極板102b、隔膜103、パッキン104、第1隔膜保持板105a,第2隔膜保持板105bなどから構成されている。
第1隔膜保持板105a(図2B参照)と第2隔膜保持板105b(図2A参照)は、類似の形状を有するものであり、隔膜103の周囲部分を保持する隔膜保持枠120−1、120−2と開口部121−1,121−2とからなる。第1および第2隔膜保持板105a、105bは、耐薬品性および成形性に優れるポリプロピレン素材を用いて射出成形法により一体成形されたものであり、その間に隔膜103を挟んで組み合わることにより隔膜103が固定される。開口部121−1,121−2には、隔膜103間と各電極との間隔を予め決められた間隔に保持する間隔保持部122−1、122−2が配置されている。
図1Cは、図1Bの断面図の隔膜付き電極セット100の中央付近の部分拡大図である。間隔保持部122−1、122−2は、図1Cに示すように格子目状リブ109−1、109−2と格子目状リブの交差部(図2B参照)の上に形成されたボス112−1,112−2とからなる。クリップ101で挟んで2つの電極を挟むと2つの電極102a、102bがクリップ101のバネ機構により隔膜保持板105a、105bに押しつけられ、電極102a、102bは対応するボス112−1,112−2と接触し、格子目状リブ109−1、109−2が隔膜103と接触する。その結果、2つの電極102a、102bは、間隔保持部122−1、122−2と隔膜103とを介してクリップ101により押しつけられて固定されるため、2つの電極間の距離は一定に保たれる。
図1Cの例では、隔膜103、陽極板102aおよび陰極板102bの厚さは0.5mmであり、電極間の距離が5.5mmに一定に保たれている。隔膜103は、隔膜付き電極セット100の中央部に配置され、隔膜103の周辺部に配置されるO−リング115(図2A参照)によって平面状にかつ隙間から電解水が漏れないように保持されている。
次に、上記説明した隔膜付き電極セット100を構成する各部品について説明する。
[隔膜保持板図2A、図2B]
第1および第2隔膜保持板105a、105bは、図2Aおよび図2Bに示す類似する形状を有するものであり、互いに重ね合わることにより隔膜付き電極セット100が形成される。各隔膜保持板の大きさは、2リットルの原料水溶液を電気分解する場合、例えば、縦(電極槽の深さ方向)が約100mm、横(電極槽の幅方向)が約130mmである。各隔膜保持板は、耐薬品性および成形性に優れるポリプロピレン素材を用いて射出成形法により一体成形される。
第2隔膜保持板105bは、図2Aに示すように、隔膜を保持する枠120−1、O−リング115,O−リングを保持する溝113,電極を支持する電極支持台114−1、隔膜を保持する帯状の格子目状リブ109−1、格子目状リブ109−1の交差部の電極に接触する側に配置されるボス112−1、陰極部上方から供給される原料水溶液を陽極部に供給する逆止弁110,テフロン(登録商標)精密球117を保持する球溝111より構成される。第1隔膜保持板105aは、図2Bに示すように、隔膜を保持する枠120−2、電極を支持する電極支持台114−2、隔膜を保持する帯状の格子目状リブ109−2、格子目状リブ109−2の交差部の電極に接触する側に配置されるボス112−2、逆止弁カバー118,テフロン(登録商標)精密球117より構成される。
間隔保持部122−1、122−2は、格子目状リブ109−1、109−2とボス112−1、112−2により構成され、図2A、2Bに示すように開口部121−1,121−2に配置され、隔膜103を平面上に保持し、かつ、2つの電極(陽極板と陰極板)102a、102b間の距離を一定に保つ。ただし、間隔保持部122−1、122−2が対応する電極(陽極板と陰極板)102a、102bに接触する部分の面積の割合が大きいと電極の実際に利用できる有効面積が減少し、各電極で発生した水素や塩素ガスが格子目状リブ上に滞留する割合が増加して電気分解の効率が低下する。そのため、本実施形態では、リブ部の全面積は、電極の全面積の15%以下となるように設定して、電気分解を高効率としている。一例を示せば、格子目状リブ109−1、109−2は、図に示すような格子目状の形状で開口部121−1,121−2に配置され、その幅は1mm程度、高さは1.5mm程度であり、ボス112−1、112−2は、円柱状の形状を有し、直径と高さは、例えば、約1mmである。
