JP3411078B2 - 電解水製造装置 - Google Patents

電解水製造装置

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JP3411078B2
JP3411078B2 JP03010894A JP3010894A JP3411078B2 JP 3411078 B2 JP3411078 B2 JP 3411078B2 JP 03010894 A JP03010894 A JP 03010894A JP 3010894 A JP3010894 A JP 3010894A JP 3411078 B2 JP3411078 B2 JP 3411078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮食品の洗浄、冷凍
魚肉の解凍などの食品処理や、お絞り用、手洗い用など
に使用する電解水の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のこの種の電解水製造装置は、例え
ば図1に示す本発明の実施例の構造から気液分離装置3
0、送気管31a,31b、制御弁32及び水流ポンプ
40を除いたものである。この電解水製造装置は、スペ
ーサ16の両側に板状の電極13,14及びサイドケー
シング11,12を液密に当接固定して電解槽10を形
成し、スペーサ16の中間部に張設した隔膜15により
電解槽10の内部を仕切って形成した電解室A,B内に
食塩水タンク20内の食塩水を供給管21を介して供給
ポンプ24により送り込み、電極13,14に直流電圧
を印加し、電気分解により各電解室A,B内に生成され
た電解水(酸性水及びアルカリ性水)を取出し管25,
26より取り出して用途に応じて使用している。なお、
電極13,14に印加する直流電圧の極性を交互に切り
換えて電解室A,B内の逆転洗浄を行うようにしたもの
もある。電気分解により陽極室となる電解室内に生じた
塩素の一部は遊離されて塩素ガスの気泡となり、酸性水
と共に取り出されて電解水の供給先に送られ、最終的に
は大気中に放出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の食塩水を原水
とする電解水製造装置では、純度が99.5パーセント以下
の一般流通グレードの食塩を使用すると、陰極室となる
電解室内の電極(陰極)及び隔膜の一部(アルカリ性水
取出し管付近)の表面にゼリー状の塩基性析出物が生成
される。この塩基性析出物により陰極及び隔膜が覆われ
るとイオンの通過が妨げられて電解効率が低下し、また
チタン等よりなる陰極の劣化の進行が速まり陰極の寿命
を低下させることが経験的に知られている。
【0004】このような問題を解決するために、各電極
に印加する直流電圧の極性を交互に切り換え、陰極側と
なった際に生じた塩基性析出物を、次に陽極側となった
際に除去するという逆転洗浄が行われている。陰極室と
なっていた際に生じた塩基性析出物は、その室を陽極室
に切り換えることにより次第に除去されるが、これと平
行して新しい陰極室内には塩基性析出物の生成が開始さ
れるので、塩基性析出物による電解効率の低下及び陰極
の寿命の低下を充分にに防止することはできなかった。
また酸性水中に混入された塩素ガスが、電解水の供給先
となる機器に対し発銹などの悪影響を及ぼすという問題
もあった。
【0005】本発明の第1の目的は、電解水製造装置の
陽極室内に生じた塩素ガスを陰極室内に送り込むことに
よりこのような各問題を解決することである。また本発
明の次の目的は、電解水製造装置の作動に伴うエネルギ
消費量を低下させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このために、本発明の請
求項1による電解水製造装置は、図1及び図2に例示す
るように、電解槽10の内部を隔膜15により仕切って
2つの電解室A,Bに分離し、この両電解室内にそれぞ
れ設けた電極13,14に直流電圧を印加することによ
り前記各電解室A,Bの各一端側より導入した食塩水を
電気分解して各電解室の他端側にそれぞれ設けた取出し
管25,26から酸性水及びアルカリ性水として取り出
す電解水製造装置において、少なくとも何れか一方の前
記取出し管は陽極室となる一方の前記電解室の上部に連
