JP4243307B2 - ガラス基板の加工方法及びガラス基板加工用リンス剤組成物 - Google Patents

ガラス基板の加工方法及びガラス基板加工用リンス剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、酸化セリウム、コロイダルシリカ等の研磨材によって研磨されたガラス基板の表面に付着した研磨材や研磨くずを効率的に除去し、研磨面の表面粗さを小さくできるガラス基板の加工方法及びその方法に使用するリンス剤組成物に関する。
本願は、2006年4月14日に、日本に出願された特願2006−111934号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ガラス研磨加工には、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、コロイダルシリカ等の研磨材が古くから使用されているが、現在では高い加工速度と高品位な研磨面が得られることから、酸化セリウムを主成分とする研磨用組成物(以下、酸化セリウム系研磨材)が主として用いられている。ガラス基板の研磨加工は、ウレタン系パッド、スェード系パッド等のパッドを張った定盤と、ワークとの間に研磨材のスラリーを流し、所定の荷重をかけた上で相対運動を与えることにより実施される。通常、ガラス基板は、このような研磨を多段階で行い、仕上げられる。
酸化セリウム系研磨材は高い研磨加工速度が得られるが、ガラス表面に対する付着性が高く、研磨材及び、ガラス屑等の研磨カスがガラス表面に残りやすく、研磨加工後の洗浄工程に工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、鏡面研磨後のディスク状ガラス基板をターンテーブル上で水平面内で低速回転させガラス基板の上方から純水を吐出してガラス基板をすすぎ洗浄する方法が開示されている。しかし、水による洗浄だけでは十分に研磨材を除去できない。
特許文献2には、80℃〜90℃のリン酸にガラス基板を浸漬してガラス基板に付着した研磨材を除去する方法が開示され、さらにその後で加熱した硫酸と過酸化水素水との混合物にガラス基板を浸漬してガラス基板に付着した金属あるいは有機物を除去する方法が開示されている。また、特許文献3には、フッ化水素酸と硫酸、硝酸、リン酸等からなる酸との混酸液に研磨後のガラス基板を浸漬し、超音波洗浄し、ガラス基板に付着残存した研磨粒子を除去する方法が開示されている。これら酸による研磨粒子除去法は、ガラス表面に潜傷や洗浄斑を生じさせることがあった。
研磨砥粒を除去するその他の方法として、特許文献4段落番号0017に開示されているように、水研磨(リンス研磨と言うこともある。)、テープ研磨、スクラブ研磨などの機械的な作用によって研磨砥粒を除去する方法が知られている。
水研磨は、研磨装置に供給していた研磨材スラリーを水(リンス剤ともいう)に切り替えて研磨する方法である。しかし、水を用いたリンス研磨では酸化セリウム等の研磨材の除去が完全ではないことがあった。また水研磨では「鳴き」と呼ばれる、ワーク付近からの軋み音が発生することがある。
一方、スクラブ洗浄時に洗浄液として固体粒子の懸濁液を使用する方法として、例えば、特許文献5に開示されるような、コロイダルシリカの懸濁液やアルカリ性水溶液などを用いて、スポンジのような弾性発泡体パッドでガラス基板面を擦る方法がある。同様に特許文献6には、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウムなどのマグネシウムの塩基性塩を含む組成物で、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、二酸化珪素などの研磨材により研磨されたガラスを研磨する方法が開示されている。しかし、この方法では研磨加工を施したものを再研磨加工することになるため、加工機の所要台数が増えるといった問題がある。また、特許文献6の例では、水酸化マグネシウムの粒子径が大きく、研磨機内部で粒子が沈降し、リンス剤として使用した際に酸化セリウム系研磨材に混入しやすいといった問題を抱えている。
特許文献7には、研磨材と、酸化性基を含むアルミニウム塩及び酸化性基を含むマグネシウム塩からなる研磨促進剤と、を含有する研磨用組成物が開示されている。この研磨用組成物は、酸化力のあるイオンや、アルミニウムイオンの加水分解による組成物の酸性化作用等によって、金属やカーボンからなる、酸若しくは酸化剤によって侵されやすい加工物に対する研磨促進剤として用いるものであり、ガラス基板に付着した研磨粒子を除去するものではない。
また、特許文献8には、酸化セリウムを主成分とする研磨材に塩化マグネシウムを含有させてなるガラス研磨用研磨材が開示されている。この研磨材によって潜傷が少ないガラス基板を得ることができると特許文献8は教示しているが、この研磨材は、ガラス基板に付着した研磨粒子を取り除くものではない。
特開平8−153344号公報 特開平9−227170号公報 特開2000−140778号公報 特開2002−109727号公報 特開2000−343390号公報 特開平11−209745号公報 特開平9−100465号公報 特開平3−146585号公報
本発明の目的は、酸化セリウム、コロイダルシリカ等の研磨材で研磨されたガラス基板表面に付着した研磨材や研磨くずを効率的に除去し、これに続く洗浄工程の負荷を低減することができるガラス基板の加工方法及びその方法に使用するリンス剤組成物を提供すること、特に、ガラス製ハードディスク基板のリンス加工に適した加工方法及びリンス剤組成物を提供することである。
本発明者は上記目的を達成するためにリンス剤組成物を検討した結果、研磨加工の終了間際又は終了後に水溶性マグネシウム化合物の水溶液;水溶性マグネシウム化合物とアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液;又は水溶性マグネシウム化合物とアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させてなるコロイド状の粒子を含む懸濁液からなる特定pHのリンス剤組成物を用いることによって、ガラス表面に付着した研磨材や研磨くずを効率的に除去低減でき、さらに研磨面の表面粗さを著しく下げることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいてさらに検討し完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
〔1〕 ガラス基板を研磨加工する工程と、
リンス剤組成物を供給してガラス基板をリンス加工する工程とを含み、
前記リンス剤組成物として、
(1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液、
