JP4243465B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、洗浄水をポンプにより加圧し、ノズルから人体に噴出している。また、複数のノズルを備えた衛生洗浄装置では、ポンプにより加圧された洗浄水を複数のノズルのいずれかに切り替えて供給するために切替弁が設けられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001-90154号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、衛生洗浄装置には、ポンプ、ノズル、切替弁等の複数の構成要素を設ける必要があるので、小型化およびコンパクト化が妨げられる。通常、衛生洗浄装置は、トイレ内に既に設置されている便器に追加して装着される。トイレ内のスペースに制限があるため、衛生洗浄装置の小型化およびコンパクト化が求められている。
【0005】
本発明の目的は、小型化およびコンパクト化が図られた衛生洗浄装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、複数の流路を有し、洗浄水を人体に噴出するノズル装置と、給水源からの洗浄水を加圧するポンプと、ポンプから供給される洗浄水をノズル装置の複数の流路に選択的に供給する流路切替弁とを備え、ポンプは、洗浄水を吐出する吐出口を有するとともに、吐出口から吐出される洗浄水の圧力が周期的に変化するように往復運動を行う加圧部材を備え、吐出口が上方を向くようにポンプがノズル装置の下方に配置された状態で、ノズル装置とポンプと流路切替弁と支持部材によりユニットとして一体化されたものである。
【0007】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、給水源からの洗浄水がポンプにより加圧され、加圧された洗浄水が流路切替弁によりノズル装置の複数の流路に選択的に供給され、ノズル装置により洗浄水が人体に噴出される。特に、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁が支持部材によりユニットとして一体化されているので、衛生洗浄装置の小型化およびコンパクト化が図られる。また、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁をユニットとして一体的に取り扱うことができるので、衛生洗浄装置の組み立て性の向上が図られるとともに検査工程が容易になる。
また、吐出口が上方を向くようにポンプがノズル装置の下方に配置された状態で、ノズル装置とポンプと流路切替弁とが支持部材によりユニットとして一体化されている。この場合、ノズル装置の下方に形成される空間にポンプが設けられるので、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットを小型化およびコンパクト化することが可能となる。また、ポンプの内部に気泡が発生した場合でも、その気泡が吐出口から容易に抜け出すことができ、ポンプの内部に気泡が滞留しない。それにより、気泡によるポンプの圧力の緩衝が防止され、洗浄力および洗浄感が低下しない。また、ポンプの吐出口にホースを脱着する作業が容易になる。
【0008】
支持部材は、底面部と、底面部に対して所定角度傾斜して設けられた斜面部と、底面部に対してほぼ垂直に設けられた背面部とを有し、ノズル装置は、支持部材の斜面部に沿って取り付けられてもよい。
【0009】
この場合、支持部材の底面部、斜面部および背面部により略直角三角形が形成され、ノズル装置が支持部材の斜面部に沿って下方に傾斜するように取り付けられる。それにより、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットをより小型化およびコンパクト化することができる。また、支持部材の内部に空間が形成されるので、その空間に種々の構成要素を収納することができる。
【0010】
支持部材の斜面部と底面部とがなす角度は40度から50度の範囲内であってもよい。
【0011】
この場合、支持部材の底面部、斜面部および背面部により略直角二等辺三角形が形成される。それにより、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットを前後方向および垂直方向により小型化およびコンパクト化することができる。また、支持部材の内部に大きな空間が形成されるので、小型化およびコンパクト化を妨げることなく、種々の構成要素を内部の空間に設けることができる。
【0012】
また、ノズル装置が水平方向に対して40度から50度の範囲内で斜め下方に傾斜するので、人体の被洗浄部に噴出された洗浄水の跳ね返りがノズル装置にかかることが防止される。したがって、ノズル装置を清潔に保つことができる。さらに、ノズル装置の表面に付着した水分が自重で流れ落ちやすくなるとともに、ノズル装置内の残水が自重で排出されやすくなる。したがって、冬季にノズル装置の表面に付着した水分またはノズル装置内の残水が凍結することが防止される。
【0013】
支持部材の斜面部と底面部とがなす角度は45度であってもよい。この場合、支持部材の底面部、斜面部および背面部が直角三角形を形成する。それにより、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットを前後方向および垂直方向に最も小型化およびコンパクト化することが可能になる。また、支持部材の内部により大きな空間が形成されるので、小型化およびコンパクトを妨げることなく、種々の構成要素を内部の空間に設けることができる。
【0014】
支持部材の底面部、斜面部および背面部により囲まれる内部空間に、ノズル装置を斜面部に沿った方向に移動させるための位置調整用モータが設けられてもよい。
【0015】
この場合、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットを大型化することなくユニット内に位置調整用モータを設けることができる。それにより、ノズル装置の前後方向における位置調整を行うことができる。また、ノズル装置を前後移動させながら洗浄水を噴出させることができる。したがって、衛生洗浄装置の小型化およびコンパクト化を図りつつノズル装置の多機能化を図ることができる。
【0016】
流路切替弁は、支持部材の側部に設けられてもよい。この場合、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットの前後方向および垂直方向における小型化およびコンパクト化が妨げられない。
【0017】
流路切替弁は、複数の流路に連通する複数の洗浄水出口を有する第1の部材と、第1の部材に相対的に回動可能に設けられ、洗浄水を受け入れる洗浄水入口ならびに複数の洗浄水出口のいずれかに対向可能な孔部を有する第2の部材と、第2の部材を第1の部材に相対的に回動させる切替用モータとを含んでもよい。
【0018】
この場合、第2の部材を第1の部材に相対的に回動させることにより、第2の部材の孔部が第1の部材の第1および第2の洗浄水出口のいずれかに対向する。第2の部材の孔部が第1の部材の第1の洗浄水出口に対向した場合には、第2の部材の洗浄水入口に供給された洗浄水が第2の部材の孔部を通って第1の部材の第1の洗浄水出口から第1の経路に供給される。また、第2の部材の孔部が第1の部材の第2の洗浄水出口に対向した場合には、第2の部材の洗浄水入口に供給された洗浄水が第2の部材の孔部を通って第1の部材の第2の洗浄水出口から第2の経路に供給される。
【0019】
このように、第1の部材に対する第2の部材の回動により流路を切り替えることができるので、流路切替弁の小型化およびコンパクト化が図られる。それにより、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットの小型化およびコンパクト化が図られる。
【0020】
ノズル装置は、斜面部上に傾斜して延びる第1のノズル本体を含み、第1のノズル本体の下端部の上面に洗浄水を噴出する第1の噴出孔が設けられてもよい。
【0021】
この場合、斜面部上に傾斜して延びる第1のノズル本体の下端部の第1の噴出孔から洗浄水が斜め上方に噴出される。それにより、第1のノズル本体から噴出された洗浄水が斜め下方から人体の被洗浄部に当たるので、洗浄水の跳ね返りがノズル装置にかかることが防止される。したがって、ノズル装置を清潔に保つことができる。
【0022】
第1のノズル本体は、複数の流路のうち第1および第2の流路を内蔵し、第1の噴出孔は第1および第2の流路に連通してもよい。
【0023】
この場合、第1のノズル本体の第1の流路に流れる洗浄水と第2の流路に流れる洗浄水とが第1の噴出孔において合流して噴出される。したがって、第1の流路に流れる洗浄水の流量および第2の流路に流れる洗浄水の流量の比率を制御することにより、第1の噴出孔から噴出される洗浄水の噴出形態を変化させることが可能となる。したがって、ノズル装置を大型化することなく、使用者の嗜好または体調に応じて種々の洗浄感および洗浄力を得ることができる。
【0024】
第1のノズル本体は、第1の流路の洗浄水に回転力を作用させる回転力付与手段をさらに含んでもよい。
【0025】
この場合、第1の流路の洗浄水に回転力が作用することにより第1の流路に供給された洗浄水が旋回流となり、第2の流路に供給された洗浄水が直線流となり、旋回流と直線流とが第1の噴出孔において合流して噴出される。第1の流路に流れる洗浄水の流量および第2の流路に流れる洗浄水の流量の比率を制御することにより、第1の噴出孔から噴出される洗浄水の広がり角度を変化させることができ、洗浄面積および洗浄感を変化させることが可能となる。したがって、ノズル装置を大型化することなく、使用者の嗜好または体調に応じて種々の洗浄感および洗浄力を得ることができる。
【0026】
第1のノズル本体は、洗浄水を収容する第1のシリンダ部と、第1の噴出孔を有しかつ第1のシリンダ部内に移動可能に挿入された第1のピストン部とを含み、供給される洗浄水の圧力により第1のピストン部が第1のシリンダ部から斜面部に沿って斜め下方に突出してもよい。
【0027】
この場合、第1のノズル本体に供給される洗浄水が第1のシリンダ部内に収容され、洗浄水の圧力により第1のピストン部が所定の洗浄位置まで第1のシリンダ部から突出する。それにより、衛生洗浄装置を大型化することなく非洗浄時に汚物が第1のノズル本体に付着することが防止される。また、洗浄水の圧力により第1のシリンダ部内から第1のピストン部が突出するため、モータ等の他の駆動装置を必要とせず、構造が簡素化する。したがって、衛生洗浄装置の小型化および低コスト化を実現することができる。特に、第1のピストン部が斜面部に沿って斜め下方に突出する際に洗浄水の圧力に第1のピストン部の自重が加わるので、第1のピストン部の突出時間が短縮される。
【0028】
ノズル装置は、斜面部上に第1のノズル本体に並列に設けられる第2のノズル本体をさらに含み、第2のノズル本体の下端部の上面に洗浄水を噴出する第2の噴出孔が設けられてもよい。
【0029】
この場合、支持部材の斜面上に第1のノズル本体および第2のノズル本体が並列に設けられるので、ノズル装置が第1および第2のノズル本体を有する場合でも、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットの小型化およびコンパクト化が妨げられない。また、斜面部上に傾斜して延びる第2のノズル本体の下端部の第2の噴出孔から洗浄水が斜め上方に噴出される。それにより、第2のノズル本体から噴出された洗浄水が斜め下方から人体の被洗浄部に当たるので、洗浄水の跳ね返りがノズル装置にかかることが防止される。したがって、ノズル装置を清潔に保つことができる。
【0030】
第2のノズル本体は、複数の流路のうち第3の流路を内蔵し、第3の流路は第2の噴出孔に連通してもよい。
【0031】
この場合、第2のノズル本体の第3の流路に供給された洗浄水が第2のノズル本体の下端部の上面に設けられた第2の噴出孔から噴出される。
【0032】
第2のノズル本体は、洗浄水を収容する第2のシリンダ部と、第2の噴出孔を有しかつ第2のシリンダ部内に移動可能に挿入された第2のピストン部とを含み、供給される洗浄水の圧力により第2のピストン部が第2のシリンダ部から斜面部に沿って斜め下方に突出してもよい。
【0033】
この場合、第2のノズル本体に供給される洗浄水が第2のシリンダ部内に収容され、洗浄水の圧力により第2のピストン部が所定の洗浄位置まで第2のシリンダ部から突出する。それにより、衛生洗浄装置を大型化することなく非洗浄時に汚物が第2のノズル本体に付着することが防止される。また、洗浄水の圧力により第2のシリンダ部内から第2のピストン部が突出するため、モータ等の他の駆動装置を必要とせず、構造が簡素化する。したがって、衛生洗浄装置の小型化および低コスト化を実現することができる。特に、第2のピストン部が斜面部に沿って斜め下方に突出する際に洗浄水の圧力に第2のピストン部の自重が加わるので、第2のピストン部の突出時間が短縮される。
【0034】
第1のノズル本体の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されてもよい。この場合、第1のノズル本体の外周面に付着した洗浄水が溝部に沿って流れ落ちる。それにより、洗浄水が第1のノズル本体の外周面に長時間にわたって滞留することが防止される。
【0035】
