JP4891304B2 - メモリーハードディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メモリーハードディスク基板用のリンス剤組成物及び該リンス剤組成物を使用したメモリーハードディスク基板の製造方法に関する。さらに詳しくは、メモリーハードディスク基板の製造において、その表面の研磨の前処理及び又は後処理に好適なリンス剤組成物及び該リンス剤組成物を使用したメモリーハードディスク基板の製造方法に関する。
ハードディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどり、その高密度化が進み、最小記録面積が小さくなり、また磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきていることから、ハードディスク基板の研磨工程で、表面粗さ、微少うねりの低減及びスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減が求められている。また、砥粒や研磨カス等の残留のない基板が求められている。
最近では、一定時間内に表面粗さを除去し、スクラッチ、ピットが少ない基板の製造が困難であるため、2段階以上の研磨プロセスを用いた検討がなされてきている。1段階目の研磨においては基板表面の比較的大きなうねり、大きなピット及びその他の表面欠陥を除去することが主たる目的で研磨がなされ、2段階目の研磨により、目的の表面粗さとしながら、細かなスクラッチ、ピットを除去する方式を採っている。
しかしながら、1段階目の研磨で得られた基板に、その工程で使用した砥粒や研磨カスが残留していると、それらの大部分は2段階目の研磨工程において除去されるが、取りきれずに残留してしまったものは欠陥となってしまう。また、2段階目で除去されるとはいえ、1段階目の残留砥粒や研磨カスは、2段階目の研磨工程に悪影響をおよぼし、スクラッチやピットの誘発をし、好ましくない。また、1段階のみで行う研磨においては、なおさらである。これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程終了時に砥粒や研磨カスが除去されていること、また研磨工程前の基板にそのような残留物が付着されていないことが必要であり、この除去のためにリンス処理が必要となってきている。
従来、これら目的のためにポリスチレンスルホン酸のような活性剤と無機酸、有機酸及び塩類を使用したリンス用組成物(特許文献1参照)、オキソ酸塩及び塩化物を使用したリンス用組成物(特許文献2参照)が提案されてきたが、未だ、砥粒や研磨カスを十分除去できるリンス剤組成物が得られていないのが現状であり、依然、優れたリンス剤組成物が求められている。
特開2000−144193号公報(請求項1) 特開平10−152674号公報(請求項1)
本発明は、研磨で生じる砥粒や研磨カスの残留を防止又は除去することによって基板表面に表面欠陥(スクラッチ、ピット)がなく、砥粒や研磨カスのないメモリーハードディスク基板を製造するためのリンス剤組成物、及び該リンス剤組成物を用いたメモリーハードディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 水及び過酸化水素を含んでなるメモリーハードディスク基板用のリンス剤組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載のリンス剤組成物を用いて基板をリンスする工程を有するメモリーハードディスク基板の製造方法
に関する。
本発明のリンス剤組成物をメモリーハードディスク基板用のリンスに用いることにより、該基板の砥粒や研磨カスの残留低減ができるという効果が奏される。
本発明のメモリーハードディスク基板用のリンス剤組成物(以下、リンス剤組成物という)は、前記のように、水及び過酸化水素を含有する点に特徴があり、かかる特徴を有する本発明のリンス剤組成物を用いることにより、研磨で生じる砥粒や研磨カスを除去し、その残留を防止することによって基板表面に表面欠陥(スクラッチ、ピット)がなく、砥粒や研磨カスのない基板を製造することができるという効果が奏される。
本発明のリンス剤組成物に用いられる過酸化水素は、砥粒や研磨カスの除去性能の観点及び作業環境、経済性の観点から、その含有量は、0.01重量%以上が好ましく、より好ましくは0.05重量%以上であり、また、10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。また、前記含有量は、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.05〜1重量%がさらに好ましい。
本発明のリンス剤組成物には、さらにリンス効果を向上させる観点から、無機酸、有機酸及びそれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を添加することができる。また、使用されるそれら酸のpK1は、砥粒や研磨カスの除去性能の観点及び作業環境、経済性の観点から、pK1が4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。これらの酸は、リンス剤組成物を補助する目的で種々添加され、リンス剤組成物のpH調整やキレート能付与等の目的で添加される。尚、pK1とは、無機化合物又は有機化合物の酸解離定数(25℃)の逆数の対数値を通常pKaと表し、そのうちの第一酸解離定数の逆数の対数値をpK1としている。