通させて陽極水を取り出し、前記一方の取出し管と前記
一方の電解室の連通部付近に設けた気液分離装置30
と、この気液分離装置と陰極室となる他方の前記電解室
の下部を連通する送気管と、この送気管の一部に設けら
れ前記他方の電解室に導入される食塩水の水流により作
動されて前記気液分離装置30により分離された塩素ガ
スを同送気管を通して前記他方の陰極室内の下部に送り
込む水流ポンプ40を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0007】また本発明の請求項2による電解水製造装
置は、図1〜図3に例示するように、電解槽10の内部
を隔膜15により仕切って2つの電解室A,Bに分離
し、この両電解室内にそれぞれ設けた電極13,14に
直流電圧を極性を交互に切り換えながら印加することに
より前記各電解室A,Bの各一端側より導入した食塩水
を電気分解して各電解室の他端側にそれぞれ設けた取出
し管25,26から酸性水及びアルカリ性水として取り
出す電解水製造装置において、前記各取出し管25,2
6は前記各電解室A,Bの上部にそれぞれ連通させ、前
記各取出し管25,26と各電解室A,Bの連通部付近
にそれぞれ設けた気液分離装置30と、前記直流電源3
6により印加される電解用直流電圧の極性の切換えと連
動して作動されて1対の送気管31a,31bの一方を
選択することにより前記電解室A,Bのうち前記極性の
切換えにより陰極室側となったものの下部と陽極室側と
なったものに設けられた前記気液分離装置30とを連通
させる制御弁32,32Aと、陽極室側となる前記気液
分離装置30により分離された塩素ガスを前記1対の送
気管31a,31b及び制御弁32,32Aを通して前
記電解室A,Bのうち陰極室となるものの下部に送り込
むポンプ40a,40bを備えたことを特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】請求項1の発明では、電解により陽極室となる
電解室内に生じた塩素ガスの気泡は、その電解室上部と
これに対応する取出し管の連通部付近に設けた気液分離
装置30内に入って酸性水から分離され、この分離され
た塩素ガスは、陰極室となる反対側の電解室に導入され
る食塩水の水流により作動する水流ポンプ40により送
気管を通って反対側の電解室内の下部に送り込まれ、気
泡となって放出される。この塩素ガスの気泡は陰極室内
に生成されるゼリー状の塩基性析出物と接触してこれを
水溶性の塩化物とし、これにより陰極室内の塩基性析出
物の生成は大幅に抑制され、塩素イオン濃度は増大す
る。
【0009】請求項2の発明では、両電極13,14に
印加される電解用直流電圧の極性は交互に切り換えら
れ、各電解室13,14は交互に陽極室と陰極室に切り
換えらる。またこの切換えと連動して、制御弁32は1
対の送気管31a,31bの一方を選択し、陰極室とな
った電解室の下部を陽極室となった電解室に設けた気液
分離装置30に連通する。これにより陽極室となる電解
室内に生じた塩素ガスの気泡は対応する気液分離装置3
0内に入って酸性水から分離され、ポンプ40a,40
bにより1対の送気管31a,31bの選択された方を
介して、陰極室となる反対側の電解室内の下部に送り込
まれて気泡となって放出され、前述と同様これにより陰
極室内の塩基性析出物の生成は大幅に抑制され、塩素イ
オン濃度は高まる。陰極室となった電解室内に多少生成
されたゼリー状の塩基性析出物は、直流電圧の極性の切
換えによりその電解室が陽極室となった際に逆転洗浄作
用により除去される。
【0010】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明によれ
ば、各陰極側となった電解室内におけるゼリー状の塩基
性析出物の生成は大幅に抑制されてこのような析出物に
よりイオンの通過が妨げられることはなくなり、また陰
極室内の塩素イオン濃度が増大するので、消費する電解
用電力に対する電解水の生成効率は向上する。また、こ
の塩基性析出物のために陰極が劣化して寿命が低下する
こともなくなる。更に、酸性水中に混入される塩素ガス
が減少するので、酸性水の供給先となる機器に発銹など
の悪影響が生じることはない。また、電解室に導入され
る食塩水の水流により作動する水流ポンプを使用したの
