JP3315972B2 - 蒸気滅菌用布帛 - Google Patents

蒸気滅菌用布帛

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JP3315972B2 JP2000191351A JP2000191351A JP3315972B2 JP 3315972 B2 JP3315972 B2 JP 3315972B2 JP 2000191351 A JP2000191351 A JP 2000191351A JP 2000191351 A JP2000191351 A JP 2000191351A JP 3315972 B2 JP3315972 B2 JP 3315972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気滅菌用の布帛に
関する。詳しくは、布帛を構成する繊維がポリトリメチ
レンテレフタレート繊維糸条が25重量%以上含有され
た、蒸気滅菌用のポリエステル布帛を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、繰り返して蒸気滅菌を必要と
する無菌衣、無塵衣、防塵衣等にはポリエチレンテレフ
タレート系糸条を用いた布帛が使用されている。しか
し、当該布帛を用いた無菌衣等を120〜130℃での
蒸気滅菌を繰り返すと機械的強力が低下し、そのうえ風
合いが硬くなるため身体の自由な動きが阻害されたり、
また布帛が硬くなるため布帛同士が接触しあった時のこ
すれ音が大きく不快であるなどの問題が生ずる。そのた
め、50〜70回の滅菌処理が限界となる(例えば、雑
誌「製薬工場」Vol.6No1.1986.p54参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蒸気
滅菌を繰り返しても耐久性良好なる、柔らかな風合いで
着用快適性に優れる布帛を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討の結果、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維糸条が25重量%以上含有されたポリエ
ステル布帛により達成されることを見出した。ここで布
帛とは、高密度の織物が最も好適であるが、編物、不織
布でもよい。織物では、平織物が最も好適であるが、綾
織物、柄織物、多重織物でもよい。編物では高ゲージの
経編、丸編でもよい。即ち、本発明は、蒸気滅菌用の布
帛であって、該布帛を構成する繊維のうちポリトリメチ
レンテレフタレート繊維糸条が25重量%以上含有され
ていることを特徴とする繰り返し蒸気滅菌処理時の耐久
性良好なるポリエステル布帛である。
【0005】本発明の蒸気滅菌用布帛は、製薬工場、食
品工場、病院等の医療施設、バイオロジカルクリーンル
ーム等で蒸気滅菌が必要とされる布帛製品の材料に供さ
れるものであり、該布帛製品としては無菌衣、無塵衣、
防塵衣等の外衣をはじめ中衣、下着、靴下、手袋、帽
子、マスク、靴材、靴カバー、ワイパー等を包含するも
のであり、特に頭のてっぺんから足の先まで着用する全
ての製品の材料をポリトリメチレンテレフタレート(ポ
リトリメチレンテレフタレート繊維並びにポリトリメチ
レンテレフタレートフィルム、ポリトリメチレンテレフ
タレート樹脂等)で構成することにより、他素材を用い
る場合に蒸気滅菌処理に生じる局部的強度低下を防ぐと
ともにリサイクルが極めて容易となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、ポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる
繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチ
レンテレフタレート単位を約50モル%以上好ましくは
70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ま
しくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分
として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量
が、約50モル%以下好ましくは30モル%以下、さら
には20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下
の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを
包含する。
【0007】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレ
フタレート以外のポリエステルとポリトリメチレンテレ
フタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合
紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0008】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキ
シ安息香酸等)、等がある。
【0009】又、1個又は3個以上のエステル形成性官
能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も
重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。さら
に二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロ
キシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等
の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェ
ノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍
光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていても
よい。
【0010】本発明においてポリトリメチレンテレフタ
レート繊維の紡糸については、1500m/分程度の巻
取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚
する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンド
ロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法
(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
又、繊維の形態は、マルチフィラメント糸条であり、長
さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面に
おいても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉
型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空
型や不定形なものでもよい。
【0011】本発明のポリトリメチレンテレフタレート
繊維糸条とは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を
少なくとも一部に含む糸条のことであり、この糸条繊度
は、一般的に衣料用として使用される30〜222デシ
テックス、好ましくは50〜110デシテックスがよ
く、単糸繊度は0.1〜5デシテックス好ましくは0.
