JP4245703B2 - 車両用ドアサッシュ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドア本体に取り付けられる車両用ドアサッシュ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車のドアは、一般にドアアウタパネルとドアインナパネルとを合わせたドア本体に、ドアガラスを囲むサッシュを取り付けたサッシュ付ドアが広く使用されている。
【0003】
例えば、実開昭59−142177号公報に開示され、図10に断面斜視図を示すようにサッシュ付ドアに用いられるサッシュ100は、一定断面鋼板ロール成形によってドアガラスを摺動案内するガラスランを取り付けるガラスラン取付用チャンネル101とウェザーストリップを取り付けるウェザーストリップ取付用チャンネル102を一体に形成している。
【0004】
一方、最近では図11にフロントドアを車体内方から見た側面図を示すように、ドア本体110に取り付けられるサッシュ120は、ドア本体110の窓肩部115の前端近傍から上方に延設され後方に湾曲する前部サッシュ121と、前部サッシュ121の後端に上端が結合されるて上下方向に延在する後部サッシュ130を備え、後部サッシュ130の車体前後方向のサッシュ幅が上方から下方に移行するに従って順次増大する、いわゆる異形サッシュが用いられている。
【0005】
後部サッシュ130は、図12に図11のG−G線断面図を示すようにサッシュアウタ131とサッシュインナ135を備え、サッシュアウタ131は前方側がコ字状に開放されたガラスラン取付用チャンネル132が上下方向に延在し、このガラスラン取付用チャンネル132の外側端部から折り返されて後方に延設されるアウタパネル部133が一体形成されている。
【0006】
一方、サッシュインナ135は、前端に後方側に向かってコ字状に開放されるウエザーストリップ取付用チャンネル136を有し、ウエザーストリップ取付用チャンネル136の車体内方の端縁に沿って係止部137が形成されている。
【0007】
ウエザーストリップ取付用チャンネル136の車体外方の端部138は、上記アウタパネル部133に当接可能に形成され、該端部138に沿って車体内方にU字状に突出するウエザーストリップ押さえ139が上下方向に延設され、ウエザーストリップ押さえ139の後端139aは上記端部138から車体内方に所定量a、例えば約1mm程度車体内方側に設定され、ウエザーストリップ押さえ139の上記端部139aから後方にインナパネル部140が一体に延設されている。
【0008】
インナパネル部140の後端に段差部141を介して上記アウタパネル部133の後端に重合可能な後縁部142が形成され、インナパネル部140はドア本体110の窓肩部115より若干上方から下方の範囲となる下部143が図11及び図13に示すよう上記アウタパネル部133に重合可能なように平板状に形成されている。
【0009】
このように形成されたサッシュアウタ131とサッシュインナ135は、図12に示すようにサッシュアウタ131のガラスラン取付用チャンネル132にサッシュインナ135のウエザーストリップ取付用チャンネル136を当接し、かつアウタパネル部133の内面133aにウエザーストリップ取付用チャンネル136の端部138及びインナパネル部140の後縁部142を重ね合わせると共に、図13に示すようにアウタパネル部133の下部内面133aにインナパネル部140の下部148を重ね合わせてサッシュアウタ131とサッシュインナ135の相対位置決めをする。
【0010】
そして、互いに重合するガラスラン取付用チャンネル132とウエザーストリップ取付用チャンネル136を溶接結合すると共に、アウタパネル部133の後端とインナパネル部140の後縁部143を互いにクリンチング結合して後部サッシュ130を形成する。
【0011】
このように形成された後部サッシュ130は、上端部が前部サッシュ121の後端と結合されて前部サッシュ121と共にサッシュ120を形成する。
【0012】
