JP2021116459A - 電解槽および電解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電解効率を向上させることが可能な電解槽および電解装置を提供する。【解決手段】 一実施形態に係る電解槽は、筐体と、前記筐体の内部を第1電極室と第2電極室に区画する隔膜と、前記第1電極室に配置された第1電極と、前記第2電極室に配置され、前記隔膜を介して前記第1電極に対向する第2電極と、を備えている。前記筐体は、前記第1電極室に繋がる第1供給口と、前記第1供給口よりも鉛直上方において前記第1電極室に繋がる第1排出口と、前記第2電極室に繋がる第2供給口と、前記第2供給口よりも鉛直上方において前記第2電極室に繋がる第2排出口と、を備えている。さらに、前記第2電極室は、前記第2電極と前記第2排出口の間に、前記第2電極室において発生する気体を溜めることが可能なバッファを有している。【選択図】 図6

Description

本発明は、種々の用途に用いられる電解水を生成可能な電解槽および当該電解槽を備える電解装置に関する。
近年、水と電解質溶液を用いた電解により様々な機能を有する電解水、例えば次亜塩素酸水やアルカリ性水などを生成する電解装置が提供されている。
例えば特許文献1には、陽極が配置された陽極室と、陰極が配置された陰極室と、これら陽極室および陰極室を区画する隔膜とを備える2室型の電解槽を用いた電解水生成装置が開示されている。当該電解水生成装置においては、陽極室に原水が供給され、陰極室に塩水が供給される。この場合、陽極室から次亜塩素酸水が得られる。
また、特許文献2には、陽極が配置された陽極室と、陰極が配置された陰極室と、陽極室および陰極室の間の塩水室と、各室を区画する2つの隔膜とを備える3室型の電解槽を用いた電解水製造装置が開示されている。当該電解水製造装置においては、陽極室および陰極室に原水が供給され、塩水室に塩水が供給される。この場合、陽極室から次亜塩素酸水が得られ、陰極室からアルカリ性水が得られる。
特開平11−57718号公報 特開平7−155760号公報
上述の2室型および3室型の電解槽のいずれにおいても、陰極室においては水素ガスが発生する。この水素ガスが陰極室から良好に排出されずに陰極室の上部に溜ると、陰極室の水面が下がって陰極がガス中に露出し得る。この場合には、電解効率の低下を招きかねない。
また、陰極室に供給される塩水の流量が陽極室に供給される原水の流量に比べて極めて小さい場合がある。そうすると、陰極室に水素ガスが溜りやすくなるため、上記の問題が顕著となる。
その他にも、電解槽の構造に関しては、電解効率の観点から種々の改善の余地がある。そこで、本発明は、電解効率を向上させることが可能な電解槽および電解装置を提供することを目的の一つとする。
一実施形態に係る電解槽は、筐体と、前記筐体の内部を第1電極室と第2電極室に区画する隔膜と、前記第1電極室に配置された第1電極と、前記第2電極室に配置され、前記隔膜を介して前記第1電極に対向する第2電極と、を備えている。前記筐体は、前記第1電極室に繋がる第1供給口と、前記第1供給口よりも鉛直上方において前記第1電極室に繋がる第1排出口と、前記第2電極室に繋がる第2供給口と、前記第2供給口よりも鉛直上方において前記第2電極室に繋がる第2排出口と、を備えている。さらに、前記第2電極室は、前記第2電極と前記第2排出口の間に、前記第2電極室において発生する気体を溜めることが可能なバッファを有している。
前記バッファの体積は、前記第1電極および前記第2電極の間に流れる電流値をI[A]とした場合に、1.3×I[cm]以上であることが好ましい。
前記バッファは、鉛直上方に向けた凸状の上面を有してもよい。この場合において、前記第2排出口は、前記上面の頂部に繋がっていてもよい。
前記電解槽は、前記隔膜を前記第1電極に密着させる手段を備えてもよい。当該密着させる手段は、前記隔膜と前記第2電極の間に配置された格子状のスペーサであってもよい。この場合において、前記スペーサは、前記隔膜を前記第1電極に押し当てるとともに、前記第2電極に接触してもよい。さらに、前記第2電極と前記スペーサが接触する面積は、前記隔膜と前記スペーサが接触する面積よりも小さいことが好ましい。
前記スペーサは、鉛直方向に延びる複数のプレートを有してもよい。この場合において、前記複数のプレートは、前記隔膜および前記第2電極の双方に接触する第1プレートと、前記隔膜に接触するとともに前記第2電極から離間した第2プレートと、を含んでもよい。前記隔膜と全体的に接触する弾性力を有する多孔質部材を前記スペーサと前記隔膜の間に配置し、この部材によって前記隔膜を前記第1電極に対して押し当ててもよい。
一実施形態に係る電解装置は、前記電解槽と、前記第1供給口に液体を送る第1給液装置と、前記第2供給口に液体を送る第2給液装置と、を備えている。
前記電解装置は、前記第2電極室の圧力を前記第1電極室の圧力よりも高くする圧力調整装置をさらに備えてもよい。
本発明によれば、電解効率を向上させることが可能な電解槽および電解装置を提供することができる。本発明のその他の効果については、後の説明により明らかとなる。
図1は、第1実施形態に係る電解装置の概略的な構造を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る電解装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図3は、第1実施形態に係る電解槽の構造の一例を示す分解斜視図である。 図4は、第1実施形態に係る電解槽を構成する一要素である第2カバーの概略的な斜視図である。 図5は、図3に示した要素を結合することにより形成された電解槽の概略的な斜視図である。 図6は、図5に示す電解槽の概略的な断面図である。 図7は、第2実施形態に係る電解槽の一部の概略的な断面図である。 図8は、第3実施形態に係るフレームおよびスペーサの概略的な斜視図である。 図9は、第4実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図10は、第5実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図11は、第6実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図12は、第7実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図13は、第8実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図14は、第9実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図15は、第10実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図16は、第11実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。 