JP6691839B2 - 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP6691839B2
JP6691839B2 JP2016128887A JP2016128887A JP6691839B2 JP 6691839 B2 JP6691839 B2 JP 6691839B2 JP 2016128887 A JP2016128887 A JP 2016128887A JP 2016128887 A JP2016128887 A JP 2016128887A JP 6691839 B2 JP6691839 B2 JP 6691839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
expanded
tpu
thermoplastic polyurethane
average
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016128887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018002801A (ja
Inventor
林 達也
林  達也
展允 越田
展允 越田
政春 及川
政春 及川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP2016128887A priority Critical patent/JP6691839B2/ja
Priority to US16/313,236 priority patent/US20190153189A1/en
Priority to PCT/JP2017/018106 priority patent/WO2018003316A1/ja
Priority to CN201780037864.2A priority patent/CN109312100B/zh
Priority to EP17819683.8A priority patent/EP3480243B1/en
Priority to TW106116219A priority patent/TWI752029B/zh
Publication of JP2018002801A publication Critical patent/JP2018002801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6691839B2 publication Critical patent/JP6691839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane;以下、TPUと略称する場合もある)発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体に関する。
TPUは、熱可塑性エラストマーの一種であるが、加硫ゴムに近い特性を示し、耐摩耗性や耐寒性、反発弾性に優れている。また、機械的強度も高いため、エンジニアリングエラストマーとして位置付けられ、緩衝材や防振材、スポーツ用品、自動車用部材等の様々な用途で使用されている。
このTPUを発泡させた発泡成形体は、耐摩耗性や反発弾性等の優れた特性を保ちつつ、軽量化や柔軟化を図ることができるため、今後、スポーツ用品、自動車用部材等でのさらなる用途展開が期待される。
特に、近年では、発泡粒子本来の色の成形体のみならず、カラーの発泡粒子及び成形体が求められている。
このような発泡粒子として、例えば、特許文献1に、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子に顔料を含有させたものが開示されている。
中国特許公開第103951965号公報
しかしながら、従来の着色TPU発泡粒子を型内成形すると、得られる発泡粒子成形体には、色調に均一性がない、すなわち色ムラが発生しやすいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、色ムラが発生せず、色調に均一性がある成形体を提供できる発泡粒子及び発泡粒子成形体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[5]を提供する。
[1]着色剤を含む熱可塑性ポリウレタン発泡粒子であって、該発泡粒子の見掛け密度が80〜300kg/mであり、該発泡粒子の平均気泡径が100〜400μmであり、該発泡粒子の最表面層の平均厚みが10μm以上である、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
[2]前記発泡粒子の平均気泡径が120μm以上、300μm以下である前記[1]に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
[3]前記発泡粒子の最表面層の平均厚みが15μm以上、50μm以下である前記[1]又は[2]に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
[4]前記発泡粒子の平均粒子径が1〜8mmである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子を型内成形してなる熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体。
本発明の発泡粒子を型内成形してなる成形体は、色ムラが抑制されており、色調に均一性がある。
