JP4240645B2 - 電磁弁マニホールド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類のマニホールドブロックを備えた電磁弁マニホールドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電磁弁マニホールドは、一種類のマニホールドブロックを複数連設した構造を有している。ところで、マニホールドの用途によっては、既に使用されているマニホールドブロックよりも大きいマニホールドブロックを増設したい場合がある。この場合には、図8に示すように、取付レール70上に大きさの異なる2種類のマニホールドブロック71,73が、取付レール70上にそれぞれ複数個ずつ連設されることになる。各マニホールドブロック71,73には、電磁弁が装着されている。電磁弁の大きさに応じて、各マニホールドブロック71,73の大きさが異なっている。すなわち、小型マニホールドブロック71には、図示しない小さい電磁弁が装着されている。又、大型マニホールドブロック73には、図示しない大きい電磁弁が装着されている。各マニホールドブロック71,73に設けられた給排ポート71a,73aには、図示しないエアシリンダが接続されている。エアシリンダの内部は、ピストンによって二つの圧力作用室に区画されている。
【0003】
各小型マニホールドブロック71には、2つの第1エア排出孔72がそれぞれ形成されている。しかしながら、それぞれの第1エア排出孔72により2つの第1排出通路77が形成されている。一方、各大型マニホールドブロック73には、第1エア排出孔72よりも断面積の大きい第2エア排出孔74がそれぞれ形成されている。そして、それぞれの第2エア排出孔74により2つの第2排出通路78が形成されている。第1及び第2排出通路77,78の軸線は互いにずれている。そのため、小型マニホールドブロック71と大型マニホールドブロック73を単に連設していたのでは、第1及び第2排出通路77,78を互いに完全に連設させることができないという問題がある。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、両マニホールドブロック71,73の間に、結合ブロック75を設けた電磁弁マニホールドが知られている。この結合ブロック75の内部には、2つの流体通路76が形成されている。これらの流体通路76は、対応する位置関係にある第1及び第2排出通路77,78同士を互いに連通させている。
【0005】
このように2種類のマニホールドブロック71,73を組み合わせた場合において、エアシリンダから排出されるエアは、通常、既に設置されている小型マニホールドブロック71の一端部から排出される。すなわち、小型マニホールドブロック71に接続されているエアシリンダにエアが供給されると、一方の圧力作用室内のエアが、第1排出通路77を介してマニホールド外部に排出される。又、大型マニホールドブロック73に接続されているエアシリンダにエアが供給されると、他方の圧力作用室内のエアが、第2エア排出孔74及び第1エア排出孔72を経てマニホールド外部に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電磁弁マニホールドにおいては、大型マニホールドブロック73に接続されているエアシリンダから排出されるエアは、断面積の大きい第2排出通路78から断面積の小さい第1排出通路77へと流れる。ここで、エアシリンダの動作速度は、排出通路77,78の断面積(つまり流路断面積)により決定される。そのため、その場合には、エアの流量が少なくなり、結果として排気能力は低下することになる。従って、大型マニホールドブロック73に対応するエアシリンダの動作速度が遅くなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体の排出能力が低下するのを防止できる電磁弁マニホールドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数の第1流体排出孔を有する第1マニホールドブロックと、前記第1マニホールドブロックにある第1流体排出孔よりも断面積が大きい複数の第2流体排出孔を有する第2マニホールドブロックとの間に、ほぼ対応する位置関係にある前記第1及び第2流体排出孔同士を互いに連通させる複数の流体通路を有する結合ブロックを設けた電磁弁マニホールドにおいて、前記第1流体排出孔からなる第1排出通路及び前記第2流体排出孔からなる第2排出通路が前記流体通路によって連通されることで形成される排出用の通路を複数並設し、該排出用の通路において、前記第1マニホールドブロックは、前記第2マニホールドブロックよりも下流側に配置され、前記流体通路間を互いに連通させて、複数の前記排出用の通路のうちの少なくとも2つ以上を連通させる連通路を前記結合ブロックに設け、複数の前記排出用の通路のうち相互に連通された排出用の通路では、前記第1排出通路の断面積の和が前記第2排出路のそれぞれの断面積よりも大きくなるように形成されていることを要旨としている。