逆止弁110、球溝111、テフロン(登録商標)精密球117および逆止弁カバー118は陰極部から供給される原料供給水を陽極部に一定方向に供給するものであり、供給された原料供給水の逆流を防止するものである。すなわち、逆止弁110の球溝111はテフロン(登録商標)精密球117を保持し、その上に逆止弁カバー118を配置することによってテフロン(登録商標)精密球117の動きを制御している。電極支持台114−1,114−2はそれぞれ陰極板102bと陽極板102aを保持する台である。
[O−リング]
O−リング115は、図2Aに示す形状を有し、耐蝕性の三元フッ素ゴムによって作製されたものである。O−リング115はO−リング用の溝113に設置され、第1および第2隔膜保持板105a,105bを組み合わせて隔膜付き電極セット100が形成されたときに隔膜103を密閉保持する。
[隔膜]
隔膜103は、不織布よりなるイオン透過性の薄膜である。隔膜103の大きさは、2リットルの原料水溶液を電気分解する場合、例えば、縦が100mm、横が130mm、厚さが0.5mmである。
[陽極板と陰極板]
陽極板102aと陰極板102bは、図1Aに示すような陽極端子107aと陰極端子107bを有するチタン製の薄板である。陽極板102aと陰極板102bの電極部分の大きさは、それぞれ2リットルの原料水溶液を電気分解する場合、例えば、縦(電解水の深さ方向)が約90mm、横が約100mm(電解水の幅方向)、厚さが0.5mmである。なお本実施形態の例は、電極間の間隔が5.5mm、電極と隔膜との間隔がそれぞれ2.75mmとなるように配置される。
[クリップ]
クリップ101は図2Eに示すようなクリップ基部101aとクリップ先端部101bを有し、クリップ基部101aの幅は電極間の距離と同じあるいはやや短めであることが好ましい。クリップ101は弾性材料であるポリプロピレン素材を用いて射出成形法により形成される。クリップ101は弾性を有するため2つの電極間の距離を一定に保持するものである。すなわち、クリップ101は隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を間隔保持部にそれぞれクリップの弾性により押しつけて固定することができる。また、クリップ101は後述する図3のクリップ固定部19にはめ込められることにより、2つの電極を間隔保持部により強く押しつけて固定することができる。なお、図2Eに示すクリップ101の数およびその形状は一例であり、電解槽15の大きさによりその数とその形状を適時変化することができる。
[隔膜付き電極セットの製造工程:図2A〜2E]
次に、上記説明した各部品を用いて隔膜付き電極セット100を製造する工程について図2A〜2Eを用いて説明する。
まず、図2Aに示すように、第2隔膜保持板105bのO−リング用の溝113にO−リング115をはめ込む。次に、図2Bに示すように、第2隔膜保持板105bに隔膜103を図に示すように取付ける。続いて、テフロン(登録商標)精密球117を球溝111にのせてから第2隔膜保持板105bに第1隔膜保持板105aを図の矢印方向に移動して重ねて図2Cに示すように隔膜付き電極セット100を組み立てる。次に、図2Dに示すように第1隔膜保持板105aと第2隔膜保持板105bとを組み合わせた状態で電解槽と接触する部分に電解水漏止用のパッキン104を設置する。次に、図2Eに示すように第1隔膜保持板105aと第2隔膜保持板105bの両側に陰極板102bと陽極板102aを電極支持台114−1、114−2上に配置する。その後、クリップ101で2つの電極を挟んで隔膜保持板に弾性により押しつけて固定する。すなわち、クリップ基部101aをクリップ固定溝120a、120bにはめ込み、陰極板102bと陽極板102aにクリップ先端部101bを弾性により押しつけて固定する。その結果、図1Aに示す隔膜付き電極セット100を製造することができる。
[電解槽の構造:図3、4]
次に、上記説明した隔膜付き電極セット100を電解槽15に配置する方法について図3,図4を用いて説明する。
図3は隔膜付き電極セット100を設置する前の電解槽15の構成を説明する図であり、図4は、隔膜付き電極セット100を設置した電解槽15の構成を説明する図である。なお、以下の説明では、電解槽15の大きさに一例として、電解槽15の大きさが2リットル、陽極部16が1750ml、陰極部が250mlの場合を例に説明する。ここで、電解槽15の大きさの一例を示せば、長さが約140mm、高さが約100mm、幅が約130mm(陽極部)、約37mm(陽極部)である。
図3に示すように、電解槽15の両端部の壁側にはテーパ形状を有する固定部14がそれぞれ配置され、電解槽15の中央部の底部にはクリップ固定部19が2つの配置されている。なお、クリップ固定部19の数はクリップの数に応じて変更することができる。そこで、固定部14に隔膜付き電極セット100をはめ込むことにより電解槽15は陽極部16と陰極部15とに分割される。
