JP4241811B2 - 給紙装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタ、複写機、原稿読取装置等の各種画像処理装置において、用紙(原稿等の概念を含む)を供給する給紙装置および画像形成装置に関する。
従来、供給ローラと分離ローラとが一体に構成されているいわゆるツインローラ方式の給紙装置としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。すなわち、図14に示す
様に、入力ハブ11と出力ハブ12に巻き付けたねじりコイルばね13によるスプリングクラッチユニット7を、給紙ローラ1の回転軸4に入力ハブ11をねじ14で止めることにより固定している。そして、出力ハブ12によって繰り込みローラ2を保持するフレーム6を揺動することによって繰り込みローラ2を上下させるように構成されている。
上記した繰り込みローラ2と給紙ローラ1は、長期間使用するとローラが摩耗するため、交換する必要がある。しかしながらこの場合、スプリングクラッチユニット7が、給紙ローラ1の回転軸4に固定されている。このため、繰り込みローラと2給紙ローラ1との交換を円滑に行うことができなかった。
そこで、図15に示すような構成のものが提案されている。すなわち、給紙ローラ1の回転軸体65を駆動する分離ローラ駆動ギア66を用紙搬送方向と直交する方向に設ける。そして、供給ローラ2と分離ローラ1とを備えたローラユニット56を揺動させるためのアーム67を、ローラユニット56の上面に設けられた突出部61aと駆動ギア66の
との間を橋渡しするように配置する。このように、ローラユニット56を揺動する駆動力をスプリングクラッチユニット7からアーム67に代えることで、ローラユニット56の交換を容易にすることができる。
特開平6−72581号公報
しかし、ローラユニット56を交換する際には、アーム67の一端に設けた貫通孔67aを突出部61aから外す必要がある。この時、アーム67を揺動する時に回転中心となるアーム軸102は、アーム67に固定されたままの状態である。よって、貫通孔67a
が設けられた一端を上向きに持ち上げ、突出部61aから貫通孔67aを外そうとすると、アーム67はアーム軸102を中心に上向きの力がかかる。その結果、アーム67に無理な力が加わって、破損してしまうという問題点があった。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、用紙に接触し、回転することにより用紙を供給する供給ローラと、供給ローラよりも用紙供給入口奥側に設けられ、供給ローラと連動して回転する分離ローラと、分離ローラの回転軸を中心として供給ローラを揺動可能にし、供給ローラを回転可能に軸支している支持部材と、分離ローラの回転軸方向の一側に設けられた駆動源と、駆動源と支持部材の間に備えられたアーム軸を中心として揺動可能にされ、駆動源によって揺動されることにより、供給ローラを用紙に接触させたり離間させたりするように支持部材を揺動させるアームとが備えられている給紙装置であって、アームは、駆動源によって駆動される第1アームと、支持部材に連結された第2アームとで構成され、第1アームは第2アームに対して分離可能に構成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、第1アームと、第2アームとには、互いを位置決めする位置決め部が少なくとも2つ備えられ、位置決め部は、分離ローラの軸方向にアーム軸を挟んで間隔をおいた位置に備えられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、位置決め部は、第1アームと第2アームとのいずれか一方に設けられた孔と、他方に設けられたボスとで構成されていることを特徴とするものである。
請求項4の発明によれば、装置本体には押さえ部材が備えられ、押さえ部材は、第2アームの上面に接触ないしは近接した位置と、離れた位置とに移動可能に設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発明によれば、装置本体には装置本体を覆うためのカバーが備えられ、押さえ部材は、カバーの一部であることを特徴とするものである。