ノズル装置は、第1および第2のノズル本体上に設けられる第3のノズル本体をさらに含み、第3のノズル本体の下面側に第1および第2のノズル本体に洗浄水を噴出する第3の噴出孔が設けられてもよい。
【0036】
この場合、第3のノズル本体の下面側の第3の噴出孔から第1および第2のノズル本体に洗浄水が噴出される。それにより、ノズル装置を大型化することなく、第1および第2のノズル本体を洗浄することが可能となる。
【0037】
第3のノズル本体は、複数の流路のうち第4の流路を内蔵し、第4の流路は第3の噴出孔に連通してもよい。
【0038】
この場合、第3のノズル本体の第4の流路に供給された洗浄水が第3のノズル本体の第3の噴出孔から噴出される。
【0040】
ポンプは、加圧部材を収容するポンプケーシングと、加圧部材を駆動するための駆動用モータとを含み、駆動用モータは、支持部材の背面部の後部に設けられ、ポンプケーシングは、支持部材の側部に設けられてもよい。
【0041】
この場合、ポンプの駆動用モータが支持部材の背面部の後部に設けられ、ポンプケーシングが支持部材の側部に設けられるので、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットの垂直方向における小型化およびコンパクト化が妨げられない。
【0042】
ポンプは、弾性体を介して支持部材に取り付けられてもよい。この場合、ポンプの振動が支持部材、ノズル装置および流路切替弁に伝わることが防止される。そのため、簡単な構成で衛生洗浄装置の振動および騒音を低減することが可能となる。
【0043】
ポンプは、洗浄水を受け入れる給水口有し、給水口上方を向くように設けられてもよい。
【0044】
ポンプの内部に気泡が発生した場合でも、その気泡が給水口からも容易に抜け出すことができ、ポンプの内部に気泡が滞留しない。それにより、気泡によるポンプの圧力の緩衝が防止され、洗浄力および洗浄感が低下しない。また、ポンプの給水口ホースを脱着する作業が容易になる。
【0045】
便座部と、便座部の後部に設けられた本体支持部と、本体支持部上に取り付けられる本体ケーシングとをさらに備え、支持部材は、本体ケーシング内で本体支持部に2点で固定されてもよい。
【0046】
この場合、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁からなるユニットが本体ケーシング内で本体支持部に2点で固定されるので、ユニットを本体ケーシング内の本体支持部に取り付ける際の工数が削減され、低コスト化が図られる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る衛生洗浄装置について説明する。
【0048】
図1は本実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0049】
図1に示すように、便器600上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0050】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0051】
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部200のケーシング202内には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御も行う。
【0052】
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301a,301b,301c、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備える。
【0053】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0054】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。マッサージスイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。パワースイッチ309を押下操作することによりノズル部30から多量の洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0055】
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
【0056】
調整スイッチ302は、水勢調整スイッチ302a,302b、温度調整スイッチ302c,302dおよびノズル位置調整スイッチ302e,302fを含む。
【0057】
使用者が、噴出形態調整スイッチ302e,302fを押下操作することにより図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30より噴出される洗浄水の噴出形態が変化し、温度調整スイッチ302c,302dを押下操作することによりノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化する。また、水勢調整スイッチ302a,302bを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の水勢(圧力)が変化する。水勢調整スイッチ302a,302bの押下にともなって複数のLED(発光ダイオード)301aが点灯し、温度調整スイッチ302c,302dの押下にともなって複数のLED(発光ダイオード)301cが点灯し、噴出形態調整スイッチ302e,302fの押下にともなって複数のLED(発光ダイオード)301bが点灯する。
【0058】
以下、本実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0059】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,12b、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0060】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されている。
【0061】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0062】
また、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、逃がし水配管205が接続されている。定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0063】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0064】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0065】
ポンプ13、切替弁14およびノズル部30は、後述する支持部材により一体的な噴出ユニット190として形成されている。この噴出ユニット190の詳細については後述する。
【0066】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基づいて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。また、切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部30より噴出される洗浄水の流量を調整する。それにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の流量が変化する。
【0067】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる測定流量値および温度センサ12a,12bから与えられる温度測定値に基づき止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0068】
図4は噴出ユニット190を説明するための斜視図であり、図5は噴出ユニット190の組み立て図である。
【0069】
図4に示すように、噴出ユニット190は、ポンプ13、切替弁14、ノズル部30および支持部材205から構成される。
【0070】
支持部材205は、底面部202、斜面部203および背面部204から構成される。また、支持部材205の斜面部203は、底面部202に対して45度の角度傾斜して設けられており、背面部204は、底面部202に対して垂直に設けられている。また、斜面部203の一側部には、係止部212,213が形成されており、背面部204の後部には略半円筒状の係止部210,211が形成されている。支持部材205は、可撓性を有するプラスチックにより一体形成される。
【0071】
図4に示すように、ノズル部30のおしりノズル1およびビデノズル2は、並列に設けられ、その上面にノズル洗浄ノズル3が設けられている。ノズル部30は、支持部材205の斜面部203に沿って取り付けられている。この斜面部203およびノズル部30の詳細については後述する。
【0072】
図5に示すように、支持部材205の斜面部203の両側辺には、垂直上方向に延びる壁222が形成され、その壁222に斜面部203と平行に延びる凹溝部221が形成されている。一方、ノズル部20のおしりノズル1およびビデノズル2の外周面には、突起部220が形成されている。支持部材205の壁222に形成された凹溝部221に突起部220が嵌合する。それにより、ノズル部30が支持部材205の斜面部203と平行に摺動可能に保持される。
【0073】
また、ポンプ13は、モータ130およびポンプケーシング610により構成される。なお、ポンプ13の構成の詳細については後述する。ポンプ13のモータ130の外周面に緩衝部材であるスポンジ130aが両面粘着テープにより貼着される。スポンジ130aが貼着されたポンプ13のモータ130は、背面部204の後部の係止部210,211により形成された略円筒状の空間に嵌挿される。スポンジ130aの働きにより、モータ130の振動および騒音が低減される。また、ポンプ13のポンプケーシング610が支持部材205の側部に設けられる。後述するポンプ13の吐出ポート55aおよび吸引ポート55bは、上方に向けて配設される。これにより、ポンプ13の内部に気泡が発生しても吐出ポート55aおよび吸引ポート55bから容易に抜け出すことができポンプ13の内部に気泡が滞留しない。また、熱交換器11からの配管(図示せず)および切替弁14への配管の接続が行い易い。
【0074】
さらに、切替弁14は、係止部212に保持されるとともに、切替弁14の外筒143と係止部213とがねじ締結される。このように、切替弁14は支持部材205のポンプ13と同じ側部側に設けられるため、小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0075】
さらに、図6は噴出ユニット190に進退動作用モータをさらに組み込んだ状態を示す側面図である。
【0076】
図6に示すように、進退動作用モータ250は、支持部材205の底面部202、斜面部203および背面部204に囲まれた三角形状の空間内に配設される。また、進退動作用モータ250の軸には、ピニオンギア251が取り付けられている。おしりノズル1のシリンダ部21の外周の下面にラックギア252が形成されている。ピニオンギア251は、ラックギア252に噛合う。
【0077】
図6に示すように、進退動作用モータ250の軸が回転することによりピニオンギア251が矢印Zの方向に回転する。それにより、ラックギア252が矢印Xの方向に移動する。その結果、ノズル部30が支持部材205の斜面部203に沿った斜め下方向に移動する。
【0078】
一方、進退動作用モータ250の軸が逆回転し、ピニオンギア251が矢印Zと逆方向に回転した場合、ラックギア252が矢印Xの方向と逆方向に移動する。その結果、ノズル部30は支持部材205の斜面部203に沿って斜め上方向に移動する。
【0079】
このように、おしりノズル1およびビデノズル2を移動させながら洗浄水を噴出させることができる。したがって、衛生洗浄装置の小型化およびコンパクト化を維持しつつ、多機能化を図ることができる。
【0080】
次に、図7は噴出ユニット190を本体部200の支持部材201に取り付ける状態を示す斜視図である。
【0081】
図7に示すように、噴出ユニット190は、本体部200の支持部材201に取り付けられる。この場合、背面部204の後部に設けられた係止部210の固定部201aが本体部200の支持部材201の保持部201bにねじ締結される。このとき、可撓性を有する係止部210が下方向に曲がり、ポンプ13が固定される。
【0082】
また、支持部材201には、階段状の支持部202aが設けられている。支持部材205の底面部202は、支持部材201の支持部202aに嵌合するように階段状に形成されている。さらに、支持部材205の斜面部203の一側部には、固定部203aが設けられており、固定部203と支持部材201の保持部203bとがねじ締結される。
【0083】
このように、噴出ユニット190と本体部200の支持部材201とは、固定部201a,203aおよび保持部201a,203aの2点でねじ締結されるため、噴出ユニット190を本体支持部材201内に取り付ける際の工数が削減される。それにより、低コスト化を図ることができる。さらに、上記の2点支持に底面部202の階段状の支持を加えることで、3点支持と同等の安定性を得ることができる。