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電磁弁マニホールドにおいて、前記連通路は、前記第1及び第2流体排出孔と直交する方向へ直線的に延びていることを要旨としている。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の電磁弁マニホールドにおいて、前記連通路は、その端部に流体を外部に排出させるための排出ポートを有していることを要旨としている。
【0012】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、第2流体排出孔を通る流体は、流体通路、連通路、複数の第1流体排出孔を介して、マニホールド外部に排出される。ここで、第1流体排出孔の個々の断面積は、第2流体排出孔の個々の断面積よりも小さい。しかし、流体は複数の第1流体排出孔を通ることから、流路断面積が大きくなる。従って、第2流体排出孔を通る流体の排気能力が低下するのを防止することが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、連通路は、前記第1及び第2流体排出孔と直交する方向へ直線的に延びている。そのため、例えばドリル加工等により連通路を簡単に形成することが可能になる。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、排出ポートは、各マニホールドブロックに設けられた給排ポートと同じ面に配置されている。そのため、排出ポートから流体を排出するための配管経路を、給排ポートに流体を流す配管経路と同じ方向にすることができる。従って、流体を通すための配管構造の簡素化を図ることが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、電磁弁マニホールド10の外観を示す図であって、この図の左斜め下側(手前側)を左側とし、右斜め上側(奥行き側)を右側とする。図1に示すように、DINレール11上には、左側から順に給気ブロック12、5つの小型マニホールドブロック(第1マニホールドブロック)13、結合ブロック14、2つの大型マニホールドブロック(第2マニホールドブロック)15が連設されている。なお、本実施形態の電磁弁マニホールド10では、既設かつ複数の小型マニホールドブロック13に加え、大型マニホールドブロック15が後から2つ増設されている。
【0017】
DINレール11上には、前記各ブロック12〜15を挟み込むように、一対のエンドブロック16,17が配設されている。DINレール11上においてエンドブロック16,17の外側部となる箇所には、固定金具18がねじ19により固定されている。これらの固定金具18により、前記各ブロック12〜15、及び各エンドブロック16,17がそれぞれ所定の位置に保持される。
【0018】
図2に示すように、前記給気ブロック12の前面には、給気ポート21が設けられている。この供給ポート21は、給気ブロック12の中央部に形成されたエア供給孔12aと連通している。給気ブロック12においてエア供給孔12aの両側の箇所には、2つのエア排出孔12b,12cが形成されている。
【0019】
エア排出孔12b,12cの一部は、各マニホールドブロック13,15に設けられた給排ポート38,39と同じ面において開口している。但し、本実施形態では、エア排出孔12b,12cの開口部は、着脱可能なキャップ20により閉塞されている。従って、エア排出孔12b,12cを通るエアは、エア排出孔12b,12cからマニホールド外部に直接抜け出でないようになっている。又、以下の説明において、給排ポート38を「Aポート」といい、給排ポート39を「Bポート」という。
【0020】