無機酸としては、たとえば、硝酸、亜硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ポリリン酸、モリブデン酸、過塩素酸、次亜塩素酸、過硫酸、亜硫酸等が挙げられる。また有機酸としては、カルボン酸類、スルホン酸類、アミノカルボン酸類、有機リン酸等が挙げられ、カルボン酸類としては、たとえばグリコール酸、メルカプトコハク酸、チオグリコール酸、乳酸、β− ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、アスコルビン酸、マンデル酸、トロパ酸、ベンジル酸、サリチル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、フマル酸等が挙げられる。また、スルホン酸類としては、たとえばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、スルホコハク酸等が挙げられる。また、アミノカルボン酸類としては、たとえばニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)等が挙げられる。また、有機リン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)等が挙げられる。これらの中でも、硝酸、亜硝酸、リン酸、ポリリン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、メタンスルホン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)が好ましく、特に好ましくは、硝酸、ポリリン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、イタコン酸、メタンスルホン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)が挙げられる。
また、これらの酸の塩としては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、有機アミン等との塩が挙げられる。金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの金属の中でも、リンス特性の観点から、1A、3A又は3B族に属する金属が更に好ましく、1A族に属するナトリウム、カリウムが最も好ましい。
アルキルアンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
有機アミン等の具体例としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。
これらの塩の中では、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が特に好ましい。本発明においては、無機塩、有機塩及びそれらの塩をそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のリンス剤組成物中の無機酸、有機酸及びそれらの塩類の含有量は、リンス効果を高める観点から、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは、0.05〜1重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%である。
本発明のリンス剤組成物は、さらに研磨材を配合して使用することができる。かかる研磨材を配合することにより、本発明のリンス剤組成物は、基板に強く付着している残留物でも速やかに除去することができるという優れた効果が発現される。このように研磨材を含有したリンス剤組成物を使用する場合は、その後に、研磨材を含有しないリンス剤組成物でさらにリンスする工程を行うことが好ましい。
本発明に用いられる研磨材は、研磨用に一般に使用されている研磨材を使用することができる。該研磨材の例としては、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。研磨材の具体例として、α−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等が挙げられ、これらを1種以上使用することは、リンス効果を向上させる観点から好ましい。中でも、α−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子等がさらに好ましく、α−アルミナ粒子、中間アルミナ粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子が特に好ましい。
研磨材の一次粒子の平均粒径は、リンス効果を向上させる観点から、好ましくは0.001 〜3μm 、さらに好ましくは0.005 〜0.8 μm 、特に好ましくは0.01〜0.5 μm である。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、リンス効果を向上させ、表面欠陥を発生させない観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは0.02〜3 μm 、さらに好ましくは0.05〜1 μm 、特に好ましくは0.1 〜0.8 μm である。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜30000 倍)又は透過型電子顕微鏡で観察(好適には10000 〜500000)して画像解析を行い、粒径を測定することにより求めることができる。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
研磨材の比重は、分散性及び研磨装置への供給性や回収再利用性の観点から、その比重は1.5〜8であることが好ましく、1.5〜5であることがより好ましい。
研磨材の含有量は、経済性及び表面欠陥を低減しリンス効果の向上の観点から、リンス剤組成物中において0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。
本発明のリンス剤組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、その含有量はリンス効果の観点から、好ましくは50〜99.99 重量%、より好ましくは60〜99.9重量%、さらに好ましくは80〜99重量%である。
また、本発明のリンス剤組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。
他の成分としては、たとえばセルロース類、たとえばセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が、また水溶性アルコール類たとえばエタノール、プロパノール、エチレングリコール等が挙げられ、また、界面活性剤、たとえばアルキルベンセンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸塩、リグニンスルホン酸塩等が挙げられ、またポリビニルアルコール等の水溶性高分子等が挙げられる。
