JP4243373B2 - 縦型基材搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材を立てた状態で搬送する縦型基材搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、両面プリント配線板及び多層プリント配線板においては、1枚の絶縁基材の表裏面に所定の導体パターンが形成されている。これらの導体パターンは、絶縁基材上に形成された金属箔をエッチングすることにより形成される。
【0003】
こうした導体パターンを形成するためには、基材の表裏面に所定のパターンのエッチングレジストを形成する必要がある。このため、通常では、基材を水平にした状態で載置して、基材の片面ずつ各別にエッチングレジストを形成するようにしている。
【0004】
ところが、近年では、プリント配線板の生産性を向上するために、基材の両面を同時にエッチングレジストを形成して、導体パターンの形成工程を簡略化する技術が提案されている。
【0005】
この技術においては、基材を立てた状態にし、その上端及び下端をコンベアベルトなどによって挟持させた状態で搬送するようにしている。そして、導体パターンの形成工程に必要な現像処理やキュア処理等の各処理を基材の表裏面両側に対して行うことにより、表裏面同時に所定のパターンのエッチングレジストを形成させることを可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように基材を立てた状態で搬送すると、その不安定性から、搬送途中の基材が進行方向に傾いてしまうおそれがある。そして、こうした基材の傾きは、前記各処理を円滑に行うことができなくなる要因となり、ひいては導体パターンの形成不良を生じる要因ともなる。
【0007】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材を立てた状態で搬送する際に生じる基材の傾きを正常な傾きに確実に矯正することのできる縦型基材搬送装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、基材を立てた状態で搬送する縦型基材搬送装置において、前記基材の進行方向に沿って延びるように形成され、該基材の上側縁に当接可能な当接面を有する溝が設けられた基準壁と、前記基材を把持及び開放可能な把持手段と、前記把持手段によって把持された該基材を前記基準壁側に近接させる移動手段とを有する傾き矯正機構とを備え、前記把持手段は前記基材の上端外周部を把持するとともに、前記移動手段は上動して前記基材を吊り上げ、該基材の上側縁を前記基準壁に設けた溝の当接面に当接させることにより、同基材の進行方向の傾きを前記溝の当接面に沿った傾きに矯正することをその要旨としている。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の縦型基材搬送装置において、前記把持手段を2つ有し、それら各把持手段によって前記基材を2箇所で把持するとともに、各把持手段と移動手段との間には、各把持手段の上下方向への伸縮を可能とする伸縮手段を備えることをその要旨としている。
【0011】
以下、本発明の「作用」を説明する。
請求項1に記載の発明によると、把持手段によって基材の上端外周部を把持し、そのまま移動手段によって基材を基準壁側に移動させて、基材の上側縁を基準壁に設けた溝の当接面に当接させることができる。このため、基材が進行方向に傾いた状態であったとしても、基材の側縁を基準壁に設けた溝の当接面に当接させることにより、その傾きを該溝の当接面に沿った傾きに容易かつ確実に矯正することができるようになる。また、基材が基準壁に当接した際に、位置ズレを生じたり曲がってしまうことを確実に防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によると、基材を基準壁に対して当接させる際に基材から基準壁に対して押圧力が発生しても、その押圧力を伸縮手段によって吸収することができる。したがって、該基材の当接面が変形するなどの不都合を防止することができる。特に、基材に傾きが生じている際には、基材と基準壁との間に偏った押圧力が発生するため有効となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
基材搬送装置1は、図1に示すように、プリント配線板の導体パターンの形成工程に必要な現像機2とUVキュア装置3との間に配置されている。すなわち、基板搬送装置1は、プリント配線板となる基材を現像機2からUVキュア装置3に搬送するタクトコンベアとして使用されている。
【0016】
基材搬送装置1は、図2及び図3に示すように、上板11と下板12とを備えている。上板11の下面及び下板12の上面には、それぞれコンベア機構13,14が配設されている。そして、現像機2によって現像処理が施された基材15は、コンベア機構13,14によってその上端及び下端外周部が挟持されて水平方向に搬送されるようになっている。すなわち、基材搬送装置1は、矩形状をした基材15を立てた状態で搬送する縦型基材搬送装置である。