5〜3デシテックスがよい。糸条繊度が30デシテック
ス未満では、布帛に十分な強度が得られないことがあ
り、222デシテックスを超えると、布帛が厚く粗硬な
ものになる傾向にある。また単糸繊度が0.1デシテッ
クス未満では、製織性が困難となり、5デシテックスを
超えると風合いが粗硬になる傾向にある。
【0012】さらに糸条の形態としては、マルチフィラ
メント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、混繊
糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加
工糸、紡績糸等があり、いずれの糸条を用いても構わな
い。なお、ポリトリメチレンテレフタレート繊維糸条が
25重量%以上でポリエチレンテレフタレート系繊維糸
条が75重量%以下の範囲内で両繊維を交絡混繊(高収
縮糸との異収縮混繊糸等)、交撚、複合仮撚(伸度差仮
撚等)、2フィード空気噴射加工、混紡等の手段で混用
してもよい。ポリトリメチレンテレフタレート繊維糸条
が25重量%以下になると、繰り返し蒸気滅菌処理に於
いて機械的性能特に引裂強力が低下し、風合いも粗硬と
なり、本発明の目的を損なう。
【0013】また、布帛構成の際にポリトリメチレンテ
レフタレート繊維糸条が25重量%以上でポリエチレン
テレフタレート系繊維糸条が75重量%以下の範囲で両
繊維糸条が交互に配列してもよい。織物において引裂強
力の高い方向(例えば経糸方向)にはポリエチレンテレ
フタレート系繊維糸条を使用し、引裂強力の低い方向
(例えば緯糸方向)にはポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維糸条とポリエチレンテレフタレート繊維糸条を交
互に打ち込んでも構わない。この場合においてもポリト
リメチレンテレフタレート繊維糸条が25重量%以下に
なると、繰り返し蒸気滅菌処理に於いて機械的性能特に
引裂強力が低下し、風合いも粗硬となり、本発明の目的
を損なう。
【0014】本発明における織物では、防塵性と柔らか
な風合いを得るためにカバーファクターは1600〜2
700が好ましい。より好ましくは1900〜2400
である。ここでいうカバーファクターとは、織物の経糸
又は緯糸が幅2.54cm当たりに並ぶ本数をそれぞれ
の糸密度とする時、次式で与えられる。 カバーファクター=(経糸密度×(経糸のデシテック
ス)1/2 )+(緯糸密度×(緯糸のデシテック
ス)1/2 ) カバーファクターが1600未満では、経糸と緯糸のス
リップにより目ズレが発生し充分な防塵性が得られず、
またカバーファクターが2700を越えると、風合いが
粗硬となる。
【0015】また本発明における織物では、着用快適性
と引裂強力を保持するために、剪断剛性Gを0.5〜
5.0cN/cm・degとすることが好ましい。より
好ましくは1.0〜4.0cN/cm・degである。
剪断剛性Gが0.5cN/cm・deg未満では、織物
のハリ・コシが低く身体にまとわりつく欠点を生じ、ま
た剪断剛性Gが5.0cN/cm・degを越えると、
引裂強力が低下する。ここでいう剪断剛性Gとは、KE
S−FB計測システム(Kawabata's Evaluation System
for Fabric )によって測定される値のことである。
【0016】剪断剛性Gは、カトーテック(株)製、K
ES−FB1(引張・剪断試験機)を用いて、下記測定
条件にて測定することによって得られる経方向と緯方向
の平均値を言う。 剪断剛性G測定条件:最大剪断角度±8゜ 剪断ずり速度5mm/12sec. 強制荷重9.8cN/cm 有効試料20×5cm
【0017】本発明においては、高密度布帛でありなが
ら、ポリトリメチレンテレフタレート繊維糸条のもつ耐
蒸熱性と低ヤング率からくる柔らかさと、布帛の適度の
カバーファクターと剪断剛性により、繰り返し蒸気滅菌
処理を行っても柔らかでノイズレスで着用快適性を維持
できる優れた布帛が得られる。本発明における着用快適
性とは、身体の動きに対して布帛が追随し、身体の動き
が阻害されずに圧迫も感じずに軽く自由な動きができる
状態、および布帛のゴワゴワ性、布帛同志の擦れ音など
を感じずに快い着用感覚をいう。このようにして得た本
発明の高密度織物は、上記性能面から防塵性に優れ、な
おかつ適度の通気性を合わせ持つため、無塵衣や防塵衣
として着用快適性に優れたものが得られる。
【0018】なお、無菌衣、無塵衣、防塵衣等の布帛材
料として使用する場合、静電気発生による障害を避ける
ために、布帛に導電性繊維を混入するのが好ましい。混
入の方法としては、織物では導電性長繊維を経糸または
緯糸に等間隔に織り込み、ストライプ状または格子状に
するのが好ましい。導電性繊維としては、例えば表面に
金属メッキを施した合成繊維やカーボンブラック等の導
電物を多量に含有する合成繊維等を用いることができ、
この他導電性を有する繊維であれば特に限定されるもの
ではない。また、本発明ではこのようにして得た高密度
織物に撥水剤処理と目つぶし加工等を行うことにより、
前記性能を保持しながら撥水、耐水性の良好なノンコー
トの防水性織物が得られ、手術衣や液体を取り扱う作業
衣として着用快適性に優れたものが得られる。
【0019】この防水性織物の加工は、撥水剤として
は、シリコン系、フッ素系、ワックス系、ジルコニウム
塩系、エチレン尿素系、メチロールアミド系、ピリジニ
ウム塩系、金属石鹸類など使用することができ、特に限
定するものではないが、好ましくはシリコン系、フッ素
