JP5728879B2 - 構造物の構築方法、埋め戻し土の安息角算出システム、埋め戻し土の安息角算出方法、型枠システム、及び構造物 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、シールド機でトンネルを掘削しながらトンネル内のインバート部に経時性硬化材を含む埋め戻し土を埋め戻すとき、埋め戻し土の崩壊を防止するための型枠を略鉛直に設置する方法が開示されている。この方法では、まず、型枠を設置し、次に、埋め戻し土を所定の位置に埋め戻して、その後、所定の強度に達するまで数日間放置し、埋め戻し土が所定の硬度に達したら型枠を撤去する。
前記型枠の上部を前記埋め戻し土側に傾けた状態で前記型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠内に前記埋め戻し土を埋め戻す敷設工程と、
前記敷設工程にて埋め戻された前記埋め戻し土が所定の養生日数を経過した後、前記型枠を撤去する撤去工程と、
を繰り返すことを特徴とする。
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に、前記埋め戻し土の養生日数を変数として前記埋め戻し土の安息角を表す関数を記憶した記憶部と、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの値をそれぞれ入力部で受け付け、ここで受け付けた値の組み合わせに合致するパターンを前記記憶部にて特定し、特定したパターンに対応する関数を前記記憶部より読み出す処理部と、
前記埋め戻し土の養生日数の値を入力部で受け付け、ここで受け付けた値を前記読み出した関数に適用して前記埋め戻し土の安息角を算定し、当該安息角を出力部に表示する処理と、を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする。
前記埋め戻し土の重量、前記埋め戻し土の高さ及び養生日数における前記埋め戻し土の強度を変数とした前記埋め戻し土の安定計算を、前記埋め戻し土の重量、前記埋め戻し土の高さ及び前記養生日数における前記埋め戻し土の強度の各値を組み合わせたパターン毎に実行することで前記埋め戻し土の安息角を算出し、
前記養生日数を独立変数、前記安息角を従属変数とした回帰分析を、前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に実行することで前記養生日数を変数とした前記安息角を解とする回帰式を生成し、
当該回帰式を、前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターンに対応付けて記憶部に格納する処理を実行することとしてもよい。
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に、前記埋め戻し土の養生日数を変数として前記埋め戻し土の安息角を表す関数を記憶した記憶部と、演算部と、を備える情報処理システムが、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの値をそれぞれ入力部で受け付け、ここで受け付けた値の組み合わせに合致するパターンを前記記憶部にて特定し、特定したパターンに対応する関数を前記記憶部より読み出す処理と、
前記埋め戻し土の養生日数の値を入力部で受け付け、ここで受け付けた値を前記読み出した関数に適用して前記埋め戻し土の安息角を算定し、当該安息角を出力部に表示する処理と、を実行することを特徴とする。
本図に示すように、シールド機1で掘削されたトンネル2内のインバート部3に経時性硬化材を含む埋め戻し土4を埋め戻して、資機材を運搬可能な走行路を構築する。
本実施形態では、埋め戻し土4として、地山Eの掘削により生じた掘削土を流動化処理したものにセメント、水等を添加して形成した泥水状態の流動化処理土を用いた。なお、使用する土砂は掘削土に限定されるものではなく、一般的な土砂を用いてもよい。
これらの図に示すように、型枠支持装置10は、台車11と、覆工体5に沿った円弧状の型枠12と、型枠12を傾斜させるための傾斜装置13と、を備える。
シリンダ17は、その一端が台車11の上部に接続され、他端が型枠12の上部にリンク21、22を介して接続されており、シリンダ17が最も縮んだ状態のとき、型枠12は鉛直になるように構成されている。一方、シリンダ17を伸張させると型枠12は、図5に示すように、上記ピン結合部15を中心に上側が坑口側に向かって傾斜する。型枠12の傾斜角は傾斜計20にて測定されており、埋め戻し土4が安定を保つ斜面の角度、すなわち、安息角になったら型枠12の傾斜は停止する。なお、シリンダ17の伸縮は、後述する安息角算出システム100の制御部107にて制御される。
チューブ16が縮んだ状態、すなわちチューブ16内に空気が入っていない状態で型枠支持装置10を移動させることによって型枠12を所定の位置に設置する。このとき、型枠12は、既設の埋め戻し土4からシールド機側に所定の間隔をおいて設置される(図1参照)。