図17は、第12実施形態に係る電解装置の概略的な構成を示す図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各実施形態においては、水道水である原水と、塩水である電解質溶液とを用いて次亜塩素酸水やアルカリ性水等の電解水を生成する電解装置を開示する。ただし、原水および電解質溶液は水道水および塩水に限られず、原水としては純水を用いることもできるし、電解質溶液としては塩(塩化ナトリウム)の代わりにリチウム、カリウムなどの塩化物やこれらの炭酸塩など目的の生成物に応じた様々な電解質の溶液を用いることができる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電解装置ELの概略的な構造を示す図である。電解装置ELは、電解槽1を備えている。電解槽1は、筐体2と、隔膜3と、第1電極4Aと、第2電極4Bとを備えている。筐体2の内部は、隔膜3によって第1電極室RAおよび第2電極室RBに区画されている。本実施形態における隔膜3は、陰イオン交換膜(イオン透過膜、多孔質膜)である。第1電極4Aは第1電極室RAに配置され、第2電極4Bは第2電極室RBに配置されている。例えば、第1電極4Aは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板で構成され、第2電極4Bはチタン板またはステンレス板で構成されている。
筐体2は、第1電極室RAに通じる第1供給口21Aおよび第1排出口22Aと、第2電極室RBに通じる第2供給口21Bおよび第2排出口22Bとを有している。例えば、第1排出口22Aは第1供給口21Aの鉛直上方に位置し、第2排出口22Bは第2供給口21Bの鉛直上方に位置している。
電解装置ELは、電解槽1への給水側の流路を構成する要素として、塩水を溜めるタンク5と、原水流入路6と、塩水流入路7とを備えている。また、電解装置ELは、電解槽1からの排水側の流路を構成する要素として、第1排水路8Aと、第2排水路8Bとを備えている。原水流入路6、塩水流入路7および各排水路8A,8Bは、硬質の配管や軟質のチューブによって構成されている。
原水流入路6は、例えば水道管などの水圧が加えられた給水配管である給水源WSに接続された第1部分6aと、第1部分6aから分岐した第2部分6bおよび第3部分6cとを含む。第2部分6bは第1供給口21Aに接続され、第3部分6cは第2供給口21Bに接続されている。塩水流入路7は、第3部分6cの中腹部とタンク5とを接続している。
さらに、電解装置ELは、逆止弁9と、減圧弁10と、絞り弁11と、第1給水弁12Aと、第2給水弁12Bと、ポンプ13と、調圧弁14とを備えている。逆止弁9、減圧弁10および絞り弁11は、原水流入路6の第1部分6aに設けられている。第1給水弁12Aは、原水流入路6の第2部分6bに設けられている。第2給水弁12Bは、原水流入路6の第3部分6cに設けられている。ポンプ13は、塩水流入路7に設けられている。調圧弁14は、第2排水路8Bに設けられている。
第1給水弁12Aを開けることにより、給水源WSからの原水が第1供給口21Aを通じて第1電極室RAに供給される。すなわち、第1給水弁12Aは、第1供給口21Aに液体(原水)を送る第1給液装置として機能する。なお、第1給液装置は、ポンプなどの他種の装置によって構成されてもよい。
ポンプ13は、例えばチューブポンプであり、タンク5に溜められた塩水を原水流入路6の第3部分6cに送る。第2給水弁12Bを閉じてポンプ13を動作させると、この塩水が第2供給口21Bを通じて第2電極室RBに供給される。すなわち、ポンプ13は、第2供給口21Bに塩水を送る第2給液装置として機能する。本実施形態において、第2給水弁12Bは第2電極室RBの洗浄時に開けられる。なお、第2給液装置は、第2部分6bに設けられたポンプなどの他種の装置によって構成されてもよい。
各電極室RA,RBに供給される原水の流量は、絞り弁11の開度を変えることにより調整できる。他の例として、第2部分6bおよび第3部分6cの各々に絞り弁が設けられてもよい。
調圧弁14は、第2排水路8Bの開度を変えることにより第2電極室RBの圧力を調整する圧力調整装置として機能する。例えば、調圧弁14は、第2電極室RBの圧力が所定値を超えたときに開放する構造であってもよい。この場合における所定値は、第1電極室RAの圧力よりも高い圧力であることが好ましい。
電解装置ELは、コントローラCTをさらに備えている。コントローラCTは、例えば各電極4A,4Bに印加される電圧、ポンプ13による塩水の供給量等を制御する。コントローラCTには、電解開始を指示する開始スイッチSW1と、電解停止を指示する停止スイッチSW2とが接続されている。これらスイッチSW1,SW2は、1つのスイッチであってもよい。また、図1には示していないが、コントローラCTには各種のセンサ、変圧器等を含む電源装置、LED等の表示灯、スピーカ等が接続されてもよい。
本実施形態において、コントローラCTは、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加する。すなわち、第1電極4Aは陽極に相当し、第2電極4Bは陰極に相当する。この場合においては、第1電極室RAを陽極室、第2電極室RBを陰極室と呼ぶこともできる。
図2は、電解装置ELの動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す動作は、電解装置ELの電源がオンされたことに応じて開始され、主にコントローラCTによって各処理が実行される。
先ず、コントローラCTは、システムの初期化処理を実行する(ステップS1)。さらに、コントローラCTは、前回の動作の終了が何らかの異常終了であったか否かを判定する(ステップS2)。例えば、異常終了は、各電極4A,4Bの間の電解電流や電圧、各電極4A,4Bの端子部の温度、各電極室RA,RBの水位等に関するエラーが検知されたことによる動作の強制的な停止を意味する。
前回の動作の終了が異常終了であった場合(ステップS2のYES)、コントローラCTは、電解槽1の洗浄を実行する(ステップS3)。例えば、この洗浄においては、先ず第1給水弁12Aを開くとともに第2給水弁12Bを閉じて第1電極室RAに原水を流す。さらに、第1給水弁12Aを閉じるとともに第2給水弁12Bを開いて第2電極室RBに原水を流し、第1電極室RAと第2電極室RBを個別に洗浄する。前回の動作の終了が異常終了でなかった場合には洗浄が実行されない(ステップS2のNO)。