前記各小型マニホールドブロック13の中央部には、第1エア供給孔13aがそれぞれ形成されている。各第1エア供給孔13aは、前記エア供給孔12aと連通している。各第1エア供給孔13aの軸線は、左右方向において一致している。そして、各第1エア供給孔13aにより、左右方向に沿って延びる第1供給通路22が形成されている。第1供給通路22の左端開口は、前記左側のエンドブロック16により閉塞されている。
【0021】
各小型マニホールドブロック13において、第1エア供給孔13aの両側の箇所には、2つの第1エア排出孔(第1流体排出孔)13b,13cが形成されている。各第1排出通路23,24は、前記第1エア排出孔13b,13cにそれぞれ連通している。各第1エア排出孔13b,13cの軸線は、左右方向において一致している。そして、第1エア排出孔13b,13cにより、左右方向に沿って延びる第1排出通路23,24が形成されている。
【0022】
各第1排出通路23,24の左端開口は、左側のエンドブロック16に形成された通気孔16a,16bに対向する位置にある。左側のエンドブロック16には収容凹部25が形成され、その収容凹部25内には消音用マフラーエレメント26が収容されている。収容凹部25の開口部には、カバー27が着脱可能に取り付けられている。カバー27には複数の通気口28が形成されている。そして、各第1排出通路23,24を流れるエアが、マフラーエレメント26、通気口28を介してマニホールド外部に排出される。
【0023】
前記各大型マニホールドブロック15の中央部には、第2エア供給孔15aがそれぞれ形成されている。各第2エア供給孔15aの軸線は、左右方向において一致している。そして、各第2エア供給孔15aにより、左右方向に沿って延びる第2供給通路32が形成されている。
【0024】
各大型マニホールドブロック15において、第2エア供給孔15aの両側の箇所には、2つの第2エア排出孔(第2流体排出孔)15b,15cが形成されている。この第2エア排出孔15b,15cの径は、前記第1エア排出孔13b,13cの径よりも大きくなっている。従って、各第2エア排出孔15b,15cの断面積(流路断面積)は、各第1エア排出孔13b,13cの断面積(流路断面積)よりも大きくなっている。しかも、各第2エア排出孔15b,15cのうちいずれか一方の断面積は、両第1エア排出孔13b,13cの断面積の和よりも小さくなっている。
【0025】
又、各第2エア排出孔15b,15cの軸線は、左右方向において一致している。そして、第2エア排出孔15b,15cにより、左右方向に沿って延びる第2排出通路33,34が形成されている。そして、各第2排出通路33,34を流れるエアが、第1排出通路23,24、マフラーエレメント26及び通気口28を介してマニホールド外部に排出される。各第2排出通路33,34の断面積は、各第1排出通路23,24の断面積よりも大きくなっている。しかも、第2排出通路33,34のうちいずれか一方の断面積は、両第1排出通路23,24の断面積の和よりも大きくなっている。
【0026】
各第2排出通路33,34の右端開口は、前記右側のエンドブロック17により閉塞されている。又、第2排出通路33,34の軸線は、前記第1排出通路23,24の軸線よりも外側に位置している。つまり、第2排出通路33の軸線と、第1排出通路23の軸線とは、完全に一致しておらず、互いに若干ずれている。第2排出通路34の軸線と第1排出通路24の軸線との位置関係についても同様のことがいえる。
【0027】
図2,図4に示すように、前記結合ブロック14の中央部には、供給用エア通路14aが形成されている。各第2エア供給孔15aの軸線は、前記第1供給通路22とほぼ一致しており、第2供給通路32と一致している。そして、供給用エア通路14aを介して、第1及び第2供給通路22,32同士は互いに連通されている。
【0028】
図2〜図4に示すように、結合ブロック14において、供給用エア通路14aの両側の箇所には、流体通路としてのエア排出用通路14b,14cが2つ形成されている。なお、図6に示す結合ブロック14の平断面図おいて、各エア排出用通路14b,14cを明確にするために、エア排出用通路14b,14cの中央部を二点鎖線で描いてある。そして、各エア排出用通路14b,14cの左端開口は、前記第1排出通路23,24に接続されている。一方、各エア排出用通路14b,14cの右端開口は、前記第2排出通路33,34に接続されている。これにより、各エア排出用通路14b,14cを介して、ほぼ対応する位置関係にある第1排出通路23,24と、第2排出通路33,34とが互いに連通されている。第1排出通路23,24と第2排出通路33,34との位置関係を明確にするために、図3では供給用エア通路14aを省略して描いてある。
