プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像記録装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像記録装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセスを用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画像あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。
一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing /Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷における写植などの紙焼き、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP:Computer To Plate)が採られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
図7は、従来の画像形成システム1の概略を示す図である。ここで、図7(A)はシステムの全体構成図、図7(B)はデータの流れ図を示す図である。
この画像形成システム1は、図7(A)に示すように、画像記録装置11と、この画像記録装置11に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor)装置とから構成されている。
画像記録装置11は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール12、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module)15、出力モジュール17、ユーザインターフェース装置18、およびIOTモジュール12とフィードモジュール15とを連結する連結モジュール19を備えている。
DFE装置は、描画機能とプリンタコントローラ(印刷制御装置)機能とを備えており、たとえばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データを図示しないクライアント端末から順次受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのラスターデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報を画像記録装置11に送り、画像記録装置11のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像記録装置11に印刷処理を実行させる。つまり、画像記録装置11の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラによって制御される。
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(以下纏めてYMCKという)分が画像記録装置11に送られる。
ユーザインターフェース装置18は、オペレータと画像記録装置11との分かり易い対話を支援するもので、このような操作性の向上を図るため、タッチパネルが組み合わされたカラーディスプレイ8aと、その横に配されたハードコントロールパネル18bとを備え、図示のようにベースマシン(装置本体;本例では連結モジュール19)に支持アーム18cを立ててその上に取り付けられている。
IOTモジュール12は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をベルト回転方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、このトナー像を中間転写ベルト43に多重転写する。
中間転写ベルト43上に転写された画像は、所定のタイミングでフィードモジュール15から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路に引き出され、IOTモジュール12の反転搬送路49に渡される。
ところで、DFE装置は、ページ記述言語で記述された印刷データをクライアント端末から受け取ると、ページ記述言語を解釈することによりRIP処理して各ページのラスターデータを生成し、それを出力側である画像記録装置11へ送出する。このDFE装置において、ページ記述言語で記述された印刷データを、RIP処理してラスターイメージに変換するときに、変換のためのフォントがDFE装置内に用意されていないなどのエラーが発生して正常にラスターイメージが変換されなかった場合には、エラー内容を示す情報を含むエラーシートを印刷または表示して、該印刷データのRIP処理を中断している。
この中断した印刷データのRIP処理を再開してRIP処理を完了させるためには、ユーザの操作指示によってエラーとなる問題を解決する等のユーザによる操作指示が必要であった。このため該印刷データのRIP処理を行うことが出来ない恐れがあった。