請求項6の発明によれば、請求項1〜5のいずれかに記載の給紙装置を備え、給紙装置によって給紙された用紙に画像を形成する画像形成装置を特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、アームを第1アームと第2アームとで分離可能に構成することにより、第1アームをアーム軸から外すことなく供給ローラと分離ローラとを交換することができる。よってローラの交換を容易に行うことができ、かつ時間を短縮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1アームと第2アームとの位置決め部が間隔をおいて少なくとも2つ設けられている。よって、第1アーム1と第2アームとの間に生じるガタつきを少なくすることができる。しかも、互いの位置決め部の間にアーム軸が設けられているので、第1アームと第2アームとの一体的揺動の動作を安定させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、一方のアームに設けられたボスと、他方のアームに設けられた孔とを嵌合させることにより、両アームの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1アームと第2アームとは、装置本体に備えられた押さえ部材によって押さえられている。これにより、第1アームと第2アームとを固定する必要がなく、揺動する時に第2アームが第1アームから外れることを確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、押さえ部材は、給紙装置の本体を覆うカバーの一部として構成されている。これにより、ローラを交換する際に押さえ部材を外した状態においては、押さえ部材を外した開口を通して、カバーの外側からもアクセスすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、給紙ローラと分離ローラとの交換を容易に行うことが可能な画像形成装置を構成することができる。
(第1の実施の形態)
1.全体構造
本発明の第1の実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成
装置としてのレーザプリンタ1の要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、給紙された記録用紙である用紙3に画像を形成するための画像形成部5を備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2には、フロントカバー7が設けられている。なお、以下では、このレーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ18(後述する現像カートリッジ27を含む。)において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、レーザプリンタ1を前面側から見て右側(紙面奥側)を「右側」とし、その反対側(紙面手前側)を「左側」とする。
(2)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ18、定着部20などを備えている。
(a)スキャナ部
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、図1の破線で示すように、プロセスカートリッジ18の後述する感光ドラム28の表面上に高速走査にて照射される。
(b)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ18は、スキャナ部19の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ18は、ドラムカートリッジ26と、ドラムカートリッジ26に対して着脱可能に装着される現像カートリッジ27とを備えている。
ドラムカートリッジ26は、前側に、現像カートリッジ27が装着され、その後側に、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、および転写ローラ30を備えている。
現像カートリッジ27は、トナーが収納されるトナー収容室32、供給ローラ33、現像ローラ34および層厚規制ブレード35が設けられている。
トナー収容室32内のトナーは供給ローラ33に向かって放出され、供給ローラ33の回転により、現像ローラ34に供給される。現像ローラ34上に供給されたトナーは、現像ローラ34の回転に伴って、層厚規制ブレード35と現像ローラ34との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ34上に担持される。
感光ドラム28の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ34の回転により、現像ローラ34上に担持されかつ正帯電されているトナーが、一様に正帯電されている感光ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム28の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
その後、感光ドラム28の表面上に担持されたトナー像は、レジストローラ15によって搬送されてくる用紙3が、感光ドラム28と転写ローラ30との間の転写位置を通る間に、転写ローラ30に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像