そして前部サッシュ121の下端がドア本体110の前部に結合され、後部サッシュ130の後端が、図13に示すようにドア本体110の後部において、インナ部140の下部148及びウェザーストリップ取付用チャンネル136の下部に形成された結合部149がドアパネルインナ111に結合してサッシュ120とドア本体10と一体化が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図11乃至図13に示すサッシュ付ドアの後部サッシュは、サッシュアウタのアウタパネル部とサッシュインナのインナパネル部との間にクリンチング部を除いて間隙が形成されることから、サッシュアウタとサッシュインナとの整合が容易になり、サッシュアウタとサッシュインナの組付性が向上する。
【0014】
しかし、アウタパネル部とインナパネル部との間の中空部Sの下部がアウタパネル部とインナパネル部との密着によって封止され、この結果サッシュアウタとサッシュインナによって形成される中空部内に結露或いは前部サッシュと後部サッシュとの接続部等から浸入した水滴等が滞留すると共に、アウタパネル部とインナパネル部との間が極めて狭く形成されることから滞留した水滴等が毛細管現象によってアウタパネル部とインナパネル部の間で広範囲に広がり、後部サッシュ内部の広範囲に亘って錆が発生すると共に、後部サッシュ内から錆を含んだ水分、いわゆる錆汁が浸出して車体等の外観面を汚す等の不都合が懸念される。
【0015】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、サッシュ内部に結露或いは浸入した水等が滞留することなく、迅速に排出されてサッシュ内の発錆を抑制し得る車両用サッシュ構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用サッシュ構造の発明は、ドア本体の窓肩部の前端近傍から上方に延設されて後方に湾曲する前部サッシュと、該前部サッシュの後端に上端が結合される後部サッシュとを有し、上部が互いに対向し、その間隙にて上下方向に延在する中空部を形成すると共に、下部が重合し、ドア本体の後端近傍でドアインナパネルに接合されるサッシュアウタ及びサッシュインナによって、上記後部サッシュが構成される車両用ドアサッシュ構造において、上記サッシュアウタとサッシュインナによって、上記中空部とドア本体内とを連通する連通路を形成し、該連通路を形成する上記サッシュアウタとサッシュインナの両下端は上下方向に偏倚していることを特徴とする。
【0017】
請求項1の発明によると、後部サッシュのサッシュアウタとサッシュインナとによって形成される中空部内の下部が、サッシュアウタとサッシュインナとによって形成された連通路を介してドア本体内に連通するとともに、連通路を形成するサッシュアウタとサッシュインナの両下端が上下方向に偏倚することから、中空部内で結露した水滴や前部サッシュとの接合部から中空部内に浸入した雨水等がサッシュ内に滞留することなく連通路から速やかに排出され、サッシュ内の発錆が抑制される。
【0018】
上記目的を達成する請求項2に記載の車両用サッシュ構造は、請求項1に記載の車両用ドアサッシュ構造において、上記連通路を形成する上記サッシュアウタの下端に切欠部が形成され、上記連通路を形成する上記サッシュインナの下端が上記サッシュアウタ下端より下方に突出していることを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明によると、アウタパネル部の下端に対応して切欠部を形成することによって、効率的に請求項1の構成を得ることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、ドア本体の窓肩部の前端近傍から上方に延設されて後方に湾曲する前部サッシュと、該前部サッシュの後端に上端が結合される後部サッシュとを有し、上部が互いに対向し、その間隙にて上下方向に延在する中空部を形成すると共に、下部が重合し、ドア本体の後端近傍でドアインナパネルに接合されるサッシュアウタ及びサッシュインナによって、上記後部サッシュが構成される車両用ドアサッシュ構造において、上記サッシュアウタとサッシュインナによって、上記中空部の下部とドア本体内とを連通する連通路を形成し、上記サッシュインナは、その後端近傍に、内方に膨出する膨出部を