JP4242706B2 - 熱可塑性ポリウレタン成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、熱的性質が向上した熱可塑性ポリウレタン成形品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリウレタンは、優れた機械的性質(強度、耐摩耗性など)を有していることから、ベルト、チューブ、フィルム、シートなどの様々な工業製品に利用されている。かかる熱可塑性ポリウレタンは、一般に原料としてポリオール、ジイソシアネートおよび鎖延長剤としての低分子ジオールを用いて製造され、ジイソシアネートと低分子ジオールとから形成されるハードセグメントと、ポリオールとジイソシアネート単位とから形成されるソフトセグメントという2つのセグメントにより高強度で柔軟なエラストマーを与える。
【0003】
しかしながら、熱可塑性ポリウレタンは他の熱可塑性樹脂に比べて熱的性質で劣っているために、使用できる分野や用途が制限を受けるという問題がある。さらに、熱可塑性ポリウレタンは低温特性においても用途によっては充分ではなかった。
【0004】
このような熱的性質を改善するために、熱可塑性ポリウレタンを成形後、所定の熱雰囲気下で長時間放置する、いわゆるエージングを行うことが知られている。しかしながら、このようなエージングを行うには、例えば80℃以上で16時間以上もの長時間を要するため、生産効率が悪いという問題がある。
【0005】
このため、熱可塑性ポリウレタンのハードセグメントまたはソフトセグメントの分子構造を変えて、耐熱性等の熱的性質を改善する試みが種々なされている(例えば下記特許文献1を参照)。しかし、この方法は、熱可塑性ポリウレタンの分子構造自体を改変するため、他の諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、分子構造を変えることなく、熱可塑性ポリウレタンの熱的性質を改善することが望まれていた。
【特許文献1】
特開平7−113004号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、分子構造を変えることなく、高効率で熱的性質を改善することができる熱可塑性ポリウレタン成形品およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、熱可塑性ポリウレタン成形品が有するハードセグメントとソフトセグメントとからなる高次構造または相構造を制御できれば上記課題を解決することができると考え、鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性ポリウレタンを溶融成形して冷却固化した成形品を、流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に素早く温度降下させ該温度T2で所定時間保持する場合には、前記したハードセグメントとソフトセグメントからなる高次構造または相構造を制御することができ、短時間で効率よく上記成形品の熱的性質を向上させることができるという新たな事実を見出した。本発明において、このような構造制御は、動的粘弾性測定において、LogE′が4.5になる温度と、tanδのピーク温度との差が190〜225℃に広がるという事実によって特徴づけられる。
【0008】
すなわち、本発明の熱可塑性ポリウレタン成形品は、溶融成形し、冷却固化後、流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に素早く温度降下させて得られるものであって、前記温度T1は180〜190℃であり、かつ前記温度T2は160〜165℃であると共に、動的粘弾性測定において、LogE′が4.5になる温度と、tanδのピーク温度との差が190〜225℃であることを特徴とする。ここで、流動開始温度とは、温度を上げていったとき、樹脂が流動を開始する温度をいう。
【0009】
また、本発明にかかる熱可塑性ポリウレタン成形品の製造方法は、熱可塑性ポリウレタンを溶融成形した後、冷却固化し、さらに180〜190℃の温度T1に加熱し、ついで160〜165℃の温度T2に素早く温度降下させ該温度T2で少なくとも熱可塑性ポリウレタンの相分離が生じる時間が経過するまで保持することを特徴とする。このように上記成形品を特定温度で熱処理することにより、ハードセグメントとソフトセグメントとが相分離した構造が発生し、熱的性質が向上した熱可塑性ポリウレタン樹脂成形品が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される熱可塑性ポリウレタンは、分子量500〜4000のポリオール、分子量500以下の低分子量ジオールおよびジイソシアネートの付加重合体である。ポリオールとしては、例えばポリオキシアルキレンポリオール(PPG)、ポリエーテルポリオール変性体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などのポリエーテルポリオール;縮合系ポリエステルポリオール(例えばアジペート系ポリオール)、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなどのポリエステルポリオール;さらにアクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ケン化EVA、難燃化ポリオール(含リンポリオール、含ハロゲンポリオール)などが挙げられる。