図4は、電解槽15を隔膜付き電極セット100で陽極部16と陰極部17に仕切った状態を示している。隔膜付き電極セット100は、2つの固定部14の間に耐蝕性の三元フッ素ゴム製のパッキン104を介して固定される。このとき、パッキン104は収縮して隔膜付き電極セット100を固定部14に密着固定するため、その隙間からの電解水の漏れを防止する。また、電解槽15内には図3に示すようにクリップ固定部19が配置され、2つの電極間の距離を一定に保持するクリップ固定部19を動かないように固定する。この結果、隔膜付き電極セット100は固定部14とクリップ固定部19によって位置ずれしないように固定されているため、隔膜付き電極セット100に外部から力が働いても電極間の距離はほぼ一定に保持される。
なお、陽極部16と陰極部17の底部にはそれぞれ電解水取出口20、21が配置されている。電解水取出口20、21は電解槽15に原料水溶液が供給され、電解槽15で原料水溶液を電気分解して電解水を生成する際には、電解水取出口の開閉弁22,23(図7参照)によって閉じられている。また、電解槽15において供給された原料水溶液の電気分解によって電解水の生成が終了すると、生成した電解水は、電解水取出口の開閉弁22,23を開くことにより陽極水用ピッチャー11−2と陰極水用ピッチャー11−1に供給される。この生成した電極水を陽極水用ピッチャー11−2と陰極水用ピッチャー11−1に供給する方法については後述する。
上記説明した方法により製造された隔膜付き電極セット100を図3に示す固定部14とクリップ固定部19にはめ込むことにより、図4に示す電解槽15が完成する。次に、上記説明した隔膜付き電極セット100を用いた電解水の製造方法について説明する。
[電解水生成装置:図5、図6]
図5は、電解水生成装置10の全体構成を説明する図であり、図6は、電解水生成装置内部の電解槽とピッチャーの位置関係を説明する図である。図6に示されるように電解水生成装置10の上部の本体上蓋12の下には電解槽15が配置され、電解槽15の下部に陰極水用と陽極水用ピッチャー11−1,11−2が配置されている。目盛13は電解槽15中の電解水量を示す。
本電解水生成装置10で電解水を生成する場合には、まず、図4の電解槽15の陰極部17に原料水溶液が供給される。すると、陰極部17から逆止弁110(図2A)を経由して陽極部16に原料水溶液が供給される。
次に、電解槽15内で電気分解により各種用途に応じたpHや有効塩素量の異なる電解水を生成する。本電解水生成装置で所望のpHや有効塩素量を得るためには、例えば、電気分解時間を変化させて行えばよい。一例を示せば、pHが3.5の酸性電解水を製造する場合には、電解槽に2リットルの原料水溶液(少量の塩化ナトリウムを含む)を入れて、2分間電気分解を行えばよく、pHが2.5のより強酸性電解水を製造する場合には、10分間電気分解を行えばよい。
電気分解終了後に、生成した陽極水と陰極水の混合を防ぐため、ただちに駆動部(ACソレノイド)が作動して、電解水取出口20,21に設置された電解水取出口の開閉弁22,23が開くとともにピッチャー開閉部に開閉パイプ24,25が伸びてピッチャー11−1,11−2の各ピッチャー開閉部を開く。そして、生成した各電解水を密閉性の良い各ピッチャーに移送して保持する。この詳細は図7,8を用いて後述する。
[電解槽からピッチャーへの電解水の供給:図7、8]
次に、図7と図8を用いて電解槽15で生成した電極水(陽極水と陰極水)を陽極水用ピッチャー11−2と陰極水用ピッチャー11−1とに供給する工程について説明する。
図7は、電解槽15と駆動部26との接続関係および電解槽15で生成した電解水(陽極水と陰極水)を駆動部26が取り出す動作を説明する図である。なお図7では説明をわかりやすくするため隔膜付き電極セット100を除いている。
図7の陰極部(左側)は、駆動部26が多段中空パイプを縮めて開閉弁23を電解槽15の下方向に移動し電解水取出口21が閉じた状態を示している。この状態において、多段中空パイプ(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)25はピッチャー11−1の上方に保持されているためピッチャー開閉部2(図8の陽極部参照)は閉じた状態となっている。そこで、多段中空パイプ24,25を縮めた状態にして、原料水溶液が電解槽15内に注入される。続いて、電解槽15で電気分解が行われ、陽極部16と陰極部17で各電解水が生成する。一方、図7の陽極部16(右側)は、駆動部26が多段中空パイプを伸ばして開閉弁22を電解槽15の上方向に移動して電解水取出口20を開いた状態を示している。この状態において、ピッチャー11−2の上方に配置される多段中空パイプ(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)24は、下方向に移動しピッチャー開閉部2(図8の陰極部参照)を開いた状態にする。このように駆動部が多段中空パイプを伸ばす状態において、電解槽15で生成した陽極水は電解水取出口20からピッチャー開閉部2を介してピッチャー11−2に供給される。