その後、型枠支持装置10が動かないように台車11のタイヤ14にストッパをかける。
型枠12の傾斜角が安息角であることを傾斜計20で確認したら、チューブ16内に空気を供給してチューブ16を覆工体5に密着させる。
型枠12を撤去する際は、チューブ16内の空気を抜いて型枠12と覆工体5との間に隙間を形成する。そして、タイヤ14のストッパを解除し、型枠支持台車10をシールド機側へ移動させる。
続いて、安息角を算出する安息角算出システム100について、その構成を詳述する。
本図に示すように、本実施形態の安息角算出システム(以下、システムという)100は、ハードディスクドライブなど不揮発性の記憶部101、RAMなどの不揮発性の記憶部であるメモリ103、記憶部101に保持しているプログラム102をメモリ103に読み出して実行するCPUなどの演算部104、キーボードやマウスといった入力部105、ディスプレイやスピーカー、プリンタ等の出力部106及びシリンダ17の伸縮を制御する制御部107、を備えている。
後述する図7に例示するように、パターンテーブル125には、埋め戻し土4の重量及び高さの各値を組み合わせたパターンIDが格納されている。
また、後述する図10に例示するように、回帰式テーブル126には、埋め戻し土4の養生日数を変数として埋め戻し土4の安息角を表す関数(本実施形態の例では回帰式)が、上記パターンID毎に格納されている。
パターンテーブル125及び回帰式テーブル126の例については後述する。
演算部104は、敷設予定の埋め戻し土4の重量及び高さの値をそれぞれ入力部105でユーザから受け付け、ここで受け付けた各値の組み合わせに合致する複数のパターンIDを記憶部101のパターンテーブル125にて特定し、特定したパターンIDに対応する関数を記憶部101の回帰式テーブル126より読み出す。
図7は、本実施形態におけるパターンテーブル125の例を示す図である。
本図に示すように、パターンテーブル125は、埋め戻し土4の重量及び高さの各値を組み合わせたパターンを網羅したテーブルとなる。
ユーザがこれらの値を入力する際においては、図8に示すように、ユーザに問いかける順序すなわち質問順序が設定されているとすれば好適である。本図の例では、質問順に、「埋め戻し土の重量」、「埋め戻し土の高さ」となっている。
したがって、パターンテーブル125に登録されている各パターンも、図9に示すように、各条件を分岐点としたツリー構造で互いに結ばれたものとなる。このような構造となっていれば、システム100は、上記ツリー構造の上位階層から順に、すなわちパターンテーブル125の質問順序に沿って、各条件の値を入力部105で順次受け付けていき、受け付けた条件とその値によりツリー構造を分岐した箇所から下位階層のパターンIDを、関数の検索範囲として順次絞り込んでいくことができる。
なお、本実施形態では、パターンテーブル125を構成する要素を埋め戻し土4の重量及び高さとしたが、これらに限定されるものではなく、経時硬化材の混合量を追加してもよい。
本図に示すように、回帰式テーブル126は、パターンテーブル125で規定した各パターンID毎に、埋め戻し土4の養生日数を変数として当該埋め戻し土4の安息角を表す関数が記憶部101に格納されている。
こうした回帰式は例えばシステム100が予め上記パターンIDの全てについて求めておき、記憶部101の回帰式テーブル126に格納している。回帰式の求め方については後述する。
次に、本実施形態の埋め戻し土4の安息角算出方法の処理フローについて説明する。
本図に示すように、まず、システム100の演算部104は、回帰式テーブル126の生成処理を実行する(ステップs100)。
なお、安息角と埋め戻し土4の性状との関係は関数で表現されていれば、回帰分析で得られる回帰式に拘らない。
2 トンネル
3 インバート部
4 埋め戻し土
5 覆工体
10 型枠支持装置
11 台車
12 型枠
13 傾斜装置
14 タイヤ
15 ピン結合部
16 チューブ
17 シリンダ
18 油圧ポンプ
19 油タンク
20 傾斜計
21 リンク
22 リンク
100 安息角算出システム
101 記憶部
102 プログラム
103 メモリ
104 演算部
105 入力部
106 出力部
107 制御部
108 通信部
125 パターンテーブル
126 回帰式テーブル
E 地山
Claims (7)
- 経時性硬化材を含む埋め戻し土を埋め戻すときに型枠で支持して前記経時性硬化材で硬化した埋め戻し土の端部を形成し、前記形成した端部に、経時性硬化材を含む新たな埋め戻し土を連続するように埋め戻して、経時性硬化材により硬化した埋め戻し土からなる構造物を構築する方法であって、
前記型枠の上部を前記埋め戻し土側に傾けた状態で前記型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠内に前記埋め戻し土を埋め戻す敷設工程と、
前記敷設工程にて埋め戻された前記埋め戻し土が所定の養生日数を経過した後、前記型枠を撤去する撤去工程と、