【0011】
ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族系ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記低分子量ジオールは鎖延長剤として使用されるものであり、例えば1,4‐ブタンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)ヒドロキノンなどが挙げられる。
【0012】
本発明においては、従来から熱可塑性エラストマーとして様々な用途に使用されている汎用熱可塑性ポリウレタンを使用するのが好適であり、具体例としては例えば4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートから形成されたハードセグメントと、ポリオールから形成されたソフトセグメントとからなる熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。この熱可塑性ポリウレタンの重量平均分子量は10万〜100万程度、数平均分子量は2万〜10万程度であればよい。
【0013】
本発明の可塑性ポリウレタン成形品は、動的粘弾性測定において、LogE′が4.5になる温度と、tanδのピーク温度との差が、190〜225℃、好ましくは205〜220℃であり、通常の可塑性ポリウレタンに比して差が拡大している。これは、上記のように熱可塑性ポリウレタンの有するハードセグメントとソフトセグメントとからなる高次構造または相構造が変化したことを示しており、具体的には、後述する実施例に記載のように相分離構造が発生していることを示している。これにより成形品の熱的性質が向上する。
このような相分離構造を発生させるためには、図1に示すように、熱可塑性ポリウレタンを流動開始温度Tm以上の温度Txで溶融成形した後、成形品を温度Tyに冷却し固化させた後、流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついでガラス転移点Tg以上の温度T2に素早く温度降下させ、温度T2で相分離構造が生じる時間が経過するまで保持する。流動開始温度は、フローテスターを用いて樹脂に一定荷重(通常10kg)の荷重を掛けて、温度を上昇させていったとき、ノズル(通常直径1mm×長さ1mm)から樹脂が流出を開始する温度を測定することによって求められる。
【0014】
前記温度Txは、流動開始温度Tm以上で熱可塑性ポリウレタンを溶融成形できる温度であればよく、通常200〜240℃である。溶融成形手段は特に制限されず、溶融押出成形、射出成形、カレンダ加工、溶融紡糸などがあげられる。また、成形品の形状や大きさも特に制限されない。
【0015】
温度Txから温度Tyへの冷却は、成形品を固化させるために行われる。従って、温度Tyは、通常、室温付近であればよく、例えば0〜35℃の範囲があげられる。また、温度Txから温度Tyへの冷却速度も特に制限されず、室温下で放冷してもよい。該温度Tyでの保持時間も、成形品を固化させるのに充分な時間であればよい。
【0016】
前記温度T1は180〜190℃の範囲である。温度T1がこの範囲を外れると、成形品の高次構造を制御できなくなるおそれがある。前記温度T1での保持時間は5〜90秒、好ましくは10〜60秒であるのがよい。
【0017】
一方、前記温度T2は160〜165℃の範囲である。温度T2がこの範囲を外れると、成形品の高次構造を制御できなくなるおそれがある。温度T2での保持時間は、少なくとも相分離構造が生じる時間が経過するまでであり、通常は30秒以上、好ましくは1分以上であればよい。温度T2での保持時間の上限は特に制限されないが、60分以下とするのが適当である。
【0018】
本発明では、前記温度T1から素早く温度降下させて温度T2にするのが重要であり、素早く温度降下させない場合には、成形品の高次構造を制御できなくなるおそれがある。温度T2で所定時間保持した後は室温まで徐冷してもよく、急冷してもよい。ここで、温度T1から温度T2への温度降下は、約50〜1000℃/分の冷却速度であるのが好ましい。
【0019】
上記のように温度T1から温度T2へ素早く温度降下させるためには、例えばそれぞれの温度に設定されたオーブンを用意し、成形品を温度T1のオーブンで熱処理後、該オーブンから取り出し、直ちに温度T2のオーブンに投入するようにすればよい。また、オーブンに代えて、ヒータ(例えば熱板など)を使用し、これを成形品に接触させて加熱するようにしてもよい。あるいは、温度T1およびT2に設定された2つの加熱炉を、必要なら熱遮断ギャップ(空隙)を介して連続的に配置し、これらの加熱炉内を成形品が順に通過するようにしてもよい。