が転写された用紙3は、定着部20に搬送される。
(c)定着部
定着部20は、プロセスカートリッジ18の後側に設けられ、加熱ローラ37および加圧ローラ38、搬送ローラ39を備えている。
用紙3に転写されたトナーは、加熱ローラ37と加圧ローラ38との間を通る間に、熱によって溶融し、用紙3に固着する。用紙3は、搬送ローラ39によって、排紙ローラ40に向けて搬送され、その後、排紙ローラ40によって、排紙トレイ42上に排紙される。
2.マルチパーパス機構
図2は、マルチパーパストレイ(以下MPトレイ41とする)を開いた状態を示す要部側断面図である。レーザプリンタ1は、レーザプリンタ1の前面側から手差しによって転写位置へと用紙3を搬送するマルチパーパス機構(給紙装置としての手差し給紙機構)を有している。マルチパーパス機構は、MPトレイ41と、そのMPトレイ41上の用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙機構部(以下、「MP給紙機構部42」という)とを有している。
(1)MPトレイ
前面カバー7には矩形状の開口部7aが貫通形成されており、ここを覆うようにMPトレイ41が設けられている。具体的には、MPトレイ41は、本体ケーシング2の前面壁とされるカバー部43と、手差し用の用紙3が積載されるトレイ部44とを備えて構成されている。カバー部43は、図2に示すように、本体ケーシング2に対して下端部側がカバー回転軸43aを介して軸支され、そのカバー回転軸43aを中心に開閉可能となっており、その内面部分43bを上方に向けた状態で係止され、この内面部分43bにトレイ部44が設けられている。
トレイ部44は、上記カバー部43の内面部分43bに配された第1トレイ板45と、その第1トレイ45の前端部に回動可能に軸支された第2トレイ板46とを備えて構成されている。このうち第1トレイ板45は、MPトレイ41を閉じた状態(図1参照)でカバー部43の内面部分43bに収まる位置に位置し、MPトレイ41を開いた状態(図2参照)になるとガイド溝47に沿って前端部分をカバー部43の前方に突出させた位置にスライド移動するように設けられている。
第2トレイ板46は、第1トレイ板45の前端部に回転可能に軸支され、第1トレイ板45の上面に積み重なる位置(図1参照)と、第1トレイ板45の前方に広げられた位置(図2参照)との間で回動可能となっている。なお、このトレイ部44は、図2に示すように、MPトレイ41を開いた状態で、カバー回転軸43a側(用紙3の挿入先端側)が下方に傾斜した姿勢になる。
また、MPトレイ41には、それを開いたときにトレイ部44に積載された用紙3の幅方向両端を挟んでその搬送をガイドする1対のガイドリブ48,48(図1,2では左側のもののみ図示)を有するガイド機構49が設けられている。これら1対のガイドリブ48,48が互いに近づく位置と離間する位置との間でスライド可能になっていることにより、MPトレイ41は、任意のサイズの用紙3を積層状にスタック可能になっている。
このガイド機構49は、MPトレイ41を閉じた状態(図1参照)で、折り畳まれたトレイ部44の上端部の後方(MP給紙機構部42の上方のスペース)に位置し、MPトレイ41を開いた状態(図2参照)になるとガイド溝50に沿ってスライド移動し、第1ト
レイ板45の後端側に位置にするように設けられている。
(2)MP給紙機構部
図2に示すように、MP給紙機構部42は、供給ローラ51と、その供給ローラ51よりも用紙供給入口奥側に設けられた分離ローラ52と、その分離ローラに対向した状態で押圧される分離パッド53と、を備えている。分離ローラ52と分離パッド53とが対向接触した状態で、図示しない付勢部材の付勢力によって分離パッド53が分離ローラ52に向かって押圧される。つまり、本実施形態のマルチパーパス機構は、供給ローラ51と分離ローラ52とからなるツインローラ方式として、供給ローラ51をMPトレイ41側に配し、その後方に分離ローラ52を配した構成になっているのである。
そして、MPトレイ41上に積層される最上位の用紙3は、供給ローラ51の回転によって給紙され、分離ローラ52と分離パッド53とで挟まれた後、それらの協動により、1枚ずつ分離されて給紙される。給紙された用紙3は、搬送経路54を通ってレジストローラ15に送られる。
より具体的には、供給ローラ51および分離ローラを下方に露出させた状態で軸支するローラユニット56が設けられ、後述するように供給ローラ51は、この下方傾斜スペース内で上下動される。
(3)供給ローラの上下動駆動機構
図3,4は、供給ローラ51の上下動駆動機構60を示す斜視図である。これらの図では、紙面左上側がレーザプリンタ1の前側であり、紙面右下方向が用紙3の搬送方向であり、紙面右側がレーザプリンタ1の左側、紙面左側がレーザプリンタ1の右側である。
