JP4243419B2 - ダムのコンクリート面状打設工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダムのコンクリート面状打設工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダムのコンクリート面状打設工法として、RCC工法及びRCD工法が知られている。
ここで、RCC工法とは、コンクリートダムの堤体構築予定箇所の上流面と下流面の両側にプレキャストコンクリート型枠を設置し、該型枠間のダム軸方向の全長に硬練りコンクリートをブルドーザーにより30cm前後の薄層で水平に敷き均し、振動ローラによって締め固める工法である。かかるRCC工法において、締固め後のコンクリート表面の打継ぎ面処理は、次層のコンクリートを敷き均すまでの経過時間によって異なり、24時間経過する前であれば無処理で良く、24〜48時間経過した場合には1.5cm程度の厚さのモルタルを敷き均した上から次層のコンクリートを敷き均す必要があり、さらに、48時間経過後では、高圧ジェット水などの手段により表面のレイタンスを除去すると共にモルタルの敷き均しをも必要とする。
なお、RCC工法において、プレキャストコンクリート型枠を使用しない場合、上流面と下流面の造成は、盛りこぼし、すなわち、盛土法面をパワーショベルなどで締め固め整形するような方法により行なわれている。
【0003】
一方、前記RCD工法では、スライド式型枠をコンクリートダムの堤体構築予定箇所の上流面と下流面の両側に設置し、該型枠間を所定区域ごとに分割するように横継ぎ目地を設置し、該区域において超硬練りコンクリートをブルドーザーにより一層25cmで3〜4層敷き均した後、この3〜4層をまとめて振動ローラーにより締め固めて75〜100cm程度の厚さのコンクリート層を形成する。そして、打設後のコンクリート表面は高圧ジェット水などの手段によりレイタンスを除去すると共にモルタルの敷き均しを行なってから、次層のコンクリートを敷き均すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記RCC工法では、スライド式型枠を使用することができないため、プレキャストコンクリート型枠を使用しなければならず、これを堤体の上下流面に埋め残しているため、型枠のコストが高くなるという欠点がある。すなわち、RCC工法は、コンクリート打設間隔を24時間以下に抑えることで、コンクリート表面の打継ぎ面処理をせずに連続打設し、これにより施工速度をあげることに特徴がある一方で、スライド式型枠は盛替え作業に比較的長い時間を要して施工速度を低下させるためコンクリート打設速度に追従できず、したがって、RCC工法ではスライド式型枠では無くプレキャストコンクリート型枠が使用されている。なお、上記盛りこぼしによる造成方法では、堤体の上流面と下流面の美観が損なわれるといった欠点がある。
【0005】
また前記RCD工法では、スライド式型枠は盛替え作業に長い時間を要することと、コンクリート表面の打継ぎ面処理が必要になるため、施工速度を低下させるという欠点がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決せんとしたものであり、その課題は、スライド式の型枠を使用しても施工速度が低下する要因とならず、しかも、コンクリート表面の打継ぎ面処理を極めて少なくすることができるため、良好な施工速度が可能になるダムのコンクリート面状打設工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、コンクリートダムの堤体構築予定箇所の上流面と下流面の両側に複数の型枠を連設し、左右岸の一方からダム軸方向にコンクリートを所定厚さの層状に所定勾配で敷き均して締め固める工程を24時間以内の間隔で繰り返し行ない、上流面と下流面の型枠間ごとのコンクリート打設が終了したら、各型枠ごとに上昇させて盛り替えることを特徴とするダムのコンクリート面状打設工法が提供される。
【0008】
本発明のダムのコンクリート面状打設工法において、例えば、降雨や日没などにより、コンクリートを所定厚さの層状に所定勾配で敷き均して締め固める工程を24時間以内の間隔で繰り返し行なうことができなかった場合であって、48時間経過前であれば、従来工法と同様に、1.5cm程度の厚さのモルタルを敷き均した上から次層のコンクリートを敷き均す一方で、48時間経過後であれば、コンクリート表面から高圧ジェット水などの手段によりレイタンスを除去すると共にモルタルの敷き均しを行なってから、次層のコンクリートの敷き均しを行なう。また本発明において、各型枠の盛替え後には、同様に打設完了リフトの表面にレイタンス除去とモルタル敷き均しを行なう。