で、特別にエネルギを消費することなく、陽極室内に発
生する塩素ガスを陰極室内に送り込むことができる。
【0011】請求項2の発明によれば、供給先となる各
機器への塩素ガスによる悪影響の回避効果は請求項1の
場合と同程度に得られ、また陰極室となった電解室内に
多少生成されたゼリー状の塩基性析出物は、直流電圧の
極性の切換えによりその電解室が陽極室となった際に逆
転洗浄作用により除去されるので、電解水の生成効率の
向上及び陰極の寿命の低下の防止の効果は請求項1の場
合よりも向上する。
【0012】
【実施例】以下に、先ず図1に示す実施例により本発明
の説明をする。図1に示すように、絶縁物よりなるスペ
ーサ16の両側には、内側にそれぞれ第1電極13及び
第2電極14を設けた1対のサイドケーシング11,1
2が液密に当接固定されて電解槽10が形成され、この
電解槽10の内部はスペーサ16の中央に一体的に張設
された隔膜15により仕切られて、第1電解室Aと第2
電解室Bが形成される。隔膜15は例えばポリエチレン
不織布を骨材とするポリフッカビニリデン酸化チタンよ
りなる半透膜で、その外周全縁は塩化ビニール等よりな
る枠状のスペーサ16に固着されている。サイドケーシ
ング11,12の材質は例えば塩化ビニールである。各
電極13,14は、例えばチタンあるいはチタンに白金
コーティングを施したものであり、電解用の直流電源3
6に接続されている。この直流電源36は制御装置37
により制御され、例えば一定時間間隔(例えば120
分)など所定のシーケンスで両電極13,14に印加す
る電圧の極性を交互に切り換えるものである。
【0013】電解水の原水(例えば濃度0.1パーセント
の食塩水)を収容する原水タンク20の底部に一端を接
続した供給管21の他端は2つの導入管22,23に分
岐され、第1導入管22の先端は第1電解室Aの底部
に、第2導入管23の先端は第2電解室Bの底部に連通
されている。第1電解室Aの上部には第1取出し管25
が接続され、また第2電解室Bの上部には第2取出し管
26が接続されている。本実施例では各管22,23,
25,26はサイドケーシング11,12に設け、対応
する各電極13,14を通して各電解室A,B内に連通
させたが、各管22,23,25,26はスペーサ16
に設けてもよい。供給管21の途中には原水タンク20
内の食塩水を導入管22,23を介して両電解室A,B
内に送り込む供給ポンプ24が設けられている。
【0014】図1に示すように、各電解室A,Bの上部
に接続される各取出し管25,26の電解室A,B側と
なる一端部付近の上側には、短い連通管30aを介して
それぞれ箱状の気液分離装置30が連通されている。第
1電解室A側の気液分離装置30の上部は、第1送気管
31a及び制御弁32を介して第2電解室B側の第2導
入管23の途中に連通され、第2電解室B側の気液分離
装置30の上部は第2送気管31b及び制御弁32を介
して第1電解室A側の第1導入管22の途中に連通され
ている。制御弁32は直流電源36の極性の切換えと連
動して制御装置37により作動される四方弁であり、第
1電極13が陽極、第2電極14が陰極となるように直
流電圧が印加されたときには、制御弁32は第1送気管
31aの前半部31a1と後半部31a2を第1連通路
32aにより連結して陽極室となる第1電解室A側の気
液分離装置30の上部を陰極室となる第2電解室B側の
第2導入管23に連通し(図1に示す状態)、また第1
電極13が陰極、第2電極14が陽極となるように直流
電圧が印加されたときには、制御弁32は第2送気管3
1bの前半部31b1と後半部31b2を第2連通路3
2bにより連結して陽極室となる第2電解室B側の気液
分離装置30の上部を陰極室となる第1電解室A側の第
1導入管22に連通するようになっている。各気液分離
装置30にはその内部を上下に仕切るように、ガスは通
過させるが液体は通過させない透気膜30bが設けられ
ている。なお各気液分離装置30は、図示のように各取
出し管25,26に設ける代わりに、取出し管25,2
6が接続される各電解室A,Bの上部付近に設けてもよ
い。
【0015】図1に示すように、各導入管22,23の
途中には水流ポンプ40(アスピレータまたは水流ジェ
ットポンプともいう)が設けられ、各送気管31a,3
1bの先端部はこの水流ポンプ40を介して対応する導
