JP5755976B2 - 医療用織物 - Google Patents
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(1)ポリエステル短繊維よりなる芯層をセルロース繊維よりなる鞘層で被覆し、前記芯層および前記鞘層の質量比(芯:鞘)が20:80〜60:40である複重層糸を構成糸としたコーティング層およびラミネート層を備えていない織物であって、該織物のカバーファクターが33.5〜38.0であり、該織物の洗濯・耐熱滅菌処理100回後の物性値が下記(i)〜(iv)を満たすことを特徴とする医療用織物。
(i)通気度が10cm3/cm2・sec以下。
(ii)透湿度が300g/cm2・hr以上。
(iii)RMAが1.5%以上。
(iv)RMDが1.5%以上。
(2)洗濯・耐熱滅菌処理100回後の寸法変化率が15%以下であることを特徴とする(1)記載の医療用織物。
(3)洗濯・耐熱滅菌処理100回後の撥水度が2級以上及び該耐水圧が50mmH2O以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の医療用織物。
(4)帯電電荷密度の絶対値が7.0μC/m2未満であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の医療用織物。
CF=A+B
ただし、A、Bは下記式により算出される数値である。
A={(織物の経糸の密度(本/インチ)÷√経糸の番手)+(織物の緯糸の密度(本/インチ)÷√緯糸の番手)}÷2
B={(織物の経糸の密度(本/インチ)÷√経糸の番手)+(織物の緯糸の密度(本/インチ)÷√緯糸の番手)}×(1÷1完全組織数)
なお、上記式中の「1完全組織数」とは、一完全組織、すなわち織物を形成する周期的な織り柄の最小単位における経糸もしくは緯糸の本数の内、多い方の本数を示す。また、「1÷1完全組織数」とは、組織毎での織物の緻密さを示す数値であり、例えば、平織では1/2、2/1綾織では1/3、2/2綾織及び3/1綾織では1/4、サテン(5枚朱子)では1/5を示す。
JIS L1096フラジール法に基づき、織編物の通気度を測定し、単位:cm3/cm2・secで評価した。
JIS L−1099A−1法(塩化カルシウム法)に基づき、織編物の透湿度を測定し、単位:g/cm2・hrで評価した。
ワッシャー型洗濯機を用い、40cm×40cmの織物を温度70℃、pH9、浴比1:30、洗剤1g/Lで20分洗濯処理した後、常温の水で4分間のすすぎを5回行った後、遠心脱水、タンブル乾燥した。次いで、オートクレーブを用いて、織物を温度121℃で15分滅菌処理を行った。この一連の操作を洗濯・耐熱滅菌処理1回とし、これを100回繰り返した後に、生地の寸法変化率、通気性、透湿性、RMA、RMD、撥水度、耐水圧を測定した。
JIS−L−1094(生地評価)に基づき帯電電荷量を測定し、単位:μC/m2で評価した。
織物を用いて半袖上衣とパンツからなるスクラブスーツを作成し、これを着用して術時と同様の作業をした際の着用感を、快適性及び疲労度の観点から判断し、3段階評価(○:快適性良好である、△:快適性に気になる点がある、×:快適性不良である)を行った。
JIS L−1018スプレー法に基づき、織編物の撥水度を測定し、単位:級で評価した。
JIS L−1092低水圧法に基づき、織編物の耐水圧を測定し、単位:mmH2Oで評価した。
タテ・ヨコ25cmの正方形にカットした織物を105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W0(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量WA(g)を測定した。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量WB(g)を測定した。その後、再度温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量WC(g)を測定した。測定した質量W0、WA、WB、WCから吸湿能力RMA,放湿能力RMDを下記式で算出した。
RMA(%)={(WB−W0)/W0} − {(WA−W0)/W0}×100
RMD(%)={(WB−W0)/W0} − {(WC−W0)/W0}×100