本発明の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子は、着色剤を含む熱可塑性ポリウレタン発泡粒子であって、該発泡粒子の見掛け密度が80〜300kg/mであり、平均気泡径が100〜400μmであり、発泡粒子の最表面層の平均厚みが10μm以上である。該発泡粒子は、着色剤を含むTPU粒子を発泡させることにより得ることができる。
[熱可塑性ポリウレタン(TPU)]
本発明の発泡粒子を構成するTPUは、ジイソシアネートと鎖延長剤(短鎖グリコールなどのジオール化合物)とがウレタン結合で重合したハードセグメントと、エーテル基、エステル基、カーボネート基などを含む高分子鎖からなるソフトセグメントが、相互に結合した構造を有している。そして、常温領域では、ソフトセグメントが弾性を発現し、かつ、ハードセグメントが強固な水素結合を生成して物理架橋点として作用することによりゴムに近い弾性を示す。
TPUにおいては、ソフトセグメントのタイプが、TPUの特性に大きな影響を与える。エステル系TPUは、特に、機械的強度や耐熱性等に優れ、一方、エーテル系TPUは、特に、耐寒性や耐加水分解、耐菌性等に優れている。したがって、TPU発泡粒子成形体に求められる特性に応じて、使用するTPUの種類を適宜選択することができる。
前記TPUの構成要素は、特に限定されるものではなく、得られるTPU発泡粒子成形体に求められる物性に応じて適宜選択することができる。上述したエーテル系TPU及びエステル系TPUのいずれであってもよいが、耐加水分解性が高く、低温領域での機械的物性の温度依存性が小さいことから、エーテル系TPUが好ましい。
また、本発明の発泡粒子は、前記TPUにより構成されるが、発泡粒子成形体の用途、目的に応じて、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、スチレン系エラストマー等の他の重合体を、本発明の目的を阻害しない範囲で前記TPUに混合して使用することもできる。なお、これらの他の重合体の使用量は、TPU100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましく、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。発泡粒子は、TPU以外の他の重合体を含まないことが特に好ましい。
また、前記発泡粒子を構成するTPUは、その融解温度が140〜170℃であることが好ましい。TPUの融解温度が上記範囲内であれば、より型内成形性に優れた発泡粒子となる。上記観点から、前記融解温度は、150〜170℃であることがより好ましい。
上記融解温度はJIS K7121−1987に基づき、試験片の状態調節として「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は、いずれも10℃/分とする。)を採用し、熱流束示差走査熱量測定法により、加熱速度10℃/分で得られるDSC曲線の融解ピークのピーク頂点温度として求められる値である。
また、前記発泡粒子を構成しているTPUは、メルトフローレイト(MFR)が60g/10分以下であることが好ましい。MFRが上記範囲内であれば、発泡時に気泡の合一が起こり難く、気泡膜が破壊されることなく、良好な発泡粒子となる。前記MFRは、1〜50g/10分であることが好ましく、より好ましくは5〜40g/10分である。
上記MFRは、JIS K7210−2:2014に基づき、温度190℃、荷重10kgの条件にて測定される値である。
[着色剤]
着色剤としては、無機系又は有機系の顔料や染料を用いることができる。
有機顔料としては、例えば、モノアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、ペリレン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、ニトロソ系、フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料等を挙げることができる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤等を挙げることができる。
また、有機染料としては、例えば、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、塩基性染料、酸性染料、媒染染料等を挙げることができる。
これらの着色剤の中でも、耐候性の観点から、有機顔料または無機顔料を使用することが好ましい。
また、着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
着色剤を原料TPUと共に押出機に共給し、両者を加熱下で混練することによりTPU粒子に着色剤を配合することができる。この着色剤を含むTPU粒子を発泡させることにより、着色剤を含むTPU発泡粒子を得ることができる。
本発明の発泡粒子に含まれる着色剤の量としては、特に限定されないが、1000〜30000ppmが好ましく、2000〜20000ppmがさらに好ましい。
[発泡粒子]
本発明の発泡粒子において、発泡粒子の見掛け密度が80〜300kg/mである。発泡粒子の見掛け密度が低すぎると、発泡粒子を型内成形した際に、得られた成形体が大きく収縮、変形しやすくなる。かかる観点から、該見掛け密度は100kg/m以上であることが好ましく、120kg/m以上であることより好ましい。一方、該見掛け密度が高すぎると、型内成形時に発泡粒子が二次発泡しにくくなり、得られた成形体の発泡粒子間に空隙が残りやすくなり、また所望の緩衝性を有する成形体が得られなくなるおそれがある。かかる観点から、該見掛け密度は250kg/m以下であることが好ましく、200kg/m以下であることがより好ましい。