入管22,23に接続され、各気液分離装置30内に分
離される塩素ガスは、各水流ポンプ40と各送気管31
a,31bにより各導入管22,23を経て対応する各
電解室A,B内の下部に送り込まれる。この水流ポンプ
40は、図2に示すように、入口41a及び出口41b
となる両端が導入管22または23に連結される筒状の
本体41内に吸入室42とディフューザ44が直列に設
けられ、吸入室42内にはディフューザ44と同軸的に
入口41aに連通されるノズル43が設けられている。
送気管31a,31bの各先端はユニオン45により本
体41に連結されて、吸入室42内に連通されている。
この水流ポンプ40は、入口41aより導入される供給
ポンプ24からの食塩水がノズル43の先端から噴流と
なってディフューザ44の喉部を通過する際に吸入室4
2内に負圧を生じ、これにより気液分離装置30内の塩
素ガスは、送気管31a,31b及び制御弁32を介し
て導入管22,23から電解室A,B内に送り込まれ
る。
【0016】次に上記実施例の作動の説明をする。先ず
供給ポンプ24が作動して、原水タンク20内の食塩水
は供給管21から各導入管22,23を介して電解室
A,B内に送り込まれる。これと平行して、制御装置3
7は、直流電源36から第1電極13及び第2電極14
に印加する電解用直流電圧の極性を所定時間間隔で交互
に切り換え、これにより第1電解室Aと第2電解室Bは
交互に陽極室と陰極室に切り換えられる。また制御装置
37は、上記極性の切換えと連動して、前述のように制
御弁32を切り換えて第1送気管31aと第2送気管3
1bの何れか一方を選択する。これにより第1電極13
が陽極となったときは、陽極室となる第1電解室A側の
気液分離装置30の上部が第1送気管31a及び水流ポ
ンプ40を介して第2導入管23に連通されると共に、
陰極室となる第2電解室B側の気液分離装置30は第1
導入管22から遮断される。また第2電極14が陽極と
なったときは、陽極室となる第2電解室B側の気液分離
装置30の上部が第2送気管31b及び水流ポンプ40
を介して第1導入管22に連通されると共に陰極室とな
る第1電解室A側の気液分離装置30は第2導入管23
から遮断される。
【0017】先ず第1電極13が陽極、第2電極14が
陰極となるように直流電圧が印加されたときには、両電
解室A,B内の食塩水中の塩素イオン(陰イオン)は陽
極となる第1電極13に向かって移動し、ナトリウムイ
オン(陽イオン)は陰極となる第2電極14に向かって
移動し、それぞれ対応する電極と接触して電価を失う。
この際に陰極室である第2電解室B内の塩素イオン及び
陽極室である第1電解室A内のナトリウムイオンは、そ
れぞれ隔膜15を通って反対側の電解室A,B内に移動
する。
【0018】第1電極13と接触して電価を失った塩素
の一部はそのまま第1電極13付近の水中に溶解し、一
部は水と反応して次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオン
を生じ、これらにより殺菌作用のある有効塩素濃度が与
えられる。残る塩素の一部は塩酸となりあるいは塩素ガ
スの気泡となって遊離される。これにより陽極室となる
第1電解室A内の水は酸性となり、この酸性水は隔膜1
5により遮られて陰極室となる第2電解室B内には入ら
ない。第2電極14と接触して電価を失ったナトリウム
イオンは、第2電極14付近の水と反応して苛性ソーダ
及び遊離水素を生じて第2電極14付近の水をアルカリ
性とし、このアルカリ性水は隔膜15により遮られて第
1電解室A内には入らない。このようにして第1電解室
A及び第2電解室B内にそれぞれ生成された酸性水及び
アルカリ性水は、第1取出し管25及び第2取出し管2
6から送り出され、それぞれの用途に使用される。
【0019】酸性水と共に第1取出し管25から送り出
される塩素ガスの気泡の相当部分は、第1電解室Aとの
接続部付近の第1取出し管25を通過する際に、その上
側に設けた連通管30aを通って気液分離装置30内に
浮上して分離され、透気膜30bの上側に貯まる。一方
第2導入管23に設けられた水流ポンプ40は第2導入
管23を通る食塩水の水流によりその吸入室42内に負
圧を生じ、制御弁32により前半部31a1と後半部3
1a2が連通された第1送気管31aを介して気液分離