【0017】
図4に示すように、上板11側のコンベア機構13は、複数のローラ21とそれらローラ21に巻回された環状のベルト22とからなる2つの巻掛伝動装置23a,23bから構成されている。各巻掛伝動装置23a,23bは、所定の隙間をあけて対向配置されている。そして、各コンベア機構23a,23bは、図示しない動力伝達機構からの動力伝達によって、同図に矢印T1で示す方向に移動するようになっている。
【0018】
また、図5に示すように、下板12側のコンベア機構14も、前記コンベア機構13と同様に、複数のローラ24とそれらローラ24に巻回された環状のベルト25とからなる2つの巻掛伝動装置26a,26bから構成されている。これら各巻掛伝動装置26a,26bは、図3に併せ示すように、前記コンベア機構13の巻掛伝動装置23a,23bと対応する隙間をあけて対向配置されている。そして、各巻掛伝動装置26a,26bは、前記動力伝達機構からの動力伝達によって、図5に矢印T2で示す方向に移動するようになっている。
【0019】
さらに、上板11の上面側及び下板12の下面側には流体圧シリンダ等からなる図示しない駆動機構が配設されている。そして、各駆動機構の駆動によって、各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bは、図3〜図5に矢印T3で示すように、互いに近接及び離間する方向に移動可能になっている。すなわち、これら各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bの移動によって、基材15の挟持及び挟持解除が可能となっている。
【0020】
一方、図4に示すように、各巻掛伝動装置23a,23b間の略中央には、ベルト22の進行方向に延びる基準壁27が形成されている。この基準壁27の下面側には、図6に併せ示すように、断面略「V」字状の溝27aが設けられている。なお、基準壁27は、縦型基材搬送装置1のフレーム等に不動となるように固定されている。また、基準壁27の下面は、水平となるように設定されている。
【0021】
また、図2〜図4に示すように、上板11の上面側の略中央には、基材の傾き矯正機構31が配設されている。
傾き矯正機構31は、図2及び図3に併せ示す移動手段としての移動アクチュエータ32と、図4に示す把持手段としての把持アクチュエータ33とを備え、各アクチュエータ32,33間は連結部材34によって連結されている。
【0022】
移動アクチュエータ32は、エアシリンダや油圧シリンダなど、流体圧を利用したアクチュエータから構成されている。そして、この移動アクチュエータ32は、把持アクチュエータ33を上下動させるようになっている。
【0023】
把持アクチュエータ33は、図4に示すように、4つの独立した流体圧シリンダ(以下、単に「シリンダ」という)33a〜33dから構成されている。各シリンダ33a〜33dの先端には、把持部35がそれぞれ形成されている。また、シリンダ33aとシリンダ33b、シリンダ33cとシリンダ33dがそれぞれ対向した状態で、基準壁27の長手方向側の両側にそれぞれ配置されている。この把持アクチュエータ33は、対向配置された把持部35同士が近接及び離間する方向に移動させるようになっている。すなわち、こうした各シリンダ33a〜33dの駆動によって、基材15の把持及び把持解除が可能となっている。
【0024】
次に、このように構成された縦型基材搬送装置1の動作を図6及び図7に従って説明する。
[1]前記現像機2によって現像処理が行われた基材15を、縦型基材搬送装置1内の所定位置まで搬送する。このとき、各コンベア機構13,14によって基材15の表裏面の上端及び下端を挟持して搬送する。なお、基材15の上端及び下端を挟持するようにしたのは、未硬化のフォトレジストがある中央部に触れないようにするためである。
【0025】
[2]図6(a)に矢印K1で示すように、対向する各シリンダ33a,33b(33c,33d)を駆動させることにより、各把持部35を互いに近接する方向に移動させて、基材15の表裏面の上端を2箇所で把持させる。
【0026】
[3]同図(a)に矢印K2で示すように、それぞれ対向する各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bを離間する方向に移動させて、基材15の挟持を解除する。これにより、基材15は、同図(b)に示すように、各シリンダ33a,33b(33c,33d)のみによって把持された状態となる。
【0027】
[4]同図(b)に矢印K3で示すように、移動アクチュエータ32を上動させる。そして、図6(c)に示すように、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させる。したがって、基準壁27の下面が、基材15との当接面となる。なお、基準壁27の下面には溝27aが設けられているため、基材15の上側縁が基準壁27の下面への押圧力によって位置ズレを生じたり曲がってしまうことが防止される。
【0028】