本発明の発泡粒子において、発泡粒子の平均気泡径は100〜400μmである。該平均気泡径が小さすぎる場合、発泡粒子の色調が淡色化する。一方、該発泡粒子を型内成形する時に成形型に触れる部分が軟化、溶融して、気泡が合一することによって濃色となるため、淡色部分と濃色部分が存在することとなり、全体として成形体に色むらが生じてしまう。かかる観点から平均気泡径は120μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましい。一方、成形体の色むらの観点からは、その上限は特に限定されないが、平均気泡径が大きすぎると、所望の反発特性を有する発泡粒子成形体が得られなくなるおそれがある。かかる観点から、平均気泡径は300μm以下であることが好ましい。
本発明の発泡粒子において、発泡粒子の最表面層の平均厚みは10μm以上である。該平均厚みが薄すぎる場合、TPUは軟質であるため、型内成形時の二次発泡などによりTPU発泡粒子が加熱状態で型面に押し付けられると、その部分が溶融しやすくなる。溶融した部分は、溶融していない部分に比べて濃色となるため、成形体に色むらが生じてしまう。かかる観点から、該平均厚みは15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。一方、該平均厚みが厚すぎると、型内成形時の発泡粒子どうしの融着性が低下し、成形時の加熱温度を高める必要がある。かかる観点から、該平均厚みは50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。
発泡粒子の見掛け密度は、発泡粒子の重量を発泡粒子の体積で割算することにより求められる値である。発泡粒子の体積は、水没法により求めることができる。
発泡粒子の平均気泡径及び最表面層の平均厚みは、ASTM D3576−77に準拠し、次のようにして測定される値である。発泡粒子をその中心部を通るように切断して2分割する。切断された各発泡粒子の一方の断面において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度で4本の線分を引く。各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で割算して気泡の平均弦長を求め、さらに0.616で割算することにより、発泡粒子の平均気泡径を求める。また、線分上において、発泡粒子の最表面から発泡粒子の最外に位置する気泡までの長さ(最表面層の厚み)を測定し、それらの値を算術平均することにより、発泡粒子の最表面層の平均厚みを求める。
また、前記発泡粒子の平均粒子径は、1〜8mmであることが好ましい。上記範囲内であれば、発泡時に表面が急激に冷やされて気泡が不均一になりにくくなる。上記観点から、前記平均粒子径は1.5〜8mmがより好ましく、さらに好ましくは2〜8mmである。なお、ここで言う発泡粒子の平均粒子径は、発泡粒子1個あたりの体積と同じ体積を有する仮想真球の直径を意味するものとする。
[TPU発泡粒子の製造方法]
本発明のTPU発泡粒子は、その製造方法は特に限定されるものではないが、密閉容器内で着色剤を含むTPU粒子を分散媒中に分散させるとともに、加熱下で前記樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡に適した温度条件にて、前記発泡剤を含むTPU粒子を前記密閉容器から低圧下に放出して発泡させ、TPU発泡粒子を得ることができる。
このような発泡粒子の製造方法は、ダイレクト発泡法と呼ばれる方法である。
通常、着色剤を含むTPUを上記見掛け密度の範囲に発泡させると、着色剤の影響により、得られる発泡粒子の気泡が細かくなりやすく、また、発泡粒子の表面層の厚みが薄くなる傾向にある。後述する製造条件を採用することにより、具体的には、気泡調整剤の種類及び配合量、発泡剤の種類及び配合量(含浸圧力)、発泡温度を調整することにより、見掛け密度が上記範囲であっても、気泡が過度に微細化することなく、かつ最表面層の平均厚みを上記範囲内に調整することができる。以下、これらの発泡条件について説明する。
TPU粒子への気泡調整剤の配合量を2000ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは1000ppm以下であり、さらに好ましくは500ppm以下である。一方、気泡調整剤の配合量が少なすぎると気泡径が不均一になりやすいことから、その配合量は50ppm以上とすることが好ましく、より好ましくは100ppm以上である。また、分散媒として水を用いる場合には、気泡調整剤としてはタルクや炭酸カルシウムなどの比較的吸水性の低い無機粉体を用いることが好ましく、特にタルクが好ましい。気泡調整剤としてタルクを用いる場合、50%体積平均粒子径(d50)0.5〜30μmのタルクを用いることが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。
本発明のTPU発泡粒子を得るためには、発泡剤として、二酸化炭素を用いることが好ましい。また、発泡剤として二酸化炭素を使用することにより、製造設備において、従来のようにブタン等の可燃性の炭化水素を使用する場合のような防爆対策は不要であるため、安全性を確保することが容易であり、設備投資コストを低減することができる。
