JP2006056056A - 熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 構造制御がチューブ全体に均一に行なわれた熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法を提供することである。
【解決手段】 熱可塑性ポリウレタンチューブを流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に温度降下させ、該温度T2で加熱した後、冷却して相分離構造を有する熱可塑性ポリウレタンチューブを製造するにあたり、複数の赤外線ヒータ1を前記ポリウレタンチューブ2の周方向に配設して該ポリウレタンチューブ2を加熱するものである。これにより、チューブ2全体に均一な構造制御が可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱的性質が向上した熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法に関する。
熱可塑性ポリウレタンチューブは、柔軟で利便性に優れており、しかも通常の熱可塑性樹脂と同様に押出成形などの成形加工により容易に成形物を得ることができることから、空圧用チューブなどに広く使用されている。熱可塑性ポリウレタンは、一般に原料としてポリオール、ジイソシアネートおよび鎖延長剤としての低分子ジオールを用いて製造され、ジイソシアネートと低分子ジオールとから形成されるハードセグメントと、ポリオールとから形成されるソフトセグメントという2つのセグメントにより高強度で柔軟なエラストマーを与える。
特許文献1には、特定の予熱温度および押出圧力にて熱可塑性ポリウレタンを押出成形する熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法が記載されている。
しかしながら、通常の熱可塑性ポリウレタンチューブは、耐熱性に劣るため、使用可能温度が限定され、特に高温での使用圧力が高い用途には使用することができないという問題がある。このため、高温では主としてナイロンチューブが使用されているが、ナイロンチューブは剛性が高く、柔軟性に劣っている。
耐熱性等の熱的性質を改善するために、熱可塑性ポリウレタンのハードセグメントまたはソフトセグメントの分子構造を変える試みが種々なされている(例えば下記特許文献2を参照)。しかし、この方法は、熱可塑性ポリウレタンの分子構造自体を改変するため、柔軟性などのチューブの諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
特開平7−136278号公報 特開平7−113004号公報
本発明者らは、先に、熱可塑性ポリウレタンを溶融成形して冷却固化した成形品を、流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1(例えば185℃)に加熱し、ついで温度T2(例えば160℃)に素早く温度降下させ該温度T2で所定時間保持する場合には、ポリウレタンのハードセグメントとソフトセグメントからなる高次構造または相構造を発現させることができ、ポリウレタン成形品の熱的性質を向上させることができるという新たな知見を得て、特許出願を行なった(特願2003-158604)。
このような熱可塑性ポリウレタンの構造制御技術をポリウレタンチューブに応用すれば、ポリウレタンチューブの性質、特に高温での破壊圧力に対する耐久性が改善されることが期待できる。
しかし、構造制御はチューブ全体にムラなく均一に行なうことが必要である。特にチューブに急激な温度変化を均一に与える必要があるため、温度制御が困難であった。
従って、本発明の課題は、構造制御がチューブ全体にムラなく均一に行なわれた熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、複数の赤外線ヒータをポリウレタンチューブの周方向に配設してポリウレタンチューブを加熱することにより、精密な温度制御でチューブ全体に均一な構造制御が可能となり、柔軟で、かつ高温での使用圧力が向上した熱可塑性ポリウレタンチューブを安定して製造することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法は、熱可塑性ポリウレタンチューブを流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に温度降下させて、該温度T2で加熱した後、冷却して相分離構造を有する熱可塑性ポリウレタンチューブを製造する方法であって、複数の赤外線ヒータをポリウレタンチューブの周方向に配設してポリウレタンチューブを加熱することを特徴とする。
好ましくは、赤外線ヒータとポリウレタンチューブとを該チューブの周方向に相対移動させてポリウレタンチューブを加熱するのがよい。あるいは、熱可塑性ポリウレタンチューブの周方向に配設した複数の赤外線ヒータを固定したまま、複数のヒータ加熱部がチューブの周方向に移動するように、チューブの周方向に沿って順に複数の赤外線ヒータを点滅させてポリウレタンチューブを加熱してもよい。後者の方法は、周方向に多数の赤外線ヒータを密に配設する場合に特に有効である。
