JP6912317B2 - ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子 - Google Patents

ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子に関する。
ウレタン系熱可塑性エラストマーは、加硫ゴムに近い特性を示す高分子化合物であり、耐摩耗性、耐寒性、反発弾性等に優れている。以下、ウレタン系熱可塑性エラストマーをTPUと略称する場合もある。ウレタン系熱可塑性エラストマーは、機械的強度も高いため、エンジニアリングエラストマーとして位置付けられ、緩衝材、防振材、スポーツ用品、自動車用部材等の様々な用途で使用されている。
ウレタン系熱可塑性エラストマーを発泡させた発泡成形体は、耐摩耗性、反発弾性等の優れた特性を保ちつつ、軽量化と柔軟化を図ることができるため、今後、スポーツ用品、自動車用部材等でのさらなる用途展開が期待される。
このような発泡成形体は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子を成形型内に充填し、スチームなどの加熱媒体を用いて型内で発泡粒子を加熱し、発泡粒子を二次発泡させると共に相互に融着させる、所謂型内成形により製造することができる。
特開平8−113664号公報 米国特許出願公開第2010/0222442号明細書
従来のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子などの一般的な熱可塑性樹脂発泡粒子と比べると、良好な発泡粒子成形体を製造することができる成形温度範囲が狭いものであった。そのため、発泡粒子成形体の形状が複雑な場合、厚みが厚い場合などには、部位によっては、発泡粒子の加熱が不足して型内成形時の発泡粒子の二次発泡による体積膨張が不十分となるため表面が平滑にならないことがあった。また、そのような場合には、発泡粒子が局所的に過度に加熱されて成形型から離型した直後に過度な変形が生じたり、収縮が生じたりするなどの成形不良が発生することがあった。
本発明は、成型温度範囲が広く、型内成形性に優れるウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子を提供することをその解決課題とし、これを解決することを目的とする。
<1> 融点Tmが175℃以上であり、かつ融点Tmとガラス転移温度Tgとの差(Tm−Tg)が200℃以上であるウレタン系熱可塑性エラストマーを基材とするウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
<2> 前記ウレタン系熱可塑性エラストマーが、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン由来の構造を有する<1>に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
<3> 前記ウレタン系熱可塑性エラストマーのデュロメータ硬さが、A85以上である<1>又は<2>に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
<4> 見掛け密度が10〜500kg/mである<1>〜<3>のいずれか1つに記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
<5> 見掛け密度が30kg/m以上80kg/m未満である<4>に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
本発明によれば、成形温度範囲が広く、型内成形性に優れるウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子を提供することができる。
<ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子>
本発明のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子(TPU発泡粒子)は、ウレタン系熱可塑性エラストマーを基材とし、融点Tmが175℃以上であり、融点Tmとガラス転移温度Tgとの差(Tm−Tg)が200℃以上である。
以下、ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子(TPU発泡粒子)を、単に発泡粒子と称することもある。
既述のように、従来の発泡粒子は、表面の平滑性に優れ、変性が抑制された発泡成形体を製造することができる成形温度範囲が、狭いものであった。
形状が複雑である場合、厚みが厚い場合などには、部位によっては、成形不良が発生することがあった。例えば、発泡粒子の加熱が不足して型内成形時の発泡粒子の二次発泡による体積膨張が不十分となるため、表面が平滑にならないことがあった。また、発泡粒子が局所的に過度に加熱されて成形型から離型した直後に過度な収縮(所謂ヒケ)が生じた。