図3,4に示すように、上記ローラユニット56は、供給ローラ51および分離ローラ52を共通の支持部材である軸受け部材61に回転可能に設けて構成されている。具体的には、供給ローラ51は、その側方(左側同図では紙面右側)にギア62が同軸上で一体的に設けられ、これらが軸受け部材61の前端側に回転可能に軸支されている。一方、分離ローラ52はやはり側方(左側、同図では紙面右側)にギア63が同軸上で一体的に設けられ、これらが軸受け部材61の後端側に回転可能に軸支されている。そして、上記ギア62とギア63は、中間ギア64を介してギア連結されている。
また、分離ローラ52の更に左側には、左右方向に伸びる回転軸体65が分離ローラ52の同軸上に配され、この回転軸体65の右端部に分離ローラ52の回転軸が固定され、左端部に駆動源の一部である分離ローラ駆動ギア66が固定されている。これにより、分離ローラ駆動ギア66に図示しない駆動モータからの駆動力が与えられることによって分離ローラ52が回転し、これに伴って供給ローラ51が従属的に回転する。また、ローラユニット56は、分離ローラ52を中心に供給ローラ51側が揺動可能になっている。
また、回転軸体65の上方には、第1アーム107と第2アーム117とから成るアーム67が、レーザプリンタ1の左右方向に沿うように配されている。第1アーム107には分離ローラ52の軸方向に2つのアームボス103a,103bを有している。そして、それら2つのアームボス103a,103bの間に、アーム軸102が介入する回転中心ボス140が備えられている。なお、アーム軸102の先端には外開き状の弾性係止爪が設けられており、アーム軸102が介入した回転中心ボス140は、その上端面が弾性係止爪に係合することによりアーム軸102から外れないようになっている(アームボス103a,103bは、請求項3の「ボス」に相当)。
第2アーム117には、2つのアーム孔104a,104bが設けられており、それら
2つのアーム孔104a,104bの間には、回転中心孔141が設けられている。
第1アーム107のアームボス103a,103bに第2アームのアーム孔104a,104bを嵌合させる(回転中心ボス140は回転中心孔141より小さいため遊嵌状態となる)ことで、互いを位置決めすることができる(請求項2の「位置決め部」に相当)。これにより、第1アーム107と第2アーム117とは一体的になり、アーム軸102を中心に一体的に揺動する。なお、アーム軸102は給紙装置本体に設けられているボスである。
また、図示はしていないが、供給ローラ51の上下動駆動機構60を覆う給紙装置のカバーの一部がアーム67の上面に対向するようにして着脱可能に設けられている。これによって、第2アーム117が第1アーム107に対して外れないように、上方への浮き上がりを規制されている。
そして、第2アーム117の一側端部側(右端部側)には、上下方向に貫通する貫通孔67aが形成され、この貫通孔67a内には、軸受け部材61の上面後端側に突設された突出部61aが挿入されている。
そして、第1アーム107の他端部側(左端部側)の後方には、押圧部材68がその下端部を中心に上端部が傾動可能に設けられている。そして、図3に示すように、押圧部材68の上端部が前面に傾動した状態では、アーム67の左端部に当接して前方に押し付けて係止している。このとき、アーム67の右端部は上記突出部61aを後方に押さえ付けており、これにより、供給ローラ51は用紙3を搬送支持する用紙搬送支持部材55の上面から離間した上昇位置にある。
これに対して、図4に示すように、押圧部材68の上端部が後側に傾動した状態になると、第1アーム117の左端部から離間して前側での係止が解除される。これにより、第2アームの右端部による突出部61aに対する後方への押さえ付けが解除され、供給ローラ51の自重により供給ローラ51が用紙搬送支持部材55の上面に当接可能な下降位置に移動し用紙3の給紙が可能となる。ここで、本実施形態では、図2にも示すように、供給ローラ51は、上昇位置にある状態で分離ローラ52と同じ高さとなり、これを最上位置として、下降位置にある状態で分離ローラ52よりも低い位置となる。
押圧部材68の近傍には、ソレノイドスイッチ69と、セクターギア70と、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて回転する入力ギア71と、が配置されている。
ソレノイドスイッチ69は、給紙開始信号を受ける毎にオン動作するスイッチ手段として機能する。ソレノイドレバー72は、略中央部位72aが回転可能に支持され、その前端部がソレノイドスイッチ69のオン動作によって下方に下げられるようになっている。また、ソレノイドレバー72の後端部には、セクターギア70の外周面に突設された係止突起70aと係合する係止爪72bが一体的に設けられている。
セクターギア70は、同一のギア回転軸73に対して一体的に回転する、第1カム74と、第1欠け歯ギア75と、第2欠け歯ギア76と、第2カム77とから構成されている。
(a)第1欠け歯ギア