本発明では、熱可塑性ポリウレタンチューブを第1の赤外線ヒータ加熱領域で温度T1に加熱し、ついで第2の赤外線ヒータ加熱領域で温度T2に加熱した後、冷却するのが上記ポリウレタンチューブの連続的な構造制御を行ううえで好ましい。
温度制御の具体例としては、熱可塑性ポリウレタンチューブを175〜190℃の温度T1に加熱し、ついで155〜165℃の温度T2に温度降下させ該温度T2で少なくとも熱可塑性ポリウレタンの相分離が生じる時間が経過するまで保持する方法が挙げられる。
本発明方法によって得られる熱可塑性ポリウレタンチューブは、例えば、4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートから形成されたハードセグメントと、ポリオールから形成されたソフトセグメントとからなり、ハードセグメントとソフトセグメントとが相分離した構造を有する。
本発明によれば、複数の赤外線ヒータをポリウレタンチューブの周方向に配設してポリウレタンチューブを加熱することにより、急激な温度変化に対しても精密な温度制御を行ない得るため、チューブ全体に均一な構造制御が可能になるという効果がある。
本発明で使用される熱可塑性ポリウレタンは、分子量500〜4000のポリオール、分子量500以下の低分子量ジオールおよびジイソシアネートの付加重合体である。ポリオールとしては、例えばポリオキシアルキレンポリオール(PPG)、ポリエーテルポリオール変性体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などのポリエーテルポリオール;縮合系ポリエステルポリオール(例えばアジペート系ポリオール)、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなどのポリエステルポリオール;さらにアクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ケン化EVA、難燃化ポリオール(含リンポリオール、含ハロゲンポリオール)などが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族系ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記低分子量ジオールは鎖延長剤として使用されるものであり、例えば1,4‐ブタンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)ヒドロキノンなどが挙げられる。
本発明においては、従来から熱可塑性エラストマーとして様々な用途に使用されている汎用熱可塑性ポリウレタンを使用するのが好適であり、具体例としては例えば4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートから形成されたハードセグメントと、ポリオールから形成されたソフトセグメントとからなる熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。この熱可塑性ポリウレタンの重量平均分子量は10万〜100万程度、数平均分子量は2万〜10万程度であればよい。
本発明の可塑性ポリウレタンチューブは、動的粘弾性測定において、LogE′が4.5MPaになる温度と、tanδのピーク温度との差が、190〜225℃、好ましくは205〜220℃であり、通常の可塑性ポリウレタンチューブに比して差が拡大している。これは、上記のように熱可塑性ポリウレタンチューブの有するハードセグメントとソフトセグメントとからなる高次構造または相構造が変化したことを示しており、具体的には相分離構造が発生していることを示している。これにより成形品の熱的性質が向上する。
このような相分離構造を発生させるためには、熱可塑性ポリウレタンを通常の方法により、流動開始温度Tm以上の温度Txで溶融押出成形しチューブを作製する。得られた熱可塑性ポリウレタンチューブを図1に示すように流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついでガラス転移点Tg以上の温度T2に素早く温度降下させ、温度T2で相分離構造が生じる時間が経過するまで保持した後、室温まで冷却する。流動開始温度は、フローテスターを用いて樹脂に一定荷重(通常10kg)の荷重を掛けて、温度を上昇させていったとき、ノズル(通常直径1mm×長さ1mm)から樹脂が流出を開始する温度を測定することによって求められる。
前記温度Txは、流動開始温度Tm以上で熱可塑性ポリウレタンを溶融成形できる温度であればよく、通常200〜240℃である。チューブの溶融成形手段は特に制限されないが、溶融押出成形があげられる。また、チューブの形状や大きさも特に制限されない。
前記温度T1は175〜190℃の範囲である。温度T1がこの範囲を外れると、成形品の高次構造を制御できなくなるおそれがある。前記温度T1での保持時間は5〜90秒、好ましくは10〜60秒であるのがよい。
一方、前記温度T2は155〜165℃の範囲である。温度T2がこの範囲を外れると、成形品の高次構造を制御できなくなるおそれがある。温度T2での保持時間は、少なくとも相分離構造が生じる時間が経過するまでであり、通常は30秒以上、好ましくは1分以上であればよい。温度T2での保持時間の上限は特に制限されないが、60分以下とするのが適当である。