ここで、基材15がその進行方向に傾いた状態で本装置1に搬送されたとする。すなわち、図7(a)に示すように、基材15が、同図に2点鎖線で示す基材15の正常位置から角度θだけ傾いた状態で搬送されたとする。
【0029】
この場合、前記各シリンダ33a〜33dによる把持状態においても、基材15は傾いた状態となる。そして、この状態で移動アクチュエータ32を上動させると、基材15の上側縁の一部が基準壁27の下面と当接する。そのまま、さらに移動アクチュエータ32を上動させていくと、該基材15の上側縁の一部と基準壁27との間に押圧力が発生する。この押圧力によって、基材15は図7(b)に矢印K4で示す方向にスライド移動して、同基材15の上側縁は基準壁27との当接面の角度に沿った傾きに矯正される。すなわち、基材15の傾きは、傾き矯正機構31によって、基準壁27の下面に沿った傾きに矯正される。
【0030】
[5]移動アクチュエータ32を下動させて、基材15を図6(b)に示した所定位置に位置させる。
[6]それぞれ対向する各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bを近接する方向に移動させて、基材15を再び挟持させる。
【0031】
[7]対向する把持部35同士が離間するように把持アクチュエータ33を駆動させて、基材15の把持状態を解除する。
[8]各コンベア機構13,14を駆動させて基材15をUVキュア装置3へ向けて水平に搬送する。
【0032】
こうした傾き矯正機構31によって基材15は正常位置でUVキュア装置3へ搬送されることとなるため、該傾き起因する同装置3への搬送不良やUVキュア処理の処理不良等が確実に防止されることとなる。
【0033】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)縦型基材搬送装置1には、基準壁27及び傾き矯正機構31が配設されている。そして、傾き矯正機構31によって、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させている。このため、基材15がその進行方向に傾いて搬送された場合であっても、基材15と基準壁27との当接によって同基材15の傾きを基準壁27の下面に沿った傾きに矯正することができる。したがって、基準壁27の下面の傾きを正常な傾きに設定すれば、基材15を正常な傾きに確実に矯正することができる。
【0034】
(2)傾き矯正機構31は、上下動可能な移動アクチュエータ32と基材15を把持及び把持解除が可能な把持アクチュエータ33とを備えている。
そして、把持アクチュエータ33によって基材15を把持させ、移動アクチュエータ32を上動させることによって基材15を基準壁27の当接面となる下面に当接させるようにしている。このため、基材15を基準壁27の下面に確実に当接させて基材15の傾きを基準壁27の下面に沿った傾きに矯正することができる。
【0035】
(3)基材15は、把持アクチュエータ33によってその上端外周部が把持され、その状態で移動アクチュエータ32によって上方に移動される。このため、基材15は吊り上げられた状態となる。したがって、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させた際に、基材15を基準壁27の下面に沿った傾きに容易かつ確実に矯正することができる。また、基材15が薄肉の場合には、基材15を吊り上げることによって、同基材15の撓みも解消されることとなる。
【0036】
(4)基準壁27の下面には、断面略「V」字状の溝27aが設けられている。このため、基材15の上側縁が基準壁27の下面に当接した際に、基材15の上側縁が溝27aに案内されて適切な位置決めを行うことができるとともに、該上側縁が曲がってしまうなどの変形を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図8に基づいて説明する。ここでは第1実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0037】
本実施形態の縦型基材搬送装置1においては、傾き矯正機構31にコイルバネからなる伸縮手段41が設けられている。この伸縮手段41は、連結部材34において、移動アクチュエータ32とシリンダ33a,33bとの間、及び移動アクチュエータ32とシリンダ33c,33dとの間にそれぞれ各別に設けられている。
【0038】
このように構成された傾き矯正機構31においては、進行方向に角度θだけ傾いて搬送された基材15を吊り上げて基準壁27の下面に当接させた際に、図8(b)に示すように、基材15の傾きが伸縮手段41によって許容される。すなわち、同図に矢印K5で示すように、基材15の把持位置が高くなっているシリンダ33c,33d側の伸縮手段41が伸長する。また、矢印K6で示すように、同基材15の把持位置が低くなっているシリンダ33a,33b側の伸縮手段41が収縮する。これにより、基材15の上側縁が基準壁27の下面に沿った傾きに矯正される。このため、基材15がシリンダ33a〜33dからスライド移動することがない。したがって、該スライド移動によって基材15の表裏面に傷がついてしまうなどの不都合が防止される。