より具体的には、図5に示すように、第1欠け歯ギア75は、その一部分が連続的に欠け歯となっており、上記駆動モータからの駆動力が入力される入力ギア71と噛み合うことで回転駆動されるようになっている。ここで、ソレノイドレバー72の係止爪72bとセクターギア70の係止突起70aとが係合しているとき、第1欠け歯ギア75の欠け歯
部分が入力ギア71と対向するように調整されている。つまり、このときは、入力ギア71からの駆動力がセクターギア70に伝達されない(図3,5参照)。
(b)第2欠け歯ギア
第2欠け歯ギア76は、第1欠け歯ギア75の左側(図3,4で紙面右上方向、図5,6で紙面奥方向)に配されている。また、第2欠け歯ギア76は、全周の略3分の1の部分が連続的に欠け歯となっており、上記供給ローラ駆動ギア66と噛み合うことで、分離ローラ52を回動駆動させる役目を果たす。なお、図3,5の状態では、まだ、分離ローラ駆動ギア66とが噛み合っておらず、分離ローラ52は空回り可能になっている。
(c)第2カム
第2カム77は、第2欠け歯ギア76の左側(図3,4で紙面右上方向、図5,6で紙面奥側)に配されている。また、第2カム77は、ギア回転軸73に直交する断面が全体として略D字状をなし、その平坦部分77aの一端部分が突出した径大部77bとなっている。この第2カム77の近傍には、図5に示す状態で、第2カム77の径大部77bに押圧状態で接触するセクターバネ78が設けられている。このセクターバネ78は、ソレノイドスイッチ69がオン動作してソレノイドレバー72による係止が解除されたときに、第2カム77を図6の紙面時計回り方向に強制的に回転させて第1欠け歯ギア75と入力ギア71とが噛み合う位置までセクターギア70を回動させる役目を果たす。
(d)第1カム
第1カム74は、第1欠け歯ギア75の右側(図3,4で紙面左下方向、図5,6で紙面手前側)に配されている。また、第1カム74は、全周の約3分の1が連続的に径大となった径大部74aを有し、この第1カム74の手前に、上記押圧部材68の上端部が配置されている。図4,6の状態では、第1カム74の径大部74aが押圧部材68の上端部に突き当たっており、当該上端部を前側の位置に係止している。
次に、供給ローラ51の上下動駆動機構60の動作について説明する。ソレノイドスイッチ69に給紙開始信号が与えられる前は、図3,5に示すようなホームポジションになっている。即ち、供給ローラ51は用紙3から離間した上昇位置にあり、分離ローラ52は駆動力が与えられず空回り状態にある。
そして、ソレノイドスイッチ69に給紙開始信号が与えられると、図4,6に示すように、係止突起70aと係止爪72bとの係合が解除され、セクターバネ78の付勢力によって、第1欠け歯ギア75と入力ギア71とが噛み合う位置までセクターギア70が回動する。これにより、セクターギア70が紙面時計回りに回転駆動されるようになる。また、このとき、第1カム74の径大部74aが後方に退避し、押圧部材68の係止が解除され、供給ローラ51の自重により供給ローラ51が仕切部材55の上面に位置する用紙3の上面に当接する下降位置に移動する(図4参照)。しかし、第2欠け歯ギア76と分離ローラ駆動ギア66とはまだ噛み合っておらず、分離ローラ52は空回り可能になっている。
その後、更にセクターギア70が回転することで、第2欠け歯ギア76と分離ローラ駆動ギア66とが噛み合って、分離ローラ52が回転駆動し、これに伴って供給ローラ51も従動する。これにより、MPトレイ41上の用紙3の給紙が開始され、分離ローラ52と分離パッド53との対向位置で1枚ずつ分離され、分離された用紙3が搬送経路54を通過する。
そして、第1カム74の径大部74aが再び押圧部材68の上端部に当接する位置までセクターギア70が回転すると、押圧部材68の後面のテーパ面に沿って徐々にアーム6
7の左端部が前側に押し付けられて供給ローラ51が上昇位置に復帰する。このとき、まだ、第2欠け歯ギア76と分離ローラ駆動ギア66とは噛み合っており、分離ローラ52および供給ローラ51は回転駆動している。ここで、供給ローラ51を上昇位置に復帰させるタイミングが、分離した用紙3の後端が対向位置を抜ける前になるように、第1カム74の径大部74aの周方向の長さが調整されている。特に、本実施形態では、本レーザプリンタ1で使用される最小サイズの用紙の搬送方向における長さ(例えば葉書の短辺長さ)を基準に設定している。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図7〜図13を参照して説明する。なお、供給ローラ51の上下動駆動機構60については、第1の実施の形態とほぼ同じ構成なので、詳細な説明については省略する。図7,8は第2の実施の形態におけるアーム67等の要部分解斜視図であり、以下これらの図面を参照して説明する。
第1アーム207には分離ローラ52の軸方向に2つのアームボス203a,203bを有している。そして、それらアームボス203a,203bの間に、装置本体に設けられたアーム軸102が介入する回転中心ボス240が備えられている。