【0020】
かくして得られる本発明の熱可塑性ポリウレタン成形品は、動的粘弾性測定において、tanδのピーク温度(すなわちTg)が、通常の熱可塑性ポリウレタンを加熱溶融し冷却固化したものに比べて低下して−20〜10℃となる。一方、前記LogE′が4.5になる温度は、通常の熱可塑性ポリウレタンを加熱溶融し冷却したものに比べて上昇し190〜210℃となる。その結果、前記したように、LogE′が4.5になる温度と、tanδのピーク温度との差が、190〜225℃となる。
【0021】
かかる本発明の熱可塑性ポリウレタン成形品は、耐熱性および耐寒性が向上するので、例えばベルト、チューブ、ホースの構成部材などの各種用途に好適に利用可能である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
熱可塑性ポリウレタンとして、日本ポリウレタン社製の「ミラクトランE394」(流動開始温度Tm:約190℃、ガラス転移点:約0℃)を使用した。このポリウレタンは、ハードセグメントにMDIを、ソフトセグメントにPTMGを使用し、鎖延長剤に1,4‐ブタンジオールを使用したものである。
【0024】
この熱可塑性ポリウレタンを金型に入れ、240℃に加熱して溶融成形した後、室温付近に冷却し固化させ、シ−ト状の成形品を得た。しかるのち、表1に示す温度T1に設定された一対のヒータ(熱板)にて成形品を挟持し、この状態で10秒間保持し、ついで成形品を取り出し、素早く表1に示す温度T2に設定された一対のヒータ(熱板)にて成形品を挟持した。そして、温度T2での加熱工程において、光学顕微鏡(×50倍)にて相分離構造の発生する時間を調べた。その結果を表1に併せて示す。
ここで「相分離構造発生」とは、図2の光学顕微鏡写真に示すように、ハードセグメントとソフトセグメントとが相分離した構造が発生したことをいう。表1の「相分離構造発生」に記載の時間は、相分離構造発生までに要した温度T2での保持時間を示している。また、「なし」とは温度T2において時間経過にかかわらず相分離構造が発生しなかったことを示している。
【表1】
【0025】
図2は試料No.12の温度処理後の光学顕微鏡写真を示している。図2から、試料No.12ではハードセグメントとソフトセグメントとがミクロ相分離した構造が出現していることがわかる。
表1から明らかなように、温度T1が180〜190℃、温度T2が160〜165℃の組み合わせにおいて、ミクロ相分離構造が発生しており、特に温度T1が185℃、温度T2が160℃のとき(試料No.12)、わずか1分で相分離構造が発生した。ここで、温度T1から温度T2への冷却速度を熱伝対で測定したところ、61.2℃/分であった。
【0026】
比較例1
実施例1で用いたのと同じ「E394」を240℃で溶融成形後、室温付近に冷却した。このものの光学顕微鏡写真を図3に示す。図3から、比較例1では、ハードセグメントとソフトセグメントとが規則化することなく部分混合していることがわかる。なお、実施例の表1で「相分離構造発生」がなしと判断したものは、図3とほぼ同じパターンを有するものである。
【0027】
(広角X線(WAXD)測定)
実施例1の試料No.12および比較例1で得た各ポリウレタンを広角X線測定した。測定は(株)リガク製の「RNT‐2000」を用いて測定範囲2θ=10°〜30°、測定レート0.2°の条件で行った。測定結果を図4に示す。図4から、試料No.12では結晶化度が高くなっていることがわかる。
【0028】
(動的粘弾性(DMS)測定)
実施例1の試料No.12および比較例1で得た各ポリウレタンの動的粘弾性を測定した。測定条件は以下の通りである。
測定装置:SII社製の「DMS6100」
温度条件:−100℃〜+250℃
昇温速度:5℃/分
測定周波数:1Hz
サンプルサイズ:幅5mm×長さ20mm
実施例1の試料No.12および比較例1についての測定結果をそれぞれ図5および図6に示す。図5および図6から明らかなように、試料No.12は比較例1に比べてLogE′の落ち込み温度の上昇およびtanδのピーク温度の低下が観測された。これは、ポリウレタン樹脂の耐熱性および耐寒性が向上していることを示している。
このように実施例1のNo.12では、tanδのピーク温度(すなわちTg)の低下、およびLogE′の落ち込み温度の上昇をひき起こしていた。相分離構造の発生した実施例1の他の試料についても、同様にtanδのピーク温度の低下、およびLogE′の落ち込み温度の上昇が認められた。従って、それらの差、すなわち(LogE′の落ち込み温度)−(tanδのピーク温度)の値が相分離構造の発生を示す指標となることがわかる。
【0029】
そこで、実施例1の試料No.12について、上記の動的粘弾性測定から求められたtanδのピーク温度(A)、LogE′の落ち込み温度(B)、およびそれらの差(B−A)、さらに上記AおよびBの比較例1からの低下または上昇値を表2に示した。
【表2】