発泡剤として二酸化炭素を使用する場合、得られる発泡粒子の気泡径を過度に微細化させないという観点から、密閉容器中の圧力が7.0MPa(G)以下となるように二酸化炭素を密閉容器内へ圧入すること、すなわち含浸圧力を7.0MPa(G)以下とすることが好ましく、より好ましくは5.0MPa(G)以下であり、さらに好ましくは4.0MPa(G)である。一方、TPU粒子に十分に発泡剤を含浸させるという観点から、含浸圧力は0.5MPa(G)以上とすることが好ましく、より好ましくは1.0MPa(G)以上である。
また、TPU粒子への発泡剤の含浸性の観点から、含浸温度は20〜160℃が好ましく、より好ましくは100〜150℃である。また、含浸時間は、密閉容器内の圧力、TPU粒子の種類や質量等に応じて適宜設定されるが、発泡剤をTPU粒子に十分に含浸させることができる時間とし、また、生産性の観点から、好ましくは0.05〜3時間、さらに好ましくは0.1〜1時間である。
発泡時の密閉容器内の圧力、すなわち発泡圧力は3.5MPa(G)よりも低くすることが好ましく、より好ましくは3.2MPa(G)以下である。発泡圧力を前記範囲とすることにより、得られる発泡粒子の平均気泡径及び最表面層の平均厚みを前記範囲内に調整することが容易となる。一方、発泡粒子の気泡の均一性の観点から、発泡圧力を2.5MPa(G)よりも高くすることが好ましく、より好ましくは2.8MPa(G)以上である。
発泡時の発泡温度、すなわちダイレクト発泡においては放出時の分散媒の温度は、TPU粒子の融解温度をTm(℃)としたとき、(Tm−60)℃以上とすることが好ましく、より好ましくは(Tm−50)℃以上である。発泡温度を前記範囲とすることで、所望の見掛け密度までTPU粒子を発泡させることができる。また、得られた発泡粒子の型内成形性の観点から、発泡温度を(Tm−10)℃以下とすることが好ましく、より好ましくは(Tm−20)℃以下である。
なお、融解温度とは、JIS K7121−1987に基づく、試験片の状態調節として「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は、いずれも10℃/分とする。)を採用し、熱流束示差走査熱量測定法により、加熱速度10℃/分で得られるDSC曲線の融解ピークのピーク頂点温度として求められる値である。
なお、DSC曲線が複数の融解ピークを有する場合、最も温度の高い融解ピークのピーク頂点温度を融解温度として採用する。
TPU粒子は、その190℃、荷重10kgにおけるメルトフローレイト(MFR)が40g/10分以下であることが好ましい。上記範囲であれば、発泡時の気泡の合一や気泡膜の破壊が抑制され、良好な発泡粒子を得ることができる。上記観点から、前記MFRは、0.1〜35g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.3〜30g/10分である。
また、TPU粒子の融解温度は、140〜180℃であることが好ましい。上記範囲内であれば、発泡温度において、気泡膜の破壊が抑制され、二次発泡性や融着性が良好な発泡粒子が得られる。上記観点から、前記融解温度は、140〜170℃であることが好ましく、より好ましくは150〜170℃である。
前記TPU粒子の1個の質量は、目的とするTPU発泡粒子の大きさや発泡倍率に応じて適宜設定されるが、0.5〜30mgであることが好ましい。上記範囲内であれば、TPU粒子へ発泡剤を十分に含浸することができ、また、型内への充填性と型内成形性とのバランスに優れた発泡粒子となる。かかる観点から、TPU粒子の質量の下限は1mgであることがより好ましく、さらに好ましくは3mgである。一方、その上限は20mgであることがより好ましく、さらに好ましくは15mgであり、特に好ましくは12mgである。
なお、TPU粒子は、その製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。例えば、原料TPUを押出機にて溶融させ、TPUの溶融物を押出機先端に付設された口金の小孔からストランド状に押し出し、これを所定の質量となるように切断するストランドカット法や、TPUの溶融物を小孔から水中に押出した直後に切断するアンダーウォーターカット法(UWC法)によりTPU粒子を得ることができる。TPU粒子の質量は、小孔の孔径、押出量、カット速度を調整することにより調整することができる。
また、TPU粒子には、着色剤のほかに、通常使用される帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属不活性剤、結晶核剤、充填材等の各種の添加剤を、必要に応じて適宜配合することができる。これらの各種添加剤の添加量は、発泡粒子成形体の用途目的により異なるが、原料TPU100質量部に対して25質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
前記TPU粒子は、オートクレーブ等の加圧可能な密閉容器中で、分散媒(通常は水)に分散させる。
分散媒中には、必要に応じて、TPU粒子が分散媒中に均一に分散するように、酸化アルミニウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、カオリン、マイカ、タルク等の難水溶性無機物質等の分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤等の分散助剤を添加することが好ましい。TPU粒子と分散剤との質量比(樹脂粒子/分散剤)を20〜2000とすることが好ましく、より好ましくは30〜1000である。また、分散剤と分散助剤との質量比(分散剤/分散助剤)は、1〜500とすることが好ましく、より好ましくは1〜100である。
なお、発泡剤としては、二酸化炭素を用いることが好ましいが、その他の物理発泡剤や化学発泡剤を併用することもできる。