これに対し、本発明のTPU発泡粒子は上記構成であることで、表面の平滑性に優れ、かつヒケが抑制された発泡粒子成形体を製造することができる成形温度範囲を広くすることができる。かかる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
TPUは、一般に、ポリイソシアネートと高分子量ポリオールと鎖延長剤とを反応させることにより得られ、ポリイソシアネートと鎖延長剤とが反応してなるウレタン結合同士が物理架橋構造を形成することにより形成されたハードブロックと、高分子量ポリオール成分を含むソフトブロックとが交互に結合したブロック共重合体である。TPUは、連続相であるソフトセグメント中に、非連続相(分散相)であるハードセグメントが分散しているミクロ相分離構造を示す。一般に、ウレタン結合同士の凝集力が強く、強固な物理架橋を形成しているほど、TPUの融点は高くなり、ガラス転移温度も高くなる傾向にある。ここで、ミクロ相分離性が発達していると、ソフトセグメントの運動性が高くなり、TPUの融点が高い場合であっても、TPUのガラス転移温度が低くなる傾向にある。
一般にTPUなどの熱可塑性エラストマーは、弾性的であるため、発泡時に気泡膜が延伸配向しにくくなる傾向がある。しかし、このような強固な物理架橋が形成されたハードセグメントを有し、ミクロ相分離性が発達したTPUを基材とするTPU発泡粒子は、その発泡時にハードセグメントが高度に延伸配向し、良好な気泡膜が形成されているものと考えられる。その結果、型内成形時の成形温度が高くなっても、気泡構造にダメージを受けにくく、広い成形温度範囲に亘って、ヒケが抑制された良好な発泡粒子成形体を得ることができるものと考えられる。
本発明のTPU発泡粒子は、具体的には、融点Tmが175℃以上であり、融点Tmとガラス転移温度Tgとの差(Tm−Tg)が200℃以上のTPUを基材とする。
融点Tmが175℃未満であるTPUを基材とするTPU発泡粒子は、TPU分子のウレタン結合同士の物理架橋が弱いため、良好な気泡膜が形成されておらず、成形温度の範囲を広くすることができない。TPU発泡粒子を構成しているTPUの融点Tmは180℃以上が好ましく、185℃以上がより好ましい。融点Tmの上限は特に制限されないが、概ね230℃以下が好ましい。
また、融点Tmとガラス転移温度Tgとの差(Tm−Tg)が200℃未満であると、TPU分子のハードセグメントとソフトセグメントとのミクロ相分離性が低く、発泡時に良好な気泡膜が形成されなくなる傾向にあるため、成形温度の範囲を広くすることができない。また、TPU自体の硬度が高くなるため、TPU発泡粒子が所望の反発弾性を示さなくなる。
差(Tm−Tg)は、210℃以上が好ましく、220℃以上がより好ましい。差(Tm−Tg)の上限は特に制限されないが、概ね290℃程度である。
本発明において、TPU発泡粒子を構成しているTPUの融点Tmは、TPU発泡粒子を脱泡せずに、JIS K7121−1987に準拠し、熱流束示差走査熱量測定により測定される値である。
具体的には、10℃/分の加熱速度で常温から260℃まで昇温(1回目の昇温)するプログラムで、発泡粒子を加熱して、DSC(Differential scanning calorimetry)曲線を得る。かかるDSC曲線において、現われる融解ピーク温度を、発泡粒子の基材であるTPUの融点Tmとする。なお、複数の融解ピークが現れる場合は、最もピーク面積の大きなピークの頂点温度を融点Tmとする。
TPU発泡粒子のガラス転移温度Tgは、TPU発泡粒子を脱泡せずに、固体動的粘弾性測定(Dynamic Mechanical Analysis;DMA)により測定する。
具体的には、発泡粒子から一辺0.5〜3mmの立方体状の試験片を切り出し、2℃/分の加熱速度で、−100℃から0℃まで試験片を加熱しつつ、初期荷重1000mN、振幅幅10μm、周波数1.0Hzの条件で圧縮にて変形させて温度−損失正接(tanδ)曲線を得る。曲線に現われるピークの頂点温度を、発泡粒子の基材であるTPUのガラス転移温度Tgとする。なお、複数のピークが現れる場合は、最もピークの最大値の大きなピークの頂点温度をガラス転移温度Tgとする。
なお、DSC測定の試験片として発泡粒子1〜3mgを用いる。発泡粒子1個当たりの重量が1mg未満の場合は、総重量が1〜3mgとなる複数個の発泡粒子をそのまま測定に使用すればよい。発泡粒子1個当たりの重量が1〜3mgの場合には、発泡粒子1個をそのまま測定に使用すればよい。発泡粒子1個当たりの重量が3mgを超える場合には、1個の発泡粒子を均等に切断して得た重量が1〜3mgとなる切断試料1個を測定に使用すればよい。
[TPU発泡粒子の他の特性]
(見掛け密度)
本発明のTPU発泡粒子の見掛け密度は10〜500kg/mであることが好ましい。TPU発泡粒子の見掛け密度が10kg/m以上であることで、目的の形状の発泡粒子成形体が得られ易い。見掛け密度が500kg/m以下であることで、軽量で、反発弾性の高い発泡粒子成形体が得られ易い。