【0029】
結合ブロック14には、その前後方向に沿って延びる連通路36が形成されている。連通路36は、エア排出用通路14b,14cの狭窄部位を貫くように形成されている。連通路36は、等断面かつ断面円形状の孔であって、例えばドリル加工によって簡単に加工形成することができる。又、連通路36は、供給用エア通路14aを避けるような位置に配設されている。従って、連通路36と供給用エア通路14aとは互いに連通されていない。
【0030】
連通路36は、前記第1排出通路23,24、前記第2排出通路33,34と直交する方向に直線状的に延びている。すなわち、連通路36は、前記各第1エア排出孔13b,13c、前記各第2エア排出孔15b,15cと直交する方向に延びている。そして、連通路36を介して、前記エア排出用通路14b,14c同士が互いに連通されている。特に本実施形態の場合、連通路36により、2つあるエア排出用通路14b,14cの全てのものが互いに連通されている。
【0031】
又、前記連通路36の一端は、前記各ポート38,39が設けられた面と同じ面(マニホールドブロック13,15の前面)において開口している。連通路36の他端は、前記各ポート38,39と反対の面においては開口していない。すなわち、連通路36の開口部36aは1箇所にあることになる。開口部36aは連通路36の内部よりも大径になっている。但し、本実施形態では、連通路36の開口部36aは着脱可能な閉塞キャップ37により閉塞されている。従って、第2排出通路33,34を流れるエアは、連通路36からマニホールド外部に直接抜け出でないようになっている。
【0032】
図1に示すように、前記各ポート38,39には、配管40,41を介してアクチュエータであるエアシリンダ42が接続されている。ここで、エアシリンダ42は図1において1つのみ図示されている。実際には、各小型マニホールドブロック13、各大型マニホールドブロック15ごとに、1つのエアシリンダ42が接続されている。
【0033】
各エアシリンダ42のシリンダ本体43内には、ピストン44が収容されている。このピストン44の存在によって、シリンダ本体43内が2つの圧力作用室45,46に区画されている。そして、第1圧力作用室45にエアが供給されることにより、ピストン44に連結されたロッド47がシリンダ本体43から突出するようになっている。又、第2圧力作用室46にエアが供給されることにより、前記ロッド47が没入するようになっている。
【0034】
各小型マニホールドブロック13の上面には小型電磁弁50が設けられている。各小型電磁弁50は、小型マニホールドブロック13と同様に左右方向に沿って連設されている。又、大型マニホールドブロック15の上面には大型電磁弁51が設けられている。各大型電磁弁51は、大型マニホールドブロック15と同様に左右方向に沿って連設されている。そして、各電磁弁50,51の切換動作により、Aポート38又はBポート39を介してエアがエアシリンダ42に供給される。
【0035】
上記のように構成された電磁弁マニホールド10の作用について説明する。
既設の小型マニホールドブロック13に加え、大型マニホールドブロック15が後から2つ増設される。すなわち、右側のエンドブロック17が取り外され、小型マニホールドブロック13群の右側には、結合ブロック14と2つの大型マニホールドブロック15とが配設される。そして、右側のエンドブロック17が大型マニホールドブロック15群の右側に固定される。これにより、小型マニホールドブロック13群と、大型マニホールドブロック15群とが結合ブロック14を介して結合される。この結合により、第1排出通路23,24と第2排出通路33,34とは、エア排出用通路14b,14cに接続される。そして、第1排出通路23,24と第2排出通路33,34とは、連通路36を介して互いに連通される。
【0036】
小型マニホールドブロック13に接続されたエアシリンダ42のロッド47が没入状態にある場合において、ロッド47は次のようにして突出される。すなわち、給気ポート21からエアが供給されると、その供給エアは、エア供給孔12a、第1供給通路22、小型電磁弁50、Aポート38、配管40を介して第1圧力作用室45内に流れる。これにより、第1圧力作用室45内のエア圧力が高くなって、ロッド47がシリンダ本体43から突出する。
【0037】