その他の物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1−ジフロロエタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のジアルキルエーテル等の有機物理発泡剤が挙げられる。また、窒素、アルゴン、空気、水等の無機物理発泡剤が挙げられる。
この場合、発泡剤中の二酸化炭素の配合比率は、50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
密閉容器から発泡剤を含むTPU粒子を放出する際は、得られる発泡粒子の見掛け密度や気泡径のばらつきを小さくするために、二酸化炭素や空気等で背圧をかけることにより、開放した前記容器内の圧力を一定に保持する、あるいは、徐々に高めるようにすることが好ましい。
発泡後にTPU発泡粒子に収縮が生じてその体積が減少した場合には、発泡粒子を空気で加圧処理し、その後、大気圧下にて体積を回復させることができる。具体的には、得られた発泡粒子を密閉容器内に入れ、0〜60℃の温度にて、0.05〜0.6MPa(G)の圧縮空気により、1〜24時間加圧処理した後、放圧し、30〜80℃の大気圧下で12〜72時間放置することが好ましい。この操作により収縮した発泡粒子の体積を回復させることができる。
[発泡粒子成形体]
本発明のTPU発泡粒子を成形して得られた発泡粒子成形体は、色ムラが発生せず、色調に均一性があるという効果を有するものである。
本発明の発泡粒子成形体の製造方法は特に限定されず公知の方法によれば良いが、例えば、型内成形法等により製造することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
実施例で用いた原材料を以下に示す。
[原材料]
・TPU:エーテル系熱可塑性ポリウレタン(DICコベストロ社製、グレード名:9385AU、MFR[190℃・荷重10kg]:10g/10min、タイプAデュロメータ硬さ:86、融解温度:165℃)
・顔料マスターバッチ(青色着色マスターバッチ):パンデックスB−UN91−9127−20(フタロシアニンブルー)
・気泡調整剤:タルク(林化成株式会社製、製品名KHP−125B、d50:7μm)
・ヒンダードフェノール系化合物:ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](BASFジャパン株式会社製、製品名Irganox245)
・ベンゾトリアゾール系化合物:2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(BASFジャパン株式会社製、製品名Tinuvin234)
・ヒンダードアミン系化合物:2−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−2−ブチルプロパン二酸ビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル](BASFジャパン株式会社製、製品名TinuvinPA144)
[TPU粒子の製造]
TPUと、該TPU100質量部に対して、表1に示す量の気泡調整剤としてのタルクと、顔料マスターバッチ1質量部と、ヒンダードフェノール系化合物0.1質量部、ベンゾトリアゾール系化合物0.1質量部、ヒンダードアミン系化合物0.1質量部とを内径20mmの二軸押出機に供給し、これらを加熱混練して、溶融TPU組成物とした。該溶融TPU組成物を押出機先端部に付設された口金の小孔から水中に押出すと共に切断して、平均重量10mg、L/D=1.0のTPU粒子を得た。
[発泡粒子の作製]
上記で得られたTPU粒子50kgと、分散媒として水270リットルとを、撹拌機を備えた400リットルのオートクレーブ内に仕込み、さらに、TPU粒子100質量部に対して、分散剤としてカオリン0.2質量部と、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.008質量部とを分散媒に添加した。
オートクレーブ内の内容物を撹拌しながら昇温し、表1に示す温度(含浸温度)に到達後、該オートクレーブ内に発泡剤として二酸化炭素を、密閉容器内の圧力が表1に示す圧力(含浸圧力)となるまで圧入し、所定の圧力に到達後、圧力を維持しつつ、その温度で15分間保持した。その後、二酸化炭素にて背圧を加えて容器内圧力が表1に示す圧力(発泡圧力)で一定になるように調整しつつ、表1に示す温度に分散媒の温度(発泡温度)にて、発泡剤が含浸されたTPU粒子を分散媒とともに大気圧下に放出して、発泡粒子を得た。
得られた発泡粒子を密閉容器内に入れ、30℃で、0.3MPa(G)の圧縮空気により12時間加圧処理した後、放圧して40℃の大気圧下で48時間放置した。
得られた発泡粒子の見掛け密度、平均粒子径、平均気泡径及び最表面層の平均厚みを表1に示す。
発泡粒子の見掛け密度、平均粒子径、平均気泡径及び最表面層の平均厚みの測定方法を以下に示す。なお、これらの測定は、得られた発泡粒子を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置して状態調節した後に行なった。
(見掛け密度、平均粒子径)
まず、温度23℃の水の入ったメスシリンダーに質量W1の発泡粒子を金網を使用して沈めた。そして、金網の体積を考慮して、水位上昇分より読みとられる発泡粒子の容積V1[L]を測定し、発泡粒子の質量W1[g]を容積V1で割り算し(W1/V1)、単位を[kg/m]に換算することにより、発泡粒子の見掛け密度を求めた。また、容積Vをメスシリンダーに投入した発泡粒子の数で割算して、発泡粒子1個当たりの体積を求め、求めた体積と同じ体積を有する仮想真球の直径を発泡粒子の平均粒子径[mm]とした。
