JP4240387B2 - ポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、前述の課題、つまりPTFE繊維の特性を損なうことなく、より微少なダストの捕集性に優れた布帛について、鋭意検討し、布帛の表面に複数の凸部を含む繊維断面、または扁平の繊維断面を有するPTFE繊維もしくはフィブリル化したPTFE繊維を配して構成したところ、かかる課題を一挙に解決できることを究明したものである。
フィブリル化させる前のPTFE延伸糸からサンプルをランダムに抜き取り下記の通り包埋法により断面写真を撮影する。その上でそれぞれの断面写真を切り取り重量を測定することで断面積を求め、本発明のPTFE繊維は比重2.30g/cm3を用いて繊度を計算した。ランダムに30本測定し、平均値を算出する。その平均値と最小繊度、最大繊度の大きい方のばらつきの程度を測定した。
サンプル糸を成形枠にやや張力を加えセロテープで固定する。200℃で加熱してパラフィンとステアリン酸の混合物を溶融させる。130℃になったらエチルセルロースを少量ずつ加え、攪拌しながら1時間保温して泡を抜く。100℃まで落とした後、成形枠に流し込む。冷却・固化させた後、適当な大きさのブロックに切り分ける。ミクロトームを用いて、ブロックから切片(厚さ7μm程度)を切り出し、スライドグラスの上に載せる。このとき、スライドグラス上にアルブメンを薄く塗り延ばしておく(アルブメンは卵の白身とグリセリン等量、防腐剤としてサリチル酸ソーダ1wt%添加したもの)。70℃に保った乾燥機に20分放置して熱処理を行い乾燥させた後、酢酸イソアミル浴に約1時間浸し、脱包埋を行ない、その後風乾する。スライドグラスの上に流動パラフィンを一滴つけ、空気が入らないようにカバーグラスを静かに載せ、顕微鏡を用いて写真を撮影する。
室内温度30℃、相対湿度60%とし、カード機に2g/m〜10g/mの原綿を投入しつつ、ローラー通過時のシリンダーローラーの巻き付き、ネップの発生を観察し、以下のように評価した。
○:良好、△:やや悪い、×:非常に悪い
布帛の表面写真を撮影し、フィブリル糸の占める面積をよみとった。撮影倍率は50倍で、ビデオハイスコープを用いた。
布帛の断面写真を電子顕微鏡で撮影し、最も繊維径の細い繊維を選択し、該繊維の繊維直径をよみとる。撮影倍率は1000倍とする。
捕集効率は大気塵計数法により実施した。ダスト粒径は0.5μm以下、濾過風速は1.0m/分で、パーティクルカウンターを使用して、大気中のダストの捕集効率を測定したデータである。
ビスコース熟成度(塩点)8.0、セルロース濃度9.0%、アルカリ濃度6.2%のビスコース50重量%と濃度60%のPTFE水分散液50%を混合した後、10Torrの減圧下で脱泡して重合体濃度30%の成形用原液を得た。原液中のポリマーに対するPTFE樹脂含有量は87.0%であり、30℃における原液粘度は132ポイズであった。この原液を複数の凸部を有する成型用口金に導き、表1に示した断面形状、繊度になるように紡糸口金を変更して凝固浴中に吐出した。凝固浴は硫酸濃度10.0%、硫酸ソーダ濃度11.0%の混合水溶液であり、温度は10℃であった。次いで凝固した未焼成糸を温度80℃の温水で洗浄した後、濃度0.12%の苛性ソーダ水溶液を入れたアルカリ浴中に導いて精練し、酸成分を完全に除去した。その後、アルカリ浴から導かれた未焼成糸をニップローラで絞った後、4%のリラックスを与えながら280℃の温度で半焼成を行ない、次いで350℃に保った焼成ローラを用いて焼成を行い30m/分の速度で引き取り、未延伸糸を得た。次いで未延伸糸は350℃の温度で熱延伸され、表1に示す異形断面PTFE延伸糸を得た。
PTFEステープルファイバー(東レ・ファインケミカル社製TOYOFLON7.4dtex×70mm;丸断面)を用い実施例1と同様にして布帛を得た。測定結果を表1に合わせて示す。
実施例1および比較例1で得られたフィブリル化していないフェルト布帛についてもフィブリル化を行わないままで、布帛のフィブリルの割合、最小繊維径、捕集効率を測定した。結果を表1に示す。
実施例7〜11は、繊度を変更した以外は実施例1と同様にして製糸を行った。結果を表2に示す。実施例7〜10では、実施例7の繊度が1.5dtex未満の1.2dtexであり、繊度ばらつきが10%程度となりカード通過性がやや悪い状態となった。また、実施例11で繊度が18.0dtexを超えた20.0dtexの際、最小繊維径がやや大きくなり、ダスト捕集効率もやや低い傾向となった。また、太繊度のため焼成不足気味で延伸時の糸切れが見られる傾向となった。
Claims (5)
- マトリックスとしてビスコースを用い、ポリテトラフルオロエチレンの水分散液との混合液を、硫酸濃度7〜13%、硫酸ソーダ濃度7〜15%に制御した凝固浴槽に複数の凸部を有する口金から吐出し、紡糸、精練した後、焼成ローラを用い、1〜5%のリラックスを与えながら250〜320℃の半焼成工程を経た後に、320〜380℃の温度で焼成を行うことを特徴とする、ポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
- 接触タイプの焼成ローラを用いることを特徴とする、請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
- 半焼成、焼成工程を行う前に0.08〜0.16%のアルカリ濃度でアルカリによる洗浄を行う洗浄工程を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
- 製造されるポリテトラフルオロエチレン繊維が、3〜8の凸部をもつ繊維断面、または扁平の繊維断面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
- 製造されるポリテトラフルオロエチレン繊維が、繊度が1.5dtex以上18.0dtex以下であって、その繊度ばらつきが該繊度の10%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
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