(2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液、及び
(3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させて得られるコロイド状粒子を含有する懸濁液
からなる群より選ばれる一つを、
pHが7以上12以下、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lとなる範囲で用いるガラス基板の加工方法。

又、本発明は、以下のとおりのものであることが好ましい。
〔2〕 研磨加工する工程を、酸化セリウム研磨材又は酸化ケイ素研磨材若しくはこれらの混合物を用いて行う前記〔1〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔3〕 水溶性マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硝酸マグネシウムである前記〔1〕又は〔2〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔4〕 リンス剤組成物は、(2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のガラス基板の加工方法。
〔5〕 リンス剤組成物は、(2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下であり、さらにアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩を含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のガラス基板の加工方法。
〔6〕 リンス剤組成物は、(3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基のモル量Zとが、5X/4≦Y≦3X/2、及び X/2≦Z≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔5〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔7〕 リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=3X/2、及び Z=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔6〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔8〕 リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=5X/4、及び Z=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔6〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔9〕 リンス剤組成物は、(3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、X/2≦Y≦X、及び X/2≦Z’≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔5〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔10〕 リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X、及び Z’=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔9〕に記載のガラス基板の加工方法。
〔11〕 リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X/2、及び Z’=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔9〕に記載のガラス基板の加工方法。
又、本発明は以下のとおりのものである。
〔12〕 ガラス基板をリンス加工する際に用いるガラス基板加工用リンス剤組成物であって、
(1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液、
(2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液、及び
(3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させてなるコロイド状の粒子を含む懸濁液
からなる群より選ばれる一つを含み、
pHが7以上12以下、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lの範囲であるガラス基板加工用リンス剤組成物。
又、本発明は以下のとおりであることが好ましい。
〔13〕 水溶性マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硝酸マグネシウムである前記〔12〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔14〕 (2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下である前記〔12〕又は〔13〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔15〕 (2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下であり、さらにアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩を含む前記〔12〕又は〔13〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔16〕 (3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、5X/4≦Y≦3X/2、及び X/2≦Z≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔15〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔17〕 組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=3X/2、及び Z=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔16〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔18〕 