JP3968664B2 - シート材供給装置、画像形成装置及び収納カセット - Google Patents
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なお、本発明でいう「シート材」には被記録媒体としての用紙やOHPシートなどの他、被記録媒体以外のシート材、例えば紙幣などであってもよい。
「シート材供給装置」は、画像形成装置(プリンタ、ファクシミリ装置や、プリンタ機能及びスキャナ機能等を備えた複合機など)の本体に対して着脱可能に装着されるものであっても、着脱不能なものであってもよい。また、上記画像形成装置の本体にシート材を供給するためのものに限らず、例えば紙幣等のシート材をカウントするための装置に設けられるものであってもよい。
「分離ローラ」は、シート材供給装置の装置本体に対して着脱可能なもの、或いは、対向位置から外れた位置に移動可能であれば着脱不能なものであってもよい。
本構成は、分離パッドを、装置本体に対して着脱可能に設けたホルダを介して取り付ける構成であるから、上記特許文献1の構成に比べて、保持部材の分だけ部品点数を減らすことができ、また、装置本体に対する分離パッドの位置ずれを抑制することができる。しかも、本構成によれば、分離ローラを分離パッドとの対向位置から外れた位置に移動させることで、ホルダは付勢部材の付勢力によって分離ローラ側に起立した起立姿勢となるから、ホルダの取り外しがやり易くなり、分離パッドの交換作業が容易になる。
本構成によれば、分離ローラを分離パッドとの対向位置から外れた位置に移動させたときに、ホルダが、軸受け部による回動軸部の軸支が解除される解除位置まで付勢部材の付勢力によって付勢される。従って、作業者はそのままホルダを装置本体から取り外すことができ、分離パッドの交換作業をより容易に行うことができる。
本構成によれば、ホルダが起立姿勢にあるときに、回動軸部の径小部が軸受け部のC字の切れ目部分を挿通できるようになり、これにより、ホルダを装置本体から離脱できる。従って、比較的に簡単な構成によって解除機構を実現することができる。
本構成によれば、ホルダは、回動軸部または軸受け部が一体的に形成された構成であるから、部品点数の更なる軽減を図ることができる。
本構成によれば、装置本体は、回動軸部または軸受け部が一体的に形成された構成であるから、部品点数の更なる軽減を図ることができる。
付勢部材としては、例えば圧縮バネを使用してもよいが、この場合、分離パッドの取り付け時にホルダの裏面が見えないため圧縮バネの姿勢が安定せず、ホルダ裏面への当接位置がばらつき安定した付勢力を得られないおそれがある。これに対して、トルクバネの場合、そのトルク本体部分を位置決めすればその延出端部とホルダ裏面との当接位置が安定的に定まり、ホルダへ安定した付勢力を与えることができる。なお、請求項7のように、トルクバネ本体部分をホルダの回動軸側に平行に配して、延出端部をホルダの回動端側に配する構成とすることで、より安定した付勢力をホルダに与えることができる。
本構成によれば、トルクバネ本体部分をホルダの回動軸方向に沿って並べた1対のトルクバネの延出端部同士を連ねて、ホルダ裏面の中央位置に当接するようにした。これにより、トルクバネ1つとした場合に比べて安定した付勢力をホルダに与えることができる。
本構成によれば、ホルダ裏面の中央位置にリブを設けて、トルクバネの延出端部と点接触的に当接させる構成とした。従って、リブを設けずにホルダ裏面に線接触的に当接させる構成に比べて当接位置の位置ずれを抑制できる。
分離パッドは、例えば指などが触れると、摩擦係数が変わりシート材の分離性能に影響するおそれがある。本構成ではホルダの回動端側に摘み部を設けたから、分離パッドに触れることなく分離パッドの交換作業を行うことが可能となる。
本構成によれば、画像形成装置において上記請求項1〜請求項10のいずれかの構成による効果を得ることができる。
画像形成装置において、シート材供給装置は、一般に、収納カセットに収納されたシート材を分離するものと、手差しトレイに積載されたシート材を分離するものとがある。このうち後者はシート材供給装置全体がユニットケースに覆われて、分離パッドがユニットケース内の奥側に位置することとなり、分離パッドの交換作業が行い辛いことが特に多い。従って、分離ローラを対向位置から外すことでホルダが起立姿勢となる本発明が特に有効である。
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタ1の外観を示した斜視図である。なお、同図では、レーザプリンタ1の本体ケーシング2の一側面に開閉可能に設けられたマルチパーパストレイ(本発明の「手差しトレイ」に相当、以下、「MPトレイ7」という)を開いた状態になっている。以下、このMPトレイ7が設けられた一側面側を「前側」とし、その反端側を「後側」として説明する。