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明によると、ウェザーストリップ当接部の後端に内方に膨出する膨出部を形成することによって、中空部に対応するアウタパネル部とインナパネル部の接近する範囲が少なくなり、表面張力によってアウタパネル部とインナパネル部との間に付着する水滴の減少を図り、サッシュインナ及びサッシュアウタの錆の発生を抑制することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、上記膨出部は、後方に移行するに従って内方に移行する前部傾斜面と、該前面傾斜面の後方に設けられて後方に移行するに従って車体外方に移行する後部傾斜面とで構成されることを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明によると、前部傾斜面と後部傾斜面によって容易に膨出部を形成することができ、かつサッシュインナの剛性が確保され、サッシュ全体の剛性が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施の形態)
以下、本発明による車両用サッシュ構造の第1実施の形態をフロントドアを例に、図1乃至図3によって説明する。なお図中矢印Ftは車体前方方向を示し、説明の便宜上説明中「前方」及び「後方」とはドア各々を閉鎖した状態におけるドアの前方及び後方を意味し、「内方」及び「外方」とは車体内方側及び車体外方側を意味するものとする。
【0031】
図1は、フロントドア1を車体内方から見た側面図であって、フロントドア1はドアパネルアウタ11とドアパネルインナ12によって前縁、後縁及び下縁をクリンチング結合したドア本体10と、ドア本体10に設けられたサッシュ20とを備えている。
【0032】
サッシュ20は、ドア本体10の窓肩部15の前端近傍から上方に延設されると共に、車体後方に湾曲する前部サッシュ21と、前部サッシュ21の後端に上端が結合されて上下方向に延在する後部サッシュ30を備え、後部サッシュ30の車体前後方向のサッシュ幅aが上方から下方に移行するに従ってテーパ状に順次増大する、いわゆる異形サッシュである。
【0033】
後部サッシュ30は、図2に図1のA−A線断面図を示すようにサッシュアウタ31とサッシュインナ35を備えている。
【0034】
サッシュアウタ31は前方側がコ字状に開放されると共に、その両開放端部に頂端が互いに接近するように突出する一対の係止部32aを有するガラスラン取付用チャンネル32が上下方向に延在し、このガラスラン取付用チャンネル32の外側端縁から折り返されて上下方向に延在するアウタパネル部33が一体形成され、アウタパネル部33は、上端から下方に移行するに従って上記サッシュ幅aとなる前後方向の寸法がテーパ状に増大するように形成されている。
【0035】
一方、サッシュインナ35は、前端に後方側に向かってコ字状に開放されて上下方向に延在するウエザーストリップ取付用チャンネル36を有し、ウエザーストリップ取付用チャンネル36の内方の端縁沿って外方に向かって折り返された係止部37が形成されている。
【0036】
ウエザーストリップ取付用チャンネル36の外方の端部38は、上記アウタパネル部33の内面33aに当接可能に形成され、該端部38の後方にインナパネル部40が延設されている。
【0037】
インナパネル部40は、上端から下方に移行するに従って前後方向の幅が増大するテーパー状であって、上記ウエザーストリップ取付用チャンネル36の外方の端部38に沿って延設され、車体内方に折り返されて内方にU字状に突出して上下方向に連続するウエザーストリップ押さえ41を有している。
【0038】
ウエザーストリップ押さえ41の後端41aは上記端部38から内方に所定量a、例えば約1mm程度内方側に設定され、ウエザーストリップ押さえ41の上記端部41aから後方にウェザーストリップ50のリップ51が当接する範囲に亘って上記アウタパネル部33と略平行にウエザーストリップ当接部42が延設されている。
【0039】