組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=5X/4、及び Z=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔16〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔19〕 (3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、X/2≦Y≦X、及び X/2≦Z’≦3X/4 の関係を満たすように配合し、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔15〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔20〕 組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X、及び Z’=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔19〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
〔21〕 組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X/2、及び Z’=3X/4 の関係を満たすように配合し、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する前記〔19〕に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
本発明のガラス基板の加工方法を用いることにより、研磨加工によって付着した研磨材や研磨くずなどを効率的に除去することができ、その後に続く洗浄工程の負荷を低減でき、ガラス基板の研磨処理全体のコストを低減できる。また、本発明の加工方法を適用することによって、表面粗さが小さい研磨面を持ったガラス基板を容易に得ることができ、ガラス基板の品質向上に寄与できる。
本発明のリンス剤組成物は、研磨作用をほとんど有しないので、研磨加工によってできた高精度の研磨面の寸法精度や端部形状を維持したままで、研磨材などの付着物だけを取り除くことができる。また、本発明のリンス剤組成物を用いると、ワークからの軋み音「鳴き」が水研磨に比べ大幅に低減される。特に「鳴き」の低減効果は、コロイド状粒子を含む懸濁液からなるリンス剤組成物に顕著に顕われる。さらにこの「鳴き」の低減によるものか詳細は不明であるが、ガラス基板の傷つき量が大幅に低減でき、ガラス基板の品位向上にきわめて効果的である。
以下、本発明のガラス基板の加工方法、及びその方法に用いるリンス剤組成物を詳細に説明する。
本発明のガラス基板の加工方法は、ガラス基板を研磨加工する工程と、ガラス基板をリンス加工する工程とを含む。
(ガラス基板を研磨加工する工程)
コンピュータのハードディスク等に用いられるガラス基板は、高い平滑性と、異物や付着物が無いことが要求される。本発明の加工方法はこのような要求の厳しいハードディスク用ガラス基板に用いるのが好適である。ハードディスク用ガラス基板の製造では、通常、ラップ加工を施したガラス基板を二段階に分かれた研磨工程によって研磨し、低い表面粗さの表面を有するガラス基板に加工する。そして、一般に、第一段目の研磨工程では例えば硬質ウレタンパッドを用いて研磨が行われ、第二段目の研磨工程(仕上げ研磨工程ともいう)では例えばスゥエードパッドを用いて研磨が行われる。
研磨加工で用いられる研磨材は、特に制限されないが、酸化セリウム系研磨材又は酸化ケイ素系研磨材若しくはこれらの混合物が好ましく、特に酸化セリウム系研磨材が好ましい。
本発明の加工方法では、後述のリンス加工工程を、第一段目の研磨加工終了間際又は終了後に行ってもよいが、第二段目の研磨加工終了間際又は終了後に行う方が、本発明の効果が顕著に現れ好ましい。
(ガラス基板をリンス加工する工程)
リンス加工工程で用いる本発明のリンス剤組成物は、(1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液、(2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液、又は(3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させてなるコロイド状粒子を含有する懸濁液であり、pHが7以上12以下のものである。
(1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液からなるpHが7以上12以下のリンス剤組成物:
水溶性マグネシウム化合物の例としては、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩が挙げられる。これらのうち、排水処理の負荷の観点から塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムが好ましく、さらに水への溶解性や輸送物流コストの観点を加味すると、塩化マグネシウムが最も好ましい。水溶性マグネシウム化合物の濃度(組成物中の総マグネシウム濃度)は1mmol/L〜1mol/Lであることが好ましい。濃度が低すぎると純水と同等の洗浄結果が得られるのみであり、本発明の効果が低下傾向になる。また、濃度が高すぎると、研磨材として使用した酸化セリウムが凝集しやすくなり、パッドに残留する酸化セリウム粒子を取り除き難くなる傾向になる。
(2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液からなるpHが7以上12以下のリンス剤組成物:
アルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
水溶性マグネシウム化合物とアルカリ金属の水酸化物とは、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下となるように配合される。
アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。水溶性マグネシウム化合物の濃度(組成物中の総マグネシウム濃度)は1mmol/L〜1mol/Lであることが好ましい。アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の量は特に限定されない。水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液(2)を用いると、前記の水溶性マグネシウム化合物の水溶液(1)に比べて、表面粗さの小さい研磨面を有するガラス基板が得られやすい。