【0084】
また、支持部材205によりノズル部30、ポンプ13および切替弁14を噴出ユニット190として一体的に取り扱うことができるので、衛生洗浄装置の組み立て性の向上が図られるとともに検査工程が容易になる。
【0085】
図8は支持部材205を説明するための模式図である。図8(a)は支持部材205の底面部202と斜面部203とがなす角度が35度の場合を示し、図8(b)は底面部202と斜面部203とがなす角度が45度の場合を示す。
【0086】
まず、図8(a)および(b)に示す底面部202の長さLは、衛生洗浄装置の本体部200の大きさにより制限されている。
【0087】
図8(a)に示す支持部材205の底面部202と斜面部203とがなす角度が35度の場合に比べて図8(b)に示す底面部202と斜面部203とがなす角度が45度の場合には、底面部202、斜面部203および背面部204により形成される直角三角形の面積が大きくなる。
【0088】
それにより、支持部材205の内部に最大の空間が形成されるので、小型化およびコンパクト化を妨げることなく、各種の構成要素を内部の空間に設けることができる。
【0089】
図8(a)に示すように、底面部202と斜面部203とがなす角度が35度の場合、斜面部203の長さがノズル部30のおしりノズル1の長さに近づくためノズル部30の後方に空き空間が形成されない。これに対して、図8(b)に示すように、底面部202と斜面部203とがなす角度が45度の場合、斜面部203の長さがノズル部30のおしりノズル1の長さよりも大きくなるため、おしりノズル1の後方に空き空間βが形成される。そのため、空き空間βに図5に示すように、ポンプ13のモータ130を配設することができる。
【0090】
さらに、図8(a)に示すように、ノズル30のおしりノズル1が水平方向に対して35度で斜め下方に傾斜している場合、人体の被洗浄面SHに対して矢印Z1で示すように、ほぼ垂直に洗浄水が噴出されるので、矢印Y1の方向に洗浄水が跳ね返り、おしりノズル1に再付着する場合がある。
【0091】
一方、図8(b)に示すように、ノズル30のおしりノズル1が水平方向に対して45度で斜め下方に傾斜している場合、人体の被洗浄面SHに対して矢印Z2で示すように垂直よりも小さい角度で洗浄水が噴出されるので、矢印Y2の方向に洗浄水が跳ね返っても、おしりノズル1に再付着する可能性が低くなる。したがって、おしりノズル1を清潔に保つことができる。さらに、おしりノズル1の表面に付着した水分が自重で流れ落ちやすくなるとともに、おしりノズル1内の残水が自重で排出されやすくなる。したがって、冬季におしりノズル1に付着した水分またはおしりノズル1内の残水が凍結することが防止できる。
【0092】
さらに、おしりノズル1のピストン20に働く重力の斜面部203に沿った方向の成分が大きくなるため、シリンダ部21内からピストン部20が突出する時間を短くすることができる。
【0093】
なお、本実施の形態においては、おしりノズル1が水平方向に対して45度で斜め下方に傾斜することとしたが、これに限定されず、おしりノズル1が水平方向に対して斜め下方に傾斜する傾き角度は、40度〜50度が好ましく、45度がより好ましい。
【0094】
次に、本実施の形態に係るポンプ13について図9〜図18に基づき説明する。図9は本実施の形態に係るポンプ13の構成を示す模式的断面図である。図10は図9に示すポンプ13のA−A線断面図である。図11は図9に示すポンプ13のB−B線断面図である。
【0095】
図9および図10によれば、ポンプ13は、外観上モータ130およびケース50a,50b,50cにより構成されている。なお、図10に示すようにケース50a,50cにより第1の筐体60Aが形成され、ケース50a,50b,50cにより第2の筐体60Bが形成されている。なお、ケース50aには吐出ポート55aおよび吸引ポート55bが設けられている。さらに、図5のポンプケーシング610は、第1の筐体60Aおよび第2の筐体60Bからなる。
【0096】
図9によればモータ130の軸131は、第1の筐体60Aの一側面より第1の筐体60Aの内部に挿入され、軸131に後述のウォーム132が取り付けられている。第1の筐体60Aの内部には、ウォーム132と連動するウォームホイール133が軸134により回転可能に取り付けられている。ウォームホイール133は偏心輪(クランク軸)135を有し、ウォームホイール133の偏心輪135にはピストンロッド136が取り付けられている。ピストンロッド136の上端部は、第2の筐体60B内部において、ピストン137にピン59を介して取り付けられている。
【0097】
第1の筐体60Aを形成するケース50aの底面には、第1の筐体60A内部に流入する液体を外部に排出するために水抜き孔awが設けられている。
【0098】
上記に示すポンプ13の主な構成部位の材質は、以下の通りである。ケース50a,50cの材質は、ABS樹脂(acrylonitrile butadiene styrene resin)であり、ケース50b、ウォーム132、ウォームホイール133およびピストン137の材質はポリアセタールであり、ウォームホイール133に設けられる偏心輪135の材質はポリアセタールであり、ピストンロッド136材質はポリアミドである。
【0099】
図9および図10によれば、第2の筐体60B内部には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には、ピストン137が設けられている。ピストン137の外周部には、X字パッキン138が装着されている。ピストン137により円柱状空間139には、ポンプ室139aが形成される。
【0100】
図9〜図11によれば、ポンプ室139aには、洗浄水吐出口51aおよび洗浄水吸引口51bが設けられている。ポンプ室139aは、洗浄水吐出口51a、ケース50bに設けられた洗浄水導水路51x、弁シート52および吐出ポート55a内に形成された洗浄水導水路54aを介してポンプ13の外部と連通可能である。
【0101】
さらに、ポンプ室139aは、洗浄水吸引口51b、ケース50bに設けられた洗浄水導水路51y、弁シート52および吸引ポート55b内に形成された洗浄水導水路54bを介してポンプ13の外部と連通可能である。ケース50aとケース50bとの接続状態については後述する。
【0102】
上記に示す吐出ポート55aおよび吸引ポート55bには、外部より洗浄水を吸引または吐出するためのチューブが連結される。このため、吐出ポート55aおよび吸引ポート55bの先端はニップル形状を有する。これにより、吐出ポート55aおよび吸引ポート55bに連結されるチューブが強固に固定される。
【0103】
ここで、図11〜図13に基づきケース50aとケース50bとの接続状態について説明する。図12は弁シート52の外観斜視図である。図13はケース50a,50bおよび弁シート52の模式的組み立て図である。
【0104】
図11によれば、ケース50aとケース50bとは、弁シート52を介して接続されている。初めに、図12に基づき弁シート52について説明する。
【0105】
弁シート52は、可動リップ部52aおよび固定シール部52bより形成される。ここで、可動リップ部52aは弁シート52の一部が馬蹄形に打ち抜かれることにより半楕円形状に形成され、弁シート52の中心に関して左右対称に形成されている。固定シール部52bは、弁シート52の可動リップ部52aを除いた部位を示す。
【0106】
弁シート52の材質は、NBR(アクリルニトリルブタジエンゴム:acrylonitrile butadiene rubber)である。また、本実施の形態においては弁シート52の厚さは0.5mmである。
【0107】
上記に示す弁シート52を介して、ケース50aおよびケース50bは次のように接続される。
【0108】
図13に示すように、ケース50aのケース50bとの接続面には、溝状に形成された弁シート保持部53a、洗浄水吐出口56aおよび洗浄水吸引口56bが設けられている。洗浄水吐出口56aおよび洗浄水吸引口56bは、弁シート保持部53aの内部に左右対称に設けられている。また、ケース50bのケース50aとの接続面には、突起状に形成された弁シート保持部53b、洗浄水吐出口56aおよび洗浄水吸引口56bが設けられている。洗浄水吐出口56aおよび洗浄水吸引口56bは、弁シート保持部53bの内部に左右対称に設けられている。
【0109】
ケース50aにおいて、洗浄水吐出口56aの周辺には空間53kが設けられており、洗浄水吸引口56bの周辺には、弁座53が設けられている。ケース50bにおいては、洗浄水吐出口56aの周辺に弁座53が設けられ、洗浄水吸引口56bの周辺に空間53kが設けられている。
【0110】
図13に示すように、ケース50aのケース50bとの接続面の一角を角pとし、角pの対角に位置する他の角を角qとし、ケース50bのケース50aとの接続面の一角を角rとし、角rの対角に位置する他の角をsとした場合、ケース50bの角rはケース50aの角pに接続され、ケース50bの角sはケース50aの角qに接続される。なお、ケース50aおよびケース50bの弁シート保持部53a,53bの間には弁シート52が挿入される。
【0111】
以下の説明において、洗浄水吐出口51aおよび洗浄水導水路51x,54aを洗浄水吐出系とし、洗浄水吸引口51bおよび洗浄水導水路51y,54bを洗浄水吸引系とする。
【0112】
図11によれば、弁シート52の中央部および両端部に位置する固定シール部52bは、ケース50aの弁シート保持部53aおよびケース50bの弁シート保持部53bにより形成される間隙L1に保持されている。
【0113】
本実施の形態において、間隙L1の間隔は0.4mmである。この間隙L1に、上述の厚さ0.5mmの弁シート52の固定シール部52bが保持されることにより、洗浄水吐出系と洗浄水吸引系とが確実に分離される。
【0114】
弁シート52を中央部を境に洗浄水吐出系側と洗浄水吸引系側とに分けた場合、弁シート52の洗浄水吐出系側の可動リップ部52aはケース50bに設けられた弁座53と接触している。一方、弁シート52の洗浄水吸引系側の可動リップ部52aは、ケース50aに形成された弁座53と接触している。
【0115】
弁シート52の可動リップ部52aは、ポンプ室139a内部の圧力状態に応じて、洗浄水吐出系および洗浄水吸引系の各流路の開閉動作を行う。つまり、ポンプ室139a内部の圧力が高い場合、洗浄水吐出系側の可動リップ部52aは矢印mの方向に曲折し、ポンプ室139a内部の圧力が低い場合、洗浄水吸引系側の可動リップ部52aは矢印nの方向に曲折する。
【0116】
図14は図9のポンプ13のウォームホイール133の構造を示す模式的構造図である。ここで、図14(a)は、ウォームホイール133の偏心輪135側の一側面を示す模式図であり、図14(b)は、図14(a)に示すウォームホイール133のC−C線断面図である。また、図14(c)は、ウォームホイール133の他側面を示す模式図である。
【0117】
図14(a)において、ウォームホイール133は、その回転中心に軸保持孔33cを有し、回転中心から偏心して偏心輪135が設けられている。ここで、偏心輪135には、グリス収納部33aおよびスリット33bが設けられている。
【0118】
ポンプ13の稼動時において、グリス収納部33a内にグリスが収納されている場合、グリス収納部33aに収納されているグリスは、ウォームホイール133の回転とともに遠心力によりスリット33bから外部へ漏脱する。そして、漏脱したグリスは、偏心輪135のピストンロッド136との摺動部34aに浸透する。これにより、偏心輪135とピストンロッド136との間に生じる摩擦係数が減少する。
【0119】
さらに、ポンプ13の稼動時において、グリス収納部33aに収納されているグリスは、軸保持孔33cに取り付けられる軸134に常に接触しているので、軸保持孔33cの軸134との摺動部34bに浸透する。これにより、軸保持孔33cと軸134との間に生じる摩擦係数が減少する。
【0120】
図14(b)によれば、上述のグリス収納部33aは、偏心輪135内部に形成されている。一方、ウォームホイール133の他側面には、グリス収納部33dが形成されている。ポンプ13の稼動時において、グリス収納部33d内部にグリスが収納されている場合、グリス収納部33dに収納されているグリスは、ウォームホイール133のケース50aとの摺動部34cに浸透する。これにより、ウォームホイール133とケース50aとの間に生じる摩擦係数が減少する。
【0121】
図14(c)によれば、ウォームホイール133の他側面において、上述のグリス収納部33dは、ウォームホイール133の回転中心から同心円状に形成されている。
【0122】
図15は図9のウォーム132の形状を示す模式図である。ここで図15(a)はウォーム132の一側面を示す模式図であり、図15(b)は図15(a)に示すウォーム132を矢印Vの方向より見た場合の模式図である。
【0123】
図15(a)および図15(b)によれば、ウォーム132は、3本の歯32a,32b,32cを有している。そして、3本の歯32a,32b,32cは、それぞれらせん状に形成されている。これにより、ウォーム132が回転することによりウォームホイール133に与えられる動力伝達効率が向上する。
【0124】