この点に鑑みて、従来、ページ記述言語のエラーを認知できる画像記録装置であって、ページ記述言語で記述された印刷データの中の印刷すべき文字コードをチェックしてエラーを検出するエラー検出手段を備え、エラーを検出した場合にはエラー通知や印刷命令の再送要求を行なうと共に、オペレータパネルにエラー信号を送り、エラーを表示させたり、音声によりエラーが発生したことを警告するようにした技術があった(例えば、特許文献1参照)しかしながら、この技術においても、PDLデータにエラーが発生した場合には、ユーザの操作指示によってエラーとなる問題を解決する等のユーザによる操作指示が必要であった。このため該印刷データのRIP処理を行うことが出来ない恐れがあった。
そこで、DFE装置側で、RIP処理中にエラーが発生したページ以前のページまでRIP処理を行うか否かを選択する選択機能を備えた技術が開示されている。この技術によれば、RIP処理中にエラーが発生したページ以前のページまで、RIP処理したラスターイメージのラスターデータを作成することができる。
特開平11−3193号公報
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム1の全体概略構成を示す図である。画像形成システム1は、汎用の通信プロトコルによる高速LAN401を備えており、高速LAN401には例えばページ記述言語(PDL)で記述された複数ページのページデータ(以下、PDLデータという)を含む印刷データを入力するためのクライアント端末400,402が接続されている。クライアント端末400,402は、異なるオペレーティングシステム下で各種アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータである。この高速LAN401には、原稿の画像を読み取りその画像データを出力するスキャナ装置410も接続されている。また、高速LAN401には、DFE装置500,502,504,506,508、詳細を後述する本発明の画像形成支援装置としてのBEP(Back End Processor:バックエンドプロセッサ)装置600,602,604、電子データで直接刷版を作成するCTP装置702が接続されている。
CTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710において印刷がなされる。また、このCTP装置702に並列的に(高速LAN401に)BEP装置600が接続される。このBEP装置600には画像記録装置11と同様の高速プリンタ746が接続される。
また、高速LAN401に接続されたBEP装置604の出力側には、出力機730、同様の構成の高速プリンター740,742、CTP装置700が接続されている。出力機730、高速プリンター740、742からはプリント出力がなされ、CTP装置700では刷版が作成される。また、DFE装置502は、BEP装置602を介して同様の構成のプリンタプルーファ720,722に接続されている。プリンタプルーファ720,722は印刷のための出力確認用のものであり、画像記録装置一例として機能する場合がある。
また、DFE装置504は高速プリンター744に接続され、DFE装置504と高速プリンター744とはオンデマンド印刷処理を担当する部門を担っている。DFE装置506は出力機732に接続され、DFE装置508は大型出力機750に接続されている。DFE装置506と出力機732からなる構成及びDFE装置508と大型出力機750からなる構成は、従来の画像記録装置の構成と同様である。
本実施の形態の画像形成システム1では、CTPと、POD(プリントオンデマンド)の機能を有する装置を同一のシステム内に混在可能な構成である。これは、本実施の形態にかかるBEP装置が、クライアントからの印刷データに含まれる各ページ毎のPDLデータがRIP処理されることで作成されたラスタデータを、各種処理する機能を備えているためである。
上記構成による画像形成システム1において、本発明の実施形態について説明を簡単にするために、刷版を作成して印刷する構成と、刷版作成なしに印刷する構成との代表例を、一実施形態として説明する。
なお、DFE装置500は、クライアント端末400からの印刷データに含まれるPDLデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタデータを圧縮処理する機能を備えるが、本実施の形態では、画像記録装置11に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を要求しない。すなわち、DFE装置500は、主にRIP処理の機能のみを有する構成でよい。
図2は、本発明に係る画像形成システム1の一実施形態を示す図である。ここで、図2(A)はシステム構成の概略図、図2(B)は、ユーザインターフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。すなわち、図2(A)は、クライアント端末400で印刷指示した画像をDFE装置500でRIP処理して、RIPされた画像を、BEP装置600を介して高速プリンタ746(画像記録装置11)で印刷する構成を示す図である。
図2(A)に示すように、画像形成システム1は、画像記録装置11と、この画像記録装置11に複数ページのPDLデータを含む印刷データを渡し印刷指示をするDFE装置500と、画像記録装置11とDFE装置500との間に設けられるBEP装置600から構成されている。