(3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させてなるコロイド状粒子を含有する懸濁液からなるpH7以上12以下のリンス剤組成物:
水溶性マグネシウム化合物の水溶液に添加するアルカリ金属の水酸化物中の水酸基の物質量と、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩中の炭酸基の物質量との比率によっては、難水溶性のマグネシウム化合物等の固体粒子が析出する。
生成する難水溶性のマグネシウム化合物はフロック状に柔らかく凝集する、コロイド状の粒子である。ここでいうコロイド状とは化学大辞典5縮刷版の37頁に記載されている水酸化マグネシウムの表現に準じている。このコロイド状の粒子を含む懸濁液(3)を用いると前記の水溶液(1)又は(2)に比べ、表面粗さの小さい研磨面を有するガラス基板が得られやすい。
水酸化マグネシウム粉末や塩基性炭酸マグネシウム粉末(飽和溶解度以上の量)を水に懸濁させてもコロイド状の粒子を含む懸濁液とは成らない。すなわち、粉末を懸濁しただけのものは、粒子がフロック状ではなく固く沈殿し、場合によっては砂状の沈殿物となることもある。本発明のリンス剤組成物はこのように従来のものとその形態が異なる。
本発明のリンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lであることが好ましい。総マグネシウム濃度が低すぎると本発明の効果が低下傾向になる。逆に総マグネシウム濃度が高すぎると、研磨材として使用した酸化セリウムやコロダルシリカに混入した際に凝集が発生しやすくなり、パッドに残留する酸化セリウム粒子やコロイダルシリカ粒子を取り除き難くなる傾向になる。
本発明のリンス剤組成物は中性からアルカリ性であることでパッド上に残った研磨材粒子の除去が促進される。特に酸化セリウムの場合中性からアルカリ性で使用されるため、研磨加工とリンス加工を交互に繰り返す本発明の加工法においては研磨加工用組成物とリンス剤組成物のpHはできる限り近いことが好ましい。具体的には、pH7以上12以下が好ましく、pH9以上11.5以下が好ましい。pH7未満では、研磨材の除去能が低下傾向になる。pH12を超えるとスジ状の研磨痕がリンス加工時に生じやすい傾向になる。
pHの調整は前記のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つ等の無機塩基や、アンモニア、アミン等の有機塩基で行うことができる。これらのうち無機塩基が好ましい。
本発明のリンス剤組成物は、市販の水溶性マグネシウム化合物を使用できるが、市販の水溶性マグネシウム化合物はpHの緩衝作用のある不純物等の影響で中性を示すこともあるが、鉱酸のマグネシウム塩はpHの緩衝作用に乏しく、水溶性マグネシウム化合物を溶解する水に含まれるイオンの影響や、空気中の炭酸ガス等の影響によりpHが不安定になりやすいため、水酸化アルカリ等の添加によるpHの調整を行うことが好ましい。
アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が、0.001以上2以下となる範囲であることが好ましい。より好ましくは組成物中の総マグネシウム濃度が10mmol/L以上であり、且つY/Xが0.5以上2以下である。この範囲に設定することでコロイド状の難水溶性マグネシウム化合物が析出し、リンス効果をさらに高くすることができる。さらに好ましくは組成物中の総マグネシウム濃度が10mmol/L以上であり且つY/Xが0.5以上1.5以下である。組成物中のマグネシウム全てを水酸化物にするに足る量以下の水酸化物を添加することによって、組成物中に水溶性マグネシウム化合物を適量存在させ、リンス効果を高めることができる。アルカリ金属水酸化物が少なすぎるとpHを調節する効果が小さく、リンス剤として安定した性能を得られない。アルカリ金属水酸化物が多すぎるとpHが高くなりすぎる結果、リンス加工時にガラスを侵してしまい、ガラス表面上にスジ状の研磨痕が発生することがある。
アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩をさらに添加することは、炭酸イオンの緩衝作用によりリンス剤組成物のpHを安定化させる効果があり好ましい。pHが安定化されるとリンス効果が安定し、ガラス基板に付着した研磨材等の除去が促進される。また、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩を添加することで、水酸化物単独の場合よりもイオン濃度を高くすることができ、研磨材粒子やガラス基板表面に対するイオンの吸着作用が高まり、除去された研磨材等の再付着を防止し、リンス効果を高めると考えられる。さらに、水酸化物単独で用いる場合と比較して、水酸化物と炭酸塩を混合した水溶液のpHは水溶性アルカリ単独の水溶液よりやや低くなり、作業性に優れている点でも好ましい。
マグネシウム化合物とアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の配合比率を調節することによって、リンス剤組成物中の固相の析出量および特性を調整することが可能である。本発明の好適なリンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lで、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、5X/4≦Y≦3X/2、及び X/2≦Z≦3X/4 の関係を満たすように配合することが好ましい。
より具体的には、Y=3X/2、及びZ=X/2の関係を満たすように配合することにより、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lでコロイド状粒子を生成したリンス剤組成物を得ることができる。
また、Y=5X/4、及びZ=3X/4の関係を満たすように配合して得られる組成物は組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lで固体粒子を生成する。この組成で得られる固体粒子は純水で希釈すると容易に溶解するため、リンス加工液として好適に用いられるほか、スクラブ洗浄工程に適している。
アルカリ金属の炭酸水素塩の代わりに炭酸塩を使用する場合には、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lで、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、X/2≦Y≦X、及び X/2≦Z’≦3X/4 の関係を満たすように配合することが好ましい。
より具体的には、Y=X、及び Z’=X/2 の関係を満たすように配合して得られる組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lでコロイド状粒子を生成したリンス剤組成物を得ることができる。