更に、ウエザーストリップ当接部42の後端から第1折曲線43を介して後方に移行するに従って内方に移行するように傾斜する前部傾斜面44が延設され、前面傾斜面44の後端に第2折曲線45を介して後方に移行するに従って外方に移行するように傾斜する後部傾斜面46が延設され、この後部傾斜面46の後端に第3折曲線47を介して上記アウタ部33の後端に重合可能な後縁部48が形成され、上記第1折曲線43はウエザーストリップ押さえ41の端部41aと略平行で上下方向に延在し、第2折曲線45及び第3折曲線47がインナパネル部40の後端縁と略平行に上下方向に延在するように形成されている。
【0040】
更に、ウエザーストリップ押さえ41の後端41aから後方に延設された上記ウェザーストリップ当接部42、前部傾斜面44及び後部傾斜面46は、ドア本体10の窓肩部15より若干上方から下方の範囲となる下部49が第4折曲線50を介して図1及び図3に示すように上記アウタ部33の内面33aに重合可能なように平板状に形成され、かつウェザーストリップ取付用チャンネル36の下部は、図3に示すように車体内方に延在する平板状に形成され係止部37が省略されてドアインナパネル11との結合可能な結合部51が形成されている。
【0041】
また、ウェザーストリップ60は、上記サッシュインナ35のウエザーストリップ取付用チャンネル36に嵌合して係止部37及びウエザーストリップ押さえ41によって保持される基部61と、基部61に突設されてウエザーストリップ当接部42に圧接するリップ62と、基部61に突設された中空断面形状でドアを閉鎖した際にセンタピラ等の車体本体に圧接するドアシール部63が一体に連続形成されている。
【0042】
このように形成されたサッシュアウタ31とサッシュインナ35は、図2に示すようにサッシュアウタ31のガラスラン取付用チャンネル32にサッシュインナ35のウエザーストリップ取付用チャンネル36を当接し、かつアウタパネル部33の内面33aにウエザーストリップ取付用チャンネル32の端部38及びインナパネル部40の後縁部48を重ね合わせると共に、図3に示すようにアウタパネル部33の下部の内面33aにインナパネル部40の下部49を重ね合わせてサッシュアウタ31とサッシュインナ35の相対位置決めをする。
【0043】
この位置決めにあたり、サッシュインナ35に連続形成されたU字形のウエザーストリップ押さえ41、ウエザーストリップ当接部42、前部傾斜部44、後部傾斜部47とサッシュアウタ31のアウタ部パネル33との間に連続する中空断面部Sが形成されて、アウタパネル部33の内面33aとウエザーストリップ取付用チャンネル32の端部38及びインナパネル部40の後縁部48との当接が確保されて整合性に優れ位置決め作業が容易に実行できる。
【0044】
そして、互いに重合するガラスラン取付用チャンネル32とウエザーストリップ取付用チャンネル36を溶接結合すると共に、アウタパネル部33の後端とインナパネル部40の後縁部48を互いにクリンチング結合し、必要に応じてアウタ部33の下部とインナパネル部40の下部49とを溶接結合してサッシュアウタ31とサッシュインナ35との一体化を図ることによって中空断面形状の後部サッシュ30を形成する。
【0045】
上記位置決めにおいてサッシュアウタ31のアウタパネル部33とサッシュインナ35の後縁部48との整合性に優れることからクリンチング結合作業が容易になりその作業性に優れて理想的なクリンチング結合がなされ、更にアウタパネル部33とインナパネル部40との間の中空部Sによってインナパネル部40に影響されることなく滑らかなアウタパネル部33の形状が保持されて美観に優れたアウタパネル部33が得られ、かつサッシュアウタ31のアウタパネル部33の下部とサッシュインナ35のウェザーストリップ押さえ41によって上記中空部S内と外部とを連通する連通路S1が形成される。
【0046】
このように形成された後部サッシュ30は、上端部が前部サッシュ21の後端と結合されて前部サッシュ21と共にサッシュ20を形成する。
【0047】
そして前部サッシュ21の下端がドア本体10の前部に結合され、後部サッシュ30の後端が、図3に示すようにドア本体10の後部において、インナパネル部40の下部49及び結合部51がドアパネルインナ11に結合してサッシュ20とドア本体10の一体化が得られる。
【0048】