かかる理由から、TPU発泡粒子の見掛け密度は、20kg/m以上であることがより好ましく、30kg/m以上であることが更に好ましく、また、300kg/m以下であることがより好ましく、150kg/m以下であることが更に好ましく、80kg/m未満であることが特に好ましい。
発泡粒子の見掛け密度は、発泡粒子の重量を、発泡粒子の体積で割算することにより求められる値である。発泡粒子の体積は、水没法により求めることができる。
(平均粒子径)
本発明のTPU発泡粒子の平均粒子径は1〜10mmであることが好ましい。平均粒子径が1mm以上であることで発泡倍率を高めることができ、10mm以下であることで、成形時に発泡粒子を成形型に充填し易くなる。上記観点から、平均粒子径は1.5〜8mmがより好ましく、2〜8mmであることが更に好ましい。
なお、発泡粒子の平均粒子径は、発泡粒子1個あたりの平均体積と同じ体積を有する仮想真球の直径を意味するものとする。発泡粒子1個あたりの平均体積は、水没法などにより求めることができる。
(メルトフローレイト)
本発明のTPU発泡粒子の190℃、荷重10kgにおけるメルトフローレイト(MFR)は、発泡粒子成形体の成形性の観点から、30g/10分以下であることが好ましく、20g/10分以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、メルトフローレイト(MFR)は、JIS K7210−2:2014に基づき、190℃、荷重10kgにて測定される値である。なお、測定試料としては、含有水分量を500重量ppm以下としたものを用いる。
(平均気泡径)
型内成形性の観点から、本発明のTPU発泡粒子の平均気泡径は100〜500μmであることが好ましい。TPU発泡粒子の平均気泡径は120μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましく、また、400μm以下であることがより好ましい。
TPU発泡粒子の平均気泡径は、ASTM D3576−77に準拠し、次のようにして測定される値である。
発泡粒子をその中心部を通るように切断して2分割する。切断された各発泡粒子の一方の断面の拡大写真を撮影し、該拡大写真上において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度で4本の線分を引く。各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で割算して気泡の平均弦長を求め、さらに0.616で割算することにより、発泡粒子の平均気泡径を求める。
〔ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)〕
本発明のTPU発泡粒子は、ウレタン系熱可塑性エラストマーを基材とする。
以下、TPU発泡粒子の基材であるTPUについて説明する。
TPUの特性は、ソフトセグメントとハードセグメントそれぞれの化学構造により影響が与えられる。例えば、ソフトセグメントが、エステル基を含む高分子量ポリオール(ポリエステルポリオール等)成分を含むエステル系TPUは、特に、機械的強度、耐熱性等に優れる。ソフトセグメントが、エーテル基を含む高分子量ポリオール成分を含む(ポリエーテルポリオール等)エーテル系TPUは、特に、耐寒性、耐加水分解、耐菌性等に優れている。高分子量ポリオールの数平均分子量は400以上であることが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
上記融点Tmとガラス転移温度Tgとの関係を示すTPUを基材とする発泡粒子を得るためには、発泡粒子を構成しているTPUが、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有することが好ましい。
脂環式ジイソシアネートとしては、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−または1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
また、以上の脂環式ジイソシアネートの中でも、シクロヘキサン環を有する化合物が好ましく、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンがより好ましい。
すなわち、ウレタン系熱可塑性エラストマーは、脂環式ジイソシアネート由来の構造を有することが好ましく、シクロヘキサン環を有する脂環式ジイソシアネート由来の構造を有することがより好ましく、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン由来の構造を有することが更に好ましい。
鎖延長剤としては、低分子量ジオールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。低分子量ポリオールの数平均分子量は60以上400未満であることが好ましい。