なお、図9に示す通りウォーム132の一端は図9に示すモータ130の軸131に保持され、ウォーム132の他端に設けられた回転保持部32Hは、ポンプ13のケース50aの一部に回転可能に取り付けられる。
【0125】
図16は図9のウォーム132の動作に伴うピストンロッド136の動作を示す動作説明図である。以下の説明において、図16に示すように偏心輪135内の軸134と対向する点を点Paとする。
【0126】
図16(a)において、ウォーム132はモータ130の駆動により矢印R1の方向に回転を開始する。そして、ウォーム132の回転に応じてウォームホイール133は矢印R2の方向に回転を開始する。さらに、偏心輪135内の点Paは矢印R3の方向に回転を開始する。なお、矢印R3はウォームホイール133の回転中心から点Paまでの距離を半径とした円上に存在する。
【0127】
図16(b)において、ウォーム132がモータ130の駆動により矢印R1の方向に回転し、ウォームホイール133を矢印R2の方向に90度回転させた場合、偏心輪135内の点Paは矢印R3の方向に90度回転する。この回転動作が継続されることにより、偏心輪135内の点Paは軸134を中心に360度回転する。これにより、偏心輪135に取り付けられたピストンロッド136のピストン連結部159は矢印Zの方向に上下運動する。
【0128】
以下に、図17に基づきポンプ13の動作を説明する。図17は、ポンプ13の動作を示す模式的断面図である。以下の説明において、図17に示すように円柱状空間139内部のピストン137の移動可能な上端を上死点K1とし、下端を下死点K2とする。
【0129】
図17(a1)は稼動開始時におけるポンプ13の内部状態を示し、図17(a2)は図17(a1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0130】
図17(a1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて稼動を開始する。ウォーム132は矢印R1の方向に回転を開始し、ウォームホイール133は矢印R2の方向に回転を開始する。ここで、ポンプ13の稼動開始時において、偏心輪135内の点Paは軸134の上方に位置し、ピストン137は円柱状空間139内の上死点K1に位置する。図17(a2)に示す通り、ポンプ13の稼動開始時にポンプ室139a内部に流体の流れは存在しない。
【0131】
図17(b1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を下降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図17(b2)は図17(b1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0132】
図17(b1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の左側に移動し、円柱状空間139の内部でピストン137は上死点K1より下降する。
【0133】
円柱状空間139内でのピストン137の下降に伴い、ポンプ室139aの容積は増大し、ポンプ室139a内の圧力が低下する。図17(b2)によれば、ポンプ室139a内の圧力の低下に伴い、弁シート52の洗浄水吸引系側の可動リップ部52aがケース50b側に曲折している。これにより、供給用洗浄水W1が吸引ポート55bより洗浄水吸引系を介してポンプ室139a内部に導入される。
【0134】
図17(c1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内の下死点K2に位置した場合のポンプ13の内部状態を示し、図17(c2)は図17(c1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0135】
図17(c1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作を停止する。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の下側に移動し、円柱状空間139の内部でピストン137は下死点K2に移動する。この状態で、ピストン137は下降動作を停止し、図17(c2)に示す通り、ポンプ室139a内部に流体の流れは存在しない。
【0136】
図17(d1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を上降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図17(d2)は図17(d1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0137】
図17(d1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吐出動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の右側に移動し、円柱状空間139の内部でピストン137は下死点K2より上昇する。
【0138】
円柱状空間139内でのピストン137の上昇に伴い、ポンプ室139aの容積は減少し、ポンプ室139a内の圧力が上昇する。図17(d2)によれば、ポンプ室139a内の圧力の上昇に伴い、弁シート52の洗浄水吐出系側の可動リップ部52aがケース50a側に曲折している。これにより、ポンプ室139a内部の吐出用洗浄水W2が、洗浄水吐出系より吐出ポート55aを介してポンプ13の外部へ吐出される。
【0139】
図18は図9のポンプ13のポンプ室139aの圧力変化を示す図である。図18の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0140】
図18に示すように、ポンプ13の吸引ポート55bに圧力Pxの洗浄水が供給される。この場合、図9のピストン137が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力が変化する。それにより、ポンプ13の吐出ポート55aより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pkを中心として上下に周期的に変化する。
【0141】
このように、ポンプ13においては、ピストン137が上下運動を行うことにより、ポンプ室139a内の洗浄水に対して圧力が加えられ、吸引ポート55bより導入された供給用洗浄水が昇圧されて吐出ポート55aから吐出用洗浄水として吐出される。
【0142】
図9〜図18のポンプ13によれば、小型で高圧を発生することができる。したがって、ポンプ13を用いることにより噴出ユニット190の小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0143】
次に、図19(a)は切替弁14の縦断面図であり、図19(b)は図19(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図19(c)は図19(a)の切替弁14のB−B線断面図であり、図19(d)は図19(a)の切替弁14のC−C線断面図である。
【0144】
図19に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
【0145】
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基づいて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0146】
図19(a),(b),(c),(d)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143c,143dと異なる位置に洗浄水出口143eが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142f,142gが設けられている。孔142e,142fの周辺には、図19(b),(c)に示すように、曲線および直線で構成される面取り部が形成され、孔142gの周辺には、図19(d)に示すように、直線で構成される面取り部が形成されている。
【0147】
内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっており、孔142gが外筒143の洗浄水出口143eと対向可能になっている。
【0148】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、おしりノズル1の第1の流路が接続され、洗浄水出口143cには、おしりノズルの第2の流路が接続され、洗浄水出口143eには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0149】
図20は図19の切替弁14の動作を示す断面図である。
図20(a)〜(f)は切替弁14のモータ141がそれぞれ0度、90度、135度、180度、225度および270度回転した状態を示す。
【0150】
まず、図20(a)に示すように、モータ141を回転させない(0度)場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0151】
次に、図20(b)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143eに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143eから流出する。
【0152】
次いで、図20(c)に示すように、モータ141が内筒142を135度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143eに対向するとともに、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2および矢印W3で示すように洗浄水出口143c,143eから流出する。
【0153】
次に、図20(d)に示すように、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3で示すように洗浄水出口143cから流出する。
【0154】
次に、図20(e)に示すように、モータ141が内筒142を225度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向するとともに、内筒142の孔142fの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3および矢印W4で示すように洗浄水出口143c,143dから流出する。
【0155】
また、図20(f)に示すように、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142fの周囲の面取り部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W4で示すように洗浄水出口143dから流出する。
【0156】
以上のように、制御部4からの制御信号に基づいてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142f,142gのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143eに対向し、洗浄水入口143aから流入した洗浄水が洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出する。
【0157】
図21は図20の切替弁14の洗浄水出口143c,143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量および洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量を示す図である。図21の横軸はモータ141の回転角度を示し、縦軸は洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を示す。また、実線Q1が洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、一点鎖線Q2が洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、二点鎖線Q3が洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量の変化を示し、破線Q4が洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量の変化を示す。
【0158】
例えば、図21に示すように、モータ141が回転しない場合(0度)、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度が大きくなるとともに洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が減少し、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が増加する。
【0159】