表2から明らかなように、相分離構造の発生が認められた実施例1のNo.12は、比較例1に比べてLogE′の落ち込み温度(B)の上昇、tanδのピーク温度(A)の低下が認められ、それらの差(B−A)が拡大していることがわかる。
【0030】
実施例2
熱可塑性ポリウレタンとして、日本ポリウレタン社製の「ミラクトランE195」(流動開始温度Tm:約190℃、ガラス転移点:約5℃)を使用した。このポリウレタンは、ハードセグメントにMDIを、ソフトセグメントにアジペート系ポリオールを使用し、鎖延長剤に1,4‐ブタンジオールを使用したものである。
【0031】
この熱可塑性ポリウレタンを金型内で240℃に加熱して溶融成形し、ついで室温付近に冷却し固化させた。しかるのち、実施例1と同様にして、184℃(温度T1)に加熱し該温度で30秒間保持した後、160℃(温度T2)にて1分間保持し、光学顕微鏡(×50倍)にて相分離構造の発生を確認した。
図7は実施例2の温度処理後の光学顕微鏡写真を示している。図7から、実施例2ではハードセグメントとソフトセグメントとが相分離した構造が出現していることがわかる。
【0032】
比較例2
実施例2で用いたのと同じ「E195」を金型内で240℃で溶融成形後、室温付近に冷却した。このものの光学顕微鏡写真を図8に示す。図8から、比較例2では、ハードセグメントとソフトセグメントとが規則化することなく部分混合していることがわかる。
【0033】
(動的粘弾性(DMS)測定)
実施例2および比較例2で得た各ポリウレタンの動的粘弾性を前記と同様の条件にて測定した。実施例2および比較例2についての測定結果をそれぞれ図9および図10に示す。図9および図10から明らかなように、実施例2は比較例2に比べてLogE′の落ち込み温度の上昇およびtanδのピーク温度の低下が観測された。
上記の動的粘弾性測定から求められたtanδのピーク温度(A)、LogE′の落ち込み温度(B)、およびそれらの差(B−A)、さらに上記AおよびBの比較例1からの低下または上昇値を表3に示す。
【表3】
これによって、ポリウレタン樹脂の耐熱性および耐寒性が向上していることが確認される。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、熱的性質が改善された熱可塑性ポリウレタン成形品が短時間でかつ高効率で得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度制御条件を示すグラフである。
【図2】実施例1の試料No.12の光学顕微鏡写真である。
【図3】比較例1の光学顕微鏡写真である。
【図4】実施例1の試料No.12についての広角X線(WAXD)の測定結果を示すグラフである。
【図5】実施例1の試料No.12についての動的粘弾性(DMS)の測定結果を示すグラフである。
【図6】比較例1についての動的粘弾性(DMS)の測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例2の光学顕微鏡写真である。
【図8】比較例2の光学顕微鏡写真である。
【図9】実施例2についての動的粘弾性(DMS)の測定結果を示すグラフである。
【図10】比較例2についての動的粘弾性(DMS)の測定結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 溶融成形し、冷却固化後、流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に素早く温度降下させた熱可塑性ポリウレタン成形品であって、
前記温度T1は180〜190℃であり、かつ前記温度T2は160〜165℃であると共に、
動的粘弾性測定において、LogE′が4.5になる温度と、tanδのピーク温度との差が190〜225℃であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン成形品。 - 4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートから形成されたハードセグメントと、ポリオールから形成されたソフトセグメントとからなる請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン成形品。
- 前記LogE′が4.5になる温度が190〜210℃であり、前記tanδのピーク温度が−20〜10℃である請求項1または2記載の熱可塑性ポリウレタン成形品。
- 熱可塑性ポリウレタンを溶融成形した後、冷却固化し、さらに180〜190℃の温度T1に加熱し、ついで160〜165℃の温度T2に素早く温度降下させ該温度T2で少なくとも熱可塑性ポリウレタンの相分離が生じる時間が経過するまで保持することを特徴とする、動的粘弾性測定において、LogE′が4.5になる温度と、 tan δのピーク温度との差が190〜225℃である熱可塑性ポリウレタン成形品の製造方法。
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