ソフトセグメントは、特に限定されるものではなく、得られるTPU発泡粒子成形体に求められる物性に応じて適宜選択することができる。
TPUは、上述したエーテル系TPU及びエステル系TPUのいずれであってもよいが、耐加水分解性が高く、低温領域での機械的物性の温度依存性が小さいことから、エーテル系TPUが好ましい。
TPU発泡粒子を構成しているTPUは、A85以上のデュロメータ硬さを有することが好ましい。デュロメータ硬さがA85以上のTPUを用いることで、発泡粒子成形体を成形型から離型した後の発泡粒子成形体の著しい収縮(ヒケ)を特に抑制し易い。かかる観点から、TPUのデュロメータ硬さはA88以上であることがより好ましい。
また、TPUのデュロメータ硬さは、A100未満であることが好ましい。デュロメータ硬さは、A100未満であることで、型内成形時の成形温度を過度に高めなくとも、良好な成形体を得ることができる。
デュロメータ硬さとは、JIS K6253−3:2012に基づき、タイプAデュロメータを用いて測定されるデュロメータ硬さを意味する。発泡粒子を構成しているTPUのデュロメータ硬さを測定する際には、多数の発泡粒子をヒートプレスすることにより、完全に気泡を除いた状態で、厚み6mmのシートを作製し、該シートを試験片として用いる。
また、本発明の発泡粒子は、前記TPUを基材とするが、発泡粒子成形体の用途、目的に応じて、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン系エラストマー等の他の重合体を、本発明の目的を阻害しない範囲で前記TPUに混合して使用することもできる。なお、これらの他の重合体の使用量は、TPU100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。TPU発泡粒子は、TPU以外の他の重合体を含まないことが特に好ましい。
<TPU発泡粒子の製造方法>
本発明のTPU発泡粒子は、その製造方法は特に限定されるものではない。
例えば、密閉容器内でTPU粒子を分散媒中に分散させるとともに、加熱下で前記TPU粒子に発泡剤を含浸させ、発泡に適した温度条件にて、前記発泡剤を含むTPU粒子を分散媒と共に前記密閉容器から低圧下に放出して発泡させることにより得ることができる。
このような発泡粒子の製造方法は、分散媒放出法と呼ばれる方法である。
TPU粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。例えば、原料TPUを押出機にて溶融させ、TPUの溶融物を押出機先端に付設されたダイの小孔からストランド状に押出し、これを所定の重量となるように切断するストランドカット法;TPUの溶融物を小孔から水中に押出した直後に切断するアンダーウォーターカット法(UWC法);TPUの溶融物を小孔から押出した直後に気相中で切断するホットカット法等によりTPU粒子を得ることができる。
TPU粒子の重量は、小孔の孔径、押出量、カット速度を調整することにより調整することができる。
押出機に供給する原料TPUの190℃、荷重10kgにおけるMFRは、1〜30g/10分であることが好ましく、さらに好ましくは2〜20g/10分である。
押出時のTPUの分解を抑制するという観点から、押出機内でのTPU溶融物の温度は、160〜220℃とすることが好ましく、170〜200℃とすることがより好ましい。また、同様に、押出機内でのTPUの滞留時間(パスタイム)は60〜300秒とすることが好ましく、120〜240秒とすることがより好ましい。
TPU粒子の1個の重量は、目的とするTPU発泡粒子の大きさ、発泡倍率等に応じて適宜設定されるが、0.5〜30mgであることが好ましい。上記範囲内であれば、発泡倍率を高めることができ、また、発泡粒子成形体の内部融着性の低下を抑制することができる。かかる観点から、TPU粒子の重量の下限は1mgであることがより好ましく、3mgであることが更に好ましい。一方、その上限は20mgであることがより好ましく、15mgであることが更に好ましく、12mgであることが特に好ましい。
また、TPU粒子には、通常使用される帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属不活性剤、結晶核剤、充填材、着色顔料等の各種の添加剤を、必要に応じて適宜配合することができる。これらの添加剤は、原料TPUと共に押出機に供給してこれらを混練することにより、TPU粒子に配合することができる。
これらの各種添加剤の添加量は、発泡粒子成形体の用途目的により異なるが、原料TPU100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
以下、TPU発泡粒子の製造方法を、分散媒放出法を例にして説明する。
TPU粒子をオートクレーブ等の加圧可能な密閉容器中で、分散媒(通常は水)に分散させる。