【0039】
また、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させる際には、基材15を基準壁27に押し付けた状態となるため、基材15と基準壁27との間に押圧力が発生する。しかしながら、傾き矯正機構31には前記伸縮手段41を設けられているため、この押圧力が同伸縮手段41によって吸収されることとなる。したがって、該押圧力によって基材15の上側縁が変形したり破損するなどの不都合も防止される。
【0040】
なお、本実施形態における縦型基材搬送装置1の動作は、前記第1実施形態とは少々異なる。
すなわち、前記[4]の動作後(移動アクチュエータ32を上動させて、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させた後)、それぞれ対向する各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bを近接する方向へ移動させて基材15を挟持させる。そして、各シリンダ33a〜33dの駆動により対向する把持部35同士を離間する方向に移動させて、把持アクチュエータ33による基材15の把持を一旦解除する。これにより、伸長及び収縮した各伸縮手段41が常態へ戻り、各シリンダ33a〜33dの位置も常態へ戻る。その後、再び各シリンダ33a〜33dによって基材15を把持させ、それぞれ対向する各巻掛伝動装置23a,23b,26a,26bを離間する方向へ移動させて基材15に対する挟持状態を解除する。そして、前記[5]〜[8]の動作を行わせる。
【0041】
したがって、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における上記(1)〜(4)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させて基材15の傾きを矯正する際に、シリンダ33a〜33dから基材15がスライド移動することがない。このため、該スライド移動によって、基材15の表裏面に傷がつくなどの不都合を確実に防止することができる。
【0042】
(6)基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させて基材15の傾きを矯正する際に、基材15の基準壁27に対する押圧力が伸縮手段41によって吸収される。したがって、基材15の上側縁が変形してしまうなどの不都合を確実に防止することができる。
【0043】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記各実施形態における[5]の動作を省略する。すなわち、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させたまま基材15を搬送するようにする。
【0044】
このようにすれば、縦型基材搬送装置1の動作を簡略化することができる。
・ 前記各実施形態では、把持アクチュエータ33によって基材15を2箇所で把持させるようにしているが、1箇所で基材15を把持させるようにしてもよい。なお、この場合には、基材15の上端外周部の略中央部で把持させることが望ましい。
【0045】
このようにすれば、4つのシリンダ33a〜33dを2つに削減することができる。
・ 前記各実施形態では、把持アクチュエータ33として、4つの独立した流体圧シリンダ33a〜33dを用いたが、これを、エアチャックや電動チャックなどのチャックを用いるようにする。
【0046】
このようにすれば、チャックを2つ用いればよいため、把持アクチュエータ33の部品点数を低減することができる。
・ 前記各実施形態では、基材15の上側縁を基準壁27の下面に当接させて基材15の傾きを矯正するようにしているが、例えば、基準壁27を下板12側に配設し、その上面と基材15の下側縁とが当接するようにしてもよい。
【0047】
また、基準壁27を、その長手方向が基材15の進行方向に対して直角をなすように配設するとともに、基材15の進行方向側の側縁をその基準壁27に当接させて基材15の傾きを矯正するようにしてもよい。
【0048】
・ 前記各実施形態では、基準壁27の下面に断面略「V」字状の溝27aを設けたが、この溝27aはこの形状に限らず、例えば断面略「U」字状など、該下面の長手方向の略中央が最も深くなる形状に変更してもよい。また、基準壁27の下面を凹凸のない単なる「面」としてもよい。
【0049】
・ 前記各実施形態では、縦型基材搬送装置1を、現像機2とUVキュア装置3との間に配置されたタクトコンベアとして使用しているが、これに限らず、基材15を立てた状態で搬送する搬送装置であれば何に適用してもよい。
【0050】
・ 基材15の形状は、前記各実施形態のような矩形状に限定されない。すなわち、基材15の形状は、少なくとも1つの側縁が直線的なものであればよい。
・ 前記第2実施形態では、伸縮手段41としてコイルバネを用いたが、これに限らず、板バネ等の他の弾性部材に変更してもよい。