(平均気泡径及び最表面層の平均厚み)
得られた発泡粒子群から無作為に50個の発泡粒子を選択した。発泡粒子をその中心部を通るように切断して2分割した。切断された各発泡粒子の一方の断面において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度で4本の線分を引いた。
各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で割算して気泡の平均弦長を求め、さらに0.616で割算することにより、各発泡粒子の平均気泡径を求めた。そしてこれらの値を算術平均することにより発泡粒子の平均気泡径を求めた。
線分上において、発泡粒子の最表面から発泡粒子の最外に位置する気泡までの長さ(最表面層の厚み)を測定し、それらの値を算術平均することにより、各発泡粒子の最表面層の平均厚みを求めた。そして、これらの値を算術平均することにより発泡粒子の最表面層の平均厚みを求めた。
[発泡粒子成形体の作製]
上記で作製した発泡粒子を、縦200mm、横250mm、厚さ20mmの成形型のキャビティに充填し、0.250MPa(G)に到達するまでスチームで加熱した。そして、冷却後、成形型から成形体を取り出し、板状の発泡粒子成形体を得た。また、スチームの到達圧力を0.225MPa(G)に変更した以外は、同様にして板状の発泡粒子成形体を得た。
得られた発泡粒子成形体の融着性を評価するため融着率を測定し、融着率が100%である場合を「◎」、融着率が80%以上100%未満である場合を「○」、融着率が60%以上80%未満である場合を「△」と評価した。
発泡粒子成形体の融着率は、以下の方法により測定した。発泡粒子成形体から、縦170mm、横30mm、厚さをそのままとして試験片を切り出した。この試験片の表面の一方に、カッターナイフで該試験片の縦の長さを2等分するように厚み方向に約10mmの深さの切り込みを入れ、切り込み部から成形体を折り曲げて破断させた。破断面に存在する材料破壊した発泡粒子の個数mと、破断面に存在する全部の発泡粒子の個数nの比(m/n×100[%])を算出した。なお、成形体を折り曲げても破断できない場合は、融着率100%とした。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均して融着率とした。
スチーム圧力0.250MPa(G)にて得られた発泡粒子成形体について、色調の状態(色の均一性)を、以下の基準にて評価した。結果を表1に示す。
○:成形体表面の色が均一である。
×:成形体表面において発泡粒子中央部分の色が発泡粒子の周辺部分の色よりも濃いために成形体全体として色むらが発生している。
Figure 0006691839
表1に示した評価結果から分かるように、見掛け密度が80〜300kg/mで、平均気泡径が100μm以上でかつ最表面層の平均厚みが10μm以上の発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体は、色ムラが無く、色調が均一であったのに対して、平均気泡径及び最表面層の平均厚みがこれらの条件を満足しない発泡粒子の成形体では、色ムラが発生した。

Claims (5)

  1. 着色剤を含む熱可塑性ポリウレタン発泡粒子であって、
    該発泡粒子の見掛け密度が80〜300kg/mであり、
    該発泡粒子の平均気泡径が100〜400μmであり、
    該発泡粒子の最表面層の平均厚みが10μm以上である、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
  2. 前記発泡粒子の平均気泡径が120μm以上、300μm以下である請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
  3. 前記発泡粒子の最表面層の平均厚みが15μm以上、50μm以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
  4. 前記発泡粒子の平均粒子径が1〜8mmである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子を型内成形してなる熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体。
JP2016128887A 2016-06-29 2016-06-29 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体 Active JP6691839B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128887A JP6691839B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体
US16/313,236 US20190153189A1 (en) 2016-06-29 2017-05-12 Thermoplastic Polyurethane Foam Particle Molded Article And Method For Producing Same, And Thermoplastic Polyurethane Foam Particles