画像記録装置11は、IOTモジュール12と、フィードモジュール15と、出力モジュール17と、パソコン等のユーザインターフェース装置18とを備える。なお、フィードモジュール15は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。また、出力モジュール17の後段に、後処理装置であるフィニッシャモジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、例えば、用紙をスタック処理し、1個所以上を綴じるステープラを備えたもの、またはパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたもの等がある。
DFE装置500は、主に、クライアント端末400から受信した印刷データに含まれるページ記述言語で記述された複数ページのPDLデータを、RIP処理して各ページ毎にラスタデータに変換し、その変換後のラスタデータを圧縮処理する機能を備えており、主にRIP処理をする。このラスターデータは、BEP装置600により処理されて画像記録装置11へ出力される。
BEP装置600は、画像記録装置11に依存した処理の制御機能を有するが、この制御機能は、ユーザインターフェース装置18により指示してもよく、予め定めておいてもよい。ユーザインターフェース装置18により指示する場合、ユーザインターフェース装置18は、キーボード等の入力デバイスやユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)機能を有し、画像記録装置11に依存した処理を指示するように構成すればよい。
BEP装置600は、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのラスターデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。すなわち、BEP装置600は、DFE装置500更に印刷制御情報を受取り、受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコードを生成し、画像記録装置11内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御する。また、BEP装置600は、IOTモジュール12やフィードモジュール15または出力モジュール17等のエンジン特性に適合するようにスプール処理を完結させてからIOTモジュール12に画像データを渡す。
例えば、DFE装置500からBEP装置600には、RIP処理が施されたラスターデータと、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無等を示す印刷制御情報等が送られる。なお、回転、1枚の用紙内へのページ割付、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System ; カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等のRIP処理と関わりのある処理は、DFE装置500にて処理し、その制御コマンドをBEP装置600へは通知しない。
また、コレーション、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等、画像記録装置11の処理特性と関わりの強いものに関しては、その制御コマンドをDFE装置500がスルーすることで、BEP装置600にて処理する。
このように、本実施形態のDFE装置500は1つの印刷データをエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置側へ一方的に転送し、BEP装置側で印刷用にページ再配置をする。
ここで、従来、DFE装置500におけるRIP処理時にエラーが発生すると、DFE装置500はRIP処理を中断していた。このため、複数ページのPDLデータを含む印刷データに含まれる、各ページのPDLデータのRIP処理時にエラーが発生すると、RIP処理が正常に行われるように、ユーザの各種操作指示による対応が必要であった。
そこで、本実施形態のDFE装置及びBEP装置を、図3に示すように構成する。図3は、DFE装置500と画像記録装置11との間に、高速LAN410を介してBEP装置を介在させるとともに、高速LAN410にDFE装置500として複数のDFE装置500A及びDFE装置500Bを接続させたときの、データの流れに着目した概念ブロック図である。
DFE装置500Aは、クライアント端末400からPDLで記述された各ページ毎のPDLデータを受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するPDLデータスプール部503Aと、PDLデータスプール部503AからPDLデータを読み出して解釈しページ単位のラスタデータを生成するRIP処理部510Aと、このRIP処理部510Aにて生成されたラスターデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530Aとを備える。また、RIP処理部510Aにおいて、該当するフォントが用意されていない等のエラーによって、PDLデータからラスターデータが生成されなかった(以下RIP処理エラーという)場合に、ラスターデータが生成されなかったPDLデータのページを示すページ識別子と、エラー内容を示す情報を含むエラーシートを作成するためのエラーシート作成部544Aを備えている。圧縮処理部530A及びエラーシート作成部544Aの後段には、インターフェース部542Aが設けられている。RIP処理部510Aでは、PDLデータを展開してラスターデータを生成するため、RIP処理部510Aには、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、所謂RIPエンジンが組み込まれている。圧縮処理部530Aは、RIP処理部510Aからのラスターデータを圧縮し、圧縮済のラスターデータをインターフェース部542Aを介して、BEP装置600へ即時に転送する。また、エラーシート作成部は、RIP処理部510AでRIP処理エラーの発生したときに、エラーシートを作成して、作成したエラーシートをインターフェース部542Aを介して、BEP装置600へ転送する。