続いて、コントローラCTは、開始スイッチSW1の操作を待つ(ステップS4)。開始スイッチSW1が操作されると(ステップS4のYES)、コントローラCTは、ポンプ13を駆動して第2電極室RBに塩水を導入する(ステップS5)。さらに、コントローラCTは、第1給水弁12Aを開いて第1電極室RAに原水を導入する(ステップS6)。
塩水および原水の導入が完了すると、コントローラCTは、各電極4A,4B間に電位差を形成することにより、電解を開始する(ステップS7)。このとき、第1給水弁12Aは開かれており、第2給水弁12Bは閉じられている。電解中の第1電極室RAの流量は、絞り弁11の開度を変えることにより調整できる。
本実施形態では、第1電極室RAにおいて塩素ガスが発生し、この塩素ガスが水と2次反応することにより塩酸を含む次亜塩素酸水が得られる。この次亜塩素酸水は、第1排水路8Aを通じて第1電極室RAから排出される。排出された次亜塩素酸水は、タンクや容器に溜められてもよい。第1電極室RAにおいて水と反応しきれなかった微量の塩素ガスおよび副反応で生成した酸素ガスは、第1排水路8Aを通じて第1電極室RAから排出される。
一方、第2電極室RBにおいては、塩化ナトリウム(NaCl)水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)が混ざったアルカリ塩水が得られる。このアルカリ塩水は、第2排水路8Bを通じて第2電極室RBから排出される。第2電極室RBにおいては、電解に伴い水素ガスも発生する。この水素ガスは、第2排水路8Bを通じて第2電極室RBから排出される。
電解中において、コントローラCTは、各種のエラーチェックを実行する(ステップS8)。ここでは例えば上述の異常終了の条件に該当するエラーがチェックされ、エラーが検知されれば動作が異常終了される。
さらに、コントローラCTは、塩水入替タイマがタイムアップしているかを判定する(ステップS9)。例えば、塩水入替タイマは、所定時間をカウントダウンするものであり、塩水導入時にリセットされる。塩水入替タイマがタイムアップした場合(ステップS9のYES)、コントローラCTは、ポンプ13を駆動して第2電極室RBに塩水を補充する(ステップS10)。
ステップS8〜S10を実行している間、コントローラCTは、停止スイッチSW2の操作を待つ(ステップS11)。停止スイッチSW2が操作されると(ステップS11のYES)、コントローラCTは、電解の終了処理を実行する(ステップS12)。例えば、終了処理においては、第1給水弁12Aが閉じられるとともに、各電極4A,4Bへの電圧印加が停止される。その後、動作はステップS2に戻る。
次に、電解槽1に適用し得る構造の一例につき、図3乃至図6を用いて説明する。図3は、電解槽1の構造の一例を示す分解斜視図である。図4は、電解槽1を構成する一要素である第2カバー40の概略的な斜視図である。図5は、図3に示した要素を結合することにより形成された電解槽1の概略的な斜視図である。図6は、図5に示す電解槽1の概略的な断面図である。各図に示すように、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を定義する。Z方向は、電解槽1の使用時における鉛直方向(重力方向と平行な方向)に相当する。
図3に示すように、電解槽1は、筐体2を構成する要素として、第1カバー30と、第2カバー40と、Y方向においてこれらカバー30,40の間に配置されたフレーム50とを備えている。第1カバー30とフレーム50の間には、上述の第1電極4Aおよび隔膜3が配置されている。第2カバー40とフレーム50の間には、上述の第2電極4Bが配置されている。一例として、各電極4A,4BのX方向における幅は20mmであり、Z方向における幅は60mmである。
さらに、電解槽1は、第1カバー30と第1電極4Aの間に配置された第1シール材61と、第2電極4Bと第2カバー40の間に配置された第2シール材62と、隔膜3とフレーム50の間に配置された第3シール材63と、フレーム50と第2電極4Bの間に配置された第4シール材64とを備えている。
第1カバー30は、第1電極4Aと対向する側面に開口する凹部31と、凹部31を囲う環状の第1溝32(図6参照)とを有している。図3の例においては凹部31が直方体状であるが、この例に限られない。第1溝32には、第1シール材61が嵌め込まれる。さらに、第1カバー30は、Z方向における下端に設けられた上述の第1供給口21Aと、Z方向における上端に配置された上述の第1排出口22Aとを有している。第1供給口21Aおよび第1排出口22Aは、凹部31に繋がっている。
第2カバー40は、第2電極4Bと対向する側面に開口するバッファ41と、バッファ41を囲う環状の第2溝42とを有している。バッファ41は、Z方向における第2カバー40の中心よりも上方に配置されている。第2溝42には、第2シール材62が嵌め込まれる。さらに、第2カバー40は、Z方向における上端に配置された上述の第2排出口22Bを有している。第2排出口22Bは、バッファ41に繋がっている。
フレーム50は、各電極4A,4Bに対応する形状の開口51と、第1電極4Aと対向する側面において開口51を囲う環状の第3溝52と、第2電極4Bと対向する側面において開口51を囲う環状の第4溝53(図6参照)とを有している。第3溝52には、第3シール材63が嵌め込まれる。第4溝53には、第4シール材64が嵌め込まれる。さらに、フレーム50は、X方向における一方の側面の下端近傍から突出する上述の第2供給口21Bを有している。第2供給口21Bは、開口51に繋がっている。
フレーム50は、開口51に配置されたスペーサ54を有している。例えば、スペーサ54は、フレーム50の枠部分と一体的に成形されている。スペーサ54は、複数のプレート55と、これらプレート55を支持する複数の桟部材56とを有している。各プレート55は、Z方向に長尺に延びているとともに、X方向に間隔を空けて並んでいる。図3の例においては、5枚のプレートが配置されるとともに、各プレート55の上端、下端、中央部のそれぞれをX方向に横切る3本の桟部材56が設けられている。
開口51のZ方向における下面と各プレート55の間には、隙間が設けられている。第2供給口21Bは、この隙間に繋がっている。開口51のZ方向における上面と各プレート55の間にも隙間が設けられている。