更にウェザーストリップ60の基部61をサッシュインナ35のウエザーストリップ取付用チャンネル36に嵌合して係止部37及び端部38によってその嵌合状態に保持せしめると共に、リップ62がウエザーストリップ当接部42に圧接する状態でウェザーストリップ60をサッシュ20に取り付けてフロントドア1が形成される。
【0049】
このように構成されたフロントドア1によると、サッシュアウタ31とサッシュインナ35とによって形成される上記中空部Sの下部が、サッシュアウタ31のアウタパネル部33の内面33aとサッシュインナ35のウェザーストリップ押さえ42との協働によって形成された連通路S1によって常時ドア本体10の内部に開放される。
【0050】
この結果サッシュアウタ31とサッシュインナ35によって形成される中空部S内に結露或いは前部サッシュ21との結合部等から中空部S内に雨水等が浸入した場合でも、その水滴等が中空部S内に滞留することなく連通路S1から速やかにドア本体10内に排出される。
【0051】
更に、サッシュアウタ31とサッシュインナ35によって形成される上記中空部Sにおけるアウタパネル部33とインナパネル部40の隙間距離が、内方向に膨出する前部傾斜部44及び後部傾斜部46によって形成される膨出部によって、アウタ部33とインナパネル部40が近接する範囲が極めて限定され、その結果毛細管現象によって水滴が付着せしめられる可能性があるアウタパネル部33及びインナパネル部40の範囲が極めて少なくなり、中空部S内に付着する水滴等がより少なくなり排水効果が確保されて後部サッシュ30内の発錆を十分抑制することができる。
【0052】
また、車体内方に膨出する前部傾斜部44及び後部傾斜部46を形成したにもかかわらず、ウェザーストリップ60のリップ61が弾接するウェザーストリップ当接部42が平坦に形成され、ウェザーストリップ60を安定した状態で保持することができ、かつ上下方向に連続する第1折曲部43、第2折曲部45が上下方向に延在せしめられて後部サッシュ30の剛性が確保され、ひいてはサッシュ20全体の剛性向上がもたらされる。
【0053】
(第2実施の形態)
次に図4乃至図9によって本発明による車両用ドアサッシュ構造の第2実施の形態について説明する。なお説明の便宜上上記図1乃至図3と対応する部分には同一符号を付して該部の詳細な説明を省略する。
【0054】
図4は、フロントドア1を内方から見た側面図であって、図5は図4のC−C線断面図、図6は図4のD−D線断面図、図7は図4のE−E線断面図、図5は図4のF−F線断面図であって、フロントドア1はドア本体10と、前部サッシュ21と後部サッシュ30によって構成されるサッシュ20とを備えている。
【0055】
後部サッシュ30は、図5乃至図8に示すようにサッシュアウタ31とサッシュインナ35とを備え、サッシュアウタ31の前方側にガラスラン取付用チャンネル32が上下方向に延在し、このガラスラン取付用チャンネル32の外側端縁から後方にアウタパネル部33が一体に形成されている。
【0056】
一方、サッシュインナ35は、前端にウエザーストリップ取付用チャンネル36を有し、ウエザーストリップ取付用チャンネル36の外方の端部38がアウタパネル部33の内面33aに当接可能に形成され、該端縁38の後方にインナパネル部40が延設されている。
【0057】
インナパネル部40は、上記ウエザーストリップ取付用チャンネル36の端部38に沿って内方に折り返されて車体内方にU字状に突出するウエザーストリップ押さえ41が延設さて、ウエザーストリップ押さえ41の後端41aは上記端部38から車体内方に所定量a、例えば約1mm程度内方側に設定されて端部41aから後方にアウタパネル部33と略平行にウエザーストリップ当接部42が延設され、ウエザーストリップ当接部42の上部範囲は図4及び図5に示すように第2折曲線45及び第3折曲線47を介してアウタパネル部33の後端に重合可能な後端部48に連続形成されている。
【0058】
ウエザーストリップ当接部42の下部範囲は、図4、図6及び図7に示すようにウエザーストリップ当接部42の下部後端から第1折曲線43を介して後方に移行するに従って内方に移行するように傾斜する前部傾斜面44が延設され、前面傾斜面44の後端に第2折曲線45を介して後方に移行するに従って外方に移行するように傾斜する後部傾斜面46が延設され、この後部傾斜面46の後端に第3折曲線47を介して上記アウタパネル部33の後端に重合可能な上記後縁部48の下方部分に連続形成されている。