更に、インターフェース部542Aの前段には、ページ切出部546Aが設けられている。ページ切出部546Aは、インターフェース部542Aで、BEP装置600から、RIP処理部510AでRIP処理エラーが発生することで、ラスターデータが正常に作成されなかったページに対応するPDLデータを他のDFE装置に送信する送信指示情報を受信したときに、該受信した送信指示情報に対応するページのPDLデータをPDLデータスプール部503Aから切出すとともに、切出したPDLデータを、上記送信指示情報に含まれる他のDFE装置(例えば、DFE装置500B)に送信する。
DFE装置500Bは、DFE装置500Aと略同様の構成となっており、本実施の形態では、DFE装置500AからPDLで記述された各ページ毎のPDLデータ及び該PDLデータから作成したラスターデータの送信のBEP装置を示す装置識別情報を受信して、そのPDLデータを一旦順次格納するPDLデータスプール部503Bと、PDLデータスプール部503BからPDLデータを読み出して解釈しページ単位のラスタデータを生成するRIP処理部510Bと、このRIP処理部510Bにて生成されたラスターデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530Bとを備える。圧縮処理部530Bの後段には、インターフェース部542Bが設けられている。RIP処理部510Bでは、PDLデータを展開してラスターデータを生成するため、RIP処理部510Bには、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、所謂RIPエンジンが組み込まれている。圧縮処理部530Bは、圧縮処理部530Aと同様に、RIP処理部510Bからのラスターデータを圧縮し、圧縮済のラスターデータをインターフェース部542Bを介して、PDLデータスプール部503Bに記憶した装置識別情報に応じたBEP装置600へ即時に転送する。
一方、BEP装置600は、複数のDFE装置(DFE装置500A、及びDFE装置500B)各々とラスターデータやエラーシート等の各種データやコマンドを送受信するためのインターフェース機能部であるインターフェース部601を備えている。また、BEP装置600は、DFE装置500Aにて印刷データやプリントエンジン30の処理特性に無関係に処理された圧縮済のラスターデータを受け取り保持する画像記憶部603と、画像記憶部603から圧縮済のラスターデータを読み出して、DFE装置500A側の圧縮済のラスターデータを読み出して、DFE装置500A側の圧縮処理部530Aの圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のラスターデータを、インターフェース部650を介して、画像記録装置11側に送出する伸張処理部610を備える。この伸張処理部610は、画像記憶部603から読み出し伸張処理したラスターデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、または拡大もしくは縮小等、の画像編集機能を備えている。画像記憶部603の前段には、入力側のインターフェース部601が設けられ、伸張処理部610の後段には、出力側のインターフェース部650が設けられている。
また、BEP装置600は、画像記録装置11の処理性能に依存してBEP装置600の各部や画像記録装置11を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。印刷制御部620は、DFE装置500Aから受信した印刷制御情報を解釈、またはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、またはページ排出順や向き等)を特定する出力形態特定部622と、特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャ等の画像記録装置11bの各部を制御する制御部624とを備える。出力形態特定部622は、クライアントが希望する出力形態に関する情報を受け付ける出力形態情報収得部としての機能を備える。
従って、DFE装置500Aでは、RIP処理部510Aにてページ記述言語からRIP処理されたラスターデータは、BEP装置600側へページ順に転送される。また、RIP処理中にエラーが発生した場合には、ページに対応するエラーシートをBEP装置600側へ転送する。BEP装置600は、DFE装置500Aから転送されたラスターデータまたはエラーシートを、一旦バッファとして機能する画像記憶部603に蓄積する。伸張処理部610は、画像記憶部603から圧縮済のラスターデータを読み出して伸張処理するとともに、クライアント端末やDFE装置500Aから指定された印刷データに従ってページデータを組み立てたり(ページデータの再配置)、指示されたプリントエンジンへの転送準備をしたりする。そして、BEP装置600では、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページ毎のラスターデータをページの順に画像記録装置11へ出力する。