装置30内の上部に貯まった塩素ガスを吸引し、この塩
素ガスは陰極室となる第2電解室Bの下部から細かい気
泡として放出され、第2電解室B内を浮上する。
【0020】制御装置37は一定時間後に直流電源36
から両電極13,14に印加する直流電圧を切り換え、
第1電極13が陰極、第2電極14が陽極となるように
直流電圧を印加する。この状態では前記と逆に、両電解
室A,B内の食塩水中の塩素イオンは第2電極14に向
かって移動し、ナトリウムイオンは第1電極13に向か
って移動し、それぞれ対応する電極と接触して電価を失
う。そして第2電極14付近には次亜塩素酸、次亜塩素
酸イオン、塩酸及び遊離した塩素ガスの気泡を生じてそ
の付近の水を酸性とし、第1電極13付近には苛性ソー
ダ及び遊離水素を生じてその付近の水をアルカリ性とす
る。このようにして陽極室となる第2電解室B及び陰極
室となる第1電解室A内にそれぞれ生成された酸性水及
びアルカリ性水は、第2取出し管26及び第1取出し管
25から送り出され、前記と同様それぞれの用途に使用
される。
【0021】この場合も前記と同様、酸性水と共に第2
取出し管26から送り出される塩素ガスの気泡の相当部
分は、第2取出し管26の上側に設けた気液分離装置3
0内に浮上して透気膜30bの上側に貯まる。そしてこ
の塩素ガスは、制御弁32により前半部31b1と後半
部31b2が連通された第2送気管31bを介して、第
1導入管22に設けた水流ポンプ40により吸引され、
陰極室となる第1電解室Aの下部から細かい気泡として
放出されて浮上する。
【0022】食塩水の調製に使用する食塩として、純度
が99.5パーセント以下の一般流通グレードのものを使用
すると、陰極室となる電解室AまたはB内における取出
し管25,26への出口付近となる電極13または14
及び隔膜15の表面にゼリー状の塩基性析出物(Ca(OH)
2,CaCo3等)が生成され、これによりイオンの通過が妨
げられて電解効率が低下し、また電極13,14の寿命
を低下させるおそれがある。しかし本実施例では陰極室
となる電解室AまたはBの底部から放出された塩素ガス
の細かい気泡は、陰極室となる電解室AまたはB内を浮
上しながら電極13または14及び隔膜15を覆うゼリ
ー状の塩基性析出物と接触してこれを崩し、また次の反
応 Ca(OH)2+Cl2→CaCl2+H2O+1/2O2 CaCO3+Cl2→CaCl2+CO2+1/2O 2 によりこの塩基性析出物を水溶性の塩化カルシウムとす
る。
【0023】この第1実施例では、このような作用によ
り陰極室内でのゼリー状の塩基性析出物の生成は塩素ガ
スを送り込むことにより大幅に抑制され、これと同時に
溶解した塩化カルシウムにより塩素イオン濃度は高めら
れる。また電極13,14に印加する直流電圧の極性を
交互に切り換えることにより、前工程で陰極室となった
電解室AまたはB内に多少生成されて電極13または1
4及び隔膜15を覆うゼリー状の塩基性析出物は次工程
で陽極室となった際に逆転洗浄作用により除かれ、また
この次工程においても陰極室内でのゼリー状の塩基性析
出物の生成は塩素ガスを送り込むことにより大幅に抑制
される。
【0024】なお、本実施例では、ポンプとして陰極室
内に導入される食塩水の水流により作動される水流ポン
プ40を使用したので、特別にエネルギを消費すること
なく、陽極室となる電解室A,B内に発生する塩素ガス
を陰極室となる電解室B,A内に送り込むことができ
る。なお図示は省略したが、各取出し管25,26に
は、酸性水及びアルカリ性水を所望の機器に供給するよ
うに、前記直流電圧の切換えと連動して制御装置37に
より切り換えられる制御弁を設けるものとする。また各
気液分離装置30内に透気膜30bを設ける代わりに各
送気管31a,31bの一部に適当な絞りを設けてもよ
いし、水流ポンプ40に生じる負圧を適当に調節すれ
ば、これら透気膜30bや絞りを省略することも可能で
ある。
【0025】また上記第1実施例は、直流電源36より
両電極13,14に印加する直流電圧の極性を一定と
し、気液分離装置30は陽極室となる電解室側だけに設
け、制御弁32を除いて実施してもよい。この場合に
は、逆転洗浄を除く第1実施例の作用効果がすべて得ら
れる。
【0026】次に図3に示す第2実施例の説明をする。
この第2実施例は、送気管31a,31bを切り換える