第1電極4Aは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第2電極4Bはチタン板またはステンレス板であり、多数の小孔Hを有している。第1電極4Aは、X方向における一方の側辺から突出するリードLAを有している。同様に、第2電極4Bは、X方向における一方の側辺から突出するリードLBを有している。リードLA,LBのZ方向における位置は、互いに相違している。
第1電極4Aと対向するフレーム50の側面には、第1カバー30とフレーム50が連結された際にリードLAを外部へ導出するための窪み57Aが設けられている。同様に、第2電極4Bと対向するフレーム50の側面には、第2カバー40とフレーム50が連結された際にリードLBを導出するための窪み57Bが設けられている。
第1カバー30、第2カバー40およびフレーム50は、種々の方法により連結することができる。一例として、図3においては、複数のボルトBおよび複数のナットNによって各カバー30,40およびフレーム50が連結される。
具体的には、第1カバー30は、X方向における両側面から突出するとともに貫通孔38aを有した複数の連結部38を有している。第2カバー40は、X方向における両側面から突出するとともに貫通孔48aを有した複数の連結部48を有している。フレーム50は、X方向における両側面から突出するとともに貫通孔58aを有した複数の連結部58を有している。各ボルトBは、第1カバー30側から貫通孔38a,58a,48aに順に通され、第2カバー40側においてナットNにねじ込まれる。これにより、図3に示した各要素が図5に示すように連結される。
図4に拡大して示すように、第2カバー40のバッファ41は、X−Y平面に平行な底面411と、Y−Z平面に平行な一対の側面412,413と、X−Z平面に平行な背面414と、上面415とを有している。
上面415は、Z方向(鉛直上方)に向けた凸状である。具体的には、図4の例において上面415は半円状であるが、上面415は他の形状を有してもよい。第2排出口22Bは、凸状の上面415の頂部に繋がっている。
図4の例においては、Y方向と平行に延びる突出部421,422,423がバッファ41内に設けられている。突出部421は、側面412と上面415の境界に配置されている。突出部422は、側面413と上面415の境界に配置されている。突出部423は、X方向において突出部421,422の間に位置し、背面414から突出している。
図4および図5に示すように、第2カバー40は、薄板部43と、薄板部43よりもY方向における厚さが大きい拡幅部44とを有している。バッファ41は、拡幅部44に設けられており、薄板部43よりもY方向における幅が大きい。このように、第2カバー40においてバッファ41に対応する部分のみを厚くし、他の部分を薄くすることで、第2カバー40のサイズや重さを低減できる。
図3に示した各要素を連結した状態においては、図6に示すように、隔膜3および第1電極4Aの周縁が第1カバー30とフレーム50の間に挟み込まれる。隔膜3は、第1電極4Aに密着している。第1電極4Aと第1カバー30の間は、第1溝32に挿入された第1シール材61によって密閉される。隔膜3とフレーム50の間は、第3溝63に挿入された第3シール材63によって密閉される。
また、第2電極4Bの周縁が第2カバー40とフレーム50の間に挟み込まれる。第2電極4Bと第2カバー40の間は、第2溝42に挿入された第2シール材62によって密閉される。第2電極4Bとフレーム50の間は、第4溝53に挿入された第4シール材64によって密閉される。
図6の例においては、第2電極4Bが薄板部43の内面に接触している。このような構成であれば、第2電極4Bと薄板部43の間に水素ガスなどの気泡が溜りにくい。さらに、第2電極室RBの洗浄も効率的に行うことができる。
バッファ41に設けられる突出部423は、第2電極4Bの上端をフレーム50および第4シール材64に対して押し当てる。同様に、図4に示した突出部421,422も第2電極4Bの上端をフレーム50および第4シール材64に対して押し当てる。これにより、バッファ41と重なる位置においても第2電極4Bが良好に支持される。
筐体2の内部には、上述の第1電極室RAおよび第2電極室RBが形成されている。図6の例において、第1電極室RAは、第1カバー30の凹部31の内面と隔膜3で囲われた空間に相当する。また、第2電極室RBは、第2カバー40のバッファ41の内面、フレーム50の開口51の内面および隔膜3で囲われた空間に相当する。
バッファ41は、Z方向において第2電極4Bと第2排出口22Bの間に位置する上部分41aと、第2電極4Bに面する下部分41bとを有している。上部分41aは、例えば凸状の上面415で囲われた空間である。
図6において実線で示す矢印は、第1電極室RAを通る原水および電解により生成された次亜塩素酸水の流れ方向を示す。すなわち、第1供給口21Aから供給された原水は、第1電極室RAにおいて次亜塩素酸水となり、第1排出口22Aから排出される。
また、図6において破線で示す矢印は、第2電極室RBを通る塩水の流れ方向を示す。すなわち、第2供給口21Bから第2電極室RBの下方に供給された塩水は、各プレート55の間に分岐して第2電極室RBの上方に流れ、第2電極室RBの上部で合流し、第2電極4Bの小孔Hを通ってバッファ41に入り、第2排出口22Bから排出される。
第2電極4Bにおいては上述のように水素ガスが発生する。この水素ガスは、バッファ41および第2排出口22Bを通って第2電極室RBから排出される。
隔膜3と第1電極4Aとが密着していない場合、電解効率が低下し得る。図6の例においては、プレート55が隔膜3を第1電極4Aに押し当てている。そのため、隔膜3が第1電極4Aと密着し、電解効率を高めることができる。
さらに、図1に示した調圧弁14により第2電極室RBの圧力を第1電極室RAの圧力よりも高くすると、この圧力差により隔膜3が第1電極4Aに押し当てられる。これにより、電解効率を一層高めることができる。
本実施形態のようにプレート55により隔膜3を物理的に第1電極4Aに押し当てるとともに、第2電極室RBの圧力を第1電極室RAの圧力よりも高めた場合には、例えば60%以上の電解効率を得ることが可能となる。
以上のような構造の電解槽1において、例えば各電極4A,4B間に流れる電解電流が1A、電解効率が60%、第1電極室RAにおける流量が1L/min、第2電極室RBに供給される塩水が飽和食塩水である場合、第1電極室RAからは10mg/L(ppm)の次亜塩素酸水を得ることができる。このとき、電解に必要な塩(塩化ナトリウム)を供給するのに第2電極室RBに流し込む必要のある塩水の最低必要量は0.12mL/minである。
塩水の消費量は極めて小さいので、第2電極室RBの流量を高める必要はない。しかしながら、上記条件においては、第2電極室RBで8mL/minもの水素ガスが発生する。そのため、第2電極室RBの流量が小さければ、第2電極室RBの上方に水素ガスが溜り、第2電極4Bが当該水素ガス中に露出し得る。この場合には、電解効率が低下する。
