JP4240911B2 - 耐滅菌処理用布帛 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低発塵性で制電性、撥水性、対滅菌処理性にすぐれたポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記することがある)フィラメント繊維製の耐滅菌処理用布帛に関するものであり、さらに詳しくは、血液の付着浸透を防止する手術衣、看護衣、覆布、包布、食品白衣などに適した耐滅菌処理用布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から手術衣としては綿製品が多く用いられてきた。しかしながら、綿製品は短繊維で構成され、摩耗劣化により多量の粉塵を発生し、近年食品や、医療分野の技術進歩と相まって作業環境、特に空気の清浄性が求められ、ホコリ問題から浮遊塵挨によるバクテリアの飛散が指摘されている。手術室では高度な電子機器が使われるため静電気による誤動作を避ける必要がある。また体液や血液付着・浸透等による医師の2次感染の危険動作を避ける必要があり、この分野ではディスポーザブル素材が用いられた。しかし昨今の環境問題、資源問題、安全性の観点から、ポリエステル繊維が使用されたが、繰り返し滅菌による劣化が問題視され、これに耐える耐滅菌処理用布帛が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バクテリアなどの飛散源になるホコリ付着の発生、さらに機器の障害となる静電気の発生の懸念がなく、体液や血液の付着浸透を防止、なおかつ消毒には必須項目である繰り返し滅菌処理に耐え、また撥水性に優れ快適さ、クリーンさ、かつ軽量化の手術衣、看護衣、覆布、包布、食品白衣などに適した耐滅菌処理用布帛を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、下記の構成を採用する。すなわち
【0005】
(1) ポリブチレンテレフタレートフイラメント繊維と導電性フィラメント繊維とを用いてなり、該導電性フィラメント繊維が、芯部に導電性成分を配した芯鞘型導電性フィラメント繊維であることを特徴とする耐滅菌処理用布帛。
【0006】
(2) 撥水加工が施されていることを特徴とする前記(1) 記載の耐滅菌処理用布帛。
【0007】
(3) 経方向に導電性フィラメント繊維が配列されている布帛であって、かつ、該導電性フィラメント繊維が10mm以下の間隔で配置されていることを特徴とする前記(1) または (2)に記載の耐滅菌処理用布帛。
【0008】
(4) 通気度が15cc/cm2 /sec以下であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の耐滅菌処理用布帛。
【0009】
(5) 撥水度4級以上、かつ耐水圧が300mm/cm2 以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐滅菌処理用布帛。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明についてさらに詳細に説明する。
【0011】
本発明の耐滅菌処理用布帛に要求される基本性能として、繰り返し使用による劣化および殺菌、滅菌のためのスチーム処理による劣化に対して高度の抵抗性を示すことが挙げられる。この点から本発明においては、ポリエステル繊維より加水分が起こり難いPBTフィラメント糸で構成させてなるものである。しかも発塵性の点からもステープル繊維よりもフィラメント繊維が優れているため、本発明においては、フィラメント繊維糸を採用するものである。
【0012】
耐滅菌処理用布帛としては、医療関係に用いられるものとして、例えば、手術衣、看護衣、覆布、包布、食品白衣などであり、滅菌条件は日本薬局方(高圧蒸気法)121℃×20分の蒸気処理を施すものである。実施例における処理条件は表1欄外に明示してある。洗濯条件は各病院で設定されている。
【0013】
PBTフィラメント繊維は、ジメチルテレフタレートあるいは、テレフタール酸と1,4−ブタジオールとの溶融重縮合によって得られる繊維である。汎用的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維に比較して、伸長回復特性、ソフト性、染色性および耐加水分解性などに優れた素材である。また着用感(着心地、密着性など)や緻密性から経編地が推奨されるが、用途によっては緻密構造の高密度織物でも差し支えない。
【0014】
PBTフィラメント繊維として、単糸繊度が2.2〜5.6デシテックス、トータル繊度が56〜330デシテックスのマルチフィラメントを経糸に高密度に設計することにより、体液や血液の浸透を防止し、ソフトで緻密な素材を得ることができるため好ましい。
【0015】
本発明における耐滅菌処理用布帛は、PBT繊維と導電性フィラメント繊維とで構成されたものであることが好ましい。特に、経方向に適宜間隔を持つて、導電性フィラメント繊維が配列されているものであることが好ましい。つまり、導電性フィラメント繊維を布帛に含有させることにより発塵性が少なく、制電性能を付与することができる。
【0016】