分散媒中には、必要に応じて、TPU粒子が分散媒中に均一に分散するように、酸化アルミニウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、カオリン、マイカ、タルク等の難水溶性無機物質等の分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤等の分散助剤を添加することが好ましい。TPU粒子と分散剤との重量比(樹脂粒子/分散剤)を20〜2000とすることが好ましく、より好ましくは30〜1000である。また、分散剤と分散助剤との重量比(分散剤/分散助剤)は、1〜500とすることが好ましく、より好ましくは1〜100である。
次に、密閉容器内で前記TPU粒子に発泡剤を含浸させる。
発泡剤としては、物理発泡剤を用いることができる。物理発泡剤としては、有機物理発泡剤として、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1−ジフロロエタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のジアルキルエーテル等が挙げられる。また、無機物理発泡剤として、二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気、水等が挙げられる。
発泡剤の使用量は、目的とする発泡粒子の見掛け密度、TPUの種類、発泡剤の種類等を考慮して適宜設定されるが、通常、TPU粒子100重量部に対して0.5〜30重量部であることが好ましい。
短時間で発泡剤をTPU粒子に十分に含浸させる観点から、TPU粒子への物理発泡剤の含浸は、加熱、加圧下で行われることが好ましい。
TPU粒子へ発泡剤を含浸させる際の密閉容器内の内容物の温度(含浸温度)は、原料TPUの融点Tmに対して、(Tm−45℃)以上とすることが好ましい。
原料TPUの融点Tmは、JIS K7121−1987に準拠し、熱流束示差走査熱量測定により測定される値である。具体的には、10℃/分の加熱速度で常温から260℃まで昇温(1回目の昇温)してから、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、10℃/分の加熱速度で再度260℃まで昇温(2回目の昇温)するプログラムで、原料TPUを加熱及び冷却して、DSC曲線を得る。かかるDSC曲線において、2回目の昇温時に現われる融解ピーク温度を、融点Tmとする。
また、前記密閉容器内の圧力が、0.5MPa(G)以上となるように物理発泡剤を密閉容器内に添加すること、すなわち含浸圧力を0.5MPa(G)以上とすることが好ましく、1.0MPa(G)以上とすることがより好ましい。また、密閉容器の耐圧性の観点から、含浸圧力は10MPa(G)以下することが好ましく、8.0MPa(G)以下とすることがより好ましい。
なお、「0.5MPa(G)」は、ゲージ圧で0.5MPaであることを意味する。
また、発泡剤の含浸時間は、含浸温度、含浸圧力、TPUの種類、重量等に応じて適宜設定されるが、物理発泡剤をTPU粒子に十分に含浸させる観点から、0.05時間以上とすることが好ましく、0.1時間以上とすることがより好ましい。一方、生産性の観点から、発泡剤の含浸時間は、3時間以下とすることが好ましく、1時間以下とすることがより好ましい。
上記のようにして、TPU粒子に発泡剤が含浸され、発泡剤を含むTPU粒子(発泡性粒子)が形成される。
そして、発泡性粒子を分散媒とともに密閉容器内の圧力よりも低圧下(通常は大気圧下)に放出して発泡させることにより、TPU発泡粒子を得ることができる。
発泡性粒子を低圧下に放出する際には、密閉容器内の内容物の温度(発泡温度)は、原料TPUの融点Tmに対して、(Tm−45℃)以上とすることが好ましく、(Tm−45℃)〜(Tm−20℃)とすることがより好ましく、(Tm−40℃)〜(Tm−28℃)とすることが更に好ましい。
このような温度範囲で発泡性粒子を発泡させることにより、型内成形性に特に優れた発泡粒子を容易に得ることができる。
密閉容器から発泡性粒子を放出する際は、得られる発泡粒子の見掛け密度及び気泡径のばらつきを小さくするために、二酸化炭素、空気等の気体で背圧をかけることにより、開放した前記容器内の圧力を一定に保持するか、徐々に高めるようにすることが好ましい。
通常、TPUを上記見掛け密度の範囲に発泡させると、得られる発泡粒子の気泡が細かくなりやすくなる傾向にある。後述する製造条件を採用することにより、具体的には、気泡核剤の種類及び配合量、発泡剤の種類及び含浸圧力(含浸量)、発泡温度を調整することにより、見掛け密度が上記範囲であっても、気泡が過度に微細化することを抑制することができる。以下、これらの発泡条件について説明する。
TPU粒子への気泡核剤の配合量をTPU100重量部に対して0.2重量部以下とすることが好ましく、0.1重量部以下とすることがより好ましい。気泡径が不均一になることを抑制する観点から、気泡核剤の配合量は0.005重量部以上とすることが好ましく、0.01重量部以上とすることがより好ましい。