また、Y=X/2、及び Z’=3X/4 の関係を満たすように配合して得られる組成物は組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lで固体粒子を生成する。この組成で得られる固体粒子は純水で希釈すると容易に溶解するため、リンス加工液として好適に用いられるほか、スクラブ洗浄工程に適している。
水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの反応によって形成されるコロイド状粒子の濃度は、酸化物質量に換算して0.01質量%〜2質量%が好ましく、0.05質量%〜2質量%がより好ましく、0.1質量%〜2質量%が特に好ましい。ここで言う酸化物換算濃度とは、生成したコロイド状粒子を、定量ろ紙によるろ過法で回収し、質量既知のアルミナ坩堝で焼成して得た酸化物の質量から求めた濃度である。
コロイド状粒子を含まないリンス剤組成物(1)又はリンス剤組成物(2)でも十分なリンス効果と表面粗さRaの低減効果が認められるが、コロイド状粒子を含んだリンス剤組成物(3)の方がリンス効果が大きい。コロイド状粒子の量が多くなると粘度が上昇し、研磨機への供給が難しくなるのでコロイド状粒子の量は2質量%以下が好ましい。
本発明のリンス剤組成物は、その調製法によって特に限定されない。例えば、低濃度の水溶性マグネシウム化合物水溶液を調製し、これにアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの水溶液を添加して微粒子を析出させて、コロイドを形成することによって得ることができる。高濃度の水溶性マグネシウム化合物水溶液と、高濃度のアルカリ金属水酸化物水溶液又はアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属炭酸塩若しくは炭酸水素塩の混合物水溶液とを混合すると、極端な粘度上昇を引き起こすため好ましくない。好適には所望とする濃度の塩化マグネシウム水溶液を調製し、それにアルカリ金属水酸化物、又はアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属炭酸塩若しくは炭酸水素塩の混合物水溶液をゆっくり添加混合することが好ましい。水溶性マグネシウム化合物の水溶液にアルカリ金属水酸化物の水溶液だけを添加する場合に比較して、水溶性マグネシウム化合物の水溶液にアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸塩の混合物を添加する方が生成したコロイド状粒子がダマ状に固まりにくく好ましい。
リンス剤組成物に異物が混入することを防ぐために、水溶性マグネシウム化合物水溶液や、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの水溶液を、高精度のフィルター等でろ過し異物を除去し、その後、両水溶液を混合しコロイド状粒子を生成させるのが好ましい。
本発明のコロイド粒子を含有する懸濁液からなるリンス剤組成物は、リンス加工に使用する現場で調製することが好ましい。コロイド粒子を生成させた後、長期間保管したり、輸送したりすると、コロイド粒子が沈降し、この沈降物を再分散し懸濁液に戻すことが困難な場合があるからである。
従って、本発明のリンス剤組成物の輸送又は保管は、高濃度の水溶性マグネシウム化合物の水溶液と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの水溶液とに分けて行うことが好ましい。また、低温度で析出しない程度の高濃度の水溶液とすることによって、輸送や保管コストを低減できる。
本発明のリンス剤組成物はそのままでも十分なリンス効果を得ることができるが、さらに付着除去性を向上させる目的や、パッド目詰まり防止、ロールオフ改善等の効果を目的として、ポリアクリル酸やその塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体およびその塩、カルボン酸−スルホン酸系共重合体、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物のような芳香族スルホン酸塩およびその塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子を所望により混合してもよい。
また、エチレンジアミン四酢酸、1,1,1−ヒドロキシエチリデンジホスホン酸等のキレート作用のある物質や、蓚酸、蟻酸、酢酸等の有機酸又はその塩を所望により適宜混合することもできる。
本発明のリンス剤組成物は、不純物レベルのアルミニウム、鉄、珪素等の金属元素を含有してもかまわない。それらの不純物元素は、キレート作用のある物質を含有しない場合は水酸化物、酸化物の形態で存在することが考えられるが、実質的にリンス剤としての効果を妨げない。しかし、鉄、アルミニウムの水酸化物は微粒子であることが多く、リンス剤組成物としては極力含有しないことが好ましい。また、本発明のリンス剤組成物は、マグネシウム以外のアルカリ土類金属イオン、その他の水溶性金属塩又は非水溶性金属塩を含有していてもかまわない。
本発明のリンス剤組成物は、ガラス研磨加工対象となるガラスの種類を問わない。ガラスとしては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。
本発明のリンス剤組成物を用いてリンス加工する方法は特に制限されない。例えば、研磨加工工程において研磨加工機に供給していた研磨材スラリーを本発明のリンス剤組成物に切り替えて供給することによって行うことができる。リンス剤組成物によるリンス加工工程時の研磨加工機による加工圧力を、研磨加工工程時の加工圧力よりも低くすることが好ましい。リンス加工時の加工圧力は30g/cm以上、70g/cm以下が望ましい。加工圧力が高すぎると、被加工物を破損する恐れがある。低すぎる場合は被加工物がキャリアから飛び出す現象が発生しやすくなる。リンス加工の時間は研磨材スラリーがほぼ完全に除去されるだけの時間とすることが好ましい。好ましくは2分以上、より好ましくは5分以上、さらに大型の加工機の場合は7分以上行うことが好ましい。
リンス剤組成物の供給量は、研磨材等を除去することができる量であれば、特に制限されないが、酸化セリウムの循環研磨を実施しているときの供給量と同程度とすることが好ましい。本発明のリンス剤組成物は固形分濃度が低く、排水処理の負荷が小さいので、水リンス加工時に使用する水量と同様に多量に使用しても加工コストが高くなることがない。
また本発明のリンス剤組成物中のコロイド状粒子は酸によって容易に溶解除去することができる。酸化セリウム系研磨材を除去する従来法である酸洗浄法では酸化セリウムを溶解させるために厳しい条件にしなければならないが、本発明のリンス剤組成物では穏やかな条件で洗浄することができ、洗浄コストを低くすることができる。