ISO 22612:2005 (感染症物質に対する防護服−生物学的に汚染されたダストに対する防護服材料の耐浸透性試験方法)にて測定を行い、結果をコロニー形成数の対数値で示した。
前述の(3)洗濯・耐熱滅菌処理による耐久性記載の方法にて得られた生地の寸法変化を下記式にて測定した。
寸法変化率(%)=(洗濯・耐熱滅菌処理前後の生地のタテ方向又はヨコ方向で変化した長さ/洗濯・耐熱滅菌処理前の生地のタテ又はヨコ方向長さ)×100
なお、表2、3において、該寸法が該処理後に伸びた場合は該寸法変化率はプラス表示とし、縮んだ場合はマイナス表示とした。
JIS L1096ストリップ法に基づき、織物の引張強力を測定した。
JIS L1096ペンジュラム法に基づき、織物の引裂強力を測定した。
ポリエチレンテレフタレート短繊維(単繊維繊度:1.45dtex×繊維長:32mm)よりなる芯層30質量%、綿繊維よりなる鞘層70質量%からなる複重層糸30番手(商品名:「パルパー」、ユニチカトレーディング株式会社製)と、該複重層糸30番手にポリエチレンテレフタレート導電糸(商品名:「メガーナE」、ユニチカトレーディング株式会社製、表面漏洩抵抗109Ω)28dtex2fを撚り合わせた合撚糸を作成した。続いて、該複重層糸と該合燃糸を61:1の割合で配列して経糸ビームを準備し、これをエアージェットルームに仕掛けた後、緯糸に該複重層糸を用いて製織し、平組織の生機を得た。得られた生機の経方向には、上記合撚糸が2本/インチの割合で均等に配列されていた。
次に、得られた生機をシルケット,精錬・漂白した後、テンターを用いて190℃で熱セットを行った後、連続染色機を用いて分散染料及びスレン染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸密度124本/インチ、緯糸密度70本/インチの医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは35.4であった。
実施例1で得られた平組織の織物生機を用い、シルケット、精錬・漂白を行った後に温度150℃×線圧90kg/cmで熱カレンダー加工し、その後、テンターにて190℃で熱セットを行い、実施例1と同様にして染色加工を実施後、さらにフッ素系撥水剤6重量%及びブロックイソシアネート化合物0.5重量%の混合水溶液に浸漬した後、テンターで150℃の温度下で120秒間のキュアリング処理を施して撥水加工し、経密度124本/インチ、緯密度70本/インチの医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは35.4であった。また、該原布の撥水度5級、耐水圧256mmH2Oであり、該洗濯・耐熱滅菌処理100回後の撥水度は2級、耐水圧は69mmH2Oであった。
該複重層糸と該合燃糸を59:1の割合で配列して経糸ビームを準備し、経糸密度120本/インチ、緯糸密度65本/インチとした以外は、実施例1と同様に行い、医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは33.8であった。
ポリエチレンテレフタレート短繊維よりなる芯層30質量%、綿繊維よりなる鞘層70質量%からなる複重層糸30番手の代わりに、ポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸140dtex460fを用い、経糸密度136本/インチ、緯糸密度90/インチとした以外は、実施例1と同様にして医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは34.8であった。なお、実施例1に比べ、フィラメント100%使いの高密度織物のため、エアージェットルームに代えて、ウォータージェットルーム織機を用い、また、経糸がフィラメント100%使いのため、連続染色機による分散染料及びスレン染料での染色加工に代えて、液流染色機による分散染料での染色加工を行った。
ポリエチレンテレフタレート短繊維よりなる芯層30質量%、綿繊維よりなる鞘層70質量%からなる複重層糸30番手の代わりに、綿100%紡績糸30番手を用いた以外は実施例1と同様に行い、医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは35.4であった。