制御弁32A、各送気管31a,31b、及び塩素ガス
を電解室A,Bに送り込むポンプ40aの構造及び取付
位置が第1実施例と異なるだけであり、その他の構成は
第1実施例と実質的に同じである。
【0027】制御弁32Aは入口側が1ポートの三方弁
であり、各気液分離装置30の上部に連結される送気管
31a,31bの各前半部31a1,31a2は、互い
に連結されて共通管路31cにより制御弁32Aの入口
側ポートに連結され、各出口側ポートに一端が連結され
た各後半部31a2及び31b2の他端はスペーサ16
に取り付けられて電解室A,Bの底部に直接開口してい
る。制御弁32Aは、直流電源36から電極13,14
に印加される直流電圧の極性の切換えと連動して切り換
えられ、第1電極13が陽極、第2電極14が陰極とな
るように直流電圧が印加されたときには、共通管路31
cと第1送気管31aの後半部31a2が制御弁32A
の第1連通路32Aaにより連通され、また第1電極1
3が陰極、第2電極14が陽極となるように直流電圧が
印加されたときには、共通管路31cと第2送気管31
bの後半部31b2が制御弁32Aの第2連通路32A
bにより連結されるように制御装置37により切り換え
られる。各送気管31a,31bの後半部31a2及び
31b2には、制御弁32Aにより共通管路31cに連
通された場合に、陽極室となる電解室AまたはB側に位
置する各気液分離装置30内に分離された塩素ガスを反
対側となる電解室BまたはA内に送り込む電動ポンプ4
0aが設けられている。
【0028】前記第1実施例と同様、制御装置37は、
直流電源36から第1電極13及び第2電極14に印加
する電解用直流電圧の極性を所定時間間隔で交互に切り
換え、これにより第1電解室Aと第2電解室Bは交互に
陽極室と陰極室に切り換えられる。第1電極13が陽
極、第2電極14が陰極となるように直流電圧が印加さ
れた状態では、第1実施例の場合と同様、第1電極13
付近には次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩酸及び遊離
した塩素ガスの気泡を生じその付近の水を酸性とし、第
2電極14付近には苛性ソーダ及び遊離水素を生じてそ
の付近の水をアルカリ性とする。そして酸性水と共に第
1取出し管25から送り出される塩素ガスの気泡の相当
部分は、その上側に設けた気液分離装置30内に浮上し
て透気膜30bの上側に貯まり、この塩素ガスは、制御
弁32Aにより共通管路31cと連通された第1送気管
31aの後半部31a2及びこれに設けた電動ポンプ4
0aにより吸引されて、第2電解室Bの下部から細かい
気泡として放出されて浮上する。そしてこの塩素ガスの
気泡は、前記同様第2電解室B内のゼリー状の塩基性析
出物と接触してこれを崩し、また前記反応により水溶性
の塩化カルシウムとする。なお、第2取出し管26に設
けた気液分離装置30にも電動ポンプ40aによる吸引
力は作用するが、この気液分離装置30内には塩素ガス
の気泡は生じないので、透気膜30bによりこの気液分
離装置30からの吸引は行われない。なお、電動ポンプ
40aは吸引量の変化にかかわらずほゞ一定の吸引圧を
生じるものとすることが好ましい。
【0029】また所定時間が経過して、第1電極13が
陰極、第2電極14が陽極となるように直流電圧を印加
された状態では、第1実施例の場合と同様、陽極となる
第2電極14付近には次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、
塩酸及び遊離した塩素ガスの気泡を生じその付近の水を
酸性とし、陰極となる第1電極13付近には苛性ソーダ
及び遊離水素を生じてその付近の水をアルカリ性とす
る。そして酸性水と共に第2取出し管26から送り出さ
れてその上側に設けた気液分離装置30内に貯まった塩
素ガスは、制御弁32Aにより共通管路31cと連通さ
れた第2送気管31bの後半部31b2及びこれに設け
た電動ポンプ40aにより、第1電解室Aの下部から気
泡として放出されて浮上し、第2電解室B内のゼリー状
の塩基性析出物を崩し、また前記反応により水溶性の塩
化カルシウムとする。前述の場合と同様、第1取出し管
25に設けた気液分離装置30からの吸引は行われな
い。
【0030】この第2実施例でも、第1実施例と同様、
