JP4245899B2 - 金属の回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水に対する溶解度の高いタンタル化合物を不溶化し、回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タンタルから形成されたアノード電極を備えた固体電解コンデンサは、小型で、低ESR、かつ高容量であるため、携帯電話やパソコン等の部品として急速に普及してきた。また、タンタルと同族元素であるニオブも、タンタルよりも安価であり、また、酸化ニオブの誘電率が大きいことから、アノード電極への利用が研究されている。アノード電極は、タンタル粉末およびニオブ粉末を焼結して多孔質焼結体とし、この多孔質焼結体を化成酸化することによって形成される。
【0003】
このようにアノード電極原料として使用されるタンタル粉末およびニオブ粉末は、タンタル塩、ニオブ塩などの原料化合物を、KCl、NaCl、KFやこれらの共晶塩などの溶融希釈塩中においてナトリウムなどの還元剤と反応させ、還元反応終了後、反応融液を冷却し、得られた集塊を洗浄して希釈塩などを除去することにより得られる。
ここで集塊の洗浄には、水による洗浄、フッ酸などの酸による洗浄、過酸化水素水と硝酸による洗浄などを順次行う。
【0004】
しかしながら、このように集塊を洗浄すると、タンタルおよびニオブの一部が、水に溶解しやすい化合物の形態で洗浄液中に溶解し、洗浄液とともに廃棄されてしまうという問題があった。
また、このように溶解したタンタルやニオブの化合物を効果的に回収する方法は従来見出されておらず、その他の金属、例えば重金属の回収について、水性廃液のpHに着目した検討などがなされているだけであった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−80915号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、廃水中に溶解しているタンタル化合物を不溶化し、回収する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、タンタル粉末を製造する際に発生し、タンタル化合物と過酸化水素とが溶解した廃水の酸化還元電位およびpHを適切に制御することによって、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の金属の回収方法は、タンタル粉末を製造する際に発生し、タンタル化合物と過酸化水素とが溶解した廃水のpHと酸化還元電位Eを、下記式(1)を満足するように調整して、前記タンタル化合物を不溶化する工程を有することを特徴とする。
E<60×(10−pH)・・・(1)
(式(1)中、Eの単位は[mV]である。)
より好ましくは、pHを1以下、かつ、酸化還元電位Eを400mV以下に調整する。あるいは、pHを6.5〜9.0に調整する。
また、前記不溶化されたタンタル化合物を、膜処理により分離回収する工程を有することが好ましい。
本発明の金属の回収方法は、前記廃水が過酸化水素を含有するものであるため、特にその有用性が発揮される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属の回収方法は、タンタル粉末を製造する際に発生し、タンタル化合物と過酸化水素とが溶解した廃水のpHと酸化還元電位とを調整することによって、廃水中のタンタル化合物を不溶化する工程を有する。
ここでは、タンタル原料化合物を希釈塩中で還元して、タンタル粉末を製造する工程で発生した廃水を例示し、この廃水からタンタルを回収する方法について説明する。
【0009】
まず、タンタル原料化合物を希釈塩中で還元して、タンタル粉末を製造する方法について説明する。
タンタル原料化合物としては、K2TaF7等のフッ化カリウム塩や、五塩化タンタル、低級塩化タンタル等の塩化物、ヨウ化物、臭化物などのハロゲン化物が挙げられる。
【0010】
これらの原料化合物を、800〜900℃程度に加熱されて溶融状態にあるKCl、NaCl、KFやこれらの共晶塩などからなる希釈塩中に、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、これらの水素化物などの還元剤とともに投入し、還元反応を行う。ここで原料と還元剤とは一括投入しても、いずれも少量ずつを交互に投入してもよく、特に制限はない。また、還元反応は通常撹拌しながら行う。
例えば、原料としてK2TaF7を使用し、還元剤としてナトリウムを使用した場合には、ここで進行する還元反応は以下の式(2)で示される。
K2TaF7+5Na→2KF+5NaF+Ta・・・(2)
【0011】
このような還元反応終了後、溶融状態にある希釈塩および反応生成物などの混合物、すなわち反応融液を冷却し、得られた集塊を洗浄して、希釈塩などを除去、精製することにより、タンタル粉末を得ることができる。
【0012】