このPBT繊維と併用する導電性フィラメント繊維は、布帛の経方向に配列され、かつ10mm以下の間隔で配置されていることが好ましい。導電性繊維フィラメント繊維としては、カーボンなどの導電性物が繊維の表面にコーティングされたタイプのもの、シースコア状に繊維内部に封入されたもの、繊維中に分散されたもの、または繊維表面に吸着されたタイプなどいずれでも良い。しかし低発塵性と耐久性を重要視すれば特にシースコアタイプのものが好ましい。導電性成分を芯部に配列したものは、導電性成分を露出した構造のものより導電性微粒子による大気汚染の可能性はきわめて少ない。また露出した構造のものは屈曲、摩擦などの機械作用により剥離、脱落が生じ発塵性が劣る。また薬品などの影響を直接受け、性能低下を招き気易い。
【0017】
さらに本発明の布帛は緻密構造にすることにより、優れた耐水圧が得られる。このことにより体液や血液の付着浸透を防止することが可能となる。本発明における緻密構造による低通気性の尺度としてフラジール法による通気度が用いられ、この値が15cc/cm2 /sec以下であることが好ましい。
【0018】
さらに、付着浸透防止をより完全に期すため撥水加工を施すことが好ましく、さらに必要に応じてカレンダー加工を施しても差し支えない。
【0019】
布帛に撥水性を付与する方法は、シリコーン系撥水剤やフッ素系撥水剤など一般の撥水剤を用いてパッディング法、コーティング法またはスプレー法などにより処理すればよい。
【0020】
本発明においては、さらに、布帛発塵量が300個/ft3 ・100cm2 以下であることが好ましい。
【0021】
また、本発明においては、手術時に体液、血液が飛散し、執刀医師(手術衣)や看護婦(手術衣)の染み込みを防止するため、撥水度4級以上、かつ耐水圧が300mm/cm2 以上であることが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%とは、特に断らない限り重量%である。また実施例中での品質評価は次の方法に従った。
【0023】
(1)耐水圧 :JIS L1092 (耐水圧ショパー測定法)
(2)通気度 :JIS L1096 (フラジール法)
(3)発塵量 :JIS B9923 (シェーキング法)
(4)破裂強力:JIS L1096 (ミューレン法)
(5)撥水性 :JIS L1092 (スプレー法)
(6)減量率 :{(減量処理前重量−減量処理後重量)/減量処理前重量}×100=減量率
(7)加水分解試験
PBTフィラメント繊維として、84dtex−24f、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィラメント繊維として、84dtex−24fを同一の平織りを製織し、所定の条件下で、アルカリによる加水分解性を測定した。
【0024】
[実施例1]
経編地使用糸の構成として、フロントにPBTフィラメント繊維の56dtex−24fフィラメント糸を用い、バックに、芯成分にカーボンブラックを配したポリエステルポリマーベースの芯鞘型導電繊維(電気比抵抗:105Ω・cm)22dtex−1fフィラメントを用い、8mmの間隔で配列されるよう設計し、36ゲージのトリコット機によりハーフ組織のトリコットを編成した。機上の密度は1インチ間にウエルが52、コースが75のこのトリコットを通常の加工条件で精練、染色を行い、次に耐久性の優れた超撥水・仕上げセットを行い密度55ウエル、82コースに仕上げた。結果を表1、表2に示す。
【0025】
[比較例1]
共試布として、通常のPET繊維フィラメント(ポリエチレンテレフタレート)を用いた以外は、実施例1と同条件の製編および加工を行った。結果を表1、表2に示す。
【0026】
[比較例2]
共試布として、PBT繊維の代わりにT65C混紡糸を用いた以外は、実施例1と同条件の製編および加工を行った。結果を表1、表2に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004240911
【0028】
【表2】
Figure 0004240911
【0029】
表1から明らかなように実施例1は本発明の目的に合致し、耐滅菌処理用繊維製品として、いずれの項目でもバランスがとれていた。
【0030】
一方、比較例1は繰り返し滅菌処理の強力低下が著しい。また比較例2では発塵性、耐水圧が低く、滅菌処理の強力低下が著しく、ともに耐滅菌処理用繊維製品として不適であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成としたことにより、繰り返し滅菌、洗濯を行っても、性能、強力が劣化することなく優れた布帛得を得ることができる。
【0032】
また加水分解され難い布帛とすることができる。

Claims (5)

  1. ポリブチレンテレフタレートフイラメント繊維と導電性フィラメント繊維とを用いてなり、該導電性フィラメント繊維が、芯部に導電性成分を配した芯鞘型導電性フィラメント繊維であることを特徴とする耐滅菌処理用布帛。
  2. 撥水加工が施されていることを特徴とする請求項に記載の耐滅菌処理用布帛。
  3. 経方向に導電性フィラメント繊維が配列されている布帛であって、かつ、該導電性フィラメント繊維が10mm以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の耐滅菌処理用布帛。
  4. 通気度が15cc/cm2 /sec以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐滅菌処理用布帛。
  5. 撥水度4級以上、かつ耐水圧が300mm/cm2 以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐滅菌処理用布帛。
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