[駆動部とピッチャーの接続関係:図8]
図8は、駆動部26とピッチャー11−1,11−2との接続関係および電解槽15で生成した電解水を各ピッチャーに移送する動作を説明する図である。
図8の陽極部(右側)は、駆動部26が多段中空パイプを縮め開閉弁22を電解槽15の下方向に移動し電解水取出口20を閉じた状態を示している。この状態において、多段中空パイプ(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)24はピッチャー1の上方に保持されているためピッチャー開閉部2を閉じた状態にする。このように駆動部が多段中空パイプを縮めて電解水取出口20を閉じた状態(電解水取出口20も同様に閉じた状態)にした後で、原料水溶液が電解槽15に注入される。続いて、電解槽15で電気分解が行われ、陽極部と陰極部で各電解水が生成する。一方、図8の陰極部17(左側)は、電解水生成後に駆動部26が多段中空パイプを伸ばして開閉弁23を電解槽15の上方向に移動して電解水取出口21を開いた状態を示している。この状態において、ピッチャー11−2の上方に配置されるピッチャー開閉部の開閉パイプ(多段中空パイプ)25は、下方向に移動しピッチャー開閉部2を開いた状態にする。その結果、電解槽15で生成した電解水(陰極水)は、開かれた電解水取出口21からピッチャー開閉部2を介してピッチャー11−1に供給される。なお、電解槽15で生成した電解水(陽極水)も、同様の方法により、ピッチャー11−2に供給される。
次に、図7及び図8で説明した駆動部26について詳しく説明する。駆動部26は図8に示すように陰極水の制御と陽極水の制御を行う同じ構造の2系統(多段中空パイプ24,25)があるが、以下の説明では、主に陰極水の制御(多段中空パイプ25)を例に取り説明する。駆動部26は、駆動部26,多段中空パイプ25、第1シャフト27,第2シャフト28,第3シャフト29,第4シャフト30から構成されている。多段中空パイプ25は第1端部25aと反対側の第2端部25bとを有し、第1端部25aは開閉弁23に接続されており、駆動部は第1端部25aと第2端部25b間の長さを変更可能である。また、多段中空パイプの第1端部25aは第3シャフト29と接続され、多段中空パイプの第2端部25b(ピッチャー開閉部の開閉パイプ)は第4シャフト30と接続され、第3シャフト29は第2シャフト28と接続され、第2シャフト28は第1シャフト27と接続され、第1シャフト27は駆動部26と接続されている。駆動部26は、第3シャフト29と第4シャフト30との距離を変えることにより多段中空パイプ25の長さを変更することができる。なお、電解水取出口の開閉弁23とピッチャー開閉部の開閉パイプ25とは同一直線上に配置されている。
このため、駆動部26が図7の左側のように第3シャフト29と第4シャフト30とを互いに接触させる(多段中空パイプを縮める)ように駆動すると電解水取出口の開閉弁23は下部方向に移動し、同時に、ピッチャー開閉部の開閉パイプ25が上部方向に移動するため、電解水取出口21とピッチャー開閉部2とは閉じた状態となる。一方、図7の右側のように駆動部26が第3シャフト29と第4シャフト30とを互いに離れる(多段中空パイプを伸ばす)ように駆動すると電解水取出口の開閉弁22は上部方向に移動し、同時に、ピッチャー開閉部の開閉パイプ24が下部方向に移動するため、電解水取出口20とピッチャー開閉部2とは開いた状態となる。
次に、図8を用いて駆動部26が電解槽15で生成した電解水をピッチャに供給する動作について説明するが、その前に図8の陽極部を用いて、駆動部26が原料水溶液を電解槽に注入する前に行う動作を説明する。駆動部26は、第3シャフト29と第4シャフト30とを互いに接するまで駆動(多段中空パイプを縮める)する。この動作により電解水取出口の開閉弁22とピッチャー開閉部の開閉パイプ24は最も接近し、電解水取出口の開閉弁22は電解槽15の下方向に移動して電解水取出口20を閉じ、開閉パイプ24はピッチャー開閉部2の上方向に移動して開口部3を閉じる。