次いで、モータ141が90度回転した場合、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が減少し、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が増加する。
【0160】
続いて、モータ141が180度回転した場合、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が減少し、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が増加する。
【0161】
続いて、モータ141が270度回転した場合、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が減少し、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が増加する。
【0162】
以上のように、制御部4が切替弁14のモータ141の回転角度を制御することにより洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を制御することができる。さらに、切替弁14のモータ141の回転角度がいかなる場合でも、洗浄水出口142e,142f,142gのいずれかまたはそれらの周囲の面取り部(凹部)が洗浄水出口143b〜143eのいずれかに対向するので、洗浄水の流路が閉塞されず、洗浄水入口143aから供給された洗浄水は、洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出される。
【0163】
図19〜図21の切替弁14によれば、小型で容易に各洗浄水出口からの洗浄水の流量を調整することができる。したがって、切替弁14を用いることにより噴出ユニット190の小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0164】
次に、図3のノズル部30について説明する。図22は図3のノズル部30および切替弁14の模式的断面図である。
【0165】
図22に示すように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dは、おしりノズル1に接続され、切替弁14の洗浄水出口143bはビデノズル2に接続され、切替弁14の洗浄水出口143eはノズル洗浄ノズル3に接続される。
【0166】
まず、おしりノズル1の構成について説明し、次いで、ビデノズル2の構成について説明し、最後にノズル洗浄ノズル3の構成について説明する。
【0167】
おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22a,22bおよびスプリング23により構成される。
【0168】
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26a,26bが設けられている。また、ストッパ部26a,26bには、それぞれシールパッキン22a,22bが装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する第1の流路27aが形成され、ストッパ部26aとストッパ部26bとの間におけるピストン部20の周面から噴出孔25に連通する第2の流路27bが形成されている。また、噴出孔25の周囲には、円筒状渦室29が形成されており、第1の流路27aと円筒状渦室29との間には、縮流部31が介挿されている。
【0169】
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と中間の径を有する中間部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と中間部分との間に、ピストン部20のストッパ部26aがシールパッキン22aを介して当接可能なストッパ面21cが形成され、中間部分と径大部分との間に、ピストン部20のストッパ部26bがシールパッキン22bを介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24aが設けられ、シリンダ部21の中間部分の周面には、洗浄水入口24bが設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24aは、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24aは、切替弁14の洗浄水出口143dに接続され、洗浄水入口24bは、切替弁14の洗浄水出口143cに接続されている。ピストン部20がシリンダ部21より最も突出した場合に、洗浄水入口24bは、第2の流路27bと連通する。この洗浄水入口24bが第2の流路27bと接続する詳細については後述する。
【0170】
ピストン部20は、ストッパ部26bが温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されている。
【0171】
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26aとシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
【0172】
ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の下面の溝20Gとシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0173】
次に、ビデノズル2は、円筒状のピストン部20e、円筒状のシリンダ部21e、シールパッキン22eおよびスプリング23eにより構成される。
【0174】
ピストン部20eの先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25eが形成されている。ピストン部20eの後端には、フランジ形状のストッパ部26eが設けられている。また、ストッパ部26eには、シールパッキン22eが装着されている。ピストン部20eの内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27eが形成されている。また、噴出孔25eの周囲には、円筒状渦室29eが形成されている。
【0175】
一方、シリンダ部21eは、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ピストン部20eのストッパ部26eがシールパッキン22eを介して当接可能なストッパ面21fが形成されている。シリンダ部21eの後端面には、洗浄水入口24eが設けられ、シリンダ部21eの先端面には、開口部21gが設けられている。シリンダ部21eの内部空間が温度変動緩衝部28eとなる。洗浄水入口24eは、シリンダ部21eの中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24eは、切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
【0176】
ピストン部20eは、ストッパ部26eが温度変動緩衝部28e内に位置し、先端部が開口部21gから突出するように、シリンダ部21e内に移動可能に挿入されている。
【0177】
さらに、スプリング23eは、ピストン部20eのストッパ部26eとシリンダ部21eの開口部21gの周縁との間に配設されており、ピストン部20eをシリンダ部21eの後端側に付勢する。
【0178】
ピストン部20eのストッパ部26eの外周面とシリンダ部21eの内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20eの外周面とシリンダ部21eの開口部21gの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0179】
次に、ノズル洗浄ノズル3は、扇状の噴出部20kにより構成される。噴出部20kの先端近傍には、おしりノズル1側に洗浄水を噴出するための噴出孔25kとビデノズル2側に洗浄水を噴出するための噴出孔25mとが形成される。噴出部20kの後端には洗浄水入口24kが設けられる。噴出部20kの後端に設けられた洗浄水入口24kから噴出孔25kおよび噴出孔25mに連通する流路27kが形成される。洗浄水入口24kは、切替弁14の洗浄水出口143eに接続されている。
【0180】
図23はノズル洗浄ノズル3の働きを説明するための模式図である。図23(a)はおしりノズル1の断面を示し、図23(b)はおしりノズル1とノズル洗浄ノズル3との関係を示す。
【0181】
図23(a)に示すように、おしりノズル1のピストン部20には、ピストン部20の上面に断面略矩形状の溝20Fが長手方向に沿って形成され、ピストン部20の下面に断面略三角形状の溝20Gが長手方向に沿って形成されている。また、ピストン部20の内部には、長手方向に沿って第1の流路27aおよび第2の流路27bが形成されている。
【0182】
図23(b)に示すように、ノズル洗浄ノズル3においては、切替弁14の洗浄水出口143eより供給された洗浄水が、噴出部20kの洗浄水入口kから流路27kを通して噴出孔25kより噴出される。それにより、噴出孔25kより噴出された洗浄水は、おしりノズル1の溝20Fを流れておしりノズル1のピストン部20を洗浄する。また、図23aに示す溝20Gの働きについては後述する。
【0183】
なお、本実施の形態におけるおしりノズル1においては、溝20Fおよび溝20Gを設けることにより第1の流路27aおよび第2の流路27bの周囲にほぼ一定となる肉厚を形成できるため、製造工程での成形時にひけ現象が生じることを防止することができる。
【0184】
次いで、図22のおしりノズル1の動作について説明する。図24は図22のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
【0185】
図24(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bより洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
【0186】
次いで、図24(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24aより洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
【0187】
洗浄水入口24aがシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の下面の溝20Gとシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の第1の流路27aを通して円筒状渦室29に供給され、噴出孔25からわずかに噴出される。円筒状渦室29の詳細については後述する。
【0188】
ピストン部20がさらに前進すると、図24(c)に示すように、ストッパ部26a,26bがシールパッキン22a,22bを介してシリンダ部21のストッパ面21c,21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の下面の溝20Gとシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。さらに、洗浄水入口24bより供給された洗浄水が、ピストン部20の第2の流路27bを通して円筒状渦室29に供給される。それにより、ピストン部20の第2の流路27bを通して円筒状渦室29に供給された洗浄水は、ピストン部20の第1の流路27aを通して供給された洗浄水と混合され、噴出孔25から噴出される。
【0189】
このように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dより供給された洗浄水が、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bを介してピストン部20内の第1の流路27aおよび第2の流路27bを通して円筒状渦室29に導かれ、円筒状渦室29を通して噴出孔25から噴出される。
【0190】
次いで、図25(a)はピストン部20の先端部の横断面図であり、図25(b)はピストン部20の先端部の縦断面図である。
【0191】
まず、図25(b)に示すように、第1の流路27aは、円筒状の円筒状渦室29の周面に接続され、第2の流路27bは円筒状渦室29の底面に接続されている。切替弁14の洗浄水出口143c,143dからの洗浄水が第1の流路27aおよび第2の流路27bに供給される。
【0192】
図25(a)に示すように、第1の流路27aより円筒状渦室29に供給された洗浄水は、円筒状渦室29の内周面の曲面形状により矢印Zに示す渦巻状態で流動する。一方、第2の流路27bより円筒状渦室29に供給された洗浄水は、垂直上方向に直線状態で流動する。
【0193】
このように、円筒状渦室29において第1の流路27aの渦巻状態の洗浄水と第2の流路27bの直線状の洗浄水とが混合され、噴出孔25より洗浄水が噴出される。
【0194】
例えば、第1の流路27aより供給される洗浄水の流量が第2の流路27bより供給される洗浄の流量よりも多い場合、円筒状渦室29において混合される洗浄水は、円筒状の円筒状渦室29の曲面形状による渦巻状態を強く維持するため、図25(b)に示す矢印Hの広い角度で分散旋回流として噴出される。一方、第2の流路27bより供給される洗浄水の流量が第1の流路27aより供給される洗浄水の流量よりも多い場合、円筒状渦室29において混合される洗浄水は、直線状態を強く維持するため、直線流として噴出される。