これらの成分は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、その含有量は、それぞれの機能を発現させる観点及び経済性の観点から、好ましくはリンス剤組成物中0.001〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。
尚、リンス剤組成物の各成分の濃度は、リンスする際の好ましい濃度であるが、該組成物製造時の濃度は、これらの濃度より高濃度であってもよい。通常、濃縮液として組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
本発明のリンス剤組成物は、メモリーハードディスク基板のリンスに好適に用いられる。メモリーハードディスク基板としては、通常公知のものであれば特に限定はない。メモリーハードディスク(以下、被リンス基板ともいう)としては、通常公知のものであれば特に限定はない。例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、A−Feディスク、Ni−Pメッキされたガラス基板、アルミニウムディスク等の表面層に金属層を有する基板、カーボンディスク、ガラス基板等のガラス状の物質またはセラミック材料を有する基板、またそれらが複合された基板等を挙げることができる。その中でも、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、A−Feディスク、Ni−Pメッキされたガラス基板、アルミニウムディスク等の表面層に金属層を有する基板に本発明のリンス剤組成物を用いた場合、砥粒や研磨カスが特に低減できるので好ましく、さらにアルミナで研磨された被リンス基板をリンスする際は特に好ましい。
本発明のリンス剤組成物は、研磨処理で発生する砥粒や研磨カスをメモリーハードディスク基板から除去することが主たる目的であるが、このリンス剤組成物を研磨処理前に使用することによって基板がケミカル的な作用を受け、その後の研磨工程における研磨速度の増加や、表面粗さの低減、表面欠陥の発生防止に効果が得られるため、研磨前工程においても使用できる。また、メディア化等で使用されるいわゆるテキスチャー工程の前工程等においても使用できる。
また、リンスの方法として、通常公知の方法であれば特に限定されない。たとえば、研磨機を使用して、研磨液に変えて本発明のリンス剤組成物を供給しながら、リンスを行なう方法、あるいは、スクラブ洗浄機等の洗浄機に使用する純水または洗剤にかえて本発明のリンス剤組成物を使用することによってリンスを行なう方法等が挙げられる。
リンス剤組成物のpHは、リンスを施すメモリーハードディスクの基板の種類に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、基板のリンス性及び加工機械の腐食防止性、作業者の安全性の観点から、1〜12が好ましい。また被リンス基板がNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板、A−Feディスク、Ni−Pメッキされたガラス基板、アルミニウムディスク等の表面層に金属層を有する基板を主対象とした場合、リンス効果の向上と表面品質の向上の観点から、pHは1〜7が好ましく、1〜5がより好ましく、更に1〜4が好ましく、特に好ましくは2〜4である。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、多価カルボン酸やアミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びその金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
本発明のリンス剤組成物の砥粒や研磨カスを除去しその残留を防止する作用機構については、未だ不明であるが、過酸化水素が有するある特定のケミカル作用が、それら砥粒や研磨カスに作用し、付着を防止するとともに除去するものと推測する。また、無機酸、有機酸及びそれらの塩類を添加することについてもこの作用を助長し、また研磨材においても物理的作用によりその助長を促すものと推定している。
本発明においてリンス剤組成物の砥粒や研磨カスの除去又は残留防止効果は、例えば、リンス後に得られる基板表面の顕微鏡観察あるいは走査型電子顕微鏡観察等により評価することができ、特に、ハードディスク基板においては、洗浄しにくい内径エッジ部分のそれら機器での観察によって評価することができる。
かかる構成を有する本発明のリンス剤組成物は、メモリーハードディスク等の基板の製造方法において、基板をリンスする工程に使用することにより、研磨で生じる砥粒や研磨カスを除去しその残留を防止することによって基板表面に表面欠陥(スクラッチ、ピット)がなく、砥粒や研磨カスのない基板を製造することができる。したがって、本発明は、メモリーハードディスク基板の製造方法に関する。
以下は、リンス剤組成物を例に用いて具体的に説明するものである。なお、本発明は、その要旨を越えない限り、以下に説明する諸例の構成に限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3
表1に示す化合物の所定量と、イオン交換水残部とを混合・攪拌し、リンス剤組成物を得た。
ランク・テーラーホブソン社製のタリーステップ(触針先端サイズ:2.5μm×2.5μm、ハイパスフィルター:80μm、測定長さ:0.64mm)によって測定した中心線平均粗さRaが0.2 μm 、厚さ1.27 mm 、直径3.5 インチのNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板の表面を以下の条件で両面加工機によりポリッシングし、続いて、得られたリンス剤組成物を用いてリンス工程を行い、その後、以下に示す洗浄機によって洗浄・乾燥して、メモリーハードディスク基板として用いられるNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板を得た。
研磨条件を下記に示す。
<研磨条件の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:9.8kPa
研磨パッド:「BellatrixN0048」(商品名)(鐘紡社製)
定盤回転数:50r/min