次に実施例を示し、比較例と対比して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、実施例の記述で、部、%および比率は、特に記載のない限り質量基準である。
〔実施例1〕
(研磨加工用スラリーの調製)
酸化セリウム系研磨材と水と市販の分散剤とを混合し、研磨材を水に分散させ、研磨材濃度5%の研磨加工用スラリー1を調製した。
(リンス剤組成物の調製)
塩化マグネシウム6水和物(赤穂化成製)を水に溶解し、濃度280mmol/Lの塩化マグネシウム水溶液(A液)を調製した。
一方、25%水酸化ナトリウム水溶液と、炭酸水素ナトリウム無水物(旭硝子製)とを水に溶解し、濃度420mmol/Lの水酸化ナトリウムと、濃度140mmol/Lの炭酸水素ナトリウムとの混合水溶液(B液)を調製した。
純水19.8LにA液100mLを溶解し、それにB液100mlを攪拌しながら徐々に添加して、リンス剤組成物1を調製した。
(研磨加工)
一段目の研磨加工されたアルミノシリケート系ガラス基板(直径65mm、厚さ0.64mm)25枚を、スゥエードパッド(N0058:カネボー株式会社製)を備えた4ウエイタイプの9B型両面加工機にセットし、研磨加工用スラリー1約8Lを1.5L/分で循環供給し、加工圧力90g/cm、下定盤回転数35回転/分;上定盤、ワーク公転及びワーク自転回転数を該加工機の下定盤回転数に対応する標準設定値にして、研磨加工を行った。
前記研磨加工開始から20分経過時に、加工圧力を70g/cmに、下定盤回転数を25回転/分に;上定盤、ワーク公転及びワーク自転数を該加工機の下定盤回転数に対応する標準設定値にそれぞれ変更し、同時に研磨加工用スラリー1の循環供給を止め、それに代えてリンス剤組成物7.5Lを1.5L/分の供給速度で掛け捨て(1Pass)で供給し、5分間、リンス加工を行った。
リンス加工終了後、ガラス基板を酸性洗浄剤を用いて超音波洗浄し、界面活性剤水溶液でスクラブ洗浄し、さらに純水洗浄を行い、最後スピン乾燥して、評価用ガラス基板を得た。
加工機は、リンス加工終了後、ブラシキャリアを使用して、3L/分の供給量で純水を供給しながら2分間のパッド洗浄を行い、2回目の使用として研磨加工及びリンス加工に用いられた。なお、本発明において、加工速度(一回目)は、加工機を一回目に使用した時、即ち、最初の25枚の基板の研磨加工速度であり、加工速度(二回目)は、加工機を二回目に使用した時、即ち、次の25枚の基板の研磨加工速度である。評価結果を表1に示した。
Figure 0004243307
前記評価用ガラス基板を用いて評価を行った。結果を表1に示した。
評価用ガラス基板は下記の方法により加工速度、原子間力顕微鏡(AFM)による算術平均粗さ(Ra)および付着性、触針式形状測定器(TencorP−12)による端部形状の測定を行い評価した。
(算術平均粗さRa)
原子間力顕微鏡(AFM)で研磨面の10μm四方を観察し、算術平均粗さ(Ra)を求めた。
(加工速度)
加工量を研磨加工時間20分で除算することにより加工速度(μm/分)を求めた。
加工速度(μm/分)=加工量(μm)/20(分)
加工量は、加工前後のガラス基板の質量減少量を測定し、質量減少量の測定値から次式で換算して求めた。
加工量(μm)=質量減少(g)×133(μm/g)
(付着性)
原子間力顕微鏡(AFM)で研磨面の10μm四方を観察し、視野内にある突起物の数を数え、1視野あたりの本数が0〜1本のものをA、同2〜4本のものをB、5〜10本のものをC、11本以上のものをDとして評価した。
(端部形状)
基板端部から2mm〜3mmの2箇所で平行を取り、基板端部から0.5mmの場所と、基板端部から2.5mmの場所の形状を、測定長5mmで、触針式形状測定器(TencorP−12)を使用して測定した。上に反った状態をスキージャンプ(J)、まっすぐな状態をフラット(F)、下に反った状態をダレ(R)と定義し、評価した。
(加工機内の堆積状態の観察)
加工機内の堆積物の有無を目視により観察した。
〔実施例2〜5〕
実施例1で調製したA液、B液を純水に所定量加え、表1に示す処方のリンス剤組成物2〜5を調製した。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表1に示した。
〔実施例6〕
硫酸マグネシウム無水塩(関東化学製)33.8gを水に溶解し、全量を19Lとした。この水溶液に実施例1で調製したB液1Lを混合し、リンス剤組成物6を調製した。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表1に示した。
〔実施例7〕
硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬製)71.91gを水に溶解し、全量を19Lとした。この水溶液に実施例1で調製したB液1Lを混合し、リンス剤組成物7を調製した。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表1に示した。
〔実施例8〜12〕
表1及び表2に示す処方に従って塩化マグネシウム、水酸化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの水溶液を調製し、リンス剤組成物8〜12を得た。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表1及び表2に示した。
〔実施例13〜18〕
表2に示す処方に従って塩化マグネシウム、及び水酸化ナトリウムの水溶液を調製し、リンス剤組成物13〜18を得た。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表2に示した。
〔実施例19〕
表2に示す処方に従って塩化マグネシウム水溶液を調製し、リンス剤組成物19を得た。研磨加工用スラリーは実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様に加工試験を実施した。評価結果を表2に示した。
Figure 0004243307
〔比較例1〕
リンス剤組成物1に代えて純水を使用した以外は実施例1と同様の条件で加工試験を実施した。評価結果を表3に示した。
〔比較例2〕
リンス剤組成物1に代えて14mmol/Lの塩化マグネシウムと14mmol/Lの硝酸アルミニウムの混合液(表3中、「Mg−Al」と表記した。)を使用した以外は実施例1と同様にして加工試験を実施した。評価結果を表3に示した。
〔比較例3〕
リンス剤組成物1に代えて21mmol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(表3中、「NaOH」と表記した。)を使用した以外は実施例1と同様にして加工試験を実施した。評価結果を表3に示した。