ここで、還元反応が上記(2)式で示される反応であって、希釈塩としてKClが使用された場合を例にあげると、得られた集塊は、目的生成物であるタンタルの他、希釈塩であるKClと、副生成物であるKFおよびNaFと、未反応残渣である少量のK2TaF7およびNaとを含有することとなる。そこで、タンタル以外のものをできるだけ除去するとともに、タンタル粉末の表面状態をできる限り平滑化しつつ、不純物の少ない状態とするために、通常、まず、水による洗浄を行い、ついで、フッ酸などの酸による洗浄を行う。そして、さらに、過酸化水素水と硝酸による洗浄を行う。
その結果、このような洗浄により発生する廃水としては、水による洗浄と、フッ酸などの酸による洗浄と、過酸化水素水と硝酸による洗浄の、3種類の廃水が発生することとなる。
【0013】
この場合、水による洗浄で発生した廃水(以下、第1廃水という。)には、水への溶解度の高い希釈塩(KCl)や副生成物(KFおよびNaF)が主に溶解するだけであって、タンタルまたはタンタル化合物は10ppm以下の極微量しか溶解しない。
一方、フッ酸などの酸による洗浄で発生した廃水(以下、第2廃水という。)は、フッ酸中のフッ素とタンタルの一部と希釈塩に由来するカリウムとが反応して溶解度の高いK2TaF2O4、K3TaO2F4などが生成することにより、これらが溶け、タンタルが金属換算で500ppm程度と比較的多く溶解した状態となっている。
また、過酸化水素水と硝酸による洗浄で発生した廃水(以下、第3廃水という。)にも、タンタルが酸化されて水溶性の化合物を形成したことによると推測される、金属換算で1000〜1500ppm程度のタンタル化合物が溶解している。
【0014】
以下、このような第1〜3廃水のうち、タンタルの溶解度が高い第3廃水中のタンタル化合物を不溶化する方法を例示して説明する。
まず、第3廃水のpHと酸化還元電位Eが、下記式(1)を満足する値となるように、pHと酸化還元電位Eを調整する。ただし、式(1)中、Eの単位は[mV]である。
E<60×(10−pH)・・・(1)
pHと酸化還元電位Eが式(1)を満たす限りにおいては、いかなるpHおよび酸化還元電位Eであっても、第3廃水中に溶解しているタンタル化合物の少なくとも95%以上を不溶化できる。しかしながら、第3廃水は、通常、pHが1以下の酸性であるため、ここで敢えてアルカリ水溶液を添加してpHを上げる操作をしなくても、例えばpHが1の場合は式(1)から酸化還元電位Eを540mV未満とし、例えばpHが0.5の場合は同じく式(1)から酸化還元電位Eを570mV未満とすることにより、第3廃水中に溶解しているタンタル化合物の少なくとも95%以上を容易に不溶化することができる。より好ましくは、pHが1以下の場合、酸化還元電位Eを400mV以下に調整し、さらに好ましくは350mV以下に調整することにより、溶解しているタンタル化合物のほとんどを容易に不溶化することができる。
【0015】
ここで、酸化還元電位Eを下げるためには、例えば、塩化鉄(III)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、カタラーゼなどの各種還元剤を適宜添加すればよい。このように還元剤を適当量添加することによって、第3廃液の酸化還元電位Eを調整前の600mV前後から所望の値まで低下させることができる。
【0016】
このように第3廃液を酸性の状態としたまま、酸化還元電位Eのみを低下させて、式(1)を満足するように調整することによっても、溶解しているタンタル化合物の少なくとも95%以上を容易に不溶化することができるが、第3廃液をpH6.5〜9にすることにより、液が安定となり不溶化を安定に行うことができ、かつ、中性領域付近であるため取扱性にも優れるので、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を適宜添加してpHを6.5〜9.0に調整してから、式(1)を満足するように酸化還元電位Eを調整してもよい。また、水酸化ナトリウムなどを添加するかわりに、他の工程で発生したアルカリ性廃液などを用いてもよい。
この場合、pHを6.5〜9.0に調整した時点で第3廃水中の水溶性のタンタル化合物のおよそ30〜50%程度が不溶化する。ついで、上述した還元剤を添加して、例えばpHが7の場合は式(1)から酸化還元電位Eを180mV未満とし、例えばpHが9の場合は同じく式(1)から酸化還元電位Eを60mV未満とすることによって、溶解しているタンタル化合物の少なくとも95%以上を容易に不溶化することができる。また、第3廃液をpHが9.0を超えるアルカリ性とした場合であっても、pHと酸化還元電位Eが式(1)を満たす限りは、同様に不溶化が可能である。
【0017】
このようにpHの数値にかかわらず、酸化還元電位Eとの関係が式(1)を満たすようにpHに応じて酸化還元電位Eを調整することにより、第3廃水中に溶解していたタンタル化合物の少なくとも95%以上を不溶化することができ、第3廃水中のタンタルの溶解度を10ppm以下程度まで低下させられる。不溶化によって生成したタンタル化合物の形態は明らかでないが、水には極微量しか溶解しない五酸化タンタルか、あるいは水酸化物であると推測できる。