図2は、レーザプリンタ1を示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、被記録媒体(シート材)としての用紙3を給紙するためのフィーダ部8(本発明の「シート材供給装置」に相当)や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部9などを備えている。
本体ケーシング2の前側壁には、後述するプロセスカートリッジ31を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー5が設けられている。このフロントカバー5は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持され、フロントカバー5をカバー軸を開くと、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ31を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
フィーダ部8は、本体ケーシング2内の底部の前面に開口形成され、給紙カセット6を収納可能なカセット収容部8aを有している。そして、フィーダ部8は、このカセット収容部8aに着脱可能に収容される給紙カセット6と、給紙カセット6の前端部の上方に設けられる分離ローラ11および分離パッド12と、分離ローラ11の後側(分離パッド12に対して用紙3の搬送方向上流側)に設けられる給紙ローラ13とを備えている。
画像形成部9は、スキャナ部30、プロセスカートリッジ31、定着部32などを備えている。
(a)スキャナ部
スキャナ部30は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー33、fθレンズ34、反射鏡35、レンズ36および反射鏡37などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、一点鎖線で示すように、ポリゴンミラー33で偏向されて、fθレンズ34を通過した後、反射鏡35によって光路が折り返され、さらにレンズ36を通過した後、反射鏡37によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ31の後述する感光ドラム40の表面上に照射される。
プロセスカートリッジ31は、スキャナ部30の下方において着脱自在に装着されている。このプロセスカートリッジ31は、筐体内に、感光ドラム40、スコロトロン型帯電器41、現像カートリッジ42、転写ローラ43、およびクリーニングブラシ44を備えている。
このうち、スコロトロン型帯電器41は、感光ドラム40と所定間隔を隔てて対向配置され、その感光ドラム40の表面を一様に正極性に帯電させることができる。
トナー収容室45内のトナーは、回転駆動するアジテータ49によってトナー供給ローラ46に向かって放出され、トナー供給ローラ46の回転により、現像ローラ47に供給され、このとき、トナー供給ローラ46と現像ローラ47との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ47上に供給されたトナーは、現像ローラ47の回転に伴って、層厚規制ブレード48と現像ローラ47との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ47上に担持される。
定着部32は、プロセスカートリッジ31の後側に設けられ、加熱ローラ50および加圧ローラ51とを備えている。
加熱ローラ50は、加熱のためのハロゲンランプを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。一方、加圧ローラ51は、加熱ローラ50の下方において、加熱ローラ50を押圧するように対向配置され、加熱ローラ50の回転駆動に従って従動される。
(1)基本構成
フィーダ部8は、前述したMPトレイ7と、そのMPトレイ7上の用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙機構部(以下、「MP給紙機構部60」という)とを備えている。このうち、MPトレイ7は、任意のサイズの用紙3を積層状にスタック可能に構成されている。
図3,4は、給紙カセット6の前端側上部においてレーザプリンタ1の左右方向に跨るように配されるMPユニット70を示した斜視図である(図1も参照)。上記MP給紙機構部60は、このMPユニット70のユニットケース70a内に収容されている。