を繰り返すことを特徴とする構造物の構築方法。 - 前記型枠の傾斜角は、前記所定の養生日数を経過した後に前記型枠を撤去しても前記埋め戻し土の端部の斜面が安定を保つ、前記所定の養生日数を経過した時点での前記埋め戻し土の安息角以下であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の構築方法。
- 経時性硬化材を含む埋め戻し土を埋め戻すときに型枠で支持して前記経時性硬化材で硬化した埋め戻し土の端部を形成する端部形成方法において、前記型枠の上部を前記埋め戻し土側に傾けた状態で前記型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠内に前記埋め戻し土を埋め戻す敷設工程と、前記敷設工程にて埋め戻された前記埋め戻し土が所定の養生日数を経過した後、前記型枠を撤去する撤去工程と、を備え、前記型枠の傾斜角を、前記所定の養生日数を経過した後に前記型枠を撤去しても前記埋め戻し土の端部の斜面が安定を保つ、前記所定の養生日数を経過した時点での前記埋め戻し土の安息角以下とする埋め戻し土の端部形成方法における前記安息角を算出する安息角算出システムであって、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に、前記埋め戻し土の養生日数を変数として前記埋め戻し土の安息角を表す関数を記憶した記憶部と、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの値をそれぞれ入力部で受け付け、ここで受け付けた値の組み合わせに合致するパターンを前記記憶部にて特定し、特定したパターンに対応する関数を前記記憶部より読み出す処理部と、
前記埋め戻し土の養生日数の値を入力部で受け付け、ここで受け付けた値を前記読み出した関数に適用して前記埋め戻し土の安息角を算定し、当該安息角を出力部に表示する処理と、を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする埋め戻し土の安息角を算出する安息角算出システム。 - 前記演算部は、
前記埋め戻し土の重量、前記埋め戻し土の高さ及び養生日数における前記埋め戻し土の強度を変数とした前記埋め戻し土の安定計算を、前記埋め戻し土の重量、前記埋め戻し土の高さ及び前記養生日数における前記埋め戻し土の強度の各値を組み合わせたパターン毎に実行することで前記埋め戻し土の安息角を算出し、
前記養生日数を独立変数、前記安息角を従属変数とした回帰分析を、前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に実行することで前記養生日数を変数とした前記安息角を解とする回帰式を生成し、
当該回帰式を、前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターンに対応付けて記憶部に格納する処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の埋め戻し土の安息角を算出する安息角算出システム。 - 経時性硬化材を含む埋め戻し土を埋め戻すときに型枠で支持して前記経時性硬化材で硬化した埋め戻し土の端部を形成する端部形成方法において、前記型枠の上部を前記埋め戻し土側に傾けた状態で前記型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠内に前記埋め戻し土を埋め戻す敷設工程と、前記敷設工程にて埋め戻された前記埋め戻し土が所定の養生日数を経過した後、前記型枠を撤去する撤去工程と、を備え、前記型枠の傾斜角を、前記所定の養生日数を経過した後に前記型枠を撤去しても前記埋め戻し土の端部の斜面が安定を保つ、前記所定の養生日数を経過した時点での前記埋め戻し土の安息角以下とする埋め戻し土の端部形成方法における前記安息角を算出する安息角算出方法であって、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの各値を組み合わせたパターン毎に、前記埋め戻し土の養生日数を変数として前記埋め戻し土の安息角を表す関数を記憶した記憶部と、演算部と、を備える情報処理システムが、
前記埋め戻し土の重量及び前記埋め戻し土の高さの値をそれぞれ入力部で受け付け、ここで受け付けた値の組み合わせに合致するパターンを前記記憶部にて特定し、特定したパターンに対応する関数を前記記憶部より読み出す処理と、
前記埋め戻し土の養生日数の値を入力部で受け付け、ここで受け付けた値を前記読み出した関数に適用して前記埋め戻し土の安息角を算定し、当該安息角を出力部に表示する処理と、を実行することを特徴とする埋め戻し土の安息角算出方法。 - 型枠の傾斜角度を変更可能な型枠支持装置と、請求項6に記載の埋め戻し土の安息角算出方法にて算出された安息角を受信して、前記型枠支持装置を、前記型枠の傾斜角度が前記受信した安息角以下となるように制御する制御部とを備える型枠システム。
- 請求項1に記載の構造物の構築方法にて構築されたことを特徴とする構造物。
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