これに対し、本実施形態においては、第2電極4Bと第2排出口22Bの間に少なくとも上部分41aが位置するバッファ41が設けられている。このバッファ41の上部分41aの全体が水素ガスで満たされていない間は、第2電極4Bが水素ガス中に露出しない。また、水素ガスがバッファ41の下部分41bに達した場合でも、この下部分41bが水素ガスで満たされるまでは第2電極4Bの露出が限られた範囲に抑制される。
第2電極室RBに滞留する水素ガスは、上述のステップS10において塩水を補充する際に第2排出口22Bから排出される。例えば大気圧かつ40℃の水素ガスが最大で10秒間滞留する場合を想定すると、バッファ41の体積は1.3×I[cm]以上であることが好ましい。ここで、Iは各電極4A,4B間に流れる電流値[A]である。水素ガスの排出は、第2排出口22B以降の配管の状態に依存する。水素ガスの排出が不連続である場合にはバッファ41に溜まる水素ガスの体積が変動するが、体積変動に合わせて第2電極室RBの内部の圧力が変動する。上述したように第2電極室RBの内部の圧力は電解効率に影響を与えるため、生成した電解水の次亜塩素酸濃度は変動する。連続で電解水を使用する場合、濃度の変動周期は短いほど好ましく、実用上は10秒以内に抑える必要がある。この観点から、本実施形態に係る電解槽1も10秒の変動に対応する体積のバッファ41を有する。
本実施形態においては、図3に示すようにバッファ41のX方向における幅がフレーム50の開口51のX方向における幅と同等である。さらに、図6に示すように、バッファ41のY方向における幅が開口51のY方向における幅よりも大きい。すなわち、凸状の上面415のX方向における幅が小さくなる部分を除き、バッファ41のX−Y平面に沿う断面積は、第2電極室RBの他の部分(開口51)のX−Y平面に沿う断面積よりも大きい。このようにバッファ41の断面積を大きくすれば、より多くの水素ガスをバッファ41に溜めることが可能となる。
また、本実施形態においては、バッファ41の上面415が凸状であり、その頂部に第2排出口22Bが繋がっている。この場合、バッファ41に溜った水素ガスが第2排出口22Bから排出され易くなる。図4に示したように上面415が半円状であれば、より円滑に水素ガスが排出される。
電解装置ELにより得られた次亜塩素酸水の用途は特に限定されないが、例えば各種店舗における調理場等の殺菌に用いることができる。本実施形態のような2室型の電解槽1を採用する場合には電解装置ELが小型化され、店舗への設置が容易である。また、本実施形態においては第2電極室RBにのみ塩水が供給され、第1電極室RAには供給されないため、生成された次亜塩素酸水には塩の混入がなく、塩による金属腐食は発生しない。したがって、第1電極室RAを含む流路に高い防錆能を与える必要がない。また、次亜塩素酸水の利用環境も同様に高い防錆能を与える必要はない。
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態においては、フレーム50の形状の他の例を開示する。第1実施形態と同一の構成および効果については説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る電解槽1の一部の概略的な断面図である。この断面図においては、第1電極4A、第2電極4B、フレーム50、第3シール材63および第4シール材64のX−Y平面に沿う断面を示し、他の要素の図示を省略している。
フレーム50は、第1実施形態と同じくスペーサ54を有している。スペーサ54は、開口51に配置された複数のプレート55と、これらプレート55を支持する複数の桟部材56とを有している。図7の例においては、X方向において等間隔で配置された6枚のプレート55を示しているが、プレート55の数および配置態様はこの例に限られない。
図7の例において、複数のプレート55は、2枚の第1プレート55aと、4枚の第2プレート55bとを含む。第1プレート55aは、6枚のプレート55のうち中央の2枚に相当する。第2プレート55bは、2枚の第1プレート55aよりも図中の左方に配置された2枚および右方に配置された2枚に相当する。
2枚の第1プレート55aは、隔膜3および第2電極4Bの双方に接触している。隔膜3は、各第1プレート55aによって第1電極4Aに押し当てられている。4枚の第2プレート55bは、隔膜3には接触しているが、第2電極4Bからは離間している。各第2プレート55bは、桟部材56と第2電極4Bの間の領域には延出していない。このような構造においては、第2電極4Bとスペーサ54が接触する面積は、隔膜3とスペーサ54が接触する面積よりも小さくなる。
上述のように、電解効率の観点から隔膜3と第1電極4Aは密着していることが好ましい。一方、第2電極4Bの近傍においては水素ガスが発生する。この水素ガスを円滑にバッファ41や第2排出口22Bに導くためには、第2電極4Bの近傍にプレート55等の部材が極力存在しないことが好ましい。仮に水素ガスがプレート55等の部材に捕らわれると、第2電極4Bと塩水の接触面積が減少するために、電解効率が低下し得る。
本実施形態においては、複数のプレート55(55a,55b)によって隔膜3が第1電極4Aに押し当てられるため、第1実施形態と同じく電解効率を向上させることができる。さらに、第2電極4Bにはプレート55aのみ接触し、プレート55bが接触しないので、バッファ41に向けた水素ガスの流れが阻害されにくい。これにより、水素ガスが効率的に排出され、電解効率を一層高めることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態においては、フレーム50とスペーサ54が入れ子構造になっている例を開示する。上述の各実施形態と同一の構成および効果については説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るフレーム50およびスペーサ54の概略的な斜視図である。本実施形態においては、スペーサ54がフレーム50とは別の部材によって形成されている。スペーサ54は、X方向に延びる複数の横桟部材541と、Y方向に延びる複数の縦桟部材542とを有している。図8の例においては、3本の横桟部材541が配置され、これら横桟部材541の間に上段6本、下段6本の縦桟部材542が一定間隔で並んでいる。