陰極室内でのゼリー状の塩基性析出物の生成は塩素ガス
を送り込むことにより大幅に抑制され、溶解した塩化カ
ルシウムにより塩素イオン濃度が向上する。また前工程
で陰極室となった電解室AまたはB内に多少生成された
ゼリー状の塩基性析出物は次工程で陽極室となった際に
逆転洗浄作用により除かれる。
【0031】なお本発明は、図3に示すように、上記第
2実施例において送気管31a,31bの各後半部31
a2,31b2に設けた2個の電動ポンプ40aを省略
し、その代わりに共通管路31cに1個の電動ポンプ4
0bを設けて実施することも可能である。また本発明
は、前記両実施例の組合せ、例えば第2実施例において
電動ポンプ40a,40bを使用することなく、第1実
施例と同様の水流ポンプ40を各導入管22,23に設
け各送気管31a,31bの後半部31a2及び31b
2の先端をこの水流ポンプ40に連結して実施すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電解水製造装置の第1実施例の
説明図である。
【図2】 第1実施例に使用する水流ポンプの縦断面図
である。
【図3】 本発明による電解水製造装置の第2実施例の
説明図である。
【符号の説明】
10…電解槽、13,14…電極、15…隔膜、25,
26…取出し管、30…気液分離装置、31a,31b
…送気管、32,32A…制御弁、40…水流ポンプ、
40a,40b…ポンプ、A,B…電解室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−163980(JP,A) 特開 平7−290060(JP,A) 特開 昭61−149289(JP,A) 特開 平1−180293(JP,A) 特開 平4−330987(JP,A) 特開 平6−47391(JP,A) 特開 平7−136654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解槽の内部を隔膜により仕切って2つ
    の電解室に分離し、この両電解室内にそれぞれ設けた電
    極に直流電圧を印加することにより前記各電解室の各一
    端側より導入した食塩水を電気分解して各電解室の他端
    側にそれぞれ設けた取出し管から酸性水及びアルカリ性
    水として取り出す電解水製造装置において、少なくとも
    何れか一方の前記取出し管は陽極室となる一方の前記電
    解室の上部に連通させて陽極水を取り出し、前記一方の
    取出し管と前記一方の電解室の連通部付近に設けた気液
    分離装置と、この気液分離装置と陰極室となる他方の前
    記電解室の下部を連通する送気管と、この送気管の一部
    に設けられ前記他方の電解室に導入される食塩水の水流
    により作動されて前記気液分離装置により分離された塩
    素ガスを同送気管を通して前記他方の陰極室内の下部に
    送り込む水流ポンプを備えたことを特徴とする電解水製
    造装置。
  2. 【請求項2】 電解槽の内部を隔膜により仕切って2つ
    の電解室に分離し、この両電解室内にそれぞれ設けた電
    極に直流電圧を極性を交互に切り換えながら印加するこ
    とにより前記各電解室の各一端側より導入した食塩水を
    電気分解して各電解室の他端側にそれぞれ設けた取出し
    管から酸性水及びアルカリ性水として取り出す電解水製
    造装置において、前記各取出し管は前記各電解室の上部
    にそれぞれ連通させ、前記各取出し管と各電解室の連通
    部付近にそれぞれ設けた気液分離装置と、前記直流電源
    により印加される電解用直流電圧の極性の切換えと連動
    して作動されて1対の送気管の一方を選択することによ
    り前記電解室のうち前記極性の切換えにより陰極室側と
    なったものの下部と陽極室側となったものに設けられた
    前記気液分離装置とを連通させる制御弁と、陽極室側と
    なる前記気液分離装置により分離された塩素ガスを前記
    1対の送気管及び制御弁を通して前記電解室のうち陰極
    室となるものの下部に送り込むポンプを備えたことを特
    徴とする電解水製造装置。
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