次に、図8の陰極部を用いて、駆動部26が電解槽15の陰極部で生成した電解水をピッチャー11−1に供給する際に行う動作を説明する。駆動部26は、第3シャフト29と第4シャフト30とを互いに最も離れるまで移動(多段中空パイプを伸ばす)する。この動作より電解水取出口の開閉弁23とピッチャー開閉部の開閉パイプ25とは最も離れ、電解水取出口の開閉弁23は電解槽15の上方向に移動して電解水取出口21を開き、ピッチャー開閉部の開閉パイプ25は下方向に移動しピッチャー開閉部2の連結部2bに接触して開口部3を開く。そこで、陰極部と陽極部に接続された各駆動部が電解槽15への原料水溶液の供給前に多段中空パイプを縮める動作を行い、陰極部と陽極部で生成した陰極水と陽極水とを各ピッチャーに供給する前に多段中空パイプを伸ばす動作を行うことにより、電解水生成装置で電解水を生成し、生成した電解水をピッチャーで貯水することができる。
[隔膜付き電極セットの性能]
最後に、上記説明した隔膜付き電極セット100を用いる電解水生成装置10の性能について説明する。
本電解水生成装置10の性能は、電気分解を繰り返し行ったときの得られる電解水の特性から評価した。具体的には、電解槽に2リットルの原料水溶液を入れ、10分間の電気分解を行って電解水を生成した。そして、得られた陽極電解水の有効塩素量を調べた。本条件では、本電解水生成装置10が正常に動作すると、酸性電解水のpHは2.4〜2.6、有効塩素量は40〜60ppmが得られる。そこで、上記pHと有効塩素量を目標値に設定し、上記目標値に達しない場合、例えば、pH=2.7以上、有効塩素量=40ppm未満に低下した場合を、本電解水生成装置10の性能が低下したと判断し、この低下するまでに何回、電解水を繰り返して製造することができるか否か調べた。
その結果、上記条件で100回連続して電解水を生成しても上記目標値を達成する電解水が得られることがわかった。また、電極には、スケールの付着が見られなかった。以上の結果から、上記説明した隔膜付き電極セット構造を有する本電解水生成装置は、繰り返し電解水を生成しても所望の特性を有する電解水を安定に製造できることが分かった。なお、本電解水生成装置10では電解水の性能が低下したと判断された場合には、洗浄モードにて電極に付着したスケールを除去すれば電解水の性能を回復することができる。ここで、洗浄モードとは、電解効率が低減した場合には電極板の極性を切り替えてから電気分解を行うことにより電極板に付着したスケールを溶解させて電極を洗浄し、低下した電気分解効率を回復する処理のことである。
なお、上記説明で使用した構成は、一例であり、本発明の技術的思想を満足するものであれば、その構成や配置は適時変更が可能である。例えば、開閉弁の代わりに逆止弁などを使用してもよい。また、吸着剤の形状は、適時、変更することができる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。

Claims (11)

  1. 電解質を含む水溶液を電気分解して酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成する電解水生成装置であって、
    電解槽を陽極部と陰極部とに分離するイオン透過性の隔膜と、
    前記隔膜を固定する一対の隔膜保持板と、
    前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極と、
    前記隔膜の両側に配置されている、前記隔膜と前記電極との間隔を予め決められた間隔に保持するための間隔保持手段であって、第1表面で前記隔膜と接触し前記第1表面と反対側の第2表面で前記2つの電極に接触する間隔保持手段と、
    前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を前記間隔保持手段にそれぞれ弾性により押しつけて固定するクリップと、を有し、
    前記隔膜保持板は、前記隔膜の周囲部分を保持する隔膜保持枠と、前記間隔保持手段が配置されている開口部とを有し、
    前記隔膜保持板は前記クリップを固定するためのクリップ固定溝を有し、前記クリップはクリップ基部とクリップ先端部とを有し、前記クリップは前記クリップ基部を前記クリップ固定溝にはめ込むことによって前記間隔保持手段に固定され、
    前記隔膜と、前記一対の隔膜保持板と、前記2つの電極と、前記間隔保持手段と、前記クリップとが一体に組み立てられて、前記電解槽を陽極部と陰極部に分離する隔膜付き電極セットが形成され、