さらに、スペーサ54は、Y−Z平面と平行な支持プレート543,544,545と、複数の支持棒546とを有している。支持プレート543は、スペーサ54のX方向における一端に位置する縦桟部材542からY方向に延出している。支持プレート544は、スペーサ54のX方向における他端に位置する縦桟部材542からY方向に延出している。支持プレート545は、X方向における中央の縦桟部材542からY方向に延出している。図8の例においては、支持プレート545の下端および上端からそれぞれ2本の支持棒546がZ方向と平行に延出している。
フレーム50の開口51は、Y−Z平面と平行な一対の側面511,512と、X−Y平面と平行な下面513および上面514とを有している。スペーサ54を開口51に挿入したとき、支持プレート543が側面511に接触し、支持プレート544が側面512に接触する。さらに、下方の一対の支持棒546が下面513に接触し、上方の一対の支持棒546が上面514に接触する。
支持プレート543と側面511、支持プレート544と側面512、下方の一対の支持棒546と下面513、上方の一対の支持棒546と上面514は、接着材によって接着されてもよい。
本実施形態のフレーム50およびスペーサ54を用いて電解槽1を組み立てた場合、各横桟部材541および各縦桟部材542が隔膜3に接触し、隔膜3を第1電極4Aに押し当てる。また、各支持プレート543〜545が第2電極4Bに接触する。
すなわち、本実施形態においても、第2実施形態と同じく、第2電極4Bとスペーサ54が接触する面積が隔膜3とスペーサ54が接触する面積よりも小さくなる。したがって、隔膜3が第1電極4Aに対して良好に密着するとともに、第2電極室RBにおける水素ガスの流れがスペーサ54によって阻害されにくい。
フレーム50およびスペーサ54には、第2および第3実施形態に開示した例の他にも、種々の構成を適用し得る。例えば、隔膜3と全体的に接触する弾性力を有する板状の多孔質部材をスペーサ54と隔膜3の間に配置し、この部材によって隔膜3を第1電極4Aに対して押し当ててもよい。この場合においては、隔膜3と第1電極4Aとを全体的に密着させることができ、電解効率の一層の向上が期待できる。板状の多孔質部材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粉末やメッシュを焼結成形した連続多孔質体などを用いることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得る他の構成の概要を開示する。
図9は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例においては、第1電極4Aがチタン板またはステンレス板で、第2電極4Bが白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板で構成される点、および隔膜3が陽イオン交換膜である点で第1実施形態と異なる。この場合、第1電極4Aに負電圧を印加し、第2電極4Bに正電圧を印加すると、第1電極室RAにおいてアルカリ性水(水酸化ナトリウム水溶液)が得られる。また、第1電極室RAにおいては水素ガスが発生する。目的生成物がアルカリ性水(水酸化ナトリウム溶液)である場合、電解質は塩(塩化ナトリウム)以外に炭酸ナトリウム、重曹などを使用することができる。
一方、第2電極室RBにおいて酸性塩水が生成される。また、第2電極室RBにおいては塩素ガスおよび酸素ガスが、電解質に炭酸ナトリウムまたは重曹を使用した場合は炭酸ガスが発生する。第2電極室RBへの塩水(電解質溶液)の流量を抑えた場合でも、これらのガスはバッファを介して排出され安定的に電解を行うことができる。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図10(A)(B)は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、第1隔膜3Aと、第2隔膜3Bと、第3電極4Cとをさらに有している。例えば、第1隔膜3Aは陰イオン交換膜、第2隔膜3Bは陽イオン交換膜であり、第1電極4Aと第2電極4Bは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第3電極4Cはチタン板またはステンレス板である。第2電極4Bは第3電極4C側の面だけ白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板でも構わない。
筐体2の内部は、第1電極室RAと、第2電極室RBと、第3電極室RCとに区画されている。第1電極室RAには第1電極4Aが配置され、第2電極室RBには第2電極4Bが配置され、第3電極室RCには第3電極4Cが配置されている。
筐体2は、第1電極室RAに通じる第1供給口21Aおよび第1排出口22Aと、第2電極室RBに通じる第2供給口21Bおよび第2排出口22Bと、第3電極室RCに通じる第3供給口21Cおよび第3排出口22Cとを有している。
図10(A)に示す使用態様においては、第1電極室RAに原水が供給され、第2電極室RBに塩水が供給されている。第3電極室RCには原水および塩水のいずれも供給されていない。この場合において第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加すると、第1電極室RAからは次亜塩素酸水が得られ、第2電極室RBにおいてはアルカリ塩水が生成される。また、第1電極室RAには塩素ガスが発生し、第2電極室RBには水素ガスが発生する。
図10(B)に示す使用態様においては、第3電極室RCに原水が供給され、第2電極室RBに塩水が供給されている。第1電極室RAには原水および塩水のいずれも供給されていない。この場合において第2電極4Bに正電圧を印加し、第3電極4Cに負電圧を印加すると、第2電極室RBからは酸性塩水が得られ、第3電極室RCからは水酸化ナトリウム水溶液が得られる。また、第2電極室RBには塩素ガスと酸素ガスが発生し、第3電極室RCには水素ガスが発生する。
このように、本実施形態に係る電解槽1を用いれば、生成する電解水を次亜塩素酸水と水酸化ナトリウム水溶液との間で切り替えることができる。また、第2電極室RBに発生した気体(水素ガス、塩素ガス。酸素ガス)はバッファを介して排出され、塩水供給量を少なくしても安定的に電解生成物(この場合は酸性水(次亜塩素酸水)とアルカリ性水(水酸化ナトリウム溶液))を得ることができる。
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図11は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、図10の例と同様の構造を有している。ただし、本実施形態においては、第1排出口22Aが第3供給口21Cに接続されている。