本発明では、前記温度T1から素早く温度降下させて温度T2にするのが重要であり、素早く温度降下させない場合には、チューブの高次構造を制御できなくなるおそれがある。温度T2で所定時間保持した後は室温まで徐冷してもよく、急冷してもよい。ここで、温度T1から温度T2への温度降下は、約50〜1000℃/分の冷却速度であるのが好ましい。
また、本発明では、チューブ全体にムラのない均一な構造制御が必要であり、特に温度にムラがあるとチューブの一部に相分離構造が発現しないので、高温での熱的性質を改善できなくなるおそれがある。本発明で使用可能な構造制御装置の一例を図2に示す。同図に示すように、複数の赤外線ヒータ1をポリウレタンチューブ2の周方向に配設してポリウレタンチューブ2を加熱する。
赤外線ヒータ1としては、遠赤外線ヒータ、中赤外線ヒータおよび近赤外線ヒータのいずれもが使用可能である。ここで、中赤外線ヒータは、近赤外線ヒータほどではないが、狭い波長で高いエネルギーを持ち、かつプラスチックへの吸収性が高いために短時間で精密加熱が可能であり、本発明方法に好適な加熱手段として期待される。
チューブ2の周方向に配設する赤外線ヒータ1の数は特に制限されないが、2〜6個程度であるのが適当である。赤外線ヒータ1は、その長さ方向がチューブ2の軸方向と平行に配置されるのがよい。各赤外線ヒータ1は、反射板3の内部に設置されている。
ポリウレタンチューブ2を均一に加熱するために、赤外線ヒータ1とポリウレタンチューブ2とを該チューブ2の周方向に相対移動させるのが好ましい。具体的には、赤外線ヒータ1またはポリウレタンチューブ2をチューブ2の周方向に回転させる。これにより、周方向に均一に加熱されるようになる。回転速度は特に制限されないが、10〜300回転/分程度であるのが均一加熱を図るうえで好ましい。
また、長いポリウレタンチューブ2を処理する場合には、例えば、チューブ2またはこれを囲む赤外線ヒータ1を一定速度でチューブ2の長さ方向に移動させながら、赤外線ヒータ1をチューブ2の周方向に回転させればよい。
図3は熱可塑性ポリウレタンチューブの構造制御装置の概要を示している。図3に示すように、この装置は、巻回したチューブ2を引取機4で連続的に引出し、ポリウレタンチューブ2を温度T1に加熱する第1の赤外線ヒータ加熱領域Aと、チューブ2を温度T2まで温度降下させる温度降下領域Bと、チューブ2を温度T2に加熱する第2の赤外線ヒータ加熱領域Cと、冷却手段Dとがチューブ2の引出し方向に沿って配置されている。
第1の赤外線ヒータ加熱領域Aと第2の赤外線ヒータ加熱領域Cとは、図2に示すように複数の赤外線ヒータ1をチューブ2の周方向に配設したものである。各加熱領域A、Cにおける温度調整は、各赤外線ヒータの出力調整などによって行なうことができる。各加熱領域A、Cでのチューブ2の通過時間は、チューブ2の各温度T1、T2での保持時間および各加熱領域A、Cの長さから決定することができる。
温度降下領域Bでは、例えば冷風をチューブ2に吹き付けるなどして、チューブ2を温度T1からT2またはその近傍まで素早く温度降下させる。冷却手段Dは、例えば冷却水槽などから構成され、チューブ2を室温近くまで冷却する。温度T2への温度降下もチューブの周方向全体に均一に行なわれるようにするのが好ましい。
なお、温度降下領域Bを設けずに、第1の赤外線ヒータ加熱領域Aと第2の赤外線ヒータ加熱領域Cとを並設してもよい。
また、チューブ2を押出成形しながら、冷却(例えば水槽に浸漬するなど)し、前記した第1の赤外線ヒータ加熱領域A、温度降下領域B、第2の赤外線ヒータ加熱領域Cおよび冷却手段Dの順に連続的に通過させて、温度T1、T2および冷却の順で熱処理してもよい。
かくして得られる本発明の熱可塑性ポリウレタンチューブ2は、動的粘弾性測定において、tanδのピーク温度(すなわちTg)が、通常の熱可塑性ポリウレタンを加熱溶融し冷却固化したものに比べて低下して−20〜10℃となる。一方、前記LogE′が4.5MPaになる温度は、通常の熱可塑性ポリウレタンを加熱溶融し冷却したものに比べて上昇し190〜210℃となる。その結果、前記したように、LogE′が4.5MPaになる温度と、tanδのピーク温度との差が、190〜225℃となる。
かかる本発明の熱可塑性ポリウレタンチューブは、室温での柔軟性が損なわれることなく、80℃におけるチューブ破壊応力が3.6Mpa以上になり、高温での使用圧力が向上し、さらに耐熱性および耐寒性も向上する。
なお、赤外線ヒータによるポリウレタンチューブの加熱方式としては、上記のほかに、例えば、熱可塑性ポリウレタンチューブの周方向に配設した複数の赤外線ヒータを固定したまま、複数のヒータ加熱部がチューブの周方向に移動するように、チューブの周方向に沿って順に複数の赤外線ヒータを点滅させてポリウレタンチューブを加熱してもよい。この方法によっても、チューブ全体に均一な構造制御が可能になる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[参考例]
<熱可塑性ポリウレタンチューブの製造>
熱可塑性ポリウレタンとして、日本ポリウレタン社製の「ミラクトランE394」(流動開始温度Tm:約190℃、ガラス転移点:約0℃)を使用した。このポリウレタンは、ハードセグメントにMDIを、ソフトセグメントにPTMGを使用し、鎖延長剤に1,4‐ブタンジオールを使用したものである。この熱可塑性ポリウレタンを押出成形し、室温付近に冷却し固化させて、外径8mm、肉厚1.5mmの熱可塑性ポリウレタンチューブを得た。