このように、DFE装置500A側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置600側へ一方的に転送すればよい。そして、BEP装置600が、印刷用にページ再配置をする等印刷ジョブやプリントエンジン30に依存した処理を担当する。
このように、本実施形態の構成では、画像データがTiffなどの圧縮データとして、たとえばFTP転送などによりフロントエンドプロセッサFEP部フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600側にファイル転送される。つまり、両者は単純なファイル渡しによる疎結合となっており、フロントエンドプロセッサFEP部500側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にバックエンドプロセッサBEP部600側へ一方的に転送すればよい。バックエンドプロセッサBEP部600が、印刷用にページ再配置をするなど印刷ジョブやプリントエンジン30に依存した処理を担当する。
この本実施形態の構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500はエンジン特性に応じた煩雑な処理から開放されるので、一般的なPC(パソコン)をフロントエンドプロセッサFEP部500として使用し、このPC上にソフトウェアを搭載することによって、フロントエンドプロセッサFEP部500の機能を果たすことができるようになる。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500の汎用化が実現できる。
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部600側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2や定着器70あるいはフィニッシャなどの性能に応じて、柔軟に処理や制御を変更することができる。
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくても、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいプリントエンジンに対して、汎用のRIPエンジンを搭載したプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
そして、フロントエンドプロセッサFEP部500がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。
ここで、DFE装置500Aから、RIP処理に失敗したこと示すエラーシートを受信したときには、エラーシートは、ラスターデータと同様に、一旦画像記憶部603に蓄積される。エラー検知部630は、画像記憶部603にエラーシートが蓄積されたことを検知する。エラーシートに示されたエラー内容を示す情報は、GUI部80に表示される。エラー内容判別部632は、エラー検知部630で検知されたエラー内容を示す情報に基づいて、該エラー内容が修復可能なエラーか否かを判別する。修復可能なエラーの一例は、RIP処理時に該DFE装置内に対応するフォントが用意されていない等のエラーであり、修復不可能なエラーの一例は、該エラーの発生したページのPDLデータが壊れている等のDFE装置側では修復不可能なエラーである。
DFE情報記憶部638は、予め高速LAN401に接続された複数のDFE装置各々を識別するための装置識別情報と、該装置識別情報のDFE装置に設けられたRIP処理機能に関する情報と、を対応付けて予め記憶するためのものである。DFE特定部634は、DFE情報記憶部638から、DFE装置500Aから受信したエラーシートに示されるエラー内容を示す情報に対応可能なDFE装置の装置識別情報を特定するための機能部である。要求信号作成部636は、DFE特定部634で特定した装置識別情報へ、エラーシートに含まれるページ識別子に対応するPDLデータを出力するための送信指示情報を、DFE装置500Aへ送信するためのものである。
なお、本構成では、RIP処理に関わる処理はDFE装置で行うが、RIP処理のやり直しが必要な際には、DFE装置500へ再RIP処理を要求することなく(DFE装置500とは独立に)、画像記憶部603に保持しておいたデータを再利用する。これにより、DFE装置500にての再RIP処理が不要となる。また、プリントエンジン等出力側の処理特性に適応する性能を持ちプリントエンジン30等と接続されたBEP装置600にて、出力側の処理特性に依存する処理をすることができる。
例えば、クライアントが希望する出力形態にて出力する場合において、出力側の処理特性に依存する処理を必要とする一例で、RIP処理と関わりのある再処理としては、1枚の用紙内へのページ割付、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等がある。
また、出力側である画像記録装置11の処理特性に依存した処理(出力側の処理特性と関わりの強い依存処理)が必要となる場合の一例としては、画像回転、コレーション、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等がある。