【0059】
更に、上記インナパネル部40は、ドア本体10の窓肩部15より若干上方において後方に移行するに従って上昇するように傾斜する第4折曲線50より下方となる下部49が図4及び図8に示すようにアウタ部33の内面33aに重合可能なように平板状に形成されている。
【0060】
一方、アウタパネル部33の下縁には、図4及び図8に示し、かつ図9に要部斜視図を示すように、サッシュインナ35とサッシュアウタ31とを結合した状態でサッシュインナ35に形成されたウェザーストリップ押さえ41の下部がアウタパネル部33によって覆われないように切欠部34が切り欠き形成されている。
【0061】
このように形成されたサッシュアウタ31とサッシュインナ35は、図5乃至図8に示すようにサッシュアウタ31のガラスラン取付用チャンネル32にサッシュインナ35のウエザーストリップ取付用チャンネル36を当接し、かつアウタパネル部33の内面33aにウエザーストリップ取付用チャンネル32の端部38及びインナパネル部40の後縁部48を重ね合わせると共に、アウタパネル部33の内面33aにインナパネル部40の下部49を重ね合わせてサッシュアウタ31とサッシュインナ35の相対位置決めをする。
【0062】
この位置決めにあたり、上記第1実施の態様と同様にウエザーストリップ押さえ41と後端部48との間に亘って、アウタパネル部33とインナパネル部40の間に中空部Sが形成されて、サッシュアウタ31とサッシュインナ35の整合性に優れ位置決め作業が容易に実行できる。
【0063】
そして、互いに重合するガラスラン取付用チャンネル32とウエザーストリップ取付用チャンネル36を溶接結合すると共に、アウタパネル部33の後端とインナパネル部40の後縁部48を互いにクリンチング結合し、必要に応じてアウタパネル部33の下部とインナパネル部40の下部49とを溶接結合してサッシュアウタ31とサッシュインナ35との一体化を図ることによって中空断面形状の後部サッシュ30を形成する。この後部サッシュ30は、サッシュアウタ31のアウタ部33の下部とサッシュインナ35のウェザーストリップ押さえ42によって上記中空部Sの下部と外部とを連通する連通路S1が形成される。
【0064】
この連通路S1は、図9に示すようにアウタパネル部33に切欠部34が形成されることから、ウェザーストリップ押さえ42の下部外方がアウタパネル部33によって覆われることなく開放され、連通路S1の下部は開断面形状に形成される。
【0065】
従って、中空部S内から連通路S1内を通過して排出される水滴が連通路S1の下端に表面張力によって水滴となって長時間垂れ下がる状態が回避されて、ウェザーストリップ押さえ42や、該ウェザーストリップ押さえ42の周辺、即ち連通路S1付近の発錆が抑制され、上記第1実施の形態に加え、更に発錆を抑制する防錆効果が向上する。
【0066】
また、上記説明では、アウタパネル部33に切欠部34を形成することなく、ウェザーストリップ押さえ42の下端を含むインナパネル部40の下端を切り欠く等によって、ウェザーストリップ押さえ42及びアウタパネル部33の両下端を上下方向に偏倚するように構成することも可能である。
【0067】
以上説明では、フロントドアに適用した例について説明したが、リアドアに本発明を適用することも可能であり、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した本発明の車両用サッシュ構造によると、後部サッシュのサッシュアウタとサッシュインナとによって形成される中空部内の下部が、サッシュアウタとサッシュインナとによって形成された連通路を介してドア本体内に連通することから、中空部内に結露した水滴や前部サッシュとの接合部から中空部内に浸入した雨水等がサッシュ内に滞留することなく連通路から迅速に排出されてサッシュ内の発錆が抑制され、サッシュの耐久性が大幅に向上し、車両の耐久向上に貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用ドアサッシュ構造の第1実施の形態の概要を示す車体内方側から見たドアの側面図である。