【0195】
したがって、制御部4が切替弁14のモータ141を制御して洗浄水出口143c,143dの流量比を変化させることにより、噴出孔25より噴出される洗浄水の噴出形態が変化する。
【0196】
本実施の形態では、噴出形態調整スイッチ302eを押下すると、洗浄水出口143cの流量が洗浄水出口143dの流量よりも大きくなり、洗浄水の噴出形態が直線流に近づく。また、噴出形態調整スイッチ302fを押下すると、洗浄水出口143dの流量が洗浄水出口143cの流量よりも大きくなり、洗浄水の噴出形態が分散旋回流に近づく。なお、使用者がおしりスイッチ303を最初に押下すると、洗浄水出口143dの流量が洗浄水出口143cの流量よりも大きくなり柔らかな分散旋回流が人体に噴出される。
【0197】
次に、図26は本実施の形態におけるおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の説明図である。
【0198】
図26に示すように、おしりノズル1の噴出孔25からは、表面張力により直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水が噴出される。また、直径dnを有する洗浄水は、ポンプ13の圧力により流速vで被洗浄面SHに向けて噴出される。
【0199】
この場合、丸い粒状の洗浄水は、おしりノズル1の噴出孔25より距離Lwにある被洗浄面SHに到達するまでに、空気抵抗の働きにより水平方向に広がる。それにより、直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水は、直径dnよりも大きい直径dwの幅を有した偏平な粒状の洗浄水に変化する。その結果、人体は、噴出孔25において少量の洗浄水が噴出されているのにもかかわらず、被洗浄面SHにおいて直径dwの幅の洗浄水を受けるため、多量の洗浄水が噴出されているような洗浄感を得ることができる。
【0200】
次いで、図27(a)は図22のピストン部20の先端部の第2の流路27bの断面図であり、図27(b)は図22のピストン部20の先端部の第1の流路27aの断面図であり、図27(c)は図27(b)に示す縮流部31の動作を示す拡大図である。
【0201】
まず、図27(a)に示すように、ピストン部20の第2の流路27bを流れる洗浄水は、円筒状渦室29の下部に供給される。
【0202】
一方、図27(b)に示すように、ピストン部20の第1の流路27aを流れる洗浄水は、縮流部31を通して円筒状渦室29の側面に供給される。この場合、図27(c)に示すように、第1の流路27a内を流れる洗浄水は、第1の流路27aよりも小さい内径を有する縮流部31の内部を流れるため、第1の流路27a内の圧力が上昇する。したがって、第1の流路27aの圧力が円筒状渦室29および第2の流路27bの圧力よりも高くなるため、円筒状渦室29および第2の流路27bの方向から第1の流路27aに洗浄水が流れない。
【0203】
ここで、シリンダ部21の温度変動緩衝部28に気泡が存在すると、噴出孔25から噴出される洗浄水の圧力変動幅が低下する。本実施の形態のおしりノズル1では、縮流部31の働きにより洗浄水の圧力変動幅の低下が防止される。以下、気泡の存在による洗浄水の圧力変動幅の低下および縮流部31の働きについて説明する。
【0204】
図28(a)は縮流部31を有さない場合のおしりノズル1を示す模式図であり、図28(b)は縮流部31を有するおしりノズル1の模式図である。図29はおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の圧力変動幅の低下を説明するための図である。
【0205】
なお、図29に示す点線P1は縮流部31を有さないおしりノズル1の噴出孔25から噴出される洗浄水の圧力変化を示し、実線P2は縮流部31を有するおしりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の圧力変化を示す。
【0206】
まず、図28(a),(b)に示すように、熱交換器11により加熱された洗浄水が、ポンプ13および切替弁14を介して第1の流路27aおよび第2の流路27bに供給される。この場合、熱交換器11により洗浄水が瞬間的に加熱され、洗浄水に含まれる溶存空気が気泡KHとなり温度変動緩衝部28内に蓄積される。あるいは、配管中の空気が気泡KHとして、温度変動緩衝部28内に蓄積される。この気泡KHは、圧縮流体であり、圧力が加わると収縮する。
【0207】
したがって、図28(a)に示す縮流部31を有さないおしりノズル1の場合、第2の流路27bより供給される洗浄水の圧力が、円筒状渦室29を介して第1の流路27a側に伝達される。その結果、第1の流路27a側に伝達された圧力は、温度変動緩衝部28内に伝達され、温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHが収縮することにより緩衝される。
【0208】
したがって、図29に示すように、ポンプ13の働きにより第2の流路27b側に圧力Pn1と圧力Pn2との間の変動幅dH2を有する洗浄水が供給された場合、図28(a)に示す縮流部31を有さないおしりノズル1では、温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHが収縮することにより、図29の点線P1に示すように、圧力Pn1よりも低い圧力Pn3と圧力Pn2よりも高い圧力Pn4との間の変動幅dH1を有する洗浄水が噴出孔25より噴出される。
【0209】
一方、図28(b)に示す縮流部31を有するおしりノズル1では、第2の流路27bより供給される洗浄水の圧力が、縮流部31の働きにより円筒状渦室29を介して第1の流路27a側に伝達されない。すなわち、第2の流路の内圧が上昇した場合でも、第1の流路27aに設けられた縮流部31の働きにより、第1の流路27a側の圧力が第2の流路の内圧よりも高く維持される。そのため、第2の流路27b内の洗浄水が、温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHによる影響を受けない。また、縮流部31は、第1の流路27aおよび第2の流路27bの圧力緩衝に伴う流体移動の抵抗要素となる。そのため、縮流部31は、洗浄水の圧力の伝播速度を低下させ、第1の流路27aおよび第2の流路27bにおける洗浄水の圧力緩衝を低減させることができる。
【0210】
したがって、図29に示すように、ポンプ13の働きにより第2の流路27b側に圧力Pn1と圧力Pn2との間の変動幅dH2を有する洗浄水が供給された場合、図28(b)に示す縮流部31を有するおしりノズル1では、第2の流路27b内の洗浄水が、温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHの影響を受けず、図29の実線P2に示すように、圧力Pn1と圧力Pn2との間の変動幅dH2を有する洗浄水が噴出孔25より噴出される。
【0211】
このように、本実施の形態におけるおしりノズル1では、おしりノズル1の温度変動緩衝部28内に気泡KHが存在する場合でも、縮流部31の働きにより、第2の流路27bより供給される洗浄水が、第1の流路27a側の温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHの影響を受けることなく、第2の流路27bにより供給された洗浄水の圧力変動幅の低下が防止され、噴出孔25から噴出される直線流の圧力変動幅の低下が生じない。その結果、人体に対する洗浄感の低下を防止することができる。なお、第1の流路27aより供給される洗浄水は、円筒状渦室29の働きにより分散旋回流として噴出孔25から噴出される。分散旋回流は柔らかな洗浄感を目的とするのものであるため、温度変動緩衝部28内に蓄積された気泡KHにより第1の流路27aからの洗浄水の圧力変動幅が低下しても分散旋回流の目的が損なわれることはない。
【0212】
図22〜図29のノズル部30によれば、小型で容易に噴出形態を変化させることができる。したがって、ノズル部30を用いることにより噴出ユニット190の小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0213】
本実施の形態においては、切替弁14が流路切替弁に相当し、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄ノズル3がノズル装置に相当し、支持部材205が支持部材に相当し、進退動作用モータ250が位置調整用モータに相当し、外筒143が第1の部材に相当し、内筒142が第2の部材に相当し、モータ141が切替用モータに相当し、おしりノズル1が第1のノズル本体に相当し、噴出孔25が第1の噴出孔に相当し、第1の流路27aが第1の流路に相当し、第2の流路27bが第2の流路に相当し、円筒状渦室29が回転力付与手段に相当し、ピストン部20が第1のピストン部に相当し、シリンダ部21が第1のシリンダ部に相当し、ビデノズル2が第2のノズル本体に相当し、噴出孔25eが第2の噴出孔に相当し、流路27eが第3の流路に相当し、シリンダ21eが第2のシリンダ部に相当し、ピストン部20eが第2のピストン部に相当し、溝20Gおよび溝20Fが溝部に相当し、ノズル洗浄ノズル3が第3のノズル本体に相当し、噴出孔25kおよび噴出孔25mが第3の噴出孔に相当し、流路27kが第4の流路に相当し、ポンプ13の第1の筐体60Aおよび第2の筐体60Bがポンプケーシングに相当し、モータ130が駆動用モータに相当し、スポンジ130aが弾性体に相当し、支持部材201が本体支持部に相当し、ケーシング202が本体ケーシングに相当する。
【0214】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置は、ポンプの構成および動作を除き第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置と同様の構成および動作を有する。
【0215】
以下に、第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置に用いられるポンプの構成および動作について図30〜図34に基づき説明する。
【0216】
図30は第2の実施の形態に係るポンプ13の構成を示す模式的断面図である。第2の実施の形態に係るポンプ13は、ウォームホイール133からピストン137への動力の伝達がスライド枠361およびスロット枠362により行われていることを除き、第1の実施の形態に係るポンプ13と同様の構造を有する。
【0217】
図31は第2の実施の形態に係るポンプ13のスライド枠361およびスロット枠362がウォームホイール133に取り付けられている様子を示す模式図である。図32は図30に示すポンプ13のA−A線断面図である。
【0218】
図30〜図32によれば、正方形状のスロット枠362には、偏心輪135と同様の形状を有する円形状の孔が設けられている。これにより、スロット枠362は偏心輪135と摺動可能に取り付けられている。
【0219】
また、スライド枠361には長方形状の孔が設けられており、スロット枠362はスライド枠361の長方形状の孔に取り付けられている。この場合、スロット枠362の上下の辺は、スライド枠361の長方形状の孔の上下の辺と接触しており、左右方向に摺動可能である。
【0220】
さらに、図30および図31に示すように、スライド枠361の両側面には、ケース50aと摺動可能に接触するガイド部363が設けられている。これにより、スライド枠361は偏心輪135の動作に応じて上下方向に動作する。そして、スライド枠361に取り付けられたピストンロッド360が、第2の筐体60B内部に設けられたピストン137の上下運動を行う。
【0221】
図33は図30のウォーム132の動作に伴うピストン運動360、スライド枠361およびスロット枠362の動作を示す動作説明図である。以下の説明において、図33に示すように偏心輪135内の軸134と対向する点を点Paとする。
【0222】
図33(a)において、ウォーム132はモータ130の駆動により矢印R1の方向に回転を開始する。そして、ウォーム132の回転に応じてウォームホイール133は矢印R2の方向に回転を開始する。さらに、偏心輪135内の点Paは矢印R3の方向に回転を開始する。なお、矢印R3はウォームホイール133の回転中心から点Paまでの距離を半径とした円上に存在する。
【0223】
図33(b)において、ウォーム132がモータ130により矢印R1の方向に回転し、ウォームホイール133を矢印R2の方向に90度回転させた場合、偏心輪135内の点Paは矢印R3の方向に90度回転する。
【0224】
上記に示す回転動作が行われることにより、偏心輪135に取り付けられているスロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の内部を左方向に移動する。さらに、スライド枠361は、偏心輪135に取り付けられたスロット枠362を保持しているため、偏心輪135の回転に伴い下方向に移動する。
【0225】