次に、DFE装置500Aで実行される処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。DFE装置500Aの図示を省略した、DFE装置500Aを制御するための制御部では、所定時間毎に図4に示す処理ルーチンが実行されて、ステップ100へ進む。
ステップ100では、クライアント端末400から複数ページのPDLデータを含む印刷データを受信したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ102へ進む。
ステップ102では、RIP処理する対象となるページをカウントするためのページカウンタ「n」に「1」を設定した後に、ステップ104へ進み、クライアント端末400から受信した複数ページのPDLデータを含む印刷データを、PDLデータスプール部503Aに格納する。
次にステップ106では、PDLデータスプール部503Aに格納した複数ページのPDLデータから、nページ目のラスターデータを作成するRIP処理が実行される。
次にステップ108では、上記ステップ106のRIP処理が正常に実行されて、nページのラスターデータが作成されたか否かを判別し、肯定されると、ステップ110へ進み、作成した1ページ分のラスターデータをBEP装置600へ出力する。ステップ110の処理が終了すると、ステップ124へ進む。
一方、上記ステップ108で否定されて、上記ステップ106のRIP処理において、該当フォントがDFE装置500A内に用意されていない等のエラーが発生し、正常にラスターデータが作成されなかった場合には、ステップ114へ進み、エラーシート作成処理が実行される。
ステップ114の処理は、上記ステップ106のRIP処理において発生したエラー内容を示すエラー情報と、該エラーが発生して正常に作成されなかったラスターデータのページを示すページ識別子を含むエラーシートを作成するものである。
次にステップ116では、上記ステップ114で作成したエラーシートを、BEP装置600へ出力する。
次にステップ118では、上記ステップ116でエラーシートを送信したBEP装置600から、送信指示情報を受信するまで、否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ120へ進む。送信指示情報は、DFE装置500Aとは異なる他のDFE装置(例えば、DFE装置500B)へエラーシートに示されるページ識別子のページのPDLデータを送信するための指示を示す情報であり、ページ識別子と、他のDFE装置を識別するための装置識別情報と、を含んで構成される。
次にステップ120では、上記ステップ118で受信した送信指示情報に基づいて、上記ステップ116でBEP装置600に送信したエラーシートに含まれるページ識別子に対応するページのラスターデータを作成するためのPDLデータを、PDLデータスプール部503Aから読出す。
次にステップ122では、ステップ120で読出したPDLデータと、作成したラスターデータの送信であるBEP装置600を示す装置識別情報と、を上記ステップ118で受信した送信指示情報に含まれる装置識別情報に対応するDFE装置へ送信した後に、ステップ124へ進む。
ステップ122の処理によって、DFE装置500AのRIP処理において、エラーが発生してラスターデータを正常に作成することができなかったページに対応するPDLデータを、該エラーに対応可能な他のDFE装置500Bへ送信することができる。
次にステップ124では、BEP装置600から次のページのラスターデータ送信要求が入力されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ126へ進み、PDLデータスプール部503Aに格納された印刷データに含まれる全てのページのPDLデータのRIP処理が終了したか否かを判別する。
上記ステップ126で否定されると、ステップ128へ進み、ラスターデータ作成対象となるページカウンタ「n」の値を「1」カウントアップした後に、上記ステップ106へ戻る。
一方、上記ステップ126において、全ページのPDLデータのRIP処理が終了すると、BEP装置600へ印刷データに含まれる全てのページのPDLデータのRIP処理が終了したことを示す終了信号を出力した後に、本ルーチンを終了する。
次に、DFE装置500Bで実行される処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。DFE装置500Bの図示を省略した、DFE装置500Bを制御するための制御部では、所定時間毎に図7に示す処理ルーチンが実行されて、ステップ200へ進む。
ステップ200では、DFE装置500Aから1ページ分のPDLデータ及び作成したラスターデータを送信する送信先を示すBEP装置の装置識別情報を受信したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ202へ進み、受信したPDLデータ及びBEP装置の装置識別情報をPDLデータスプール部503Bに格納する。
ステップ204では、PDLデータスプール部503Bに格納したPDLデータからラスターデータを作成するRIP処理が実行される。
次にステップ206では、上記ステップ202でPDLデータスプール部503Bに格納した装置識別情報に応じたBEP装置600へ、作成したラスターデータを送信した後に、本ルーチンを終了する。
次にBEP装置600で実行される処理ルーチンを説明する。