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図である。
【図3】図1におけるB−B線拡大断面図である。
【図4】本発明による車両用ドアサッシュ構造の第2の実施形態の概要を示す車体内方側から見たドアの側面図である。
【図5】図4におけるC−C線拡大断面図である。
【図6】図4におけるD−D線拡大断面図である。
【図7】図4におけるE−E線拡大断面図である。
【図8】図4におけるF−F線拡大断面図である。
【図9】サッシュの下部を示す要部斜視図である。
【図10】従来のサッシュ構造を示す要部断面斜視図である。
【図11】従来の車両用ドアサッシュ構造の概要を示す車体内方側から見たドアの側面図である。
【図12】図11におけるG−G線拡大断面図である。
【図13】図11におけるH−H線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 フロントドア(ドア)
10 ドア本体
15 窓肩部
20 サッシュ
21 前部サッシュ21
30 後部サッシュ
31 サッシュアウタ
32 ガラスラン取付用チャンネル
33 アウタパネル部
33a 内面
34 切欠部
35 サッシュインナ
36 ウエザーストリップ取付用チャンネル
38 端部
40 インナパネル部
41 ウエザーストリップ押さえ
41a 後端
42 ウエザーストリップ当接部
44 前部傾斜面
46 後部傾斜面
48 後縁部
49 下部
60 ウェザーストリップ
61 基部
62 リップ
S 中空断面部
S1 連通路

Claims (4)

  1. ドア本体(10)の窓肩部(15)の前端近傍から上方に延設されて後方に湾曲する前部サッシュ(21)と、該前部サッシュ(21)の後端に上端が結合される後部サッシュ(30)とを有し、
    上部が互いに対向し、その間隙にて上下方向に延在する中空部(S)を形成すると共に、下部が重合し、ドア本体(10)の後端近傍でドアパネルインナ(12)に接合されるサッシュアウタ(31)及びサッシュインナ(35)によって、上記後部サッシュ(30)が構成される車両用ドアサッシュ構造において、
    上記サッシュアウタ(31)とサッシュインナ(35)によって、上記中空部(S)とドア本体(10)内とを連通する連通路(S1)を形成し、
    該連通路(S1)を形成する上記サッシュアウタ(31)とサッシュインナ(35)の両下端は上下方向に偏倚している
    ことを特徴とするドアサッシュ構造。
  2. 上記連通路(S1)を形成する上記サッシュアウタ(31)の下端に切欠部(34)が形成され、上記連通路(S1)を形成する上記サッシュインナ(35)の下端が上記サッシュアウタ(31)下端より下方に突出している
    ことを特徴とする請求項に記載の車両用ドアサッシュ構造。
  3. ドア本体(10)の窓肩部(15)の前端近傍から上方に延設されて後方に湾曲する前部サッシュ(21)と、該前部サッシュ(21)の後端に上端が結合される後部サッシュ(30)とを有し、
    上部が互いに対向し、その間隙にて上下方向に延在する中空部(S)を形成すると共に、下部が重合し、ドア本体(10)の後端近傍でドアパネルインナ(S)に接合されるサッシュアウタ(31)及びサッシュインナ(35)によって、上記後部サッシュ(30)が構成される車両用ドアサッシュ構造において、
    上記サッシュアウタ(31)とサッシュインナ(35)によって、上記中空部(S)の下部とドア本体(10)内とを連通する連通路(S1)を形成し、
    上記サッシュインナ(35)は、その後端近傍に、内方に膨出する膨出部を備えた
    ことを特徴とする車両用ドアサッシュ構造。
  4. 上記膨出部は、後方に移行するに従って内方に移行する前部傾斜面(44)と、該前傾斜面(44)の後方に設けられて後方に移行するに従って車体外方に移行する後部傾斜面(46)とで構成される
    ことを特徴とする請求項に記載の車両用ドアサッシュ構造。
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