その後、ウォーム132の回転に伴い、偏心輪135内のPaは軸134を中心に360度回転する。これにより、偏心輪135に取り付けられたスロット枠362は矢印Xの方向に往復運動し、スロット枠362が取り付けられたスライド枠361は矢印Yの方向に上下運動する。以上に示す動作に伴いピストン137が上下運動を行い、ポンプ13が稼動する。
【0226】
以下に、図34に基づきポンプ13の動作を説明する。図34はポンプ13の動作を示す模式的断面図である。以下の説明において、図34に示すように円柱状空間139内部のピストン137の移動可能な上端を上死点K1とし、下端を下死点K2とする。
【0227】
図34(a1)は稼動開始時におけるポンプ13の内部状態を示し、図34(a2)は図34(a1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0228】
図34(a1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて稼動を開始する。ウォーム132は矢印R1の方向に回転を開始し、ウォームホイール133は矢印R2の方向に回転を開始する。ここで、ポンプ13の稼動開始時において、偏心輪135内の点Paは軸134の上側に位置し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の中心に位置する。そして、ピストンロッド360に設けられたピストン137は円柱状空間139内の上死点K1に位置する。図34(a2)に示す通り、ポンプ13の稼動開始時にポンプ室139a内部に流体の流れは存在しない。
【0229】
図34(b1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を下降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図34(b2)は図34(b1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0230】
図34(b1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の左側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の左側に移動する。そして、スライド枠361はスロット枠362の移動に伴って下降する。これにより、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139内部の上死点K1より下降する。
【0231】
円柱状空間139内でのピストン137の下降に伴い、ポンプ室139aの容積は増大し、ポンプ室139a内の圧力が低下する。図34(b2)によれば、ポンプ室139a内の圧力の低下に伴い、弁シート52の洗浄水吸引系側の可動リップ部52aがケース50b側に曲折している。これにより、供給用洗浄水W1が吸引ポート55bより洗浄水吸引系を介してポンプ室139a内部に導入される。
【0232】
図34(c1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内の下死点K2に位置した場合のポンプ13の内部状態を示し、図34(c2)は図34(c1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0233】
図34(c1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作を停止する。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の下側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の中心に移動する。この状態で、スライド枠361は下降を停止する。このとき、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139内部の下死点K2に位置する。この状態で、ピストン137は下降動作を停止し、図34(c2)に示す通り、ポンプ室139a内部に流体の流れは存在しない。
【0234】
図34(d1)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を上降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図34(d2)は図34(d1)に示すポンプ13のB−B線断面を示す。
【0235】
図34(d1)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吐出動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の右側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の右側に移動する。そして、スライド枠361はスロット枠362の移動に伴って上昇する。これにより、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139の内部の下死点K2より上昇する。
【0236】
円柱状空間139内でのピストン137の上昇に伴い、ポンプ室139aの容積は減少し、ポンプ室139a内の圧力が上昇する。図34(d2)によれば、ポンプ室139a内の圧力の上昇に伴い、弁シート52の洗浄水吐出系側の可動リップ部52aがケース50a側に曲折している。これにより、ポンプ室139a内部の吐出用洗浄水W2が、洗浄水吐出系より吐出ポート55aを介してポンプ13の外部へ吐出される。
【0237】
以上に示すポンプ13の稼動時におけるポンプ室139aの圧力変化は、第1の実施の形態において図18に示した圧力変化と同様である。
【0238】
本実施の形態に係る衛生洗浄装置においては、ポンプ13内部におけるピストン137は、ピストンロッド360、スライド枠361およびスロット枠362により保持されている。これにより、ポンプ13の稼動時にピストン137には上下方向にのみ駆動力が伝達され、上下運動の直進性が向上する。それにより、ピストン137の外周部に装着されるX字パッキン138に、水平方向の負荷が生じないため、ポンプ室139aの密閉性が向上し、ポンプ13の稼動効率が向上する。
【0239】
図30〜図34のポンプ13によれば、小型で高圧を発生することができる。したがって、ポンプ13を用いることにより噴出ユニット190の小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0240】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る衛生洗浄装置は、ポンプの構成および動作を除き第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置と同様の構成および動作を有する。
【0241】
以下に、第3の実施の形態に係る衛生洗浄装置に用いられるポンプの構成および動作について図35〜図41に基づき説明する。
【0242】
図35は第3の実施の形態に係るポンプ13の構成を示す模式的断面図である。第3の実施の形態に係るポンプ13は、2つのポンプ室を有する複動型のピストンポンプである。なお、第3の実施の形態に係るポンプ13においては、第2の実施の形態と同様、ウォームホイール133からピストン137への動力の伝達がスライド枠361およびスロット枠362により行われている。
【0243】
図36は第3の実施の形態に係るポンプ13のスライド枠361およびスロット枠362がウォームホイール133に取り付けられている様子を示す模式図である。図37は図35に示すポンプ13のA−A線断面図である。
【0244】
図35〜図37によれば、第3の実施の形態に係るポンプ13のケース50a,50cにより形成される第1の筐体60A内部の構成は、第2の実施の形態に係るポンプ13の第1の筐体60A内部の構成と同様である。以下に、第3の実施の形態に係るポンプ13のケース50a,50b,50cにより形成される第2の筐体60B内部の構成について説明する。
【0245】
第3の実施の形態に係るポンプ13の第2の筐体60Bは、ケース50a、ケース50bおよびポンプ室形成体50eにより形成されている。ここで、第2の筐体60B内部の円柱状空間139にはピストン137が設けられており、ピストン137により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。なお、ピストン137の外周部には、X字パッキン138が装着されている。
【0246】
図35〜図37によれば、ポンプ室139aには洗浄水吐出口51aおよび洗浄水吸引口51bが設けられ、ポンプ室139bには洗浄水吐出口51cおよび洗浄水吸引口51dが設けられている。
【0247】
洗浄水吐出口51a,51cおよび洗浄水吸引口51b,51dは、第1および第2の実施の形態に係るポンプの構造と同様に、ケース50bに設けられる洗浄水導水路および吐出ポート55cにより、またはケース50bに設けられる洗浄水導水路および吸引ポート55dにより外部と連通している。吐出ポート55cおよび吸引ポート55dの先端は、第1および第2の実施の形態に係るポンプの構造と同様、ニップル形状を有する。
【0248】
図37によれば、ケース50aとケース50bとは、弁シート523を介して接続されている。以下、図38に基づき、本実施の形態におけるケース50aとケース50bとの接続状態および弁シート523の形状について説明する。図38はケース50a,50bおよび弁シート523の模式的組み立て図である。
【0249】
図38に示すように、ケース50aのケース50bとの接続面には、溝状に形成された弁シート保持部53a、洗浄水吐出口56a,56cおよび洗浄水吸引口56b,56dが設けられている。また、ケース50bのケース50aとの接続面には、突起状に形成された弁シート保持部53b、洗浄水吐出口56a,56cおよび洗浄水吸引口56b,56dが設けられている。
【0250】
ケース50aにおいて、洗浄水吐出口56a,56cの周辺には空間53kが設けられており、洗浄水吸引口56b,56dの周辺には、弁座53が設けられている。ケース50bにおいては、洗浄水吐出口56a,56cの周辺に弁座53が設けられ、洗浄水吸引口56b,56dの周辺に空間53kが設けられている。
【0251】
本実施の形態に係る弁シート523は、上述の第1および第2の実施の形態に係る弁シート52と同様の形状を有する2つの弁シートがシート連結部52cを介して連結されることにより形成されている。
【0252】
ケース50aとケース50bとの接続は、第1の実施の形態と同様に次のように行われる。図38に示すように、ケース50aのケース50bとの接続面の一角を角pとし、角pの対角に位置する他の角を角qとし、ケース50bのケース50aとの接続面の一角を角rとし、角rの対角に位置する他の角をsとした場合、ケース50bの角rはケース50aの角pに接続され、ケース50bの角sはケース50aの角qに接続される。なお、ケース50aおよびケース50bの弁シート保持部53a,53bの間には弁シート523が挿入される。
【0253】
上記に示すように、ケース50a、ケース50bおよび弁シート523が組み立てられることにより、弁シート523の可動リップ部52aは、各ポンプ室139a,139b内部の圧力状態に伴い第1の実施の形態と同様の動作を行う。
【0254】
以下に、図39および図40に基づきポンプ13の動作を説明する。図39および図40はポンプ13の動作を示す模式的断面図である。以下の説明において、図39に示すように円柱状空間139内部のピストン137の移動可能な上端を上死点K1とし、下端を下死点K2とする。
【0255】
図39(a)は稼動開始時におけるポンプ13の内部状態を示し、図40(a)は図39(a)に示すポンプ13のB−B線断面を示し、図40(e)は図39(a)に示すポンプ13のC−C線断面を示す。
【0256】
図39(a)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて稼動を開始する。ウォーム132は矢印R1の方向に回転を開始し、ウォームホイール133は矢印R2の方向に回転を開始する。ここで、ポンプ13の稼動開始時において、偏心輪135内の点Paは軸134の上側に位置し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の中心に位置する。そして、ピストンロッド360に設けられたピストン137は円柱状空間139内の上死点K1に位置する。図40(a)および図40(e)に示す通り、ポンプ13の稼動開始時にポンプ室139aおよびポンプ室139b内部に流体の流れは存在しない。
【0257】
図39(b)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を下降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図40(b)は図39(b)に示すポンプ13のB−B線断面を示し、図40(f)は図39(b)に示すポンプ13のC−C線断面を示す。
【0258】