系が撥水効果、耐久性面で優れる。なお、前記撥水剤に
は、必要に応じて架橋剤、触媒、樹脂等を添加してもよ
い。この撥水剤の加工法は、スプレー、浸漬絞液、キス
ロールなどの方法によって加工することができる。ま
た、目つぶし加工は、該撥水剤処理加工後の織物にプレ
ス加工することにより、織物面を平滑にし、かつ繊維間
げきを少なくして防塵性、耐水性をより向上するととも
に、風合いをより柔軟化する効果がある。
【0020】このプレス加工法としては、二対のロー
ル、ベルト、平板などの間で常温あるいは高温下で加圧
して加工を行うが、加工性、目つぶし効果、風合い面な
どから一方がメタル性の加熱ロール、他方がメタル製、
樹脂製など硬質の低温ペーパーロール、あるいはゴム、
フェルトなど中硬質の低温ロールとからなる一般のカレ
ンダー加工機を用いるのが好ましい。なお、布帛表面に
コーティングやラミネート等の方法により重合体皮膜を
積層することで、防水性能を更に上げることができる。
重合体皮膜としては、ポリウレタン系重合体、ポリフッ
素系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリアミド系重合
体、ポリエステル系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、
ポリ酢酸ビニル系重合体等があげられ、好ましくはポリ
ウレタン系重合体やポリフッ素系重合体を用いたものが
よい。皮膜構造としては、微多孔質皮膜、無多孔質皮膜
のいずれでもよいが、通気性を要求される場合には前者
が好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、布帛特性の測定方法を以下に説明する。 (1)剪断剛性 カトーテック(株)製、KES−FB1(引張り・剪断
試験機)を用いて、下記測定条件にて測定した経方向と
緯方向の平均値を算出した。 剪断剛性G測定条件:最大剪断角度±8゜ 剪断ずり速度5mm/12sec. 強制荷重9.8cN/cm 有効試料20×5cm (2)引裂強力 JIS L1096(ペンジュラム法)に準拠して測定
した。経糸(経方向)および緯糸(緯方向)の切断強力
をn=5で測定し平均値を求めた。
【0022】(3)風合い 布帛のソフト感を官能検査により、◎:非常に良好、
○:良好、△:やや劣る、×:非常に劣る、の4段階で
評価した。 (4)目ズレ 織物を片手で引っ張りながら保持し、もう一方の手の親
指と人差し指間で織物を経緯各方向に各5回しごく。し
ごかれた織物の経糸及び緯糸組織を下記3段階にて肉眼
判定した。○:しごき処理前品と変わらず、△:一部の
糸がわずかにずれている、×:大半の糸がずれている。 (5)蒸気滅菌処理 日阪製作所(株)製のオートクレーブに試料を吊して、
蒸気温度120℃、滅菌時間30分×5回分相当=15
0分、一昼夜自然乾燥の処理を繰り返し行った。
【0023】本発明において実施例に使用したポリトリ
メチレンテレフタレート繊維は、次のようにして準備し
た。ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレ
ートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未
延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホット
プレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800
m/分で延撚して、56デシテックス/24f及び16
7デシテックス/48fの延伸糸を得た。延伸糸の強伸
度は、各々3.0、3.2cN/dtex、46、44
%であった。
【0024】また、ηsp/cはポリマーを90℃でo
−クロロフェノールに1g/デシリットルの濃度で溶解
し、その後、得られた溶液をオストワルド粘度管に移し
35℃で測定し、下記式により算出した。 ηsp/c=(T/T0−1)/C T:試料溶液の落下時間(秒) T0:溶剤の落下時間(秒) C:溶液濃度(g/デシリットル)
【0025】
【実施例1】56デシテックス24フィラメントのポリ
トリメチレンテレフタレート繊維糸条を経糸、167デ
シテックス48フィラメントのポリトリメチレンテレフ
タレート繊維糸条を緯糸として打ち込み、平組織の生機
を得た。本生機を連続精練機で糊抜き後、ピンテンター
型の乾熱処理機を用いて、緊張状態で170℃のプレセ
ットを行った。次いで、130℃で染色を行った後16
0℃のファイナルセットを行った。得られた織物の経密
度は188本/2.54cm、緯密度は58本/2.5
4cmであり、カバーファクターは2156、剪断剛性
Gは1.85cN/cm・degであり、目ズレも良好
であった。この織物を25,50、75、100回の蒸
気滅菌処理を行った。処理前および処理後の織物物性及
び風合い評価結果を表1に示す。100回の処理後も風
合いが柔らかく、引裂強力保持率(経緯平均)の極めて
高いものであった。
【0026】
【実施例2】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維糸条を緯糸として打ち込み、
平組織の生機を得た。実施例1と同様の仕上げ染色加工
を行い、得られた織物経密度は186本/2.54c
m、緯密度は59本/2.54cmであり、カバーファ
クターは2154、剪断剛性Gは2.10cN/cm・
degであり、目ズレも良好であった。この織物を実施
例1と同様の蒸気滅菌処理と評価を行った。100回の