PCT/JP2017/018106 WO2018003316A1 (ja) 2016-06-29 2017-05-12 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体及びその製造方法、並びに熱可塑性ポリウレタン発泡粒子
CN201780037864.2A CN109312100B (zh) 2016-06-29 2017-05-12 热塑性聚氨酯发泡粒子成形体及其制造方法以及热塑性聚氨酯发泡粒子
EP17819683.8A EP3480243B1 (en) 2016-06-29 2017-05-12 Thermoplastic polyurethane foam particle molded article and method for producing same, and thermoplastic polyurethane foam particles
TW106116219A TWI752029B (zh) 2016-06-29 2017-05-17 熱塑性聚氨酯發泡粒子成形體及其製造方法與熱塑性聚氨酯發泡粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128887A JP6691839B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018002801A JP2018002801A (ja) 2018-01-11
JP6691839B2 true JP6691839B2 (ja) 2020-05-13

Family

ID=60948521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016128887A Active JP6691839B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6691839B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018083918A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 株式会社ジェイエスピー 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018083918A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 株式会社ジェイエスピー 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018002801A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018044042A (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体
WO2018003316A1 (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体及びその製造方法、並びに熱可塑性ポリウレタン発泡粒子
WO2016194737A1 (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体
WO2010150466A1 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及び発泡粒子成形体
TWI805613B (zh) 熱塑性彈性體組成物、發泡粒子及發泡成形體
WO2018088390A1 (ja) 発泡粒子とその成形体
JP6422806B2 (ja) アミド系発泡樹脂粒子及び発泡成形体
CN109476869A (zh) 酯系弹性体发泡成形体、其用途、和酯系弹性体发泡颗粒
WO2018066505A1 (ja) 発泡粒子成形体
JP6691839B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体
CN109689752B (zh) 热塑性聚氨酯发泡粒子
JP6912317B2 (ja) ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡粒子
KR102516853B1 (ko) 발포 입자 성형체
US11208537B2 (en) Expanded thermoplastic polyurethane particles and expanded thermoplastic polyurethane particle molded article
JP6649330B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、発泡粒子及び発泡成形体
JP2017179254A (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子及び熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体
JP2018035220A (ja) 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子成形体及びその製造方法
JP2020056038A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、発泡粒子及び発泡成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6691839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250