【0018】
こうして不溶化されたタンタル化合物は、通常、その大部分が粒径0.3〜10μm程度の浮遊物として第3廃水に存在しているので、適宜これを分離回収する。このようなタンタル化合物を分離回収する方法としては、シックナーによる沈降分離、界面活性剤による泡沫分離、遠心分離などでもよいが、膜処理によれば、分離効率を100%近くとすることができ好ましい。
【0019】
ここで使用される膜としては適宜選択することができるが、耐薬品性に優れるテフロン(登録商標)系、ポリエチレン系であって、孔径が0.03μm以下のものが好ましい。このような膜としては、例えば、三菱レイヨン(株)製の中空糸膜(製品名:UMF−2012WFA、孔径0.03μm)が例示できる。
また、特にタンタルは比重が大きく、その化合物も沈降性が大きいため、このような膜処理と沈降分離とを併用してもよい。膜処理と沈降分離とを併用することにより膜に加わる負荷を低減でき、膜の洗浄頻度や交換頻度を抑えることができる。その際には、上向硫全濾過方式とすることが好ましい。
【0020】
このような方法によれば、容易に、第3廃水などの廃水中に溶解しているタンタル化合物を不溶化、回収でき、これらを有効に再利用できるので、タンタルを製造したり使用したりするプロセスの生産性を向上させることが可能となる。
【0021】
以上説明したようにこのような金属の回収方法によれば、タンタル粉末を製造する際に発生し、タンタル化合物と過酸化水素とが溶解した廃水のpHと酸化還元電位Eを、これらが式(1)の関係となるように調整して、タンタル化合物を不溶化する工程を有し、高い割合で回収可能であるので、これら化合物を再利用することができ、タンタルを製造または使用するプロセスの生産性を向上させることが可能となる。また、このような方法ではpHの範囲を限定する必要がなく、いかなるpHにおいても酸化還元電位Eをそれに応じて調整するだけで不溶化が行え、特にpHが1以下の強酸性領域でも中和などの操作が不要であるため、作業も簡便であり、作業効率が優れる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
タンタル原料化合物を、870℃程度に加熱されて溶融状態にある希釈塩中に還元剤とともに投入し、還元反応を行った。ここでタンタル原料化合物としてはK2TaF7を、希釈塩としてはKFを、還元剤としてはNaを使用した。
還元反応終了後、溶融状態にある反応融液を冷却し、得られた集塊を、まず、水で洗浄した。ここで得られた廃水を第1廃水とする。ついで、3%のフッ酸で洗浄した。ここで得られた廃水を第2廃水とする。さらに、1.5%の過酸化水素水と9%の硝酸で洗浄した。ここで得られた廃水を第3廃水とする。
【0023】
第1廃水をICPで分析したところ、第1廃水には金属換算で610ppmのタンタルおよび/またはタンタル化合物が含まれていたが、そのうち、溶解しているタンタルおよび/またはタンタル化合物は10ppm未満であった。
第2廃水をICPで分析したところ、第2廃水には金属換算で14800ppmのタンタルまたはタンタル化合物が含まれ、そのうち、14320ppmが溶解していた。この第2廃水に20%のNaOH水溶液を添加して、pHを1.0から7.5へと調整したところ、溶解していたタンタルおよび/またはタンタル化合物が析出し、溶解しているタンタルおよび/またはタンタル化合物は10ppm未満まで低下した。
【0024】
第3廃水をICPで分析したところ、第3廃水には780ppmのタンタルまたはタンタル化合物が含まれ、そのうち770ppmが溶解していた。そこで、この第3廃水にpH調整液として20%のNaOH水溶液(A)を添加して、pHを1.0以下から7.5へと調整するとともに、酸化還元電位調整液として30%のNaHSO3水溶液(B)を添加して、酸化還元電位を600mVから100mVへと調整した。その結果、溶解していたタンタルおよび/またはタンタル化合物が析出し、溶解しているタンタルおよび/またはタンタル化合物は10ppm未満まで低下した。
【0025】
ついで、第1廃水と、上述したようにpH調整された第2廃水と、pH調整および酸化還元電位調整された第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。ここで使用した膜は、三菱レイヨン(株)製の中空糸膜(製品名:UMF−2012WFA、孔径0.03μm)であって、この膜が多数本束ねられ形成された中空糸膜ユニットの形態で使用した。
このようにして、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物の95%を回収することができた(金属換算)。以上を表1にまとめる。
【0026】
[実施例2〜3]
第1廃水および第2廃水については、実施例1と同様に処理した。