処理後も風合いが柔らかく、引裂強力保持率(経緯平
均)の高いものであった。
【0027】
【実施例3】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維糸条と167デシテックス4
8フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維糸条
(旭化成工業製)を1本交互に緯糸として打ち込み、平
組織の生機を得た。実施例1と同様の仕上げ染色加工を
行い、得られた織物の経密度は185本/2.54c
m、緯密度は59本/2.54cmであり、カバーファ
クターは2147、剪断剛性Gは2.45cN/cm・
deg、目ズレも良好であった。この織物を実施例1と
同様の蒸気滅菌処理と評価を行った。100回の処理後
も風合いが柔らかく、引裂強力保持率(経緯平均)の高
いものであった。
【0028】
【比較例1】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリエチレ
ンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を緯糸とし
て打ち込み、平組織の生機を得た。実施例1と同様の仕
上げ染色加工を行い、得られた織物経密度は183本/
2.54cm、緯密度は60本/2.54cmであり、
カバーファクターは2145、剪断剛性Gは3.01c
N/cm・degであり、目ズレも良好であった。この
織物を実施例1と同様の蒸気滅菌処理と評価を行った。
100回の処理で引裂強力保持率(経緯平均)が極めて
低下し、風合いも硬化したものであった。
【0029】
【実施例4】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維糸条を緯糸として打ち込み、
平組織の生機を得た。実施例1と同様の仕上げ染色加工
を行い、得られた織物経密度は216本/2.54c
m、緯密度は90本/2.54cmであり、カバーファ
クターは2779、剪断剛性Gは4.56cN/cm・
degであり、目ズレも良好であった。この織物を実施
例1と同様の蒸気滅菌処理と評価を行った。100回の
処理で風合いの硬化が見られたが、引裂強力保持率(経
緯平均)の高いものであった。
【0030】
【実施例5】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維糸条を緯糸として打ち込み、
平組織の生機を得た。実施例1と同様の仕上げ染色加工
を行い、得られた織物経密度は98本/2.54cm、
緯密度は64本/2.54cmであり、カバーファクタ
ーは1560、剪断剛性Gは0.47cN/cm・de
gであった。この織物を実施例1と同様の蒸気滅菌処理
と評価を行った。目ズレ評価は若干不良であったが、1
00回の処理後も風合いが柔らかく、引裂強力保持率
(経緯平均)の高いものであった。
【0031】
【実施例6】56デシテックス24フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条(旭化成工業製)を経
糸、167デシテックス48フィラメントのポリトリメ
チレンテレフタレート繊維糸条を緯糸として打ち込み、
平組織の生機を得た。本生機を連続精練機で糊抜き後、
ピンテンター型の乾熱処理機を用いて、緊張状態で19
0℃のプレセットを行った。次いで、130℃で染色を
行った後180℃のファイナルセットを行った。得られ
た織物経密度は185本/2.54cm、緯密度は58
本/2.54cmであり、カバーファクターは213
4、剪断剛性Gは5.16cN/cm・degであり、
目ズレも良好であった。この織物を実施例1と同様の蒸
気滅菌処理と評価を行った。100回の処理で風合いの
硬化が見られたが、引裂強力保持率(経緯平均)の高い
ものであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上の構成による本発明の布帛は、繰り
返し蒸気滅菌時の耐久性が良好で、柔らかな風合いで、
布帛同士の接触による擦れ音が低減されており、医療用
や食品加工業等で使用される無菌衣、無塵衣、防塵衣の
素材として提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 1/00 D03D 1/00 Z // A41D 13/00 A41D 13/00 Z D01F 6/62 306 D01F 6/62 306P

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート繊維糸
    条が25重量%以上含有されていることを特徴とする蒸
    気滅菌用のポリエステル布帛。
  2. 【請求項2】 カバーファクターが1600〜270
    0、剪断剛性Gが0.5〜5.0cN/cm・degの
    高密度織物であって、該織物の経糸または緯糸がポリト
    リメチレンテレフタレート繊維糸条を50重量%以上含
    有していることを特徴とする請求項1記載の布帛。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の布帛を用いて作られた
    菌衣
  4. 【請求項4】 請求項1記載の布帛を用いて作られた無
    塵衣
  5. 【請求項5】 請求項1記載の布帛を用いて作られた防
    塵衣
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