<近赤外線ヒータによる熱可塑性ポリウレタンチューブの構造制御>
ヒータ長が80mmの近赤外線ヒータを図2に示すように配設し、中央に、前記参考例で得たチューブ2を配置し、これを150回転/分で回転させてチューブ2全体を加熱した。各近赤外線ヒータの温度調整は、ヒータへの出力調整により行なった。すなわち、チューブ2の表面に熱電対を設置して、温度を測定し、そのデータをもとにヒータの出力を調整した。
以上の装置を用いて、チューブ2の構造制御を行った。すなわち、チューブ2を185℃で30秒間加熱し、ついで素早くヒータの出力を変えて165℃で120秒間加熱した。このとき、チューブ2には加熱による変形は認められなかった。
(光学顕微鏡観察)
ミクロトームを使用して、チューブ表面を0.1mm厚さにスライスした後、偏光光学顕微鏡観察を行なった。その結果、構造制御処理を行ったチューブ2には、図4に示す示すようなハードセグメントとソフトセグメントとがミクロ相分離した構造がチューブ全体に均一に出現していることが確認できた。
<遠赤外線ヒータによる熱可塑性ポリウレタンチューブの構造制御>
図5に示すように、ヒータ長が100mmの近赤外線ヒータ51,52を対向して配設し、それらの間の中央に、前記参考例で得たチューブ2を配置した。各近赤外線ヒータ51,52は出力を一定(300℃)にし、チューブ2の表面が構造制御に必要な温度になるように、各ヒータ51,52とチューブ2との距離を調整した。すなわち、チューブ2の表面に熱電対61,62を設置して、温度を測定し、そのデータをもとにヒータとの距離を調整した。そして、チューブ2を150rpmで回転させてチューブ2全体を加熱するようにした。
以上の装置を用いて、チューブ2の構造制御を行った。すなわち、チューブ2を185℃で150秒間加熱し、ついで素早く温度を165℃に変え同温度で150秒間加熱した。
熱処理後、偏光光学顕微鏡観察を行なった。その結果、実施例1と同様に、構造制御されたチューブには、ハードセグメントとソフトセグメントとがミクロ相分離した構造がチューブ全体に均一に出現していることが確認できた。
本発明における温度制御条件を示すグラフである。 温度制御を実施するための装置の概略を示す平面図である。 連続温度制御装置の概略図である。 実施例1で得たチューブの光学顕微鏡写真である。 実施例2で使用した温度制御を実施するための装置の概略を示す平面図である。
符号の説明
1 赤外線ヒータ
2 熱可塑性ポリウレタンチューブ

Claims (7)

  1. 熱可塑性ポリウレタンチューブを流動開始温度Tm以下でガラス転移点Tg以上の温度T1に加熱し、ついで温度T2(但し、Tm>T1>T2>Tg)に温度降下させ、該温度T2で加熱した後、冷却して相分離構造を有する熱可塑性ポリウレタンチューブを製造する方法であって、
    前記温度T1および温度T2での前記ポリウレタンチューブの加熱が、該ポリウレタンチューブの周方向に複数の赤外線ヒータを配設して行なわれることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  2. 前記複数の赤外線ヒータと前記ポリウレタンチューブとを該チューブの周方向に相対移動させてポリウレタンチューブを加熱する請求項1記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  3. 熱可塑性ポリウレタンチューブの周方向に配設した複数の赤外線ヒータを固定したまま、複数のヒータ加熱部がチューブの周方向に移動するように、チューブの周方向に沿って順に複数の赤外線ヒータを点滅させてポリウレタンチューブを加熱する請求項1記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  4. 熱可塑性ポリウレタンチューブを175〜190℃の温度T1に加熱し、ついで155〜165℃の温度T2に温度降下させ該温度T2で少なくとも熱可塑性ポリウレタンの相分離が生じる時間が経過するまで保持する請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  5. 熱可塑性ポリウレタンチューブを第1の赤外線ヒータ加熱領域で温度T1に加熱し、ついで第2の赤外線ヒータ加熱領域で温度T2に加熱した後、冷却する請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  6. 赤外線ヒータが、遠赤外線ヒータ、中赤外線ヒータまたは近赤外線ヒータである請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。
  7. 前記熱可塑性ポリウレタンチューブは、4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートから形成されたハードセグメントと、ポリオールから形成されたソフトセグメントとからなり、ハードセグメントとソフトセグメントとが相分離した構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタンチューブの製造方法。

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