このような構成であっても、電解槽1で生成される電解水を酸性水(例えば次亜塩素酸水)とアルカリ性水(例えば水酸化ナトリウム水溶液)の間で切り替えることができる。すなわち、酸性水を得たい場合には、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加する。これにより、第1電極室RAで生成される酸性水が第3電極室RCを通って第3排出口22Cから排出される。
一方、アルカリ性水を得たい場合には、第2電極4Bに正電圧を印加し、第3電極4Cに負電圧を印加する。これにより、第3電極室RCにおいてアルカリ性水が生成され、このアルカリ性水が第3排出口22Cから排出される。
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図12は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解装置ELは、第1電解槽1Aと、第2電解槽1Bとを備えている。これら電解槽1A,1Bは、いずれも図1の例と同様の構造を有している。ただし、第1電解槽1Aの隔膜3は陰イオン交換膜、第1電極4Aは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第2電極4Bはチタン板またはステンレス板であり、第2電解槽1Bの隔膜3は陽イオン交換膜、第1電極4Aはチタン板またはステンレス板、第2電極4Bは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板である。
このような構成においては、第1電解槽1Aの第1電極室RAにて酸性水が得られ、第2電解槽1Bの第1電極室RAにてアルカリ性水が得られる。
さらに、本実施形態においては、第1電解槽1Aの第1排出口22Aから排出される酸性水と、第2電解槽1Bの第1排出口22Aから排出されるアルカリ性水とが混合される。そして、この混合水のpH値が測定され、上述のコントローラCTが当該pH値に応じて第1電解槽1Aおよび第2電解槽1Bにおける電流値や電解時間を制御する。これにより、所望のpH値の酸性水やアルカリ性水を得ることができる。
[第8実施形態]
第8実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図13は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解装置ELは、図12の例と同じく2つの電解槽1A,1Bを備えている。ただし、図13の例においては、第1電解槽1Aの第1排出口22Aが第2電解槽1Bの第1供給口21Aに接続されている。
このような構成で電解が実行されると、第1電解槽1Aの第1電極室RAで生成された酸性水が第2電解槽1Bの第1電極室RAに供給される。この酸性水は、第2電解槽1Bの第1電極室RAにおける電解によって中和される。
さらに、第2電解槽1Bの第1排出口22Aから排出される電解水のpH値が測定され、上述のコントローラCTが当該pH値に応じて第1電解槽1Aおよび第2電解槽1Bにおける電流値や電解時間を制御する。これにより、所望のpH値の酸性水やアルカリ性水を得ることができる。
[第9実施形態]
第9実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図14は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、図10の例と同じく3つの電極室RA,RB,RCを有している。電極室RA,RB間に配置される第1隔膜3Aは陰イオン交換膜であり、電極室RB,RC間に配置される第2隔膜3Bは陽イオン交換膜である。第1電極4Aは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第2電極4Bと第3電極4Cはチタン板またはステンレス板である。また、図14の例においては、第1排出口22Aと第3排出口22Cが接続されている。
このような構成において、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加すると、第1電極室RAから酸性水が得られる。このとき、第3電極4Cに負電圧を印加すると、第3電極室RCからアルカリ性水が得られ、このアルカリ性水が酸性水と混合される。一方、第3電極4Cに電圧を印加しない場合には、第3電極室RCから排出される中性水(原水)が酸性水と混合される。
本実施形態においては、混合水のpH値が測定され、上述のコントローラCTが当該pH値に応じて第3電極4Cへの電圧印加をオン/オフする。これにより、所望のpH値の酸性水を得ることができる。第1排出口22Aと第3排出口22Cが接続されている代わりに、第1排出口22Aが第3供給口21Cに接続されている場合でも同様に所望のpH値の酸性水を得ることができる。
[第10実施形態]
第10実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図15は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、図14の例と同じく3つの電極室RA,RB,RCを有している。ただし、電極室RA,RB間に配置される第1隔膜3Aは陰イオン交換膜であり、電極室RB,RC間に配置される第2隔膜3Bも陰イオン交換膜である。第1電極4Aと第3電極4Cは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第2電極4Bはチタン板またはステンレス板である。
このような構成において、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加し、第3電極4Cに正電圧を印加すると、第1電極室RAおよび第3電極室RCの双方から酸性水が得られる。これにより、第1実施形態と比較して約2倍の量の酸性水を生成することが可能となる。
[第11実施形態]
第11実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図16は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、図15の例と同じく3つの電極室RA,RB,RCを有し、第1隔膜3Aおよび第2隔膜3Bの双方が陰イオン交換膜である。第1電極4Aと第3電極4Cは白金または酸化イリジウムなどを被覆したチタン板、第2電極4Bはチタン板またはステンレス板である。ただし、図16の例においては、第1排出口22Aが第3供給口21Cに接続されている。