なお、本実施の形態では、BEP装置600は、DFE装置500A及びDFE装置500Bとラスターデータまたはエラーシートを含む各種データやコマンドの授受を実行するものとして説明するが、このような形態に限られるものではなく、更にその他の高速LAN401に接続されたDFE装置から各種データやコマンドの授受を実行するようにしてもよい。
BEP装置600の印刷制御部620では、所定時間毎に図6に示す処理ルーチンが実行されてステップ300へ進む。
ステップ300では、DFE装置500AまたはDFE装置500Bからデータを受信するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ301へ進む。
ステップ301では、DFE装置500AまたはDFE装置500Bから1ページ分のラスターデータが入力されたか否かを判別し、肯定されると、ステップ302へ進み、1ページ分の印刷処理が実行される。
ステップ302では、入力されたラスターデータを、一旦バッファとして画像記憶部603に蓄積した後に、圧縮済みのラスターデータを伸張処理するとともに、クライアント端末400やDFE装置500Aから指定された印刷制御情報に従って、ページデータを組み立て、画像記録装置11のプリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度で1ページ分のラスターデータを、画像記録装置11のIOTコア部20に出力する。
次にステップ304では、次ページのラスターデータの送信を要求するための送信要求情報を、DFE装置500Aに出力した後に、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ301で否定されると、ステップ306へ進み、DFE装置500Aからエラーシートを受信したか否かを判別する。ステップ306で否定されると、ステップ320へ進み、DFE装置500Aから終了信号を受信したか否かを判別し、否定されると、上記ステップ300へ戻り、肯定されると本ルーチンを終了する。
ステップ306で肯定されて、DFE装置500Aからエラーシートが入力されると、ステップ308へ進み、入力されたエラーシートに示されるエラー内容を示す情報を解析する解析処理が実行される。
次にステップ310では、上記ステップ308で解析した解析結果が、修復可能なエラーであるか否かを判別する。ステップ310の処理は、エラーシートに含まれるエラー内容が、DFE装置で修復可能なエラーか否かを判別するものである。修復可能なエラーは、例えば、対応する文字フォントが該DFE装置内に用意されていない場合等である。修復不可能なエラーは、PDLデータ自体が壊れていたり、対応するページのPDL形式データが印刷データに含まれていないなどの、DFE装置では修復することが困難なエラーである。
上記ステップ310で否定されて、修復不可能なエラーである場合には、GUI部80にらエラー情報を表示した後に、本ルーチンを終了する。一方、ステップステップ310で肯定されて、DFE装置で修復可能なエラーであると判別された場合には、高速LAN401に接続された他のDFE装置の内、該エラーによるPDLデータからラスターデータを作成可能なDFE装置を特定する。
ステップ312の処理は、DFE情報記憶部638に記憶されたDFE装置の装置識別情報と、RIP処理に関する情報との対応から、上記エラーによるPDLデータからラスターデータを生成可能なDFE装置の装置識別番号を特定することによって可能である。
また、ステップ312の処理は、例えば、高速LAN401に接続された複数のDFE装置各々に、該エラー内容を示す情報と、該PDLデータからラスターデータを生成可能か否かを問い合せるための問い合せ情報を順次送信して、該PDLデータからラスターデータを作成可能であることを示す返答情報を返したDFE装置を、特定するようにしてもよい。本実施の形態では、DFE装置500Bが特定されるものとして説明する。
次にステップ314では、上記ステップ306で受信したエラーシートの送信もとであるDFE装置500Aに、エラーの対応可能なDFE装置を識別するための装置識別情報と、エラーシートに対応するページのPDLデータを該DFE装置に送信する送信指示情報を送信する。
次にステップ316では、上記ステップ312で特定したDFE装置500Bから、正常に作成された1ページ分のラスターデータを受信するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、上記ステップ302へ進む。
ステップ306乃至ステップ316の処理が実行されることによって、BEP装置600では、DFE装置500Aからエラーシートを受信して、該エラーシートに示されるページ識別子に対応するページのラスターデータが得られなかった場合には、該エラーを対応可能な他のDFE装置500Bに、対応するページのPDLデータを送信するようにDFE装置にエラー装置500Aに要求し、他のDFE装置500Bで正常に作成された、エラーとなったPDLデータデータに対応するラスターデータを受信することができる。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成支援システムでは、複数ページのPDLデータ各々をRIP処理してラスターデータを作成して各ページ毎にBEP装置へ出力するDFE装置において、ラスターデータを作成するときに、エラーが発生した場合に、エラーが発生したDFE装置とは異なるDFE装置でラスターデータを生成するように対応するエラーとなったページのPDLデータを、エラー対応可能な他のDFE装置に送信して、他のDFE装置で正常に作成したラスターデータをBEP装置へ出力することができる。