押出ラミネート離型紙を用いて作成した膜厚20μmのポリカーボネートポリウレタンフィルム上に、ポリカーボネートポリオール樹脂に芳香族系ポリイソシアネート架橋剤とアミン系促進剤を加えた接着樹脂を、フィルム100質量部に対して接着樹脂が50質量部になるように全面に均一に積層した後、実施例1で得られた医療用織物原布を重ね、温度100℃×線圧1.5kg/cmの条件で加圧接着し、常温下で48時間放置・熟成して医療用織物原布(ラミネート品)を得た。該原布の織物部分のカバーファクターは35.4であった。
ポリエチレンテレフタレート短繊維よりなる芯層30質量%、綿繊維よりなる鞘層70質量%からなる複重層糸30番手の代わりに、ポリエチレンテレフタレート短繊維が30重量%、綿繊維が70重量%の混紡糸30番単糸を用い、複重層糸と導電糸の合撚糸のところに複重層糸30番手単体を用いた以外は実施例1と同様に行い、医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは35.4であった。
該複重層糸と該合燃糸を55:1の割合で配列して経糸ビームを準備し、経糸密度115本/インチ、緯糸密度60本/インチとした以外は、実施例1と同様に行い、医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは32.0であった。
ポリエチレンテレフタレート短繊維よりなる芯層30質量%、綿繊維よりなる鞘層70質量%からなる複重層糸30番手の代わりに、ポリエチレンテレフタレート短繊維よりなる芯層を70質量%、綿繊維よりなる鞘層を30質量%とした以外は実施例1と同様に行い、医療用織物原布を得た。該原布のカバーファクターは35.4であった。
一方、表3に示すように、比較例1においては、綿繊維を含まない糸を経糸・緯糸に用いたため、RMA、RMDが不十分であり、比較例6においては、複重層糸に含まれる綿繊維の量が少なすぎたため、RMA、RMDが不十分で、結果として着用感としての快適性が劣っていた。加えて、比較例1では発汗時に生地が肌に貼り付いて不快感が高いものであった。比較例2においては、綿100%の紡績糸を経糸・緯糸にて用いたため、快適性には優れていたものの、洗濯・滅菌処理100回後の寸法安定性が劣り、繰り返しの使用に懸念のあるものであることが判明した。比較例3においては実施例1の生地にラミネート加工をしたため、バクテリア浸透性(感染防護性)の点では良好ではあったが、透湿性が大きく低下した為、衣服内の蒸れの軽減効果が低く着用感に劣るものであった。さらに、生地重量が重く風合も硬くなった。比較例4においては、複重層糸に代えて混紡糸を用いた為、生地の肌触りが実施例1、2に比べて硬くなってしまい、肌への低刺激性の点で劣るものであった。これは、生地表面にPETが多く析出し、結果として毛羽数が少なくなり、風合いを硬化させたものと推測される。また、導電性繊維を繊維中に使用していない為に帯電電荷量が大きく、医療用の精密機器に影響を及ぼす懸念があることがわかった。比較例5においては、生地密度が不十分で通気度が高すぎた為、バクテリア浸透性が高くバリア性に劣るものであった。加えて洗濯・滅菌による寸法変化率が大きく、製品の収縮が大きく使用上問題を来たすものであった。
Claims (4)
- ポリエステル短繊維よりなる芯層をセルロース繊維よりなる鞘層で被覆し、前記芯層および前記鞘層の質量比(芯:鞘)が20:80〜60:40である複重層糸を構成糸としたコーティング層およびラミネート層を備えていない織物であって、該織物のカバーファクターが33.5〜38.0であり、該織物の洗濯・耐熱滅菌処理100回後の物性値が下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする医療用織物。
(1)通気度が10cm3/cm2・sec以下。
(2)透湿度が300g/cm2・hr以上。
(3)RMAが1.5%以上。
(4)RMDが1.5%以上。 - 洗濯・耐熱滅菌処理100回後の寸法変化率が15%以下であることを特徴とする請求項1記載の医療用織物。
- 洗濯・耐熱滅菌処理100回後の撥水度が2級以上及び該耐水圧が50mmH2O以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用織物。
- 帯電電荷密度の絶対値が7.0μC/m2未満であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の医療用織物。
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