    前記隔膜付き電極セットの一対の隔膜保持板はテーパ形状を有し、前記電解槽は、前記隔膜付き電極セットの前記テーパ形状を有する一対の隔膜保持板を固定するテーパ形状の溝を有する第1固定部と、前記クリップ先端部を固定する溝を有する第2固定部とを有することを特徴とする電解水生成装置。
  2. 前記間隔保持手段は、前記開口部に格子目状に配置されているリブであることを特徴とする請求項に記載の電解水生成装置。
  3. 前記リブの格子目状の交差部には予め決められた高さを有するボスが配置され、前記隔膜と前記電極との間隔は、前記リブから前記ボスまでの高さによって決められることを特徴とする請求項に記載の電解水生成装置。
  4. 前記リブの前記電極に接触する部分の面積の割合が前記電極の面積の15%以下となるように設定されていることを特徴とする請求項に記載の電解水生成装置。
  5. 前記隔膜保持板と前記間隔保持手段とは耐蝕性のポリプロピレン素材を用いる成形加工により一体に作製されることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  6. 前記電解槽の前記陽極部と前記陰極部の容量比率が1750ml対250mlであることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  7. 前記電解槽の前記陽極部および前記陰極部は、それぞれ
    電解水取出口と、
    前記電解水取出口に連結された電解水取出口の開閉弁と、
    前記電解水取出口の開閉弁に接続された多段中空パイプと、
    前記電解水取出口の開閉弁と前記多段中空パイプとを制御する駆動部と、
    前記多段中空パイプにより開閉されるピッチャー開閉部を備えるピッチャーとを有し、
    前記駆動部は、前記電気分解が終了すると、直ちに前記電解水取出口の開閉弁を開くとともに前記多段中空パイプを伸ばして前記ピッチャー開閉部を開いて前記電解水取出口から生成した電解水を前記ピッチャーに供給するように前記電解水取出口の開閉弁と前記多段中空パイプとを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  8. 前記隔膜付き電極セットの前記第1固定部と接触する部分には、前記陽極部と陰極部の電解水が互いに混合しないように密閉する耐蝕性のパッキンが配置されていることを特徴とする請求項に記載の電解水生成装置。
  9. 前記クリップが複数使用されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  10. 前記パッキンは三元フッ素ゴムを含むフッ素化合物によって形成されていることを特徴とする請求項に記載の電解水生成装置。
  11. 電解質を含む水溶液を電気分解して酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成する電解水生成装置に用いる隔膜付き電極セットであって、
    電解槽を陽極部と陰極部とに分離するイオン透過性の隔膜と、
    前記隔膜を固定する一対の隔膜保持板と、
    前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極と、
    前記隔膜の両側に配置されている、前記隔膜と前記電極との間隔を予め決められた間隔に保持するための間隔保持手段であって、第1表面で前記隔膜と接触し前記第1表面と反対側の第2表面で前記2つの電極に接触する間隔保持手段と、
    前記隔膜の両側に離れてそれぞれ配置されている2つの電極を前記間隔保持手段にそれぞれ弾性により押しつけて固定するクリップと、を有し、
    前記隔膜保持板は、前記隔膜の周囲部分を保持する隔膜保持枠と、前記間隔保持手段が配置されている開口部とを有し、前記隔膜保持板は前記クリップを固定するためのクリップ固定溝を有し、前記クリップは、クリップ基部とクリップ先端部とを有し、前記クリップは前記クリップ基部を前記クリップ固定溝にはめ込むことによって前記間隔保持手段に固定され、前記隔膜と、前記一対の隔膜保持板と、前記2つの電極と、前記間隔保持手段と、前記クリップとが一体に組み立てられて、電解槽を陽極部と陰極部に分離する前記隔膜付き電極セットが形成され、
    前記隔膜付き電極セットの一対の隔膜保持板はテーパ形状を有し、前記隔膜付き電極セットの前記テーパ形状を有する一対の隔膜保持板が、前記電解槽のテーパ形状の溝を有する第1固定部に固定され、前記クリップ先端部が、前記電解槽の前記クリップ先端部を固定する溝を有する第2固定部に固定されることを特徴とする電解水生成装置に用いる隔膜付き電極セット。
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