詳細には、DFE装置からBEP装置へ、PDLデータから正常に作成した各ページのラスターデータ、及びRIP処理時にエラーが発生して正常にラスターデータが作成できなかったときのエラー内容を示す情報とエラーとなったページを示すページ識別子を含むエラーシートを送信して、BEP装置で、エラーシートを受信したときに、受信したエラーシートに示されるエラー内容を示す情報に基づいて、エラー対応可能な他のDFE装置にPDLデータを送信する送信指示情報をエラー発生したDFE装置に送信する。エラーの発生により正常にラスターデータを作成できなかったDFE装置では、BEP装置から受信した送信指示情報に基づいて、エラーページに対応するPDLデータをエラー対応可能な他のDFE装置に送信する。他のDFE装置では、受信したPDLデータをRIP処理してラスターデータを生成して、BEP装置に送信する。
このように、画像形成システム1内で、RIP処理時のエラー回避を行うために、DFE装置でRIP処理時にエラーが発生した場合であっても、印刷データに基づいた、DFE装置及びBEP装置の処理を継続して実行することができる。
また、特定のDFE装置におけるRIP処理時にエラーが発生した場合であっても、BEP装置側で、上記エラーの対応可能な他のDFE装置を特定して、該特定したDFE装置にPDLデータを送信するように、エラー発生したDFE装置へ送信指示情報を送信することができるので、DFE装置のRIP処理が正常に行われているか否かを管理する必要がなく、クライアント端末400からシステム内のどのDFE装置に印刷データを送信した場合であっても、正常に画像記録装置で印刷処理が実行される。
また、BEP装置では、ページ単位でラスターデータまたはエラーシートをスプールして、エラーシートを受信したときに、他のDFE装置から該エラーシートに示されるページ識別子に対応するPDLデータに基づいてRIP処理されたラスターデータを受信してスプールすることができるので、DFE装置からエラーシートを受信した場合であっても、処理を中断することなく継続して画像記録装置にラスターデータを出力することができる。
また、DFE装置でRIP処理を行い、BEP装置から画像記録装置へラスターデータを送信して画像を記録媒体に記録する一連の処理を、各ページ毎に行う、すなわちRIP処理しながら画像記録処理を行うRIP―While―Print処理を行う場合に、RIP処理中にエラーが発生した場合であっても、エラーページのラスターデータ作成を他のDFE装置で行ってBEP装置へ送信することができるので、継続して一連の処理を実行することができる。
なお、本実施の形態では、BEP装置では、DFE装置からエラーシートを受信した場合には、エラーシートに示されるエラー内容を示す情報に応じた処理が可能な他のDFE装置を特定し、特定した他のDFE装置にエラーページに対応するPDLデータの送信を要求する送信指示要求をDFE装置に送信するものとして説明したが、このエラーシートの認識の実行を選択可能としてもよい。この場合、例えば、BEP装置の図示を省略した電源スイッチの操作による電力の投入後に、GUI部80にエラーシートを認識するか否かを選択するための項目を表示してユーザに対して指示を促し、予め定められたエラーシートの認識を指示するための位置が押圧指示された場合に、上記図6に示す処理が実行されるものとし、エラーシートの認識をオフにするための位置が押圧指示された場合には、図6に示す処理ルーチンにおいて、ステップ306でエラーシートを受信した場合に、
本ルーチンを終了するようにしてもよいし、ステップ306の処理後に、ステップ304へ進み、次のラスターデータを受信するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、BEP装置600において、エラーシートのエラー内容を示す情報に応じた処理が実行可能な他のDFE装置500Bを特定するものとして説明したが、DFE装置500A側で実行するようにしてもよい。この場合、例えば、図3に示すエラー検知部630、エラー内容判別部632、DFE特定部634、DFE情報記憶部638、及び要求信号作成部636を、DFE装置500A側に設けるようにすればよい。
また、本実施の形態では、DFE装置で1ページ毎にRIP処理を行い作成したラスターデータを、1ページ毎にBEP装置に送信して、BEP装置では受信したラスターデータを画像記録装置に出力するものとして説明したが、このような形態に限られるものではなく、例えば、DFE装置で全てのページのPDLデータをラスターデータに変換した後に、ラスターデータまたはエラーシートをBEP装置に出力し、BEP装置では、全てのラスターデータ及びエラーシートを受信した後に、1ページ毎に上述のような1ページ分の印刷処理及び他のDFE装置からラスターデータの受信処理を実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、説明を簡略化するために、図3に示す画像形成システム1には、複数のDFE装置500として、DFE装置500A及びDFE装置500Bの2台を設けた場合を説明したが、更に、複数のDFE装置を高速LANに接続するようにしてもよい。
また、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。