また、分散媒として水を用いる場合には、発泡粒子の気泡のバラツキを抑制するという観点から、気泡核剤としてはタルク、炭酸カルシウムなどの比較的吸水性の低い無機粉体を用いることが好ましく、タルクがより好ましい。気泡核剤としてタルクを用いる場合、50%体積平均粒子径(d50)0.5〜30μmのタルクを用いることが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。
TPU発泡粒子の気泡の微細化を抑制するためには、発泡剤として、二酸化炭素を用いることが好ましい。また、発泡剤として二酸化炭素を使用することにより、製造設備において、従来のようにブタン等の可燃性の炭化水素を使用する場合のような防爆対策は不要であるため、安全性を確保することが容易であり、設備投資コストを低減することができる。
なお、発泡剤としては、二酸化炭素を用いることが好ましいが、その他の物理発泡剤及び/又は化学発泡剤を二酸化炭素と併用することもできる。この場合、発泡剤中の二酸化炭素の配合比率は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが更に好ましい。
発泡剤として二酸化炭素を使用する場合、得られる発泡粒子の気泡径を過度に微細化させないという観点から、含浸圧力を7.0MPa(G)以下とすることが好ましく、5.0MPa(G)以下とすることがより好ましく、4.0MPa(G)以下とすることがさらに好ましい。
発泡時の密閉容器内の圧力、すなわち発泡圧力は5.0MPa(G)よりも低くすることが好ましく、4.0MPa(G)以下であることがより好ましい。発泡圧力を前記範囲とすることにより、得られる発泡粒子の気泡の微細化を抑制すすることが容易となる。一方、発泡粒子の気泡の均一性の観点から、発泡圧力を1.5MPa(G)よりも高くすることが好ましく、2.0MPa(G)以上であることがより好ましい。
発泡後にTPU発泡粒子に収縮が生じてその体積が減少した場合には、発泡粒子を空気で加圧処理し、その後、大気圧下にて体積を回復させることができる。具体的には、得られた発泡粒子を密閉容器内に入れ、0〜60℃の温度にて、0.05〜0.6MPa(G)の圧縮空気により、1〜24時間加圧処理した後、放圧し、30〜80℃の大気圧下で12〜72時間放置することが好ましい。この操作により収縮した発泡粒子の体積を回復させることができる。
<発泡粒子成形体>
本発明のTPU発泡粒子を型内成形して、発泡粒子成形体が得られる。型内成形の方法は特に限定されず公知の方法によればよい。通常、型内成形時の加熱媒体としては、スチームが使用されるが、加熱エアなどを用いることもできる。また、マイクロ波、ラジオ波などによりTPU発泡粒子を加熱することもできる。この場合には、水の存在下で加熱することが好ましい。
本発明のTPU発泡粒子は、成形可能な温度範囲が広いため、厚みの厚い成形体であったり、複雑な形状の成形体であっても、表面の平滑性に優れ、かつヒケが抑制された発泡粒子成形体を製造し得る。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<実施例1〜5及び比較例1〜4>
〔TPU粒子の製造〕
表1に示すTPU(原料TPU)と、気泡核剤とを内径26mmの二軸押出機に供給し、これらを200℃で加熱混練して、TPU溶融物を得た。TPU溶融物を押出機先端部に付設されたダイの小孔から水中に押出すと共に切断して、平均重量10mg、L/D=1.0のTPU粒子を得た。なお、パスタイムは180秒であった。
気泡核剤は、タルク(林化成株式会社製、製品名KHP−125B、d50:7μm)を用いた。
TPU粒子の製造に用いた原料TPUの詳細を表1に示す。
Figure 0006912317
表1において、「ポリイソシアネート」欄の「1,4−H6XDI」は、TPUのポリイソシアネート由来の構造が、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン由来の構造であることを意味する。同欄の「MDI」は、TPUのポリイソシアネート由来の構造が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート由来の構造であることを意味する。
なお、E101及びE1〜E3は、三井化学(株)製であり、E102は、ディーアイシー コベストロ ポリマー(株)製であり、E103は、DIC(株)製である。
原料TPUの融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)及び硬さ(デュロメータ硬さ)を、下記方法により測定した。
1.融点(Tm
原料TPUの融点Tmは、JIS K7121−1987に基づき、熱流束示差走査熱量測定法により、窒素流入量30mL/分の条件下で、10℃/分の加熱速度で常温から260℃まで昇温(1回目の昇温)してから、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、加熱速度10℃/分で再度260まで加熱して得られるDSC曲線の融解ピークのピーク頂点温度として求めた。
2.ガラス転移温度(Tg