一方、第3廃水に添加するpH調整液、酸化還元電位調整液の量を変化させて、第3廃水のpHと酸化還元電位を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、第3廃水を処理した。
そして、実施例1と同様にして第1廃水と、第2廃水と、第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。その結果、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物の95%を回収することができた(金属換算)。
【0027】
[比較例1〜2]
第1廃水および第2廃水については、実施例1と同様に処理した。
一方、第3廃水に添加するpH調整液、酸化還元電位調整液の量を変化させて、第3廃水のpHと酸化還元電位を表1に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、第3廃水を処理した。
そして、実施例1と同様にして第1廃水と、第2廃水と、第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。しかしながら、表1に示すように、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物のうち、低い割合しか回収できなかった(金属換算)。
【0028】
【表1】
【0029】
[実施例4〜13]
第1廃水および第2廃水については、実施例1と同様に処理した。
一方、第3廃水にpH調整液を添加せず、酸化還元電位調整液のみ、その量を適宜変化させて添加して、第3廃水のpHと酸化還元電位を表2〜3に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、第3廃水を処理した。
そして、実施例1と同様にして第1廃水と、第2廃水と、第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。その結果、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物の99%を回収することができた(金属換算)。
【0030】
[比較例3]
第1廃水および第2廃水については、実施例1と同様に処理した。
一方、第3廃水にpH調整液を添加せず、酸化還元電位調整液のみ少量添加して、第3廃水のpHと酸化還元電位を表3に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、第3廃水を処理した。
そして、実施例1と同様にして第1廃水と、第2廃水と、第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。しかしながら、表3に示すように、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物のうち、低い割合しか回収できなかった(金属換算)。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
[実施例14]
第1廃水および第2廃水については、実施例1と同様に処理した。
一方、第3廃水に添加するpH調整液、酸化還元電位調整液の量を変化させて、第3廃水のpHと酸化還元電位を表3に示す値とした以外は、実施例1と同様にして、第3廃水を処理した。
そして、実施例と同様にして第1廃水と、第2廃水と、第3廃水とを混合し、これを膜処理して回収した。その結果、当初、第1廃水と第2廃水と第3廃水に含まれていたタンタルおよび/またはタンタル化合物の99%を回収することができた(金属換算)。
この結果から、pHをアルカリ性溶液としても、回収可能であることが明らかとなった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の回収方法によれば、水に対する溶解度の高いタンタル化合物を任意のpH下、酸化還元電位を変化させることだけで不溶化し、高い割合で回収可能であるので、従来は廃棄されることの多かったこれら化合物を再利用でき、タンタルを製造または使用するプロセスの生産性を向上させることが可能となる。
Claims (4)
- タンタル粉末を製造する際に発生し、タンタル化合物と過酸化水素とが溶解した廃水のpHと酸化還元電位Eを、下記式(1)を満足するように調整して、前記タンタル化合物を不溶化する工程を有することを特徴とする金属の回収方法。
E<60×(10−pH)・・・(1)
(式(1)中、Eの単位は[mV]である。) - pHを1以下、かつ、酸化還元電位Eを400mV以下に調整することを特徴とする請求項1に記載の金属の回収方法。
- pHを6.5〜9.0に調整することを特徴とする請求項1に記載の金属の回収方法。
- 前記不溶化されたタンタル化合物を、膜処理により分離回収する工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属の回収方法。
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