研磨液組成物供給流量:100ml/min
研磨時間:4min
投入した基板の枚数:10枚
研磨液組成物:研磨材(一次粒径の平均粒径0.23μm 、二次粒子の平均粒径0.65μmのα−アルミナ(純度約99.9%))4重量部とθ−アルミナ(2次粒径0.25μm)1重量部、イタコン酸0.1重量部、クエン酸0.2重量部をイオン交換水に入れ100重量部としたもの。
リンス工程を下記に示す。
<リンス工程の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:3kPa
研磨パッド:「BellatrixN0048」(鐘紡社製)
定盤回転数:30r/min
リンス剤組成物供給流量:3000ml/min
リンス時間:1min
投入した基板の枚数:10枚
洗浄条件を以下に示す。
洗浄機として、日立電子エンジニアリング(株)製「スクラバーSS−5250−05」を使用し、洗浄時間10secで2回、イオン交換水でスクラブ洗浄後、60℃イオン交換水をかけて遠心乾燥を行った。
洗浄後の基板を強力ライトにより残留物、付着物について観察するとともに、微分干渉式顕微鏡(対物レンズ50倍、モニター倍率28倍:実質倍率1400倍)を用いその表面及び内径エッジ部分の汚れや基板表面の汚れ(微小突起又は微細なピット及び砥粒残留の有無)について観察し、以下の基準に基づいて評価し、その結果をリンス剤組成物の組成と共に表1に示す。
〔基板表面汚れの評価基準〕
◎:10視野平均において、残留砥粒、ピット、突起が0.3個以下
○:10視野平均において、残留砥粒、ピット、突起が1個以下
△:10視野平均において、残留砥粒、ピット、突起が10個未満
×:10視野平均において、残留砥粒、ピット、突起が10個以上
〔内径エッジ部の汚れの評価基準〕
◎:汚れが観察されないもの
○:わずかに汚れが観察されるもの
△:汚れた部分が、全体の50%未満のもの
×:汚れた部分が、全体の50%以上のもの
実施例7〜9及び比較例4〜6
実施例1、2、5及び比較例1〜3で得られた基板をさらに、市販のコロイダルシリカ(平均粒径50nm:日本化学工業製)をイオン交換水で希釈し、35%過酸化水素水(旭電化製)及び60%1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(ソルーシアジャパン製、「ディクエスト2010」、pK1=1未満)を加え、シリカ濃度7重量%、過酸化水素濃度0.3重量%、「ディクエスト2010」濃度0.5重量%とからなる研磨液組成物を使用し、以下の研磨条件で仕上げ研磨を行い、洗浄し、基板のスクラッチを観察し、以下の評価基準に基づいて評価をした。
研磨条件を下記に示す。
<研磨条件の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:7kPa
研磨パッド:「BellatrixN0058」(鐘紡社製)
定盤回転数:30r/min
研磨液組成物供給流量:100ml/min
研磨時間:4min
投入した基板の枚数:10枚
<洗浄条件の設定条件>
両面加工機:スピードファーム(株)製、9B型両面加工機
加工圧力:3kPa
研磨パッド:「BellatrixN0058」(鐘紡社製)
定盤回転数:30r/min
イオン交換水:3000ml/min
洗浄時間:1min
投入した基板の枚数:10枚
洗浄条件を以下に示す。
洗浄機として、日立電子エンジニアリング(株)製「スクラバーSS−5250−05」を使用し、洗浄時間10secで2回、イオン交換水でスクラブ洗浄後、60℃イオン交換水をかけて遠心乾燥を行った。
〔基板表面スクラッチの評価基準〕
◎:基板1面当たり、スクラッチが5本以下
○:基板1面当たり、スクラッチが10本以下
△:基板1面当たり、スクラッチが50本未満
×:基板1面当たり、スクラッチが50本以上
スクラッチ評価機装置:カザマエンジニアリング(株)「KDX−980」
(平面基板外観目視検査装置)を使用し、裏表すべてを観察し、スクラッチ本数を平均化した。
表1の結果より、実施例1〜6のリンス剤組成物を用いた場合は、いずれも比較例1〜3の組成物を用いた場合に比べ、砥粒や研磨カスの残留が少なく、内径エッジの汚れも著しく低減されていることがわかる。尚、実施例1及び比較例2で得られた、基板表面及び内径エッジ部分の顕微鏡で見られた像を図1、2に示す。
図2から、白く光った部分が多く観察され、残存砥粒や研磨カスが残存していることがわかる(下図)。また、エッジ部に残存砥粒や研磨カスが多く残存していることがわかる(上図)。
また、表2の結果より、実施例1、2、5のリンス液組成物を用いた後に、仕上げ研磨を行った実施例7〜9は、比較例1〜3のリンス剤組成物を用いた後に仕上げ研磨を行った比較例4〜6に比べ、スクラッチが少ない基板が得られることが分かる。
図1は、実施例1で得られた基板表面及び内径エッジ部分の顕微鏡で見られた像を示す。なお、上図は内径エッジ部分の像、下図は基板表面の像である。 図2は、比較例2で得られた基板表面及び内径エッジ部分の顕微鏡で見られた像を示す。なお、上図は内径エッジ部分の像、下図は基板表面の像である。

Claims (5)

  1. コロイダルシリカを含む研磨液組成物を使用して仕上げ研磨する工程を有するメモリーハードディスク基板の製造方法であって、基板がNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板であり、研磨機を使用して、水と、過酸化水素を0.01〜1重量%含んでなるメモリーハードディスク基板用のリンス剤組成物を供給しながら基板をリンスする工程を有するメモリーハードディスク基板の製造方法。
  2. リンス剤組成物が、さらに、無機酸、有機酸及びそれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含有する請求項1記載の製造方法。
  3. 無機酸及び有機酸が、pK1が4以下の酸である請求項2記載の製造方法。
  4. リンス剤組成物のpHが1〜4である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 無機酸、有機酸及びそれらの塩の含有量が、0.05〜1重量%である、請求項2〜4いずれか記載の製造方法。
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