第2アーム217には、2つのアーム孔204a,204bが設けられており、それら2つのアーム孔204a,204bの間には、回転中心孔241が設けられている。
第1アーム207の2つのアームボス203a,203bに第2アームのアーム孔204a,204bを嵌合させる(回転中心ボス240は回転中心孔241より小さいため遊嵌状態となる)ことで、互いを位置決めすることができる(請求項2の「位置決め部」に相当)。これにより、第1アーム207と第2アーム217とは一体的になり、アーム軸102を中心に一体的に揺動する。また、互いに位置決めされた第1アーム207と第2アーム217との上面に対向して押さえ部材145が設けられている。この押さえ部材145には、アーム67の上面に対向する押さえ板部145aと、給紙装置本体に設けられた
係止段部245に係合する弾性係止爪145bとが設けられている。
図9はプリンタ1を正面から見た図、図10は図9におけX−X線拡大断面図である。図9において、画像形成装置としてのプリンタ1の前面カバー132には、MPトレイ41を兼ねた給紙カバー131が備えられている。給紙カバー131は下端部が図示しないカバー回転軸を介して軸支され、そのカバー回転軸を中心に図面手前方向に開閉可能となっている。
図10に示すように、第1アーム207の上面に第2アーム217が設けられ、その第2アーム217の上面に対向して押さえ部材145の一部に押さえ板部145aが設けられている。押さえ部材145は、弾性係止爪145bが給紙装置本体の係止段部245に係合して上方への浮き上がりが規制されている。これにより、第2アーム217も第1アーム207に対して外れないように上方への浮き上がりが規制されている。
図11は給紙カバー131を開いて、MP給紙機構部42を正面から見た状態を示している(ただし、給紙カバー131は図示を省略している)。給紙カバー131を図面手前に回動すると、MP給紙機構部42が使用できる構成になっている。給紙カバー131に対向する位置にあり、プリンタ1の前面を覆う前面カバー132の一部として構成された給紙装置のフロントカバー133(請求項5の「装置本体を覆うためのカバー」に相当)は、その一部が押さえ部材145として設けられている。MP給紙機構部42は、供給ローラ51と、分離ローラ52と、その分離ローラ52に対向した状態で押圧される分離パッド53とを備えている。用紙3は、供給ローラ51の回転によって給紙され、分離ローラ52と分離パッド53とで挟まれた後、それらの協動により、1枚ずつ分離されて給紙
される。給紙された用紙3は、搬送経路54を通ってレジストローラ15に送られる。
図12に示すように、プリンタ1の前面カバー132はMP給紙機構部42もろとも給紙装置のフロントカバー133と一体的に図面手前に開くことができる。押さえ部材145は、第1アーム207と第2アーム217とを揺動させるための駆動源側(図面左方向)に押さえ板部145aが設けられている。この押さえ部材145に設けられた2つの弾
性係止爪145bを操作して給紙装置本体の係止段部245との係合を解除外することにより、押さえ部材145全体を給紙装置本体から取り外すことができる。
図13は、給紙装置本体から押さえ部材145を取り外した状態を示しており、フロントカバー133を開いて装置本体の内側を上方から見た図である。
押さえ部材145を外すと第1アーム207、第2アーム217が露出した状態で見ることができる。第1アーム207は、回転中心ボス240の中心に設けられた孔にアーム軸102が挿嵌され、アーム軸102の先端に設けられた外開きの弾性係止爪が回転中心ボス240の上端面が係合することにより、上方への抜け止めがなされた状態で、アーム軸102を中心として揺動可能に取り付けられている。
一方、第2アーム217は第1アーム207の上面に嵌められているだけなので、容易に取り外すことができる。これにより、供給ローラ51と分離ローラ52とを支持された支持部材61をローラユニットとして簡単に取り出すことができる。
また、押さえ部材145がフロントカバー133の一部として構成されているので、押さえ部材145をプリンタ1から外すと、押さえ部材145を外した位置に開口部146ができる。この開口部146によって、プリンタ1の外側から内部へのアクセスが可能となり、プリンタ1の内側からだけでなく、この開口部146を通じて、同時に外側からもローラ交換作業をすることができる。
なお、第1の実施の形態において、位置決め部はアームボス103aとアーム孔104a、アームボス103bとアーム孔104bとの2対としたが、位置決め部は2つである必要はなく、3つ以上でもよい。また、第1の実施の形態では、第1アーム107にアームボス103a,103bが設けられ、第2アーム117にアーム孔104a,104bが設けられているが、これに限定する必要はなく、例えば第1アーム107に孔104a,104bが設けられ、第2アーム117にアームボス103a,103bが設けられていてもよい。