図39(b)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作および吐出動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の左側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の左側に移動する。そして、スライド枠361はスロット枠362の移動に伴って下降する。これにより、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139内部の上死点K1より下降する。
【0259】
円柱状空間139内でのピストン137の下降に伴い、ポンプ室139aの容積は増大し、ポンプ室139bの容積は減少する。そして、ポンプ室139a内の圧力が低下し、ポンプ室139b内の圧力が上昇する。
【0260】
図40(b)によれば、ポンプ室139a内の圧力の低下に伴い、弁シート523の洗浄水吸引系側の可動リップ部52aがケース50b側に曲折している。これにより、供給用洗浄水W1が吸引ポート55dより洗浄水吸引系を介してポンプ室139a内部に導入される。
【0261】
また、図40(f)によれば、ポンプ室139b内の圧力の上昇に伴い、弁シート523の洗浄水吐出系側の可動リップ部52aがケース50a側に曲折している。これにより、ポンプ室139a内部の吐出用洗浄水W2が、洗浄水吐出系より吐出ポート55cを介してポンプ13の外部へ吐出される。
【0262】
図39(c)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内の下死点K2に位置した場合のポンプ13の内部状態を示し、図40(c)は図39(c)に示すポンプ13のB−B線断面を示し、図40(g)は図39(c)に示すポンプ13のC−C線断面を示す。
【0263】
図39(c)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作および吐出動作を停止する。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の下側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の中心に移動する。この状態で、スライド枠361は下降を停止する。このとき、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139内部の下死点K2に位置する。この状態で、ピストン137は下降動作を停止し、図40(c)および図40(g)に示す通り、ポンプ室139a内部に流体の流れは存在しない。
【0264】
図39(d)はポンプ13の稼動によりピストン137が円柱状空間139内を上降する場合のポンプ13の内部状態を示し、図40(d)は図39(d)に示すポンプ13のB−B線断面を示し、図40(h)は図39(d)に示すポンプ13のC−C線断面を示す。
【0265】
図39(d)において、ポンプ13はモータ130の動作に応じて洗浄水の吸引動作および吐出動作を行う。この場合、モータ130の動作に応じて偏心輪135内の点Paは軸134の右側に移動し、スロット枠362はスライド枠361に設けられた長方形状の孔の右側に移動する。そして、スライド枠361はスロット枠362の移動に伴って上昇する。これにより、ピストンロッド360に設けられたピストン137は、円柱状空間139の内部の下死点K2より上昇する。
【0266】
円柱状空間139内でのピストン137の上昇に伴い、ポンプ室139aの容積は減少し、ポンプ室139bの容積は増大する。そして、ポンプ室139a内の圧力が上昇し、ポンプ室139b内の圧力が低下する。
【0267】
図40(d)によれば、ポンプ室139a内の圧力の上昇に伴い、弁シート523の洗浄水吐出系側の可動リップ部52aがケース50a側に曲折している。これにより、吐出用洗浄水W2が、洗浄水吐出系より吐出ポート55cを介してポンプ13の外部へ吐出される。
【0268】
また、図40(h)によれば、ポンプ室139a内の圧力の低下に伴い、弁シート523の洗浄水吸引系側の可動リップ部52aがケース50b側に曲折している。これにより、供給用洗浄水W1が吸引ポート55dより洗浄水吸引系を介してポンプ室139b内部に導入される。
【0269】
図41は図35のポンプ13の圧力変化を示す図である。図41の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0270】
図41に示すように、ポンプ13のポンプ室139aに吸引ポート55dおよび洗浄水吸引系を介して圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図35のピストン137が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力PPaは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力PPbは、破線のように変化する。ポンプ13のポンプ室139a,139bより吐出ポート55cおよび洗浄水吐出系を介して吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力PPcを中心として上下に周期的に変化する。
【0271】
このように、本実施の形態に係るポンプ13においては、ピストン137が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、吸引ポート55dより導入される洗浄水が昇圧されて吐出ポート55cから吐出される。
【0272】
上記の構造を有するポンプ13では、ピストン137の一回の上下運動に伴い2つのポンプ室139a,139bより洗浄水が吐出されるため、単動式のピストンポンプと比較して、モータ130の動力を低減した場合においても多量の洗浄水が吐出できる。したがって、本実施の形態に係る衛生洗浄装置においては、ポンプ13のモータ130の動力を低減することにより、ピストン137の上下運動により生じる振動および騒音が低減できる。
【0273】
本実施の形態に係る衛生洗浄装置においては、ポンプ13内部におけるピストン137は、ピストンロッド360、スライド枠361およびスロット枠362により保持されている。これにより、ポンプ13の稼動時にピストン137には上下方向にのみ駆動力が伝達され、上下運動の直進性が向上する。それにより、ピストン137の外周部に装着されるX字パッキン138には、水平方向の負荷が生じないため、ポンプ室139aの密閉性が向上し、ポンプ13の稼動効率が向上する。
【0274】
図35〜図41のポンプ13によれば、小型で高圧を発生することができる。したがって、ポンプ13を用いることにより噴出ユニット190の小型化およびコンパクト化を図ることができる。
【0275】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁が支持部材によりユニットとして一体化されているので、衛生洗浄装置の小型化およびコンパクト化が図られる。また、ノズル装置、ポンプおよび流路切替弁をユニットとして一体的に取り扱うことができるので、衛生洗浄装置の組み立て性の向上が図られるとともに検査工程が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図
【図2】図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図
【図3】本実施の形態に係る衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図
【図4】噴出ユニットを説明するための斜視図
【図5】噴出ユニットの組み立て図
【図6】噴出ユニットに進退動作用モータをさらに組み込んだ状態を示す側面図
【図7】噴出ユニットを本体部のケーシングに取り付ける状態を示す斜視図
【図8】支持部材を説明するための模式図
【図9】本実施の形態に係るポンプの構成を示す模式的断面図
【図10】図9に示すポンプのA−A線断面図
【図11】図9に示すポンプのB−B線断面図
【図12】弁シートの外観斜視図である。
【図13】ケースおよび弁シートの模式的組み立て図
【図14】図9のポンプのウォームホイールの構造を示す模式的構造図
【図15】図9のウォームの形状を示す模式図
【図16】図9のウォームの動作に伴うピストンロッドの動作を示す動作説明図
【図17】ポンプの動作を示す模式的断面図
【図18】図9のポンプのポンプ室の圧力変化を示す図
【図19】(a)は切替弁の縦断面図であり、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図であり、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図であり、(d)は(a)の切替弁のC−C線断面図
【図20】図19の切替弁の動作を示す断面図
【図21】図20の切替弁の洗浄水出口からおしりノズルに流出する洗浄水の流量、洗浄水出口からビデノズルに流出する洗浄水の流量および洗浄水出口からノズル洗浄ノズルに流出する洗浄水の流量を示す図
【図22】図3のノズル部および切替弁の模式的断面図
【図23】ノズル洗浄ノズルの働きを説明するための模式図である
【図24】図22のおしりノズルの動作を説明するための断面図
【図25】(a)はピストン部の先端部の横断面図であり、(b)はピストン部の先端部の縦断面図
【図26】本実施の形態におけるおしりノズルの噴出孔より噴出される洗浄水の説明図
【図27】(a)は図22のピストン部の先端部の第2の流路の断面図であり、(b)は図22のピストン部の先端部の第1の流路の断面図であり、(c)は(b)に示す縮流部の動作を示す拡大図
【図28】(a)は縮流部を有さない場合のおしりノズルを示す模式図であり、(b)は縮流部を有するおしりノズルの模式図
【図29】おしりノズルの噴出孔より噴出される洗浄水の圧力変動幅の低下を説明するための図
【図30】第2の実施の形態に係るポンプの構成を示す模式的断面図
【図31】第2の実施の形態に係るポンプのスライド枠およびスロット枠がウォームホイールに取り付けられている様子を示す模式図
【図32】図30に示すポンプのA−A線断面図
【図33】図30のウォームの動作に伴うピストン運動、スライド枠およびスロット枠の動作を示す動作説明図
【図34】ポンプの動作を示す模式的断面図
【図35】第3の実施の形態に係るポンプの構成を示す模式的断面図
【図36】第3の実施の形態に係るポンプのスライド枠およびスロット枠がウォームホイールに取り付けられている様子を示す模式図
【図37】図35に示すポンプのA−A線断面図
【図38】ケースおよび弁シートの模式的組み立て図
【図39】ポンプの動作を示す模式的断面図
【図40】ポンプの動作を示す模式的断面図
【図41】図35のポンプの圧力変化を示す図
【符号の説明】
1 おしりノズル
2 ビデノズル
3 ノズル洗浄ノズル
13 ポンプ
14 切替弁
20,20e ピストン部
20G,20F 溝
21,21e シリンダ部
25,25e,25k,25m 噴出孔
27a 第1の流路
27b 第2の流路
27e 流路
27k 流路
29 円筒状渦室
50a,50b,50c ケース
130,141 モータ
130a スポンジ
142 内筒
143 外筒
205 支持部材
202 底面部
203 斜面部
204 背面部
250 進退動作用モータ

Claims (5)

  1. 給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、
    複数の流路を有し、洗浄水を人体に噴出するノズル装置と、
    前記給水源からの洗浄水を加圧するポンプと、
    前記ポンプから供給される洗浄水を前記ノズル装置の前記複数の流路に選択的に供給する流路切替弁とを備え、
    前記ポンプは、洗浄水を吐出する吐出口を有するとともに、前記吐出口から吐出される洗浄水の圧力が周期的に変化するように往復運動を行う加圧部材を備え、
    前記吐出口が上方を向くように前記ポンプが前記ノズル装置の下方に配置された状態で、前記ノズル装置と前記ポンプと前記流路切替弁と支持部材によりユニットとして一体化されたことを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記支持部材は、底面部と、前記底面部に対して所定角度傾斜して設けられた斜面部と、前記底面部に対してほぼ垂直に設けられた背面部とを有し、
    前記ノズル装置は、前記支持部材の前記斜面部に沿って取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記支持部材の前記底面部、前記斜面部および前記背面部により囲まれる内部空間に、前記ノズル装置を前記斜面部に沿った方向に移動させるための位置調整用モータが設けられたことを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
  4. 前記ノズル装置は、前記斜面部上に傾斜して延びる第1のノズル本体を含み、前記第1のノズル本体の下端部の上面に洗浄水を噴出する第1の噴出孔が設けられたことを特徴とする請求項2または3記載の衛生洗浄装置。
  5. 前記第1のノズル本体は、前記複数の流路のうち第1および第2の流路を内蔵し、前記第1の噴出孔は前記第1および第2の流路に連通することを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
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