動的粘弾性測定装置DMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、原料TPUのガラス転移温度(Tg)の測定を行なった。原料TPUを200℃で熱プレスして厚み1mmのシートを作製し、該シートから40mm×5mm×1mm(シート厚)の直方体状の測定サンプルを切り出し、昇温速度2℃/分にて、サンプルを−100℃から0℃まで加熱しつつ、初期荷重1000mN、振幅幅10μm、周波数1.0Hzの条件で、引張にて変形させ、温度−損失正接(tanδ)曲線を得た。得られた曲線に現われるピークの頂点温度を、TPUのガラス転移温度Tgとした
3.デュロメータ硬さ
JIS K6253−3:2012に基づき、タイプAデュロメータを用いて原料TPUのデュロメータ硬さを測定した。原料TPUを200℃で熱プレスして厚み6mmのシートを作製し、これを試験片として用いた。測定時間は3秒とした。
〔TPU発泡粒子の作製〕
上記で得られたTPU粒子50kgと、分散媒として水270リットルとを、撹拌機を備えた400リットルのオートクレーブ内に仕込んだ。さらに、TPU粒子100重量部に対して、分散剤としてカオリン0.2重量部と、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.008重量部とを分散媒に添加した。
オートクレーブ内の内容物を撹拌しながら表2又は3に示す温度(含浸温度)まで昇温し、オートクレーブ内に発泡剤として二酸化炭素を表2又は3に示す圧力(含浸圧力)となるまで圧入し、その圧力を維持しつつその温度(含浸温度)で15分間保持した。その後、二酸化炭素にて背圧を加えて容器内圧力が表2又は3に示す圧力(発泡圧力)で一定になるように調整しつつ、表2又は3に示す温度に分散媒の温度(発泡温度)にて、発泡剤が含浸されたTPU粒子を分散媒とともに大気圧下に放出して発泡させて、発泡粒子を得た。
得られた発泡粒子を密閉容器内に入れ、30℃で、0.3MPa(G)の圧縮空気により12時間加圧処理した後、放圧して40℃の大気圧下で48時間放置した。
〔発泡粒子の特性〕
得られた発泡粒子の見掛け密度、発泡粒子を構成しているTPUの融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)、Tm−Tg及びTPUのデュロメータ硬さを表2及び3に示す。
発泡粒子の見掛け密度、発泡粒子を構成しているTPUの融点、ガラス転移温度及びTPUのデュロメータ硬さの測定方法を以下に示す。なお、これらの測定は、得られた発泡粒子を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して状態調節した後に行なった。
1.見掛け密度
まず、温度23℃の水の入ったメスシリンダーに重量W1の発泡粒子を、金網を使用して沈めた。そして、金網の体積を考慮して、水位上昇分より読みとられる発泡粒子の体積V1[L]を測定し、発泡粒子の重量W1[g]を体積V1で割り算し(W1/V1)、単位を[kg/m]に換算することにより、発泡粒子の見掛け密度を求めた。
2.融点(Tm)
TPU発泡粒子を脱泡せずに、JIS K7121−1987に準拠し、熱流束示差走査熱量測定によりTPU発泡粒子を構成しているTPUの融点Tmを測定した。
具体的には、10℃/分の加熱速度で、窒素流入量30mL/分の条件下で、常温から260℃まで昇温するプログラムで、発泡粒子を加熱し、得られたDSC曲線において、昇温時に現われる融解ピーク温度を、TPU発泡粒子の基材であるTPUの融点Tmとした。
3.ガラス転移温度(Tg)
TPU発泡粒子のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置DMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定した。発泡粒子から一辺2mmの立方体状の測定サンプルを切り出し、昇温速度2℃/分にて、サンプルを−100℃から0℃まで加熱しつつ、初期荷重1000mN、振幅幅10μm、周波数1.0Hzの条件で、圧縮にて変形させ、温度−損失正接(tanδ)曲線を求めた。得られた曲線に現われるピークの頂点温度を、TPU発泡粒子の基材であるTPUのガラス転移温度Tgとした。
4.デュロメータ硬さ
JIS K6253−3:2012に基づき、タイプAデュロメータを用いて発泡粒子を構成しているTPUのデュロメータ硬さを測定した。多数のTPU発泡粒子を200℃でヒートプレスして気泡を脱泡した厚み6mmのシートを作製し、これを試験片として用いた。測定時間は3秒とした。
〔発泡粒子成形体の作製〕
上記で作製した発泡粒子を、縦200mm、横250mm、厚さ20mmの成形金型のキャビティに充填し、表2又は3に示す成形圧に到達するまでスチームをキャビティ内に供給して発泡粒子を加熱した。そして、冷却後、成形金型から成形体を取り出し、板状の発泡粒子成形体を得た。
なお、反発弾性率評価に用いたサンプル用の発泡粒子成形体は、成形圧を、表2又は3に示す「反発弾性率サンプル成形圧」欄の成形圧に変更したほかは、上記と同様にして作製した。