ロッド47の突出と同時に、第2圧力作用室46内のエアが配管41を介してBポート39内に排気される。そして、エアシリンダ42の第2圧力作用室46から流れる排出エアは、小型電磁弁50、一方の第1排出通路23、一方のエア排出孔12b、一方の通気孔16a、マフラーエレメント26、通気口28を介してマニホールド外部に排出される。
【0038】
続いて、大型マニホールドブロック15に接続されたエアシリンダ42のロッド47が没入状態にある場合について説明する。この場合、上述した動作とほぼ同じエアの流れによってロッド47が突出する。但し、この突出動作に伴い、エアシリンダ42の第2圧力作用室46から流れる排出エアは、大型電磁弁51、一方の第2排出通路33、連通路36、両第1排出通路23,24、両エア排出孔12b,12c、両通気孔16a,16b、マフラーエレメント26、通気口28を介してマニホールド外部に排出される。従って、一方の第2排出通路33を流れる排出エアは、2つの第1排出通路23,24を通ってマニホールド外部に排出される。そのため、一方の第2排出通路33を流れる排出エアの排気能力が低下することはない。
【0039】
反対に、小型マニホールドブロック13に接続されたエアシリンダ42のロッド47が突出状態にある場合において、ロッド47は次のようにして没入される。すなわち、給気ポート21からエアが供給されると、その供給エアは、エア供給孔12a、第1供給通路22、小型電磁弁50、Bポート39、配管41を介して第2圧力作用室46内に供給される。これにより、ロッド47が没入する。
【0040】
ロッド47の没入と同時に、第1圧力作用室45内のエアが配管40を介してAポート38内に排気される。そして、エアシリンダ42の第1圧力作用室45から流れる排出エアは、小型電磁弁50、他方の第1排出通路24、他方のエア排出孔12c、他方の通気孔16b、マフラーエレメント26、通気口28を介してマニホールド外部に排出される。
【0041】
続いて、大型マニホールドブロック15に接続されたエアシリンダ42のロッド47が突出状態にある場合について説明する。この場合、上述した動作とほぼ同じエアの流れによってロッド47がシリンダ本体43内に没入する。但し、ロッド47の没入に伴い、エアシリンダ42の第1圧力作用室45から流れる排出エアは、大型電磁弁51、他方の第2排出通路34、連通路36、両第1排出通路23,24、両エア排出孔12b,12c、両通気孔16a,16b、マフラーエレメント26、通気口28を介してマニホールド外部に排出される。従って、他方の第2排出通路34を流れる排出エアは、2つの第1排出通路23,24を通ってマニホールド外部に排出される。そのため、他方の第2排出通路34を流れる排出エアの排気能力が低下することはない。
【0042】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1) 小型マニホールドブロック13群と、大型マニホールドブロック15群との間に結合ブロック14が設けられている。結合ブロック14には、ほぼ対応する位置関係にある第1エア排出孔13b,13c、及び第2エア排出孔15b,15c同士を互いに連通させる複数のエア排出用通路14b,14cが形成されている。そして、結合ブロック14には、両エア排出用通路14b,14cを互いに連通させる連通路36が形成されている。そのため、エアシリンダ42から流れる排出エアは、いずれか一方の第2排出通路33,34から、連通路36を介して2つの第1排出通路23,24に流れるようになる。従って、エアシリンダ42から流れる排出エアを、断面積の小さい一方の通路33(又は34)から、断面積の和が大きい2つの通路23,24に流すことができるので、排気能力が低下することはない。この結果、大型マニホールドブロック15に接続されているエアシリンダ42の動作速度が低下するのを防止することができる。
【0043】
(2)小型マニホールドブロック13に接続されたエアシリンダ42と、大型マニホールドブロック15に接続されたエアシリンダ42とが同時に駆動する場合がある。この場合には、複数のエアシリンダ42からの排出エアが、各通路23,24,33,34内に流れる。このような動作状況下においても、従来の電磁弁マニホールド10に比較して、排出エアの排気能力は低下しないので、各エアシリンダ42の動作速度が低下することはない。
【0044】