ローラユニット収容室72には、MP給紙ローラ61及びMP分離ローラ62を有するローラユニット78が収容される。ローラユニット78は、図4に示すように、全体として矩形枠状のフレーム79の前端側にMP給紙ローラ61を、後端側にMP分離ローラ62をそれぞれ回転可能に軸支した構成になっている。MP給紙ローラ61は、ギア機構80を介してMP分離ローラ62に連結され、MP分離ローラ62が回転駆動されることで従属的に回転するようになっている。MP分離ローラ62は、右端側(図3,4で紙面左側)に図示しない駆動源からの駆動力を受けて回転する回転軸体81の先端81aが圧入される圧入孔82が開口形成されている。また、MP分離ローラ62は左端側(図3,4で紙面右側)には、上述した軸受け体76の先端部内に挿入可能な円柱状の係止軸部83が突設されている。
図5は、MP分離パッド63、パッドホルダ64及び付勢部材65を示した斜視図であり、図6は、MP給紙機構部60を拡大して示す側断面図である。
図5に示すように、パッドホルダ64は全体として矩形平板状をなし、回動端64aとなる一端側においてMP分離ローラ62と対向する上面(以下、「おもて面」)に矩形状をなす摩擦部材(例えば樹脂、ゴム、スポンジなど)としてのMP分離パッド63が貼着されている。パッドホルダ64の回動軸側64bとなる他端部は、一端側よりも幅狭となっており、その両側面に回動軸部90,90が一体形成されている。各回動軸側64bについて、その回動軸方向から見た断面形状は、パッドホルダ64と平行をなす方向に長く延びた形状をなす。つまり、各回動軸部90は、パッドホルダ64と平行をなす方向における直径に対して、それと垂直をなす方向における直径が径小となっている。以下、直径が大きい部分を「径大部90a」といい、小さい部分を「径小部90b」という。
レーザプリンタ1を長期間使用することによりMP分離パッド63が経時的に劣化して交換を要する場合がある。このとき、作業者は、まず、軸受け体76の把持部76aを持って区画壁74との係止を解除する方向に回転させて軸受け体収納室73側に待避させる。これにより、ローラユニット78が着脱可能となり、このローラユニット78を上方へ取り外する。なお、このときのMP分離ローラ62の上方への位置が、本発明でいう「対向位置から外れた位置」に相当する。
(1)本実施形態は、MP分離パッド63を、ユニットケース70aの凹所75に対して着脱可能に設けたパッドホルダ64を介して取り付ける構成であるから、上記特許文献1の構成に比べて、保持部材の分だけ部品点数を減らすことができ、また、ユニットケース70aに対するMP分離パッド63の位置ずれを抑制できる。しかも、MP分離ローラ62をMP分離パッド63との対向位置から外れた位置に移動させることで、パッドホルダ64は、軸受け部94による回動軸部90の軸支が解除される解除位置まで付勢部材65の付勢力によって付勢される。従って、作業者はそのままパッドホルダ64を装置本体から取り外すことができ、MP分離パッド63の交換作業をより容易に行うことができる。
(3)付勢部材65は、トルクバネ93であり、そのトルク本体部分を位置決めすればその延出端部93bとパッドホルダ64裏面との当接位置が安定的に定まり、パッドホルダ64へ安定した付勢力を与えることができる。更に、1対のトルクバネ93の延出端部93bの連結部分93cを、パッドホルダ64裏面の中央位置に設けた1対のリブ91に当接させる構成とした。従って、リブ91を設けずにホルダ裏面に線接触的に当接させる構成に比べて当接位置の位置ずれを抑制できる。
(4)また、パッドホルダ64の回動端64aに摘み部92を設けたから、MP分離パッド63に触れることなくMP分離パッド63の交換作業を行うことが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、回動軸部90をパッドホルダ64側に、軸受け部94をユニットケース70a側に設けた構成であったが、これとは逆に、回動軸部90をユニットケース70a側に、軸受け部94をパッドホルダ64側に設けた構成であってもよい。
3…用紙(シート材)
6…給紙カセット(収納カセット)
7…マルチパーパストレイ(手差しトレイ)
8…フィーダ部(シート材供給装置)
9…画像形成部(画像形成手段)
62…マルチパーパス分離ローラ(分離ローラ)
63…マルチパーパス分離パッド(分離パッド)
64…パッドホルダ(ホルダ)
65…付勢部材
70a…ユニットケース(装置本体)
90…回動軸部
90a…径大部
90b…径小部
91…リブ
92…摘み部
93…トルクバネ(付勢部材)
93a…トルクバネ本体部分
93b…延出端部
94…軸受け部
D4…切れ目幅
Claims (13)
- 分離ローラと、
前記分離ローラと対向接触し、当該分離ローラとの間でシート材を1枚ずつ分離する分離パッドと、
前記分離パッドを保持するホルダと、
前記ホルダを、前記分離パッドが前記分離ローラと対向接触する接触姿勢と前記分離ローラ側に起立した起立姿勢との間で回動可能に装置本体に対して支持する支持部と、
前記ホルダを前記接触姿勢から前記起立姿勢となる方向に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記分離ローラは、前記付勢部材の付勢力に抗して前記分離パッドと対向接触する対向位置から外れた位置に移動可能に設けられ、