また、第1アーム107にアームボス103a,アーム孔104bが設けられ、第2アーム117にアーム孔104a,アームボス103bが設けられてもよい。また、第1アーム107にアーム孔104a,アームボス103bが設けられ、第2アーム117にアームボス103a,アーム孔104bが設けられてもよい。
また、第2の実施の形態の第1アーム207と第2アーム217とについても、上記した第1の実施の形態の変形例と同じように構成してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザプリンタ要部側断面図である。 MPトレイを開いた状態のレーザプリンタの要部側断面図である。 供給ローラの上下動駆動機構を示す斜視図(供給ローラが上昇位置にある状態)である。 供給ローラの上下動駆動機構を示す斜視図(供給ローラが下降位置にある状態)である。 供給ローラが上昇位置にある状態での上下動駆動機構の左側面図である。 供給ローラが下昇位置にある状態での上下動駆動機構の左側面図である。 本発明の第2の実施の形態のアーム等の要部斜視図である。 第1アームと第2アームとが一体となった状態を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態のレーザプリンタの正面図である。 図9におけるX−X線拡大断面図である。 給紙カバーをとり外してMP給紙機構部を正面から見た図である。 フロントカバーを開いてプリンタの内側を上方から見た図である。 図12において押さえ部材を取り外した状態を示す図である。 従来の供給ローラの上下動駆動機構を示す斜視図である。 従来の供給ローラの上下動駆動機構を示す斜視図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置) 3 用紙
51 供給ローラ
52 分離ローラ
61 支持部材
61a 突出部
67 アーム
67a 貫通孔
102 アーム軸
103,203 アームボス
104,204 アーム孔
107,207 第1アーム
117,217 第2アーム
131 給紙カバー
132 前面カバー
133 フロントカバー
140,240 回転中心ボス
141,241 回転中心孔
145 押さえ部材
145a 押さえ板部
145b 弾性係止爪
146 開口部
245 係止段部

Claims (6)

  1. 用紙に接触し、回転することにより前記用紙を供給する供給ローラと、
    前記供給ローラよりも前記用紙供給入口奥側に設けられ、前記供給ローラと連動して回転する分離ローラと、
    前記分離ローラの回転軸を中心として前記供給ローラを揺動可能にし、前記供給ローラを回転可能に軸支している支持部材と、
    前記分離ローラの回転軸方向の一側に設けられた駆動源と、
    前記駆動源と前記支持部材の間に備えられたアーム軸を中心として揺動可能にされ、前記駆動源によって揺動されることにより、前記供給ローラを前記用紙に接触させたり離間させたりするように支持部材を揺動させるアームとが備えられている給紙装置であって、
    前記アームは、前記駆動源によって駆動される第1アームと、前記支持部材に連結された第2アームとで構成され、前記第1アームは前記第2アームに対して分離可能に構成されていることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記第1アームと、前記第2アームとには、互いを位置決めする位置決め部が少なくとも2つ備えられ、前記位置決め部は、前記分離ローラの回転軸方向に前記アーム軸を挟んで間隔をおいた位置に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記位置決め部は、前記第1アームと第2アームとのいずれか一方に設けられた孔と、他方に設けられたボスとで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
  4. 装置本体には押さえ部材が備えられ、
    前記押さえ部材は、前記第2アームの上面に接触ないしは近接した位置と、離れた位置とに移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給紙装置。
  5. 装置本体には装置本体を覆うためのカバーが備えられ、
    前記押さえ部材は、前記カバーの一部であることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の給紙装置を備え、
    前記給紙装置によって給紙された前記用紙に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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