【0009】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明にかかるダムのコンクリート面状打設工法の途中工程を示す部分断面図である。
【0010】
図1では、左岸の地山11から右岸の地山(図示せず)にかけて既に構築された打設完了リフト21の上に打設リフト20を構築する状況が示されており、この打設リフト20には、ダム堤体の構築予定箇所の上流面と下流面の両側に複数の型枠12,12a,12bが連設されており、左岸からダム軸方向に硬練りコンクリートの薄層15が傾斜勾配で積層するように打設されている。
【0011】
さらに詳細に、本発明のダムコンクリートの面状打設工法を説明すれば、最初に、ダム堤体の構築予定箇所の上流面と下流面の両側に複数の型枠12,12a,12bを連設する。このとき、例えば、各打設リフトを3.0m程度に設定した場合、各型枠12,12a,12bは高さが3.0〜3.5m程度、幅が3.0〜5.0m程度で、さらに、上方に各別にスライドさせて盛り替えることが可能な型枠を使用する。
【0012】
複数の型枠12,12a,12bを連設した後に、左右岸の一方からダム軸方向に硬練りコンクリートの薄層打設工程を順次行なう。このとき、硬練りコンクリートは、例えば、30cm程度の薄層15になるように10%程度の傾斜勾配でブルドーザーにより敷き均し、この薄層15の上を振動ローラーにより締め固める。そして、硬練りコンクリートの敷き均し工程の開始から24時間経過しないうちに、上記と同様な傾斜勾配と厚さで硬練りコンクリートを敷き均して振動ローラーにより締め固め、以下、同じ薄層打設工程を24時間以内の間隔で繰り返し行なう。
【0013】
ここで、図1を見ると判るように、各硬練りコンクリートの薄層15は傾斜勾配が付けられているため、水平方向にコンクリート薄層を形成する従来のRCC工法と比べると、各薄層ごとの長さは格段に短くなって各薄層ごとの施工時間も短くなるため、薄層打設工程を24時間以内の施工間隔で繰り返し行なうことが比較的容易になる。
【0014】
硬練りコンクリートの薄層15を繰り返し打設することにより、一枚の型枠12aが覆う区間の打設が終了したら、最終打設時点から充分なコンクリート養生時間、例えば48時間程度が経過した後に、型枠12aを上方にスライドさせて盛り替え作業を行なう。他の型枠12b,12も同様に、各型枠12b,12が覆う区間の硬練りコンクリートの薄層打設が終了したら、適宜、盛り替え作業を行なう。
【0015】
以上、型枠盛替え工程においても、各硬練りコンクリートの薄層15に傾斜勾配が付けられた故に、コンクリート打設は各型枠が覆う区間ごとに順次終了し、その都度、型枠盛替え工程を実施することも可能になり、施工を効率的に進めることができるが、従来工法ではダム軸の全長または広い区域にわたるコンクリート打設が終了するまで型枠盛替え工程を実施できないため、型枠盛替え工程が集中し易いという欠点があり、この点においても、本発明の工法は優れたものであることが判る。
【0016】
各型枠ごとに盛替え工程が終了したら、打設リフト20の硬練りコンクリートの薄層打設工程を阻害しない範囲で、打設リフト20の上のリフトの薄層打設工程を開始する。このとき、打設リフト20の表面は高圧ジェット水などの手段により表面のレイタンスを除去すると共にモルタルの敷き均しを行なってから、薄層打設工程を開始する。
【0017】
【発明の効果】
本発明のダムのコンクリート面状打設工法では、コンクリートを所定厚さの層状に所定勾配で敷き均して締め固める工程を繰り返し行ないダム堤体を構築するので、各コンクリート敷均し層の長さが短くなって各層ごとの施工時間も短くなるため、各コンクリート層状打設工程を24時間以内といった短い施工間隔で繰り返し行なうことも比較的容易になった。またコンクリートを所定勾配で層状に敷き均して締め固めるので、コンクリート打設は各型枠が覆う区間ごとに順次終了し、その都度、型枠盛替え工程を実施することも可能になり、したがって、施工効率が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるダムのコンクリート面状打設工法の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
11 地山
12,12a,12b 型枠
15 硬練りコンクリートの薄層
20 打設リフト
21 打設完了リフト
Claims (1)
- コンクリートダムの堤体構築予定箇所の上流面と下流面の両側に複数の型枠を連設し、左右岸の一方からダム軸方向にコンクリートを所定厚さの層状に所定勾配で敷き均して締め固める工程を24時間以内の間隔で繰り返し行ない、上流面と下流面の型枠間ごとのコンクリート打設が終了したら、各型枠ごとに上昇させて盛り替えることを特徴とするダムのコンクリート面状打設工法。
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