得られた発泡粒子成形体を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して、発泡粒子成形体の状態調節を行なった後に以下の評価を行なった。結果を表2及び3に示す。
〔発泡粒子成形体の評価〕
1.表面状態
得られた発泡粒子成形体の表面の発泡粒子間の空隙が埋まっていれば「○」と評価し、埋まっていなければ「×」と評価した。
2.融着
得られた発泡粒子成形体の融着性を評価するため融着率を測定し、融着率が90%以上である場合を「○」、融着率が90%未満である場合を「×」と評価した。
発泡粒子成形体の融着率は、以下の方法により測定した。発泡粒子成形体から、縦170mm、横30mm、厚さをそのままとして試験片を切り出した。この試験片の表面の一方に、カッターナイフで該試験片の縦の長さを2等分する位置に厚み方向に約10mmの深さの切り込みを入れ、切り込み部から成形体を折り曲げて破断させた。破断面に存在する材料破壊した発泡粒子の個数mと、破断面に存在する全部の発泡粒子の個数nの比(m/n×100[%])を算出した。なお、成形体を折り曲げても破断できない場合は、融着率100%とした。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均して融着率とした。
3.ヒケ
得られた発泡粒子成形体の中央部分と四隅部分の厚みをそれぞれ測定し、四隅部分のうち最も厚みが厚い部分に対する中央部分の厚みの比が90%以上である場合を「○」、90%未満である場合を「×」と評価した。
4.密度
発泡粒子成形体から成形時のスキンを除いて170mm×50mm×25mmの寸法の直方体サンプルを切り出し、該サンプルの外形寸法よりサンプルの体積:Hを求めた。該サンプルの重量:Wを測定し、重量:Wをサンプルの体積:Hで割算した値を発泡粒子成形体の密度[kg/m]とした。
5.収縮率
また、収縮率を以下の様にして測定した。
発泡粒子成形体の横方向の最大寸法L[mm]を測定し、成形キャビティの横方向の長さ250mmから寸法Lを引き算し、さらに250mmで割算することにより((250−L)×100/250)、発泡粒子成形体の収縮率[%]を求めた。
6.反発弾性率
JIS K 6255に準拠してショブ式反発弾性試験機RT−90(高分子計器株式会社製)を用い、相対湿度50%、23℃の条件下で発泡粒子成形体の反発弾性率を測定した。発泡粒子成形体の中心部から、縦30mm、幅30mm、厚さ12.5mmのサンプル(片面側に成形表皮あり)を切り出した。このサンプルの表皮面が振子の先端に接触する面となるように両面テープで固定し、ハンマー直径φ15mm、アーム重さ0.25kgの振子を、持ち上げ角度90±1°の位置から振り下ろした。そして、厚さ方向からサンプルの表皮面に振子を接触させ、振子の跳ね返り高さh(mm)を測定した。跳ね返り高さh(mm)を振子の落下高さH(mm)で除して、N=5の算術平均値を反発弾性率とした。
なお、比較例4においては、発泡粒子成形体の表面状態及び融着の評価に優れなかったため、反発弾性率の測定を行なわなかった。
Figure 0006912317
Figure 0006912317
表2及び3に示した評価結果から分かるように、比較例では、発泡粒子成形体の表面状態、融着の評価がいずれも良好でヒケのない成形体が得られる成形圧の範囲が、0.250MPa(G)、0.275MPa(G)等の1点に限られた。それに対し、実施例では、0.200〜0.300MPa(G)、0.300〜0.400MPa(G)、広いものでは0.100〜0.300MPa(G)の範囲にわたり、発泡粒子成形体の表面状態、融着の評価がいずれも良好でヒケのない成形体が得られた。

Claims (4)

  1. 融点Tmが175℃以上であり、かつ融点Tmとガラス転移温度Tgとの差(Tm−Tg)が200℃以上であるウレタン系熱可塑性エラストマーを基材とし、前記ウレタン系熱可塑性エラストマーが、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン由来の構造を有するウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
  2. 前記ウレタン系熱可塑性エラストマーのデュロメータ硬さが、A85以上である請求項1に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
  3. 見掛け密度が10〜500kg/mである請求項1又は2に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
  4. 見掛け密度が30kg/m以上80kg/m未満である請求項に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子。
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