(3) 連通路36は、各第1エア排出孔13b,13c、及び各第2エア排出孔15b,15cと直交する方向に延びている。従って、ドリル加工等により連通路36を簡単に形成することができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0046】
前記第1実施形態では、エアシリンダ42からの排出エアを、電磁弁マニホールド10の左側、つまり左側エンドブロック16に設けた通気口28から排出するようにした。しかし、第2実施形態では、左側のエンドブロック16に設けた通気孔16a,16bが省略されている。そして、図5,図6に示すように、エア供給孔12a及びエア排出孔12b,12cが、左側のエンドブロック16により閉塞されている。
【0047】
又、前記エア排出孔12b,12cの開口部には、前記キャップ20が取り外されて、排気ポート55が設けられている。従って、図5に示す部材番号12は、給気ポート21と排気ポート55が設けられているため、「給排気ブロック」となっている。従って、以下の説明において、部材番号12を給排気ブロックという。
【0048】
連通路36の開口部36a及びエア排出用通路14b,14cの開口部の断面積の和は、前記両エア排出孔12b,12cの断面積の和とほぼ等しくなっている。連通路36の開口部36aには、前記キャップ37が取り外されて、排気ポート57が設けられている。そして、第1排出通路23,24、第2排出通路33,34を流れるエアが、両排気ポート55,57を介して、マニホールド外部に排出される。両排気ポート55,57は、配管を介して1つの消音装置(何れも図示しない)に集中的に接続されている。
【0049】
従って、第2実施形態においても、前記第1実施形態とほぼ同様の効果を奏することができる。又、第2実施形態によれば、給排気ブロック12の前端面及び結合ブロック14の前端面には、排気ポート55,57がそれぞれ設けられている。そのため、各マニホールドブロック13,15のポート38,39がある面と同じ面から排出エアがマニホールド外部に排出される。従って、排出エアを排出するための配管を、給気エアを流す配管と同じ方向に沿って配設することができ、配管構造が複雑にならないという利点がある。
【0050】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 図7に示すように、結合ブロック14の上面には、供給用エア通路14aに通じる給気ポート60を設けてもよい。この構成にすれば、例えば、大型マニホールドブロック15を多数増設しても、給気エアを2つの給気ポート21,60から送り込むことができるので、給気能力が低下するのを防止することができる。
【0051】
・ 前記各実施形態では、第1エア排出孔13b,13c及び第2エア排出孔15b,15cを2つ設けた。これ以外にも、各エア排出用通孔13b,13c,15b,15cを3つ以上設けてもよい。
【0052】
・ 各エア排出用通路13b,13c,15b,15cの数の変更に合わせて、エア排出用通路14b,14cの数も3つ以上にしてもよい。この場合において、少なくとも2つ以上のエア排出用通路を連通路36により連通させることが好ましい。
【0053】
・ 前記各実施形態では、連通路36を等断面かつ断面円形状の孔とした。これ以外にも、連通路36の断面形状を例えば四角状にしたり、等断面でない形状に変更してもよい。
【0054】
・ 前記第1実施形態では、エア排出孔12b,12cの開口部をキャップ20により塞いだ。又、連通路36の開口部36aをキャップ37で塞いだ。これ以外にも、開口部をなくして、キャップ20を使用しない給気ブロック12に変更してもよい。同様に、開口部36aをなくして、キャップ37を使用しない結合ブロック14に具体化してもよい。
【0055】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 記連通路の一端は各マニホールドブロックに設けられた給排ポートと同じ面において開口している。この構成によれば、配管構造の簡素化を図ることができる。
【0056】
(2) 記連通孔は、等断面かつ断面円形状に形成されている。この構成によれば、連通孔の加工が簡単になる。
(3) 記連通孔は、ドリル加工された孔である。
【0057】
(4) 記連通孔の断面積は、第1流体排出孔の断面積よりも大きく設定されている。
(5) 記連通孔の内径は、前記第1流体排出孔の内径よりも大きく設定されている。
【0058】
(6) 記連通孔の開口部に消音器を接続した。
(7) 記連通路は、全ての流体通路を互いに連通するものである。
【0059】