このような構成において、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加し、第3電極4Cに正電圧を印加すると、第1電極室RAから酸性水が得られ、この酸性水が第3電極室RCに供給される。第3電極室RCにおいては、酸性水の次亜塩素酸濃度がさらに増加する。これにより、次亜塩素酸濃度が高い酸性水を効率的に生成することができる。あるいは、図1のように第3電極室RCを有さない場合に比べ、第1電極室RAに供給される原水の流量を高めた場合でも十分な次亜塩素酸濃度の酸性水を得ることができる。
[第12実施形態]
第12実施形態について説明する。本実施形態においては、電解槽1ないし電解装置ELに適用し得るさらに他の構成の概要を開示する。
図17は、本実施形態に係る電解装置ELの概略的な構成を示す図である。この図の例において、電解槽1は、第1実施形態と同じく第1電極室RA、第2電極室RB、陰イオン交換膜である隔膜3、第1電極4Aおよび第2電極4Bを有している。さらに、電解槽1は、冷却室RDを有している。
冷却室RDは、第2電極4Bを介して第2電極室RBに隣接している。本実施形態においては、第2電極4Bが上述の小孔Hのような開口を有していない。さらに、第2電極4Bの周縁部が全体的に筐体2の内壁と接触しており、第2電極室RBと冷却室RDが連通していない。
第1実施形態と同じく、第1電極室RAには原水が供給され、第2電極室RBには塩水が供給される。筐体2は、冷却室RDに通じる供給口21Dおよび排出口22Dを有している。供給口21Dは、例えば第1供給口21Aと同じ水源に接続されている。電解時には、供給口21Dを通じて冷却室RDに連続的に原水が供給される。冷却室RDに供給された原水は、排出口22Dから排出される。
このような構成において、第1電極4Aに正電圧を印加し、第2電極4Bに負電圧を印加すると、第1電極室RAにおいては次亜塩素酸水が得られ、第2電極室RBにおいてはアルカリ塩水が生成される。また、第1電極室RAには塩素ガスと酸素ガスが発生し、第2電極室RBには水素ガスが発生する。
電解時には、各電極4A,4Bで通電に伴う熱が発生する。第1電極4Aで発生した熱は、第1電極室RAにおいて生成される次亜塩素酸水とともに電解槽1から排出される。
一方、第2電極4Bで発生した熱は、第2電極室RBで生成されたアルカリ塩水に奪われて塩水の入れ替え時に当該アルカリ塩水とともに排出される。さらに、第2電極4Bで発生した熱は、冷却室RDを流れる原水にも奪われてこの原水とともに排出される。
例えば第1実施形態の構成において、タンク5の塩水が切れた状態で各電極4A,4Bに電圧が印加された場合、第2電極4Bで発生した熱が奪われず、第2電極4Bが高温となる可能性がある。これに対し、本実施形態においては冷却室RDを流れる原水によって第2電極4Bが冷却されるため、第2電極4Bの過熱を防ぐことができる。
排出口22Dと第1供給口21Aを接続し、冷却室RDから排出される原水が第1電極室RAに供給されるようにしてもよい。この場合には、電解槽1で使用する原水を節約することができる。
以上の第4ないし第12実施形態の構成においても、第2電極室RBにバッファ41を設ければ、第2電極4Bの露出を抑制して電解効率を高めることができる。バッファ41は、第1電極室RAや第3電極室RCに対してさらに設けられてもよい。
第1ないし第12実施形態は、本発明の範囲を各実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、上記実施形態に開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
例えば、第1実施形態においてはバッファ41に溜められる気体が水素ガスである場合を想定した。しかしながら、バッファ41に溜められる気体は水素ガスに限られず、酸素ガスや塩素ガス、炭酸ガスあるいはその他のガスであってもよい。
EL…電解装置、1…電解槽、2…筐体、3…隔膜、4A…第1電極、4B…第2電極、RA…第1電極室、RB…第2電極室、21A…第1供給口、21B…第2供給口、22A…第1排出口、22B…第2排出口、30…第1カバー、31…凹部、40…第2カバー、41…バッファ、50…フレーム、51…開口、54…スペーサ。

Claims (8)

  1. 筐体と、
    前記筐体の内部を第1電極室と第2電極室に区画する隔膜と、
    前記第1電極室に配置された第1電極と、
    前記第2電極室に配置され、前記隔膜を介して前記第1電極に対向する第2電極と、
    を備え、
    前記筐体は、前記第1電極室に繋がる第1供給口と、前記第1供給口よりも鉛直上方において前記第1電極室に繋がる第1排出口と、前記第2電極室に繋がる第2供給口と、前記第2供給口よりも鉛直上方において前記第2電極室に繋がる第2排出口と、を備え、
    前記第2電極室は、前記第2電極と前記第2排出口の間に、前記第2電極室において発生する気体を溜めることが可能なバッファを有している、
    電解槽。
  2. 前記バッファの体積は、前記第1電極および前記第2電極の間に流れる電流値をI[A]とした場合に、1.3×I[cm]以上である、
    請求項1に記載の電解槽。
  3. 前記バッファは、鉛直上方に向けた凸状の上面を有し、
    前記第2排出口は、前記上面の頂部に繋がっている、
    請求項1又は2に記載の電解槽。
  4. 前記隔膜と前記第1電極を密着させる手段を有する、
    請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電解槽。
  5. 前記隔膜と前記第2電極の間に配置された格子状のスペーサをさらに備え、
    前記スペーサは、前記隔膜を前記第1電極に押し当てるとともに、前記第2電極に接触し、
    前記第2電極と前記スペーサが接触する面積は、前記隔膜と前記スペーサが接触する面積よりも小さい、
    請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の電解槽。
  6. 前記スペーサは、鉛直方向に延びる複数のプレートを有し、
    前記複数のプレートは、前記隔膜および前記第2電極の双方に接触する第1プレートと、前記隔膜に接触するとともに前記第2電極から離間した第2プレートと、を含む、
    請求項5に記載の電解槽。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電解槽と、
    前記第1供給口に液体を送る第1給液装置と、
    前記第2供給口に液体を送る第2給液装置と、
    を備える電解装置。
  8. 前記第2電極室の圧力を前記第1電極室の圧力よりも高くする圧力調整装置をさらに備る、
    請求項7に記載の電解装置。
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