前記支持部は、
前記ホルダ及び前記装置本体のいずれか一方に設けられた回動軸部と、
他方に設けられた軸受け部と、
前記ホルダが前記接触姿勢にあるとき前記軸受け部に前記回動軸部を軸支させ、前記ホルダが前記起立姿勢にあるとき前記軸受け部による前記回動軸部の軸支を解除して前記ホルダを離脱可能とする解除機構と、を有していることを特徴とするシート材供給装置。 - 前記解除機構は、前記分離ローラが前記対向位置から外れた位置に移動され前記ホルダが前記付勢部材の付勢力によって回動し終えた位置において前記軸受け部による前記回動軸部の軸支が解除されることを特徴とする請求項1に記載のシート材供給装置。
- 前記回動軸部は、その回動軸方向から見た断面が、一直径方向において径小となる形状をなし、
前記軸受け部は、前記回動軸方向から見た断面がC字形状で且つそのC字の切れ目幅が前記回動軸部の径大部よりも狭く径小部よりも広い幅となっており、
前記回動軸部は、前記ホルダが前記起立姿勢にあるときに、前記径小部が前記軸受け部の切れ目部分を挿通可能となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート材供給装置。 - 前記ホルダは、前記回動軸部または前記軸受け部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシート材供給装置。
- 前記装置本体は、前記回動軸部または前記軸受け部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシート材供給装置。
- 前記付勢部材は、トルクバネであって、当該トルクバネは、そのトルクバネ本体部分から側方に延出された延出端部が前記分離ローラとは反対側の前記ホルダの裏面に当接可能に配されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシート材供給装置。
- 前記トルクバネは、そのトルクバネ本体部分が前記ホルダの回転軸方向に沿って且つ前記回動軸部に近接した位置に配され、前記延出部が前記ホルダの裏面の回動端側に当接可能となっていることを特徴とする請求項6に記載のシート材供給装置。
- 前記トルクバネは、前記ホルダの回動軸方向に沿って1対並んで配され、両トルクバネの延出端部が、前記ホルダの裏面における前記回動軸方向の中央位置で連なっていることを特徴する請求項6又は請求項7に記載のシート材供給装置。
- 前記ホルダの裏面には、前記ホルダの回動軸方向における中央位置にリブが立設され、このリブに前記トルクバネの延出端部が当接可能となっていることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載のシート材供給装置。
- 前記ホルダには、その回動端側に摘み部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のシート材供給装置。
- 前記請求項1〜請求項10のいずれかに記載のシート材供給装置と、そのシート材供給装置によって分離されたシート材に画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 前記シート材が積載される手差しトレイを備え、
前記シート材供給装置は、前記手差しトレイに積載されたシート材を分離するものであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。 - シート材が収納され、当該シート材の供給対象装置に引き出し可能に装着される収納カセットであって、
当該収納カセットまたは前記供給対象装置に設けられた分離ローラと対向接触し、当該分離ローラとの間でシート材を1枚ずつ分離する分離パッドと、
前記分離パッドを保持するホルダと、
前記ホルダを、前記分離パッドが前記分離ローラと対向接触する接触姿勢と前記分離ローラ側に起立した起立姿勢との間で回動可能に装置本体に対して支持する支持部と、
前記ホルダを前記接触姿勢から前記起立姿勢となる方向に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記分離ローラは、前記付勢部材の付勢力に抗して前記分離パッドと対向接触する対向位置から外れた位置に移動可能に設けられ、
前記支持部は、
前記ホルダ及び前記装置本体のいずれか一方に設けられた回動軸部と、
他方に設けられた軸受け部と、
前記ホルダが前記接触姿勢にあるとき前記軸受け部に前記回動軸部を軸支させ、前記ホルダが前記起立姿勢にあるとき前記軸受け部による前記回動軸部の軸支を解除して前記ホルダを離脱可能とする解除機構と、を有していることを特徴とする収納カセット。
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