(8) 複数の第1流体排出孔を有する第1マニホールドブロックを設け、前記各第1流体排出孔同士が連通するように複数の第1マニホールドブロックをレール上に連設し、前記第1マニホールドブロックにある第1流体排出孔よりも断面積が大きい複数の第2流体排出孔を有する第2マニホールドブロックを設け、前記各第2排出路同士が連通するように複数の第2マニホールドブロックを前記レール上に連設し、前記第1マニホールドブロックと、前記第2マニホールドブロックの境界部に、位置関係にある前記第1及び第2流体排出孔同士を互いに連通させる流体通路を有する結合ブロックを設けた電磁弁マニホールドにおいて、前記第1マニホールドブロックにある全ての第1流体排出孔と、前記第2マニホールドブロックにある全ての第2流体排出孔とを互いに連通するための連通路を前記結合ブロックに設けた電磁弁マニホールド。この構成によれば、流体の排出能力が低下するのを防止できる。
【0060】
(9) 複数の第1流体排出孔を有する第1マニホールドブロックと、前記第1マニホールドブロックにある第1流体排出孔よりも断面積が大きい複数の第2流体排出孔を有する第2マニホールドブロックとの間に設けられ、ほぼ対応する位置関係にある前記第1及び第2流体排出孔同士を互いに連通させる流体通路を備えた結合ブロックにおいて、前記流体通路間を互いに連通させる連通路を備えた結合ブロック。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項に記載の発明によれば、流体の排出能力が低下するのを防止できる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、連通路を簡単に形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、流体を通すための配管構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における電磁弁マニホールドの斜視図。
【図2】電磁弁マニホールドの分解斜視図。
【図3】結合ブロックを簡略化した斜視図。
【図4】結合ブロックの平断面図。
【図5】第2実施形態における電磁弁マニホールドの分解斜視図。
【図6】結合ブロックの平断面図。
【図7】結合ブロックの斜視図。
【図8】従来技術における電磁弁マニホールドを簡略化して示す平面図。
【符号の説明】
13b,13c…第1エア排出孔(第1流体排出孔)、13…小型マニホールドブロック(第1マニホールドブロック)、14b,14c…エア排出用通路(流体通路)、14…結合ブロック、15b,15c…第2エア排出孔(第2流体排出孔)、15…大型マニホールドブロック(第2マニホールドブロック)、36…連通路、38…Aポート(給排ポート)、39…Bポート(給排ポート)、57…排出ポート。

Claims (3)

  1. 複数の第1流体排出孔を有する第1マニホールドブロックと、前記第1マニホールドブロックにある第1流体排出孔よりも断面積が大きい複数の第2流体排出孔を有する第2マニホールドブロックとの間に、ほぼ対応する位置関係にある前記第1及び第2流体排出孔同士を互いに連通させる複数の流体通路を有する結合ブロックを設けた電磁弁マニホールドにおいて、
    前記第1流体排出孔からなる第1排出通路及び前記第2流体排出孔からなる第2排出通路が前記流体通路によって連通されることで形成される排出用の通路を複数並設し、該排出用の通路において、前記第1マニホールドブロックは、前記第2マニホールドブロックよりも下流側に配置され、
    前記流体通路間を互いに連通させて、複数の前記排出用の通路のうちの少なくとも2つ以上を連通させる連通路を前記結合ブロックに設け
    複数の前記排出用の通路のうち相互に連通された排出用の通路では、前記第1排出通路の断面積の和が前記第2排出路のそれぞれの断面積よりも大きくなるように形成されている電磁弁マニホールド。
  2. 前記連通路は、前記第1及び第2流体排出孔と直交する方向へ直線的に延びている請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
  3. 前記連通路は、その端部に流体を外部に排出させるための排出ポートを有し、その排出ポートは、前記各マニホールドブロックに設けられた給排ポートと同じ面に配置されている請求項1に記載の電磁弁マニホールド
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