【0051】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項1または2に記載の縦型基材搬送装置において、前記把持手段及び前記移動手段は、流体圧を利用したアクチュエータからなることを特徴とする縦型基材搬送装置。
【0052】
このようにすれば、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等を把持手段及び移動手段として用いることができる。このため、把持手段及び移動手段を比較的容易に制御することができる。
【0053】
(2) 請求項1,2、技術的思想(1)のいずれか1項に記載の縦型基材搬送装置において、前記把持手段は、前記基材を把持及び把持解除可能なチャックからなることを特徴とする縦型基材搬送装置。
【0054】
このようにすれば、エアチャックや電動チャック等を把持手段として用いることができる。このため、簡単な構成で把持手段を構成することができる。
(3) 請求項1,2、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載の縦型基材搬送装置において、該装置は、プリント配線板の導体パターンの形成工程に必要な現像機とUVキュア装置との間に配設されるタクトコンベアであることを特徴とする縦型基材搬送装置。
【0055】
(4) 請求項1,2、技術的思想(1)〜(3)のいずれか1項に記載の縦型基材搬送装置において、該装置は上下一対のコンベア機構を備え、そのコンベア機構によって基材の上下端縁を把持して同基材を搬送することを特徴とする縦型基材搬送装置。
【0056】
(5) 基材を立てた状態で搬送する縦型基材搬送装置における基材の位置決め方法であって、前記基材の上端外周部を把持し、その状態で基材を上方に吊り上げ、該基材の上側縁に当接可能な当接面を有する基準壁に当接させることによって、基材の傾きを基準壁の当接面に沿った傾きに矯正する基材の位置決め方法。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、把持手段によって基材の上端外周部を把持し、そのまま移動手段によって基材を基準壁側に移動させて、基材の上側縁を基準壁に設けた溝の当接面に当接させることができる。このため、基材が進行方向に傾いた状態であったとしても、基材の側縁を基準壁に設けた溝の当接面に当接させることにより、その傾きを該溝の当接面に沿った傾きに容易かつ確実に矯正することができる。また、基材が基準壁に当接した際に、位置ズレを生じたり曲がってしまうことを確実に防止することができる。
【0061】
請求項2に記載の発明によれば、基材を基準壁に対して当接させる際に基材から基準壁に対して押圧力が発生しても、その押圧力を伸縮手段によって吸収することができる。したがって、該基材の当接面が変形するなどの不都合を防止することができる。特に、基材に傾きが生じている際には、基材と基準壁との間に偏った押圧力が発生するため有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縦型基材搬送装置の使用態様を示すブロック図。
【図2】第1実施形態の縦型基材搬送装置の正面図。
【図3】同実施形態の縦型基材搬送装置の側面図。
【図4】図2のA方向からみた平面図。
【図5】図2のB方向からみた平面図。
【図6】図2のC−C線断面において傾き矯正機構の動作を示す概略断面図。
【図7】同実施形態の縦型基材搬送装置において、傾き矯正機構の動作を示す概略正面図。
【図8】第2実施形態の縦型基材搬送装置において、傾き矯正機構の動作を示す概略正面図。
【符号の説明】
1…縦型基材搬送装置、27…基準壁、27a…溝、31…傾き矯正機構、32…移動手段としての移動アクチュエータ、33…把持手段としての把持アクチュエータ、33a〜33d…流体圧シリンダ、34…連結部材、35…把持部、41…伸縮手段。

Claims (2)

  1. 基材を立てた状態で搬送する縦型基材搬送装置において、
    前記基材の進行方向に沿って延びるように形成され、該基材の上側縁に当接可能な当接面を有する溝が設けられた基準壁と、
    前記基材を把持及び開放可能な把持手段と、前記把持手段によって把持された該基材を前記基準壁側に近接させる移動手段とを有する傾き矯正機構とを備え
    前記把持手段は前記基材の上端外周部を把持するとともに、前記移動手段は上動して前記基材を吊り上げ、該基材の上側縁を前記基準壁に設けた溝の当接面に当接させることにより、同基材の進行方向の傾きを前記溝の当接面に沿った傾きに矯正することを特徴とする縦型基材搬送装置。
  2. 請求項1に記載の縦型基材搬送装置において、
    前記把持手段を2つ有し、それら各把持手段によって前記基材を2箇所で把持するとともに、各把持手段と移動手段との間には、各把持手段の上下方向への伸縮を可能とする伸縮手段を備えることを特徴とする縦型基材搬送装置
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