〔比較例4〕
酸化セリウム系研磨材と水と市販の分散剤とを混合し、研磨材を水に分散させ、さらに塩化マグネシウム6水和物0.025%(分散媒の水に対して1.2mmol/L)を添加して研磨材濃度5%の研磨加工用スラリー2を調製した。このスラリー2を用いて研磨加工した以外は比較例1と同様に純水によるリンス加工を行った。評価結果を表3に示した。
〔比較例5〕
塩化マグネシウムの添加量を0.25%(分散媒の水に対して12mmol/L)に変えた他は比較例4と同様にして研磨加工用スラリー3を調製した。このスラリー3を用いて研磨加工した以外は比較例1と同様に純水によるリンス加工を行った。評価結果を表3に示した。
〔比較例6〕
塩化マグネシウムの添加量を0.5%(分散媒の水に対して24mmol/L)に変えた他は比較例4と同様にして研磨加工用スラリー4を調製した。このスラリー4を用いて研磨加工した以外は比較例1と同様に純水によるリンス加工を行った。評価結果を表3に示した。
〔比較例7〕
リンス剤組成物1に代えて0.5質量%のコロイダルシリカ(表3中、「SiO」と表記した。)を使用した以外は実施例1と同様にして加工試験を実施した。評価結果を表3に示した。
〔比較例8〕
水酸化マグネシウム粒子と水と市販の分散剤とを混合し、水酸化マグネシウム粒子を水に懸濁させ、水酸化マグネシウム粒子を5%含有する研磨加工用スラリー5を調製した。このスラリー5を用いて研磨加工しただけで、リンス加工を行わなかった。評価結果を表3に示した。
〔比較例9〕
リンス剤組成物1に代えて0.5質量%の水酸化マグネシウム懸濁液(表3中、「Mg」と表記した。)を使用した以外は実施例1と同様にして加工試験を実施した。評価結果を表3に示した。
Figure 0004243307
比較例1に示すように純水でリンス加工してもガラス基板の付着物を減らすことができず、表面粗さRaも2.5Å以上となっている。
また、水溶性マグネシウム化合物の酸性水溶液(比較例2)では表面粗さRaが純水でリンス加工したものより、低くなっているが、付着物の除去効果が弱いことがわかる。また、加工速度の低下(一回目使用時の加工速度と二回目使用時の加工速度の差)が実施例より大きくなった。スラリーを観察すると、やや凝集しており、酸化セリウム系研磨材に微量混合するだけでも凝集の発生源になってしまうことが分かった。
比較例3として、水酸化ナトリウム水溶液をリンス剤として使用した場合では、付着の改善は見られるものの、AFMで測定した表面粗さがやや高めになるという結果になった。また、数字には現われてこないものの、AFMで観察された研磨面はスジ状の研磨痕が見られ、実施例と比較して加工物表面の形態が劣る結果となった。
比較例4〜比較例6に示すように酸化セリウム系研磨材と塩化マグネシウムとからなる研磨加工用スラリーを用いて研磨加工を行い、その後、純水を用いてリンス加工を行った場合では、付着改善の効果は見られず、加工速度の低下が見られた。
また、コロイダルシリカをリンス剤として用いた比較例7では、付着性と表面粗さに対する改善効果が見られなかった。
また、比較例8では、水酸化マグネシウム粉末を水に懸濁させたスラリーで研磨加工を行ったところ、非常に低いRaと付着に対する効果が見られたものの、加工速度が極めて低いことがわかる。このスラリーは2段目の研磨加工として酸化セリウムを用いてスエードパッドによる加工を実施した加工物を3段目の加工として行った場合は表面欠陥の少ない研磨面が得られたものの、ウレタンパッドでの1段目の加工後の基板では加工速度が遅すぎて1段目の加工の欠陥がとりきれず表面粗さRaが下がらなかった。
比較例9として、水酸化マグネシウム粉末の懸濁液をリンス加工に適用したが、加工機内に堆積物が生じ、堆積物を除去しないと研磨加工を継続するのが難しくなった。
これらに対して、本発明の加工方法を適用して得られたガラス基板(実施例1〜19)は表面粗さRaがいずれも1.5Å以下であり、付着物の数の著しく低くなっていることが判る。また加工速度の2回目以降の低下率が低いこともわかる。
本発明のガラス基板の加工方法を用いることにより、研磨加工によって付着した研磨材や研磨くずなどを効率的に除去することができ、その後に続く洗浄工程の負荷を低減でき、ガラス基板の研磨処理全体のコストを低減できる。また、本発明の加工方法を適用することによって、表面粗さが小さい研磨面を持ったガラス基板を容易に得ることができ、ガラス基板の品質向上に寄与できる。
又、本発明のリンス剤組成物は、研磨作用をほとんど有しないので、研磨加工によってできた高精度の研磨面の寸法精度や端部形状を維持したままで、研磨材などの付着物だけを取り除くことができる。また、本発明のリンス剤組成物を用いると、ワークからの軋み音「鳴き」が水研磨に比べ大幅に低減される。特に「鳴き」の低減効果は、コロイド状粒子を含む懸濁液のリンス剤組成物に顕著に顕われる。さらにこの「鳴き」の低減によるものか詳細は不明であるが、ガラス基板の傷つき量が大幅に低減でき、ガラス基板の品位向上にきわめて効果的であり、産業上大きな意義を有する。

Claims (21)

  1. ガラス基板を研磨加工する工程と、
    リンス剤組成物を供給してガラス基板をリンス加工する工程とを含み、
    前記リンス剤組成物として、
    (1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液、
    (2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとの水溶液、及び
    (3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させて得られるコロイド状粒子を含有する懸濁液
    からなる群より選ばれる一つを、
    pHが7以上12以下、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lとなる範囲で用いるガラス基板の加工方法。
  2. 研磨加工する工程を、酸化セリウム研磨材又は酸化ケイ素研磨材若しくはこれらの混合物を用いて行う請求項1に記載のガラス基板の加工方法。
  3. 水溶性マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硝酸マグネシウムである請求項1又は2に記載のガラス基板の加工方法。
  4. リンス剤組成物は、(2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下である請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板の加工方法。
  5. リンス剤組成物は、(2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下であり、さらにアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板の加工方法。
  6. リンス剤組成物は、(3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、5X/4≦Y≦3X/2、及び X/2≦Z≦3X/4 の関係を満し、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項5に記載のガラス基板の加工方法。
  7. リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=3X/2、及び Z=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項6に記載のガラス基板の加工方法。
  8. リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=5X/4、及び Z=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項6に記載のガラス基板の加工方法。
  9. リンス剤組成物は、(3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、X/2≦Y≦X、及び X/2≦Z’≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項5に記載のガラス基板の加工方法。
  10. リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X、及び Z’=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項9に記載のガラス基板の加工方法。
  11. リンス剤組成物は、組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X/2、及び Z’=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項9に記載のガラス基板の加工方法。
  12. ガラス基板をリンス加工する際に用いるガラス基板加工用リンス剤組成物であって、
    (1)水溶性マグネシウム化合物の水溶液、
    (2)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを含む水溶液、及び
    (3)水溶性マグネシウム化合物と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを水中で反応させてなるコロイド状の粒子を含む懸濁液
    からなる群より選ばれる一つを含み、
    pHが7以上12以下、組成物中の総マグネシウム濃度が1mmol/L〜1mol/Lの範囲であるガラス基板加工用リンス剤組成物。
  13. 水溶性マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硝酸マグネシウムである請求項12に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  14. (2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下である請求項12又は13に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  15. (2)又は(3)の場合において、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)との比(Y/X)が0.001以上2以下であり、さらにアルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩を含む請求項12又は13に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  16. (3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、5X/4≦Y≦3X/2、及び X/2≦Z≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子を含有する請求項15に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  17. 組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=3X/2、及び Z=X/2 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項16に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  18. 組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸水素塩中の炭酸基の物質量Z(mol)とが、Y=5X/4、及び Z=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項16に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  19. (3)の場合において、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、X/2≦Y≦X、及び X/2≦Z’≦3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子を含有する請求項15に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  20. 組成物中の総マグネシウム濃度が7mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X、及び Z’=X/2 の関係を満し、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項19に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
  21. 組成物中の総マグネシウム濃度が150mmol/L〜1mol/Lであり、水溶性マグネシウム化合物中のマグネシウムの物質量X(mol)と、アルカリ金属水酸化物中の水酸基の物質量Y(mol)と、アルカリ金属炭酸塩中の炭酸基の物質量Z’(mol)とが、Y=X/2、及び Z’=3X/4 の関係を満たし、それらを水中で反応させて得られるコロイド状粒子をさらに含有する請求項19に記載のガラス基板加工用リンス剤組成物。
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